説明

車両用情報表示装置

【課題】停止時間に合わせて適切な長さのコンテンツを表示できるようにする。
【解決手段】車両Vが、信号機の表示にしたがって停車されるときの停止時間が予測される。選択されたコンテンツが、予測された停止時間の長さと対応するように再構成される。再構成されたコンテンツが、表示画面1に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両においては、ナビゲーション用等の表示画面を利用して、運転者に動画等のコンテンツを提供することが提案されている。特許文献1には、走行中においては音声のみを提供する一方、停車中にはハイライトシーンを表示画面に表示させることが提案されている。また、特許文献2には、早送り動画映像を表示画面に表示させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−11312号公報
【特許文献2】特開2005−293168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
停車中に動画を含むコンテンツを表示画面に表示させることは、運転中の楽しみを増大させたり各種の情報を入手する等の点では好ましいものである。しかしながら、停止時間は常に変動するものであり、例えばある信号機での停止時間は例えば20秒というように比較的短い一方、次の信号機での停止時間は例えば60秒というように比較的長くなる等のことがある。このため、停止時間中にあるコンテンツを表示画面に表示した場合、コンテンツの長さに対して停止時間が短かすぎるとコンテンツの再生が完了しないことになり、逆に停止時間が長すぎると停止途中であるにもかかわらずコンテンツの再生が終了してしまうことになり、停止時間を有効に利用したコンテンツの表示という点で好ましくない。
【0005】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、停止時間に合わせて適切な長さのコンテンツを表示できるようにした車両用情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
車両が停止状態であることを判定する停止判定手段と、
動画を含むコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
運転者に目視可能な位置に設けられ、前記停止判定手段によって車両が停止状態であることが判定されたとき、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツを表示する表示手段と、
車両の進路上に設置されている信号機の表示状態に関する情報を取得する信号機情報取得手段と、
前記信号機情報取得手段で取得された情報に基づいて次の停止時間を予測して、該予測された停止時間に合わせて前記表示画面に表示するコンテンツの内容を再構成する再構成手段と、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、あらかじめ信号機での次の停止時間を予測して、この予測された停止時間に対応してコンテンツの内容を再構成した後、次の停止時間中に再構成されたコンテンツを表示画面に表示するので、停止時間に合わせて適切な長さのコンテンツの提供となり、停止時間を有効に利用したコンテンツの提供を行うことができる。また、停止時間に合わせた長さのコンテンツが表示されるということは、コンテンツの内容を過不足なく全て運転者に提供することができることになり、このため交通情報等の各種情報を運転者に確実に提供する上で好ましいものとなる。
【0007】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記停止時間の予測が、車両に搭載されたナビゲーション装置で設定された目的地までの経路と、前記信号機情報取得手段で取得された信号機の表示切替のサイクル情報と、前走車の有無と、自車両の車速と、に基づいて行われる、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、次の停止時間を予測を精度よく行う上で好ましいものとなる。
【0008】
次の停止時間中に表示するコンテンツの内容をあらかじめ予告する予告手段をさらに備えている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、あらかじめ次に表示されるコンテンツの内容が予告されるので、実際にコンテンツが表示されたときに、その内容を運転者に即座に理解させる上で好ましいものとなる。
【0009】
車両に搭載されたナビゲーション装置に設定された目的地に到着するまでの経路において通過する全ての信号機での停止時間を予測し、目的地に到達するまでの予測総停止時間に基づいて長編のコンテンツを分割するように再構成して、該再構成によって分割されたコンテンツが各停止時間毎に順次表示される、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、長編のコンテンツを停止時間を有効に利用して運転者に提供することができる。
【0010】
前記コンテンツの再構成が、配信基地局に設置されたサーバ装置によって行われ、
前記再構成されたコンテンツが、前記サーバ装置側から無線通信によって車両に提供されて前記記憶手段に記憶される、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、車両側の負担を小さくする上で好ましいものとなる。
【0011】
コンテンツの再構成が、再生速度の変更、ストーリーの順番の入れ替え、優先度の低いシーンの省略、ハイライトシーンの抽出、コンテンツの変更の少なくとも1つあるいは2以上の組み合わせによって行われる、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、再構成の具体的な態様が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、停止時間に合わせた適切な長さのコンテンツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明が適用された車両の一例を示す側面図
【図2】本発明による制御系統例をブロック図的に示す図。
【図3】コンテンツの例を示す図。
【図4】次の停止時間の予測例を図式的に示す図。
【図5】表示画面への地図情報の表示例を示すもので、信号機の手前を走行中の場合を示す図。
【図6】図5の状態から次に信号機で停車されたときの表示画面での表示例を示すもので、コンテンツの表示例と次の停止時間で表示されるコンテンツの内容の予告例を示す図。
【図7】図6の状態から走行状態へと移行したときの地図情報の表示例を示す図。
【図8】図7の状態から次に信号機で停車されたときの表示画面での表示例を示すもので、コンテンツの表示例と次の停止時間で表示されるコンテンツの内容の予告例を示す図。
【図9】本発明の制御例を示すフローチャート。
【図10】表示画面へのコンテンツの別の表示例を示すもので、図6に対応した図。
【図11】表示画面へのコンテンツの別の表示例を示すもので、図8に対応した図。
【図12】本発明の別の制御例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1において、車両Vは、後述するコントローラUの他、ナビゲーション装置用の表示画面(モニタ)1,ナビゲーション用のGPSアンテナ2を有する(ナビゲーション装置本体は図示略)。表示画面4は、例えばインストルメントパネルの中央部位置等の運転者から目視し易い位置に設けられている。実施形態では、表示画面4は、ナビゲーション用の表示画面とされているが、フロントウインドガラスの前方に映像を映し出すウインドシールドモニタや、インストルメントパネル等に設けた空調やオーディオ操作用の操作部を表示するためのモニタであってもよい。コントローラUは、マイクロコンピュータを利用して構成されて、後述するように、表示画面1での表示内容を適宜変更制御する。
【0015】
車両Vは、無線通信手段3、4を有している。この無線通信手段3を介して、交通管制用の基地局K1と無線通信可能とされている。基地局K1は、個々の信号機の表示状態の切替時間に関する情報を配信しており(いわゆるDSSS機能)、これにより、車両Vは、その進行方向にある信号機がどの時刻タイミングでその表示状態が切替えられるかの情報を取得可能となっている。例えば、現在停車している直前の信号機が停止表示状態(赤信号状態)から、発進可能となる通過可能表示状態(青信号状態)に切替わる時刻が入手可能となっている。なお、基地局K1側の送受信手段を各信号機に設置して、車両Vの無線通信手段3との送受信を近距離でもって可能とすることもできる。
【0016】
無線通信手段4は、実施形態ではインターネットを利用して通信を行うようになっており、この無線通信手段4を介して、動画を含むコンテンツの配信先となるコンテンツ用基地局K2と無線通信可能とされている。基地局K2は、車両V側からの要請に応じて、動画を含む各種コンテンツを配信するもので、コンテンツとしては、映画、スポーツ、ドラマ等の娯楽趣向のものや、ニュース、交通情報、安全運転情報、天気情報、詳細地図情報、近辺の各種施設情報等の各種情報を配信可能となっている。コントローラUは、配信を受けたコンテンツを図2に示す記憶手段20に一時的に記憶して、停車中であることを条件として、コンテンツを表示画面1に表示する。なお、コンテンツは、基地局K2から配信されたものに限らず、運転者が持ち込んだDVD等の各種記憶媒体に記憶されているコンテンツであってもよい。
【0017】
図2は、本発明による制御系統例を示すものである。この図2において、コントローラUには、前述したGPSアンテナ2からの信号、無線通信手段3,4を介しての情報が入力される他、無線LAN10を介して、車速センサ11からの車速信号、ブレーキセンサ12からのブレーキ操作信号が入力される。無線通信部3からの信号機情報は、信号サイクル情報受信部21で取得されて、この取得データが交通状況データ作成処理部22に入力される。停車判定部21は、車速が0かつブレーキペダルが踏み込み操作されているとき停車であると判定して、その判定結果を交通状況データ作成処理部22に出力する。また、発進判定部23は、車速が0でないかあるいはブレーキペダルが踏み込み操作されていないときは、発進(走行)時であるとして、その判定結果を交通状況データ作成処理部22に出力する。
【0018】
GPSアンテナ2からの信号は、自車位置判定処理部26に入力されて、この自車位置判定処理部26によって、自車位置が正確に判定され、この判定結果が送信データ作成処理部27に出力される。この送信データ作成処理部27には、前述した交通状況データ作成処理部22からの出力も入力される。送信データ作成処理部27は、無線通信手段4を介して、基地局K2に対して、信号機サイクル情報等を送信する。これに応じて、基地局K2は、後述するように、次に車両Vが停車する停止時間を予測して、この予測した停止時間に応じた長さとなるようにコンテンツを再構成して、再構成したコンテンツを無線通信手段4を介して車両V(のコントローラU)に送信する。基地局K2から送信された再構成されたコンテンツが記憶手段20に一時的に記憶されて、次の信号機で停車したとき、記憶手段20に記憶されているコンテンツが表示画面1に表示される。なお、実施形態では、コンテンツの内容を予告する予告コンテンツも合わせて基地局K2で作成、配信されて、停車中に表示されているコンテンツに重畳させて予告コンテンツが表示画面1に表示されるようになっている。表示画面1の表示内容を切替制御するための表示制御処理部25によって、停車中は表示画面1にコンテンツの表示が行われ、走行中は通常表示(実施形態ではナビゲーション用の地図表示)が行われる。
【0019】
基地局K2でのコンテンツの選択や再構成について説明する。まず、図2に示すように、基地局K2(のサーバ装置)は、ハードディスク等の大容量の記憶媒体に、多数種で多数のコンテンツがデータベース31としてが記憶されている。データベース31の一例(一部)が、例えば図3に示される。各コンテンツは、その再生時間と緊急度と重要度とが対応付けて記憶されている。
【0020】
基地局K2は、交通状況収集部32を有して、この交通状況収集部32に、無線通信手段4を介して車両Vからの交通状況や、同様にして他の多数の車両からも交通状況が取得される。取得された交通状況は、交通状況解析部33によって、コンテンツの配信を要求する車両Vがその進行方向にある信号機で次に停車されるときの停止時間を予測する。この予測された停止時間に基づいて、コンテンツ再構成・配信部35が、コンテンツの選択と選択されたコンテンツを予測された停止時間に応じた長さに再構成して、車両Vに配信する。コンテンツの選択は、予測された停止時間以上の長さでかつ予測停止時間に近いものを選択したり、あるいは緊急度の高い順や、重要度の高い順に選択する等、適宜選択できる。また、車両V(の運転者)からの要請に応じたジャンルのコンテンツを優先的に選択するようにしてもよい。また、コンテンツ再構成・配信部35は、コンテンツの再構成と共に、次に提供されるコンテンツの内容を予告するための短い予告コンテンツ(静止画でもよい)も合わせて作成して、車両Vに配信する。
【0021】
コンテンツの再構成は、例えば次のような各種の手法を、1つあるいは2以上組み合わせせて行うことができる。すなわち、再構成の手法として、再生時間の調整(ゆっくり再生する場合や、早く再生する場合の両方あり)、ハイライトシーンの抽出、ストーリーの順番の入れ替え、一部のシーンの省略等がある。
【0022】
車両Vの信号機での次の停車時間の予測は、実施形態では、車両Vで設定されたナビゲーション装置において設定された目的地までの経路と、基地局K1からの信号機表示切換時刻に関する信号機情報と、車両Vの前方を走行する前走車の有無と、車両Vの車速とに基づいて行われる。この停止時間の予測を図4を参照しつつ説明すると、図4の横軸は時間、縦軸は目的地経路に沿った信号機間隔毎の距離である(信号機に対応した停止線位置までの距離)。この図4において、いま停止線T1において、車両Vが停車されているが、その前方に前走車VX1、VX2、VX3が位置している(このような状況は、他車両からの位置情報の取得によって得られる)。
【0023】
各車両V、VA1〜VX3が発進して、目的地経路上の次の信号機での停止線位置T2までの移動軌跡がVZ、VZ1〜Z3で示される。停止線位置T1でもっとも前方の前走車VX1は、もっとも早いタイミングで発進できると共に、前方車両に邪魔されることなくスムーズに走行されて、次の停止線位置では信号機によって停車されることなく、そのまま通過されるものと予測される。停止線位置T1で先頭から2番目の車両VX2は、停止線位置T2では、信号機によって停車されるが、もっとも先頭位置となる、停止線位置T1で先頭から3番目の車両VX3と車両Vは、2番目の車両VX2と同じような移動軌跡をたどり、車両Vは、停止線位置T2では先頭から3番目の位置で停車されると予測される。車両Vが停止線位置T2に到達する時刻が予測され、また停止線位置T2での信号機の表示切換タイミングが基地局K2から得られているので、車両Vが停止線位置T2で停車している停止時間が予測される。そして、この予測された車両Vについての予測停止時間に基づいて、コンテンツの再構成が行われる。
【0024】
図5〜図8は、車両Vが走行と停車とを繰り返す際の表示画面1での表示内容の変化例を示す。まず、図5は、走行中であり、ナビゲーション装置の地図情報が表示されて、車両Vに対応した地図上の位置がVPとして示される。なお、車両Vは、図5右方向に走行している状態が示される。車両Vが信号機の表示にしたがって停車すると、予測停止時間に応じた長さの再生時間、緊急度または重要度に応じたコンテンツ(例えば、図6に示すように、図3の緊急度=高で、重要度=中の、ナビゲーションによって設定されている目的地経路上の所定地点に設定されている路上カメラによる所定地点の交通状況/渋滞情報を示す動画)が表示画面1に表示される。このとき、次に停車されるときに表示されるコンテンツの内容が例えば画面右上に予告表示される。
【0025】
図6の状態から、発進されて次の走行中は、図7に示すように、ナビゲーション装置による地図表示に切替えられるが、図5の場合に比して、車両Vの位置VPが、図5の場合よりも右方に移動しているものとなる。図7の状態から、次に信号機の表示にしたがって、停車すると、図8に示すように、図6で予告表示された図3の緊急度=低で、重要度=低のニュースが表示画面1に表示される。以後は、同様のことが繰り返されることになる。停車中に表示画面1に表示されるコンテンツは、停止時間の長さに応じた長さに再構成されているので、停車時間を全て有効に利用して、コンテンツを運転者に対して的確に提供することができる。なお、発進の際の前方状況の確認を運転者に促すために、予測される発進時刻の若干前(残り停車時間に相当するもので例えば3〜5秒)にはコンテンツの再生が全て終了するように、コンテンツの長さを再構成するようにしてもよい。
【0026】
図9は、基地局K2での制御例を示すフローチャートである。このフローチャートについて説明するが、以下の説明でSはステップを示す。まず、S1において、車両Vが停車しているか否かが判別される(停車の有無は、車両V側から無線通信手段4を介して取得)。このS1の判別でNOのときはS1の判別が繰り返される。S1の判別でYESのときは、S2において、車両Vの停止位置(信号機に対応した停止線位置を基準とした位置)が取得される。この位置情報の取得も、無線通信手段4を介して車両V側から取得される。
【0027】
S2の後、S3において、次に信号機で停車される位置および停止時間Tsが予測される。この後、S4において、次回提供可能なコンテンツ情報の取得が行われた後、S5において、次回提供するコンテンツが選択されて、配信される(選択、配信されるコンテンツは、予測された停止時間Tsに応じた長さにコンテンツが再構成されたものとされる)。S5の後、S6において、次回提供するコンテンツの予告コンテンツが作成されて、車両Vに配信される。
【0028】
図10、図11は、映画、ドラマ、アニメ等の長編のコンテンツを「起・承・転・結」の4つに分けて、停車時間毎に順次表示画面1に表示させるようにした場合を示し、図6に対応した図10は「起」の部分を表示画面1に表示した例を示し、図8に対応した図11は、「承」の部分を表示画面1に表示した例を示す。図示を略すが、「転」、「結」の部分も、同様にして、以後の停車時間毎に表示画面1に表示される。「起」、「承」、「転」、「結」の各部分を、停止時間に合わせてさらに短い部分に分割するように再構成して、例えば「起」の部分を3回の停車時間で表示し終わるようにする等のこともできる。
【0029】
図12は、ナビゲーション装置において目的地設定されているときに、基地局K2において、目的地までの全ての停止時間を予測して、この合計の停止時間でもって1つの長編のコンテンツを提供するようにした場合の例を示す。すなわち、S11において、車両Vから目的地までの経路が取得され、S12において、目的地経路上の全ての信号機情報(表示切換時刻)が取得される。なお、目的地経路上の全ての信号機情報の取得は、基地局K1から取得することができる。
【0030】
S12の後、S13において、目的地経路上の他車の走行状況、特に車両Vよりも先行して目的地に向けて走行している他車両の走行状況が取得される。この後、S14において、他車両の信号機での停車状況から、車両Vが目的地に到達するまでに停車される信号機の位置やその停止時間が予測され、各停止時間の予測値を合計することにより、目的地に到達するまでに停車する合計停止時間が算出される。この後、S15において、合計停止時間に応じた長さの長編のコンテンツが選択され、選択された長編のコンテンツを各信号機での停止時間に応じた多数の分割コンテンツに再構成する。この再構成の際、分割コンテンツの長さは、個々の予測された停止時間に応じた長さとなるようにすることができる。この後、S16において、S15で再構成された分割コンテンツが、次の停車に合わせて車両Vに提供される。
【0031】
S15でのコンテンツの再構成例について、例えば、個々の停止時間が1分、2分、2分、3分、2分、2分、3分、1分、2分、2分というように10回であり、合計予測時間が20分であるとあると予測された場合について説明する。この場合、合計休止時間20分に応じて、それよりも長い30分の長編のコンテンツが選択されたとする。このときは、30分の長編コンテンツが、合計休止時間に対応した20分となるように再構成される(例えば重要度の低いシーンの省略等)。この再構成したコンテンツを、各停止時間毎に表示画面1に表示させるようにすることができる。この場合、停止時間の終了時点(発進時点)で、コンテンツの再生が区切りのよいものとはならない場合があるが、運転者は、次の停車時にその続きが提供されるということを理解しているので、20分に再構成されたコンテンツを停止時間毎に見ていくことに問題はないものである。また、別の手法として、上記30分のコンテンツを、各停止時間の終了時点で区切りのよいものとなるようにしつつ、コンテンツを10個に分割してもよい。この場合10個の分割コンテンツの合計再生時間が20分となるようにされて、ある分割コンテンツは省略シーンが存在するが、別の分割コンテンツでは省略シーンが存在しない等のこともある。長編の1つのコンテンツをまず合計停止時間に応じて再構成し(例えば省略等)、その後、各分割コンテンツが停止時間の終了時点で区切りのよいものとなるように再び各停止時間毎に再構成するようにしてもよい。
【0032】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。基地局K2の機能を全て車両V側に持たせるようにしてもよく、また、生のコンテンツのみ基地局K2から取得して、その他の停止時間の予測やコンテンツの再構成等を車両V側で行うようにしてもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として 表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、車両に搭載された表示画面を利用した情報表示装置として好適である。
【符号の説明】
【0034】
V:車両
K1:基地局(信号機情報配信)
K2:基地局(コンテンツ配信)
U:コントローラ
1:表示画面
2:GPSアンテナ
3,4:無線通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が停止状態であることを判定する停止判定手段と、
動画を含むコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
運転者に目視可能な位置に設けられ、前記停止判定手段によって車両が停止状態であることが判定されたとき、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツを表示する表示手段と、
車両の進路上に設置されている信号機の表示状態に関する情報を取得する信号機情報取得手段と、
前記信号機情報取得手段で取得された情報に基づいて次の停止時間を予測して、該予測された停止時間に合わせて前記表示画面に表示するコンテンツの内容を再構成する再構成手段と、
を備えていることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記停止時間の予測が、車両に搭載されたナビゲーション装置で設定された目的地までの経路と、前記信号機情報取得手段で取得された信号機の表示切替のサイクル情報と、前走車の有無と、自車両の車速と、に基づいて行われる、ことを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか1項において、
次の停止時間中に表示するコンテンツの内容をあらかじめ予告する予告手段をさらに備えている、ことを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
車両に搭載されたナビゲーション装置に設定された目的地に到着するまでの経路において通過する全ての信号機での停止時間を予測し、目的地に到達するまでの予測総停止時間に基づいて長編のコンテンツを分割するように再構成して、該再構成によって分割されたコンテンツが各停止時間毎に順次表示される、ことを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記コンテンツの再構成が、配信基地局に設置されたサーバ装置によって行われ、
前記再構成されたコンテンツが、前記サーバ装置側から無線通信によって車両に提供されて前記記憶手段に記憶される、
ことを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
コンテンツの再構成が、再生速度の変更、ストーリの順番の入れ替え、優先度の低いシーンの省略、ハイライトシーンの抽出の少なくとも1つあるいは2以上の組み合わせによって行われる、ことを特徴とする車両用情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−208984(P2011−208984A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74654(P2010−74654)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】