車両用情報表示装置及び車両用情報表示方法
【課題】運転者が交差点等の分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとってわかりやすい経路案内を行う。
【解決手段】車両用ナビゲーション装置は、表示画面合成部14の制御のもとに、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になったときに、それまでにディスプレイ装置15に表示されていた映像に代えて、車両周辺映像撮像部12によって撮像された車両周辺映像と、ナビゲーション装置13によって生成された経路案内情報とを、1つの表示画面内で別個にディスプレイ装置15に表示させるような表示制御を行う。
【解決手段】車両用ナビゲーション装置は、表示画面合成部14の制御のもとに、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になったときに、それまでにディスプレイ装置15に表示されていた映像に代えて、車両周辺映像撮像部12によって撮像された車両周辺映像と、ナビゲーション装置13によって生成された経路案内情報とを、1つの表示画面内で別個にディスプレイ装置15に表示させるような表示制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路案内を行う車両用情報表示装置及び車両用情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が曲がるべき交差点の位置や方向等を運転者が直観的に把握できるようにするために、車両進行方向を撮像した実写映像に対して経路案内情報を重畳表示させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−108684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来の技術においては、撮像した映像に対して経路案内情報が重畳表示されていることから、例えば運転者がT字路等の分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に、却って運転者にとって車両周囲状況がわかりづらい場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとってわかりやすい経路案内を行うことができる車両用情報表示装置及び車両用情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示手段に経路案内情報を表示して車両の経路案内を行っている時に、車両が分岐点に接近したことを検出し、車両周辺映像と経路案内情報とを1つの表示画面内に含めて表示手段に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離を検出し、当該距離に応じて車両周辺映像と経路案内情報とを表示させるので、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとってわかりやすい経路案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置の構成について示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置が搭載される車両の外観構成について示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置が搭載される車両の内部構成について示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において、表示装置に対する映像の表示制御を行う際の一連の手順について示すフローチャートである。
【図5】(a)は、本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両周辺映像撮像部によって撮像された車両左右方向における2枚の映像間に、経路案内情報を配置した表示画面構成を示す図であり、(b)は、本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両周辺映像撮像部によって撮像された車両左右方向における2枚の映像の左側に、経路案内情報を配置した表示画面構成を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両周辺映像撮像部によって撮像された1枚の車両周辺映像の左側に、経路案内情報を配置した表示画面構成を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報を縮小して車両周辺映像撮像部による撮像映像と独立した表示領域に表示する様子を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報の表示濃度を薄くして表示する様子を示す図である。
【図9】経路案内情報の表示濃度と車両の現在位置から分岐点までの距離との関係について示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両が分岐点に接近するほど、車両周辺映像撮像部による撮像映像の大きさに対して、経路案内情報の表示範囲を縮小して表示する様子を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、ナビゲーション装置によって設定した地図情報の表示画面構成に対応させて、車両周辺映像撮像部による撮像映像と経路案内情報との表示画面構成を決定する様子を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において、表示装置に対する映像の表示制御を行う際の一連の手順について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[第1実施形態]
[車両用ナビゲーション装置の構成]
本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置は、図1に示すように構成される。なお、この車両用ナビゲーション装置は、多数の機能のうち、一つの機能として、各種の情報を表示させる情報表示機能を有し、車両用情報表示装置として動作する。なお、車両用ナビゲーション装置において画像処理、制御処理を行う部分は、実際にはROM、RAM、CPU等にて構成されているが、当該CPUがROMに格納されたプログラムに従って処理をすることによって実現できる機能をブロックとして説明する。
【0011】
この車両用ナビゲーション装置は、車両周辺の映像を撮像する車両周辺映像撮影処理部12と、車両の経路案内を行うナビゲーション装置13と、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された映像とナビゲーション装置13によって生成された経路案内情報とを合成して表示画面データ(表示データ)を生成する表示画面合成部14と、各種情報を表示するディスプレイ装置(表示手段)15とを備える。
【0012】
車両周辺映像撮影処理部12は、主に交差点等の分岐点において交差する道路の左右の安全を確認するための映像を撮像するために、車載カメラ11によって撮影された映像に基づいて車両周辺映像を生成する。ここで、車載カメラ11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラ等から構成される。
【0013】
特に、車載カメラ11は、車両前端の左右領域を撮像可能な複数のカメラからなる。この車載カメラ11は、例えば図2に示すように、車両前方のフロントグリル1aの中央部に設置された広角カメラ11aや、左右のライト1bの左右両端部に設置されたカメラ11b等を含む。なお、車両周辺映像撮影処理部12は、車載カメラ11によって撮影された映像のみならず、交差点に設置されたカメラによって撮像された映像を受信し、この映像に基づいて車両周辺の映像を取得する構成であってもよい。車両周辺映像撮影処理部12は、取得した車両周辺映像を表示画面合成部14に供給する。
【0014】
ナビゲーション装置13は、いわゆるGPS(Global Positioning System)受信機やジャイロ、各種の入力回路、処理回路等から構成される。ナビゲーション装置13は、GPS受信機やジャイロによって取得した情報や車速パルス等に基づいて、自車両の現在位置を特定する。そして、ナビゲーション装置13は、図示しないハードディスク等に格納された地図情報を用いて、ユーザにより設定された目的地までの推奨経路を演算する。ナビゲーション装置13は、演算した推奨経路に沿って走行する運転操作を支援する経路案内情報を生成する。この経路案内情報は、地図上における自車両の経路地図、交差点における方向矢印を含む。ナビゲーション装置13は、生成した経路案内情報を表示画面合成部14に供給する。
【0015】
表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像とナビゲーション装置13によって生成された経路案内情報とを合成して表示画面データを生成する。具体的には、表示画面合成部14は、通常時には、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像に対して経路案内情報を重畳表示させるような表示画面データを生成する。一方、表示画面合成部14は、後述する所定条件を満たした場合には、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像と、経路案内情報とを重畳せずに別個に表示させるような表示画面データを生成する。すなわち、表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像と、経路案内情報とを、1つの表示画面内で独立に表示されるような表示画面データを生成する。表示画面合成部14は、生成した表示画面データをディスプレイ装置15に供給する。
【0016】
ディスプレイ装置15は、例えば液晶ディスプレイ等から構成される。具体的には、ディスプレイ装置15は、例えば図3に示すように、車室内において運転者が視認しやすい場所に設置されている。ディスプレイ装置15は、表示画面合成部14によって生成された表示画面データを含む各種情報を表示する。
【0017】
このような車両用ナビゲーション装置は、運転者によって操作される構成として、図3に示すように、タッチパネル21やスクロールキー22等を備えている。これらタッチパネル21及びスクロールキー22は、運転者によって操作可能なように、車室内のインストメントパネル(インパネ)31の略中央位置に設けられている。
【0018】
タッチパネル21は、ディスプレイ装置15に内蔵されたタッチセンサを有する。このタッチパネル21は、ディスプレイ装置15における画面内の押圧位置を、操作信号として表示画面合成部14に対して出力する。車両用ナビゲーション装置においては、運転者がタッチパネル21を押圧操作することにより、例えば車両周辺の映像位置を変更することができる。
【0019】
スクロールキー22は、運転者によって回転又は押圧操作されることにより、表示画面合成部14に対して信号を出力する。車両用ナビゲーション装置においては、運転者がスクロールキー22を回転操作することにより、例えば車両周辺映像撮影処理部12によって撮像される車両周辺の映像位置を変更することができる。また、車両用ナビゲーション装置においては、運転者がスクロールキー22を押圧操作することにより、例えば車両周辺映像撮影処理部12による映像の撮像開始を指示することができる。
【0020】
インストルメントパネル31の略中央部には、スクロールキー22を含むスイッチ群32及びディスプレイ装置15が設けられている。また、インストルメントパネル31の運転席側には、運転者が速度や回転数等を視認可能なように表示部33が設けられている。スイッチ群32のステアリング34側には、シフトレバー35が設けられている。
【0021】
[車両用ナビゲーション装置の動作]
このような各部を備える車両用ナビゲーション装置は、表示画面合成部14により、車両が分岐点に接近した場合に、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された映像と、経路案内情報とを、重畳せずに別個にディスプレイ装置15に表示させるような表示制御を行う。このとき、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両が分岐点に接近したことを判定する。
【0022】
具体的には、表示画面合成部14は、図4に示すような一連の手順にしたがって、ディスプレイ装置15に対する映像の表示制御を行う。なお、この処理は、運転者がタッチパネル21やスクロールキー22等を操作して車両周辺映像撮影処理部12を起動する場合に行われるものであり、ナビゲーション装置13に実装されているメインプログラムによって一定時間間隔で呼び出されるものとする。
【0023】
まず、車両用ナビゲーション装置は、運転者により、タッチパネル21やスクロールキー22等、車両周辺映像撮影処理部12の起動用スイッチが操作されたか否かを判定する。ここで、表示画面合成部14は、運転者による操作を監視しており、図4に示すように、ステップS1において、車両周辺映像撮影処理部12の起動用スイッチが操作されたか否かを判定する。また、この車両周辺映像撮影処理部12の起動用スイッチは、運転者が交差点において経路案内情報に加えて、車両周辺映像を確認したい場合に操作されるものである。したがって、車両用ナビゲーション装置は、車両周辺映像撮影処理部12の起動用スイッチの操作を検出したことにより、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になったことを判断する。
【0024】
ここで、表示画面合成部14は、起動用スイッチが操作された場合には、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像を表示する状態に遷移するために、ステップS2へと処理を移行する。一方、表示画面合成部14は、起動用スイッチが操作されていない場合には、一連の処理を一旦終了し、メインプログラムに戻る。
【0025】
続いて、表示画面合成部14は、ステップS2において、ナビゲーション装置13によって経路案内情報を表示中であるか否かを判定する。表示画面合成部14は、経路案内情報を表示中でない場合には、ステップS4へと処理を移行する。ステップS4において、表示画面合成部14は、ナビゲーション装置13による地図情報の表示を停止させ、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像の表示に切り替える。
【0026】
一方、表示画面合成部14は、経路案内情報を表示中である場合には、ステップS3へと処理を移行する。このステップS3において、表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像と、経路案内情報との双方を、1つの表示画面内で視認可能な表示画面とする。
【0027】
具体的には、表示画面合成部14は、先に図2に示したように、ライト1bの左右両端部に設置されたカメラ11bのそれぞれによって撮像された車両周辺映像を車両周辺映像撮影処理部12によって分割して表示し、当該車両周辺映像に対して経路案内情報を付加する。この場合には、例えば図5(a)に示すように、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両の左右方向周辺の車両周辺映像42L,42Rの間に、経路案内情報41としての経路地図を配置させる。これにより、車両周辺映像42L,42Rの左右の位置関係を明確に表現する。
【0028】
また、表示画面合成部14は、例えば図5(b)に示すように、表示画面の左側に、経路案内情報41を配置するとともに、表示画面の右側に、車両周辺映像撮影処理部12による左右の撮像映像を表示する車両周辺映像42L,42Rを配置しても良い。これにより、情報種類毎に、表示領域を分割する。
【0029】
さらに、表示画面合成部14は、先に図2に示したように、フロントグリル1a中央部に設置された広角カメラ11aによって撮像された車両周辺映像を用いても良い。表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12によって車両前端側方の車両周辺映像を左右連続している1つの映像として表示するような表示体系に対して、経路案内情報を付加する。この場合には、例えば図6に示すように、表示画面左側に、経路案内情報51を配置するとともに、表示画面の右側に、車両周辺映像撮影処理部12による車両周辺映像52を配置し、情報の種類毎に表示領域を分割する。
【0030】
なお、経路案内情報の表示位置は、図5又は図6に示す例に限定されるものでなく、車両周辺映像の右側としてもよく、又は、上下いずれかの方向としてもよく、車両周辺映像の上下左右いずれかの方向であれば良い。また、運転者が確認すべき車両周辺情報をより詳細に提示するために、経路案内情報は、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像よりも詳細とする縮尺でディスプレイ装置15に表示させるのが望ましい。
【0031】
さらにまた、表示画面合成部14は、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離に応じて表示内容を変化させることが望ましい。具体的には、表示画面合成部14は、例えば図7中、交差点までの距離X1,X2のように、交差点等の分岐点進入位置までに余裕がある場合には、車両周辺映像61に対して、経路案内情報として曲がる方向の矢印62を重畳表示させる。これにより、運転者に、車両が曲がるべき方向を直感的に把握させる。そして、表示画面合成部14は、交差点までの距離X3のように分岐点の直前では、経路案内情報としての矢印62を縮小するように表示画面を切り替える。
【0032】
これにより、車両が分岐点の手前で一旦停止した際に、運転者が交差点で、例えば左右から接近する歩行者や車両を確認することを促すことができる。
【0033】
なお、表示画面合成部14は、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離に応じて表示内容を変化させる例として、他の表示形態を採用しても良い。例えば、表示画面合成部14は、車両が交差点等の分岐点に接近するほど、車両周辺映像に対して重畳表示している経路案内情報が目立たなくなるように変化させてもよい。
【0034】
具体的には、表示画面合成部14は、例えば図8に示すように、車両が分岐点に接近するほど、車両周辺映像71に対して重畳表示する経路案内情報としての矢印72の表示濃度を薄くする。例えば、表示画面合成部14は、図9に示すように、車両の現在位置から分岐点までの距離に応じて、経路案内情報としての矢印72a、72b、72cといったようにの表示濃度を連続的に変化させる。例えば、交差点に進入するために減速開始する程度の距離X1から矢印72の濃度を低くし、交差点に差し掛かる直前の距離X3では矢印72の濃度を最低値にする。
【0035】
なお、表示画面合成部14は、車両の現在位置から分岐点までの距離に応じて、経路案内情報としての矢印72の表示濃度を段階的に変化させるようにしてもよい。また、表示画面合成部14は、車両の現在位置から分岐点までの距離ではなく、分岐点に到達するまでの到達予想時間に応じて、経路案内情報としての矢印72の表示濃度を変化させるようにしてもよい。
【0036】
これにより、車両用ナビゲーション装置においては、分岐点手前で一旦停止した際に、運転者が交差点周囲の状況を確認しやすくなる。
【0037】
また、表示画面合成部14は、車両周辺映像に対して重畳表示している経路案内情報が目立たなくなるように変化させる例として、例えば図10に示すように表示しても良い。この場合、車両が距離X1,X2,X3といったように分岐点に接近するほど、車両周辺映像81の大きさに対して、経路案内情報82a、82b、82cといったように、表示範囲を連続的又は段階的に縮小していくようにする。なお、図10においては、経路案内情報82の縦方向のみを縮小する様子について示しているが、表示画面合成部14は、経路案内情報82の縦横方向を同時に縮小するようにしてもよい。
【0038】
これにより、車両用ナビゲーション装置においては、分岐点に進入までに余裕がある場合には、車両周辺映像よりも経路案内情報の方をより確認しやすくし、分岐点の直前では周囲確認に必要な車両周辺映像をより確認しやすくすることができる。
【0039】
なお、図7、図8及び図10に示した表示形態は、図5(a)、図5(b)及び図6に示したように、車両周辺映像と経路案内情報とを左右に分割して表示する場合に適用してもよい。
【0040】
さらに、表示画面合成部14は、車両周辺映像と経路案内情報との表示画面構成を、運転者がナビゲーション装置13によって設定した地図情報(経路案内情報)の表示画面の構成に近い構成に切り替えることもできる。
【0041】
具体的には、表示画面合成部14は、例えば図11(a)に示すように、地図情報の表示画面が縮尺の異なる2画面構成となっており、詳細図91が左側に位置し且つ広域図92が右側に位置しているとする。この場合、表示画面合成部14は、図11(c)のように経路案内情報101を左側に表示するとともに、車両周辺映像102を右側に表示するような表示画面データを生成する。また、表示画面合成部14は、図11(b)に示すように、詳細図91が右側に位置し且つ広域図92が左側に位置している場合には、図11(d)のように経路案内情報101を右側に表示するとともに、車両周辺映像102を左側に表示するような表示画面データを生成する。
【0042】
さらに、表示画面合成部14は、特に図示しないが、地図情報の画面設定が立体表示である場合には、車両周辺映像に対して経路案内情報としての矢印を重畳表示する表示画面を生成する。
【0043】
このように、車両用ナビゲーション装置においては、経路案内に使用する表示画面設定に対応した表示画面構成となるように、表示映像切り替え後の車両周辺映像及び経路案内情報の表示位置を決定する。これにより、地図情報から車両周辺映像へと表示内容が切り替わった場合であっても、運転者が経路案内情報を探しやすくすることができる。
【0044】
車両用ナビゲーション装置は、このような一連の手順にしたがって、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、運転者が交差点周囲の状況を確認しやすくする情報の表示制御を行うことができる。
【0045】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明の第1実施形態として示した車両用ナビゲーション装置によれば、車両が分岐点に接近した場合に、それまでにディスプレイ装置15に表示されていた映像に代えて、車両周辺映像と経路案内情報とを、1つの表示画面内で別個にディスプレイ装置15に表示させるような表示制御を行う。ここで、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両が分岐点に接近したことを判定する。
【0046】
したがって、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両周辺映像に対して経路案内情報を重畳表示させたままとしないことから、運転者に分かりやすい経路案内を行いつつ、交差点などの分岐点で周囲確認をしやすくすることができる。
【0047】
また、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両周辺映像の上下左右いずれかの方向に、経路案内情報を配置した表示画面構成でディスプレイ装置15に表示させる。これにより、経路案内情報に基づいて運転者が交差点周囲の状況を分かりやすくすることができ、車両周辺の映像と経路案内情報との双方を確認して運転を行わせることができる。
【0048】
さらに、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両の左右方向における車両周辺映像間に、経路案内情報を配置した表示画面構成でディスプレイ装置15に表示させる。これにより、運転者にとって視認しやすく、車両周辺映像と経路案内情報との双方を確認して運転を行わせることができる。
【0049】
さらにまた、この車両用ナビゲーション装置は、車両周辺映像よりも経路案内情報を詳細とする縮尺でディスプレイ装置15に表示させることから、運転者が確認すべき周辺の情報をより詳細に提示することができ、運転者が経路案内の内容を容易に把握することが可能となる。
【0050】
また、この車両用ナビゲーション装置は、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になるまでにディスプレイ装置15に表示されていた映像が、ナビゲーション装置13によって設定した表示画面構成からなる映像である場合には、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、その表示画面構成に対応した表示画面構成で、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された映像と経路案内情報とを、1つの表示画面内で別個にディスプレイ装置15に表示させることから、運転者が経路案内の内容を容易に把握することが可能となる。
【0051】
さらに、この車両用ナビゲーション装置は、車両周辺映像と経路案内情報とを合成してディスプレイ装置15に表示させる際に、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報の表示濃度を薄くしてディスプレイ装置15に表示させる。したがって、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離にかかわらず経路案内情報を同じ表示濃度でディスプレイ装置15に表示させるのではなく、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報の表示濃度を薄くし、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された映像に対して経路案内情報を目立たなくすることができる。そのため、この車両用ナビゲーション装置によれば、分岐点進入までに余裕がある場合には運転者が曲がる方向を直感的に把握することができ、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行いやすくなる。
【0052】
さらにまた、この車両用ナビゲーション装置は、車両周辺映像と経路案内情報とを合成してディスプレイ装置15に表示させる際に、車両が分岐点に接近するほど、車両周辺映像の大きさに対して、経路案内情報の表示範囲を縮小してディスプレイ装置15に表示させる。したがって、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離にかかわらず経路案内情報を同じ大きさでディスプレイ装置15に表示させるのではなく、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報の表示範囲を縮小し、車両周辺映像に対して経路案内情報を目立たなくすることができる。
【0053】
そのため、この車両用ナビゲーション装置によれば、運転者が分岐点までの距離に応じて経路案内情報を過不足なく把握することが可能となり、且つ、分岐点手前で一旦停止した際に、経路案内情報に基づいて運転者が交差点周囲の状況を分かりやすくすることができる。これにより、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとってわかりやすい経路案内を行うことができる。
【0054】
[第2実施形態]
つぎに、本発明の第2実施形態として示す車両用ナビゲーション装置について説明する。
【0055】
第2実施形態として示す車両用ナビゲーション装置は、第1実施形態のように運転者による手動操作に応じて車両周辺映像と経路案内情報とを表示するのではなく、自動的に車両周辺映像と経路案内情報とを表示するように切り替えるものである。したがって、この第2実施形態においては、第1実施形態にて説明した部位と同一部位については、それぞれ、同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0056】
[車両用ナビゲーション装置の構成及び動作]
本発明の第2実施形態として示す車両用ナビゲーション装置は、先に図1に示した車両用ナビゲーション装置と同一の構成とされる。このような車両用ナビゲーション装置は、表示画面合成部14により、車両が分岐点に接近し、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両周辺映像と経路案内情報とを、重畳せずに別個にディスプレイ装置15に表示させるような表示制御を行う。
【0057】
具体的には、表示画面合成部14は、図12に示すような一連の手順にしたがって、ディスプレイ装置15に対する映像の表示制御を行う。なお、この処理は、車両が分岐点に接近したときに行われるものであり、ナビゲーション装置13に実装されているメインプログラムによって一定時間間隔で呼び出されるものとする。
【0058】
まず、表示画面合成部14は、ステップS11において、ナビゲーション装置13によって測位された車両の現在位置と、進行方向の経路上で最も近い交差点等の分岐点までの距離や当該分岐点に到達するまでの到達予想時間と、車両の減速状況等のパラメータを取得する。そして、表示画面合成部14は、取得した車両の現在位置、到達予測時間、パラメータに基づいて、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になったか否かを判定し、車両周辺映像撮影処理部12を起動させるか否かを判定する。
【0059】
なお、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合における車両周辺映像撮影処理部12を起動させるか否かについての判定は、例えば特開2002−154375号公報や特開2001−43494号公報等に記載された手法を応用することができる。
【0060】
すなわち、表示画面合成部14は、ナビゲーション装置13から供給される車両の現在位置情報と地図情報とに基づいて車両の現在位置を把握すると共に、地図情報に基づいて分岐点までの距離が所定距離未満であるか否かに応じて分岐点付近を走行しているか否かを判定する。表示画面合成部14は、分岐点までの距離が所定距離以上である場合には、分岐点付近を走行していないものと判定し、車両周辺映像撮影処理部12を起動させずに、所定の分岐点接近フラグを“0”にリセットする。
【0061】
一方、表示画面合成部14は、分岐点までの距離が所定距離未満である場合には、分岐点付近を走行していると判定し、図示しない車速センサから供給される車速検出値を読み込み、読み込んだ車速検出値が予め設定された停止近傍の低車速設定値以下であるか否かを判定する。
【0062】
表示画面合成部14は、車速検出値が低車速設定値を超えている場合には、青信号の交通信号が存在する分岐点を通過する場合であるか優先道路を走行している場合であると判定し、車両周辺映像撮影処理部12を起動させずに、分岐点接近フラグを“0”にリセットする。また、表示画面合成部14は、車速検出値が低車速設定値以下である場合には、分岐点に徐行して進入する場合であると判定し、図示しない測距センサを作動させて車両の左右方向に存在する壁等の障害物までの距離検出値を読み込んだ上で、分岐点接近フラグが“1”にセットされているか否かを判定する。
【0063】
表示画面合成部14は、分岐点接近フラグが“0”にリセットされている場合には、左右の距離検出値が双方とも所定の設定値以上であるか否かを判定し、設定値以上である場合には、見通しが良好な分岐点に車両が接近していると判定する。これにより、表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12を起動させずに、分岐点接近フラグを“0”にリセットしたままとする。一方、表示画面合成部14は、左右の距離検出値のいずれか一方が設定値未満である場合には、見通しが悪い分岐点に車両が接近していると判定する。これにより、表示画面合成部14は、分岐点接近フラグを見通しが悪い分岐点に接近している旨を示す“1”セットし、車両周辺映像撮影処理部12を起動させる。
【0064】
また、表示画面合成部14は、既に分岐点接近フラグが“1”にセットされている場合には、左右の距離検出値のいずれか一方が設定値未満である場合に、車両周辺映像撮影処理部12を起動させる。
【0065】
表示画面合成部14は、このようにして車両周辺映像撮影処理部12を起動させると、ステップS12において、ナビゲーション装置13によって経路案内情報を表示中であるか否かを判定する。表示画面合成部14は、経路案内情報を表示中でない場合には、ステップS14へと処理を移行し、ナビゲーション装置13による地図情報の表示を停止させ、車両周辺映像の表示に切り替える。
【0066】
一方、表示画面合成部14は、経路案内情報を表示中である場合には、ステップS13へと処理を移行し、第1実施形態にて説明したように、車両周辺映像と経路案内情報との双方を、1つの表示画面内で視認可能な表示画面とするように制御する。
【0067】
車両用ナビゲーション装置においては、このような一連の手順にしたがって、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になった旨を自動的に判定し、運転者が交差点周囲の状況を確認しやすくなる情報の表示制御を行うことができる。
【0068】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明の第2実施形態として示した車両用ナビゲーション装置は、車両が分岐点に接近したことを判定する。このとき、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になったことを判定する。
【0069】
したがって、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった旨を自動的に判定することから、運転者が何ら操作を行うことなく、車両周辺映像と経路案内情報とを1つの表示画面内で別個にディスプレイ装置15に表示させることができる。そのため、この車両用ナビゲーション装置によれば、分岐点手前で一旦停止した際に、経路案内情報に基づいて運転者が交差点周囲の状況を分かりやすくすることができ、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとって極めてわかりやすい経路案内を行うことができる。
【0070】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
11…車載カメラ
11a…広角カメラ
11b…カメラ
12…車両周辺映像撮影処理部
13…ナビゲーション装置
14…表示画面合成部
15…ディスプレイ装置
21…タッチパネル
22…スクロールキー
31…インストルメントパネル
32…スイッチ群
33…表示部
34…ステアリング
35…シフトレバー
41…経路案内情報
42L,42R…車両周辺映像
51,82,101…経路案内情報
52,61,71,81,102…車両周辺映像
62,72…矢印
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路案内を行う車両用情報表示装置及び車両用情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が曲がるべき交差点の位置や方向等を運転者が直観的に把握できるようにするために、車両進行方向を撮像した実写映像に対して経路案内情報を重畳表示させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−108684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来の技術においては、撮像した映像に対して経路案内情報が重畳表示されていることから、例えば運転者がT字路等の分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に、却って運転者にとって車両周囲状況がわかりづらい場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとってわかりやすい経路案内を行うことができる車両用情報表示装置及び車両用情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示手段に経路案内情報を表示して車両の経路案内を行っている時に、車両が分岐点に接近したことを検出し、車両周辺映像と経路案内情報とを1つの表示画面内に含めて表示手段に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離を検出し、当該距離に応じて車両周辺映像と経路案内情報とを表示させるので、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとってわかりやすい経路案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置の構成について示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置が搭載される車両の外観構成について示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置が搭載される車両の内部構成について示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において、表示装置に対する映像の表示制御を行う際の一連の手順について示すフローチャートである。
【図5】(a)は、本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両周辺映像撮像部によって撮像された車両左右方向における2枚の映像間に、経路案内情報を配置した表示画面構成を示す図であり、(b)は、本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両周辺映像撮像部によって撮像された車両左右方向における2枚の映像の左側に、経路案内情報を配置した表示画面構成を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両周辺映像撮像部によって撮像された1枚の車両周辺映像の左側に、経路案内情報を配置した表示画面構成を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報を縮小して車両周辺映像撮像部による撮像映像と独立した表示領域に表示する様子を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報の表示濃度を薄くして表示する様子を示す図である。
【図9】経路案内情報の表示濃度と車両の現在位置から分岐点までの距離との関係について示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、車両が分岐点に接近するほど、車両周辺映像撮像部による撮像映像の大きさに対して、経路案内情報の表示範囲を縮小して表示する様子を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において表示装置に表示される画面の具体例を示す図であり、ナビゲーション装置によって設定した地図情報の表示画面構成に対応させて、車両周辺映像撮像部による撮像映像と経路案内情報との表示画面構成を決定する様子を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態として示す車両用ナビゲーション装置において、表示装置に対する映像の表示制御を行う際の一連の手順について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[第1実施形態]
[車両用ナビゲーション装置の構成]
本発明の第1実施形態として示す車両用ナビゲーション装置は、図1に示すように構成される。なお、この車両用ナビゲーション装置は、多数の機能のうち、一つの機能として、各種の情報を表示させる情報表示機能を有し、車両用情報表示装置として動作する。なお、車両用ナビゲーション装置において画像処理、制御処理を行う部分は、実際にはROM、RAM、CPU等にて構成されているが、当該CPUがROMに格納されたプログラムに従って処理をすることによって実現できる機能をブロックとして説明する。
【0011】
この車両用ナビゲーション装置は、車両周辺の映像を撮像する車両周辺映像撮影処理部12と、車両の経路案内を行うナビゲーション装置13と、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された映像とナビゲーション装置13によって生成された経路案内情報とを合成して表示画面データ(表示データ)を生成する表示画面合成部14と、各種情報を表示するディスプレイ装置(表示手段)15とを備える。
【0012】
車両周辺映像撮影処理部12は、主に交差点等の分岐点において交差する道路の左右の安全を確認するための映像を撮像するために、車載カメラ11によって撮影された映像に基づいて車両周辺映像を生成する。ここで、車載カメラ11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラ等から構成される。
【0013】
特に、車載カメラ11は、車両前端の左右領域を撮像可能な複数のカメラからなる。この車載カメラ11は、例えば図2に示すように、車両前方のフロントグリル1aの中央部に設置された広角カメラ11aや、左右のライト1bの左右両端部に設置されたカメラ11b等を含む。なお、車両周辺映像撮影処理部12は、車載カメラ11によって撮影された映像のみならず、交差点に設置されたカメラによって撮像された映像を受信し、この映像に基づいて車両周辺の映像を取得する構成であってもよい。車両周辺映像撮影処理部12は、取得した車両周辺映像を表示画面合成部14に供給する。
【0014】
ナビゲーション装置13は、いわゆるGPS(Global Positioning System)受信機やジャイロ、各種の入力回路、処理回路等から構成される。ナビゲーション装置13は、GPS受信機やジャイロによって取得した情報や車速パルス等に基づいて、自車両の現在位置を特定する。そして、ナビゲーション装置13は、図示しないハードディスク等に格納された地図情報を用いて、ユーザにより設定された目的地までの推奨経路を演算する。ナビゲーション装置13は、演算した推奨経路に沿って走行する運転操作を支援する経路案内情報を生成する。この経路案内情報は、地図上における自車両の経路地図、交差点における方向矢印を含む。ナビゲーション装置13は、生成した経路案内情報を表示画面合成部14に供給する。
【0015】
表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像とナビゲーション装置13によって生成された経路案内情報とを合成して表示画面データを生成する。具体的には、表示画面合成部14は、通常時には、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像に対して経路案内情報を重畳表示させるような表示画面データを生成する。一方、表示画面合成部14は、後述する所定条件を満たした場合には、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像と、経路案内情報とを重畳せずに別個に表示させるような表示画面データを生成する。すなわち、表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像と、経路案内情報とを、1つの表示画面内で独立に表示されるような表示画面データを生成する。表示画面合成部14は、生成した表示画面データをディスプレイ装置15に供給する。
【0016】
ディスプレイ装置15は、例えば液晶ディスプレイ等から構成される。具体的には、ディスプレイ装置15は、例えば図3に示すように、車室内において運転者が視認しやすい場所に設置されている。ディスプレイ装置15は、表示画面合成部14によって生成された表示画面データを含む各種情報を表示する。
【0017】
このような車両用ナビゲーション装置は、運転者によって操作される構成として、図3に示すように、タッチパネル21やスクロールキー22等を備えている。これらタッチパネル21及びスクロールキー22は、運転者によって操作可能なように、車室内のインストメントパネル(インパネ)31の略中央位置に設けられている。
【0018】
タッチパネル21は、ディスプレイ装置15に内蔵されたタッチセンサを有する。このタッチパネル21は、ディスプレイ装置15における画面内の押圧位置を、操作信号として表示画面合成部14に対して出力する。車両用ナビゲーション装置においては、運転者がタッチパネル21を押圧操作することにより、例えば車両周辺の映像位置を変更することができる。
【0019】
スクロールキー22は、運転者によって回転又は押圧操作されることにより、表示画面合成部14に対して信号を出力する。車両用ナビゲーション装置においては、運転者がスクロールキー22を回転操作することにより、例えば車両周辺映像撮影処理部12によって撮像される車両周辺の映像位置を変更することができる。また、車両用ナビゲーション装置においては、運転者がスクロールキー22を押圧操作することにより、例えば車両周辺映像撮影処理部12による映像の撮像開始を指示することができる。
【0020】
インストルメントパネル31の略中央部には、スクロールキー22を含むスイッチ群32及びディスプレイ装置15が設けられている。また、インストルメントパネル31の運転席側には、運転者が速度や回転数等を視認可能なように表示部33が設けられている。スイッチ群32のステアリング34側には、シフトレバー35が設けられている。
【0021】
[車両用ナビゲーション装置の動作]
このような各部を備える車両用ナビゲーション装置は、表示画面合成部14により、車両が分岐点に接近した場合に、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された映像と、経路案内情報とを、重畳せずに別個にディスプレイ装置15に表示させるような表示制御を行う。このとき、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両が分岐点に接近したことを判定する。
【0022】
具体的には、表示画面合成部14は、図4に示すような一連の手順にしたがって、ディスプレイ装置15に対する映像の表示制御を行う。なお、この処理は、運転者がタッチパネル21やスクロールキー22等を操作して車両周辺映像撮影処理部12を起動する場合に行われるものであり、ナビゲーション装置13に実装されているメインプログラムによって一定時間間隔で呼び出されるものとする。
【0023】
まず、車両用ナビゲーション装置は、運転者により、タッチパネル21やスクロールキー22等、車両周辺映像撮影処理部12の起動用スイッチが操作されたか否かを判定する。ここで、表示画面合成部14は、運転者による操作を監視しており、図4に示すように、ステップS1において、車両周辺映像撮影処理部12の起動用スイッチが操作されたか否かを判定する。また、この車両周辺映像撮影処理部12の起動用スイッチは、運転者が交差点において経路案内情報に加えて、車両周辺映像を確認したい場合に操作されるものである。したがって、車両用ナビゲーション装置は、車両周辺映像撮影処理部12の起動用スイッチの操作を検出したことにより、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になったことを判断する。
【0024】
ここで、表示画面合成部14は、起動用スイッチが操作された場合には、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像を表示する状態に遷移するために、ステップS2へと処理を移行する。一方、表示画面合成部14は、起動用スイッチが操作されていない場合には、一連の処理を一旦終了し、メインプログラムに戻る。
【0025】
続いて、表示画面合成部14は、ステップS2において、ナビゲーション装置13によって経路案内情報を表示中であるか否かを判定する。表示画面合成部14は、経路案内情報を表示中でない場合には、ステップS4へと処理を移行する。ステップS4において、表示画面合成部14は、ナビゲーション装置13による地図情報の表示を停止させ、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像の表示に切り替える。
【0026】
一方、表示画面合成部14は、経路案内情報を表示中である場合には、ステップS3へと処理を移行する。このステップS3において、表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像と、経路案内情報との双方を、1つの表示画面内で視認可能な表示画面とする。
【0027】
具体的には、表示画面合成部14は、先に図2に示したように、ライト1bの左右両端部に設置されたカメラ11bのそれぞれによって撮像された車両周辺映像を車両周辺映像撮影処理部12によって分割して表示し、当該車両周辺映像に対して経路案内情報を付加する。この場合には、例えば図5(a)に示すように、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両の左右方向周辺の車両周辺映像42L,42Rの間に、経路案内情報41としての経路地図を配置させる。これにより、車両周辺映像42L,42Rの左右の位置関係を明確に表現する。
【0028】
また、表示画面合成部14は、例えば図5(b)に示すように、表示画面の左側に、経路案内情報41を配置するとともに、表示画面の右側に、車両周辺映像撮影処理部12による左右の撮像映像を表示する車両周辺映像42L,42Rを配置しても良い。これにより、情報種類毎に、表示領域を分割する。
【0029】
さらに、表示画面合成部14は、先に図2に示したように、フロントグリル1a中央部に設置された広角カメラ11aによって撮像された車両周辺映像を用いても良い。表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12によって車両前端側方の車両周辺映像を左右連続している1つの映像として表示するような表示体系に対して、経路案内情報を付加する。この場合には、例えば図6に示すように、表示画面左側に、経路案内情報51を配置するとともに、表示画面の右側に、車両周辺映像撮影処理部12による車両周辺映像52を配置し、情報の種類毎に表示領域を分割する。
【0030】
なお、経路案内情報の表示位置は、図5又は図6に示す例に限定されるものでなく、車両周辺映像の右側としてもよく、又は、上下いずれかの方向としてもよく、車両周辺映像の上下左右いずれかの方向であれば良い。また、運転者が確認すべき車両周辺情報をより詳細に提示するために、経路案内情報は、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された車両周辺映像よりも詳細とする縮尺でディスプレイ装置15に表示させるのが望ましい。
【0031】
さらにまた、表示画面合成部14は、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離に応じて表示内容を変化させることが望ましい。具体的には、表示画面合成部14は、例えば図7中、交差点までの距離X1,X2のように、交差点等の分岐点進入位置までに余裕がある場合には、車両周辺映像61に対して、経路案内情報として曲がる方向の矢印62を重畳表示させる。これにより、運転者に、車両が曲がるべき方向を直感的に把握させる。そして、表示画面合成部14は、交差点までの距離X3のように分岐点の直前では、経路案内情報としての矢印62を縮小するように表示画面を切り替える。
【0032】
これにより、車両が分岐点の手前で一旦停止した際に、運転者が交差点で、例えば左右から接近する歩行者や車両を確認することを促すことができる。
【0033】
なお、表示画面合成部14は、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離に応じて表示内容を変化させる例として、他の表示形態を採用しても良い。例えば、表示画面合成部14は、車両が交差点等の分岐点に接近するほど、車両周辺映像に対して重畳表示している経路案内情報が目立たなくなるように変化させてもよい。
【0034】
具体的には、表示画面合成部14は、例えば図8に示すように、車両が分岐点に接近するほど、車両周辺映像71に対して重畳表示する経路案内情報としての矢印72の表示濃度を薄くする。例えば、表示画面合成部14は、図9に示すように、車両の現在位置から分岐点までの距離に応じて、経路案内情報としての矢印72a、72b、72cといったようにの表示濃度を連続的に変化させる。例えば、交差点に進入するために減速開始する程度の距離X1から矢印72の濃度を低くし、交差点に差し掛かる直前の距離X3では矢印72の濃度を最低値にする。
【0035】
なお、表示画面合成部14は、車両の現在位置から分岐点までの距離に応じて、経路案内情報としての矢印72の表示濃度を段階的に変化させるようにしてもよい。また、表示画面合成部14は、車両の現在位置から分岐点までの距離ではなく、分岐点に到達するまでの到達予想時間に応じて、経路案内情報としての矢印72の表示濃度を変化させるようにしてもよい。
【0036】
これにより、車両用ナビゲーション装置においては、分岐点手前で一旦停止した際に、運転者が交差点周囲の状況を確認しやすくなる。
【0037】
また、表示画面合成部14は、車両周辺映像に対して重畳表示している経路案内情報が目立たなくなるように変化させる例として、例えば図10に示すように表示しても良い。この場合、車両が距離X1,X2,X3といったように分岐点に接近するほど、車両周辺映像81の大きさに対して、経路案内情報82a、82b、82cといったように、表示範囲を連続的又は段階的に縮小していくようにする。なお、図10においては、経路案内情報82の縦方向のみを縮小する様子について示しているが、表示画面合成部14は、経路案内情報82の縦横方向を同時に縮小するようにしてもよい。
【0038】
これにより、車両用ナビゲーション装置においては、分岐点に進入までに余裕がある場合には、車両周辺映像よりも経路案内情報の方をより確認しやすくし、分岐点の直前では周囲確認に必要な車両周辺映像をより確認しやすくすることができる。
【0039】
なお、図7、図8及び図10に示した表示形態は、図5(a)、図5(b)及び図6に示したように、車両周辺映像と経路案内情報とを左右に分割して表示する場合に適用してもよい。
【0040】
さらに、表示画面合成部14は、車両周辺映像と経路案内情報との表示画面構成を、運転者がナビゲーション装置13によって設定した地図情報(経路案内情報)の表示画面の構成に近い構成に切り替えることもできる。
【0041】
具体的には、表示画面合成部14は、例えば図11(a)に示すように、地図情報の表示画面が縮尺の異なる2画面構成となっており、詳細図91が左側に位置し且つ広域図92が右側に位置しているとする。この場合、表示画面合成部14は、図11(c)のように経路案内情報101を左側に表示するとともに、車両周辺映像102を右側に表示するような表示画面データを生成する。また、表示画面合成部14は、図11(b)に示すように、詳細図91が右側に位置し且つ広域図92が左側に位置している場合には、図11(d)のように経路案内情報101を右側に表示するとともに、車両周辺映像102を左側に表示するような表示画面データを生成する。
【0042】
さらに、表示画面合成部14は、特に図示しないが、地図情報の画面設定が立体表示である場合には、車両周辺映像に対して経路案内情報としての矢印を重畳表示する表示画面を生成する。
【0043】
このように、車両用ナビゲーション装置においては、経路案内に使用する表示画面設定に対応した表示画面構成となるように、表示映像切り替え後の車両周辺映像及び経路案内情報の表示位置を決定する。これにより、地図情報から車両周辺映像へと表示内容が切り替わった場合であっても、運転者が経路案内情報を探しやすくすることができる。
【0044】
車両用ナビゲーション装置は、このような一連の手順にしたがって、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、運転者が交差点周囲の状況を確認しやすくする情報の表示制御を行うことができる。
【0045】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明の第1実施形態として示した車両用ナビゲーション装置によれば、車両が分岐点に接近した場合に、それまでにディスプレイ装置15に表示されていた映像に代えて、車両周辺映像と経路案内情報とを、1つの表示画面内で別個にディスプレイ装置15に表示させるような表示制御を行う。ここで、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両が分岐点に接近したことを判定する。
【0046】
したがって、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両周辺映像に対して経路案内情報を重畳表示させたままとしないことから、運転者に分かりやすい経路案内を行いつつ、交差点などの分岐点で周囲確認をしやすくすることができる。
【0047】
また、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両周辺映像の上下左右いずれかの方向に、経路案内情報を配置した表示画面構成でディスプレイ装置15に表示させる。これにより、経路案内情報に基づいて運転者が交差点周囲の状況を分かりやすくすることができ、車両周辺の映像と経路案内情報との双方を確認して運転を行わせることができる。
【0048】
さらに、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両の左右方向における車両周辺映像間に、経路案内情報を配置した表示画面構成でディスプレイ装置15に表示させる。これにより、運転者にとって視認しやすく、車両周辺映像と経路案内情報との双方を確認して運転を行わせることができる。
【0049】
さらにまた、この車両用ナビゲーション装置は、車両周辺映像よりも経路案内情報を詳細とする縮尺でディスプレイ装置15に表示させることから、運転者が確認すべき周辺の情報をより詳細に提示することができ、運転者が経路案内の内容を容易に把握することが可能となる。
【0050】
また、この車両用ナビゲーション装置は、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になるまでにディスプレイ装置15に表示されていた映像が、ナビゲーション装置13によって設定した表示画面構成からなる映像である場合には、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、その表示画面構成に対応した表示画面構成で、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された映像と経路案内情報とを、1つの表示画面内で別個にディスプレイ装置15に表示させることから、運転者が経路案内の内容を容易に把握することが可能となる。
【0051】
さらに、この車両用ナビゲーション装置は、車両周辺映像と経路案内情報とを合成してディスプレイ装置15に表示させる際に、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報の表示濃度を薄くしてディスプレイ装置15に表示させる。したがって、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離にかかわらず経路案内情報を同じ表示濃度でディスプレイ装置15に表示させるのではなく、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報の表示濃度を薄くし、車両周辺映像撮影処理部12によって撮像された映像に対して経路案内情報を目立たなくすることができる。そのため、この車両用ナビゲーション装置によれば、分岐点進入までに余裕がある場合には運転者が曲がる方向を直感的に把握することができ、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行いやすくなる。
【0052】
さらにまた、この車両用ナビゲーション装置は、車両周辺映像と経路案内情報とを合成してディスプレイ装置15に表示させる際に、車両が分岐点に接近するほど、車両周辺映像の大きさに対して、経路案内情報の表示範囲を縮小してディスプレイ装置15に表示させる。したがって、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離にかかわらず経路案内情報を同じ大きさでディスプレイ装置15に表示させるのではなく、車両が分岐点に接近するほど、経路案内情報の表示範囲を縮小し、車両周辺映像に対して経路案内情報を目立たなくすることができる。
【0053】
そのため、この車両用ナビゲーション装置によれば、運転者が分岐点までの距離に応じて経路案内情報を過不足なく把握することが可能となり、且つ、分岐点手前で一旦停止した際に、経路案内情報に基づいて運転者が交差点周囲の状況を分かりやすくすることができる。これにより、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとってわかりやすい経路案内を行うことができる。
【0054】
[第2実施形態]
つぎに、本発明の第2実施形態として示す車両用ナビゲーション装置について説明する。
【0055】
第2実施形態として示す車両用ナビゲーション装置は、第1実施形態のように運転者による手動操作に応じて車両周辺映像と経路案内情報とを表示するのではなく、自動的に車両周辺映像と経路案内情報とを表示するように切り替えるものである。したがって、この第2実施形態においては、第1実施形態にて説明した部位と同一部位については、それぞれ、同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0056】
[車両用ナビゲーション装置の構成及び動作]
本発明の第2実施形態として示す車両用ナビゲーション装置は、先に図1に示した車両用ナビゲーション装置と同一の構成とされる。このような車両用ナビゲーション装置は、表示画面合成部14により、車両が分岐点に接近し、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、車両周辺映像と経路案内情報とを、重畳せずに別個にディスプレイ装置15に表示させるような表示制御を行う。
【0057】
具体的には、表示画面合成部14は、図12に示すような一連の手順にしたがって、ディスプレイ装置15に対する映像の表示制御を行う。なお、この処理は、車両が分岐点に接近したときに行われるものであり、ナビゲーション装置13に実装されているメインプログラムによって一定時間間隔で呼び出されるものとする。
【0058】
まず、表示画面合成部14は、ステップS11において、ナビゲーション装置13によって測位された車両の現在位置と、進行方向の経路上で最も近い交差点等の分岐点までの距離や当該分岐点に到達するまでの到達予想時間と、車両の減速状況等のパラメータを取得する。そして、表示画面合成部14は、取得した車両の現在位置、到達予測時間、パラメータに基づいて、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になったか否かを判定し、車両周辺映像撮影処理部12を起動させるか否かを判定する。
【0059】
なお、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合における車両周辺映像撮影処理部12を起動させるか否かについての判定は、例えば特開2002−154375号公報や特開2001−43494号公報等に記載された手法を応用することができる。
【0060】
すなわち、表示画面合成部14は、ナビゲーション装置13から供給される車両の現在位置情報と地図情報とに基づいて車両の現在位置を把握すると共に、地図情報に基づいて分岐点までの距離が所定距離未満であるか否かに応じて分岐点付近を走行しているか否かを判定する。表示画面合成部14は、分岐点までの距離が所定距離以上である場合には、分岐点付近を走行していないものと判定し、車両周辺映像撮影処理部12を起動させずに、所定の分岐点接近フラグを“0”にリセットする。
【0061】
一方、表示画面合成部14は、分岐点までの距離が所定距離未満である場合には、分岐点付近を走行していると判定し、図示しない車速センサから供給される車速検出値を読み込み、読み込んだ車速検出値が予め設定された停止近傍の低車速設定値以下であるか否かを判定する。
【0062】
表示画面合成部14は、車速検出値が低車速設定値を超えている場合には、青信号の交通信号が存在する分岐点を通過する場合であるか優先道路を走行している場合であると判定し、車両周辺映像撮影処理部12を起動させずに、分岐点接近フラグを“0”にリセットする。また、表示画面合成部14は、車速検出値が低車速設定値以下である場合には、分岐点に徐行して進入する場合であると判定し、図示しない測距センサを作動させて車両の左右方向に存在する壁等の障害物までの距離検出値を読み込んだ上で、分岐点接近フラグが“1”にセットされているか否かを判定する。
【0063】
表示画面合成部14は、分岐点接近フラグが“0”にリセットされている場合には、左右の距離検出値が双方とも所定の設定値以上であるか否かを判定し、設定値以上である場合には、見通しが良好な分岐点に車両が接近していると判定する。これにより、表示画面合成部14は、車両周辺映像撮影処理部12を起動させずに、分岐点接近フラグを“0”にリセットしたままとする。一方、表示画面合成部14は、左右の距離検出値のいずれか一方が設定値未満である場合には、見通しが悪い分岐点に車両が接近していると判定する。これにより、表示画面合成部14は、分岐点接近フラグを見通しが悪い分岐点に接近している旨を示す“1”セットし、車両周辺映像撮影処理部12を起動させる。
【0064】
また、表示画面合成部14は、既に分岐点接近フラグが“1”にセットされている場合には、左右の距離検出値のいずれか一方が設定値未満である場合に、車両周辺映像撮影処理部12を起動させる。
【0065】
表示画面合成部14は、このようにして車両周辺映像撮影処理部12を起動させると、ステップS12において、ナビゲーション装置13によって経路案内情報を表示中であるか否かを判定する。表示画面合成部14は、経路案内情報を表示中でない場合には、ステップS14へと処理を移行し、ナビゲーション装置13による地図情報の表示を停止させ、車両周辺映像の表示に切り替える。
【0066】
一方、表示画面合成部14は、経路案内情報を表示中である場合には、ステップS13へと処理を移行し、第1実施形態にて説明したように、車両周辺映像と経路案内情報との双方を、1つの表示画面内で視認可能な表示画面とするように制御する。
【0067】
車両用ナビゲーション装置においては、このような一連の手順にしたがって、車両の現在位置から交差点等の分岐点までの距離が所定距離未満になった旨を自動的に判定し、運転者が交差点周囲の状況を確認しやすくなる情報の表示制御を行うことができる。
【0068】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明の第2実施形態として示した車両用ナビゲーション装置は、車両が分岐点に接近したことを判定する。このとき、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になったことを判定する。
【0069】
したがって、この車両用ナビゲーション装置によれば、車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった旨を自動的に判定することから、運転者が何ら操作を行うことなく、車両周辺映像と経路案内情報とを1つの表示画面内で別個にディスプレイ装置15に表示させることができる。そのため、この車両用ナビゲーション装置によれば、分岐点手前で一旦停止した際に、経路案内情報に基づいて運転者が交差点周囲の状況を分かりやすくすることができ、運転者が分岐点において車両周辺状況の確認を行う際に運転者にとって極めてわかりやすい経路案内を行うことができる。
【0070】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
11…車載カメラ
11a…広角カメラ
11b…カメラ
12…車両周辺映像撮影処理部
13…ナビゲーション装置
14…表示画面合成部
15…ディスプレイ装置
21…タッチパネル
22…スクロールキー
31…インストルメントパネル
32…スイッチ群
33…表示部
34…ステアリング
35…シフトレバー
41…経路案内情報
42L,42R…車両周辺映像
51,82,101…経路案内情報
52,61,71,81,102…車両周辺映像
62,72…矢印
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両周辺映像を撮像する車両周辺映像撮像手段と、
前記車両の経路案内を行う経路案内手段と、
前記車両が分岐点に接近した場合に、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内手段によって生成された経路案内情報とを1つの表示画面内に含めて表示手段に表示させる制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、前記車両が分岐点に接近したことを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像の上下左右いずれかの方向に、前記経路案内情報を配置させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された前記車両の左右方向の車両周辺映像間に、前記経路案内情報を配置させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像よりも前記経路案内情報を詳細とする縮尺で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になるまでに前記表示手段に表示されていた映像が、前記経路案内手段によって設定した表示画面構成からなる映像である場合には、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、前記表示画面構成に対応した表示画面構成で、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と前記経路案内情報とを、1つの表示画面内で別個に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になったことを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の車両用情報表示装置。
【請求項8】
車両周辺映像を撮像する車両周辺映像撮像手段と、
前記車両の経路案内を行う経路案内手段と、
前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内手段によって生成された経路案内情報とを合成して表示手段に表示させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記車両が分岐点に接近するほど、前記経路案内情報の表示濃度を薄くして前記表示手段に表示させることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項9】
車両周辺映像を撮像する車両周辺映像撮像手段と、
前記車両の経路案内を行う経路案内手段と、
前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内手段によって生成された経路案内情報とを合成して表示手段に表示させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記車両が分岐点に接近するほど、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像の大きさに対して、前記経路案内情報の表示範囲を縮小して前記表示手段に表示させることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項10】
表示手段に経路案内情報を表示して車両の経路案内を行っている時に、前記車両が分岐点に接近したことを検出し、
車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内情報とを1つの表示画面内に含めて表示手段に表示させること
を特徴とする車両用情報表示方法。
【請求項11】
表示手段に経路案内情報を表示して車両の経路案内を行っている時に、前記車両の現在位置から分岐点までの距離を検出し、
車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内情報とを合成して前記表示手段に表示させるときに、前記車両が分岐点に接近するほど、前記経路案内情報の表示濃度を薄くすること
を特徴とする車両用情報表示方法。
【請求項12】
表示手段に経路案内情報を表示して車両の経路案内を行っている時に、前記車両の現在位置から分岐点までの距離を検出し、
車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内情報とを合成して前記表示手段に表示させるときに、前記車両が分岐点に接近するほど、前記車両周辺映像の大きさに対して、前記経路案内情報の表示範囲を縮小すること
を特徴とする車両用情報表示方法。
【請求項1】
車両周辺映像を撮像する車両周辺映像撮像手段と、
前記車両の経路案内を行う経路案内手段と、
前記車両が分岐点に接近した場合に、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内手段によって生成された経路案内情報とを1つの表示画面内に含めて表示手段に表示させる制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、前記車両が分岐点に接近したことを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像の上下左右いずれかの方向に、前記経路案内情報を配置させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された前記車両の左右方向の車両周辺映像間に、前記経路案内情報を配置させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像よりも前記経路案内情報を詳細とする縮尺で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になるまでに前記表示手段に表示されていた映像が、前記経路案内手段によって設定した表示画面構成からなる映像である場合には、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になった場合に、前記表示画面構成に対応した表示画面構成で、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と前記経路案内情報とを、1つの表示画面内で別個に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両の現在位置から前記分岐点までの距離が所定距離未満になったことを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の車両用情報表示装置。
【請求項8】
車両周辺映像を撮像する車両周辺映像撮像手段と、
前記車両の経路案内を行う経路案内手段と、
前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内手段によって生成された経路案内情報とを合成して表示手段に表示させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記車両が分岐点に接近するほど、前記経路案内情報の表示濃度を薄くして前記表示手段に表示させることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項9】
車両周辺映像を撮像する車両周辺映像撮像手段と、
前記車両の経路案内を行う経路案内手段と、
前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内手段によって生成された経路案内情報とを合成して表示手段に表示させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記車両が分岐点に接近するほど、前記車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像の大きさに対して、前記経路案内情報の表示範囲を縮小して前記表示手段に表示させることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項10】
表示手段に経路案内情報を表示して車両の経路案内を行っている時に、前記車両が分岐点に接近したことを検出し、
車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内情報とを1つの表示画面内に含めて表示手段に表示させること
を特徴とする車両用情報表示方法。
【請求項11】
表示手段に経路案内情報を表示して車両の経路案内を行っている時に、前記車両の現在位置から分岐点までの距離を検出し、
車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内情報とを合成して前記表示手段に表示させるときに、前記車両が分岐点に接近するほど、前記経路案内情報の表示濃度を薄くすること
を特徴とする車両用情報表示方法。
【請求項12】
表示手段に経路案内情報を表示して車両の経路案内を行っている時に、前記車両の現在位置から分岐点までの距離を検出し、
車両周辺映像撮像手段によって撮像された車両周辺映像と、前記経路案内情報とを合成して前記表示手段に表示させるときに、前記車両が分岐点に接近するほど、前記車両周辺映像の大きさに対して、前記経路案内情報の表示範囲を縮小すること
を特徴とする車両用情報表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−185783(P2010−185783A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30174(P2009−30174)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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