車両用前照灯
【課題】設計開発が容易で所定の性能を達成することができ、開発期間も短期間で費用負担も少なくできる車両用前照灯の提供。
【解決手段】ランプボディ10内部の灯室内に照明光学系40を収容するフォグランプ1であって、ランプボディ10は、所定方向に延在する筒形状を有し、ランプボディ10の一端部側開口11を覆う透明カバー20と、ランプボディ10の他端部側開口12を覆うと共に照明光学系40を支持する後部カバー30と、を有するという構成を採用する。
【解決手段】ランプボディ10内部の灯室内に照明光学系40を収容するフォグランプ1であって、ランプボディ10は、所定方向に延在する筒形状を有し、ランプボディ10の一端部側開口11を覆う透明カバー20と、ランプボディ10の他端部側開口12を覆うと共に照明光学系40を支持する後部カバー30と、を有するという構成を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前照灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用前照灯は、走行安全上の観点から、車両前方の所定の照明領域に光を投光する構成となっている。この照明領域は、車両の仕様や所定の法規によって定められており、車両用前照灯の照明光学系は、当該定められた照明領域に光を投光できるように光学設計されている。下記特許文献には、ランプボディとカバーとで形成された灯室内に、照明光学系として、光源、レンズ、リフレクタ等を備える車両用前照灯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−207528号公報
【特許文献2】特開2010−108637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の車両用前照灯の特にランプボディの設計開発においては、多くの時間と費用を有するという問題がある。具体的にランプボディには、光学設計に基づき、光源、レンズ、リフレクタの焦点位置合わせをするための支持部(棚やブラケット等)を所定の位置に設けなければならない。また、上記特許文献に記載のように、ランプボディは、アルミダイキャストからなり、形状に応じた型設計や、製造設備計画等の調整に多大な時間と費用を有する。
加えて、ランプボディには、放熱設計に基づき、光源から出る熱を伝導・輻射・対流に分けて熱マネージメントし、必要であれば放熱フィン等を設けなければならい。さらに、ランプボディは、機械的な強度、剛性等を考慮に入れて設計する必要があり、また、小型であること、軽量であること、低コストであること等が求められる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、設計開発が容易で所定の性能を達成することができ、開発期間も短期間で費用負担も少なくできる車両用前照灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、ランプボディ内部の灯室内に照明光学系を収容する車両用前照灯であって、上記ランプボディは、所定方向に延在する筒形状を有し、上記ランプボディの一端部側開口を覆う透明カバーと、上記ランプボディの他端部側開口を覆うと共に上記照明光学系を支持する後部カバーと、を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディの形状を筒形状とし、従来、照明光学系を支持していた支持部を廃する。そして、照明光学系は、後部カバーに支持させる。これにより、ランプボディの形状の単純化が図れるため、形状に応じた型設計や、製造設備計画等の調整等にかかる多大な時間と費用を削減することができる。
【0007】
また、本発明では、上記ランプボディは、押し出し成形材から形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディの形状を単純化することで、筒形状の押し出し成形材を所定長さにカットすることにより、ランプボディを量産することができる。このため、従来のアルミ鋳造構造のランプボディと比べて、生産速度やコスト等の面で有利となる。
【0008】
また、本発明では、上記ランプボディには、放熱フィンが一体で形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディに放熱フィンが一体となっているためコスト安に寄与させることができる。
【0009】
また、本発明では、上記ランプボディは、外部筐体に取り付けられており、上記ランプボディには、上記外部筐体に取り付けるための取り付け部が一体で形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディに取り付け部が一体となっているためコスト安に寄与させることができる。
【0010】
また、本発明では、上記ランプボディと上記カバーとは嵌合しており、上記ランプボディには、上記カバーとの嵌合部が一体で形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディに嵌合部が一体となっているためコスト安に寄与させることができる。
【0011】
また、本発明では、上記ランプボディは、黒色アルマイト処理がされているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディを黒色アルマイト処理し、表面を黒色にすることで、輻射による放熱効果を高めることができる。
【0012】
また、本発明では、上記後部カバーは、上記照明光学系から発せられる熱の少なくとも一部を、上記ランプボディに伝熱する熱伝導材から形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、照明光学系を支持する後部カバーを熱伝導材から形成し、受熱した少なくとも一部を、放熱効果が高いランプボディに伝熱することで、放熱性能を向上させることができる。
【0013】
また、本発明では、上記照明光学系は、半導体発光素子を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、半導体発光素子から発せられた光は、高い指向性を有するため、照明光学系の構成を簡単化し、部品点数を削減できる。
【0014】
また、本発明では、上記ランプボディは、外部筐体に取り付けられており、上記ランプボディの上記外部筐体に対する取り付け角度を調整する角度調整機構を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディの角度を調整して照明光学系から透明カバーを介して投光される光の向きを調整することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、設計開発が容易で所定の性能を達成することができ、開発期間も短期間で費用負担も少なくできる車両用前照灯が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態におけるフォグランプが設けられた乗用車を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるフォグランプの取付構造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるフォグランプを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態におけるフォグランプを示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態におけるフォグランプを示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態におけるフォグランプを示す分解断面図である。
【図7】本発明の実施形態における押し出し成形材を示す図である。
【図8】本発明の一別実施形態における押し出し成形材を示す図である。
【図9】本発明の一別実施形態におけるフォグランプを示す正面図である。
【図10】本発明の一別実施形態における透明カバーを示す断面図である。
【図11】本発明の一別実施形態におけるフォグランプを示す分解断面図である。
【図12】本発明の一別実施形態における押し出し成形材を示す図である。
【図13】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す正面図である。
【図14】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す正面図である。
【図15】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す正面図である。
【図16】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す図である。
【図17】本発明の一別実施形態における透明カバーを示す図である。
【図18】本発明の一別実施形態における後部カバーを示す図である。
【図19】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す図である。
【図20】本発明の一別実施形態におけるランプボディの取付構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、本発明をフォグランプに適用した場合を例示する。
図1は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1が設けられた乗用車100を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1の取付構造を示す断面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の乗用車100には、車両用前照灯として、ヘッドランプ(走行用前照灯、すれ違い用前照灯)101と、フォグランプ(前部霧灯)1と、が設けられている。なお、フォグランプ1は、補助前照灯とも称される。
フォグランプ1は、図2に示すように、フロントバンパー102に設けられた凹部103に挿入され、凹部103の底部とフォグランプ1の後部とがネジ部材2により締結されて、取り付けられている。なお、フォグランプ1の取り付け構造は、この構造に限定されず、車両の仕様等により適宜変更され得る。
【0019】
図3は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1を示す斜視図である。図4は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1を示す分解斜視図である。図5は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1を示す断面図である。図6は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1を示す分解断面図である。
図に示すように、フォグランプ1は、ランプボディ10と、透明カバー20及び後部カバー30と、で形成された灯室内に照明光学系40を収容する構成となっている。
【0020】
透明カバー20は、ランプボディ10の一端部側開口11を覆うようにして取り付けられている。透明カバー20は、一端部側開口11の内面に沿って嵌合する嵌合部21を有する。透明カバー20は、ランプボディ10に接着されて、灯室内への異物(水、埃、泥等)の浸入を阻止する構成となっている。この透明カバー20は、ガラス材や樹脂材等から形成されており、車両前方へ光を投光可能とさせる構成となっている。
【0021】
後部カバー30は、ランプボディ10の他端部側開口12を覆うようにして取り付けられている。後部カバー30は、他端部側開口12の内面に沿って嵌合する嵌合部31を有する。後部カバー30は、接着、カシメあるいは不図示のネジ部材によってランプボディ10に固着される。後部カバー30は、照明光学系40を支持する構成となっている。また、後部カバー30は、照明光学系40から発せられる熱を灯室外に逃がすヒートシンクとして機能する。
【0022】
後部カバー30は、照明光学系40から発せられる熱の少なくとも一部をランプボディ10に伝熱する熱伝導材から形成されている。本実施形態の後部カバー30は、放熱特性を向上させるため黒色アルマイト処理がされたアルミニウム材から構成されている。なお、放熱性能を向上させるため、黒色アルマイト処理の代わりに黒色塗装する構成であってもよい。後部カバー30には、灯室内が完全密封されないようにするための通気孔32(図4参照)が形成されている。
【0023】
なお、ランプボディ10及び後部カバー30のいずれか一方には、照明光学系40に電気的に接続される電源ケーブル等を含む不図示のケーブルハーネスを灯室内に導き入れるため、不図示の貫通孔が形成されている。
照明光学系40は、LED(半導体発光素子)41と基板42とを有するLEDモジュール43と、光束ガイド筒44と、から構成されている。不図示のケーブルハーネスは、基板42を介してLED41と電気的に接続される構成となっている。LEDモジュール43は、放熱グリス(本実施形態ではシリコーングリス)を挟んで、後部カバー30に対してネジ部材33によって固定されている。また、図5に示すように、LED41の光軸Axは、透明カバー20に向けて設定されている。なお、本実施形態のLED41は、図4に示すように、面発光する矩形の発光領域が左右方向(水平方向、車両幅方向)に直列に4個配置された発光部41aを備えるが、ここでいう光軸Axとは、発光部41aを一つの光源とみなしたときの中心の光軸を意味する。
【0024】
光束ガイド筒44は、LED41と透明カバー20との間に設けられると共に、光軸Axの周りを囲って、フォグランプ1の照明領域を規定する構成となっている。具体的に光束ガイド筒44は、所定の法規(保安基準、ECE規則等)を満たすように、フォグランプ1の照明領域を規定する構成となっている。
【0025】
光束ガイド筒44は、LED41が配置される側に設けられる光導入口45と、透明カバー20が配置される側に設けられる光導出口46と、を有する。光導入口45の少なくとも一部と、光導出口46の少なくとも一部とは、光軸Axが延びる方向において重なって配置されている。この構成によれば、LED41から発せられた光は、高い指向特性を有するので、光量の多い直接光が透明カバー20に導かれて、所定の照明領域に投光されることとなる。
【0026】
また、光束ガイド筒44は、LED41の指向特性に基づいて、開口面積が、光導入口45から光導出口46に向かうに従って漸次大きくなる形状を有する(図4〜図6参照)。なお、本実施形態では、所定の法規を満たすように(対向車に対して眩しさを無くすように)、光束ガイド筒44が、上方以外の方向において漸次大きくなる形状を有する。
具体的に、光束ガイド筒44は、左右方向(車両幅方向)において、光軸Axに対し角度±40度の範囲内で両側に大きくなる形状となるように設計されて、また、上下方向(車両高さ方向)において、光軸Ax(水平面)に対し下方0度〜40度の範囲内で大きくなる形状となるように設計されることが好ましい。
【0027】
光導入口45は、LED41の発光部41a(図4参照)の周りを囲うように配置される。本実施形態の発光部41aは、面発光する矩形の発光領域が左右方向(水平方向、車両幅方向)に直列に4個配置されている。このため、光導入口45は、略長方形状を有する。一方、光導出口46は、略台形形状を有する。この台形形状により光が絞られ、フォグランプ1の照明領域が定まる。
【0028】
光束ガイド筒44は、光導出口46の位置を調整する位置調整機構50を有する(図4〜図6参照)。本実施形態の位置調整機構50は、光導出口46の上下方向における位置を調整する構成となっている。光束ガイド筒44の下部には、弾性変形が可能な金属製の板バネ51が設けられている。この板バネ51は、ネジ部材52によって、後部カバー30に固定されている。ネジ部材52は、左右方向において間隔をあけて対で板バネ51を固定し、光束ガイド筒44の水平度を確保する構成となっている。
【0029】
一方、光束ガイド筒44の上部には、位置調整用のネジ部材53の回転によりその軸方向に進退する雌ネジ部54が設けられている。ネジ部材53は、後部カバー30を貫通する貫通孔34に回転自在に支持されている。なお、ネジ部材53は、そのヘッド部と後部カバー30を挟んだ逆側に、抜け止めの不図示のフランジ部が設けられている。上記構成によれば、灯室外部からネジ部材53を軸周りに任意の方向に回転することで、雌ネジ部54がネジ部材53の軸方向に進退する。そうすると、雌ネジ部54の位置に応じて、光束ガイド筒44が板バネ51の固定位置を支点として上下方向に傾く。これにより、光導出口46の位置を調整することが可能となる。なお、図中、光束ガイド筒44とLEDモジュール43とが接するように配置されているが、実際には両者の間に位置調整用の微小な隙間が形成されている。
【0030】
光束ガイド筒44は、例えばアルミニウム材から形成されている。光束ガイド筒44の内面側には、光反射面47が設けられている。本実施形態における光反射面47は、めっき処理により形成されている。なお、光反射面47は、蒸着処理により形成してもよいし、光反射コーティング剤を塗布することにより形成してもよい。光反射コーティング剤としては、例えばシリコン樹脂に高反射フィラーを入れて光拡散能に優れ、反射率98%で膜厚が100μm程度になる光反射コーティング剤(オキツモ株式会社製)を好適に用いることができる。
【0031】
ランプボディ10は、所定方向に延在する筒形状を有する。本実施形態では、上述した照明光学系40の構成部品の全てを後部カバー30に支持させる構成となっているため、ランプボディ10の内側には突出部(棚、ブラケット)等が設けられていない。このため、ランプボディ10の形状が、丸型パイプ形状に単純化されている。また、本実施形態のランプボディ10は、押し出し成形材から形成されている。
【0032】
図7は、本発明の実施形態における押し出し成形材60を示す図である。
押し出し成形材60は、丸型パイプ形状を有する。本実施形態の押し出し成形材60は、アルミニウム材を押し出し成形することで形成されている。ランプボディ10は、押し出し成形材60を所定長さ毎に切断することで量産することができる。なお、図7における2点鎖線は、ランプボディ10を切り出す切り出し線を示している。
【0033】
ランプボディ10は、照明光学系40から発せられる熱を灯室外に逃がすヒートシンクとしても機能する。本実施形態のランプボディ10は、放熱性能を向上させるために黒色アルマイト処理がされたアルミニウム材から構成されている。本実施形態のように、押し出し成形材60が、アルミニウム材で形成される場合に放熱効果を高めるためには、黒色アルマイト処理がコスト的に有効である。
【0034】
黒色アルマイト処理は、周知のように、液中に浸したアルミニウム材を陽極で電解酸化し、所定の黒染料で染色する処理である。黒色アルマイト処理は、丸型パイプ形状の押し出し成形材60からランプボディ10を切り出した後に行っても良いし、切り出す前に行っても良い。なお、ランプボディ10の切り出し前に、押し出し成形材60を黒色アルマイト処理した方が、コスト的に好ましい。
【0035】
続いて、上記構成のフォグランプ1による作用について説明する。
【0036】
LED41に電気が給電されると、発光部41aが面発光する。LED41から発せられた光は、指向性が高いので、裏面側に回り込むことなく、ほとんど全てが光導入口45を介して、光束ガイド筒44内に導入される。光束ガイド筒44内に導入された光は、光導出口46の開口形状によって絞られて、光導出口46から導出される。そして、光導出口46から導出された光は、透明カバー20を介して、車両前方の所定の照明領域に投光されることとなる。
【0037】
LED41が発光すると、LED41を含めLEDモジュール43が発熱する。LEDモジュール43の熱は、LEDモジュール43を支持する後部カバー30に伝熱されて、外部に放熱される。また、後部カバー30が受熱した一部は、ランプボディ10との接触部から、より表面積(放熱面積)が広いランプボディ10側に伝熱されて、外部に放熱される。このため、LED41の発光効率が、温度上昇により低下することを防止することができる。さらに、ランプボディ10には、黒色アルマイト処理がなされているため、輻射による放熱効果を促進させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、照明光学系40は、指向性の高い光を投光できるLED41を光源としている。このため、本実施形態では、照明光学系40を、光束ガイド筒44を設ける代わりにレンズ等を備えない構成として、照明光学系40の構成を簡単化し、部品点数の削減を実現させ、照明光学系40の構成部品の全てを後部カバー30に支持させる構成とさせることができる。この構成によれば、後部カバー30の形状や設計に負担をかけないようにしつつ、ランプボディ10の形状を単純化させることができる。
【0039】
ランプボディ10の形状が単純化されると、ランプボディ10の形状を、従来のような照明光学系40を支持していた支持部を廃した形状とすることができる。そうすると、光学設計の変更による、ランプボディ10の設計開発への影響が低減される。また、ランプボディ10の形状が単純化されると、従来のようなアルミ鋳造によらずに、図7に示すような、押し出し成形材60からの切り出しによって量産できるので、簡単且つ低コストでランプボディ10を形成することができる。また、ランプボディ10の形状が単純化されると相対的に軽量化を図ることができる。また、ランプボディ10の形状が単純化されると、放射設計や、強度、剛性に関する設計も容易となる。具体的に本実施形態では、ランプボディ10の放熱設計は、パイプ材の外径(表面積)と厚みで容易に調整できる。また、ランプボディ10の機械的な強度、剛性等も、パイプ材の径と厚みの調整により容易に調整できる。
【0040】
したがって、上述した本実施形態によれば、設計開発が容易で所定の性能を達成することができ、開発期間も短期間で費用負担も少なくできるフォグランプ1が得られる。
【0041】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態では、ランプボディ10は、図7に示すように、丸型パイプ形状の押し出し成形材60をその軸芯と直交する直交面に沿ってカットすることで量産すると説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば、図8に示すように、丸型パイプ状に押し出した押し出し成形材60を、その軸芯と所定角度で交差する傾斜面に沿って斜めにカット(より詳しくは、軸芯と交差する傾斜面に沿うカットと、軸芯と直交する直交面に沿うカットとを交互に)することで、スラントタイプのランプボディ10を量産することができる。このように、カットする角度を調整することで、ランプボディ10の形状を容易に変更することができる。
【0043】
また、例えば、上記実施形態では、透明カバー20は正面視で円形状である構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。透明カバー20は、単なる水・埃除けであるから、以下に示す構成とすることで、外観見栄えの向上、差別化が容易に行える。
例えば、図9(a)に示すように、透明カバー20の形状をランプボディ10よりも大きくし、正面視で楕円形状としても良い。また、図9(b)に示すように、正面視で楕円形状とした透明カバー20に合わせて、ランプボディ10の形状を正面視で楕円形状としても良い。この場合、楕円型パイプ状にして押し出した押し出し成形材60をカットすることで、楕円形状のランプボディ10を容易に量産することができる。また、図8に示すスラントタイプのランプボディ10に合わせて、図10(a)に示すように、透明カバー20の形状を斜めにしても良い。また、図10(b)に示すように、斜め形状とした透明カバー20を、ランプボディ10よりも大きくしても良い。また、透明カバー20の外径を、丸型パイプ状のランプボディ10の外径に合わせた形状としても良い。
【0044】
また、例えば、ランプボディ10の内面に模様を付けることで、見栄えの向上、差別化が容易に行える。図11に示すランプボディ10の内面には、模様が形成されている。このランプボディ10は、図12に示すように、円筒の内面を8角形にして押し出した押し出し成形材60をカットすることで、内面が8角形状となったランプボディ10を製造することができる。なお、図12(a)は、押し出し成形材60の正面図を示す、また、図12(b)は、図12(a)におけるA−A断面図を示す。
また、ランプボディ10の内面の形状は、8角形だけでなく、要求に応じて、12角形や16角形、24角形等の多角形状にしても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、ランプボディ10は、丸型パイプ形状であると説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。
ランプボディ10における放熱量が不足する場合は、図13に示すように、その外形にいろいろな形状の放熱フィン61を設けて、放熱設計を行うことができる。この場合、放熱フィン61と共に押し出した押し出し成形材60をカットすることで、放熱フィン61が一体で形成されたランプボディ10を容易に量産することができる。図13(a)は、放射状に設けられた単純フィン形状の放熱フィン61が一体で形成されたランプボディ10を示す。また、放熱面積を大きくすると共に外形を小さくしたい場合には、図13(b)〜図13(d)のような工夫をしても良い。図13(b)に示す放熱フィン61は、波形状(ウエーブ形状)を有する。図13(c)に示す放熱フィン61は、ランプボディ10の周方向に沿って曲がった形状を有する。図13(d)に示す放熱フィン61は、ランプボディ10の周方向に沿って曲がった形状を有し、先端部が先細り形状を有する。なお、図13(c)及び図13(d)に示す放熱フィン61の先端部は、略上向きとなっており、熱が上に逃げるような形状となっている。また、図13(e)に示すように、ランプボディ10の上半分に図13(a)に示す放熱フィン61aを設け、ランプボディ10の下半分に図13(d)に示す放熱フィン61bを設ける構成であっても良い。また、図13(f)に示すように、放熱効率を上げるために、ランプボディ10の外側と内側との熱バランスを近くする目的で、ランプボディ10の内側に受熱フィン61´を設けても良い。
【0046】
また、図14に示すように、ランプボディ10に、外部筐体であるフロントバンパー102(図1及び図2参照)に取り付けるための取り付け部62を一体で形成しても良い。さらに、ランプボディ10に、取り付け部62と放熱フィン61とを一体で形成しても良い。この場合、取り付け部62及び放熱フィン61と共に押し出した押し出し成形材60をカットすることで、取り付け部62及び放熱フィン61が一体で形成されたランプボディ10を容易に量産することができる。図14(a)に示す構成によれば、押し出し成形後、取り付け部62に孔部を形成し、ネジ部材64を用いて、ランプボディ10をフロントバンパー102に取り付ける構成とすることができる。また、図14(b)に示す構成によれば、押し出し成形時に、取り付け部62にスリット62aを形成し、スリット62aから突出させるように配置したネジ部材65を用いて、ランプボディ10をフロントバンパー102に取り付ける構成とすることができる。また、スリット62aの幅を大きくし、ワッシャーを差し込んで、ネジ部材65の上下方向の位置を微調整する構成としても良い。
【0047】
また、放熱フィン61の配置は、図15(a)及び図15(b)に示すように工夫しても良い。図15(a)に示す放熱フィン61は、熱が逃げる上側に集中して設けられている。この構成によれば、放熱効果を高めることができ、また、材料の節約及び軽量化を図ることができる。また、図15(b)に示す放熱フィン61は、熱が逃げる上側にのみ集中して設けられている。この構成によれば、上記効果に加えて、外形(図15において2点鎖線で示す)を小さくすることができるので、デザイン面の自由度を広げると共に、車両レイアウトの自由度拡大にも貢献できる。
【0048】
また、図16に示すように、ランプボディ10に、透明カバー20及び後部カバー30と嵌合する嵌合部66を一体で形成しても良い。嵌合部66は、図16(a)に示すように、ランプボディ10の軸芯方向(前後方向)に延在しており、押し出し成形時に一体で形成されている。また、嵌合部66は、図16(b)に示すように、ランプボディ10の内径側に突出して設けられている。また、透明カバー20の嵌合部21には、図17に示すように、ランプボディ10の嵌合部66の形状に応じた凹部21aが形成されている。凹部21aは、図17(a)に示すように前後方向に延在しており、図17(b)に示すように内径側に凹んで設けられている。また、後部カバー30の嵌合部31には、図18に示すように、ランプボディ10の嵌合部66の形状に応じた凹部31aが形成されている。凹部31aは、図18(a)に示すように前後方向に延在しており、図18(b)に示すように内径側に凹んで設けられている。この構成によれば、ランプボディ10の押し出し成形時に嵌合部66を設け、透明カバー20及び後部カバー30に、位置決めの凹部21a,21bを設けることで、位置決め精度を簡単に向上させることが可能となる。
なお、凹みをランプボディ10に設け、突起を透明カバー20及び後部カバー30に設けても良く、組合せは任意である。また、突起あるいは凹みの位置は、上下方向でなく、左右方向でもよいし、軸対称に配置しなくても良い。また、さらに位置決め精度を上げる必要がある場合は、突起及び凹みの数を増やすことで、目的を達成することができる。
【0049】
また、図19に示すように、丸型パイプ形状のランプボディ10に、ネジ部材67,68を設けて、外部筐体であるフロントバンパー102に取り付ける構成としても良い。図19(a)は、ランプボディ10にネジ部材67(ボルト)を溶着した取り付け構造を示す。図19(b)は、ランプボディ10にネジ部材68(スタッドボルト)を埋め込んだ取り付け構造を示す。この構成によれば、図14及び図15に示すような取り付け部62を押し出しで一体成形する場合と比べて、押し出し用の専用金型が不要でコスト削減に寄与でき、また、軽量化を図ることができる。
【0050】
また、図20に示すように、ランプボディ10のフロントバンパー102に対する取り付け角度を任意に調整する角度調整機構を設ける構成であってもよい。この角度調整機構は、フロントバンパー102との取付部位を工夫することによって構成されている。図20(a)に示すように、ランプボディ10には、前後方向にずれて溶着されたネジ部材69a及びネジ部材69bを有する。ネジ部材69aは、フロントバンパー102に形成された孔部102aに挿入され、ネジ部材69bは、同じくフロントバンパー102に形成された孔部102bに挿入されている。図20(b)に示すように、孔部102bは、上下方向に延在する長穴形状となっており、ネジ部材69bが、丸穴の孔部102aに挿入されたネジ部材69aを支点として移動できるように構成されている。この構成によれば、ナット70a及びナット70bを用い締め付けることで、ランプボディ10の取り付け角度を調整することができる。また、この構成によれば、機構が簡単なので、エイミング機構のコストを下げることができる。
【0051】
また、例えば、上記実施形態では、本発明をフォグランプ1に適用した構成について説明したが、本発明は他の車両用前照灯、例えばヘッドランプについても適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1…フォグランプ(車両用前照灯)、10…ランプボディ、11…一端部側開口、12…他端部側開口、20…透明カバー、40…照明光学系、41…LED(半導体発光素子)、60…押し出し成形材、61…放熱フィン、62…取り付け部、66…嵌合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前照灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用前照灯は、走行安全上の観点から、車両前方の所定の照明領域に光を投光する構成となっている。この照明領域は、車両の仕様や所定の法規によって定められており、車両用前照灯の照明光学系は、当該定められた照明領域に光を投光できるように光学設計されている。下記特許文献には、ランプボディとカバーとで形成された灯室内に、照明光学系として、光源、レンズ、リフレクタ等を備える車両用前照灯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−207528号公報
【特許文献2】特開2010−108637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の車両用前照灯の特にランプボディの設計開発においては、多くの時間と費用を有するという問題がある。具体的にランプボディには、光学設計に基づき、光源、レンズ、リフレクタの焦点位置合わせをするための支持部(棚やブラケット等)を所定の位置に設けなければならない。また、上記特許文献に記載のように、ランプボディは、アルミダイキャストからなり、形状に応じた型設計や、製造設備計画等の調整に多大な時間と費用を有する。
加えて、ランプボディには、放熱設計に基づき、光源から出る熱を伝導・輻射・対流に分けて熱マネージメントし、必要であれば放熱フィン等を設けなければならい。さらに、ランプボディは、機械的な強度、剛性等を考慮に入れて設計する必要があり、また、小型であること、軽量であること、低コストであること等が求められる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、設計開発が容易で所定の性能を達成することができ、開発期間も短期間で費用負担も少なくできる車両用前照灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、ランプボディ内部の灯室内に照明光学系を収容する車両用前照灯であって、上記ランプボディは、所定方向に延在する筒形状を有し、上記ランプボディの一端部側開口を覆う透明カバーと、上記ランプボディの他端部側開口を覆うと共に上記照明光学系を支持する後部カバーと、を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディの形状を筒形状とし、従来、照明光学系を支持していた支持部を廃する。そして、照明光学系は、後部カバーに支持させる。これにより、ランプボディの形状の単純化が図れるため、形状に応じた型設計や、製造設備計画等の調整等にかかる多大な時間と費用を削減することができる。
【0007】
また、本発明では、上記ランプボディは、押し出し成形材から形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディの形状を単純化することで、筒形状の押し出し成形材を所定長さにカットすることにより、ランプボディを量産することができる。このため、従来のアルミ鋳造構造のランプボディと比べて、生産速度やコスト等の面で有利となる。
【0008】
また、本発明では、上記ランプボディには、放熱フィンが一体で形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディに放熱フィンが一体となっているためコスト安に寄与させることができる。
【0009】
また、本発明では、上記ランプボディは、外部筐体に取り付けられており、上記ランプボディには、上記外部筐体に取り付けるための取り付け部が一体で形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディに取り付け部が一体となっているためコスト安に寄与させることができる。
【0010】
また、本発明では、上記ランプボディと上記カバーとは嵌合しており、上記ランプボディには、上記カバーとの嵌合部が一体で形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディに嵌合部が一体となっているためコスト安に寄与させることができる。
【0011】
また、本発明では、上記ランプボディは、黒色アルマイト処理がされているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディを黒色アルマイト処理し、表面を黒色にすることで、輻射による放熱効果を高めることができる。
【0012】
また、本発明では、上記後部カバーは、上記照明光学系から発せられる熱の少なくとも一部を、上記ランプボディに伝熱する熱伝導材から形成されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、照明光学系を支持する後部カバーを熱伝導材から形成し、受熱した少なくとも一部を、放熱効果が高いランプボディに伝熱することで、放熱性能を向上させることができる。
【0013】
また、本発明では、上記照明光学系は、半導体発光素子を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、半導体発光素子から発せられた光は、高い指向性を有するため、照明光学系の構成を簡単化し、部品点数を削減できる。
【0014】
また、本発明では、上記ランプボディは、外部筐体に取り付けられており、上記ランプボディの上記外部筐体に対する取り付け角度を調整する角度調整機構を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ランプボディの角度を調整して照明光学系から透明カバーを介して投光される光の向きを調整することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、設計開発が容易で所定の性能を達成することができ、開発期間も短期間で費用負担も少なくできる車両用前照灯が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態におけるフォグランプが設けられた乗用車を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるフォグランプの取付構造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるフォグランプを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態におけるフォグランプを示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態におけるフォグランプを示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態におけるフォグランプを示す分解断面図である。
【図7】本発明の実施形態における押し出し成形材を示す図である。
【図8】本発明の一別実施形態における押し出し成形材を示す図である。
【図9】本発明の一別実施形態におけるフォグランプを示す正面図である。
【図10】本発明の一別実施形態における透明カバーを示す断面図である。
【図11】本発明の一別実施形態におけるフォグランプを示す分解断面図である。
【図12】本発明の一別実施形態における押し出し成形材を示す図である。
【図13】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す正面図である。
【図14】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す正面図である。
【図15】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す正面図である。
【図16】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す図である。
【図17】本発明の一別実施形態における透明カバーを示す図である。
【図18】本発明の一別実施形態における後部カバーを示す図である。
【図19】本発明の一別実施形態におけるランプボディを示す図である。
【図20】本発明の一別実施形態におけるランプボディの取付構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、本発明をフォグランプに適用した場合を例示する。
図1は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1が設けられた乗用車100を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1の取付構造を示す断面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の乗用車100には、車両用前照灯として、ヘッドランプ(走行用前照灯、すれ違い用前照灯)101と、フォグランプ(前部霧灯)1と、が設けられている。なお、フォグランプ1は、補助前照灯とも称される。
フォグランプ1は、図2に示すように、フロントバンパー102に設けられた凹部103に挿入され、凹部103の底部とフォグランプ1の後部とがネジ部材2により締結されて、取り付けられている。なお、フォグランプ1の取り付け構造は、この構造に限定されず、車両の仕様等により適宜変更され得る。
【0019】
図3は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1を示す斜視図である。図4は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1を示す分解斜視図である。図5は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1を示す断面図である。図6は、本発明の実施形態におけるフォグランプ1を示す分解断面図である。
図に示すように、フォグランプ1は、ランプボディ10と、透明カバー20及び後部カバー30と、で形成された灯室内に照明光学系40を収容する構成となっている。
【0020】
透明カバー20は、ランプボディ10の一端部側開口11を覆うようにして取り付けられている。透明カバー20は、一端部側開口11の内面に沿って嵌合する嵌合部21を有する。透明カバー20は、ランプボディ10に接着されて、灯室内への異物(水、埃、泥等)の浸入を阻止する構成となっている。この透明カバー20は、ガラス材や樹脂材等から形成されており、車両前方へ光を投光可能とさせる構成となっている。
【0021】
後部カバー30は、ランプボディ10の他端部側開口12を覆うようにして取り付けられている。後部カバー30は、他端部側開口12の内面に沿って嵌合する嵌合部31を有する。後部カバー30は、接着、カシメあるいは不図示のネジ部材によってランプボディ10に固着される。後部カバー30は、照明光学系40を支持する構成となっている。また、後部カバー30は、照明光学系40から発せられる熱を灯室外に逃がすヒートシンクとして機能する。
【0022】
後部カバー30は、照明光学系40から発せられる熱の少なくとも一部をランプボディ10に伝熱する熱伝導材から形成されている。本実施形態の後部カバー30は、放熱特性を向上させるため黒色アルマイト処理がされたアルミニウム材から構成されている。なお、放熱性能を向上させるため、黒色アルマイト処理の代わりに黒色塗装する構成であってもよい。後部カバー30には、灯室内が完全密封されないようにするための通気孔32(図4参照)が形成されている。
【0023】
なお、ランプボディ10及び後部カバー30のいずれか一方には、照明光学系40に電気的に接続される電源ケーブル等を含む不図示のケーブルハーネスを灯室内に導き入れるため、不図示の貫通孔が形成されている。
照明光学系40は、LED(半導体発光素子)41と基板42とを有するLEDモジュール43と、光束ガイド筒44と、から構成されている。不図示のケーブルハーネスは、基板42を介してLED41と電気的に接続される構成となっている。LEDモジュール43は、放熱グリス(本実施形態ではシリコーングリス)を挟んで、後部カバー30に対してネジ部材33によって固定されている。また、図5に示すように、LED41の光軸Axは、透明カバー20に向けて設定されている。なお、本実施形態のLED41は、図4に示すように、面発光する矩形の発光領域が左右方向(水平方向、車両幅方向)に直列に4個配置された発光部41aを備えるが、ここでいう光軸Axとは、発光部41aを一つの光源とみなしたときの中心の光軸を意味する。
【0024】
光束ガイド筒44は、LED41と透明カバー20との間に設けられると共に、光軸Axの周りを囲って、フォグランプ1の照明領域を規定する構成となっている。具体的に光束ガイド筒44は、所定の法規(保安基準、ECE規則等)を満たすように、フォグランプ1の照明領域を規定する構成となっている。
【0025】
光束ガイド筒44は、LED41が配置される側に設けられる光導入口45と、透明カバー20が配置される側に設けられる光導出口46と、を有する。光導入口45の少なくとも一部と、光導出口46の少なくとも一部とは、光軸Axが延びる方向において重なって配置されている。この構成によれば、LED41から発せられた光は、高い指向特性を有するので、光量の多い直接光が透明カバー20に導かれて、所定の照明領域に投光されることとなる。
【0026】
また、光束ガイド筒44は、LED41の指向特性に基づいて、開口面積が、光導入口45から光導出口46に向かうに従って漸次大きくなる形状を有する(図4〜図6参照)。なお、本実施形態では、所定の法規を満たすように(対向車に対して眩しさを無くすように)、光束ガイド筒44が、上方以外の方向において漸次大きくなる形状を有する。
具体的に、光束ガイド筒44は、左右方向(車両幅方向)において、光軸Axに対し角度±40度の範囲内で両側に大きくなる形状となるように設計されて、また、上下方向(車両高さ方向)において、光軸Ax(水平面)に対し下方0度〜40度の範囲内で大きくなる形状となるように設計されることが好ましい。
【0027】
光導入口45は、LED41の発光部41a(図4参照)の周りを囲うように配置される。本実施形態の発光部41aは、面発光する矩形の発光領域が左右方向(水平方向、車両幅方向)に直列に4個配置されている。このため、光導入口45は、略長方形状を有する。一方、光導出口46は、略台形形状を有する。この台形形状により光が絞られ、フォグランプ1の照明領域が定まる。
【0028】
光束ガイド筒44は、光導出口46の位置を調整する位置調整機構50を有する(図4〜図6参照)。本実施形態の位置調整機構50は、光導出口46の上下方向における位置を調整する構成となっている。光束ガイド筒44の下部には、弾性変形が可能な金属製の板バネ51が設けられている。この板バネ51は、ネジ部材52によって、後部カバー30に固定されている。ネジ部材52は、左右方向において間隔をあけて対で板バネ51を固定し、光束ガイド筒44の水平度を確保する構成となっている。
【0029】
一方、光束ガイド筒44の上部には、位置調整用のネジ部材53の回転によりその軸方向に進退する雌ネジ部54が設けられている。ネジ部材53は、後部カバー30を貫通する貫通孔34に回転自在に支持されている。なお、ネジ部材53は、そのヘッド部と後部カバー30を挟んだ逆側に、抜け止めの不図示のフランジ部が設けられている。上記構成によれば、灯室外部からネジ部材53を軸周りに任意の方向に回転することで、雌ネジ部54がネジ部材53の軸方向に進退する。そうすると、雌ネジ部54の位置に応じて、光束ガイド筒44が板バネ51の固定位置を支点として上下方向に傾く。これにより、光導出口46の位置を調整することが可能となる。なお、図中、光束ガイド筒44とLEDモジュール43とが接するように配置されているが、実際には両者の間に位置調整用の微小な隙間が形成されている。
【0030】
光束ガイド筒44は、例えばアルミニウム材から形成されている。光束ガイド筒44の内面側には、光反射面47が設けられている。本実施形態における光反射面47は、めっき処理により形成されている。なお、光反射面47は、蒸着処理により形成してもよいし、光反射コーティング剤を塗布することにより形成してもよい。光反射コーティング剤としては、例えばシリコン樹脂に高反射フィラーを入れて光拡散能に優れ、反射率98%で膜厚が100μm程度になる光反射コーティング剤(オキツモ株式会社製)を好適に用いることができる。
【0031】
ランプボディ10は、所定方向に延在する筒形状を有する。本実施形態では、上述した照明光学系40の構成部品の全てを後部カバー30に支持させる構成となっているため、ランプボディ10の内側には突出部(棚、ブラケット)等が設けられていない。このため、ランプボディ10の形状が、丸型パイプ形状に単純化されている。また、本実施形態のランプボディ10は、押し出し成形材から形成されている。
【0032】
図7は、本発明の実施形態における押し出し成形材60を示す図である。
押し出し成形材60は、丸型パイプ形状を有する。本実施形態の押し出し成形材60は、アルミニウム材を押し出し成形することで形成されている。ランプボディ10は、押し出し成形材60を所定長さ毎に切断することで量産することができる。なお、図7における2点鎖線は、ランプボディ10を切り出す切り出し線を示している。
【0033】
ランプボディ10は、照明光学系40から発せられる熱を灯室外に逃がすヒートシンクとしても機能する。本実施形態のランプボディ10は、放熱性能を向上させるために黒色アルマイト処理がされたアルミニウム材から構成されている。本実施形態のように、押し出し成形材60が、アルミニウム材で形成される場合に放熱効果を高めるためには、黒色アルマイト処理がコスト的に有効である。
【0034】
黒色アルマイト処理は、周知のように、液中に浸したアルミニウム材を陽極で電解酸化し、所定の黒染料で染色する処理である。黒色アルマイト処理は、丸型パイプ形状の押し出し成形材60からランプボディ10を切り出した後に行っても良いし、切り出す前に行っても良い。なお、ランプボディ10の切り出し前に、押し出し成形材60を黒色アルマイト処理した方が、コスト的に好ましい。
【0035】
続いて、上記構成のフォグランプ1による作用について説明する。
【0036】
LED41に電気が給電されると、発光部41aが面発光する。LED41から発せられた光は、指向性が高いので、裏面側に回り込むことなく、ほとんど全てが光導入口45を介して、光束ガイド筒44内に導入される。光束ガイド筒44内に導入された光は、光導出口46の開口形状によって絞られて、光導出口46から導出される。そして、光導出口46から導出された光は、透明カバー20を介して、車両前方の所定の照明領域に投光されることとなる。
【0037】
LED41が発光すると、LED41を含めLEDモジュール43が発熱する。LEDモジュール43の熱は、LEDモジュール43を支持する後部カバー30に伝熱されて、外部に放熱される。また、後部カバー30が受熱した一部は、ランプボディ10との接触部から、より表面積(放熱面積)が広いランプボディ10側に伝熱されて、外部に放熱される。このため、LED41の発光効率が、温度上昇により低下することを防止することができる。さらに、ランプボディ10には、黒色アルマイト処理がなされているため、輻射による放熱効果を促進させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、照明光学系40は、指向性の高い光を投光できるLED41を光源としている。このため、本実施形態では、照明光学系40を、光束ガイド筒44を設ける代わりにレンズ等を備えない構成として、照明光学系40の構成を簡単化し、部品点数の削減を実現させ、照明光学系40の構成部品の全てを後部カバー30に支持させる構成とさせることができる。この構成によれば、後部カバー30の形状や設計に負担をかけないようにしつつ、ランプボディ10の形状を単純化させることができる。
【0039】
ランプボディ10の形状が単純化されると、ランプボディ10の形状を、従来のような照明光学系40を支持していた支持部を廃した形状とすることができる。そうすると、光学設計の変更による、ランプボディ10の設計開発への影響が低減される。また、ランプボディ10の形状が単純化されると、従来のようなアルミ鋳造によらずに、図7に示すような、押し出し成形材60からの切り出しによって量産できるので、簡単且つ低コストでランプボディ10を形成することができる。また、ランプボディ10の形状が単純化されると相対的に軽量化を図ることができる。また、ランプボディ10の形状が単純化されると、放射設計や、強度、剛性に関する設計も容易となる。具体的に本実施形態では、ランプボディ10の放熱設計は、パイプ材の外径(表面積)と厚みで容易に調整できる。また、ランプボディ10の機械的な強度、剛性等も、パイプ材の径と厚みの調整により容易に調整できる。
【0040】
したがって、上述した本実施形態によれば、設計開発が容易で所定の性能を達成することができ、開発期間も短期間で費用負担も少なくできるフォグランプ1が得られる。
【0041】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態では、ランプボディ10は、図7に示すように、丸型パイプ形状の押し出し成形材60をその軸芯と直交する直交面に沿ってカットすることで量産すると説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば、図8に示すように、丸型パイプ状に押し出した押し出し成形材60を、その軸芯と所定角度で交差する傾斜面に沿って斜めにカット(より詳しくは、軸芯と交差する傾斜面に沿うカットと、軸芯と直交する直交面に沿うカットとを交互に)することで、スラントタイプのランプボディ10を量産することができる。このように、カットする角度を調整することで、ランプボディ10の形状を容易に変更することができる。
【0043】
また、例えば、上記実施形態では、透明カバー20は正面視で円形状である構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。透明カバー20は、単なる水・埃除けであるから、以下に示す構成とすることで、外観見栄えの向上、差別化が容易に行える。
例えば、図9(a)に示すように、透明カバー20の形状をランプボディ10よりも大きくし、正面視で楕円形状としても良い。また、図9(b)に示すように、正面視で楕円形状とした透明カバー20に合わせて、ランプボディ10の形状を正面視で楕円形状としても良い。この場合、楕円型パイプ状にして押し出した押し出し成形材60をカットすることで、楕円形状のランプボディ10を容易に量産することができる。また、図8に示すスラントタイプのランプボディ10に合わせて、図10(a)に示すように、透明カバー20の形状を斜めにしても良い。また、図10(b)に示すように、斜め形状とした透明カバー20を、ランプボディ10よりも大きくしても良い。また、透明カバー20の外径を、丸型パイプ状のランプボディ10の外径に合わせた形状としても良い。
【0044】
また、例えば、ランプボディ10の内面に模様を付けることで、見栄えの向上、差別化が容易に行える。図11に示すランプボディ10の内面には、模様が形成されている。このランプボディ10は、図12に示すように、円筒の内面を8角形にして押し出した押し出し成形材60をカットすることで、内面が8角形状となったランプボディ10を製造することができる。なお、図12(a)は、押し出し成形材60の正面図を示す、また、図12(b)は、図12(a)におけるA−A断面図を示す。
また、ランプボディ10の内面の形状は、8角形だけでなく、要求に応じて、12角形や16角形、24角形等の多角形状にしても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、ランプボディ10は、丸型パイプ形状であると説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。
ランプボディ10における放熱量が不足する場合は、図13に示すように、その外形にいろいろな形状の放熱フィン61を設けて、放熱設計を行うことができる。この場合、放熱フィン61と共に押し出した押し出し成形材60をカットすることで、放熱フィン61が一体で形成されたランプボディ10を容易に量産することができる。図13(a)は、放射状に設けられた単純フィン形状の放熱フィン61が一体で形成されたランプボディ10を示す。また、放熱面積を大きくすると共に外形を小さくしたい場合には、図13(b)〜図13(d)のような工夫をしても良い。図13(b)に示す放熱フィン61は、波形状(ウエーブ形状)を有する。図13(c)に示す放熱フィン61は、ランプボディ10の周方向に沿って曲がった形状を有する。図13(d)に示す放熱フィン61は、ランプボディ10の周方向に沿って曲がった形状を有し、先端部が先細り形状を有する。なお、図13(c)及び図13(d)に示す放熱フィン61の先端部は、略上向きとなっており、熱が上に逃げるような形状となっている。また、図13(e)に示すように、ランプボディ10の上半分に図13(a)に示す放熱フィン61aを設け、ランプボディ10の下半分に図13(d)に示す放熱フィン61bを設ける構成であっても良い。また、図13(f)に示すように、放熱効率を上げるために、ランプボディ10の外側と内側との熱バランスを近くする目的で、ランプボディ10の内側に受熱フィン61´を設けても良い。
【0046】
また、図14に示すように、ランプボディ10に、外部筐体であるフロントバンパー102(図1及び図2参照)に取り付けるための取り付け部62を一体で形成しても良い。さらに、ランプボディ10に、取り付け部62と放熱フィン61とを一体で形成しても良い。この場合、取り付け部62及び放熱フィン61と共に押し出した押し出し成形材60をカットすることで、取り付け部62及び放熱フィン61が一体で形成されたランプボディ10を容易に量産することができる。図14(a)に示す構成によれば、押し出し成形後、取り付け部62に孔部を形成し、ネジ部材64を用いて、ランプボディ10をフロントバンパー102に取り付ける構成とすることができる。また、図14(b)に示す構成によれば、押し出し成形時に、取り付け部62にスリット62aを形成し、スリット62aから突出させるように配置したネジ部材65を用いて、ランプボディ10をフロントバンパー102に取り付ける構成とすることができる。また、スリット62aの幅を大きくし、ワッシャーを差し込んで、ネジ部材65の上下方向の位置を微調整する構成としても良い。
【0047】
また、放熱フィン61の配置は、図15(a)及び図15(b)に示すように工夫しても良い。図15(a)に示す放熱フィン61は、熱が逃げる上側に集中して設けられている。この構成によれば、放熱効果を高めることができ、また、材料の節約及び軽量化を図ることができる。また、図15(b)に示す放熱フィン61は、熱が逃げる上側にのみ集中して設けられている。この構成によれば、上記効果に加えて、外形(図15において2点鎖線で示す)を小さくすることができるので、デザイン面の自由度を広げると共に、車両レイアウトの自由度拡大にも貢献できる。
【0048】
また、図16に示すように、ランプボディ10に、透明カバー20及び後部カバー30と嵌合する嵌合部66を一体で形成しても良い。嵌合部66は、図16(a)に示すように、ランプボディ10の軸芯方向(前後方向)に延在しており、押し出し成形時に一体で形成されている。また、嵌合部66は、図16(b)に示すように、ランプボディ10の内径側に突出して設けられている。また、透明カバー20の嵌合部21には、図17に示すように、ランプボディ10の嵌合部66の形状に応じた凹部21aが形成されている。凹部21aは、図17(a)に示すように前後方向に延在しており、図17(b)に示すように内径側に凹んで設けられている。また、後部カバー30の嵌合部31には、図18に示すように、ランプボディ10の嵌合部66の形状に応じた凹部31aが形成されている。凹部31aは、図18(a)に示すように前後方向に延在しており、図18(b)に示すように内径側に凹んで設けられている。この構成によれば、ランプボディ10の押し出し成形時に嵌合部66を設け、透明カバー20及び後部カバー30に、位置決めの凹部21a,21bを設けることで、位置決め精度を簡単に向上させることが可能となる。
なお、凹みをランプボディ10に設け、突起を透明カバー20及び後部カバー30に設けても良く、組合せは任意である。また、突起あるいは凹みの位置は、上下方向でなく、左右方向でもよいし、軸対称に配置しなくても良い。また、さらに位置決め精度を上げる必要がある場合は、突起及び凹みの数を増やすことで、目的を達成することができる。
【0049】
また、図19に示すように、丸型パイプ形状のランプボディ10に、ネジ部材67,68を設けて、外部筐体であるフロントバンパー102に取り付ける構成としても良い。図19(a)は、ランプボディ10にネジ部材67(ボルト)を溶着した取り付け構造を示す。図19(b)は、ランプボディ10にネジ部材68(スタッドボルト)を埋め込んだ取り付け構造を示す。この構成によれば、図14及び図15に示すような取り付け部62を押し出しで一体成形する場合と比べて、押し出し用の専用金型が不要でコスト削減に寄与でき、また、軽量化を図ることができる。
【0050】
また、図20に示すように、ランプボディ10のフロントバンパー102に対する取り付け角度を任意に調整する角度調整機構を設ける構成であってもよい。この角度調整機構は、フロントバンパー102との取付部位を工夫することによって構成されている。図20(a)に示すように、ランプボディ10には、前後方向にずれて溶着されたネジ部材69a及びネジ部材69bを有する。ネジ部材69aは、フロントバンパー102に形成された孔部102aに挿入され、ネジ部材69bは、同じくフロントバンパー102に形成された孔部102bに挿入されている。図20(b)に示すように、孔部102bは、上下方向に延在する長穴形状となっており、ネジ部材69bが、丸穴の孔部102aに挿入されたネジ部材69aを支点として移動できるように構成されている。この構成によれば、ナット70a及びナット70bを用い締め付けることで、ランプボディ10の取り付け角度を調整することができる。また、この構成によれば、機構が簡単なので、エイミング機構のコストを下げることができる。
【0051】
また、例えば、上記実施形態では、本発明をフォグランプ1に適用した構成について説明したが、本発明は他の車両用前照灯、例えばヘッドランプについても適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1…フォグランプ(車両用前照灯)、10…ランプボディ、11…一端部側開口、12…他端部側開口、20…透明カバー、40…照明光学系、41…LED(半導体発光素子)、60…押し出し成形材、61…放熱フィン、62…取り付け部、66…嵌合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプボディ内部の灯室内に照明光学系を収容する車両用前照灯であって、
前記ランプボディは、所定方向に延在する筒形状を有し、
前記ランプボディの一端部側開口を覆う透明カバーと、
前記ランプボディの他端部側開口を覆うと共に前記照明光学系を支持する後部カバーと、を有することを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
前記ランプボディは、押し出し成形材から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記ランプボディには、放熱フィンが一体で形成されていることを有することを特徴とする請求項2に記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記ランプボディは、外部筐体に取り付けられており、
前記ランプボディには、前記外部筐体に取り付けるための取り付け部が一体で形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用前照灯。
【請求項5】
前記ランプボディと前記カバーとは嵌合しており、
前記ランプボディには、前記カバーとの嵌合部が一体で形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項6】
前記ランプボディは、黒色アルマイト処理がされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項7】
前記後部カバーは、前記照明光学系から発せられる熱の少なくとも一部を、前記ランプボディに伝熱する熱伝導材から形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項8】
前記照明光学系は、半導体発光素子を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項9】
前記ランプボディは、外部筐体に取り付けられており、
前記ランプボディの前記外部筐体に対する取り付け角度を調整する角度調整機構を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項1】
ランプボディ内部の灯室内に照明光学系を収容する車両用前照灯であって、
前記ランプボディは、所定方向に延在する筒形状を有し、
前記ランプボディの一端部側開口を覆う透明カバーと、
前記ランプボディの他端部側開口を覆うと共に前記照明光学系を支持する後部カバーと、を有することを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
前記ランプボディは、押し出し成形材から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記ランプボディには、放熱フィンが一体で形成されていることを有することを特徴とする請求項2に記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記ランプボディは、外部筐体に取り付けられており、
前記ランプボディには、前記外部筐体に取り付けるための取り付け部が一体で形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用前照灯。
【請求項5】
前記ランプボディと前記カバーとは嵌合しており、
前記ランプボディには、前記カバーとの嵌合部が一体で形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項6】
前記ランプボディは、黒色アルマイト処理がされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項7】
前記後部カバーは、前記照明光学系から発せられる熱の少なくとも一部を、前記ランプボディに伝熱する熱伝導材から形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項8】
前記照明光学系は、半導体発光素子を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項9】
前記ランプボディは、外部筐体に取り付けられており、
前記ランプボディの前記外部筐体に対する取り付け角度を調整する角度調整機構を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−64516(P2012−64516A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209503(P2010−209503)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(504136889)株式会社ファルテック (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(504136889)株式会社ファルテック (57)
【Fターム(参考)】
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