説明

車両用周辺監視装置及び車両用足元照明装置

【課題】本発明は、助手席に乗員が乗車する際に足元を照らす機能及び車両側方画像を表示する機能の双方を有しつつ、車両側方画像のスミヤ現象等を抑制し、撮像画像の防眩効果を実現する車両用周辺監視装置及び車両用足元照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両200の助手席側の車両側方画像を表示する車両用周辺監視装置100であって、
助手席側の車両側方を撮像する撮像手段10と、
助手席側の車室外の足元を照らす足元照明手段40を制御する足元照明制御手段50とを有し、
前記撮像手段により撮像した前記車両側方画像が表示されているときには、前記足元照明制御手段は、前記足元照明を消灯させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用周辺監視装置及び車両用足元照明装置に関し、特に、助手席側の車両側方画像を表示する車両用周辺監視装置及び助手席側の車室外の足元を照らす車両用足元照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ドア近傍に設けられて路面を照らすランプと、ランプに電力を供給する供給回路と、リモートコントロールに基づく施錠・解錠信号を受け取ってドアの施錠・解錠を制御する制御回路と、リモートコントロールに基づく解錠信号を受け取って供給回路を所定時間オンさせ、かつ車両発進信号又は車両通電信号の少なくとも一方の入力により供給回路を強制的にオフする通電回路とを有し、ドライバーが車両に乗車するまでの間はランプの点灯状態を継続させて路面を照明し、ドライバーの乗車後は車両の発進に先立ってランプを消灯させるようにした車両の路面照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−228191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、車両発進信号又は車両通電信号の入力によって照明を強制終了すると、乗員がドライバーのみの場合は問題無いが、助手席にも乗員が乗車する場合には、助手席の乗員が車両に乗車するまでの間、照明を点けておくことができない虞があるという問題があった。
【0004】
ところで、助手席側の車両側方をCCDカメラ等で撮像して画像表示し、車両左側の確認を補助し、左折時の内輪差による障害物との接触回避を支援するためのサイドモニターと呼ばれる車両用周辺監視装置が知られている。
【0005】
かかる車両用周辺監視装置を備えた車両に、上述の特許文献1に記載の路面照明装置を適用した場合、カメラにより車両側方を画像表示しているときに、路面を照らすランプを点灯させると、照明の点灯の影響により、スミヤ現象と呼ばれる、高輝度の点がカメラに写ると、その点の上下に尾を引いた形になる現象が側方画像に発生したり、光源に焦点が奪われるために、サイドカメラの機能を喪失し、視認性が低下したりするという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、助手席に乗員が乗車する際に足元を照らす機能及び車両側方画像を表示する機能の双方を有しつつ、車両側方画像のスミヤ現象等を抑制し、撮像画像の防眩効果を実現する車両用周辺監視装置及び車両用足元照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る車両用周辺監視装置は、車両の助手席側の車両側方画像を表示する車両用周辺監視装置であって、
助手席側の車両側方を撮像する撮像手段と、
助手席側の車室外の足元を照らす足元照明手段を制御する足元照明制御手段とを有し、
前記撮像手段により撮像した前記車両側方画像が表示されているときには、前記足元照明制御手段は、前記足元照明を消灯させることを特徴とする。
【0008】
これにより、車両側方画像にスミヤ現象が発生したり、ホワイトバランスが崩れて画像全体が白くなってしまう状態が発生したりすることを防止することができ、車両側方画像の視認性の低下を防ぐことができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に係る車両用周辺監視装置において、
前記撮像手段及び前記足元照明手段は、助手席側のドアミラーに設けられたことを特徴とする。
【0010】
これにより、車両側方の撮像及び助手席のドア付近の足元を照らすのに好適であり、かつ加工上も組み付け容易な位置に撮像手段及び足元照明手段を設けることができ、車両用周辺監視装置の機能性と組み立て性の双方を向上させることができる。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る車両用周辺監視装置において、
前記撮像手段を制御する撮像制御手段を更に有し、
該撮像制御手段は、前記撮像手段を撮像中状態に制御しているときには、撮像中状態信号又は消灯指令信号を前記足元照明制御手段に送信し、
前記足元照明制御手段は、前記撮像中状態信号又は前記消灯指令信号を検出したときに前記足元照明を消灯させることを特徴とする。
【0012】
これにより、撮像状態を示す信号が送信された段階で、早期に足元照明を消灯させる制御を行うことができ、迅速な応答性を有する制御を実現することができる。
【0013】
第4の発明は、第1〜3のいずれか一つの発明に係る車両用周辺監視装置において、
前記車両側方画像が表示されていないときには、
前記足元照明制御手段は、車両電源がオンであり、助手席のドアが解錠されたときに、前記足元照明手段を所定時間点灯させることを特徴とする。
【0014】
これにより、車両側方画像が表示されていないときには、運転者が画像を眩しく感じる虞がないので、助手席の足元を照らして乗員の乗車を快適にする制御を実行させることができる。
【0015】
第5の発明は、第1〜4のいずれか一つの発明に係る車両用周辺監視装置において、
前記足元照明制御手段は、前記車両の走行中は、前記足元照明手段をターンシグナルランプとして機能させる制御を行うことを特徴とする。
【0016】
これにより、ターンシグナルランプが複数設けられているときには、車両側方に備えられたターンシグナルランプに足元照明を兼用させるとともに、車両用周辺監視装置において同様な防眩制御を実行することができる。
【0017】
第6の発明に係る車両用足元照明装置は、車両の助手席側の車室外の足元を照らす車両用足元照明装置であって、
助手席側の車室外の足元を照らす足元照明手段と、
該足元照明手段を制御する足元照明制御手段とを有し、
該足下照明制御手段は、助手席側の車両側方を撮像して表示する表示手段が車両側方画像を表示しているときには、前記足元照明手段を消灯させることを特徴とする。
【0018】
これにより、足元照明の点灯が車両側方画像表示の妨げになる場合には、足元照明を消灯させ、運転者の車両側方画像の視認に悪影響を及ぼさない範囲で足元照明を点灯させることができる。
【0019】
第7の発明は、第6の発明に係る車両用足元照明装置において、
前記足元照明手段は、助手席側のドアミラーに設けられたことを特徴とする。
【0020】
これにより、助手席の室外の足元の路面を確実に照らすことができるともに、足元照明手段の組み付けも容易にすることができる。
【0021】
第8の発明は、第6又は第7の発明に係る車両用足元照明装置において、
前記表示手段が前記車両側方画像を表示していないときには、
前記足元照明制御手段は、車両電源がオンであり、助手席のドアが解錠されたときに、前記足元照明手段を所定時間点灯させることを特徴とする。
【0022】
これにより、車両側方画像が表示されておらず、助手席に乗員が乗車しようとしているときには、助手席の車室外の足元を一定時間照らして、助手席乗員の乗車を助けることができる。
【0023】
第9の発明は、第8の発明に係る車両用足元照明装置において、
前記足元照明制御手段は、前記助手席のドアが施錠されたときには、前記足元照明手段を消灯させることを特徴とする。
【0024】
これにより、乗員が乗車終了したときには、役割を終えた足元照明を確実に消灯させることができる。
【0025】
第10の発明は、第8の発明に係る車両用足元照明装置において、
前記足元照明制御手段は、シフトレバーが駐車レンジ以外の位置のときには、前記足元照明手段を消灯させることを特徴とする。
【0026】
これにより、車両が発進する準備に入っているときには、役割を果たした足元照明を確実に消灯させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、運転者の車両側方画像の視認を妨げることなく、助手席の乗員の乗車を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0029】
図1は、本発明を適用した実施例に係る車両用周辺監視装置及び車両用足元照明装置の構成要素の配置を説明するための配置構成図である。図1において、本実施例に係る車両用周辺監視装置の構成要素である撮像手段10と、車両用足元照明装置の構成要素である足元照明手段40は、車両200の助手席側のドアミラー61の内部に設けられている。撮像手段10及び足元照明手段40は、ともに路面を撮像又は照明照射できるように、ともに下向きに、水平方向に所定の間隔を有して隣接配置される。また、車両200の助手席側前方には、ターンシグナルランプ70が設けられている。なお、本実施例においては、日本国内仕様の右ハンドル車を例に挙げて説明するので、助手席側は、車両200の左側を意味するが、外国仕様の左ハンドル車の場合には、助手席側は、車両200の右側を意味し、かかる左ハンドル車にも同様に本実施例を適用することができる。
【0030】
撮像手段10は、車両200の助手席側の車両側方領域を撮像するための手段であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等が適用される。撮像手段10は、車両200の助手席側の、運転者からは死角になっている下方領域を撮像し、車両左側下方の確認を補助する。
【0031】
図2は、撮像手段10により撮像された車両側方画像の一例を示した図である。図2において、右側には、実際に撮像手段10により撮像された車両側方画像が表示され、左側には、車両側方画像と車両200との関係が表示される。そして、ハンドル操作と連動した予測進路線や最大操舵時の最小回転予想進路線等を併せて表示することにより、左折時の内輪差による障害物との接触回避を支援する。
【0032】
なお、撮像手段10は、一般的には、運転者の意思により、スイッチにより作動・非作動が制御される。運転者が車両側方を確認するために車両側方画像を表示したいと考え、スイッチをオンにしたときに動作する。
【0033】
図1に戻る。図1において、足元照明手段40は、助手席側の車室外の足元を照らす照明手段である。足元照明手段40は、乗員が助手席に乗車しようとする際に路面を照らし、乗員が足元を確認できる状態で乗車できるようにし、乗員が快適に車両200に乗車できるようにする。言わば、お出迎え照明と呼んでもよい。
【0034】
また、ターンシグナルランプ70は、車両200が左折又は右折する際に、その意思を他の車両等に知らせるためのランプである。ターンシグナルランプ70は、車両200のフロントやリヤにも設置され、1車両が複数備えている場合も多いが、図1においては、車両200の左側面前方に設けられたターンシグナルランプ70が示されている。
【0035】
図1において、ドアミラー61から放射状に下方に出ている実線は、撮像手段10の撮像領域を示している。一方、ドアミラー61から放射状に下方に出ている破線は、足元照明手段40の照明領域を示している。同様に、ターンシグナルランプ70から放射状に下方に出ている破線は、ターンシグナルランプ70の照明領域を示している。
【0036】
図1において、撮像手段10の撮像領域(実線)と、足元照明手段40の照明領域40(破線)は重複しており、撮像手段10の撮像領域は、足元照明手段40の照明領域を殆ど包含する関係となっている。このような重複関係を有する場合、足元照明手段40を点灯させたまま撮像手段10により車両側方領域を撮像すると、撮像領域に照明光が入射した状態で車両側方領域を撮像することになる。かかる状態では、例えば撮像手段に上述のCCDカメラが適用されていた場合には、高輝度の点がカメラに映ると、その点の上下に尾を引いてしまうスミヤ現象が生じるか、又は光源に焦点が奪われてしまい、画像のホワイトバランスが崩れて白みを帯びた画像になるという現象が生じてしまう。このような車両側方画像が車両内の画面等の表示手段に表示されると、車両側方確認の機能を果たさないばかりか、運転者は画像により眩しさを感じてしまうという事態を招く。
【0037】
また、ターンシグナルランプ70の照明領域(破線)と、撮像手段10の撮像領域(実線)との間にも、このような重複領域が生じている。この場合には、ターンシグナルランプ70と撮像手段10は隣接しておらず、両者の間には50cm程度又はそれ以上の相当の距離があるが、撮像領域と照明領域が重複すれば、やはり高輝度の光を撮像手段10は撮像することになるので、同様の現象が生じてしまう。
【0038】
そこで、このような状況を回避するために、足元照明手段40等の光源を制御するか、又は撮像手段10による車両側方画像を制御することが必要になるが、本実施例に係る車両用周辺監視装置及び足元照明装置においては、足元照明手段40側を制御することとし、かかる状況を解決している。以下、この具体的な内容について説明する。
【0039】
図3は、本実施例に係る車両用周辺監視装置100及び足元照明装置150の概略構成を示した機能ブロック図である。図3は、車両200を後方から見て、鉛直方向に機能ブロックを示している。図3において、本実施例に係る車両用周辺監視装置100は、撮像手段10と、表示手段30と、足元照明制御手段50とを有し、必要に応じて、更に撮像制御手段20を備えてもよい。また、本実施例に係る足元照明装置150は、足元照明手段40と、足元照明制御手段50とを有する。また、これらに関連する構成要素として、カメラ制御ECU(Electric Control Unit、電子制御ユニット)25、表示スイッチ35、ボデーECU55、助手席ドア60、ドアミラー61、助手席ドアロック検出手段62、ターンシグナルランプ70、シフトレバー位置検出手段80、車両電源90及び電源スイッチ91とを備える。
【0040】
撮像手段10は、上述のように、車両側方領域を撮像するための手段である。撮像手段10には、上述のCCDカメラの他、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラや、従来から用いられているアナログカメラ等を適用してもよい。
【0041】
撮像手段10は、路面を含む車両側方領域の下方を撮像するため、鉛直方向下向きを撮像方向として設置される。また、図1及び図3においては、撮像手段10は、助手席側ドアミラー61の内部に設けられているが、車両側方領域を適切に撮像できる位置であれば、車両200の助手席側の種々の位置に設けられてよい。例えば、助手席側ドアミラー61の外部に設けられてもよいし、助手席ドア60の他の位置であってもよいし、撮像領域を拡大するために、もっと高い位置に設けるようにしてもよい。
【0042】
撮像制御手段20は、撮像手段10を制御する手段である。撮像制御手段20は、撮像手段10の撮像状態又は撮像条件を制御するとともに、撮像手段10が撮像中であるか否か等の撮像状態を示す信号や、足元照明手段40を消灯させる消灯指令信号を、他の制御手段に送信する役割も果たす。また、撮像制御手段20は、他の制御手段からの信号を受信し、これに基づいて、撮像手段10の撮像状態を変更したりする役割も果たす。本実施例に係る車両用周辺監視装置100においては、撮像制御手段20は、後述する足元照明制御手段50に、撮像手段10が撮像中状態であることを示す撮像中状態信号又は足元照明手段40を消灯させる指令を行う消灯指令信号を送信する制御と、足元照明制御手段50からターンシグナルライト70が点灯中であることを示す点灯中信号を受信し、撮像手段10で撮像した撮像画像を抑制する制御を行う。なお、撮像制御手段20で行う具体的な制御内容については、更に詳細に後述する。
【0043】
撮像制御手段20は、撮像制御のための演算処理を行う演算処理手段であり、演算処理を行う電子回路、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により実現されてよい。従って、撮像制御手段20は、そのような演算処理手段として単独で構成されてもよいが、例えば、撮像手段10を含めて車載カメラを総合的に制御するカメラ制御ECU25の一部として組み込まれて構成されてもよい。
【0044】
表示手段30は、撮像手段10により撮像した車両側方領域の画像を表示するための手段であり、運転者が視認容易な車両200の室内に配置されてよい。表示手段30は、画面ディスプレイとして構成され、インストルメントパネル内や、インストルメントパネル上に配置されてもよいし、ヘッドアップディスプレイのように、フロントウィンドシールドガラス上に表示される形式であってもよい。表示手段30は、運転者が車両側方画像を視認可能であれば、種々の態様を適用してよい。
【0045】
表示スイッチ35は、撮像手段10を作動させて、車両側方画像を表示手段30に表示させるか否かを切り替えるオン・オフスイッチ又は切替スイッチである。車両200が、車載カメラとして車両側方領域撮像用の撮像手段10(以下、「サイドモニター」又は「サイドカメラ」とも呼ぶ。)のみの場合は、単なるオン・オフスイッチとして機能するが、他にもバックサイドモニター等の車載カメラを搭載してれば、それらの車載カメラのうち、どの車載カメラの撮像画像を表示させるかの選択スイッチとしての機能も有することになる。
【0046】
足元照明手段40は、助手席側の車室外の足元を照らす手段であり、上述のように、助手席の乗員が車両200に乗車する際に、足元の路面を照らして明るくし、乗員が乗車し易いように出迎えるための照明手段である。足元照明手段40は、助手席ドア付近の路面を適切に照らすことができれば、電球、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)等の種々の態様の発光手段が適用されてよい。
【0047】
足元照明手段40は、路面又は足元を照らすため、その照明の向きは下向きとなるように設置される。また、足元照明手段40は、図1及び図3においては、助手席側のドアミラー61内に設けられているが、車両200の助手席側のドア付近の路面を照明することができれば、助手席側の他の位置に設けられていてもよい。例えば、ドアミラー61の外部であってもよいし、図1に示したターンシグナルランプ70のように、車両200の更に前方寄りに設けられていてもよい。足元照明手段40は、助手席側の車室外の足元又は路面を、足元が確認できるように適切に照明できれば、用途に応じて適切な位置に設けてよい。
【0048】
なお、足元照明手段40は、車両200が停止又は駐車しているときに、助手席の車室外の足元を照らす動作を行う。従って、車両200の走行中には、足元照明手段40として動作することは無いので、走行中にはターンシグナルライトとしての役割を担わせてもよい。この点については、後述する。
【0049】
足元照明制御手段50は、足元照明手段40を制御するための手段であり、入力される種々の条件に応じて、足元照明手段40の点灯と消灯を制御する。従って、足元照明制御手段50は、足元照明手段40に接続されるとともに、助手席ドアロック検出手段62、シフトレバー位置検出手段80及び車両電源90に接続され、これらの条件に基づいて、通常に行われる足元照明手段40を点灯又は消灯させる制御を行う。また、足元照明制御手段50は、撮像手段10、表示手段30又は表示スイッチ35、更に必要に応じて撮像制御手段20及び/又はターンシグナルランプ70に接続され、車両側方画像の表示状態に基づいて、上記の通常行われる制御が点灯状態の条件であったとしても、足元照明手段40を消灯させる制御を優先的に行う。
【0050】
足元照明制御手段50は、足元照明手段40を点灯させるときには、所定時間点灯させ、所定時間を経過したら消灯させる制御を行うことができるように、必要に応じて、時間を測定するためのタイマ51を備えてもよい。
【0051】
足元照明制御手段50は、上述のような制御を行うため、演算処理手段である電子回路、CPU、ASIC等により構成されてよい。また、足元照明制御手段50は、単独で構成されてもよいが、ボデーECU55において、車両200のライティングシステム、電動ミラーシステム、パワーウィンドウ等の制御を総合的に行っているので、足元制御手段50は、ボデーECU55の一部として組み込まれて構成されてもよい。これにより、足元制御手段50は、ボデーECU55のMPUの一部として実現されることができる。
【0052】
足元照明制御手段50により通常行われる制御は、例えば助手席ドアロック検出手段62、車両電源90及び/又はシフトレバー位置検出手段80の状態に基づいて行われる。例えば、車両電源90が電源スイッチ91によりオンとなっていることが検出されれば、運転者が乗車していると判定し、更にこの状態で助手席ドア60の解錠を助手席ドアロック検出手段62により検出したら、運転者が助手席に乗員を迎え入れる準備をしたと判定し、足元照明手段40を点灯させる制御を行う。その際、シフトレバーの位置も条件に加え、例えばシフトレバーの位置が駐車レンジPに入っており、駐車状態であることを足元照明手段40の点灯条件に加えてもよい。その他、シフトレバーがニュートラルレンジNに入っている場合も許容したり、車両電源90はイグニッションオンの状態を条件として要求したりする等、制御条件は種々適切な条件を設定することができる。
【0053】
なお、足元照明手段40の点灯時間は、例えば15秒程度の一定時間としてもよく、時間は、例えばタイマ51により測定されてよい。
【0054】
一方、足元照明手段40を消灯させる条件としては、例えば助手席ドアロック検出手段62により助手席ドア60が施錠されたことを検出したら、乗員が乗車を終えたと判定して、足元照明手段40を消灯させてもよい。また、例えば、シフトレバー位置検出手段80が、シフトレバーが駐車レンジP以外の位置に入ったことを検出したら、運転者は発進準備をしていると判定し、足元照明手段40を消灯させるようにしてもよい。
【0055】
このように、足元照明制御手段50は、種々の条件に基づいて、足元照明手段40の点灯及び消灯を制御する。
【0056】
ところで、かかる一般の点灯条件を満たした場合であっても、図1において説明したように、撮像手段10で車両側方を撮像し、表示手段30に車両側方画像を表示している場合には、表示画像が眩しくなる虞があるので、本実施例に係る車両用周辺監視装置100及び車両用照明装置150は、以下のような制御を行う。
【0057】
足元照明制御手段50は、撮像手段10、表示手段30、表示スイッチ35及び/又は撮像制御手段20から、表示手段30に撮像手段10が撮像した車両側方画像が表示されていることを検出したときには、足元照明手段40を消灯する制御を行う。また、撮像制御手段20から、足元照明手段40を消灯させる消灯指令信号を受け取った場合にも、やはり足元照明制御手段40を消灯させる制御を行う。これにより、足元照明手段40が例えば通常の点灯制御状態にあったとしても、車両側方画像が表示されているときには、足元照明手段40を強制的に消灯させ、車両側方画像表示の方を優先させ、運転者が眩しい画像を見ることを防ぐことができる。
【0058】
なお、足元照明制御手段50は、表示手段30が車両側方画像表示中であることを、撮像手段10の入力信号又は出力信号から検出してもよいし、表示手段30の入力信号又は表示信号から検出してもよい。また、表示スイッチ35のオン・オフ状態から、車両側方画像が表示中であるべきことを検出してもよい。このように、足元照明制御手段50は、車両側方画像が表示中であることを、種々の動作信号に基づいて直接的に検出することができ、これに基づいて、表示手段30の防眩制御を行うことができる。
【0059】
また、足元照明制御手段50は、表示手段30が車両側方画像表示中であることを、撮像制御手段20の制御信号に基づいて検出してもよい。撮像制御手段20は、撮像手段10の制御を行っているので、撮像手段10が車両側方画像を撮像中状態であることを示す撮像中状態信号を出力又は送信することができる。足元照明制御手段50は、この撮像中状態信号を検出することにより、撮像手段10が車両側方画像を撮像中状態にあることを確実かつ早期に検出することができ、CAN(Control Area Network)等の車載LAN(Local Area Network)を利用して、効率的かつ容易に車両側方画像が表示中であることを検出することができる。
【0060】
更に、足元照明制御手段50は、撮像制御手段20から消灯指令信号を受信することにより、その指令に従って足元照明制御を実行してもよい。本実施例に係る車両周辺監視装置100においては、撮像手段10が車両側方画像を撮像中であれば、これを優先させ、足元照明手段40を消灯させる制御を行うので、撮像制御手段20において、足元照明手段40を消灯させるべきとの判定を行うことが可能である。従って、撮像制御手段20において消灯指令信号を出力し、足元照明制御手段50はこの消灯指令信号に従い、足元照明手段40を消灯させる制御のみを行うようにしてもよい。
【0061】
足元照明制御手段50は、ターンシグナルランプ70の点灯を検出してもよい。図1において説明したように、ターンシグナルランプ70も、車両200の助手席側の側方に設けられ、その照明領域が撮像手段10の撮像領域と重複する場合には、車両側方画像が運転者を眩しくさせる状況を招いてしまう。
【0062】
しかしながら、ターンシグナルランプ70は、車両200の進行方向を示すための意思表示手段であり、法規においても、点灯が義務付けられているので、車両側方画像の表示よりも、ターンシグナルランプ70の点灯を優先させる必要がある。従って、足元照明制御手段50は、ターンシグナルランプ70の点灯を検出したときには、ターンシグナルランプ70はそのまま点灯させ、ターンシグナルランプ70の点灯状態を撮像制御手段20に送信する制御を行う。これにより、撮像制御手段20に、ターンシグナルランプ70の点灯中状態を知らせることができる。
【0063】
一方、撮像制御手段20は、足元照明制御手段20から受信したターンシグナルランプ70の点灯中状態信号に基づいて、撮像手段10の車両側方領域の撮像を抑制する制御を行う。具体的には、例えば、撮像手段10の光が当たった部分の輝度を落としたり、全体の輝度を落としたりして、眩しい画像が表示手段30に表示されないような制御を行う。
【0064】
このように、車両側方画像の表示中に、足元照明手段40又はターンシグナルランプ70が点灯中であった場合には、足元照明手段40を消灯するか又は撮像手段10の車両側方の撮像を抑制する制御を行うことにより、防眩制御を備えた車両用周辺監視装置100及び車両用足元照明装置150とすることができる。
【0065】
図4は、図3における防眩制御を、グローバルCANを用いて実現した例を示した図である。図4において、足元照明制御手段50を含むボデーECU55と、撮像制御手段20を含むカメラ制御ECU25とが、グローバルCANにより接続されて車載ネットワークを形成している。
【0066】
図4において、カメラ制御ECU25からは、サイドカメラ撮像中状態信号が送信され、足元照明手段40を制御しているボデーECUへの通知が実施される。サイドカメラ撮像中状態信号を受信したボデーECU55は、図3において説明した通り、足元照明手段40の照明を消灯する処理を行う。なお、カメラ制御ECU25から送信される信号は、上述のように、足元照明手段40を消灯させる消灯指令信号であってもよい。カメラ制御ECU25において、サイドカメラが撮像中であれば、足元照明手段40を消灯させるとの判定は可能であるので、カメラ制御ECUで直接的に足元照明手段40の消灯指令信号を出力するようにしてもよい。
【0067】
一方、ボデーECU55からは、ターンシグナルランプ点灯中状態信号が送信され、撮像手段10のサイドカメラを制御しているカメラECU55に通知を実施する。ターンシグナルランプ点灯中状態信号を受信したカメラECU55は、サイドカメラ映像を抑制する処理を行う。
【0068】
このように、ECU同士を接続しているCAN、LIN(Local Interconnect Network)等のバスを利用した車載ネットワークを利用することにより、本実施例に係る車両用周辺監視装置100及び車両用足元照明装置150においても、簡素かつ効率的な送受信による電子制御システムとして構成することができる。
【0069】
なお、図4において、ターンシグナルランプ点灯中状態信号と、サイドカメラ撮像中状態信号又は消灯指令信号とが送信された場合には、ターンシグナルランプ点灯中状態信号が優先され、ターンシグナルランプ70が点灯中は、撮像手段10のサイドカメラの撮像を抑制する制御が最初に実行され、これが終了した後、サイドカメラの映像が通常状態に戻り、サイドカメラ撮像中状態信号又は消灯指令信号に基づく足元照明手段40を消灯する制御が実行される。
【0070】
これは、図3において説明した優先順位とも合致し、かつ、ボデーECU55とカメラ制御ECU25では、CANにおいてボデーECU55が優先されるIDが付されているので、この点においても、本実施例に係る車両用周辺監視装置100及び車両用足元照明装置150の制御内容とも合致する。
【0071】
このように、本実施例に係る車両用周辺監視装置100及び車両用足元照明装置150で実行される制御内容は、従来の車載ネットワークとも合致し、適用容易な構成となっている。
【0072】
図5は、図1乃至図4で説明した実施例に係る車両用周辺監視装置100及び車両用足元照明装置150の変形例に係る車両用周辺監視装置100a及び車両用足元照明装置150aの説明図である。図5は、変形例に係る車両用周辺監視装置100a及び車両用足元照明装置150aを備えた車両200aの斜視図である。なお、図5に示されていない構成要素は、今までの説明と同様の構成要素が適用されているので、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0073】
図5において、車両200aの助手席ドア60には、ドアミラー61が取り付けられている。そして、ドアミラー61の外側には、サイドターンシグナルランプ70aが設けられている。一方、車両2000aの前方の助手席側には、ハイビームヘッドランプ75、ロービームヘッドランプ76、クリアランスランプ77の他、フロントターンシグナルランプ71が集約されて設けられている。
【0074】
このように、車両200aには、車両200aの側面にはサイドターンシグナルランプ70aが設けられ、前面の助手席寄り端部にはフロントターンシグナルランプ71が設けられており、複数のターンシグナルランプ70a、71が設けられている。ターンシグナルランプ70a、71は、法規で点灯により走行方向を意思表示することを定められているので、運転者が左折用のターンシグナルランプ70a、71を点灯させる操作をしたら、その通りに従う必要があるが、このような複数のターンシグナルランプ70a、71を備えている車両200aの場合においては、より方向指示の重要性の高いフロントターンシグナルランプ71は従来通りのターンシグナルランプとし、サイドターンシグナルランプ70aについては、足元照明手段40としての機能を兼ね備えさせるようにしてもよい。
【0075】
つまり、車両200aの走行中においては、サイドターンシグナルランプ70aは運転者の操作通り、つまりフロントターンシグナルランプ71と同じ点灯及び消灯動作を行うが、車両200aが駐車中又は停止中の場合には、運転者の方向指示の操作と切り離し、足元照明手段40としての動作を行うように制御してもよい。このような動作は、足元照明制御手段50が、例えばシフトレバー位置検出手段80(図3参照)が駐車レンジPにあることを検出したら、サイドターンシグナルランプ70aは足元照明手段40として機能させるような制御を行うようにして実現してもよい。その際、サイドターンシグナルランプ70aの点灯方法が、通常のフロントターンシグナルランプ71と異なり、点滅ではなく連続的に点灯するようにすれば、フロントターンシグナルランプ71のような通常のターンシグナルランプの点灯と明確に区別できる。
【0076】
なお、図1において説明したように、サイドターンシグナルランプ70aは、必ずしも下向きに設けられていなくても、助手席側の足元路面を十分な範囲で照明することができるので、足元照明手段40としての機能を十分に果たすことができる。
【0077】
このように、本変形例に係る車両用周辺監視装置100a及び車両用足元照明装置150aによれば、フロントターンシグナルランプ71とサイドターンシグナルランプ70aが設けられている場合には、サイドターンシグナルランプ70aを足元照明手段40として機能させることにより、単独で足元照明手段40を設ける必要が無くなり、簡素な構成で車両用周辺監視装置100a及び車両用足元照明装置150aを実現することができる。
【0078】
なお、図5においては、サイドターンシグナルランプ70aがサイドミラーに設けられている例について説明したが、車両200aの側面の他の位置に設けられていてもよい。この場合にも、サイドターンシグナルランプ70aが助手席側の足元の路面を照らすことができ、別途フロントターンシグナルランプ71が備えられていれば、本変形例と同様の動作をさせることができる。
【0079】
次に、図6を用いて、本実施例及び本変形例に係る車両用周辺監視装置100、100a及び足元照明装置150、150aの概略動作について説明する。図6は、本実施例及び本変形例に係る車両用周辺監視装置100、100a及び足元照明装置150、150aの概略動作を説明するための処理フロー図である。
【0080】
ステップ100では、撮像手段10であるサイドモニターが撮像中状態であるか否かが判定される。かかる判定は、足元照明制御手段50に、撮像手段10が撮像中状態であるか否かの信号が入力されることにより実行される。撮像手段10が撮像中であるか否かは、撮像手段10から表示手段30に送信される信号を検出してもよいし、表示スイッチ35から撮像手段10に送られる信号を検出してもよい。また、カメラ制御ECU25内に備えられた撮像制御手段20から、足元制御手段50の方にサイドモニター撮像中状態の信号又は消灯指令信号がネットワークを介して送信されてもよい。
【0081】
なお、ステップ100における判定は、撮像手段10及び/又は撮像制御手段20から、イベント情報が、例えば1000〔msec〕程度の周期で足元照明制御手段50の方に絶えず送信され、そのイベント情報にも基づいて随時判定されてよい。
【0082】
ステップ100において、サイドモニター撮像中状態でないときには、かかるステップ100の動作を上述の周期で繰り返す。一方、撮像手段10がサイドモニター撮像中状態であるときには、ステップ110に進む。
【0083】
ステップ110においては、足元照明制御手段50により、お出迎え照明としての役割を果たす足元照明手段40又はサイドターンシグナルランプ70aを消灯する制御が実行され、その処理を終了する。これにより、運転者が、表示手段30の車両側方画像を眩しく感じる状態を回避することができ、サイドモニター映像が良好な状態で画像表示される。
【0084】
このように、本実施例及び本変形例に係る車両用周辺監視装置100、100a及び足元照明装置150、150aによれば、撮像手段10がサイドモニター撮像中状態のときには、足元照明手段40又は足元照明手段40として機能するサイドターンシグナルランプ70aが点灯中又は点灯される条件を満たしても、これを消灯する制御を行うことにより、運転者がサイドモニターを用いて車両側方画像を良好に視認することができる。
【0085】
次に、図7を用いて、本実施例又は本変形例に係る車両用足元照明装置150、150aの通常の点灯動作及び消灯動作の詳細例について説明する。図7は、本実施例又は本変形例に係る車両用足元照明装置150、150aの点灯及び消灯の状態遷移図である。
【0086】
図7において、左側は消灯状態を示し、右側は点灯状態を示している。本実施例及び本変形例に係る車両用周辺監視装置100、100a及び車両用足元照明装置150、150aにおいては、運転者のサイドモニターの視認性を妨げない制御を実行することが目的であるので、図7においては、運転者が車両200、200aに乗車中であり、助手席に同乗者が乗車する状態を想定している。
【0087】
図7において、まず足元照明手段40が消灯状態にあるとする。ここで、条件1として、運転者が助手席ドア60を解錠したときには、足元照明制御手段50は、運転者が同乗者迎え入れのために解錠したと判断し、足元照明手段40(足元照明手段40として機能するサイドターンシグナルライト70aを含む。以下の説明において、同様。)を点灯させる。助手席ドア60の解錠は、助手席ドアロック検出手段62により検出されてよい。
【0088】
このとき、前提条件として、例えば、運転者が車両200、200aに乗車していることは、車両電源90がオン状態、つまり電源スイッチ91がオン状態にあるか否かにより判定してもよい。電源スイッチ91のオン状態は、車両200、200aの構成に応じて、アクセサリ電源又はイグニッション電源のいずれかがオン状態となっていれば条件を満たすこととしてもよいし、イグニッション電源がオン状態のときに条件を満たすことにしてもよい。
【0089】
また、同乗者が助手席に乗車する状況は、車両200、200aは駐車中又は停止中であることを点灯条件に加えてもよい。例えば、駐車中であることを条件とするならば、シフトレバー位置検出手段80が、シフトレバー位置が駐車レンジPにあることを検出することを条件にしてもよいし、停止中を条件にするならば、シフトレバー位置がニュートラルNの位置にあることを検出することを条件としてもよい。更に、必要に応じて、車速センサがゼロであること等を条件に加えてもよい。
【0090】
条件1を満たし、足元照明手段40が点灯したら、タイマ51が点灯時間を測定し、所定の一定時間のみ足元照明手段40が点灯するように、足元照明制御手段50は制御を行う。所定時間は、同乗者が車両200、200aの助手席に乗車するのに十分と考えられる時間に設定されてよく、例えば、15秒程度に設定されてもよい。
【0091】
条件2においては、助手席ドア60が解錠してから所定時間が経過したら、足元照明制御手段50は、足元照明手段40を消灯させる制御を行う。
【0092】
また、条件3として、足元照明手段40が点灯中であっても、助手席ドア60の施錠がなされ、助手席ドアロック検出手段62により助手席ドア60の施錠が検出されたら、足元照明制御手段50は、同乗者が乗車を終了したと判断し、足元照明手段40を消灯させる制御を行う。
【0093】
更に、条件4として、足元照明手段40が点灯中であっても、運転者が走行準備に入ったと判断されたら、足元照明制御手段50は、足元照明手段40を消灯させる制御を行う。例えば、シフトレバー位置検出手段80により、シフトレバーの位置が駐車レンジP以外の所に位置しており、かつイグニッション電源がオン状態のときには、足元照明制御手段50は、運転者が走行準備に入ったと判定するようにしてもよい。また、点灯のための条件1が、シフトレバー位置が駐車レンジPだけでなく、ニュートラルレンジNのときも点灯させる条件となっていた場合には、シフトレバー位置検出手段80が、シフトレバー位置が駐車レンジP又はニュートラルレンジN以外のときに、運転者が走行準備に入ったと判定するようにしてもよい。
【0094】
このように、足元照明手段40の点灯条件及び消灯条件を適切に定めることにより、同乗者の乗車をより快適にすることができるとともに、必要が無くなったら確実に消灯することができる車両用足元照明装置150、150aとすることができる。なお、ここで説明した条件は一例に過ぎず、用途に応じて種々の条件を設定してよい。
【0095】
次に、図8を用いて、図7のような通常の足元照明制御を行う車両用足元照明装置150、150aにおいて、本実施例及び本変形例に係る車両用周辺監視装置100、100a及び車両用足元照明装置150、150aの制御機能を適用した場合の動作例について説明する。図8は、本実施例及び本変形例に係る車両用周辺監視装置100、100a及び車両用足元照明装置150、150aのより詳細な動作を示した処理フロー図である。
【0096】
ステップ200では、助手席ドア60が解錠されたか否かが判定される。図7の条件1で説明した内容であり、助手席ドア60の解錠信号が助手席ドアロック検出手段62により検出され、検出信号が足元照明制御手段50に入力されて判定される。解錠信号が検出されない場合には、ステップ200の処理を繰り返し、検出された場合には、ステップ210に進む。
【0097】
ステップ210では、車両電源90の電源スイッチ91のうち、イグニッション電源のイグニッションスイッチがオン状態か否かが判定される。図7において説明した条件1の運転者が乗車状態である条件であり、図8の処理フローにおいては、イグニッションがオンであることを要求している。かかるイグニッションがオンであることの検出信号は、足元照明制御手段50に入力され、ここで条件判定が行われる。
【0098】
ステップ220では、足元照明制御手段50により、足元照明手段40を点灯させる制御が実行され、足元照明手段40が点灯する。なお、足元制御手段40は、サイドターンシグナルランプ70aでも兼用され得ることは、今までの説明と同様であり、以後も同様である。ここでは、足元照明手段40を消灯する条件に、シフトレバーが駐車レンジPにあることまでは足元照明手段40点灯の条件とはしていない。このように、足元照明手段40の点灯条件は、適宜適切な条件を適用することができる。
【0099】
ステップ230では、足元照明制御手段50により、足元照明手段40が点灯してから、所定時間が経過したか否かが判定される。所定時間の計測は、例えば足元照明制御手段50に内蔵されたタイマ51で行われてもよい。
【0100】
ステップ230において、所定時間が経過した場合には、ステップ250に進み、足元照明制御手段50により、足元照明手段40を消灯する制御が行われ、足元照明手段40が消灯する。所定時間、例えば15秒程度経過し、同乗者が乗車するのに十分な時間が経過したときには、足元照明制御手段50により足元照明手段40はその役割を果たしたと判定され、足元照明手段40は消灯され、処理フローを終了する。
【0101】
一方、ステップ230において、所定時間が経過していないときには、ステップ240に進む。
【0102】
ステップ240では、足元照明制御手段50により、サイドモニター信号が検出されたか否かが判定される。サイドモニター信号は、図6において説明したように、表示手段30の信号、撮像手段10と表示手段30との間の信号、撮像手段10と表示スイッチ35との間の信号、又はカメラ制御ECU25内の撮像制御手段20のサイドモニター撮像中信号の送信信号等により検出されてよい。また、サイドモニター信号の代わりに、消灯指令信号が撮像制御手段20から出力されてもよい。
【0103】
ステップ240において、足元照明制御手段50が、サイドモニター信号又は消灯指令信号を検出していないときには、ステップ230に戻り、所定時間が経過したか否かの判定を再度行い、処理フローを繰り返す。
【0104】
一方、ステップ240において、足元照明制御手段50が、サイドモニター信号又は消灯指令信号を検出したと判定したときには、ステップ250に進み、足元照明手段40を消灯する制御を実行する。これにより、足元照明手段40が点灯してから所定時間が経過していないときでも、撮像手段10がサイドモニター中で車両側方画像を撮像中の場合には、足元照明手段40を消灯させ、表示手段30に表示される車両側方画像を良好な状態で表示することができる。
【0105】
このように、図8に係る処理フローによれば、通常の足元照明手段40の点灯/消灯制御において、ステップ240を追加し、所定時間が経過していなくても、足元照明手段40の点灯が運転者の車両側方画像の視認に悪影響を与える場合には、足元照明手段40を消灯させ、安全上優先度の高い車両側方画像の表示の方を優先させることができる。
【0106】
これにより、足元照明手段40により同乗者を快適に車両200、200aに迎え入れる機能を備えつつも、撮像手段10により車両側方の確認がなされている場合には、車両側方画像を良好に表示することを優先させることにより、安全性と快適性を両立させる車両用周辺監視装置100、100a及び車両用足元照明装置150、150aとすることができる。
【0107】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本実施例に係る車両用周辺監視装置及び車両用足元照明装置の配置構成図である。
【図2】撮像手段10により撮像された車両側方画像の一例を示した図である。
【図3】本実施例に係る車両用周辺監視装置100及び足元照明装置150の機能ブロック図である。
【図4】図3における防眩制御を、CANを用いて実現した例を示した図である。
【図5】本変形例に係る車両用周辺監視装置100a及び車両用足元照明装置150aの説明図である。
【図6】本実施例及び本変形例に係る車両用周辺監視装置100、100a及び足元照明装置150、150aの処理フロー図である。
【図7】本実施例又は本変形例に係る車両用足元照明装置150、150aの点灯及び消灯の状態遷移図である。
【図8】本実施例及び本変形例に係る車両用周辺監視装置100、100a及び車両用足元照明装置150、150aの詳細処理フロー図である。
【符号の説明】
【0109】
10 撮像手段
20 撮像制御手段
25 カメラ制御ECU
30 表示手段
35 表示スイッチ
40 足元照明手段
50 足元照明制御手段
51 タイマ
55 ボデーECU
60 助手席ドア
61 ドアミラー
62 助手席ドアロック検出手段
70 ターンシグナルランプ
70a サイドターンシグナルランプ
71 フロントターンシグナルランプ
75 ハイビームヘッドランプ
76 ロービームヘッドランプ
77 クリアランスランプ
80 シフトレバー位置検出手段
90 車両電源
91 電源スイッチ
100、100a 車両用周辺監視装置
150,150a 車両用足元照明装置
200、200a 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の助手席側の車両側方画像を表示する車両用周辺監視装置であって、
助手席側の車両側方を撮像する撮像手段と、
助手席側の車室外の足元を照らす足元照明手段を制御する足元照明制御手段とを有し、
前記撮像手段により撮像した前記車両側方画像が表示されているときには、前記足元照明制御手段は、前記足元照明を消灯させることを特徴とする車両用周辺監視装置。
【請求項2】
前記撮像手段及び前記足元照明手段は、助手席側のドアミラーに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両用周辺監視装置。
【請求項3】
前記撮像手段を制御する撮像制御手段を更に有し、
該撮像制御手段は、前記撮像手段を撮像中状態に制御しているときには、撮像中状態信号又は消灯指令信号を前記足元照明制御手段に送信し、
前記足元照明制御手段は、前記撮像中状態信号又は消灯指令信号を検出したときに前記足元照明を消灯させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用周辺監視装置。
【請求項4】
前記車両側方画像が表示されていないときには、
前記足元照明制御手段は、車両電源がオンであり、助手席のドアが解錠されたときに、前記足元照明手段を所定時間点灯させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用周辺監視装置。
【請求項5】
前記足元照明制御手段は、前記車両の走行中は、前記足元照明手段をターンシグナルランプとして機能させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用周辺監視装置。
【請求項6】
車両の助手席側の車室外の足元を照らす車両用足元照明装置であって、
助手席側の車室外の足元を照らす足元照明手段と、
該足元照明手段を制御する足元照明制御手段とを有し、
該足下照明制御手段は、助手席側の車両側方を撮像して表示する表示手段が車両側方画像を表示しているときには、前記足元照明手段を消灯させることを特徴とする車両用足元照明装置。
【請求項7】
前記足元照明手段は、助手席側のドアミラーに設けられたことを特徴とする請求項6に記載の車両用足元照明装置。
【請求項8】
前記表示手段が前記車両側方画像を表示していないときには、
前記足元照明制御手段は、車両電源がオンであり、助手席のドアが解錠されたときに、前記足元照明手段を所定時間点灯させることを特徴とする請求項6又は7に記載の車両用足元照明装置。
【請求項9】
前記足元照明制御手段は、前記助手席のドアが施錠されたときには、前記足元照明手段を消灯させることを特徴とする請求項8に記載の車両用足元照明装置。
【請求項10】
前記足元照明制御手段は、シフトレバーが駐車レンジ以外の位置のときには、前記足元照明手段を消灯させることを特徴とする請求項8に記載の車両用足元照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−120144(P2009−120144A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299129(P2007−299129)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】