説明

車両用室内照明灯

【課題】輸送時や、車両への組み付け時に外力から光源を保護するとともに、組み付け作業性を向上できる車両用室内照明灯を提供する。
【解決手段】車両のドアトリムに設けられたランプ取付穴に取り付けられる車両用室内照明灯11であって、ドアトリムの室内側に配置される意匠部15と、ドアトリムの室外側に配置され、ランプ取付穴に取り付けられる機能部17と、を備える。機能部17が、バルブを収容保持する光源収容部を備えてランプ取付穴に取り付けられるハウジング43と、ハウジング43の室内側開口に設けられ、バルブが外部材と接触するのを阻止する大きさの光通過開口73を備えた光源保護部37と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用室内照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、天井のフロントガラス寄りに室内照明灯が設けられている場合がある。この室内照明灯は、天井のほぼ中央に設けられているドームランプとは別個に設けられており、光源にフィラメントを採用したバルブ(電球)が用いられることが多い。また、逆光を避けるサンバイザに小型の化粧用ミラーであるバニティミラーを設けたものも知られているが、バニティミラーを夜間などでも使用できるようにするため、近年では、そのバニティミラーの近傍に室内照明灯を付設するとともに、このミラーを開閉可能に覆うためのカバーを設けたサンバイザも普及している。特に、付加価値を高めた高級車種や、構造上ルームランプの設けられないコンバーティブルタイプの乗用車などに多用される傾向にある。
【0003】
このような車両用室内照明灯としては、例えば図10(a)に示すように、車両の被取付部である天井面などの内装材503の開口部505に取付可能なハウジング507にレンズ509が固定された意匠部511と、所定の色度で発光する光源(フィラメント)513を備え、意匠部511に支持されるとともに内装材503の裏面側に配置される機能部515と、を有するものであって、機能部515が意匠部511に一体に組み付け可能となっている。
【0004】
上記した車両用室内照明灯501は、工場でアッセンブリされて、それが取り付けられる車両まで単体で搬送されたのち、車両の内装材503に取り付けられる。そのため、車両用室内照明灯501の輸送時に、外部材からの衝撃などによって光源513が損傷する恐れがあった。そこで、搬送前に、意匠部511と機能部515とを別体のままにしておいて組み立てないでおき、図10(b)に示すように、その機能部515に備えた光源513に専用の光源保護カバー517を被せて保護するような対策を講じるようにしたものなどが知られている。
【0005】
しかしながら、この光源保護カバー517は、機能部515を意匠部511に一体に組付ける際に大きすぎて組付けるときの障害となるなどの理由から、搬送後は取り外すようになっている。このため、この車両用室内照明灯501では、壊れやすい光源513を外部に剥き出しの状態で露出させたまま、車両の内装材503の開口部505に取り付けることになる。そこで、光源513が何かに接触して破損したり、天井の上方からの水滴や塵埃の蓄積などにより光源513が損傷したりする虞がある。
そこで、このような輸送時の光源の損傷を防止すると共に、車内の壁面などへの取り付け後における光源の保護を可能にする車両用室内照明灯が、特許文献1や特許文献2などに提案されている。
【0006】
これら特許文献1及び特許文献2にて示される車両用室内照明灯は、光源が収容されるとともに該光源を保護するカバーが着脱自在に取り付けられた機能部と、この機能部が組付けられるハウジングを有して内装材の開口部に取り付けられる意匠部と、を備えている。そして、カバーを取り付けた状態のまま機能部と意匠部とを組み付け、機能部及び意匠部を内装材の開口部に一体に固定させたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−179837号公報
【特許文献2】特開2010−173593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した特許文献1における車両用室内照明灯のカバーは、円筒を軸に沿って切断した形状である略半円筒状に形成されており、その軸方向の一端が機能部によって支持されて、その内側に光源を収容して配置されている。そして、上記カバーは、その両縁の間が開口しており、この開口を下方に向けて配置することで光源を下方に向けて露出するように構成されている。
そこで、輸送時に上記カバーの開口内に向けて生じる衝撃に対しては、光源を保護することができない可能性があった。
【0009】
上記した特許文献2におけるランプユニット(車両用室内照明灯)の光源保護部材(カバー)は、光源の周囲を覆うように光源駆動部(機能部)に連接されたカバー本体と、光源駆動部が意匠部材(意匠部)に取り付けられたときに車内に向けて光源が露出されるように開かれる、カバー本体に設けられた蓋部と、を有している。
そこで、光源駆動部を意匠部材に取り付ける際には、カバー本体に開閉可能に設けられた一対の扉部からなる蓋部を開状態としながら、これら扉部の端部に設けた一対の爪部等の係合部を壁面又は意匠部材に係合させながら取り付けなければならず、組み付け作業性が低下するという問題があった。
【0010】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、輸送時や、車両への組み付け時に外力から光源を保護するとともに、組み付け作業性を向上できる車両用室内照明灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 車両の内装用壁材に設けられたランプ取付穴に取り付けられる車両用室内照明灯であって、前記内装用壁材の室内側に配置される意匠部と、前記内装用壁材の室外側に配置され、前記ランプ取付穴に取り付けられる機能部と、を備え、前記機能部が、光源を収容保持する光源収容部を備えて前記ランプ取付穴に取り付けられるハウジングと、前記ハウジングの室内側開口に設けられ、前記光源が外部材と接触するのを阻止する大きさの光通過開口を備えた光源保護部と、を有することを特徴とする車両用室内照明灯。
【0012】
上記(1)の車両用室内照明灯によれば、光源が外部材と接触するのを阻止する大きさの光通過開口を備えた光源保護部によってハウジングの室内側開口が覆われるので、意匠部が取り付けられない状態で機能部が輸送される際には、他部材や手指等の外部材が光源と接触することはできない。意匠部が取り付けられない状態で機能部のみが内装用壁材のランプ取付穴に組み付けられる際には、光源保護部がハウジングの室内側開口に取り付けられたまま機能部をランプ取付穴に組み付けることができるので、組み付け作業が容易となり、手指が光源と接触することもない。
【0013】
(2) 前記光通過開口の内周壁が、前記光源からの照射光の光線に沿ったテーパ面を有することを特徴とする上記(1)の車両用室内照明灯。
【0014】
上記(2)の車両用室内照明灯によれば、光源収容部内の光源からの照射光が光源保護部の光通過開口を通過する際、光通過開口の内周壁が照射光の光線に沿ったテーパ面で形成されていることにより、必要以上に光通過開口の内周壁によって照射光が遮られる(蹴られる)ことがない。これにより、光通過開口を備えた光源保護部が存在することによる光利用効率の低下が最小限に抑止される。
【0015】
(3) 前記光源保護部が、薄肉ヒンジ部を介して前記ハウジングの室内側開口に対し開閉自在とされていることを特徴とする上記(1)または(2)の車両用室内照明灯。
【0016】
上記(3)の車両用室内照明灯によれば、光源保護部が薄肉ヒンジ部を介してハウジングと一体成形可能となり、部品点数が少なくなる。そこで、部品管理が容易となって、製造コストも安価となる。また、組み付け作業時や光源の交換時に、光源保護部の紛失が防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る車両用室内照明灯によれば、輸送時や、車両への組み付け時に外力から光源を保護するとともに、組み付け作業性を向上できる。
【0018】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る車両用室内照明灯の全体斜視図、(b)は機能部から意匠部を取り外した状態の車両用室内照明灯の分解斜視図である。
【図2】図1に示した機能部の光源保護部を開いた状態の分解斜視図である。
【図3】図2に示した機能部の光源装着後の組立手順説明図である。
【図4】図3に示した機能部の光源保護部を閉じる途中の組立手順説明図である。
【図5】図4に示した機能部に電線を接続する前の組立手順説明図である。
【図6】図5に示した機能部の電線をランプ取付穴に挿通して車両側ワイヤハーネスに接続した後の手順説明図である。
【図7】ランプ取付穴に配置された機能部に意匠部を取り付けた後の手順説明図である。
【図8】図7に示した車両用室内照明灯の組み付け直前の手順説明図である。
【図9】(a)は内装用壁材に取り付けられた車両用室内照明灯の図8(b)におけるA−A矢視断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図10】(a)は従来の車両用室内照明灯を内装材の開口部に取付けた状態を示す断面図、(b)は光源保護カバー装着前の機能部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る車両用室内照明灯を詳細に説明する。
図1に示す本実施形態の車両用室内照明灯11は、車両の内装用壁材であるドアトリム35に設けられたランプ取付穴13(図6参照)に取り付けられるカーテシランプである。車両用室内照明灯11は、意匠部15と機能部17とに大別して構成される。意匠部15は、ドアトリム35の室内側に配置され、レンズ19(図7参照)と、ロック部21(図7参照)と、内壁材係止爪部23(図7参照)と、を有する。
【0021】
レンズ19は、略矩形板を一方の面側に湾曲させた形状に形成され、光透過性の透明樹脂材料からなる。レンズ19の凹面側(室外側)には、図9(a)に示す一対の遮光片19aが突設され、これら遮光片19aは光源であるバルブ63からの光がランプ取付穴13と車両用室内照明灯11との取付隙間から漏れるのを防止している。更に、レンズ19には光拡散手段27が形成されている。光拡散手段27としては、適宜なレンズカット形状や、シボ加工面等を用いることができる。
【0022】
ロック部21は、レンズ19の凹曲面側に一対の平行な弾性係止片として突設される。ロック部21は、機能部17の両側部に設けた係止部74に解除可能に弾性係止する。意匠部15は、レンズ19に設けられたロック部21が機能部17の係止部74に係止することで、図1(a)に示すように、機能部17に一体に組み付けられる。
【0023】
内壁材係止爪部23は、レンズ19の凹面側の長手方向一端に突設されている。内壁材係止爪部23は、短冊状の弾性板31の先端に係止爪33を有し、ドアトリム35(図8参照)の背面に係止する。内壁材係止爪部23は、後述する光源保護部37の係止リブ39(図5参照)と協働し、レンズ19がドアトリム35の表面と略同一面となるように、意匠部15と機能部17が一体となった車両用室内照明灯11をドアトリム35のランプ取付穴13に係止固定する。
【0024】
機能部17は、ドアトリム35の室外側に配置され、ランプ取付穴13に取り付けられる。ランプ取付穴13は、ドアトリム35に形成された凹状縁部41(図6参照)に形成される。機能部17は、図1に示すハウジング43を有する。ハウジング43は、図2に示すように、一端側より、電線導出部45と、バスバー収容部47と、光源収容部49と、リフレクタ部51と、が連設されてなる。電線導出部45からは、端子29が接続された電線53が導出される。端子29は、バスバー収容部47に収容されたバスバー55の電気接触部57に接続される。電気接触部57に接続した端子29は、電線導出部45内に設けられる不図示のランスによって脱落が規制される。
【0025】
バスバー55には、バルブ63と接続されるバルブ接点部59が形成される。バスバー55には圧接刃56が形成され、圧接刃56は光源の回路を構成するためのダイオード61を圧接する。バスバー55にはダイバーカット部が形成され、このダイバーカット部を切断することにより、ダイオード61の有無に対応可能となっている。
【0026】
光源にはフィラメントを備えたバルブ63に限らず、LEDが用いられてもよい。バルブ63は、光源収容部49に装着され、バスバー55、ダイオード61によって構成される光源回路に、電線53から給電されることによって発光駆動される。
【0027】
リフレクタ部51は、凹曲面形状に形成される。内周面側には例えばアルミ蒸着などよる反射面が形成される。リフレクタ部51の中央部には、バルブ63が配置される。リフレクタ部51は、凹曲面状の反射面を有することで、バルブ63からの出射光を効率よくリフレクタ開口部65へと反射させる。リフレクタ部51は、バルブ63の光利用効率を高めることに加え、ドアトリム35の背部に一旦漏れた光が車室側に回り込む光漏れも防止する。更に、リフレクタ部51は、電線53がバルブ63に接触することによる溶損も防止する。
【0028】
ところで、ハウジング43には、薄肉ヒンジ部67を介して複数の光通過開口73を備えた光源保護部37がハウジング43の室内側開口69に対して開閉自在に連結されている。この光源保護部37は、薄肉ヒンジ部67を介してハウジング43と一体に成形することができる。即ち、光源保護部37は、薄肉ヒンジ部67を介してハウジング43と一体成形可能となり、部品点数が少なくなる。そこで、部品管理が容易となって、製造コストも安価となる。また、機能部17の組み付け作業時やバルブ63の交換時に、光源保護部37の紛失が防止できる。
【0029】
光源保護部37には、図1(b)に示す複数の光通過開口73を備えた格子状部71が形成される。格子状部71は、光源保護部37がハウジング43の室内側開口69を閉鎖したとき、リフレクタ開口部65を覆うよう配置される。そこで、桟材部75が縦横に配置されて複数の矩形状となった光通過開口73により形成された格子状部71は、リフレクタ開口部65を覆うことで、バルブ63が他部材や手指等の外部材と接触するのを阻止する。格子状部71における各光通過開口73の面積は、例えば手指が入らない大きさで形成される。組み付け作業中の指が誤ってバルブ63に接触しないようにするためである。
【0030】
この他の光源保護部37の変形例としては、光通過開口73を円形状としたものや、光通過開口73が千鳥配列されるものも含む。光通過開口73は、開口幅の狭いスリット状のものが多数形成されていてもよい。例えば円形状の光通過開口73が千鳥配置されるパンチング板状であってもよい。なお、光通過開口73の内周壁89は、後述するように、照射光の光線77(図9参照)に沿うテーパ面79を有する。
【0031】
光源保護部37の格子状部71には、図2に示すように、リフレクタ開口部65の端部を塞ぐ垂直閉鎖板81が形成されている。垂直閉鎖板81は、光源保護部37がハウジング43の室内側開口69を閉鎖したとき、機能部17の先端側におけるリフレクタ開口部65の端部を塞ぐ。
【0032】
光源保護部37には、図2に示すように、格子状部71を挟んで垂直閉鎖板81の反対側に、バスバー収容部閉鎖板83が連設される。バスバー収容部閉鎖板83には、一対の平行な爪部85が突設される。この爪部85は、ハウジング43の両側部に設けられた係止枠部87に係止して、光源保護部37をハウジング43に閉鎖状態に保持する。また、バスバー収容部閉鎖板83の表面には、一対の平行な係止リブ39が設けられている。係止リブ39は、バスバー収容部閉鎖板83との間に係止間隙を有する。係止リブ39は、この係止間隙にドアトリム35のランプ取付穴13の縁部を係止する。つまり、車両用室内照明灯11は、ランプ取付穴13の一端側に係止リブ39が係止し、他端側に内壁材係止爪部23が係止してドアトリム35に取り付けられる。
【0033】
次に、図2〜図5を参照しながら上記構成を有する車両用室内照明灯11の組立手順を説明する。
車両用室内照明灯11は、輸送前に、機能部17が組み立てられる。機能部17を組み立てるには、先ず、図2に示すバスバー収容部47にバスバー55が圧入される。バスバー55は、必要に応じてダイバーカットが行われる。バスバー収容部47に収容されたバスバー55には、ダイオード61が圧入される。
【0034】
次いで、図3に示すように、バルブ63が光源収容部49に装着される。そして、図4に示すように、薄肉ヒンジ部67を中心に光源保護部37を回動させて、爪部85を係止枠部87に係止して、ハウジング43の室内側開口69を光源保護部37によって閉鎖する。これにより、リフレクタ開口部65は、複数の光通過開口73を備えた格子状部71によって覆われる。
リフレクタ開口部65が光源保護部37によって保護されたハウジング43には、図5に示すように、端子29が接続された電線53が接続される。これにより、機能部17は、組立が完了し、輸送が可能な状態となる。
【0035】
次に、図6〜図8を参照しながら組み立てられた機能部17の車両への組み付け手順を説明する。
車両用室内照明灯11は、先ず、ドアトリム35のランプ取付穴13に、意匠部15が取り付けられていない機能部17が配置される。ランプ取付穴13に配置された機能部17は、導出された電線53がドアトリム35の裏側で不図示の車両側ワイヤハーネスとコネクタ接続される。
【0036】
次いで、図7に示すように、機能部17に、ロック部21を介してレンズ19を主部材とする意匠部15が装着される。機能部17に意匠部15が一体に取り付けられた車両用室内照明灯11は、先ず、図8(a)に示すように、機能部17の係止リブ39(図4参照)がランプ取付穴13の一端側の縁部に係止された後、意匠部15の内壁材係止爪部23がランプ取付穴13の他端側の縁部に係止される。
取り付けられた車両用室内照明灯11は、図8(b)に示すように、意匠部15がランプ取付穴13に嵌合して、レンズ19がドアトリム35の表面と略同一面となるようにランプ取付穴13を見栄え良く閉鎖する。これにより、車両用室内照明灯11のドアトリム35への組み付けが完了する。
【0037】
このように、本実施形態に係る車両用室内照明灯11では、意匠部15が取り付けられない状態で機能部17が輸送される際、ハウジング43の室内側開口69が複数の光通過開口73を備えた光源保護部37によって覆われ、他部材や手指等の外部材がバルブ63と接触することはできない。また、意匠部15が取り付けられない状態で機能部17のみがドアトリム35のランプ取付穴13に組み付けられる際、光源保護部37がハウジング43の室内側開口69に取り付けられたまま機能部17をランプ取付穴13に組み付けることができるので、組み付け作業が容易となり、手指がバルブ63と接触することもない。
【0038】
また、図9に示すように、光源保護部37における格子状部71を形成する複数の光通過開口73の内周壁89(桟材部75の外壁)は、バルブ63の照射光の光線77に沿ったテーパ面79を有している。光源保護部37が室内側開口69に取り付けられたままバルブ63からの照射光が複数の光通過開口73を通過しても、各光通過開口73の内周壁89が照射光の光線77に沿ったテーパ面79で形成されていることにより、必要以上に光通過開口73間の桟材部75によってバルブ63の照射光が遮られる(蹴られる)ことがない。これにより、光源収容部49の室内側開口69に複数の光通過開口73を備えた光源保護部37が存在することによる光利用効率の低下が最小限に抑止される。
【0039】
更に、本実施形態のレンズ19には、光拡散手段27が設けられている。この光拡散手段27は、バルブ63の出射光を拡散することで、複数の光通過開口73を構成している光源保護部37の桟材部75による影が照射光に出現することを抑制できる。
従って、本実施形態に係る車両用室内照明灯11によれば、輸送時や、車両への組み付け時に外力からバルブ63を保護するとともに、組み付け作業性を向上できる。
【0040】
尚、本発明の車両用室内照明灯に係る内装用壁材、意匠部、機能部、ハウジング及び光源保護部等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の主旨に基づいて種々の形態を採りうることは云うまでもない。
例えば、上記実施形態においては、ドアトリム35に設けられたランプ取付穴13に取り付けられるカーテシランプを例に車両用室内照明灯11を説明したが、本発明の車両用室内照明灯は、ドームランプやマップランプなどの種々の室内照明に応用可能であることは云うまでもない。
また、上記実施形態においては、複数の光通過開口73を備えた光源保護部37について説明したが、1つの光通過開口を備えた光源保護部を形成することにより、例えばスポット光を照射する車両用室内照明灯等にも適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
11…車両用室内照明灯
13…ランプ取付穴
15…意匠部
17…機能部
35…ドアトリム(内装用壁材)
37…光源保護部
43…ハウジング
49…光源収容部
63…バルブ(光源)
67…薄肉ヒンジ部
69…室内側開口
71…格子状部
73…光通過開口
75…桟材部
77…光線
79…テーパ面
89…内周壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内装用壁材に設けられたランプ取付穴に取り付けられる車両用室内照明灯であって、
前記内装用壁材の室内側に配置される意匠部と、前記内装用壁材の室外側に配置され、前記ランプ取付穴に取り付けられる機能部と、を備え、
前記機能部が、光源を収容保持する光源収容部を備えて前記ランプ取付穴に取り付けられるハウジングと、前記ハウジングの室内側開口に設けられ、前記光源が外部材と接触するのを阻止する大きさの光通過開口を備えた光源保護部と、を有することを特徴とする車両用室内照明灯。
【請求項2】
前記光通過開口の内周壁が、前記光源からの照射光の光線に沿ったテーパ面を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用室内照明灯。
【請求項3】
前記光源保護部が、薄肉ヒンジ部を介して前記ハウジングの室内側開口に対し開閉自在とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用室内照明灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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