説明

車両用情報提供装置

【課題】 利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置を提供する。
【解決手段】 利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段220と、この聴覚情報提供手段220を制御する制御手段202及び発熱電子部品B1を有する回路基板301と、この回路基板301の背後側に設けられるカバー部材311とを備え、カバー部材311には、発熱電子部品B1から発生する熱を外部に放散させる放熱孔B2と、聴覚情報提供手段220に備えられるスピーカ223の一方側から発せられる吹鳴音を外部へと出力させるようにスピーカ223を配設する孔部350とが設けられ、放熱孔B2と孔部350との間には、スピーカ223の他方側から発せられる逆位相吹鳴音の放熱孔B2への通過量を減少させる機能を有する突出壁部360が、カバー部材311に一体形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスピーカやブザーのごとき吹鳴手段を少なくとも備えた聴覚情報提供手段を用いて利用者に各種情報を提供する車両用情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の聴覚情報提供手段を備えた車両用情報提供装置にあっては、例えば車両用計器内に搭載された指針式表示部からなる表示手段の背後に位置する回路基板の裏面に聴覚情報提供手段である警報用のブザー(吹鳴手段)を取り付け、ドライバー(利用者)がシートベルトを装着していない場合には前記ブザーを鳴らし、前記ブザーの警報(吹鳴)音は前記回路基板の背後を覆うカバーの底壁部に設けた複数のスリット(孔)を通って前記車両用計器の背後へ伝えられ、その後、前記車両用計器を収納するインストルメントパネル(以下、インパネと言う)の内部で反射を繰り返して前記利用者側に伝わるようになっていた。具体的には、前記警報音は前記車両用計器と前記インパネとの隙間から漏れた音あるいは前記インパネ内部に設けられた別の隙間を通り前記利用者の足下等から漏れた音として前記利用者に報知される構成であった(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3094073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用情報提供装置の場合、カバー底壁部に設けたスリットを通って車両用計器の背後へ伝えられるブザー音(警報音)は、前記車両用計器と前記インパネの隙間で反射を繰り返すため、前記車両用計器と前記インパネの形状に応じて前記ブザー音の干渉、及び伝わり方が変わっていた。この結果、前記車両用計器から同じブザー音を発しても、前記利用者には車種により異なる音圧、音質として聞こえていた。また、前記利用者には、元来、前記ブザーが持っている音に対して劣化(変質)した音(前記警報音)が必然的に伝わることから、前記警報音の音圧が不足してしまう、もしくは前記警報音の音質が悪化してしまうという問題点があり、この点で更なる改良の余地が残されていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段と、前記聴覚情報提供手段を制御する制御手段及び発熱電子部品を有する回路基板と、前記回路基板の背後側に設けられるカバー部材とを備え、前記カバー部材には、前記発熱電子部品から発生する熱を外部に放散させる放熱孔と、前記聴覚情報提供手段に備えられる吹鳴手段の一方側から発せられる吹鳴音を前記外部へと出力させる孔部とが設けられ、前記放熱孔と前記孔部との間には、前記一方側とは反対側である前記吹鳴手段の他方側から発せられる逆位相吹鳴音の前記放熱孔への通過量を減少させる機能を有する突出壁部が、前記カバー部材に一体形成されてなることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段と、前記聴覚情報提供手段を制御する制御手段及び発熱電子部品を有する回路基板と、前記回路基板の背後側に設けられるカバー部材とを備え、前記カバー部材には、前記発熱電子部品から発生する熱を外部に放散させる放熱孔と、前記聴覚情報提供手段に備えられる吹鳴手段の一方側から発せられる吹鳴音を前記外部へと出力させるように前記吹鳴手段を配設する孔部とが設けられ、前記放熱孔と前記孔部との間には、前記一方側とは反対側である前記吹鳴手段の他方側から発せられる逆位相吹鳴音の前記放熱孔への通過量を減少させる機能を有する突出壁部が、前記カバー部材に一体形成されてなることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記突出壁部は、前記回路基板と当接するように前記カバー部材に一体形成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による車両用情報提供装置の概観図である。
【図2】同実施形態による車両用情報提供装置のブロック図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図3中、B部を拡大して示す要部断面図である。
【図5】同実施形態によるカバー部材の要部正面図である。
【図6】図5中、矢印C方向から見たときのカバー部材の第2の壁部と側壁部とを示す図である。
【図7】同実施形態による警告情報の一例を示す図である。
【図8】同実施形態の第1変形例を示す車両用情報提供装置の要部断面図である。
【図9】同実施形態の第2変形例を示す車両用情報提供装置の要部断面図である。
【図10】同実施形態の第2変形例を示すカバー部材の要部正面図である。
【図11】図10中、矢印F方向から見たときの第1の壁部を示す図である。
【図12】同実施形態の第3変形例を示す車両用情報提供装置の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0011】
図1は、本実施形態における車両用情報提供装置の一例の概観図を示すもので、車両用情報提供装置100は、第1,第2の表示手段D1,D2を備えた車両用メータからなる。第1の表示手段(表示部)D1は、TFT等の液晶表示パネルや有機ELパネル等からなり、図1中、車両用情報提供装置100の中央下方に配設され、車速を含む各種情報の表示を行うものである。
【0012】
また第2の表示手段D2は、後述する指針と指標板とを備えた指針式表示部からなり、図1中、車両用情報提供装置100の左方に配設された回転計からなる第1の指針式表示部101と、図1中、車両用情報提供装置100の右方に配設された燃料計からなる第2の指針式表示部102と、前記右方に配設された温度計からなる第3の指針式表示部103とから構成される。また本実施形態の場合、各第2の表示手段D2における前記指標板の表面は、第1の表示手段D1の表示面と略同一面となるように設定されている。
【0013】
図2は、図1の車両用情報提供装置100のブロック図である。その構成としては、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両用情報提供装置100の制御を行う制御手段202と、処理プログラムを格納するROM等からなる記憶手段203と、表示部D1の表示制御及び各指針式表示部101,102,103の駆動制御を行う駆動手段204と、前記各種情報を聴覚情報として報知する聴覚情報提供手段220とを有している。
【0014】
また、聴覚情報提供手段220の構成としては、音/音声を再生する音/音声合成手段221と、この音/音声合成手段221からの出力信号(音/音声出力信号)を増幅するアンプ222と、このアンプ222からの増幅信号を出力する例えば略円形のスピーカ(吹鳴手段)223と、このスピーカ223から発せられる吹鳴音の放音空間である後述する空間部と、前記空間部に連通し、前記空間部に至る吹鳴音を車両内部である車室(車両を運転する利用者)へと導くための後述するスリット群とを有している。
【0015】
スピーカ223は、本実施形態の場合、後述するセンターポールが挿入される貫通孔部を有するトッププレートと中央部に突出形成されたセンターポールを有するバックプレートと前記センターポールを取り巻くように前記両プレート間に狭持されたリング状マグネットとを備えた磁気回路と、前記センターポールと前記トッププレートとの間に形成される磁気空隙内に配設されるボイスコイルと、このボイスコイルの先端に連結されるコーン型の振動板と、前記磁気回路と前記振動板を所定の位置に支持するフレームとから主に構成され、前記ボイスコイルに電流を流すと前記ボイスコイルに力が作用し、前記ボイスコイルの動きに連動して前記振動板が振動することによって吹鳴音を発する、所謂、動電型スピーカ(コーンスピーカ)からなり、車両用情報提供装置100における第1の指針式表示部101の上方に配設される(図1参照)。
【0016】
図3は、図1中、A−A線に沿った車両用情報提供装置100(第1の指針式表示部101)の断面図を示しており、以下、第1の指針式表示部101の構成について詳細説明を行う。なお、第2,第3の指針式表示部102,103の構成は、第1の指針式表示部101の構成と略同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0017】
第1の指針式表示部101は、回路基板301と、この回路基板301に導通装着され回転軸302が前方に延びる駆動装置303と、回転軸302にて回転駆動される指針304と、この指針304の背後に位置して回路基板301上に配設される指標板305と、この指標板305を照明する光源306と、指標板305を保持するケース体307と、指針304や指標板305を露出させるための見返し部材308と、この見返し部材308の前方側に配置される透視パネル309と、回路基板301の背後側に設けられるカバー部材311とから構成される。
【0018】
回路基板301は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターン(図示せず)を施した硬質回路基板からなり、聴覚情報提供手段220を制御する制御手段202と、駆動装置303を駆動・制御する駆動手段204と、音/音声合成手段221と、アンプ222と、光源306と、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品(図示せず)とが前記配線パターンに導通接続されている。なお、本例では、前述したスピーカ223は、所定の配線部材を介してアンプ222と導通接続されてなる。
【0019】
駆動装置303は、可動磁石式計器またはステッピングモータからなり、回転軸302が回路基板301を貫通するように、その主要部がカバー部材311側となる回路基板301の背後に装着され、且つ半田付け等の適宜導通手段により前記配線パターン(駆動手段204)に電気接続される。
【0020】
指針304は、合成樹脂からなり、指標板305の後述する指標部を指示するように線状に延びる指示部304aと、この指示部304aの回転中心部を覆う指針キャップ304bとを備えている。
【0021】
指標板305は、PC等の合成樹脂からなり、略薄板状に形成され、その表面には指示部304aの指示する目盛,数字等からなる指標部305aが形成されている。この場合、指標部305aは指針304の回転軌道(作動範囲)に沿って円弧状に配列されている。
【0022】
光源306は、例えば白色光を発するチップ型発光ダイオードからなり、カバー部材311とは反対側となる回路基板301の前面に実装され、指標部305aを白色に発光させる発光体である。
【0023】
ケース体307は、例えば白色の合成樹脂からなり、回路基板301と指標板305との間に位置しており、指標板305を保持する保持部材としての機能、光源306からの照明光を前方側に反射する反射部材としての機能等を有している。
【0024】
なお、ケース体307における外周部の適宜箇所には、爪部等からなる複数の係合部(図示せず)が設けられ、前記各係合部がカバー部材311の後述する複数の係止部に各々係止されることで、回路基板301を狭持するようにケース体307とカバー部材311とが嵌合固定されるようになっている。
【0025】
見返し部材308は、例えば黒色の合成樹脂からなり、指標板305の前方に配設され、指針304と指標板305を露出する開口窓部308aを備えている。
【0026】
透視パネル309は、透光性合成樹脂からなり、略凹面状に形成され、見返し部材308の開口窓部308aを覆うように見返し部材308によって支持(保持)されており、指針304と指標板305を前記利用者に対して視認(透視)可能に構成されている。
【0027】
カバー部材311は、例えば白色の合成樹脂からなり、回路基板301側が開口する略箱形形状に形成され、底部312と、この底部312の外周部から回路基板301側へと連続形成された立壁形状からなり、回路基板301背面と当接する側壁部313とを備えてなる。これにより回路基板301と側壁部313と底部312とによって空間領域Sが形成される。なお、底部312と側壁部313との境界部分の形状は、図3に示すような略L字形状としてもいし、所定の曲率を有する曲面形状としてもい。
【0028】
空間領域Sは、駆動装置303を収納する収納空間、図示しない放熱孔を通じて光源306から発せられる熱等を車両用情報提供装置100外部に逃がすための放熱空間として利用される他、後で詳述するようにスピーカ223の前面(一方側)から発せられる吹鳴音の放音空間、スピーカ223の背面(他方側)から発せられる逆位相吹鳴音の放音空間として利用される。
【0029】
カバー部材311の底部312には、図3中、B部を拡大した図である図4、カバー部材311の要部正面図である図5並びに図5中、矢印C方向から見たときの図である図6に詳しく示すように、スピーカ223の所要部を包囲する略半円環形状の第1の立壁部314とこの第1の壁部314の端部と側壁部313とを繋ぐ略逆「ハ」の字形状の第2の立壁部315とを有する第1の壁部316と、スピーカ223の前記所要部以外の他の箇所を包囲する略半円環形状の立壁部である第2の壁部317とが、前方側(回路基板301側)に向けて突出形成されてなる。
【0030】
この場合、第2の壁部317及び第1の壁部316における第2の立壁部315の底部312からの高さ寸法は、側壁部313の高さ寸法と略同一寸法となっており、また第1の壁部316における第1の立壁部314の底部312からの高さ寸法は、第2の立壁部315の高さ寸法よりも幾らか小さめの寸法に設定されている。
【0031】
これにより図3に示すように回路基板301をカバー部材311の側壁部313に当接させると、回路基板301と第1の立壁部314との間には第1の隙間部318が形成されるようになっている。このことは、第1の立壁部314が、第1の隙間部318の寸法分だけ回路基板301と離間するように底部312に一体的に設けられることを意味してなる。
【0032】
一方、第2の壁部317は、略逆凹部形状に形成され、その上方側(回路基板301側)に位置する略半円環形状の基部319と、この基部319の両端側から下方側(底部312側)に垂下形成される一対の垂下部320とを有する(図6参照)。これにより基部319の下方側であって、一対の垂下部320の間には、開放された空間となる第2の隙間部321が形成される。
【0033】
なお、図5中、322は、各垂下部320と各垂下部320の外側に位置する第1の壁部316との間に設けられる微少クリアランスである。また、323は、第2の壁部317を成型する際の型抜孔であり、第2の壁部317に対応する底部312箇所に開口形成されている。
【0034】
324は、第2の壁部317の外側であって、略逆「ハ」の字形状に形成された2つの第2の立壁部315の間に位置する側壁部313箇所(以下、第1の側壁部313aと言う)に設けられるスリット群(開口部)であり、かかるスリット群324は、互いに平行状態をなす複数のスリットからなり、前記空間部に連通してなる。また、スリット群324を構成する個々のスリットは、図6に示すように第1の側壁部313aにおいて、縦方向に形成されている。なお、前記個々のスリットの形成範囲は、第1の側壁部313aのみでもよいし、第1の側壁部313aと底部312の一部とに形成してもよい。ここで言う、底部312の一部とは、第2の壁部317と第1の側壁部313aとの間の位置する底部312箇所を指す。
【0035】
このように構成されたカバー部材311に対し、略円形のスピーカ223は、その前面(一方側)P1がカバー部材311の底部312側を向き、且つ、その背面(他方側)P2が底部312とは反対側(回路基板301側)を向くように、ともに略半円環形状である第1の壁部316(第1の立壁部314)と第2の壁部317(基部319)との間に介在してなる。より具体的には、スピーカ223は、その前面P1(背面P2)が回路基板301の板面と略平行状態をなすように、第1の立壁部314の上端側内壁面とこれに対向する基部319の下端側内壁面との間に固定(配設)される。
【0036】
なお、第1の立壁部314(前記上方側内壁面)及び基部319(前記下方側内壁面)に対するスピーカ223の固定の手段は、あらゆる固定手段を採用することができ、例えばスピーカ223における前面P1、背面P2以外の箇所となる外周部P3と、前記上方側内壁面や前記下方側内壁面とを両面テープ等によって接着固定する構成が挙げられる。
【0037】
また、カバー部材311において、後述する開口部を除く外周部の適宜箇所には、ケース体307の前記各係合部に対応する複数の係止部(図示せず)がそれぞれ形成されている。従って、ケース体307の前記各係合部をカバー部材311の前記各係止部に各々係止させることで、カバー部材311が、回路基板301の背後を覆うようにケース体307に装着される。
【0038】
ところで、本実施形態では、前述した空間領域Sに、回路基板301と離間するように底部312から回路基板301側に向けて突出形成される第1の立壁部314と、底部312と離間しつつ回路基板301と当接するように底部312に一体形成される基部319を有する第2の壁部317とを設け、さらに第1の立壁部314と第2の壁部317(基部319)との対面領域にスピーカ223を介在させる構成としたことで、空間領域Sが、前面P1から発せられる吹鳴音の放音空間である空間部S1と、背面P2から発せられる逆位相吹鳴音の放音空間であるスピーカエンクロージャ(密閉空間部)S2とに区画される。
【0039】
換言すれば、空間部S1と空間部S1とは異なる密閉空間であるスピーカエンクロージャS2とは、回路基板301と離間するように底部312に一体形成される第1の立壁部314と、底部312と離間し、且つ回路基板301と当接するように底部312に一体形成される基部319(第2の壁部317)と、第1の立壁部314と基部319(第2の壁部317)との間に介在するスピーカ223とによって区画される構成となっている(図4参照)。
【0040】
すなわち、空間領域Sのうち、回路基板301と、スリット群324の形成箇所に対応する第1の側壁部313a箇所と、底部312と、第1の立壁部314と、スピーカ223と、基部319とによって囲まれる図4中、上方側に位置する空間部S1は、スピーカ223の前面P1から発せられる吹鳴音の放音空間となる。
【0041】
一方、空間部S1とは異なるスピーカエンクロージャS2は、回路基板301と、基部319と、スピーカ223と、第1の立壁部314と、底部312と、第1の周壁部313aを除いた周壁部313箇所(以下、第2の周壁部313bと言う)とで設けられ、スピーカ223の背面P2から発せられる逆位相吹鳴音の放音空間として利用されることになるが、本実施形態では、基部319と回路基板301とが密着し、且つスピーカ223の外周部P3が基部319及び第1の立壁部314と密着してスピーカエンクロージャS2を構成することから、背面P2から発せられ、スピーカエンクロージャS2に至る逆位相吹鳴音は、スピーカエンクロージャS2とは別の空間である吹鳴音の放音空間である空間部S1側に漏れないことになる。
【0042】
従って、空間部S1に至るスピーカ223(前面P1)からの吹鳴音は、スピーカエンクロージャS2に至る逆位相吹鳴音と干渉して弱められることなく、その音圧が維持された状態で空間部S1及び空間部S1に連通するスリット群324を通過し、回路基板301の前方側に導かれることになる。なお、この場合、空間部S1において、第2の壁部317に対応する底部312箇所には型抜孔323が形成されているが、本発明者は、前面P1から出る吹鳴音が型抜孔323を通過する割合は、スリット群324を通過する割合と比べて、極めて小さいことを実験結果として得ている。
【0043】
これにより、カバー部材311に固定されたスピーカ223の前面P1から出る吹鳴音は、空間部S1及びスリット群324を通り、回路基板301の前方側となる車両用情報提供装置100外部に、その音圧が弱められることなく導かれるようになっている。つまり、スピーカ223の前面P1から発せられる吹鳴音は、その音圧が維持された状態で空間部S1及びスリット群324を通過し、聴覚情報として前記利用者の眼前に伝達(提供)されることになる。
【0044】
なお、本実施形態における車両用情報提供装置100は、図2に示すように多重通信ライン230を介して走行制御装置231と操作手段232とに接続されている。
【0045】
次に、車両用情報提供装置100の動作について説明する。制御手段202は、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211から、走行制御(オートクルーズ、レーンキープ)に関する車両状態、アラーム情報、及びオートクルーズ、レーンキープの操作に関する情報を入手し、この情報に基づいてオートクルーズ、レーンキープに関する車両状態報知、アラーム出力、及びオートクルーズ、レーンキープの操作に関するガイダンス、アンサーバックを、聴覚情報提供手段220のスピーカ223を介して効果音と音声(と表示部D1の画像)で行う。
【0046】
ここで、前記アラーム情報を例に挙げて制御手段202の入力時の動作について説明する。制御手段202は、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211から車両に関する情報を入手し、この情報に基づいて警告の発生条件があるか否か判定する。ここで警告の発生条件を検出すると警告情報を聴覚情報提供手段220を用いて聴覚情報である効果音と音声とで報知するとともに、前記警告情報に関係する表示形態を表示部D1によって表示する。
【0047】
図7は、その具体例を示すものであり、制御手段202は、車両の状態としてシートベルトが未着用である状態を示す検出信号(状態信号)が車両情報端子210または多重通信入出力端子211を介して入力されると、効果音「ポーン」の後、音声にて「シートベルトを着用してください」を出力するように聴覚情報提供手段220を動作させる制御を行う。
【0048】
従って、聴覚情報提供手段220におけるスピーカ223(前面P1)から出る吹鳴音(前記効果音及び前記音声)は、その音圧が低下することなく空間部S1並びに空間部S1に連通するスリット群324を通って、前記利用者の眼前に向けて発せられることで、前記利用者は、前記効果音及び前記音声を容易に認識(聴取)することができる。なお、ここでは表示部D1を介して視覚情報も併用している。
【0049】
以上のように本実施形態では、前記利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置100であって、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段220と、聴覚情報提供手段220を制御する制御手段202を有する回路基板301と、聴覚情報提供手段220に備えられるスピーカ223を配設するように回路基板301の背後側に設けられるカバー部材311とを備え、回路基板301とカバー部材311(底部312、第1の周壁部313a、第1の立壁部314、基部319)とスピーカ223とで囲まれる空間部S1をスピーカ223の一方側(前面)P1から発せられる吹鳴音の放音空間とするとともに、カバー部材311(第1の周壁部313a)には空間部S1に連通するスリット群(開口部)324が形成されてなるものである。
【0050】
従って、スピーカ223の前面P1から発せられる吹鳴音は、その音圧が維持された状態で、空間部S1、スリット群324を通じて車両用情報提供装置100の前方に向けて(つまり前記利用者の眼前に向けて)、直接、伝達される構成となるため、元来、スピーカ223の持っている音が劣化することなく前記利用者に聴覚情報(例えば警告情報)として与えられ、これにより音響特性の良好な車両用情報提供装置を提供することができる。
【0051】
また本実施形態では、回路基板301とカバー部材311(底部312、第2の周壁部313b、第1の立壁部314、基部319)とスピーカ223とで空間部S1とは異なる密閉空間部であるスピーカエンクロージャS2を設け、スピーカエンクロージャS2を前面P1とは反対側であるスピーカ223の背面(他方側)P2から発せられる逆位相吹鳴音の放音空間としたことにより、背面P2から発せられる逆位相吹鳴音と、前面P1から発せられる吹鳴音との干渉が抑制されるため、スリット群324を通過する吹鳴音の音圧を良好に保つことが可能となる。
【0052】
また本実施形態では、回路基板301と離間するようにカバー部材311(底部312)に設けられる第1の壁部316(第1の立壁部314)と、底部312と離間し、且つ回路基板301と当接するようにカバー部材311(底部312)に設けられる第2の壁部317と、第1の立壁部314と第2の壁部317との間に介在するスピーカ223とによって、空間部S1とスピーカエンクロージャS2とが区画されてなることにより、車両用情報提供装置の構成部品である既存のカバー部材の形状を工夫してスピーカのエンクロージャーを形成することができるため、コスト的に有利である。
【0053】
また本実施形態では、複数のスリットからなる開口部324が、カバー部材311における第1の周壁部313aに形成されてなることにより、空間部S1に至るスピーカ223(前面P1)からの吹鳴音を効率よく回路基板301の前方側(前記利用者側)に導くことが可能となる。
【0054】
また本実施形態では、開口部324を複数のスリットからなるスリット群として形成した例について説明したが、開口部324の形状は、スピーカ223からの吹鳴音を効率よく回路基板301の前方側に導くことが可能であれば、あらゆる形状を採用することができることは言うまでもない。
【0055】
また本実施形態では、第2の壁部317における基部319と回路基板301とが当接している例について説明したが、例えば本実施形態の第1変形例として図8に示すように基部319と回路基板301と間にクッション材等からなる緩衝材である防振部材330を介在させる構成としてもよい。かかる防振部材330は、スピーカ223の駆動時に生じる振動を、基部319から回路基板301へと伝わりにくくする機能を有する。これにより、防振部材330を設けることでスピーカ駆動時における回路基板301の振動を抑制することが可能となる。
【0056】
また本実施形態では、単一のスピーカ223及びスピーカ223を固定(配設)するようにカバー部材311に一体形成された各壁部316、317が、図1中、車両用情報提供装置100の上方に配設された例について説明したが、スピーカ223及び各壁部316、317は、前記上方に限らず車両用情報提供装置100におけるあらゆる箇所に配設することができる。
【0057】
なお本実施形態では、スピーカ223(前面P1)から発せられる吹鳴音が、空間部S1、スリット群324を通過して前記利用者の眼前に向けて伝達される場合について説明したが、例えば吹鳴手段としてスピーカの代わりにブザーを採用し、ブザーから発せられる吹鳴音を前記利用者に伝えるようにしてもよい。
【0058】
なお、本例では、カバー部材311(底部312)に、光源306から発せられる熱を車両用情報提供装置100の外部に逃がすための前記放熱孔を設けた構成となっている。ところで、例えば図9に示すごとく、スピーカ223付近となる回路基板301背面箇所に制御手段202等に電源を供給するための発熱電子部品である電源回路B1が設けられている場合には、この電源回路B1から発せられる熱を前記外部に放散させるべく、例えば互いに平行状態をなす複数個のスリットからなる放熱孔B2を電源回路B1と向かい合う底部312箇所に設けなければならない。
【0059】
ここで、スピーカ223の配設位置の近傍に電源回路B1が形成されていることで、スピーカ223の背面P2から発せられる逆位相吹鳴音の一部が、前述した第1の隙間部318(図4参照)及び放熱孔B2を通過して前記外部に至り、スリット群324側に回り込んだ場合、スピーカ223の前面P1から発せられてスリット群324を通過する吹鳴音と前記逆位相吹鳴音の一部とが干渉し、前記利用者に対し劣化した音が伝達される虞がある。
【0060】
そこで、本実施形態の第2変形例として図9〜図11に示すごとく、前記第1実施形態にて説明した回路基板301と離間する第1の立壁部314と回路基板301と当接する第2の立壁部315とからなる第1の壁部316の形状を次のように変更した。なお、図9に示すカバー部材311とスピーカ223の形状は、図10中、D−D線にて形成される断面形状に相当する。また、図11は、図10中、矢印F方向から見たときの第1の壁部316を示す図である。
【0061】
つまり、前述した本実施形態では、第1の立壁部314と第2の立壁部315との2つの境界部分(以下、図10中、左方側に位置する境界部分を第1の境界部W1とし、図10中、右方側に位置する境界部分を第2の境界部W2とする)は、ともに第2の壁部317の端部と隣接する位置に設けたが、かかる第2変形例では、第2の境界部W2の位置を第2の壁部317と隣接する位置ではなく、図10中、スピーカ223の下端部付近となる第3の境界部W3に設定(変更)した構成としている。
【0062】
換言すれば、第2変形例では、第1の立壁部314と第2の立壁部315との2つの境界部分のうち、右方側に位置する境界部分の位置を前述した第2の境界部W2ではなく前述した第3の境界部W3へと変更したことで、前述した本実施形態の場合よりも、回路基板301と離間する第1の立壁部314の形成領域が狭くなり(約半減し)、この第1の立壁部314の形成領域が狭くなった分だけ、回路基板301と当接する第2の立壁部315の形成領域を幅広くした構成となっている(図11参照)。なお、請求項6における第1の壁部316の所要部とは、第3の境界部W3から第1の立壁部315と側壁部313との境界部分である図10中、第4の境界部W4に至る第1の立壁部315箇所を指す。
【0063】
以上のように、回路基板301と当接している第2の立壁部315箇所が、スピーカ223と放音孔B2との間を仕切るようにスピーカ223の下端側まで延在しているから、前記逆位相吹鳴音は、第1の境界部W1と第3の境界部W3との間にて、回路基板301と離間してなる第1の立壁部314箇所(つまり図11中、第1の境界部W1と第3の境界部W3との間に位置する第1の間隙部318箇所)を通過してスピーカエンクロージャS2に至ることになる。
【0064】
この際、スピーカエンクロージャS2に至る前記逆位相吹鳴音の一部は、放音孔B2へと導かれることになるが、本実施形態の第2変形例のごとく、図10中、右方側に位置する第1の立壁部314と第2の立壁部315との境界部分を第2の境界部W2ではなく第3の境界部W3と設定した方が、放熱孔B2を通過する前記逆位相吹鳴音の通過量は減少することになる。
【0065】
すなわち、前述した本実施形態のように、図10中、右方側に位置する第1の立壁部314と第2の立壁部315との境界部分を第2の境界部W2とした場合、スピーカ223と放熱孔B2との間に間隙(つまり前述した本実施形態にて採用した第1の間隙部318)が存在するから、前記逆位相吹鳴音は、前記間隙を通過して積極的に放熱孔B2側に導かれ易くなる。これに対し、本実施形態の第2変形例のごとく、図10中、右方側に位置する第1の立壁部314と第2の立壁部315との境界部分を第2の境界部W2ではなく第3の境界部W3とすれば、前記逆位相吹鳴音は、第1の境界部W1と第3の境界部W3との間に位置する第1の間隙部318箇所を通過するから、放熱孔B2側には積極的に導かれなくなり、その一部が図10中、矢印Gにて示すごとく回り込むように放熱孔B2側に導かれる構成となる。
【0066】
かかる構成によると、放熱孔B2に前記逆位相吹鳴音が積極的に導かれないことに伴い、放熱孔B2を通過する前記逆位相吹鳴音の通過量は減少するから、放熱孔B2を通過してスリット群324側に回り込む前記逆位相吹鳴音と、スピーカ223(前面P1)から発せられ、スリット群324を通過する前記吹鳴音との干渉は極力、抑制される。これにより前面P1から発せられる吹鳴音は、その音圧がある程度、維持された状態で前記利用者の眼前に伝達されることになる。なお、本例では、第2の立壁部315が回路基板301と当接する構成であったが、第2の立壁部315と回路基板301との間に数ミリ程度の微小クリアランス部分を設けた場合であっても、同様の作用効果を得ることができることは言うまでもない。
【0067】
また図12に示す本実施形態の第3変形例は、前述した第2変形例に対する応用例を示している。この第3変形例が、前述した第2変形例と異なる点は、カバー部材311の底部312にスピーカ223を配設するための略円形の貫通孔からなる孔部350を設けた点、放熱孔B2と孔部350との間において、前記逆位相吹鳴音の放熱孔B2への通過量を減少させる機能を有する立壁形状からなる突出壁部360が回路基板301と当接するように底部312(カバー部材311)に一体形成されている点にある。なお、孔部350の形状は、貫通孔ではなく、前述したスリット群324と同様な形状としてもよい。
【0068】
また、第3変形例では、孔部350及び突出壁部360を設けたことに伴い、前述した本実施形態にて採用した第1の壁部316(第1、第2の立壁部314、315)と、第2の壁部317と、第1、第2の間隙部318、321と、微小クリアランス322と、型抜孔323と、スリット群324と、空間部S1とを廃止している。
【0069】
また、スピーカ223の厚みが底部312の板厚よりも厚い場合には、図12に示すごとく孔部350を取り巻く筒状部370を回路基板301側に突出するように底部312に一体形成し、スピーカ223の外周部P3と筒状部370の内壁面とを両面テープ等によって接着固定することで、スピーカ223がカバー部材311に配設される。なお、図12中、突出壁部360の上方に形成されるスピーカエンクロージャS2と、図12中、突出壁部360の下方に形成される空間領域と連通していることは言うまでもない。
【0070】
そして、底部312に設けられた孔部350(筒状部370内部)に配設されるスピーカ223の前面P1から発せられる前記吹鳴音は、前記外部へと出力されるが、この第3変形例においても、前述した第2変形例と同様に、回路基板311と当接するように底部312に一体形成された立壁部分である突出壁部360が、放熱孔B2と孔部350との間に位置(介在)していることで、前記逆位相吹鳴音が積極的に放熱孔B2側へと導かれるのを防止しているから、前記逆位相吹鳴音と前記吹鳴音との干渉が極力、抑制され、これにより前記吹鳴音は、その音圧がある程度、維持された状態で前記利用者の眼前に伝達されることになる。なお、本例では、突出壁部360が回路基板301と当接する構成であったが、突出壁部360と回路基板301との間に数ミリ程度の微小クリアランス部分を設けた場合であっても、同様の作用効果を得ることができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、聴覚情報提供手段を利用した車両用情報提供装置に関し、車両情報を提供する車両用計器のみならず、車両に搭載されるマルチディスプレイ装置等の車両用情報提供装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
100 車両用情報提供装置
202 制御手段
220 聴覚情報提供手段
223 スピーカ(吹鳴手段)
301 回路基板
311 カバー部材
312 底部
313 側壁部
313a 第1の側壁部
313b 第2の側壁部
314 第1の立壁部
315 第2の立壁部
316 第1の壁部
317 第2の壁部
319 基部
324 スリット群(開口部)
330 防振部材
350 孔部
360 突出壁部
B1 電源回路(発熱電子部品)
B2 放熱孔
P1 前面(一方側)
P2 背面(他方側)
S 空間領域
S1 空間部
S2 スピーカエンクロージャ(密閉空間部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段と、前記聴覚情報提供手段を制御する制御手段及び発熱電子部品を有する回路基板と、前記回路基板の背後側に設けられるカバー部材とを備え、
前記カバー部材には、前記発熱電子部品から発生する熱を外部に放散させる放熱孔と、前記聴覚情報提供手段に備えられる吹鳴手段の一方側から発せられる吹鳴音を前記外部へと出力させる孔部とが設けられ、
前記放熱孔と前記孔部との間には、前記一方側とは反対側である前記吹鳴手段の他方側から発せられる逆位相吹鳴音の前記放熱孔への通過量を減少させる機能を有する突出壁部が、前記カバー部材に一体形成されてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段と、前記聴覚情報提供手段を制御する制御手段及び発熱電子部品を有する回路基板と、前記回路基板の背後側に設けられるカバー部材とを備え、
前記カバー部材には、前記発熱電子部品から発生する熱を外部に放散させる放熱孔と、前記聴覚情報提供手段に備えられる吹鳴手段の一方側から発せられる吹鳴音を前記外部へと出力させるように前記吹鳴手段を配設する孔部とが設けられ、
前記放熱孔と前記孔部との間には、前記一方側とは反対側である前記吹鳴手段の他方側から発せられる逆位相吹鳴音の前記放熱孔への通過量を減少させる機能を有する突出壁部が、前記カバー部材に一体形成されてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項3】
前記突出壁部は、前記回路基板と当接するように前記カバー部材に一体形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−79075(P2013−79075A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−809(P2013−809)
【出願日】平成25年1月8日(2013.1.8)
【分割の表示】特願2008−291891(P2008−291891)の分割
【原出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】