説明

車両用冷却システム

【課題】車両用冷却システムにおいて、沸騰冷却装置を車両の搭載に適するように組み込むことである。
【解決手段】車両用冷却システム10は、エンジン12の発熱によって昇温した冷媒をラジエータ14に向かって流す冷媒排出流路16と、ラジエータ14によって熱交換されて降温した冷媒をエンジン12に向かって流す冷媒供給流路30と、冷媒排出流路16に並列に配置される沸騰冷却装置40を備える。冷媒排出流路16は、上流側に沸騰冷却装置40の流入口が接続され、下流側に沸騰冷却装置の流出口が接続されるエンジン側流路部18と、エンジン側流路部18よりも下流側の部分であって、沸騰冷却装置40からの沸騰蒸発した冷媒をこれより温度の低いエンジン12から流れてくる冷媒で凝縮させるラジエータ側流路部20で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用冷却システムに係り、特に、発熱体を沸騰熱伝達により冷却する沸騰冷却装置を用いた車両用冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷却装置としては、空冷、水冷の熱交換器を用いるものが知られている。この他に、冷媒の蒸発潜熱を用いる沸騰冷却は、除熱密度が高いことで注目される。
【0003】
例えば、特許文献1には、ハイブリッド電気自動車用沸騰冷却装置として、インバータに接触して設けられる蒸発器と、蒸発器の上方に設けられ、気化した沸騰冷媒が循環する循環路と、エンジンを冷却する冷媒であるLLC(Long Life Coolant)が循環する循環路とが近接する位置に設けられる構成が述べられている。
【0004】
特許文献2には、発熱体を冷却する沸騰冷却装置として、鉛直方向に下段チャネル、中段チャネル、下段チャネルの複数の冷却チャネルを有し、各冷却チャネルが鉛直方向に冷媒を流す冷却フィンと、冷却フィンの発熱体が当接する側と反対側に形成された蒸気排出流路を有する構成が述べられている。ここでは、各冷却チャネル間に、発生した気泡が次の冷却チャネルに進行することを妨げながら蒸気排出流路へと導く流路仕切板兼排出ガイド板が設けられることが開示されている。
【0005】
特許文献3には、電気部品を冷却する装置として、冷却すべきエレメントに熱接触する蒸発器と、圧縮器と、外部媒体に熱接触して媒体に熱を伝達する凝集器と、減圧弁とを含み、例えば、減圧弁で冷却された冷媒が50℃程度のエレメントで蒸発器において蒸発し、圧縮器でさらに高温にされ、110℃の外部媒体で凝縮器において冷却されて液化し、減圧弁でさらに冷却される公知例が述べられている。そして、ここでは、エレメントの熱を交換器で二次冷却系統の流体に移し、循環ポンプで二次冷却系統の流体を循環させる1つの熱ループと、二次冷却系統の流体の熱について蒸発器を含む別の交換器でもう1つの熱ループである冷却ループに移すことが開示されている。
【0006】
特許文献4には、一体型電気モーターのインバータのための冷却構成装置として、電気モーターに隣接して配置された区画室内に配置されるインバータが噴霧状の誘電冷却剤で冷却されることが開示されている。ここでは、噴霧状となった液体がリザーバーに収集され、フィルタを介したポンプから分配器に至って、再び噴霧状の液体となって循環し、この循環の間に、冷却剤がリザーバー内の管を通って流れる第2の液体冷却剤によって冷却されることが述べられている。なお、第2の液体冷却剤は、内燃エンジンを冷却するラジエータにより供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−41952号公報
【特許文献2】特開2010−212402号公報
【特許文献3】特開平3−3919号公報
【特許文献4】特開2006−273317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
沸騰冷却は、冷媒の蒸発による潜熱冷却を利用し、高熱流束での除熱が可能である。沸騰冷却には、除熱後の蒸気を凝縮して冷媒を循環させる必要があるが、特許文献1,3に開示されているように蒸発器と凝縮器とを別個に準備する構成は、部品点数、コストの面で課題が残る。特に、沸騰冷却装置を車両用冷却システムに適用する場合には、部品点数の増大を抑制し、コストの増大を抑制することが好ましい。
【0009】
本発明の目的は、沸騰冷却装置を車両の搭載に適するようにして用いることができる車両用冷却システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る車両用冷却システムは、エンジンを冷却する冷媒を用いて車両搭載発熱機器を冷却する車両用冷却システムであって、エンジンの発熱によって昇温した冷媒をラジエータに向かって流す冷媒排出流路と、ラジエータによって熱交換されて降温した冷媒をエンジンに向かって流す冷媒供給流路と、冷媒排出流路に並列または直列に配置される沸騰冷却装置であって、冷媒排出流路から、エンジンの発熱によって昇温した冷媒を取り入れる流入口と、車両搭載用発熱機器の熱によって冷媒を沸騰蒸発させる蒸発器部と、沸騰蒸発した冷媒を冷媒排出流路に戻す流出口と、を含む沸騰冷却装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る車両用冷却システムにおいて、冷媒排出流路は、上流側に沸騰冷却装置の流入口が接続され、下流側に沸騰冷却装置の流出口が接続され、エンジンからの昇温した冷媒を沸騰冷却装置に分流して沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒を合流させるエンジン側流路部と、エンジン側流路部よりも下流側の部分であって、沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒をこれより温度の低いエンジンから流れてくる冷媒で凝縮させるラジエータ側流路部と、を有することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部は、内部に沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒が流れる内側管と、内側管の外周側に配置され、エンジンから流れてくる冷媒が通る外側管と、を有することが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部は、内側管または外側管をらせん状管とすることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部の内側管は、軸方向に沿って、その内壁または外壁に凹凸溝を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
上記構成により、車両用冷却システムは、エンジンからラジエータに向かう冷媒排出流路を流れるエンジンの発熱によって昇温した冷媒を用いて、沸騰熱伝達によりインバータを冷却する。このように、従来のエンジンの冷却システムを用いながら、例えば、エンジンによって昇温した冷媒の温度設定を適切に行うことで、冷媒をインバータの発熱で蒸発させることが容易となり、沸騰熱伝達でインバータの除熱を効果的に行える。
【0016】
また、車両用冷却システムにおいて、冷媒排出流路は、上流側の部分として、エンジンからの昇温した冷媒を沸騰冷却装置に分流して沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒を合流させるエンジン側流路部を有し、エンジン側流路部よりも下流側の部分として、沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒をこれより温度の低いエンジンから流れてくる冷媒で凝縮させるラジエータ側流路部を有する。これによって、凝縮器を別個に準備する必要がなく、車両用冷却システムにおける部品点数の増大を抑制しながら、沸騰冷却装置を設けることができる。
【0017】
また、車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部は、内部に沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒が流れる内側管と、内側管の外周側に配置され、エンジンから流れてくる冷媒が通る外側管とを有する。これにより、沸騰蒸発した冷媒を効率的に凝縮することができる。
【0018】
また、車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部は、内側管または外側管をらせん状管とするので、沸騰蒸発した冷媒を効率的に凝縮することができる。
【0019】
また、車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部の内側管は、軸方向に沿って、その内壁または外壁に凹凸溝を有するので、沸騰蒸発した冷媒を効率的に凝縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る実施の形態の車両用冷却システムが配置される車両のエンジン室の様子を説明する図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の車両用冷却システムに用いられる沸騰冷却装置の構成を説明する図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の車両用冷却システムの構成を説明するブロック図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部に二重管を用いる様子を説明する図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部の外側管をらせん状とした例を説明する図である。
【図6】本発明に係る実施の形態の車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部の内側管をらせん状とした例を説明する図である。
【図7】本発明に係る実施の形態の車両用冷却システムにおいて、ラジエータ側流路部の内側管に凹凸溝を設ける例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、車両用冷却システムが車両の前方に設けられるエンジン室に設けられるものとして説明するが、エンジンの冷却に用いられる冷媒を沸騰冷却装置に利用できればよく、これ以外の配置であってもよい。エンジン室が車両の前方になくてもよく、また、沸騰冷却装置とエンジンとが別の室空間に配置されるものであってもよい。また、沸騰除熱の対象である発熱体をインバータとして説明するが、これ以外の発熱する車両搭載機器であってもよい。
【0022】
また、以下では、沸騰冷却装置が冷媒排出流路に並列に配置されるものとして説明するが、沸騰冷却装置が冷媒排出流路のエンジン側に配置され、冷媒排出流路のラジエータ側の部分が沸騰蒸気の凝縮に用いられる構成であればよい。したがって、そのような構成をとるように、沸騰冷却装置を冷媒排出流路に直列に配置される場合にも本発明が適用できる。
【0023】
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0024】
図1は、沸騰冷却装置40を組み込んだ車両用冷却システム10の構成を説明する図である。車両用冷却システム10は、車両の前方に設けられるエンジン室8に設置される。この車両用冷却システム10は、エンジン12の発熱によって昇温した冷媒をラジエータ14で冷却し、ウォータポンプ32で再びエンジン12に戻すエンジン冷却システムに沸騰冷却装置40を適用して、インバータ34を冷却するシステムである。冷媒としては、LLCが用いられる。
【0025】
車両用冷却システム10は、エンジン12と、エンジン12の発熱によって昇温した冷媒をラジエータ14に向かって流す冷媒排出流路16と、ラジエータ14によって熱交換され降温した冷媒をエンジン12に向かって流す冷媒供給流路30を含んで構成される。ラジエータ14は、車両の走行風、あるいは冷却ファンを用いて、冷媒の熱を外気に放散する熱交換器である。ウォータポンプ32は、LLCをエンジン12とラジエータ14との間で循環させる電動ポンプである。
【0026】
インバータ34は、図示されていない回転電機に接続される回路で、直流電力と交流電力との間の電力変換を行う機能を有する。例えば、回転電機がエンジン12と同様に車両の走行駆動源として用いられる場合には、図示されていない蓄電装置の直流電力を交流電力に変換して回転電機に供給する。また、回転電機がエンジン12によって駆動されるとき、あるいは車両の制動時のときに発電機として機能するときは、回転電機が発生する交流電力を直流電力に変換して蓄電装置に充電電力として供給する。インバータ34は、複数のスイッチング素子を含み、高電圧、大電力で作動するスイッチング回路であるため、動作時に発熱する。
【0027】
沸騰冷却装置40は、インバータ34の冷却に用いられる冷却装置で、ここでは、沸騰除熱によってインバータ34を冷却する。沸騰除熱に用いられる冷媒は、エンジン12の発熱によって昇温したLLCである。
【0028】
例えば、約2気圧である0.2MPaにおける沸点128.5℃のLLCを用いることができる。このLLCの場合には、エンジン12の発熱によってLLCが約120℃前後に昇温したときに、これを沸騰冷却装置40に供給するようにする。このような温度による切替制御は、適当なセンサを用いて行うことができる。ここで、沸点との差は約8.5℃と小さいので、インバータ34の発熱を沸騰冷却装置40に伝熱することで、LLCがすぐに沸点まで昇温し、LLCが容易に沸騰蒸発する。そして、その潜熱除熱で、インバータ34が冷却される。
【0029】
図2は、沸騰冷却装置40の構成を示す図である。沸騰冷却装置40の筐体42には、流入口44と、流出口46が設けられ、内部空間が冷媒の流れる管路部となっている。管路部には、冷媒を沸騰蒸発させる蒸発器部48が設けられる。
【0030】
蒸発器部48には、筐体42にインバータ34が接触するところの管路部の内壁面50に垂直に複数のフィン52が立設される。このフィン52は、インバータ34の熱を冷媒に伝熱し、冷媒を昇温する。先ほどの例で、流入口44から供給されるLLCの温度が約120℃であると、フィン52における昇温が約8.5℃あると、LLCは沸騰蒸発する。その際に、潜熱除熱によって、フィン52を冷却し、ひいてはインバータ34を冷却する。
【0031】
再び図1に戻り、冷媒排出流路16は、機能からみて、エンジン側流路部18とラジエータ側流路部20の2つの部分に分けて考えることができる。配置関係からはこの区分は相対的なもので、エンジン側流路部18は、冷媒排出流路16において、エンジン12の側の部分であり、ラジエータ側流路部20は、冷媒排出流路16において、ラジエータ14の側の部分である。配置関係の区分としては、次の機能的区分を満たすものであればどのような区分であってもよいが、例えば、冷媒排出流路16の全長に対し、上流側の1/2以下1/4以上の部分をエンジン側流路部18とすることができる。勿論、これ以外の区分の仕方であってもよい。
【0032】
エンジン側流路部18は、沸騰冷却装置40の流入口44が接続され、下流側に沸騰冷却装置40の流出口46が接続され、エンジン12からの昇温した冷媒を沸騰冷却装置40に分流して沸騰冷却装置40からの沸騰蒸発した冷媒を合流させる機能を有する。これに対し、ラジエータ側流路部20は、エンジン側流路部18よりも下流側の部分であって、沸騰冷却装置40からの沸騰蒸発した冷媒をこれより温度の低いエンジン12から流れてくる冷媒で凝縮させる機能を有する。つまり、ラジエータ側流路部20は、沸騰除熱における凝縮器としての機能を有する。
【0033】
図3は、冷媒排出流路16をエンジン側流路部18とラジエータ側流路部20の2つの部分に分けたときの車両用冷却システム10の模式的なブロック図である。ここに示されるように、エンジン12とラジエータ14との間のLLC循環冷却システムにおいて、冷媒排出流路16のエンジン側流路部18に並列に沸騰冷却装置40が配置される。ここで、沸騰冷却装置40は、蒸発器としての機能を有し、エンジン12からの昇温した冷媒を沸騰蒸発させることでインバータ34を除熱する。そして、沸騰蒸気は、冷媒排出流路16のラジエータ側流路部20における凝縮器としての機能によって凝縮され、ラジエータ14に流れる。なお、ラジエータ側流路部20において凝縮しきれないものは、ラジエータ14において凝縮されて液相冷媒に戻る。
【0034】
ラジエータ側流路部20は、上記のように凝縮器としての機能を有するので、放熱性、熱交換性がよい構造が好ましい。例えば、ラジエータ側流路部20の管径をエンジン側流路部18の管径よりも太くすることが好ましい。
【0035】
図4は、ラジエータ側流路部20を二重管構造とする例を示す図である。図4に示されるように、ラジエータ側流路部20は、内部に沸騰冷却装置40からの沸騰蒸発した冷媒が流れる内側管22と、内側管22の外周側に配置され、エンジン12から流れてくる冷媒が通る外側管24とで構成される。この二重構造が凝縮器として働き、沸騰蒸気を効果的に凝縮させることができる。
【0036】
図5は、二重管構造をさらに工夫して、ラジエータ側流路部20の外側管26を、内側管22に沿ってらせん状に配置したものである。この構造が凝縮器として働き、沸騰蒸気を効果的に凝縮させることができる。図6は、ラジエータ側流路部20の外側管24の内部に、らせん状の内側管28を配置したものである。この構成の方が、図5の構成よりも効果的に凝縮器として働く。
【0037】
図7は、ラジエータ側流路部20の内側管29の内壁に凹凸溝を設け、伝熱面積を増加させる構成の例を示す図である。凹凸溝を内側管29の外壁に設けるものとしてもよい。凹凸溝を内側管29の軸方向に沿って平行とすれば、引き抜き加工によって、凹凸溝を有する管を容易に得ることができる。また、凹凸に代えてフィンを設けるものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る車両用冷却システムは、車両に搭載される発熱体の除熱に利用できる。
【符号の説明】
【0039】
8 エンジン室、10 車両用冷却システム、12 エンジン、14 ラジエータ、16 冷媒排出流路、18 エンジン側流路部、20 ラジエータ側流路部、22,28,29 内側管、24,26 外側管、30 冷媒供給流路、32 ウォータポンプ、34 インバータ、40 沸騰冷却装置、42 筐体、44 流入口、46 流出口、48 蒸発器部、50 内壁面、52 フィン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを冷却する冷媒を用いて車両搭載発熱機器を冷却する車両用冷却システムであって、
エンジンの発熱によって昇温した冷媒をラジエータに向かって流す冷媒排出流路と、
ラジエータによって熱交換されて降温した冷媒をエンジンに向かって流す冷媒供給流路と、
冷媒排出流路に並列または直列に配置される沸騰冷却装置であって、冷媒排出流路から、エンジンの発熱によって昇温した冷媒を取り入れる流入口と、車両搭載用発熱機器の熱によって冷媒を沸騰蒸発させる蒸発器部と、沸騰蒸発した冷媒を冷媒排出流路に戻す流出口と、を含む沸騰冷却装置と、
を備えることを特徴とする車両用冷却システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用冷却システムにおいて、
冷媒排出流路は、
上流側に沸騰冷却装置の流入口が接続され、下流側に沸騰冷却装置の流出口が接続され、エンジンからの昇温した冷媒を沸騰冷却装置に分流して沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒を合流させるエンジン側流路部と、
エンジン側流路部よりも下流側の部分であって、沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒をこれより温度の低いエンジンから流れてくる冷媒で凝縮させるラジエータ側流路部と、
を有することを特徴とする車両用冷却システム。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用冷却システムにおいて、
ラジエータ側流路部は、
内部に沸騰冷却装置からの沸騰蒸発した冷媒が流れる内側管と、
内側管の外周側に配置され、エンジンから流れてくる冷媒が通る外側管と、
を有することを特徴とする車両用冷却システム。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用冷却システムにおいて、
ラジエータ側流路部は、内側管または外側管をらせん状管とすることを特徴とする車両用冷却システム。
【請求項5】
請求項3に記載の車両用冷却システムにおいて、
ラジエータ側流路部の内側管は、軸方向に沿って、その内壁または外壁に凹凸溝を有することを特徴とする車両用冷却システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−17279(P2013−17279A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147507(P2011−147507)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【出願人】(803000115)学校法人東京理科大学 (545)
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【Fターム(参考)】