説明

車両用情報処理装置

【課題】 特定の入力操作について、運転者による操作をより確実に排除し、運転者以外の者による操作をより確実に受け付ける。
【解決手段】
運転席用モニタ11aは運転席近傍に配置し、助手席用モニタ11bは運転席から離れた助手席正面に配置する。運転席用モニタ11aには、車両走行中か否か、及び、現在表示されている表示画面に応じて操作可能な操作キーのうち、特定入力操作として予め決められた走行中禁止操作の操作キーを操作可能な操作キーとして表示しないようにする(非表示処理)。助手席用モニタ11bには、運転者が操作することはないので、運転席用モニタ11aと異なり、車両の走行状態や、走行中禁止操作に該当するか否かにかかわらず、各表示画面に対応した全ての操作キーが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報処理装置に係り、例えば、車両に搭載されたナビゲーションやオーディオ等の入力操作の受付及び拒否に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置に代表される各種情報処理装置が車両に搭載されるようになっている。
このような車両用情報処理装置では、車両が走行中であると判断されると、複雑な操作に対して設定操作制限がかかるようになっている。
例えば、ナビゲーション装置の場合、車両走行中は、目的地を新たに設定する等のキー入力が禁止されて、入力操作を受け付けないようになっている。
【0003】
これに対して、運転者による操作に対して入力操作を制限し、助手席や後部座席の乗員による操作については受け付けるようにした技術が特許文献1や特許文献2で提案されている。
特許文献1では、リモコンの受光部に受光方向を判断する手段を設け、運転席側から受光したか、助手席側から受光したかを判断して、運転席側から操作した場合は操作の受付を禁止し、助手席側から受光した場合は操作を許可するようにしている。
また、特許文献2では、運転者が操作できない位置、例えば、助手席のドア側のダッシュパネル上部に別途スイッチを設け、そのスイッチが押された時に限り、車両の走行中においてもスイッチの操作を受け付けるようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−248466
【特許文献2】特開平 5−164565
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、いずれの場合も助手席の乗員が入力操作をする場合のために、表示装置には操作可能なキーが表示され、運転者は操作可能なキーの存在を確認することができる。
このため、上記特許文献1記載技術では、運転者が助手席側に手をのばしてリモコンを操作することが可能である。これに対して、助手席側の指向性を強くすると、助手席側での操作もリモコンの位置によっては操作が受け付けられなくなる可能性がある。
一方、特許文献2記載技術では、助手席の乗員がドア側のスイッチを押し、運転者が入力操作を行うというように、助手席乗員と運転者とが分担することで、運転者による入力が可能になる。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、特定の入力操作について、運転者による操作をより確実に排除し、運転者以外の者による操作をより確実に受け付けることが可能な車両用情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明では、入力操作に対応した処理を行う車両用情報処理装置であって、運転席近傍に配置された第1表示装置と、運転席から離れて配置された第2表示装置と、現在の処理状態に対応して表示対象となる操作キーを決定する操作キー決定手段と、前記決定した操作キーを前記第1表示装置及び前記第2表示装置に表示する操作キー表示手段と、車両が走行中であって、前記決定した操作キーが走行中の操作が禁止されている走行中禁止操作キーである場合に、前記第1表示装置に該走行中禁止操作キーを、操作可能な操作キーとして表示しないようにする非表示処理手段と、を具備させて前記目的を達成する。
請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の車両用情報処理装置において、前記操作キー決定手段は、前記第1表示装置及び前記第2表示装置の表示画面から表示対象となる操作キーを決定することを特徴とする。
請求項3に記載した発明では、請求項1又は請求項2に記載の車両用情報処理装置において、前記非表示処理手段は、前記走行中禁止操作キーを認識できない状態とする、ことを特徴とする。
請求項4に記載した発明では、入力操作に対応した処理を行う車両用情報処理装置であって、運転席用に配置された第1表示装置と、運転席以外の座席用に配置された第2表示装置と、現在の処理状態に対応して表示対象となる操作キーを決定する操作キー決定手段と、前記決定した操作キーを前記第1表示装置及び前記第2表示装置に表示する操作キー表示手段と、車両が走行中であって、前記決定した操作キーが走行中の操作が禁止されている走行中禁止操作キーである場合に、入力操作が受け付けられない状態であることを認識しうる状態で走行中禁止操作キーを前記第1表示装置に表示する非表示処理手段と、を具備させて前記目的を達成する。
請求項5に記載した発明では、入力操作に対応した処理を行う車両用情報処理装置であって、運転席用に配置された第1表示装置と、運転席以外の座席用に配置された第2表示装置と、現在の処理状態に対応して表示対象となる操作キーを決定する操作キー決定手段と、前記決定した操作キーを前記第1表示装置及び前記第2表示装置に表示する操作キー表示手段と、車両が走行中であって、前記決定した操作キーが走行中の操作が禁止されている走行中禁止操作キーである場合に、前記第1表示装置に表示された走行中禁止操作キーの入力操作に対する受付を制限し、前記第2表示装置に表示された全ての操作キーの入力操作に対する受付を行う、操作受付制限手段と、を具備させて前記目的を達成する。
請求項6に記載した発明では、請求項5に記載の車両用情報処理装置において、前記操作受付制限手段で、前記第1表示装置からの入力操作に対する受付を制限した場合に、その旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載した発明では、入力操作に対応した処理を行う車両用情報処理装置であって、運転席用に配置された第1表示装置と、運転席以外の座席用に配置された第2表示装置と、現在の処理状態に対応して表示対象となる操作キーを決定する操作キー決定手段と、前記決定した操作キーを前記第1表示装置及び前記第2表示装置に表示する操作キー表示手段とを備え、前記操作キー表示手段は、車両が走行中であって、前記決定した操作キーに走行中の操作が禁止されている走行中禁止操作キーが存在する場合、前記第2表示装置には前記決定した全ての操作キーを表示し、前記第1表示装置を非表示、又は画面を塗り潰した状態で表示し、車両が走行中でない場合、及び前記決定した操作キーに走行中禁止操作キーが存在しない場合、前記第1の表示装置及び前記第2の表示装置に前記決定した全ての操作キーを表示する、ことにより前記目的を達成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、運転者用の第1表示装置と、運転者以外用の第2表示装置を配置し、車両が走行中であって、決定した操作キーが走行中禁止操作キーである場合に、第1表示装置には、該走行中禁止操作キーを操作可能な操作キーとして表示しないようにし、第2表示装置には走行中か否かにかかわらず走行中禁止操作キーを含めて操作キーを表示するようにしたので、運転者による特定入力操作をより確実に排除し、運転者以外の者による操作をより確実に受け付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の車両用情報処理装置について、ナビゲーション装置に適用した場合の好適な実施形態について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態のナビゲーション装置では、運転席用モニタ(第1表示装置)と、助手席用(後席用)モニタ(第2表示装置)を分けて配置し、両モニタに表示する操作キーを状態に応じて異なるものとする。
【0010】
図1は、本発明のナビゲーション装置における運転席用モニタと、助手席用モニタの配置状態を表したものである。
この図1に示されるように、運転席用モニタ11aは運転席近傍に配置し、助手席用モニタ11bは運転席から離れた助手席正面、若しくは、正面より窓側の位置に配置する。
運転席用のモニタ11aの近傍か離れているかについては、運転者が運転操作をしながらキー操作できる距離か否によって決定される。
【0011】
なお、助手席用モニタ11bに代えて、若しくは、助手席用モニタ11bに加えて、後部座席の乗員が操作する後部座席用モニタを配置するようにしてもよい。本明細書において、助手席用モニタ11bと表記した場合には、後部座席用モニタを含むものとする。
後部座席用モニタは、例えば、後部運転席の裏面や助手席の裏面、さらに、運転席と助手席間、運転席より後部の天井(ルーフ)部分等に配置される。
【0012】
そして、運転席用モニタ11aには、車両の状態(例えば、車両走行中か停止中か)及び、現在表示されている表示画面(目的地設定画面、現在地表示画面、経路案内画面等)に応じて操作可能な操作キーのうち、特定入力操作として予め決められた走行中禁止操作の操作キーを操作可能な操作キーとして表示しないようにする(非表示処理)。
走行中禁止操作は、一連の連続した操作が必要な操作や、1つの入力操作に応じて画面が変化して更に次の入力操作が要求される操作をいい、予め決められている。
また、走行中禁止操作に対応する操作キーを操作可能な操作キーとして表示しない非表示処理としては、例えば、操作キーを認識できない状態とする場合、操作キーは表示するが入力操作が受け付けられない状態として表示(例えば、入力不可を示す色で表示)する場合、特定入力操作を開始するためのメニューを認識できない状態とする場合、などがある。
操作キーやメニューを認識できない状態とは、表示そのものを行わない場合と、特定色(例えば、青色)で操作キーを塗り潰すことでキーの内容を認識できないようにする場合がある。
【0013】
一方、助手席用モニタ11bには、運転者が操作することはないので、運転席用モニタ11aと異なり、車両の走行状態や、走行中禁止操作に該当するか否かにかかわらず、各表示画面に対応した全ての操作キーが表示される。
【0014】
(2)実施形態の詳細
図2は、ナビゲーション装置の構成を表したものである。
図2に示されるように、ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置全体を制御するナビゲーション制御部10を備えている。
このナビゲーション制御部10には、運転席用モニタ(第1表示装置)11a、助手席用モニタ(第2表示装置)11b、スピーカ12、現在位置検出部13、記憶部14、停止状態検出部15が接続されている。
【0015】
ナビゲーション制御部10は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムで構成されており、RAMを所定の作業領域としてROMや記憶部14に格納された各種プログラムを実効することで、本実施形態における操作キー表示処理を含め、目的地設定、経路探索、経路案内、各種情報の提供等の各種機能を実現するようになっている。
【0016】
運転席用モニタ11a及び助手席用モニタ11bは、各種情報が表示される表示装置である。この運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bには、液晶ディスプレイが使用されるが、他にCRTやプラズマディスプレイ等を使用するようにしてもよい。
運転席用モニタ11a及び助手席用モニタ11bには、ナビゲーション制御部10による画像表示処理に従って、経路案内に必要な目的地設定用の画面が表示されたり、走行中の現在位置が地図と共に表示されたり、さらに経路案内において車両の走行すべき経路が表示されるようになっている。
運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bには、また、表示画面の内容に応じてユーザが操作し得る操作キーが表示される。例えば、現在地周辺の地図を表示している画面において、目的地設定を選択するための目的地設定キー、表示している地図の縮尺を変更するためのキー、オーディオの操作を選択するキー等の各種操作キーが表示される。
【0017】
なお、これらの操作キーは、運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bの外枠に常設された専用キーとして配置するようにしてもよい。
ただし、特定入力操作に対応する操作キーについては、運転席用モニタ11aには配置しないが、助手席用モニタ11bには配置するようにしてもよい。
【0018】
運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bは、液晶ディスプレイの表面にタッチパネルが配置されており、液晶ディスプレイに表示された各種操作キーに対応する表示部位を押圧(タッチ)することで当該部位に対応した操作キーが選択されるようになっている。
また、例えば、目的地を設定する所定の操作において、表示された地図上の地点を押圧することで、押圧点に対応する地図上の地点が選択されるようになっている。
【0019】
スピーカ12は、図示しない音声プロセッサが接続され、ナビゲーション制御部10による制御のもと各種音声を出力するようになっている。
スピーカ12からは、例えば、「この道300m先を右方向です」といった経路案内用の音声や、運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bに表示された各種画面操作方法についての操作案内音声等が出力されるようになっている。
なお、スピーカ12は、車両に配置されているオーディオ用のスピーカを兼用するようにしてもよい。
【0020】
現在位置検出部13は、ナビゲーション装置を搭載している車両の現在位置(例えば、緯度、経度による絶対位置)を検出する。検出した現在位置は、例えば、経路案内において道路データとのマッチング等に使用され、運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bに表示された地図上に車両の現在位置として表示される。
現在位置検出部13としては、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)、車速センサ、ジャイロセンサ、方位センサ、舵角センサ、距離センサ等の1又は複数を備えている。
【0021】
記憶部14は、プログラム記憶部14aとデータ記憶部14bを備えている。
プログラム記憶部14aには、本実施形態における操作キー表示プログラムの他、経路案内を行うための各種プログラムとして目的地設定プログラム、経路探索プログラム、経路案内プログラム、その他各種プログラムが格納されている。
データ記憶部14bには、記憶部14ナビゲーション処理に必要な各種データとして、地図データ、道路データ、操作キー表示プログラムで使用される走行中禁止操作テーブル等の各種データが格納されている。
【0022】
走行中禁止操作テーブルには、本実施形態の操作キー表示プログラムにおいて、走行中には運転席用モニタ11aからの入力操作が禁止される操作(操作に対応する識別データ)が格納されている。
運転席用モニタ11aからの走行中の受付が禁止される操作としては、例えば、目的地設定(住所入力など複数の階層順に項目を選択する場合、電話番号入力など)、ナビゲーションの案内表示方法の設定変更などがある。
一方、走行中でも操作禁止としない操作で、走行中禁止操作テーブルには規定されていない操作として、例えば、縮尺の切り替え、ワンタッチで目的地設定できる操作(登録済みの自宅へ帰るなど)、などがある。
【0023】
停止状態検出部15は、車両が停止状態であるか否かをナビゲーション制御部10で判断するための状態を検出する。
本実施形態での停止状態検出部15は、車速センサを備え、車速がナビゲーション制御部10に供給される。ナビゲーション制御部10では車速V=0の場合にナビゲーション停止状態であると判断するようになっている。
なお、ナビゲーション制御部10は、車速V>所定車速v1(例えば、5km/h)である場合に停止状態と判断するようにしてもよい。
また、停止状態検出部15は、シフトレバー位置を検出し、又はサイドブレーキのオン、オフを検出してナビゲーション制御部10に供給するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション制御部10は、シフトレバー位置がパーキングP位置である場合、サイドブレーキがオンである場合に停止状態と判断する。
なお、停止状態検出部15の車速センサは、現在位置検出部13の車速センサと兼用するようにしてもよい。
【0024】
次にこのようなナビゲーション装置における操作キー表示処理について説明する。
図3は、操作キー表示処理の動作を表したフローチャートである。
ナビゲーション制御部10は、所定の状況変化があったか否かを監視している(ステップ10)。
ここで、監視している所定状況が変化した場合とは、いずれかの入力操作が行われ、その入力操作に応じて運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bの表示画面が変更された場合、及び車両の停止中と走行中との間で状態変化があった場合が該当する。走行中か否かの判断は、後述するステップ14の判断と同じである。
なお、ナビゲーション装置のスイッチがオンされた際も状況変化があったものと判断される。
【0025】
ナビゲーション制御部10は、運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bに現在表示している表示画面を確認する(ステップ11)。
ここで、確認する表示画面としては、操作キーを除いた表示画面である。
なお、本実施形態において運転席用モニタ11aと助手席用モニタ11bには、操作キーを除いては同一内容の画面が表示されるようになっている。
【0026】
そしてナビゲーション制御部10は、確認した表示画面に対応して表示対象となる操作キーを決定し(ステップ12)、決定した操作キーの全てを助手席用モニタ11bに表示する(ステップ13)。
本実施形態において操作キーの決定は、実行中の処理プログラムにおいて規定されているが、各表示画面や処理状態に対応して予め操作キー表示テーブルを作成しておき、データ記憶部14bに格納しておくようにしてもよい。
【0027】
次いで、ナビゲーション制御部10は、車両が走行中であるか否か停止状態検出部15で検出される車速から車両が走行中か否かを判断する(ステップ14)。
本実施形態においてナビゲーション制御部10は、車両が走行中か否について、車速V>0である場合に走行中であると判断し、車速V=0の場合に車両が停止中であると判断する。
【0028】
なお、本実施形態では、ステップ14において車両が停止中か否かを判断するが、車速Vが所定値V1(例えば、5km/h)より大きいか否かを判断するようにしてもよい。
すなわち、車速がV>V1の場合ステップ15に移行し、車速V≦V1の微速である場合にステップ16に移行するようにしてもよい。
【0029】
また、ナビゲーション制御部10は、ステップ12で決定した表示画面に対応する操作キーの中に、運転者による走行中の操作が禁止されている操作キーが含まれているか否かを、データ記憶部14bの走行中禁止操作テーブルに格納されているか否かを判断する(ステップ15)。
【0030】
なお、図3に表示した操作キー表示処理フローチャートでは、走行中か否かの判断(ステップ14)の判断の後に走行中禁止操作があるか否かの判断(ステップ15)を行うようにしたが、その逆でもよい。
【0031】
車両が停止である場合(ステップ14;N)、又は/及び、走行中禁止操作が無い(ステップ15;N)場合、ナビゲーション制御部10は、ステップ12で決定した全ての操作キーを運転席用モニタ11aに表示して(ステップ16)、メインルーチンにリターンする。
【0032】
一方、車両が走行中であり(ステップ14;Y)、且つ、走行中禁止操作が存在する場合(ステップ15;Y)、ナビゲーション制御部10は、該当する走行中禁止操作の操作キーに対して非表示処理をし、他の操作キーを運転席用モニタ11aに表示して(ステップ17)、メインルーチンにリターンする。
【0033】
次に、走行中禁止操作の操作キーの非表示処理について説明する。
操作キーの非表示処理は、走行中禁止操作の操作キーを操作可能な操作キーとして運転席用モニタ11aに表示しないようにする処理である。
本実施形態のナビゲーション制御部10では、非表示処理として、走行中禁止操作の操作キーを全く表示しない。
すなわち、助手席用モニタ11bに表示されている全操作キーのうち、走行中禁止操作の操作キーの部分を非表示とし、他の操作キーは助手席用モニタ11bと同一の表示とする。
【0034】
なお、操作キーは、運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bに表示されている表示画面(ステップ11で確認した表示画面)上に表示される。
そのため、運転席用モニタ11aに対して、非表示処理をした操作キーの領域には、ステップ11で確認した表示画面が表示されることになる。
【0035】
図4は、全操作キーが表示される助手席用モニタ11bと、状況に応じて走行中禁止操作の操作キーが非表示される運転席用モニタ11aの表示画面を例示したものである。
図4の例では、目的地までの経路案内をしている途中の表示画面が例示されており、運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bの双方に同一の表示画面(操作キー以外)として、車両の現在位置周辺の地図80が表示されると共に、探索した走行経路81、及び車両の現在地を表す現在位置マーク82が表示される。
【0036】
そして、助手席用モニタ11bには、操作可能な全ての操作キーが外周部に表示される。
一方、運転席用モニタ11aには、走行中禁止操作に該当する目的地設定キーの領域が非表示になり、その領域に地図が表示される。この非表示領域のタッチパネルを運転者が押下(タッチ)したとしても、目的地設定操作が入力されることはない。
【0037】
具体的に説明すると、図4(a)、(b)の例では、車両が走行中ではないため、モニタ11a、11bの画面の下部に、現在の表示画面に対応する全ての操作キー「詳細」「表示変更」「地点登録」「広域」が表示されている。
「詳細」「広域」キーは表示している地図の縮尺を変更するための操作キーで、「詳細」にタッチすると地図の縮尺が小さくなり詳しい地図が表示され、「広域」にタッチすると地図の縮尺が大きくなり広い範囲の地図が表示される。
この「詳細」「広域」キーによる入力操作は、走行中禁止操作に該当しない。
【0038】
「表示変更」キーは地図の表示方法等を変更するための操作キーで、「地点登録」キーは地図上の地点を指定しその地点を登録するための操作キーである。
この操作キー「表示変更」と「地点登録」は、走行中禁止操作に該当する。
【0039】
図4(a)、(b)の表示画面の状態で、車両が走行を開始すると、ナビゲーション制御部10は、状況が変化したと判断する(ステップ10)。
そして、図4(c)に示されるように、助手席用モニタ11bの操作キーはそのまま(現画面に対応する操作キーの全てを表示)表示する。
一方、運転席用モニタ11aは、図4(d)に示されるように、表示していた操作キーのうち走行中禁止操作に該当する操作キー「表示変更」と「地点登録」を非表示にする。
このように走行中においては、運転席用モニタ11aに操作キーが「表示変更」と「地点登録」が全く表示されないため、運転者はこれらの操作が可能であること自体を認識しないため、運転者による走行中禁止操作を有効に防止することができる。
【0040】
図4(c)に示したように、助手席用モニタ11bの画面では、走行中であるか否か、及び走行中禁止操作であるか否かにかかわらず、全ての操作キーが表示され、全ての操作が可能である。
そのため、例えば、助手席の乗員が例えば、操作キー「表示変更」を選択すると、助手席用モニタ11bには、地図等の表示を変更するための各種画面が表示され、図4(e)はその途中の画面を表示したものである。
【0041】
図4(e)は、助手席用モニタ11bから「表示変更」キーがタッチされることで別ウィンドウで表示変更画面が表示され、この表示変更画面で「2D・3D・ツイン」キーを選択(タッチ)することで、2D・3D・ツイン選択画面が更に別ウィンドウで表示されている状態を表している。
現在操作が有効な画面は最後に選択された2D・3D・ツイン選択画面であり、この画面では現在の地図表示方法である2D表示(図4(a)の表示)の色が濃く表示されている。
一方、元の地図表示画面における操作キー「詳細」「表示変更」等や、表示変更画面における操作キー「2D・3D・ツイン」「VICS」「?ヒント」「戻る」等についても操作不能キーとして薄く表示されてる。
【0042】
図4(f)は、助手席用モニタ11bの表示(図4(e))に対応する、運転席用モニタ11aの表示画面を表したものである。
この図4(f)に示されるように、助手席用モニタ11bから選択した操作キー「表示変更」は、走行中禁止操作に該当するため、その走行中禁止操作に伴う一連の表示画面(表示変更画面、2D・3D・ツイン選択画面)自体が非表示とされる。
このように、操作キーだけでなく、走行中禁止操作に伴う一連の表示画面も非表示処理の対象となる。
また、運転席用モニタ11aの操作キー「詳細」「広域」も、助手席用モニタ11bの表示に連動して、操作不能キーとして薄く表示される。
【0043】
図4(e)における2D・3D・ツイン選択画面で、助手席の乗員が例えば操作キー「2D」を選択すると、操作キーを除き、図4(g)、(h)に示すように、画面が左右に2分割され、2次元表示の異なる向きの地図に表示画面が変更される。
表示される地図の向きとしては、常に北が画面上側となるように表示されるノースアップ表示と、車両の進行方向が常に画面上側となるように表示されるヘディングアップ表示の2種類である。
左側画面には表示変更する前の地図表示(ノースアップ表示)で表示され、右側画面には他方の地図表示(ヘディングアップ表示)で表示される。
【0044】
そして、助手席用モニタ11bには、図4(g)に示されるように、変更後の画面に対応する操作キー「詳細」「表示変更」「地点登録」「広域」の全てが表示される。
一方、運転席用モニタ11aには、車両が走行中なので、図4(h)に示されるように、全操作キーのうち走行中禁止操作に対応する操作キー「表示変更」「地点登録」が非表示処理され、それ以外の操作キー「詳細」「広域」が表示される。
【0045】
このように車両運転中において運転席用モニタ11aには走行中禁止操作が表示されないので、運転者による運転席用モニタ11aからの走行中禁止操作を完全に排除することができる。
一方、助手席用モニタ11bには、車両の走行状態にかかわらず、表示画面に対応した全ての操作キーを表示するので、助手席の乗員は全ての操作を確実に行うことができる。
【0046】
以上、本発明の車両用情報処理装置をナビゲーション装置に適用した場合の実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、車両用情報処理装置をナビゲーション装置に適用したが、車両用インターネット装置、電子メール装置、テレビ電話、ファクシミリ装置等に適用するようにしてもよい。
例えば、ラジオ受信装置等のオーディオ装置に適用した場合、例えば、放送局の登録操作(周波数の選択と登録処理等)を走行中禁止操作とすることができる。
また、車両用インターネットに接続中におけるテキストの入力操作等の特定の操作について走行中禁止操作とすることができる。
【0047】
また説明した実施形態では、運転席用モニタ11aに対する走行中禁止操作の操作キーを非表示処理する場合、該当する操作キーの表示を全く行わない場合について説明したが、他の方法による非表示処理としてもよい。
上記したように、操作キーの非表示処理は、走行中禁止操作の操作キーを操作可能な操作キーとして運転席用モニタ11aに表示しないようにする処理である。
そこで、操作可能ではないことが認識できる状態で操作キーを表示することによる非表示処理とするようにしてもよい。
すなわち、走行中禁止操作の操作キーの表示を、それ以外の操作可能な操作キーの表示と区別して表示するようにしてもよい。
例えば、図4(f)の操作キー「詳細」「広域」のように、薄い色で表示したり、他の色で表示するようにする。この場合の操作キーは当然操作不能であり、該当箇所をタッチしても入力操作は認識はされないようになっている。
【0048】
この非表示処理による場合、操作キーだけでなく、走行中禁止操作に伴う一連の表示画面も、操作不能を認識できる状態で表示(例えば、薄く表示)される。
すなわち、図4(f)の画面において、表示変更画面や2D・3D・ツイン選択画面(図4(e)参照)も薄く表示されることになる。
【0049】
このように、走行中禁止操作キーを操作不能であることが認識できるように表示するので、運転者は操作はできないが、表示画面に対応する走行中禁止の操作キーを認識することができる。
このため、運転者は自分での操作ではなく、薄く表示された走行中禁止操作キーを確認しながら、助手席の乗員に必要なキー操作を指示することが可能になる。
【0050】
また、他の実施形態として、操作キーを全く表示しない(表示そのものを行わない)場合と同様に、操作キーを認識できない状態にする他の非表示処理として、例えば、特定色(例えば、青色)で操作キーを塗り潰すことでキーの内容を認識できないようにする場合がある。
この場合、運転者は、車両停車中、又は助手席乗員が操作可能な操作キーが存在することを認識することができるが、その操作キーの操作内容を具体的に知ることはできない。
【0051】
説明した本実施形態では、各種状態の表示画面に対応した操作キーを決定する(ステップ12)が、その1例について表した図4の例では、経路案内中の表示画面における操作キーの表示について説明した。
このようにナビゲーション装置が有する各種機能の実行途中における各種表示画面に対応する操作キーだけでなく、各種初期状態の画面に対しても走行中禁止操作について非表示処理の対象とすることができる。
【0052】
図5は、非表示処理の対象とすることができる操作について表したものである。
この図に示されるように、助手席用モニタ11bの表示はどの場合においても制限が無く全て表示され全て操作可能とする。
一方、運転席用モニタ11aには、第1の場合として、メニュー表示画面において、目的地設定メニューやナビ設定メニューは表示するが、その後の操作による遷移は不可とする。
また、第1の場合において、運転席用モニタ11aには、助手席用モニタ11bと同様に全ての操作キーを表示するが、運転席用モニタ11aに表示した全ての操作キー又は走行中禁止操作キーの入力操作を受け付けない(受付を制限する)ようにしてもよい。
この第1の場合において、運転席用モニタ11aの入力操作が受け対象外とされた操作キーがタッチ(押下)された場合に、走行中は操作できない旨を報知するようにしてもよい。報知の方法としては、モニタ11aにその旨の文章を点滅表示させたり、スピーカ12から「走行中は操作できません」等の音声を出力することによる。
【0053】
また第2の場合として、メニュー画面において、目的設定やナビ設定等のメニュー自体を完全に非表示にし、又は、入力不可を示す色で表示する。
後者の場合としては、各種メニュー表示は行うが入力不可とする場合である。この場合の目的地設定メニューやナビ設定メニュー(操作キー)の表示は、入力不可(操作不能)を認識できる状態での表示、例えば、薄い表示とする。
【0054】
第3の場合として、画面自体を消し(画面全体の非表示)、又は、青色等の他の色で画面全体を塗り潰すようにしてもよい。
また、第4の場合として、メニュー自体を表示しないようにしたり、又はメニュー画面への遷移を不可にしたりする。
なお、第3、第4の場合においても、助手席用モニタ11bには、メニュー自体の表示やメニュー画面への遷移が可能である。
【0055】
なお、この第2、第3、第4の場合における、メニューや操作キーを非表示にしたり、画面自体を消したり、他の色で塗り潰す処理については、走行中に運転席モニタ11aの操作キー、又は走行中操作禁止キーが操作された場合に実行するようしてもよい。
そして、当該操作がされた後所定時間、例えば、10秒間だけ、メニューや操作キーを非表示にしたり、画面自体を消したり、他の色で塗り潰し、その後は元の表示画面(操作メニューや操作キーが表示された状態)に戻すようにしてもよい。
【0056】
説明した実施形態では、運転席用モニタ11aと助手席用モニタ11bには、操作キーを除いて同一画面が表示される場合について説明したが、両モニタ11a、11bの入力操作を別個独立とし、入力された操作はその入力されたモニタに対してだけ反映されるようにしてもよい。
これにより、例えば、運転席用モニタ11aには経路案内用の地図などが表示され、助手席用モニタ11bにはインターネットの画面や、テレビ画面、DVD画面が表示されることも可能である。
【0057】
この場合にも、助手席用モニタ11bは各表示画面に対応する全ての操作キーが表示され、その全てのキー操作が有効であるのに対して、運転席用モニタ11aには図3で示した操作キー表示処理と同様に(但しステップ13は不要)処理される。
【0058】
このように運転席用モニタ11aと助手席用モニタ11bを独立して画面表示する場合、両モニタ11a、11bの表示画面に操作キー「画面同期」を表示するようにしてもよい。
この操作キー「画面同期」がタッチされると、ナビゲーション制御部10は、画面同期処理を実行し、タッチされた側のモニタの表示画面を、他方のモニタの表示画面と同一にする。
これにより、独立して別々に表示していた画面を同一表示画面に同期させることが可能になる。
なお、画面同期処理において、全画面を同期するのではなく、運転席用モニタ11a及び助手席用モニタ11bの両表示画面を2分割して、双方の表示画面をそれぞれの分割画面に表示するようにしてもよい。
【0059】
なお、説明した実施形態では、運転席用モニタ11a、助手席用モニタ11bに表示する操作キーは、処理状態に応じた操作キーを決定する場合の例として、現在の表示画面から該表示画面に対応する操作キーを決定するようにした。
これに対して、各表示画面に対応して予め決められた表示画面−操作キー対応テーブルを記憶しておき、このテーブルを参照することで現在の表示画面で表示すべき操作キーを決定するようにしてもよい。
【0060】
また、処理状態に応じた操作キーを決定する場合の他の例として、車両用情報処理装置が備える機能を実現するための各処理の段階に応じて決定するようにしてもよい。
例えば、操作キーの入力に対応した次の処理が階層化されて規定されている場合、例えば、目的設定処理において、現在実行中の各処理に対応した操作キーを決定するようにしてもよい。
ようするに、現時点において次の段階に移行するために可能な各処理に対応した全ての操作キーを決定する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の運転席用モニタと、助手席用モニタの配置状態を表した説明図である。
【図2】本発明の実施形態における車両用情報処理装置を適用したナビゲーション装置の構成図である。
【図3】操作キー表示処理の動作を表したフローチャートである。
【図4】全操作キーが表示される助手席用モニタと、状況に応じて走行中禁止操作の操作キーが非表示される運転席用モニタの表示画面を例示した説明図である。
【図5】非表示処理の対象とすることができる操作について表した説明図である。
【符号の説明】
【0062】
10 ナビゲーション制御部
11a 運転席用モニタ
11b 助手席用モニタ
12 スピーカ
13 現在位置検出部
14 記憶部
14a プログラム記憶部
14b データ記憶部
15 停止状態検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作に対応した処理を行う車両用情報処理装置であって、
運転席用に配置された第1表示装置と、
運転席以外の座席用に配置された第2表示装置と、
現在の処理状態に対応して表示対象となる操作キーを決定する操作キー決定手段と、
前記決定した操作キーを前記第1表示装置及び前記第2表示装置に表示する操作キー表示手段と、
車両が走行中であって、前記決定した操作キーが走行中の操作が禁止されている走行中禁止操作キーである場合に、前記第1表示装置に該走行中禁止操作キーを、操作可能な操作キーとして表示しないようにする非表示処理手段と、
を具備したことを特徴とする車両用情報処理装置。
【請求項2】
前記操作キー決定手段は、前記第1表示装置及び前記第2表示装置の表示画面から表示対象となる操作キーを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用情報処理装置。
【請求項3】
前記非表示処理手段は、前記走行中禁止操作キーを認識できない状態とする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報処理装置。
【請求項4】
入力操作に対応した処理を行う車両用情報処理装置であって、
運転席用に配置された第1表示装置と、
運転席以外の座席用に配置された第2表示装置と、
現在の処理状態に対応して表示対象となる操作キーを決定する操作キー決定手段と、
前記決定した操作キーを前記第1表示装置及び前記第2表示装置に表示する操作キー表示手段と、
車両が走行中であって、前記決定した操作キーが走行中の操作が禁止されている走行中禁止操作キーである場合に、入力操作が受け付けられない状態であることを認識しうる状態で走行中禁止操作キーを前記第1表示装置に表示する非表示処理手段と、
を具備したことを特徴とする車両用情報処理装置。
【請求項5】
入力操作に対応した処理を行う車両用情報処理装置であって、
運転席用に配置された第1表示装置と、
運転席以外の座席用に配置された第2表示装置と、
現在の処理状態に対応して表示対象となる操作キーを決定する操作キー決定手段と、
前記決定した操作キーを前記第1表示装置及び前記第2表示装置に表示する操作キー表示手段と、
車両が走行中であって、前記決定した操作キーが走行中の操作が禁止されている走行中禁止操作キーである場合に、前記第1表示装置に表示された走行中禁止操作キーの入力操作に対する受付を制限し、前記第2表示装置に表示された全ての操作キーの入力操作に対する受付を行う、操作受付制限手段と、
を具備したことを特徴とする車両用情報処理装置。
【請求項6】
前記操作受付制限手段で、前記第1表示装置からの入力操作に対する受付を制限した場合に、その旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の車両用情報処理装置。
【請求項7】
入力操作に対応した処理を行う車両用情報処理装置であって、
運転席用に配置された第1表示装置と、
運転席以外の座席用に配置された第2表示装置と、
現在の処理状態に対応して表示対象となる操作キーを決定する操作キー決定手段と、
前記決定した操作キーを前記第1表示装置及び前記第2表示装置に表示する操作キー表示手段とを備え、
前記操作キー表示手段は、
車両が走行中であって、前記決定した操作キーに走行中の操作が禁止されている走行中禁止操作キーが存在する場合、前記第2表示装置には前記決定した全ての操作キーを表示し、前記第1表示装置を非表示、又は画面を塗り潰した状態で表示し、
車両が走行中でない場合、及び前記決定した操作キーに走行中禁止操作キーが存在しない場合、前記第1の表示装置及び前記第2の表示装置に前記決定した全ての操作キーを表示する
ことを特徴とする車両用情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−45168(P2007−45168A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228326(P2005−228326)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】