車両用情報報知システム
【課題】ドライバーの快適性をより向上させることを可能にする。
【解決手段】情報の種別を示す情報種別識別子を含む運行方針関連情報を配信する路側機1と、路側機1から配信される運行方針関連情報を受信する車載無線器2と、を含み、車載無線器2で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う。
【解決手段】情報の種別を示す情報種別識別子を含む運行方針関連情報を配信する路側機1と、路側機1から配信される運行方針関連情報を受信する車載無線器2と、を含み、車載無線器2で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両外から配信された情報に従って車両のドライバーに報知を行う車両用情報報知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、DSRC(dedicated short range communication:狭域無線通信)などの局所的通信手段を用いて車両のドライバーへの情報提供を実施するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、路上側に設置されたDSRC路側機から走行中の車両に対して、前方交差点や前方カーブの危険情報を送信し、車載器がこの情報を受けてドライバーに情報提供する技術が開示されている。
【0003】
なお、DSRCによって配信する情報としては、例えば交通渋滞に関する情報や、交通事情により道路が利用できない状態であることなどといった車両の安全運転上必要な情報の他、例えばPOI(point of interest)に代表されるような施設情報や周辺店舗のイベント情報などの、車両での移動を快適にするための情報が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−109993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、DSRCによって情報を配信する場合には、配信された情報をすべてドライバーに報知することになるので、ドライバーにとって必要性の高い情報だけでなくドライバーにとって必要性の少ない情報も報知し、ドライバーに煩わしさを感じさせるおそれがあった。つまり、ドライバーの快適性を損なうおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ドライバーの快適性をより向上させることを可能にする車両用情報報知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の車両用情報報知システムは、上記課題を解決するために、車両外から配信された情報に従って車両のドライバーに報知を行う車両用情報報知システムであって、前記車両の外に設置され、前記車両の運行方針に関連する情報であるとともに情報の種別を示す識別子としての情報種別識別子を含む情報である運行方針関連情報を配信する情報配信装置と、前記車両に搭載され、前記情報配信装置から配信される情報を受信する車載無線器と、を含み、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行うことを特徴としている。
【0008】
これによれば、車両外の情報配信装置から配信された運行方針関連情報を車載無線器で受信した場合に、運行方針関連情報の種別に応じて運行方針関連情報に従った報知を行ったり、行わなかったりすることが可能になるので、情報配信装置から配信された運行方針関連情報のうちドライバーにとって必要性の高い運行方針関連情報に従った報知だけを選択的に行うことが可能になる。その結果、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知を行わないことによってドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくし、ドライバーの快適性をより向上させることが可能になる。
【0009】
また、請求項2の車両用情報報知システムでは、前記車載無線器は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
この請求項2のように、情報配信装置から配信された運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否の判断、および報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合の報知を車載無線器において行わせる態様とすることが可能である。
【0011】
また、請求項3の車両用情報報知システムでは、前記車両内において前記車載無線器と無線および有線のうちのいずれかで接続されることによって前記車載無線器との通信が可能な外部接続機器をさらに含み、前記車載無線器は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報を前記外部接続機器に送信する情報送信部を備え、前記外部接続機器は、前記情報送信部から送信される運行方針関連情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部で受信した運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴としている。
【0012】
この請求項3のように、情報配信装置から配信された運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否を車載無線器において判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、報知自体は車載無線器と接続される外部接続機器において行わせる態様とすることが可能である。
【0013】
また、請求項4の車両用情報報知システムでは、前記車両内において前記車載無線器と無線および有線のうちのいずれかで接続されることによって前記車載無線器との通信が可能な外部接続機器をさらに含み、前記車載無線器は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報を前記外部接続機器に送信する情報送信部を備え、前記外部接続機器は、前記車載無線器から送信される運行方針関連情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴としている。
【0014】
この請求項4のように、情報配信装置から配信された運行方針関連情報の車載無線器と接続される外部接続機器への送信を車載無線器において行い、運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否の判断、および報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合の報知を外部接続機器において行わせる態様とすることが可能である。
【0015】
また、請求項5の車両用情報報知システムでは、前記報知部で行う報知の機能の制限の有無を切り替える機能制限部をさらに備え、前記機能制限部によって前記報知の機能が制限されている場合であっても、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合には、前記制限を一時解除して前記報知部で報知を行わせることを特徴としている。
【0016】
報知の機能を制限されている状況とは、例えばドライバーが運転中のために報知や操作の規制を掛けている状況であったり、静かな環境で運転をしたい状況であったりする場合が考えられる。しかしながら、このような状況であっても、車両の安全運転にとって必要な情報についての報知は、必要最小限の報知として強制的に報知を行う必要があると考えられる。
【0017】
請求項5の構成によれば、機能制限部によって報知の機能が制限されている場合であっても、報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合には、この制限を一時解除して報知部で報知を行わせるので、報知の機能を制限されている場合であっても、必要最小限の報知を行うことが可能になる。また、請求項5の構成によれば、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知は行わせないようにすることができるので、ドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくすることができる。
【0018】
また、請求項6の車両用情報報知システムでは、前記機能制限部によって前記報知の機能が制限されていない場合には、前記報知要否判断部で報知の要否を判断せずに、前記情報配信装置から配信された運行方針関連情報に従った報知を前記報知部で行わせることを特徴としている。
【0019】
報知の機能を制限されていない状況とは、例えばドライバーが停車中であったり、ドライバーにとって静かな環境で運転をしたい要求の低い状況であったりする場合が考えられる。よって、このような状況では、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行っても、ドライバーの快適性を損なうおそれが少ないものと考えられる。
【0020】
請求項6の構成によれば、機能制限部によって報知の機能が制限されていない場合は、報知要否判断部で報知の要否を判断せずに、情報配信装置から配信された運行方針関連情報に従った報知を報知部で行わせるので、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行ってもドライバーの快適性を損なうおそれが少ない場合にのみ、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行うことが可能になる。
【0021】
また、請求項7の車両用情報報知システムでは、前記報知部は、音声およびブザー音のうちの少なくともいずれかの出力を行う音声出力部と表示を行う表示部とのうちの少なくともいずれかであることを特徴としている。
【0022】
この請求項7のように、報知部として音声やブザー音などの出力を行う音声出力部と表示を行う表示部とのうちの少なくともいずれかを用いる態様としてもよい。
【0023】
また、請求項8の車両用情報報知システムでは、前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を予め格納する対応関係格納部をさらに備え、前記報知要否判断部は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子をもとに前記対応関係格納部に格納されている前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を参照することによって、当該運行方針関連情報の報知の要否を判断することを特徴としている。
【0024】
この請求項8のように、報知要否判断部が、車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子をもとに情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を参照することによって当該運行方針関連情報に対応する報知の要否を判断する態様としてもよい。
【0025】
また、請求項9の車両用情報報知システムでは、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部をさらに備え、前記報知要否判断部は、前記操作入力部で受け付けたユーザーからの操作入力に応じて前記対応関係格納部に格納されている前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更することを特徴としている。
【0026】
これによれば、ドライバーなどのユーザーからの操作入力に応じて情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更することが可能になるので、個々のユーザーごとの報知の必要性に応じた情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を新たに設定し直すことが可能になる。よって、運行方針関連情報に従った報知を、個々のユーザーごとの報知の必要性に応じて選択的に行うことが可能になる。その結果、ドライバーの快適性をさらに向上させることが可能になる。
【0027】
また、請求項10の車両用情報報知システムでは、前記情報配信装置は、DSRC路側機であることを特徴としている。
【0028】
この請求項10のように、情報配信装置としてDSRC路側機を用いる態様としてもよい。
【0029】
また、請求項11の車両用情報報知システムでは、前記車載無線器は、DSRC車載器であることを特徴としている。
【0030】
この請求項11のように、車載無線器としてDSRC車載器を用いる態様としてもよい。
【0031】
また、請求項12の車両用情報報知システムでは、前記外部接続機器は、携帯電話機であることを特徴としている。
【0032】
この請求項12のように、外部接続機器として携帯電話機を用いる態様としてもよい。
【0033】
また、請求項13の車両用情報報知システムでは、前記外部接続機器は、ナビゲーション装置であることを特徴としている。
【0034】
この請求項13のように、外部接続機器としてナビゲーション装置を用いる態様としてもよい。
【0035】
また、請求項14の車両用情報報知システムでは、前記外部接続機器は、PDAであることを特徴としている。
【0036】
この請求項14のように、外部接続機器としてPDAを用いる態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】車両用情報報知システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れを示すシーケンス図の一例である。
【図3】路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れを示すシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された車両用情報報知システム100の概略的な構成を示すブロック図である。なお、図1は、システム中に車載無線機との通信が可能な外部接続機器を含む場合の一例を示している。図1に示す車両用情報報知システム100は、路側機1、車載無線器2、および外部接続機器3を含んでいる。なお、車載無線器2は車両に搭載されるものであって、車載無線器2を搭載している車両を以降では自車両と呼ぶ。
【0039】
路側機1は、道路等の車両外の所定の場所に固定されて設置され、路車間通信を行う無線通信装置としての機能を備えている。例えば、路側機1としては、DSRC(dedicated shortrange communication)による路車間通信を行うDSRC路側機等がある。また、路側機1から配信される情報としては、例えば、自車両の進行を妨げる可能性のある歩行者や他車両や設置物などの障害物情報、積雪や凍結等の路面情報、事故発生箇所情報、道路規制情報、渋滞情報、信号情報、POI(point of interest)に代表されるような施設情報、周辺店舗のイベント情報等の自車両の運行方針に関連する情報(以下、運行方針関連情報と呼ぶ)がある。よって、路側機1は、請求項の情報配信装置として機能する。なお、路側機1から配信する運行方針関連情報は、例えば、運行方針関連情報を統合的に管理する情報センタから提供される構成としてもよい。
【0040】
また、路側機1は、運行方針関連情報に、通信サービスのアプリケーションを示すアプリケーション識別子(AID)や当該アプリケーションが扱う配信データの種類を示すデータ識別子(データID)を含めて配信を行うものとする。以降では、AIDおよびデータIDを情報種別識別子と呼ぶ。なお、AIDは、社団法人電波産業界が定める標準規格(例えば、ARIB STD−T75もしくはSTD−T88)によって定められるものである。
【0041】
車載無線器2は、路側機1との間で路車間通信を行うものであって、無線部21、メモリ22、カードI/F23、無線器側HMI(human machineinterface)24、無線器側外部I/F25、および無線器側制御部26を備えている。例えば、車載無線器2としては、DSRC路側機との間でDSRCによる路車間通信を行うDSRC車載器等がある。
【0042】
まず、無線部21は、通信によって路側機1との間でデータの送受信を行うものであって、路側機1から配信されてくる運行方針関連情報を受信する。よって、車載無線器2は、請求項の車載無線器として機能する。メモリ22は、電気的に内容を書き換えることが可能なEEPROM(electronically erasable and programmable read only memory)やFLASH ROMやRAMによって構成され、各種の情報を記憶する。また、メモリ22は、後述する情報種別識別子と後述する報知の要否の情報とが対応付けられた対応関係テーブルが予め格納してあるものとする。よって、メモリ22は、請求項の対応関係格納部として機能する。
【0043】
カードI/F23は、ICカードと通信をするインターフェースであって、ICカードに記憶されている情報を読み出すとともに、ICカードに情報を書き込む。また、カードI/F23は、車載無線器2がETC車載器としての機能を果たす場合に、ETCカードと通信をするのに用いられる。
【0044】
無線器側HMI24は、ドライバーと車載無線器2との間のコミュニケーションのためのヒューマンマシーンインターフェースであって、操作スイッチ群、ディスプレイやLED等の表示装置、スピーカやブザー等の音声出力装置などから構成される。なお、操作スイッチ群としては、例えば上述のディスプレイと一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が挙げられる。さらに、無線器側外部I/F25は、車載無線器2と外部接続機器3との間の接続インターフェースである。なお、車載無線器2と外部接続機器3との間の接続は、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、WiMAX等の無線接続によるものであってもよいし、RS−232C、USB、車内LAN等の有線接続によるものであってもよい。
【0045】
そして、無線器側制御部26は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。なお、無線器側制御部26で実行する処理の詳細については後述する。
【0046】
外部接続機器3は、例えば携帯電話やナビゲーション装置、PDA(personal data assistance:携帯情報端末)などのような、車両内において車載無線器2と接続されることによって車載無線器2との通信が可能な外部接続機器であって、接続機器側外部I/F31、接続機器側HMI(human machineinterface)32、および接続機器側制御部33を備えている。よって、外部接続機器3は、請求項の外部接続機器として機能する。
【0047】
なお、自車両のバッテリ電源に接続されて電力を供給する電源回路(図示せず)によって車載無線器2の各部位に電力が供給される。
【0048】
接続機器側外部I/F31は、外部接続機器3と車載無線器2との間の接続インターフェースである。なお、車載無線器2と外部接続機器3との間の接続は、前述したように無線接続によるものであってもよいし、有線接続によるものであってもよい。
【0049】
接続機器側HMI32は、一般的な携帯電話機に用いられているヒューマンマシーンインターフェースであって、操作スイッチ群、ディスプレイ等の表示装置、スピーカ等の音声出力装置などから構成される。なお、接続機器側HMI32のディスプレイは、接続機器側制御部33の指示に基づいて、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面などを表示する。また、接続機器側HMI32のスピーカは、接続機器側制御部33の指示に基づいて、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声などを出力する。
【0050】
そして、接続機器側制御部33は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。また、接続機器側制御部33は、周知のマナーモードやドライブモードといった報知の機能の制限を行うモード(以下、機能制限モードと呼ぶ)と報知の機能の制限を行わない通常モードとの設定を切り替える処理も実行する。よって、接続機器側制御部33は、請求項の機能制限部として機能する。なお、接続機器側制御部33で実行する処理の詳細については後述する。
【0051】
次に、図2を用いて、路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れについての説明を行う。なお、図2は、システム中に車載無線機との通信が可能な外部接続機器を含む場合の一例を示している。図2は、路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れを示すシーケンス図の一例である。なお、ここでは、路側機1と車載無線器2とが通信可能な位置関係にあるものとして以降の説明を行う。また、ここでは、外部接続機器3が自車両内に存在するとともに、車載無線器2と外部接続機器3とが接続可能な状態にあるものとして以降の説明を行う。なお、車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータのやり取りは無線器側外部I/F25および接続機器側外部I/F31を介して行われるが、以下では便宜上これを省略して説明を行う。
【0052】
まず、車載無線器2の無線器側制御部26がポーリングを行う(車載無線器がマスタ機器として動作する場合)。また、車載無線器2からのポーリングは、外部接続機器3からこのポーリングに対しての応答がなされるまで定期的に繰り返されるものとする。なお、車載無線器2での処理は、例えば車載無線器2に電力が供給されて車載無線器2が起動したときから開始されるものとする。
【0053】
続いて、車載無線器2からのポーリングに対して外部接続機器3の接続機器側制御部33が接続要求を含む応答を行う。そして、この応答に対して無線器側制御部26が外部接続機器3の設定を確認する設定確認の要求を行う。なお、ここで言うところの設定とは、前述した機能制限モードおよび通常モードを表している。
【0054】
また、車載無線器2からの設定確認の要求に対して接続機器側制御部33が、現在設定されているモードが機能制限モードおよび通常モードのうちのいずれであるかを示すモード設定の情報を含む応答を行う。そして、この応答に対して無線器側制御部26が外部接続機器3に、接続が完了したことを示す通知を行う。また、無線器側制御部26は、接続が完了したことを示す通知を行った後に、モード設定の情報を例えば無線器側制御部26のRAMに記憶する。なお、モード設定の情報は、古いモード設定の情報が既に記憶されている場合にはこの古いモード設定の情報に上書きして記憶されるものとする。
【0055】
なお、本実施形態では、無線器側制御部26が、接続が完了したことを示す通知を行った後にモード設定の情報を記憶する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、接続が完了したことを示す通知を行う前にモード設定の情報を記憶する構成としてもよい。また、モード設定の情報を無線器側制御部26のRAMに記憶する構成に限らず、メモリ22などの他のメモリに記憶する構成としてもよい。
【0056】
続いて、路側機1から配信される情報種別識別子を含んだ運行方針関連情報を車載無線器2の無線部21で受信したときに、無線器側制御部26が、RAMに記憶されているモード設定の情報を読み出し、モード設定の情報が通常モードを示す情報であるか否かを判定する。なお、路側機1からの運行方針関連情報の配信は、所定の時間ごとに行われるものであってもよいし、路側機1で車両を検知したときに行われるものであってもよい。
【0057】
そして、モード設定の情報が通常モードを示す情報であると判定した場合には、外部接続機器3に報知内容としての運行方針関連情報を送信するとともに、この運行方針関連情報に従った報知を外部接続機器3で行わせる旨の指示(以下、報知指示と呼ぶ)を外部接続機器3に行う。なお、外部接続機器3に送信する運行方針関連情報は、ディスプレイでの表示用やスピーカでの音声出力用に加工された運行方針関連情報であってもよい。
【0058】
続いて、運行方針関連情報を受信するとともに報知指示を受けた接続機器側制御部33は、運行方針関連情報を受信したことを示す通知を、接続機器側HMI32のディスプレイの画面表示やLEDの点灯によって行わせたり、接続機器側HMI32のスピーカからの音声出力によって行わせたりする。さらに、運行方針関連情報を受信するとともに報知指示を受けた接続機器側制御部33は、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面を接続機器側HMI32のディスプレイに表示させたり、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声を接続機器側HMI32のスピーカから出力させたりする内容報知を行う。
【0059】
また、モード設定の情報が通常モードを示す情報であると判定しなかった場合(つまり、モード設定の情報が機能制限モードを示す情報であった場合)には、運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を無線器側制御部26が判断する。よって、無線器側制御部26は、請求項の報知要否判断部として機能する。詳しくは、無線器側制御部26が、情報種別識別子をもとに、メモリ22に格納されている対応関係テーブルを参照し、情報種別識別子に対応する報知の要否の情報を得る。なお、対応関係テーブルには、AIDと報知の要否の情報とが対応付けられているとともにデータIDと報知の要否の情報とが対応付けられている対応関係テーブルが格納されているものとする。
【0060】
具体例を挙げると、例えば障害物情報、積雪や凍結等の路面情報、事故発生箇所情報、道路規制情報、渋滞情報、信号情報等の車両の安全運転上必要な情報(以下、重要情報と呼ぶ)は、報知の要否の情報のうち報知要を示す情報と対応付けられており、重要情報以外の施設情報や周辺店舗のイベント情報等の車両での移動を快適にするための情報(以下、補助情報と呼ぶ)は、報知の要否の情報のうち報知不要を示す情報と対応付けられている。よって、情報種別識別子が、重要情報を送信する通信サービスのアプリケーションを示すAIDであったり、重要情報を示すデータIDであったりした場合には、報知要を示す情報が上述の参照によって得られ、報知が必要である旨の判断が無線器側制御部26で行われることになる。また、情報種別識別子が補助情報を送信する通信サービスのアプリケーションを示すAIDであったり、補助情報を示すデータIDであったりした場合には、報知不要を示す情報が上述の参照によって得られ、報知が不要である旨の判断が無線器側制御部26で行われることになる。
【0061】
情報種別識別子が重要情報であった場合には、報知が必要である旨の判断を無線器側制御部26が行い、外部接続機器3に報知内容としての運行方針関連情報を送信するとともに、この運行方針関連情報に従った報知を外部接続機器3で行わせる旨の指示(以下、報知指示と呼ぶ)を外部接続機器3に行う。よって、無線器側制御部26および無線器側外部I/F25は、請求項の情報送信部として機能する。
【0062】
また、運行方針関連情報を受信するとともに報知指示を受けた接続機器側制御部33は、機能制限モードに設定されていた場合には機能制限モードを一時解除して、運行方針関連情報を受信したことを示す通知を、接続機器側HMI32のディスプレイの画面表示やLEDの点灯によって行わせたり、接続機器側HMI32のスピーカからの音声出力によって行わせたりする。よって、接続機器側制御部33および接続機器側外部I/F31は、請求項の情報受信部として機能する。さらに、運行方針関連情報を受信するとともに報知指示を受けた接続機器側制御部33は、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面を接続機器側HMI32のディスプレイに表示させたり、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声を接続機器側HMI32のスピーカから出力させたりする内容報知を行う。よって、接続機器側HMI32は、請求項の報知部、表示部、および音声出力部として機能する。なお、機能制限モードの解除は、例えば運行方針関連情報に従った報知を行う間のみの一時的なものとすればよい。
【0063】
また、情報種別識別子が重要情報でなかった場合(つまり、補助情報であった場合)には、報知が不要である旨の判断を無線器側制御部26が行い、接続機器側HMI32での報知を行わせない。
【0064】
なお、路側機1から配信される運行方針関連情報を車載無線器2の無線部21で受信する都度、無線器側制御部26が外部接続機器3に前述の設定確認の要求をし、接続機器側制御部33からモード設定の情報を含む応答を受ける構成としてもよい。この場合、接続機器側制御部33から得られたモード設定の最新情報を無線器側制御部26のRAMに上書きし、モード設定の情報を更新する構成とすればよい。
【0065】
また、本実施形態では、対応関係テーブルをメモリ22に予め格納しておく構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、対応関係テーブルを無線器側制御部26のROMやRAMに予め格納しておく構成としてもよい。
【0066】
以上の構成によれば、車両外の路側機1から配信された運行方針関連情報を車載無線器2で受信した場合に、運行方針関連情報の種別に応じて運行方針関連情報に従った報知を行ったり、行わなかったりすることが可能になるので、路側機1から配信された運行方針関連情報のうちドライバーにとって必要性の高い運行方針関連情報に従った報知だけを選択的に行うことが可能になる。その結果、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知を行わないことによってドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくし、ドライバーの快適性をより向上させることが可能になる。
【0067】
また、外部接続機器3がマナーモードに設定されているなど、報知の機能を制限されている状況とは、例えばドライバーが運転中のために報知や操作の規制を掛けている状況であったり、静かな環境で運転をしたい状況であったりする場合が考えられる。しかしながら、このような状況であっても、車両の安全運転にとって必要な情報やドライバーにとっての必要性が高い重要情報についての報知は、必要最小限の報知として強制的に報知を行う必要があると考えられる。一方、外部接続機器3がマナーモードやドライブモードに設定されていないなど、報知の機能を制限されていない状況とは、例えばドライバーが停車中であったり、ドライバーにとって静かな環境で運転をしたい要求の低い状況である場合が考えられる。よって、このような状況では、ドライバーにとって必要性の少ない補助情報の報知を行っても、ドライバーの快適性を損なうおそれが少ないものと考えられる。
【0068】
以上の構成によれば、接続機器側制御部33によって外部接続機器3での報知の機能が制限されているマナーモード設定やドライブモード設定の場合であっても、無線器側制御部26で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合には、マナーモード設定やドライブモード設定を解除して接続機器側HMI32のディスプレイやスピーカで報知を行わせるので、マナーモード設定やドライブモード設定によって報知の機能を制限されている場合であっても、必要最小限の報知を行うことが可能になる。また、以上の構成によれば、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知は行わせないようにすることができるので、ドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくすることができる。さらに、以上の構成によれば、接続機器側制御部33によって報知の機能が制限されていない通常モード設定の場合は、無線器側制御部26で報知の要否を判断せずに、路側機1から配信された運行方針関連情報に従った報知を接続機器側HMI32のディスプレイやスピーカで行わせるので、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行ってもドライバーの快適性を損なうおそれが少ない場合にのみ、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行うことが可能になる。
【0069】
なお、本実施形態では、路側機1から配信された運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否を車載無線器2において判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、報知自体は車載無線器2と接続される外部接続機器3において行わせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、路側機1から配信された運行方針関連情報の外部接続機器3への送信を車載無線器2において行い、運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否の判断、および報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合の報知を外部接続機器3において行わせる構成としてもよい。
【0070】
以下では、図3を用いて上記他の実施形態における路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れについての説明を行う。なお、図3は、システム中に車載無線機との通信が可能な外部接続機器を含む場合の一例を示している。図3は、路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れを示すシーケンス図の一例である。なお、ここでも、路側機1と車載無線器2とが通信可能な位置関係にあるものとして以降の説明を行う。また、ここでも、外部接続機器3が自車両内に存在するとともに、車載無線器2と外部接続機器3とが接続可能な状態にあるものとして以降の説明を行う。なお、車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータのやり取りは無線器側外部I/F25および接続機器側外部I/F31を介して行われるが、以下では便宜上これを省略して説明を行う。また、この実施形態では、前述の対応関係テーブルを車載無線器2のメモリ22の代わりに、外部接続機器3の図示しないメモリに格納しているものとする。なお、ここで言うところの外部接続機器3のメモリとは、前述したのと同様のEEPROMやFLASH ROMであってもよいし、接続機器側制御部33のROMやRAMであってもよい。
【0071】
まず、車載無線器2の無線器側制御部26がポーリングを行う(車載無線器がマスタ機器として動作する場合)。また、車載無線器2からのポーリングは、外部接続機器3からこのポーリングに対しての応答がなされるまで定期的に繰り返されるものとする。なお、車載無線器2での処理は、例えば車載無線器2に電力が供給されて車載無線器2が起動したときから開始されるものとする。
【0072】
続いて、車載無線器2からのポーリングに対して外部接続機器3の接続機器側制御部33が接続要求を含む応答を行う。そして、この応答に対して無線器側制御部26が外部接続機器3に、接続が完了したことを示す通知を行う。
【0073】
その後、路側機1から配信される情報種別識別子を含んだ運行方針関連情報を、報知内容として無線器側制御部26が外部接続機器3に送信する。なお、路側機1からの運行方針関連情報の配信は、所定の時間ごとに行われるものであってもよいし、路側機1で車両を検知したときに行われるものであってもよい。
【0074】
続いて、車載無線器2から送信される情報種別識別子を含んだ運行方針関連情報を外部接続機器3で受信したときに、接続機器側制御部33が、現在設定されているモードが通常モードであるか否かを判定する。そして、現在設定されているモードが通常モードであると判定した場合、接続機器側制御部33は、運行方針関連情報を受信したことを示す通知を、接続機器側HMI32のディスプレイの画面表示やLEDの点灯によって行わせたり、接続機器側HMI32のスピーカからの音声出力によって行わせたりする。さらに、接続機器側制御部33は、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面を接続機器側HMI32のディスプレイに表示させたり、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声を接続機器側HMI32のスピーカから出力させたりする内容報知を行う。
【0075】
また、現在設定されているモードが通常モードであると判定しなかった場合(つまり、現在設定されているモードが機能制限モードであった場合)には、運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を接続機器側制御部33が判断する。よって、接続機器側制御部33は、請求項の報知要否判断部として機能する。詳しくは、接続機器側制御部33が、情報種別識別子をもとに、外部接続機器3のメモリに格納されている対応関係テーブルを参照し、情報種別識別子に対応する報知の要否の情報を得て、報知の要否を判断する。
【0076】
情報種別識別子が重要情報であった場合には、報知が必要である旨の判断を接続機器側制御部33が行う。そして、報知が必要である旨の判断を接続機器側制御部33が行った場合には、接続機器側制御部33は、機能制限モードに設定されていた場合には機能制限モードを一時解除して、運行方針関連情報を受信したことを示す通知を、接続機器側HMI32のディスプレイの画面表示やLEDの点灯によって行わせたり、接続機器側HMI32のスピーカからの音声出力によって行わせたりする。さらに、接続機器側制御部33は、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面を接続機器側HMI32のディスプレイに表示させたり、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声を接続機器側HMI32のスピーカから出力させたりする内容報知を行う。なお、機能制限モードの解除は、例えば運行方針関連情報に従った報知を行う間のみの一時的なものとすればよい。
【0077】
また、情報種別識別子が重要情報でなかった場合(つまり、補助情報であった場合)には、報知が不要である旨の判断を接続機器側制御部33が行い、接続機器側HMI32での報知を行わせない。
【0078】
以上の構成によっても、運行方針関連情報の種別に応じて運行方針関連情報に従った報知を行ったり、行わなかったりすることが可能になるので、路側機1から配信された運行方針関連情報のうちドライバーにとって必要性の高い運行方針関連情報に従った報知だけを選択的に行うことが可能になる。従って、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知を行わないことによってドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくし、ドライバーの快適性をより向上させることが可能になる。
【0079】
また、前述の実施形態では、運行方針関連情報に従った報知を外部接続機器3において行わせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、路側機1から配信された運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否の判断、および報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合の報知を車載無線器2において行う構成としてもよい。なお、この更なる他の実施形態では、無線器側HMI24のディスプレイやスピーカによって報知を行う構成とすればよい。また、この場合の機能制限モードに該当するものは、車載無線器2のスリープモード、無線器側HMI24のスピーカの音量ミュート、無線器側HMI24のディスプレイの表示オフ、車載無線器2の電源オフ等になる。また、これらの機能制限は無線器側制御部26で行うものとする。よって、無線器側制御部26は、請求項の機能制限部として機能する。
【0080】
なお、前述の実施形態において、請求項の機能制限部に相当する部材は、請求項の報知部に相当する部材と同一の機器に備えられる。また、請求項の対応関係格納部に相当する部材は、請求項の報知要否判断部に相当する部材と同一の機器に備えられる。そして、請求項の操作入力部に相当する部材も、請求項の報知要否判断部に相当する部材と同一の機器に備えられる。
【0081】
また、前述の実施形態では、対応関係テーブルには、AIDと報知の要否の情報とが対応付けられているとともにデータIDと報知の要否の情報とが対応付けられている対応関係テーブルが格納されている構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、AIDとデータIDとのうち、データIDのみが報知の要否の情報と対応付けられている対応関係テーブルが格納されている構成であってもよいし、AIDとデータIDとのうち、AIDのみが報知の要否の情報と対応付けられている対応関係テーブルが格納されている構成であってもよい
さらに、前述の実施形態では、対応関係テーブルにおいて、重要情報は報知要を示す情報と対応付けられており、補助情報は報知不要を示す情報と対応付けられている構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、個々のユーザーに応じて補助情報であっても報知要を示す情報と対応付けられていてもよい。
【0082】
また、各運行方針関連情報のうちの一部または全部の報知の要否の設定を行う操作入力を無線器側HMI24によってユーザーから受け付けた場合に、無線器側HMI24でユーザーから受け付けた操作入力に応じて無線器側制御部26が、メモリ22に格納されている対応関係テーブルの情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更する構成としてもよい。よって、無線器側HMI24は、請求項の操作入力部として機能する。
【0083】
さらに、各運行方針関連情報のうちの一部または全部の報知の要否の設定を行う操作入力を接続機器側HMI32によってユーザーから受け付けた場合に、接続機器側HMI32でユーザーから受け付けた操作入力に応じて接続機器側制御部33が、外部接続機器3のメモリに格納されている対応関係テーブルの情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更する構成としてもよい。よって、接続機器側HMI32は、請求項の操作入力部として機能する。
【0084】
これによれば、ユーザーからの操作入力に応じて対応関係テーブルの情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更することが可能になるので、個々のユーザーごとの報知の必要性に応じた情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を新たに設定し直すことが可能になる。よって、運行方針関連情報に従った報知を、個々のユーザーごとの報知の必要性に応じて選択的に行うことが可能になる。その結果、ドライバーの快適性をさらに向上させることが可能になる。
【0085】
また、前述の実施形態では、モード設定が機能制限モードと通常モードとのうちのいずれであるかを判断し、判断結果に応じた処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、モード設定が機能制限モードと通常モードとのうちのいずれであるかの判断を行わず、運行方針関連情報の情報種別に応じて報知の要否を判断する構成であってもよい。
【0086】
なお、前述の実施形態では、車載無線器2に接続する外部接続機器3として携帯電話機、PDA、ナビゲーション装置などを例示したが、外部接続機器3としては、車載無線器2から送信される運行方針関連情報に従った報知を音声出力や画面表示によって行うことが可能な機器であればよく、例えば車載ディスプレイ等であってもよい。また、ナビゲーション装置や車載ディスプレイなどを外部接続機器3とした場合の機能制限モードに該当するものは、機器のスリープモード、音量ミュート、ディスプレイの表示オフ、機器の電源オフ等になる。
【0087】
さらに、前述の実施形態では、車載器に運行方針関連情報を配信する情報配信装置として路側機1を用いるとともに、情報配信装置から配信される運行方針関連情報を受信する車載器として車載無線器2を用いる例を示したが、必ずしもこれに限らない。情報配信装置としては、車両外から車両の運行方針に関連する情報を配信する機器であればよく、車載器としてはこの情報配信装置から配信される情報に従った報知を直接的に行うことが可能、もしくは間接的に行わせることが可能な機器であればよい。例えば、情報配信装置としてテレマティクスサービスにおける情報センタのサーバを用いるとともに、車載器としてテレマティクスサービスにおける専用の無線器を用いる構成であってもよい。
【0088】
また、前述の実施形態では、音声出力と画面表示とのいずれによっても報知が可能な構成を示したが、音声出力と画面表示とのうちのいずれかのみによって報知が可能な構成としてもよい。
【0089】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1 路側機(情報配信装置)、2 車載無線器、3 外部接続機器、21 無線部、22 メモリ(対応関係格納部)、24 無線器側HMI(報知部、表示部、音声出力部、操作入力部)、25 無線器側外部I/F(情報送信部)、26 無線器側制御部(報知要否判断部、情報送信部、機能制限部)、31 接続機器側外部I/F(情報受信部)、32 接続機器側HMI(報知部、表示部、音声出力部、操作入力部)、33 接続機器側制御部(報知要否判断部、情報受信部、機能制限部)、100 車両用情報報知システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両外から配信された情報に従って車両のドライバーに報知を行う車両用情報報知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、DSRC(dedicated short range communication:狭域無線通信)などの局所的通信手段を用いて車両のドライバーへの情報提供を実施するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、路上側に設置されたDSRC路側機から走行中の車両に対して、前方交差点や前方カーブの危険情報を送信し、車載器がこの情報を受けてドライバーに情報提供する技術が開示されている。
【0003】
なお、DSRCによって配信する情報としては、例えば交通渋滞に関する情報や、交通事情により道路が利用できない状態であることなどといった車両の安全運転上必要な情報の他、例えばPOI(point of interest)に代表されるような施設情報や周辺店舗のイベント情報などの、車両での移動を快適にするための情報が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−109993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、DSRCによって情報を配信する場合には、配信された情報をすべてドライバーに報知することになるので、ドライバーにとって必要性の高い情報だけでなくドライバーにとって必要性の少ない情報も報知し、ドライバーに煩わしさを感じさせるおそれがあった。つまり、ドライバーの快適性を損なうおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ドライバーの快適性をより向上させることを可能にする車両用情報報知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の車両用情報報知システムは、上記課題を解決するために、車両外から配信された情報に従って車両のドライバーに報知を行う車両用情報報知システムであって、前記車両の外に設置され、前記車両の運行方針に関連する情報であるとともに情報の種別を示す識別子としての情報種別識別子を含む情報である運行方針関連情報を配信する情報配信装置と、前記車両に搭載され、前記情報配信装置から配信される情報を受信する車載無線器と、を含み、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行うことを特徴としている。
【0008】
これによれば、車両外の情報配信装置から配信された運行方針関連情報を車載無線器で受信した場合に、運行方針関連情報の種別に応じて運行方針関連情報に従った報知を行ったり、行わなかったりすることが可能になるので、情報配信装置から配信された運行方針関連情報のうちドライバーにとって必要性の高い運行方針関連情報に従った報知だけを選択的に行うことが可能になる。その結果、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知を行わないことによってドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくし、ドライバーの快適性をより向上させることが可能になる。
【0009】
また、請求項2の車両用情報報知システムでは、前記車載無線器は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
この請求項2のように、情報配信装置から配信された運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否の判断、および報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合の報知を車載無線器において行わせる態様とすることが可能である。
【0011】
また、請求項3の車両用情報報知システムでは、前記車両内において前記車載無線器と無線および有線のうちのいずれかで接続されることによって前記車載無線器との通信が可能な外部接続機器をさらに含み、前記車載無線器は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報を前記外部接続機器に送信する情報送信部を備え、前記外部接続機器は、前記情報送信部から送信される運行方針関連情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部で受信した運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴としている。
【0012】
この請求項3のように、情報配信装置から配信された運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否を車載無線器において判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、報知自体は車載無線器と接続される外部接続機器において行わせる態様とすることが可能である。
【0013】
また、請求項4の車両用情報報知システムでは、前記車両内において前記車載無線器と無線および有線のうちのいずれかで接続されることによって前記車載無線器との通信が可能な外部接続機器をさらに含み、前記車載無線器は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報を前記外部接続機器に送信する情報送信部を備え、前記外部接続機器は、前記車載無線器から送信される運行方針関連情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴としている。
【0014】
この請求項4のように、情報配信装置から配信された運行方針関連情報の車載無線器と接続される外部接続機器への送信を車載無線器において行い、運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否の判断、および報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合の報知を外部接続機器において行わせる態様とすることが可能である。
【0015】
また、請求項5の車両用情報報知システムでは、前記報知部で行う報知の機能の制限の有無を切り替える機能制限部をさらに備え、前記機能制限部によって前記報知の機能が制限されている場合であっても、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合には、前記制限を一時解除して前記報知部で報知を行わせることを特徴としている。
【0016】
報知の機能を制限されている状況とは、例えばドライバーが運転中のために報知や操作の規制を掛けている状況であったり、静かな環境で運転をしたい状況であったりする場合が考えられる。しかしながら、このような状況であっても、車両の安全運転にとって必要な情報についての報知は、必要最小限の報知として強制的に報知を行う必要があると考えられる。
【0017】
請求項5の構成によれば、機能制限部によって報知の機能が制限されている場合であっても、報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合には、この制限を一時解除して報知部で報知を行わせるので、報知の機能を制限されている場合であっても、必要最小限の報知を行うことが可能になる。また、請求項5の構成によれば、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知は行わせないようにすることができるので、ドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくすることができる。
【0018】
また、請求項6の車両用情報報知システムでは、前記機能制限部によって前記報知の機能が制限されていない場合には、前記報知要否判断部で報知の要否を判断せずに、前記情報配信装置から配信された運行方針関連情報に従った報知を前記報知部で行わせることを特徴としている。
【0019】
報知の機能を制限されていない状況とは、例えばドライバーが停車中であったり、ドライバーにとって静かな環境で運転をしたい要求の低い状況であったりする場合が考えられる。よって、このような状況では、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行っても、ドライバーの快適性を損なうおそれが少ないものと考えられる。
【0020】
請求項6の構成によれば、機能制限部によって報知の機能が制限されていない場合は、報知要否判断部で報知の要否を判断せずに、情報配信装置から配信された運行方針関連情報に従った報知を報知部で行わせるので、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行ってもドライバーの快適性を損なうおそれが少ない場合にのみ、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行うことが可能になる。
【0021】
また、請求項7の車両用情報報知システムでは、前記報知部は、音声およびブザー音のうちの少なくともいずれかの出力を行う音声出力部と表示を行う表示部とのうちの少なくともいずれかであることを特徴としている。
【0022】
この請求項7のように、報知部として音声やブザー音などの出力を行う音声出力部と表示を行う表示部とのうちの少なくともいずれかを用いる態様としてもよい。
【0023】
また、請求項8の車両用情報報知システムでは、前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を予め格納する対応関係格納部をさらに備え、前記報知要否判断部は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子をもとに前記対応関係格納部に格納されている前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を参照することによって、当該運行方針関連情報の報知の要否を判断することを特徴としている。
【0024】
この請求項8のように、報知要否判断部が、車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子をもとに情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を参照することによって当該運行方針関連情報に対応する報知の要否を判断する態様としてもよい。
【0025】
また、請求項9の車両用情報報知システムでは、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部をさらに備え、前記報知要否判断部は、前記操作入力部で受け付けたユーザーからの操作入力に応じて前記対応関係格納部に格納されている前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更することを特徴としている。
【0026】
これによれば、ドライバーなどのユーザーからの操作入力に応じて情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更することが可能になるので、個々のユーザーごとの報知の必要性に応じた情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を新たに設定し直すことが可能になる。よって、運行方針関連情報に従った報知を、個々のユーザーごとの報知の必要性に応じて選択的に行うことが可能になる。その結果、ドライバーの快適性をさらに向上させることが可能になる。
【0027】
また、請求項10の車両用情報報知システムでは、前記情報配信装置は、DSRC路側機であることを特徴としている。
【0028】
この請求項10のように、情報配信装置としてDSRC路側機を用いる態様としてもよい。
【0029】
また、請求項11の車両用情報報知システムでは、前記車載無線器は、DSRC車載器であることを特徴としている。
【0030】
この請求項11のように、車載無線器としてDSRC車載器を用いる態様としてもよい。
【0031】
また、請求項12の車両用情報報知システムでは、前記外部接続機器は、携帯電話機であることを特徴としている。
【0032】
この請求項12のように、外部接続機器として携帯電話機を用いる態様としてもよい。
【0033】
また、請求項13の車両用情報報知システムでは、前記外部接続機器は、ナビゲーション装置であることを特徴としている。
【0034】
この請求項13のように、外部接続機器としてナビゲーション装置を用いる態様としてもよい。
【0035】
また、請求項14の車両用情報報知システムでは、前記外部接続機器は、PDAであることを特徴としている。
【0036】
この請求項14のように、外部接続機器としてPDAを用いる態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】車両用情報報知システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れを示すシーケンス図の一例である。
【図3】路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れを示すシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された車両用情報報知システム100の概略的な構成を示すブロック図である。なお、図1は、システム中に車載無線機との通信が可能な外部接続機器を含む場合の一例を示している。図1に示す車両用情報報知システム100は、路側機1、車載無線器2、および外部接続機器3を含んでいる。なお、車載無線器2は車両に搭載されるものであって、車載無線器2を搭載している車両を以降では自車両と呼ぶ。
【0039】
路側機1は、道路等の車両外の所定の場所に固定されて設置され、路車間通信を行う無線通信装置としての機能を備えている。例えば、路側機1としては、DSRC(dedicated shortrange communication)による路車間通信を行うDSRC路側機等がある。また、路側機1から配信される情報としては、例えば、自車両の進行を妨げる可能性のある歩行者や他車両や設置物などの障害物情報、積雪や凍結等の路面情報、事故発生箇所情報、道路規制情報、渋滞情報、信号情報、POI(point of interest)に代表されるような施設情報、周辺店舗のイベント情報等の自車両の運行方針に関連する情報(以下、運行方針関連情報と呼ぶ)がある。よって、路側機1は、請求項の情報配信装置として機能する。なお、路側機1から配信する運行方針関連情報は、例えば、運行方針関連情報を統合的に管理する情報センタから提供される構成としてもよい。
【0040】
また、路側機1は、運行方針関連情報に、通信サービスのアプリケーションを示すアプリケーション識別子(AID)や当該アプリケーションが扱う配信データの種類を示すデータ識別子(データID)を含めて配信を行うものとする。以降では、AIDおよびデータIDを情報種別識別子と呼ぶ。なお、AIDは、社団法人電波産業界が定める標準規格(例えば、ARIB STD−T75もしくはSTD−T88)によって定められるものである。
【0041】
車載無線器2は、路側機1との間で路車間通信を行うものであって、無線部21、メモリ22、カードI/F23、無線器側HMI(human machineinterface)24、無線器側外部I/F25、および無線器側制御部26を備えている。例えば、車載無線器2としては、DSRC路側機との間でDSRCによる路車間通信を行うDSRC車載器等がある。
【0042】
まず、無線部21は、通信によって路側機1との間でデータの送受信を行うものであって、路側機1から配信されてくる運行方針関連情報を受信する。よって、車載無線器2は、請求項の車載無線器として機能する。メモリ22は、電気的に内容を書き換えることが可能なEEPROM(electronically erasable and programmable read only memory)やFLASH ROMやRAMによって構成され、各種の情報を記憶する。また、メモリ22は、後述する情報種別識別子と後述する報知の要否の情報とが対応付けられた対応関係テーブルが予め格納してあるものとする。よって、メモリ22は、請求項の対応関係格納部として機能する。
【0043】
カードI/F23は、ICカードと通信をするインターフェースであって、ICカードに記憶されている情報を読み出すとともに、ICカードに情報を書き込む。また、カードI/F23は、車載無線器2がETC車載器としての機能を果たす場合に、ETCカードと通信をするのに用いられる。
【0044】
無線器側HMI24は、ドライバーと車載無線器2との間のコミュニケーションのためのヒューマンマシーンインターフェースであって、操作スイッチ群、ディスプレイやLED等の表示装置、スピーカやブザー等の音声出力装置などから構成される。なお、操作スイッチ群としては、例えば上述のディスプレイと一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が挙げられる。さらに、無線器側外部I/F25は、車載無線器2と外部接続機器3との間の接続インターフェースである。なお、車載無線器2と外部接続機器3との間の接続は、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、WiMAX等の無線接続によるものであってもよいし、RS−232C、USB、車内LAN等の有線接続によるものであってもよい。
【0045】
そして、無線器側制御部26は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。なお、無線器側制御部26で実行する処理の詳細については後述する。
【0046】
外部接続機器3は、例えば携帯電話やナビゲーション装置、PDA(personal data assistance:携帯情報端末)などのような、車両内において車載無線器2と接続されることによって車載無線器2との通信が可能な外部接続機器であって、接続機器側外部I/F31、接続機器側HMI(human machineinterface)32、および接続機器側制御部33を備えている。よって、外部接続機器3は、請求項の外部接続機器として機能する。
【0047】
なお、自車両のバッテリ電源に接続されて電力を供給する電源回路(図示せず)によって車載無線器2の各部位に電力が供給される。
【0048】
接続機器側外部I/F31は、外部接続機器3と車載無線器2との間の接続インターフェースである。なお、車載無線器2と外部接続機器3との間の接続は、前述したように無線接続によるものであってもよいし、有線接続によるものであってもよい。
【0049】
接続機器側HMI32は、一般的な携帯電話機に用いられているヒューマンマシーンインターフェースであって、操作スイッチ群、ディスプレイ等の表示装置、スピーカ等の音声出力装置などから構成される。なお、接続機器側HMI32のディスプレイは、接続機器側制御部33の指示に基づいて、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面などを表示する。また、接続機器側HMI32のスピーカは、接続機器側制御部33の指示に基づいて、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声などを出力する。
【0050】
そして、接続機器側制御部33は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。また、接続機器側制御部33は、周知のマナーモードやドライブモードといった報知の機能の制限を行うモード(以下、機能制限モードと呼ぶ)と報知の機能の制限を行わない通常モードとの設定を切り替える処理も実行する。よって、接続機器側制御部33は、請求項の機能制限部として機能する。なお、接続機器側制御部33で実行する処理の詳細については後述する。
【0051】
次に、図2を用いて、路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れについての説明を行う。なお、図2は、システム中に車載無線機との通信が可能な外部接続機器を含む場合の一例を示している。図2は、路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れを示すシーケンス図の一例である。なお、ここでは、路側機1と車載無線器2とが通信可能な位置関係にあるものとして以降の説明を行う。また、ここでは、外部接続機器3が自車両内に存在するとともに、車載無線器2と外部接続機器3とが接続可能な状態にあるものとして以降の説明を行う。なお、車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータのやり取りは無線器側外部I/F25および接続機器側外部I/F31を介して行われるが、以下では便宜上これを省略して説明を行う。
【0052】
まず、車載無線器2の無線器側制御部26がポーリングを行う(車載無線器がマスタ機器として動作する場合)。また、車載無線器2からのポーリングは、外部接続機器3からこのポーリングに対しての応答がなされるまで定期的に繰り返されるものとする。なお、車載無線器2での処理は、例えば車載無線器2に電力が供給されて車載無線器2が起動したときから開始されるものとする。
【0053】
続いて、車載無線器2からのポーリングに対して外部接続機器3の接続機器側制御部33が接続要求を含む応答を行う。そして、この応答に対して無線器側制御部26が外部接続機器3の設定を確認する設定確認の要求を行う。なお、ここで言うところの設定とは、前述した機能制限モードおよび通常モードを表している。
【0054】
また、車載無線器2からの設定確認の要求に対して接続機器側制御部33が、現在設定されているモードが機能制限モードおよび通常モードのうちのいずれであるかを示すモード設定の情報を含む応答を行う。そして、この応答に対して無線器側制御部26が外部接続機器3に、接続が完了したことを示す通知を行う。また、無線器側制御部26は、接続が完了したことを示す通知を行った後に、モード設定の情報を例えば無線器側制御部26のRAMに記憶する。なお、モード設定の情報は、古いモード設定の情報が既に記憶されている場合にはこの古いモード設定の情報に上書きして記憶されるものとする。
【0055】
なお、本実施形態では、無線器側制御部26が、接続が完了したことを示す通知を行った後にモード設定の情報を記憶する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、接続が完了したことを示す通知を行う前にモード設定の情報を記憶する構成としてもよい。また、モード設定の情報を無線器側制御部26のRAMに記憶する構成に限らず、メモリ22などの他のメモリに記憶する構成としてもよい。
【0056】
続いて、路側機1から配信される情報種別識別子を含んだ運行方針関連情報を車載無線器2の無線部21で受信したときに、無線器側制御部26が、RAMに記憶されているモード設定の情報を読み出し、モード設定の情報が通常モードを示す情報であるか否かを判定する。なお、路側機1からの運行方針関連情報の配信は、所定の時間ごとに行われるものであってもよいし、路側機1で車両を検知したときに行われるものであってもよい。
【0057】
そして、モード設定の情報が通常モードを示す情報であると判定した場合には、外部接続機器3に報知内容としての運行方針関連情報を送信するとともに、この運行方針関連情報に従った報知を外部接続機器3で行わせる旨の指示(以下、報知指示と呼ぶ)を外部接続機器3に行う。なお、外部接続機器3に送信する運行方針関連情報は、ディスプレイでの表示用やスピーカでの音声出力用に加工された運行方針関連情報であってもよい。
【0058】
続いて、運行方針関連情報を受信するとともに報知指示を受けた接続機器側制御部33は、運行方針関連情報を受信したことを示す通知を、接続機器側HMI32のディスプレイの画面表示やLEDの点灯によって行わせたり、接続機器側HMI32のスピーカからの音声出力によって行わせたりする。さらに、運行方針関連情報を受信するとともに報知指示を受けた接続機器側制御部33は、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面を接続機器側HMI32のディスプレイに表示させたり、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声を接続機器側HMI32のスピーカから出力させたりする内容報知を行う。
【0059】
また、モード設定の情報が通常モードを示す情報であると判定しなかった場合(つまり、モード設定の情報が機能制限モードを示す情報であった場合)には、運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を無線器側制御部26が判断する。よって、無線器側制御部26は、請求項の報知要否判断部として機能する。詳しくは、無線器側制御部26が、情報種別識別子をもとに、メモリ22に格納されている対応関係テーブルを参照し、情報種別識別子に対応する報知の要否の情報を得る。なお、対応関係テーブルには、AIDと報知の要否の情報とが対応付けられているとともにデータIDと報知の要否の情報とが対応付けられている対応関係テーブルが格納されているものとする。
【0060】
具体例を挙げると、例えば障害物情報、積雪や凍結等の路面情報、事故発生箇所情報、道路規制情報、渋滞情報、信号情報等の車両の安全運転上必要な情報(以下、重要情報と呼ぶ)は、報知の要否の情報のうち報知要を示す情報と対応付けられており、重要情報以外の施設情報や周辺店舗のイベント情報等の車両での移動を快適にするための情報(以下、補助情報と呼ぶ)は、報知の要否の情報のうち報知不要を示す情報と対応付けられている。よって、情報種別識別子が、重要情報を送信する通信サービスのアプリケーションを示すAIDであったり、重要情報を示すデータIDであったりした場合には、報知要を示す情報が上述の参照によって得られ、報知が必要である旨の判断が無線器側制御部26で行われることになる。また、情報種別識別子が補助情報を送信する通信サービスのアプリケーションを示すAIDであったり、補助情報を示すデータIDであったりした場合には、報知不要を示す情報が上述の参照によって得られ、報知が不要である旨の判断が無線器側制御部26で行われることになる。
【0061】
情報種別識別子が重要情報であった場合には、報知が必要である旨の判断を無線器側制御部26が行い、外部接続機器3に報知内容としての運行方針関連情報を送信するとともに、この運行方針関連情報に従った報知を外部接続機器3で行わせる旨の指示(以下、報知指示と呼ぶ)を外部接続機器3に行う。よって、無線器側制御部26および無線器側外部I/F25は、請求項の情報送信部として機能する。
【0062】
また、運行方針関連情報を受信するとともに報知指示を受けた接続機器側制御部33は、機能制限モードに設定されていた場合には機能制限モードを一時解除して、運行方針関連情報を受信したことを示す通知を、接続機器側HMI32のディスプレイの画面表示やLEDの点灯によって行わせたり、接続機器側HMI32のスピーカからの音声出力によって行わせたりする。よって、接続機器側制御部33および接続機器側外部I/F31は、請求項の情報受信部として機能する。さらに、運行方針関連情報を受信するとともに報知指示を受けた接続機器側制御部33は、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面を接続機器側HMI32のディスプレイに表示させたり、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声を接続機器側HMI32のスピーカから出力させたりする内容報知を行う。よって、接続機器側HMI32は、請求項の報知部、表示部、および音声出力部として機能する。なお、機能制限モードの解除は、例えば運行方針関連情報に従った報知を行う間のみの一時的なものとすればよい。
【0063】
また、情報種別識別子が重要情報でなかった場合(つまり、補助情報であった場合)には、報知が不要である旨の判断を無線器側制御部26が行い、接続機器側HMI32での報知を行わせない。
【0064】
なお、路側機1から配信される運行方針関連情報を車載無線器2の無線部21で受信する都度、無線器側制御部26が外部接続機器3に前述の設定確認の要求をし、接続機器側制御部33からモード設定の情報を含む応答を受ける構成としてもよい。この場合、接続機器側制御部33から得られたモード設定の最新情報を無線器側制御部26のRAMに上書きし、モード設定の情報を更新する構成とすればよい。
【0065】
また、本実施形態では、対応関係テーブルをメモリ22に予め格納しておく構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、対応関係テーブルを無線器側制御部26のROMやRAMに予め格納しておく構成としてもよい。
【0066】
以上の構成によれば、車両外の路側機1から配信された運行方針関連情報を車載無線器2で受信した場合に、運行方針関連情報の種別に応じて運行方針関連情報に従った報知を行ったり、行わなかったりすることが可能になるので、路側機1から配信された運行方針関連情報のうちドライバーにとって必要性の高い運行方針関連情報に従った報知だけを選択的に行うことが可能になる。その結果、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知を行わないことによってドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくし、ドライバーの快適性をより向上させることが可能になる。
【0067】
また、外部接続機器3がマナーモードに設定されているなど、報知の機能を制限されている状況とは、例えばドライバーが運転中のために報知や操作の規制を掛けている状況であったり、静かな環境で運転をしたい状況であったりする場合が考えられる。しかしながら、このような状況であっても、車両の安全運転にとって必要な情報やドライバーにとっての必要性が高い重要情報についての報知は、必要最小限の報知として強制的に報知を行う必要があると考えられる。一方、外部接続機器3がマナーモードやドライブモードに設定されていないなど、報知の機能を制限されていない状況とは、例えばドライバーが停車中であったり、ドライバーにとって静かな環境で運転をしたい要求の低い状況である場合が考えられる。よって、このような状況では、ドライバーにとって必要性の少ない補助情報の報知を行っても、ドライバーの快適性を損なうおそれが少ないものと考えられる。
【0068】
以上の構成によれば、接続機器側制御部33によって外部接続機器3での報知の機能が制限されているマナーモード設定やドライブモード設定の場合であっても、無線器側制御部26で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合には、マナーモード設定やドライブモード設定を解除して接続機器側HMI32のディスプレイやスピーカで報知を行わせるので、マナーモード設定やドライブモード設定によって報知の機能を制限されている場合であっても、必要最小限の報知を行うことが可能になる。また、以上の構成によれば、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知は行わせないようにすることができるので、ドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくすることができる。さらに、以上の構成によれば、接続機器側制御部33によって報知の機能が制限されていない通常モード設定の場合は、無線器側制御部26で報知の要否を判断せずに、路側機1から配信された運行方針関連情報に従った報知を接続機器側HMI32のディスプレイやスピーカで行わせるので、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行ってもドライバーの快適性を損なうおそれが少ない場合にのみ、ドライバーにとって必要性の少ない情報の報知を行うことが可能になる。
【0069】
なお、本実施形態では、路側機1から配信された運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否を車載無線器2において判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、報知自体は車載無線器2と接続される外部接続機器3において行わせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、路側機1から配信された運行方針関連情報の外部接続機器3への送信を車載無線器2において行い、運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否の判断、および報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合の報知を外部接続機器3において行わせる構成としてもよい。
【0070】
以下では、図3を用いて上記他の実施形態における路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れについての説明を行う。なお、図3は、システム中に車載無線機との通信が可能な外部接続機器を含む場合の一例を示している。図3は、路側機1と車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータの流れを示すシーケンス図の一例である。なお、ここでも、路側機1と車載無線器2とが通信可能な位置関係にあるものとして以降の説明を行う。また、ここでも、外部接続機器3が自車両内に存在するとともに、車載無線器2と外部接続機器3とが接続可能な状態にあるものとして以降の説明を行う。なお、車載無線器2と外部接続機器3との間でのデータのやり取りは無線器側外部I/F25および接続機器側外部I/F31を介して行われるが、以下では便宜上これを省略して説明を行う。また、この実施形態では、前述の対応関係テーブルを車載無線器2のメモリ22の代わりに、外部接続機器3の図示しないメモリに格納しているものとする。なお、ここで言うところの外部接続機器3のメモリとは、前述したのと同様のEEPROMやFLASH ROMであってもよいし、接続機器側制御部33のROMやRAMであってもよい。
【0071】
まず、車載無線器2の無線器側制御部26がポーリングを行う(車載無線器がマスタ機器として動作する場合)。また、車載無線器2からのポーリングは、外部接続機器3からこのポーリングに対しての応答がなされるまで定期的に繰り返されるものとする。なお、車載無線器2での処理は、例えば車載無線器2に電力が供給されて車載無線器2が起動したときから開始されるものとする。
【0072】
続いて、車載無線器2からのポーリングに対して外部接続機器3の接続機器側制御部33が接続要求を含む応答を行う。そして、この応答に対して無線器側制御部26が外部接続機器3に、接続が完了したことを示す通知を行う。
【0073】
その後、路側機1から配信される情報種別識別子を含んだ運行方針関連情報を、報知内容として無線器側制御部26が外部接続機器3に送信する。なお、路側機1からの運行方針関連情報の配信は、所定の時間ごとに行われるものであってもよいし、路側機1で車両を検知したときに行われるものであってもよい。
【0074】
続いて、車載無線器2から送信される情報種別識別子を含んだ運行方針関連情報を外部接続機器3で受信したときに、接続機器側制御部33が、現在設定されているモードが通常モードであるか否かを判定する。そして、現在設定されているモードが通常モードであると判定した場合、接続機器側制御部33は、運行方針関連情報を受信したことを示す通知を、接続機器側HMI32のディスプレイの画面表示やLEDの点灯によって行わせたり、接続機器側HMI32のスピーカからの音声出力によって行わせたりする。さらに、接続機器側制御部33は、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面を接続機器側HMI32のディスプレイに表示させたり、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声を接続機器側HMI32のスピーカから出力させたりする内容報知を行う。
【0075】
また、現在設定されているモードが通常モードであると判定しなかった場合(つまり、現在設定されているモードが機能制限モードであった場合)には、運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を接続機器側制御部33が判断する。よって、接続機器側制御部33は、請求項の報知要否判断部として機能する。詳しくは、接続機器側制御部33が、情報種別識別子をもとに、外部接続機器3のメモリに格納されている対応関係テーブルを参照し、情報種別識別子に対応する報知の要否の情報を得て、報知の要否を判断する。
【0076】
情報種別識別子が重要情報であった場合には、報知が必要である旨の判断を接続機器側制御部33が行う。そして、報知が必要である旨の判断を接続機器側制御部33が行った場合には、接続機器側制御部33は、機能制限モードに設定されていた場合には機能制限モードを一時解除して、運行方針関連情報を受信したことを示す通知を、接続機器側HMI32のディスプレイの画面表示やLEDの点灯によって行わせたり、接続機器側HMI32のスピーカからの音声出力によって行わせたりする。さらに、接続機器側制御部33は、運行方針関連情報に従った案内画面や警告画面を接続機器側HMI32のディスプレイに表示させたり、運行方針関連情報に従った案内音声や警告音声を接続機器側HMI32のスピーカから出力させたりする内容報知を行う。なお、機能制限モードの解除は、例えば運行方針関連情報に従った報知を行う間のみの一時的なものとすればよい。
【0077】
また、情報種別識別子が重要情報でなかった場合(つまり、補助情報であった場合)には、報知が不要である旨の判断を接続機器側制御部33が行い、接続機器側HMI32での報知を行わせない。
【0078】
以上の構成によっても、運行方針関連情報の種別に応じて運行方針関連情報に従った報知を行ったり、行わなかったりすることが可能になるので、路側機1から配信された運行方針関連情報のうちドライバーにとって必要性の高い運行方針関連情報に従った報知だけを選択的に行うことが可能になる。従って、ドライバーにとって必要性の少ない運行方針関連情報に従った報知を行わないことによってドライバーが煩わしさを感じる状況を発生しにくくし、ドライバーの快適性をより向上させることが可能になる。
【0079】
また、前述の実施形態では、運行方針関連情報に従った報知を外部接続機器3において行わせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、路側機1から配信された運行方針関連情報の種別に応じた報知の要否の判断、および報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合の報知を車載無線器2において行う構成としてもよい。なお、この更なる他の実施形態では、無線器側HMI24のディスプレイやスピーカによって報知を行う構成とすればよい。また、この場合の機能制限モードに該当するものは、車載無線器2のスリープモード、無線器側HMI24のスピーカの音量ミュート、無線器側HMI24のディスプレイの表示オフ、車載無線器2の電源オフ等になる。また、これらの機能制限は無線器側制御部26で行うものとする。よって、無線器側制御部26は、請求項の機能制限部として機能する。
【0080】
なお、前述の実施形態において、請求項の機能制限部に相当する部材は、請求項の報知部に相当する部材と同一の機器に備えられる。また、請求項の対応関係格納部に相当する部材は、請求項の報知要否判断部に相当する部材と同一の機器に備えられる。そして、請求項の操作入力部に相当する部材も、請求項の報知要否判断部に相当する部材と同一の機器に備えられる。
【0081】
また、前述の実施形態では、対応関係テーブルには、AIDと報知の要否の情報とが対応付けられているとともにデータIDと報知の要否の情報とが対応付けられている対応関係テーブルが格納されている構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、AIDとデータIDとのうち、データIDのみが報知の要否の情報と対応付けられている対応関係テーブルが格納されている構成であってもよいし、AIDとデータIDとのうち、AIDのみが報知の要否の情報と対応付けられている対応関係テーブルが格納されている構成であってもよい
さらに、前述の実施形態では、対応関係テーブルにおいて、重要情報は報知要を示す情報と対応付けられており、補助情報は報知不要を示す情報と対応付けられている構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、個々のユーザーに応じて補助情報であっても報知要を示す情報と対応付けられていてもよい。
【0082】
また、各運行方針関連情報のうちの一部または全部の報知の要否の設定を行う操作入力を無線器側HMI24によってユーザーから受け付けた場合に、無線器側HMI24でユーザーから受け付けた操作入力に応じて無線器側制御部26が、メモリ22に格納されている対応関係テーブルの情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更する構成としてもよい。よって、無線器側HMI24は、請求項の操作入力部として機能する。
【0083】
さらに、各運行方針関連情報のうちの一部または全部の報知の要否の設定を行う操作入力を接続機器側HMI32によってユーザーから受け付けた場合に、接続機器側HMI32でユーザーから受け付けた操作入力に応じて接続機器側制御部33が、外部接続機器3のメモリに格納されている対応関係テーブルの情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更する構成としてもよい。よって、接続機器側HMI32は、請求項の操作入力部として機能する。
【0084】
これによれば、ユーザーからの操作入力に応じて対応関係テーブルの情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更することが可能になるので、個々のユーザーごとの報知の必要性に応じた情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を新たに設定し直すことが可能になる。よって、運行方針関連情報に従った報知を、個々のユーザーごとの報知の必要性に応じて選択的に行うことが可能になる。その結果、ドライバーの快適性をさらに向上させることが可能になる。
【0085】
また、前述の実施形態では、モード設定が機能制限モードと通常モードとのうちのいずれであるかを判断し、判断結果に応じた処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、モード設定が機能制限モードと通常モードとのうちのいずれであるかの判断を行わず、運行方針関連情報の情報種別に応じて報知の要否を判断する構成であってもよい。
【0086】
なお、前述の実施形態では、車載無線器2に接続する外部接続機器3として携帯電話機、PDA、ナビゲーション装置などを例示したが、外部接続機器3としては、車載無線器2から送信される運行方針関連情報に従った報知を音声出力や画面表示によって行うことが可能な機器であればよく、例えば車載ディスプレイ等であってもよい。また、ナビゲーション装置や車載ディスプレイなどを外部接続機器3とした場合の機能制限モードに該当するものは、機器のスリープモード、音量ミュート、ディスプレイの表示オフ、機器の電源オフ等になる。
【0087】
さらに、前述の実施形態では、車載器に運行方針関連情報を配信する情報配信装置として路側機1を用いるとともに、情報配信装置から配信される運行方針関連情報を受信する車載器として車載無線器2を用いる例を示したが、必ずしもこれに限らない。情報配信装置としては、車両外から車両の運行方針に関連する情報を配信する機器であればよく、車載器としてはこの情報配信装置から配信される情報に従った報知を直接的に行うことが可能、もしくは間接的に行わせることが可能な機器であればよい。例えば、情報配信装置としてテレマティクスサービスにおける情報センタのサーバを用いるとともに、車載器としてテレマティクスサービスにおける専用の無線器を用いる構成であってもよい。
【0088】
また、前述の実施形態では、音声出力と画面表示とのいずれによっても報知が可能な構成を示したが、音声出力と画面表示とのうちのいずれかのみによって報知が可能な構成としてもよい。
【0089】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1 路側機(情報配信装置)、2 車載無線器、3 外部接続機器、21 無線部、22 メモリ(対応関係格納部)、24 無線器側HMI(報知部、表示部、音声出力部、操作入力部)、25 無線器側外部I/F(情報送信部)、26 無線器側制御部(報知要否判断部、情報送信部、機能制限部)、31 接続機器側外部I/F(情報受信部)、32 接続機器側HMI(報知部、表示部、音声出力部、操作入力部)、33 接続機器側制御部(報知要否判断部、情報受信部、機能制限部)、100 車両用情報報知システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外から配信された情報に従って車両のドライバーに報知を行う車両用情報報知システムであって、
前記車両の外に設置され、前記車両の運行方針に関連する情報であるとともに情報の種別を示す識別子としての情報種別識別子を含む情報である運行方針関連情報を配信する情報配信装置と、
前記車両に搭載され、前記情報配信装置から配信される情報を受信する車載無線器と、を含み、
前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行うことを特徴とする車両用情報報知システム。
【請求項2】
前記車載無線器は、
前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、
前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用情報報知システム。
【請求項3】
前記車両内において前記車載無線器と無線および有線のうちのいずれかで接続されることによって前記車載無線器との通信が可能な外部接続機器をさらに含み、
前記車載無線器は、
前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、
前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報を前記外部接続機器に送信する情報送信部を備え、
前記外部接続機器は、
前記情報送信部から送信される運行方針関連情報を受信する情報受信部と、
前記情報受信部で受信した運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用情報報知システム。
【請求項4】
前記車両内において前記車載無線器と無線および有線のうちのいずれかで接続されることによって前記車載無線器との通信が可能な外部接続機器をさらに含み、
前記車載無線器は、
前記車載無線器で受信した運行方針関連情報を前記外部接続機器に送信する情報送信部を備え、
前記外部接続機器は、
前記車載無線器から送信される運行方針関連情報を受信する情報受信部と、
前記情報受信部で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、
前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用情報報知システム。
【請求項5】
前記報知部で行う報知の機能の制限の有無を切り替える機能制限部をさらに備え、
前記機能制限部によって前記報知の機能が制限されている場合であっても、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合には、前記制限を一時解除して前記報知部で報知を行わせることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項6】
前記機能制限部によって前記報知の機能が制限されていない場合には、
前記報知要否判断部で報知の要否を判断せずに、前記情報配信装置から配信された運行方針関連情報に従った報知を前記報知部で行わせることを特徴とする請求項5に記載の車両用情報報知システム。
【請求項7】
前記報知部は、音声およびブザー音のうちの少なくともいずれかの出力を行う音声出力部と表示を行う表示部とのうちの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項8】
前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を予め格納する対応関係格納部をさらに備え、
前記報知要否判断部は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子をもとに前記対応関係格納部に格納されている前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を参照することによって、当該運行方針関連情報の報知の要否を判断することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項9】
ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部をさらに備え、
前記報知要否判断部は、前記操作入力部で受け付けたユーザーからの操作入力に応じて前記対応関係格納部に格納されている前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項10】
前記情報配信装置は、DSRC路側機であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項11】
前記車載無線器は、DSRC車載器であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項12】
前記外部接続機器は、携帯電話機であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項13】
前記外部接続機器は、ナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項14】
前記外部接続機器は、PDAであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項1】
車両外から配信された情報に従って車両のドライバーに報知を行う車両用情報報知システムであって、
前記車両の外に設置され、前記車両の運行方針に関連する情報であるとともに情報の種別を示す識別子としての情報種別識別子を含む情報である運行方針関連情報を配信する情報配信装置と、
前記車両に搭載され、前記情報配信装置から配信される情報を受信する車載無線器と、を含み、
前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断し、報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行うことを特徴とする車両用情報報知システム。
【請求項2】
前記車載無線器は、
前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、
前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用情報報知システム。
【請求項3】
前記車両内において前記車載無線器と無線および有線のうちのいずれかで接続されることによって前記車載無線器との通信が可能な外部接続機器をさらに含み、
前記車載無線器は、
前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、
前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報を前記外部接続機器に送信する情報送信部を備え、
前記外部接続機器は、
前記情報送信部から送信される運行方針関連情報を受信する情報受信部と、
前記情報受信部で受信した運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用情報報知システム。
【請求項4】
前記車両内において前記車載無線器と無線および有線のうちのいずれかで接続されることによって前記車載無線器との通信が可能な外部接続機器をさらに含み、
前記車載無線器は、
前記車載無線器で受信した運行方針関連情報を前記外部接続機器に送信する情報送信部を備え、
前記外部接続機器は、
前記車載無線器から送信される運行方針関連情報を受信する情報受信部と、
前記情報受信部で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子に応じて報知の要否を判断する報知要否判断部と、
前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合に、当該運行方針関連情報に従った報知を行う報知部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用情報報知システム。
【請求項5】
前記報知部で行う報知の機能の制限の有無を切り替える機能制限部をさらに備え、
前記機能制限部によって前記報知の機能が制限されている場合であっても、前記報知要否判断部で報知を行うことが必要である旨の判断を行った場合には、前記制限を一時解除して前記報知部で報知を行わせることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項6】
前記機能制限部によって前記報知の機能が制限されていない場合には、
前記報知要否判断部で報知の要否を判断せずに、前記情報配信装置から配信された運行方針関連情報に従った報知を前記報知部で行わせることを特徴とする請求項5に記載の車両用情報報知システム。
【請求項7】
前記報知部は、音声およびブザー音のうちの少なくともいずれかの出力を行う音声出力部と表示を行う表示部とのうちの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項8】
前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を予め格納する対応関係格納部をさらに備え、
前記報知要否判断部は、前記車載無線器で受信した運行方針関連情報に含まれる情報種別識別子をもとに前記対応関係格納部に格納されている前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を参照することによって、当該運行方針関連情報の報知の要否を判断することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項9】
ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部をさらに備え、
前記報知要否判断部は、前記操作入力部で受け付けたユーザーからの操作入力に応じて前記対応関係格納部に格納されている前記情報種別識別子と報知の要否の情報との対応関係を変更することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項10】
前記情報配信装置は、DSRC路側機であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項11】
前記車載無線器は、DSRC車載器であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項12】
前記外部接続機器は、携帯電話機であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項13】
前記外部接続機器は、ナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【請求項14】
前記外部接続機器は、PDAであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用情報報知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2010−165122(P2010−165122A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6044(P2009−6044)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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