車両用操作入力システム
【課題】 複数種の操作方式による操作が可能な複合操作部において、現在有効とされている操作方式を直感的に判断でき、誤操作を防止することができる車両用操作入力システムを提供する。
【解決手段】 車両用操作入力システム1において、複数種の操作方式の操作が可能な操作デバイス2の操作体20への操作に対し、表示器3の画面表示と、操作体周辺の加飾用表示部(操作方式表示部)23A,23Bとの双方が連携して、有効とされた操作方式を示唆する。
【解決手段】 車両用操作入力システム1において、複数種の操作方式の操作が可能な操作デバイス2の操作体20への操作に対し、表示器3の画面表示と、操作体周辺の加飾用表示部(操作方式表示部)23A,23Bとの双方が連携して、有効とされた操作方式を示唆する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面表示を利用して操作入力がなされる車両用操作入力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車等の車両においては、ドライバーの前方に位置する表示装置の表示面上に描画された複数の選択領域(コマンドスイッチ)を、表示装置とは別位置に設けられた遠隔操作部の操作によってカーソルやポインタ等で選択し、決定入力をすることが可能な入力システムが存在する(特許文献1)。このような入力システムにおいては、遠隔操作部を運転席脇等のドライバーの手元に近い位置に配置しておくと、例えばドライバーによるブラインド操作がなされる場合に、ドライバーは運転姿勢を保ったままの状態で操作を行うことが可能となるため、使い勝手がよい。
【0003】
一方で、近年の車載機器においては、機能が複雑多様化しており、これらを効率的に使用できるよう、車両の操作部として、例えば回転操作、傾倒操作(揺動操作)、二次元スライド操作、プッシュ操作等といった複数種の操作方式を1つのデバイス上で実現した複合操作部が採用されることがある。これらは、例えば画面上に描画された複数の選択領域(コマンドスイッチ)をある操作方式の操作により選択し、その選択状態にて別の操作方式の操作により選択している領域に対応するパラメータ変更を行うといった形で適用されており、多数の機能に関する設定・実行操作が可能となっている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−252760号公報
【特許文献2】特開2009−176432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記のような複合操作部を採用するに際して、次のような課題がある。即ち、画面上の表示と、複合操作部側の操作との関係性が直感的に把握し難いという問題である。例えば、画面上に4つの操作画像(選択領域)が、画面中心に対し上下左右の十字方向に環状配置されているとする。このように表示されると、操作画像の十字状の配置から十字方向への傾倒操作と認識することもできるし、操作画像の環状の配置から回転操作と認識することもでき、どちらの操作方式にて操作画像を選択すればよいかが画面上からは分かりづらい。また、操作デバイス側を見ても、どちらの操作方式にて操作画像を選択すればよいかを知るすべはない。その結果、どの操作方式によって操作をしてよいかに戸惑う可能性があり、使い易さの点で問題が生ずる。
【0006】
本発明の課題は、複数種の操作方式による操作が可能な複合操作部において、現在有効とされている操作方式を直感的に判断でき、誤操作を防止することができる車両用操作入力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の車両用操作入力システムは、
表示手段と、
表示手段に画面表示される表示内容に対する操作を遠隔的に行うために、1つの操作体に対し互いの操作方向が異なる第一の操作方式と第二の操作方式による操作が可能とされた複合操作手段と、
表示手段に画面表示される表示内容に応じて、複合操作手段において有効となる操作方式を設定する操作方式設定手段と、
複合操作手段における操作体及びその周辺のいずれか又は双方に、第一の操作方式を示唆可能な第一の操作方式表示部と第二の操作方式を示唆可能な第二の操作方式表示部とを有する操作体側操作方式表示部と、
有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部を、残余の操作方式表示部よりも強調して表示させる操作体側操作方式表示制御手段と、
有効な操作方式として設定された操作方式を示唆する表示を、表示手段に実行させる画面側操作方式表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記本発明の構成によると、複数種の操作方式の操作が可能な複合操作手段の操作体への操作に対し、画面表示(GUI)と、操作体側の周辺加飾用の表示部(操作方式表示部)との双方に、有効とされている操作方式を連想させる表示がなされる。つまり、画面表示と操作体側の加飾とが連携して操作方式を認識させる表示がなされるので、ユーザーは有効とされた操作方式を直感的に認識できるのである。さらにいえば、ユーザーは画面に眼をやることでその表示内容から操作方式を認識できるとともに、実際に操作する際には、操作体側に目をやると、その操作方式における操作方向が表示されるため、実際に行いたい操作方向を容易に認識できるから、自分の望む操作を容易に行うことができ、使い勝手に優れる。
【0009】
本発明においては、有効な操作方式として設定された操作方式とは逆の操作方式による操作を規制するための操作規制手段を備えて構成することができる。これにより、有効設定されていない操作方式の操作が誤って操作されることが無くなる。
【0010】
本発明における操作体は、本体部と変形可動部とを有し、変形可動部が予め定められた第一状態と第二状態との間で状態を変形可能に構成できる。さらに、この構成の操作体は、変形可動部が第一状態にある場合には、第一の操作方式による操作が許容され、かつ第二の操作方式による操作が規制される一方、変形可動部が第二状態にある場合には、第二の操作方式による操作が許容され、かつ第一の操作方式による操作が規制されるように構成することができる。これにより、可動部の状態次第で、使用可能な操作方式を限定でき、誤操作を抑制可能となる。
【0011】
また、この構成において、本発明における操作規制手段は、有効な操作方式として設定された操作方式が第一の操作方式であれば変形可動部を第一状態とし、有効な操作方式として設定された操作方式が第二の操作方式であれば変形可動部を第二状態とするように構成できる。これにより、有効設定された操作方式のそうさのみ操作を限定することができ、誤操作を確実に防止できる。
【0012】
本発明の操作体において、変形可動部は、本体部に対する予め定められた第一位置と第二位置との間で往復動作可能であり、変形可動部が第一位置にある場合には、第一の操作方式による操作が許容され、かつ第二の操作方式による操作が規制される一方、変形可動部が第二位置にある場合には、第二の操作方式による操作が許容され、かつ第一の操作方式による操作が規制されるように構成できる。この場合、操作規制手段は、有効な操作方式として設定された操作方式が第一の操作方式に切り替わった場合には変形可動部を第一位置へと移動させ、有効な操作方式として設定された操作方式が第二の操作方式に切り替わった場合には変形可動部を第二位置へと移動させるように構成できる。これにより、単純な往復動作のみで、変形可動部による操作規制を実現できる。
【0013】
本発明における第一の操作方式は、操作体を、予め定められた回転軸線周りに回転させる回転操作方式とすることができる。また、本発明における第二の操作方式は、操作体を、該操作体に定められた所定の軸線が予め定められた基準軸線と一致する基準位置から、該基準軸線に垂直な方向へと移動させる移動操作方式とすることができる。なお、移動操作方式は、例えば、回転軸線を、基準軸線と一致する基準位置から傾斜変位させる形で、操作体を傾倒させることにより、該操作体を基準軸線に垂直な方向へと移動させる傾倒操作方式とすることができる。
【0014】
上記のように第一及び第二の操作方式として回転操作方式と移動操作方式とが設定されている場合、操作体は以下のように構成できる。即ち、操作体の本体部は、複合操作手段の筐体に設けられた、筐体内部に貫通する孔部から筐体外部に向けて突出し、その突出方向が回転軸線方向とされて回転操作方式による回転操作が可能となるよう配置されるように構成できる。他方、操作体の変形可動部は、本体部の回転軸線周りの相対回転を許容する一方で自身は筐体に対し非回転に設けられるとともに、本体部の突出先端側の部位を外周側から覆ってその外周面を隠匿する隠匿位置と、筐体側に移動して突出先端側の部位の外周面が露出する露出位置との間で往復移動可能とされ、隠匿位置にある場合には、筐体の表面との間に隙間を有し、操作体の傾倒が許容される一方、露出位置にある場合には、筐体表面との間で隙間を埋める接触部を有し、その接触部が移動操作規制部として機能する形で操作体の移動操作が規制されるように構成できる。この構成によると、変形可動部が隠匿位置にある場合、本体部の突出先端側の部位を外周側から覆ってその外周面が隠されてしまうため、回転操作を行うための把持部が露出していない状態となり、回転操作を行うことが物理的に不可能となる。また、変形可動部が隠匿位置にある場合、変形可動部と筐体の表面との間に隙間を有するため、操作体の傾倒操作は可能とされる。他方、変形可動部が露出位置にある場合、本体部の突出先端側の外周面が露出するので、その外周面を把持して本体部に対し回転操作を行うことが可能となる。また、変形可動部が露出位置にある場合、変形可動部と筐体の表面とが隙間の無い形で接触し、この接触によって操作体の移動操作を物理的に不可能となる。
【0015】
上記構成において、第一の操作方式が上記傾倒操作方式であった場合、変形可動部は、露出位置にある場合には、筐体表面との間で互いの平坦面同士が面接触し、その平坦面接触により操作体の傾倒が規制されるように構成できる。これにより、傾倒操作の規制を容易に実現できる。
【0016】
また、上記構成において、操作規制手段は、変形可動部を、隠匿位置と露出位置との間で移動させる駆動手段と、有効な操作方式として設定された操作方式が第一の操作方式に切り替わった場合には変形可動部が露出位置へと移動するように、有効な操作方式として設定された操作方式が第二の操作方式に切り替わった場合には変形可動部が隠匿位置へと移動するように、駆動手段を駆動する駆動制御手段と、を備えて構成することができる。これにより、傾倒操作方式が有効なときは傾倒操作のみが可能となり、回転操作方式が有効なときは回転操作のみが可能となるので、誤った別の操作方式の操作がなされることを確実に防ぐことができる。
【0017】
本発明において、第一の操作方式が上記回転操作方式で、第二の操作方式が移動操作方式(例えば傾倒操作方式)である場合には、回転軸線が、基準軸線と一致する基準位置から予め定められた3以上の特定の方向にのみ移動変位可能(例えば系支社変位可能)とされ、操作体を特定の方向のいずれかに移動(例えば傾倒)させるように構成できる。この場合、本体部における突出先端側の部位の先端面は、回転軸線に直交する円形とすることができ、他方、変形可動部の外縁は、特定の方向側にそれぞれ辺を有した多角形状とすることができる。回転操作時に把持される本体部の先端面は、常に外から視認できる部位であり、これが円形であることで、回転操作の操作動線が示されるから、回転操作方式を示唆することができ、回転操作方式の容易な連想に貢献する。他方、移動操作時に把持される変形可動部は、その外縁が、移動操作可能な操作方向と交差する辺(例えば直交する辺)を有する多角形形状とされることで、移動操作方式の操作方向を示唆することができ、移動操作方式及びその各移動操作方向の容易な連想に貢献する。
【0018】
本発明における変形可動部は、隠匿位置において、本体部を、その先端面を除く全ての面を露出しない形で嵌合させる、例えば孔部のような嵌合部を有して構成できる。これにより、操作体の本体部は、変形可動部が隠匿位置にあっても先端面が外部に露出した状態となるから、これが本体部になされる操作の操作方式を連想させる形状となっていれば、変形可動部が露出位置にあるときに可能となる操作方式を容易に連想することができる。
【0019】
本発明における画面側操作方式表示制御手段は、第一の操作方式表示部及び第二の操作方式表示部における表示状態を模倣した操作方式表示画像を、表示手段の表示面に表示させるものであってもよい。場合によっては、操作方式表示部の強調表示状態と同様となる画像を表示面上に表示するようにすれば、両者の関連性がより明確になり、ユーザーはより明確に操作方式及び操作方向を把握することが可能となる。
【0020】
本発明における複合操作手段において、操作体の周辺の筐体表面が、表示手段とは異なる操作方式表示用の表示手段を備えて構成することができる。この場合、操作体側操作方式表示制御手段が、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部を、残余の操作方式表示部よりも強調する形で、操作方式表示用の表示手段の画面表示させることができる。この場合、操作体側における操作方式表示の自由度が高くなり、より目を引く表示、よりデザイン的に個性のある表示を行うことが可能となる。また、表示面上に表示されている操作方式を示す画像と同じ画像を、操作方式表示用の表示手段においても表示することで、両者の関連性がより明確になり、ユーザーはより直感的に操作方式及び操作方向を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態である車両用操作入力システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の操作入力システムが搭載された車両の車室内内観図。
【図3A】図1の実施形態における第一の操作方式を説明する図。
【図3B】図1の実施形態における第二の操作方式を説明する図。
【図3C】図1の実施形態における第三の操作方式を説明する図。
【図4A】図1の実施形態において変形可動部が第一状態のときの操作デバイスの中央断面を簡略的に示す図。
【図4B】図1の実施形態において変形可動部が第二状態のときの操作デバイスの中央断面を簡略的に示す図。
【図5】操作方式を表示する処理の流れを説明するフローチャート。
【図6A】本実施形態における操作デバイス側の表示部を説明する斜視図。
【図6B】図6Aの表示機構を説明する図。
【図7A】本実施形態における画面表示の第一例。
【図7B】図7Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図8A】本実施形態における画面表示の第二例。
【図8B】図8Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図9A】本実施形態における画面表示の第三例。
【図9B】図9Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図10A】本実施形態における画面表示の第四例。
【図10B】図10Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図11A】本実施形態における画面表示の第五例。
【図11B】図11Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図12A】本発明において、操作方式のマニュアル設定を実施可能とする実施形態を説明するために操作デバイス2を簡略的に示した斜視図。
【図12B】図12Aの実施形態を説明するために操作デバイス2の中央断面を簡略的に示した断面図。
【図13A】本発明に適用可能な、上記実施形態とは異なる操作デバイス側の表示部による第一の操作方式表示部を説明する斜視図。
【図13B】本発明に適用可能な、上記実施形態とは異なる操作デバイス側の表示部による第二の操作方式表示部を説明する斜視図。
【図14A】本発明に適用可能な、図3の実施形態とは異なる操作デバイスを説明する斜視図。
【図14B】図14Aの操作デバイスが適用された際の画面表示例。
【図15A】本発明に適用可能な、図3及び図14Aの実施形態とは異なる操作デバイスを説明する斜視図。
【図15B】図15Aの操作デバイスが適用された際の画面表示例。
【図16】本発明における画面表示において上記表示例とは異なる例。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の操作装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態である車両用操作入力システムの構成を簡略的に示すブロック図である。図1における車両用操作入力システム1は、表示器(表示手段)3と、該表示器3の表示面30(図2参照)上に複数の選択領域(入力画像)を有した選択用画面300を表示させることが可能な表示制御部(主表示制御手段)13と、表示された選択用画面300内の複数の選択領域3Iを選択して決定入力するための操作デバイス(操作手段)2と、操作デバイス2の操作に基づく制御指令を外部の車載機器5に対し出力して、操作に応じた機器機能を実行させるとともに、操作デバイス2の操作に基づく表示指令を表示制御部に出力して操作に応じた表示切替を実行させる制御部10と、を備えて構成されており、車両における操作入力用の表示システムともいえる。
【0024】
表示器3は、例えば周知の液晶表示装置等を用いることができ、表示制御部13に接続しており、表示制御部13から出力される画像情報に基づいて表示面30に画面表示を実施する。
【0025】
表示制御部13は、自身の記憶部(メモリ)14又は自身と接続する外部記憶装置(図示なし)に、表示面30に表示される各種画面に対応付けた形で、それら画面を表示するための画像情報を記憶する画像情報記憶領域(画像情報記憶部)を備え、制御部10から表示切替指令信号が入力された場合に、当該表示切替指令信号に対応する画像情報を読み出して、表示面30の表示内容を切り替える。この画像情報記憶領域には、表示可能な複数の画面毎に画像情報が記憶されており、例えば、上記した選択用画面300を表示するための画像情報として、背景画像3Bを表示するための背景画像情報や、それら背景画像3B上に複数の入力画像3Cを重畳表示するための入力画像情報、各種選択用画面300において入力受付可能に設定されている操作方式を視覚的に示す補助画像3Dを表示するための補助画像情報、その他にも各種必要となる画像を表示するための情報(カーソルやポインタ等の画像情報やそれらの表示手法等)が、各画面に対応付けて記憶されている。
【0026】
操作デバイス2は、複数種の操作方式による操作をそれぞれ独立に実施可能に構成された複合操作部(複合操作手段)として構成される。本実施形態の操作デバイス2は、ユーザーにより操作される1つの操作体20を有し、該操作体20に対し互いの操作方向が異なる第一の操作方式による操作と第二の操作方式による操作とが可能とされている。また、図2に示すように、表示器3の表示面30とは異なる位置に設けられており、本実施形態においては、表示面30に画面表示される表示内容に対する操作を遠隔的に行うための遠隔操作手段として機能し、このような遠隔操作によって、表示面30に表示される選択領域(入力画像)3Iに対する選択・決定入力を遠隔的に行うことが可能とされている。
【0027】
本実施形態の操作デバイス2における第一の操作方式は、図3Aに示すように、操作体20を、予め定められた回転軸線z周りに回転させる回転操作方式であり、第二の操作方式は、図3Bに示すように、操作体20を、該操作体20に定められた所定の軸線(ここでは上記回転軸線z)が予め定められた基準軸線Zと一致する基準位置から、該基準軸線に垂直な方向へと移動させる移動操作方式である。本実施形態においては、これらの操作方式により、表示面30に複数表示される選択領域(入力画像)3Iを択一的に選択する選択操作が可能とされている。
【0028】
また、本実施形態の操作デバイス2は、第三の操作方式として、図3Cに示すように、上記基準軸線Zの軸線方向に押圧する押圧操作方式(押込み操作)が可能である。これにより、上記の第一又は第二の操作方式による操作によって選択された選択領域(入力画像)3Iに対し決定入力を行う決定入力操作が可能とされている。
【0029】
本実施形態における移動操作方式による操作(以下、移動操作ともいう)は、操作体20を、予め定められた基準位置から予め定められた複数の移動操作方向のいずれかに移動させる操作であり、それらの予め定められた特定の操作方向(以下、移動操作方向という)にのみ移動可能となるようガイドされる。ここでの移動操作は、基準軸線Zに対し垂直な十字状の4方向に向けて、操作体20を基準位置から移動させる十字方向操作である(十字操作方式)。なお、本発明における移動操作は、少なくとも操作体20が基準軸線Zに対し垂直な方向へ移動する操作であればよく、基準軸線Zに対し軸線zを平行に保持した形で操作体20を移動させる操作でもよいが、本実施形態においては、軸線zを、基準軸線Zと一致する基準位置から傾斜変位させる形で、操作体20を傾倒させることにより、該操作体20を基準軸線Zに垂直な方向へと移動させる傾倒操作(傾動操作)とされている(傾倒操作方式)。
【0030】
また、本実施形態の操作デバイス2は、上記移動操作方向として、車両前後方向と車両左右方向との4方向が定められており、それら操作方向のうち車両前後方向が表示器3の表示面30の上下方向に対応し、車両左右方向が表示器3の表示面30の左右方向に対応している。
【0031】
操作デバイス2の筐体200内には、操作体20への第一の操作方式による操作を検出する操作検出部20A、第二の操作方式による操作を検出する操作検出部20B、第三の操作方式による操作を検出する操作検出部20Cを備える。また、本実施形態の操作デバイス2は、操作体20が基準位置(中立位置)にて保持されるよう、操作に対する操作反力を付与する付勢手段(ばね部材等:図示なし)や反力付与手段(反力モータ等:図示なし)といった手段を備える。
【0032】
操作デバイス2の操作体20は、本体部21と変形可動部22とを有して構成され、図4A及び図4Bに示すように、変形可動部22が予め定められた第一状態(図4A参照)と第二状態(図4B参照)との間で状態を変化することができる。変形可動部22が第一状態にある場合には、第一の操作方式による操作が許容される一方で、第二の操作方式による操作が規制される。他方、変形可動部22が第二状態にある場合には、第二の操作方式による操作が許容される一方で、第一の操作方式による操作が規制される。操作デバイス2は、これらの変形駆動を実施するための変形駆動手段として、筐体200内に変形駆動部22Mを備える。
【0033】
本実施形態における変形駆動部22Mは、変形可動部22を第一位置(第一状態)と第二位置(第二状態)との間で往復動作させる進退駆動手段である。この場合の変形駆動部22Mの駆動源としては、モータやソレノイドなどを用いることが可能であり、ここでは、ソレノイドコイル22Sへの通電切替により往復動作する駆動ピン(芯材)22Pに対し変形可動部22が連結しており、変形可動部22は、該駆動ピン22Pと一体に動作する形で、本体部21に対する予め定められた第一位置P(第一状態)と第二位置Q(第二状態)との間で往復動作させている。なお、モータを用いる場合は、モータの回転出力を、減速機構を介して直線動作に変換して変形可動部22に伝達し、該変形可動部22を往復動作させる。
【0034】
ここで操作デバイス2の内部構造について、図4A及び図4Bに示す断面図を用いて簡略的に説明する。
【0035】
本実施形態の操作体20は、本体部21が、筐体200に設けられた該筐体内部に貫通する孔部(開口)200hから筐体外部に向けて突出し、その突出方向が回転軸線zの延出方向(回転軸線方向)とされて回転操作方式による回転操作が可能となるよう配置されている。本体部21の突出先端部210は、ユーザーにより押圧操作(第三の操作方式)される突出先端面210Cと、ユーザーにより回転操作(第一の操作方式)される外周面210Aとを有する。突出先端部210から下方(筐体内部側)に延出する軸部211は、筐体200の上面部に設けられた孔部(開口)200hを介して筐体内部に差し込まれる。筐体200内には、軸部211に形成された球面部202が配置されており、筐体200内に固定されている球面受け部(ホルダ)203の球面状の外表面203aにてこれを摺動可能に支持することにより、操作軸部201が筐体200に対して揺動自在に支承されるとともに、その揺動方向が予め定められた複数の方向(移動操作方向)に限られるよう、筐体200側にガイド部(図示なし)が設けられ、それらの操作方向への傾倒操作が可能とされている。
【0036】
筐体200内には基板200Kが固定されており、その基板200K上には、本体部21の軸部211(外周側軸部209)の下端側に形成された周方向に連続する凹凸部209b,209aを利用して本体部21の回転方向と回転操作量を検出する第一の操作検出部20Aと、本体部21(及び変形可動部)の傾倒操作の有無を検出する第二の操作検出部20Bと、本体部21の押圧操作の有無を検出する第三の操作検出部20Cと、が設けられており、これらの操作検出部20A,20B,20Cが基板200Kを介して制御部10に接続する。回転操作検出部をなす第一の操作検出部20Aは、例えば発光部と受光部とを有した周知の光学式センサとすることができ、筒状の外周側軸部209が回転した場合に発光部の光が凹部を透過し、凸部に遮断されるよう、発光部と受光部とを筒状の外周側軸部209の下端部の内外に配置し、受光部の受光状態の切り替わりを検出する。傾倒操作検出部(移動操作検出部)をなす操作検出部20Bは、本体部21への傾倒操作に伴い該本体部21と一体に傾倒する球面部202により押圧付勢されるタクトスイッチである。押圧操作検出部をなす操作検出部20Cは、本体部21への基準軸線Z方向への押圧操作に伴い本体部21の軸部211(内周側軸部208)の下端押圧付勢されるタクトスイッチである。
【0037】
他方、本実施形態の操作体20の変形可動部22は、本体部21の回転軸線z周りの相対回転を許容する一方で自身22は筐体200に対し非回転に設けられる。この変形可動部22は、本体部21の突出先端部210側の円筒状部位210を外周側から覆ってその外周面210Aを隠匿する隠匿位置Q(図4B)と、筐体側に移動して突出先端側の円筒状部位210の外周面210Aが露出する露出位置P(図4A)との間で往復移動可能とされる。変形可動部22が隠匿位置Qにある場合には、筐体200の表面200Aとの間に隙間Sを有し、操作体20の傾倒が許容される一方、変形可動部22が露出位置Pにある場合には、接触部220が筐体200の表面200Aとの接触し、その接触により操作体20の傾倒が規制される。
【0038】
本実施形態における変形可動部22は、本体部21を軸線zに対する外側から覆う筒状形状をなす。この変形可動部22は、隠匿位置Qにおいて、円筒形状をなす本体部21を外側から覆う筒状をなし、外周面220Aが傾倒操作(移動操作)時の把持部となる筒状先端部(上記接触部)220と、筒状先端部220から下方に(筐体内部側)に延出して筐体200の上面部に設けられた孔部(開口)200hを介して筐体内部に差し込まれる筒状軸部221と、を有する。筒状先端部220は、隠匿位置Qにおいて、円筒形状をなす本体部21が、その円形の先端面210Cを除く全ての面(外周面210Aを含む)を露出しない形で嵌合される嵌合孔(嵌合部)210hを、その中央部に有する。他方、筒状軸部221は、本体部21の球面部202や球面受け部(ホルダ)203を上方から覆う形で基板200Kに向かって延びる。筒状軸部221の可端部には、基板200K上に固定された変形駆動部22Mの駆動ピン(駆動体)22Sと一体に連結しており、変形駆動部22Mの駆動による駆動ピンの往復上下動に伴い、変形可動部22全体が上下方向に往復動作する。
【0039】
変形可動部22が隠匿位置Qにある場合、変形可動部22は、本体部21の先端面210Cのみが露出するように、該本体部21の突出先端部210を嵌合孔(嵌合部)210hに嵌合する。これにより、本体部21は、先端面210Cのみが露出し、回転操作をする際にユーザーの把持部となる外周面210Aが露出しない状態となり、ユーザーはその外周面210Aに触れることができず、回転操作不可状態となる。他方、変形可動部22が露出位置Pにある場合、変形可動部22は筐体200側に後退しており、本体部21の外周面210Aが露出するため、その外周面210Aを把持する(つまむ)形で回転させることが可能な回転操作可能状態となる。なお、このとき、変形可動部22と本体部21の先端面220C,210Cは同一平面をなす。
【0040】
また、変形可動部22が露出位置Pにある場合、変形可動部22は筐体200側に後退しており、筒状先端部220の下端面220が筐体200の表面200Aに面接触した状態となる。筒状先端部220の下端面220と、筐体200の表面(孔部(開口)200hの周辺の表面)200Aとは互いに面接触可能な平坦面であり、それらの平坦面200A,220Dが互いに面接触した状態となると、操作体20の傾倒変位(回転変位)はそれら平坦面200A,220D同士の面接触により妨げられ、傾倒操作不可状態となる。他方、変形可動部22が隠匿位置Qに位置する場合には、筐体200の表面200Aと筒状先端部220の下端面220との間には隙間Sが生じており、操作体20の傾倒変位を妨げるものはなく、傾倒操作可能状態となる。
【0041】
また、変形可動部22の先端面220Cの外縁は、操作体20の各移動操作方向側にそれぞれ辺を有した多角形状をなす。ここでは十字状の4つの移動操作方向を有するので四角形状をなす。このため、変形可動部22の外縁形状から、第二の操作方式(傾倒操作方式)の操作方向を連想させることが可能である。また、本体部21の先端面210Aは円形をなし、上記回転軸線zに直交する。このため、本体部21の外縁形状から、第一の操作方式の操作方向(回転操作方式)を連想させることが可能である。回転操作可能状態においては、円筒状の本体部21が変形可動部22から突出しており、本体部21の先端面210Cの円形の外縁形状がより強調された状態となるので、回転操作方式をより容易に連想させることができる。
【0042】
制御部10は、図示しないCPU,ROM,RAM等を有した周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、自身のメモリ12や図示しない外部記憶装置等の記憶部に記憶されたプログラムをCPUが実行する形で、各種の制御を実施する。また、制御部10は、他の車載機器5の制御部に対し、通信部11を介して車載LAN6によって接続しており、これらとの間でデータや制御信号の授受が可能である。また、制御部10は、操作デバイス2から受信する操作信号に基づいて、対応する制御を実行する制御実行手段として機能する。例えば、車載LAN6を介して接続されている車両空調装置(エアコン制御ユニット)5A、ナビゲーション装置(ナビ制御ユニット)5Bや、カーオーディオ(オーディオ制御ユニット)5C、その他の車載機器等の各種機能を、操作デバイス2への操作に応じて実行させることができる。
【0043】
ここで、制御部100が実行する画面切替処理について、図5を用いて説明する。なお、この処理は、終了後も所定周期で繰り返し実施される。
【0044】
制御部10は、操作デバイス2や他の操作部、さらには外部の車載機器5等の制御部からの表示切替要求信号の入力を受けた場合に(S1:Yes)、当該表示切替要求信号により要求された表示変化を実施させる表示切替指令信号を表示制御部13に出力する一方で(S2)、入力を受けた表示切替要求信号により表示が切り替わった後に有効に設定される操作方式を特定し、特定された操作方式を有効設定し、残余の操作方式を無効設定する(S3:操作方式設定手段)。表示と、有効・無効設定される操作方式との対応関係は、制御部10のメモリ12内の所定の記憶領域中に記憶されており、切り替わり後の表示が特定されるに伴いこれを読み出す形で対応する操作方式を設定する。なお、操作方式の有効設定・無効設定については、各操作方式に対応する操作検出部からの入力信号を有効化・無効化するものであってもよいが、本実施形態においては、各操作方式に対応する操作そのものが物理的に不可能となるように、制御部10が、有効な操作方式として設定された操作方式が第一の操作方式に切り替わった場合には変形可動部22が露出位置Pへと移動するように、有効な操作方式として設定された操作方式が第二の操作方式に切り替わった場合には変形可動部22が隠匿位置Qへと移動するように、変形駆動部22Mの駆動制御を実施する(駆動制御手段)。なお、上記の入力信号の有効化・無効化を上記変形駆動部22Mの駆動制御と共に実施してもよい。また、表示が切り替わる際に、操作デバイス2において操作体20及びその周辺のいずれか又は双方に設けられた第一の操作方式を示唆可能な第一の操作方式表示部23Aと第二の操作方式を示唆可能な第二の操作方式表示部23Bとのうち、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部23を、残余の操作方式表示部23よりも強調して表示させる操作体側表示指令信号を表示制御部13に出力する(S4:操作体側操作方式表示制御手段)。
【0045】
操作方式表示部23A,23Bは、図6Aに示すように、操作体20の周辺に設けられた操作デバイス2の装飾部である。本実施形態においては、操作体20を中心に筐体表面200A上に円形状をなして露出し、回転操作方式を示唆する第一の操作方式表示部23Aと、同じく操作体20を中心に筐体表面200A上に各移動操作方向側にてその移動操作方向を指示する方向指示図形状をなして露出し、移動操作方式を示唆する第二の操作方式表示部23Bとを有する。具体的には、図6Bに示すように、第一の操作方式表示部23Aは、操作体20の基準軸線Zを中心とする円環状のリング部23A1とその各移動操作方向側にて下方に延出する脚部23A2とを有したプリズム231Aと、各脚部の下方に位置する発光部(ここではLED)232Aとを有して構成される。発光部232Aが発光することにより、対応する脚部23A2と該脚部23A2を中心とするリング部23A1の一部の最表面230Aが発光状態となり、全ての発光部232Aが発光することでリング部23A1の円環状の最表面230A全体が発光状態となり、回転操作方式を示唆する円形の発光領域230Aが形成される。他方、第二の操作方式表示部23Bは、操作体20の基準軸線Zを中心に各々が各移動操作方向側を指示する図形形状(ここではそれぞれが十字方向外側を指示する三角図形形状)を有するプリズム231Bと、それら各プリズム231Bの下方に位置する発光部(ここではLED)232Bとを有して構成される。発光部232Bが発光することにより、対応するプリズム231Bが発光することにより、各移動操作方向側を指示するプリズム231Bの最表面230Bが発光状態となり、移動操作方式の操作方向を指示する、ひいてはその操作方式を示唆する発光領域23Bが形成される。
【0046】
他方、表示切替指令信号及び操作体側表示指令信号の入力を受けた表示制御部30は、入力された操作体側表示指令信号に対応する上記の操作方式表示部23の強調表示と同時に、入力された表示切替指令信号に対応する表示の切り替え制御を実行して、その表示面30の表示内容を切り替えるとともにその表示内容として、有効な操作方式として設定された操作方式を示唆する表示がなさせる(画面側操作方式表示制御手段)。つまり、表示面30における表示と操作体20側の加飾部23とが連携して、有効設定されている操作方式を認識させる表示を行う。
【0047】
以下、本実施形態における有効な操作方式として設定された操作方式を示唆する表示について、図7〜図11の表示例を用いて説明する。
【0048】
図7〜図11の画面301〜305は、1以上の選択領域3Iを有する選択用画面300である。具体的には、該表示面30上には、背景画像3B上に予め定められた複数の入力画像が重畳表示されており、それら入力画像が選択領域3Iとされている。操作デバイス2による選択操作がなされると、カーソル3Cが移動する形で表示が切り替わり、それら選択領域3Iのいずれかが選択される。さらに、カーソル選択された選択領域3Iに対する決定入力操作がなされるに伴い、当該選択領域3I(入力画像3C)に対応する制御を実施する。例えば、決定入力された選択領域3Iが現在の表示画面を別の画面に切り替える画面切替領域である場合、この決定入力により画面(表示)が切り替わる。
【0049】
なお、図7〜図11の画面301〜305では、表示が切り替わるごとに、選択用画面300上の各選択領域3I(入力画像3C)を選択させるための操作デバイス2の操作方式が設定されるとともに、設定された操作方式を連想させるために、当該操作方式における操作体20の操作動線を反映した補助画像3Dが、表示制御部13によって上記背景画像3B上に重畳表示される。これにより、選択用画面300が表示された際に、操作デバイス2のどの操作方式により選択操作を行えるのかを、補助画像3Dによって認識できる。
【0050】
また、制御部10は、各種の表示ごとに、選択操作に用いられる操作方式を対応付けた操作方式特定情報を自身のメモリ12に記憶しており、各画面の表示状態が切り替わるに伴い、新たな表示に対応する操作方式を設定する。なお、本実施形態においては、選択操作に用いられる操作方式については、回転操作方式と移動操作方式のいずれかが設定される一方、決定入力をさせるための操作方式については、第三の操作方式である押圧操作方式に固定的に設定されるものとする。
【0051】
図7Aは、移動操作方式が設定される画面301の表示例であり、十字状の4方向に選択領域(入力画像)3Iが配置され、上記操作方式特定情報に基づいて、選択操作に用いられる操作方式として移動操作方式が設定されている。また、画面中央部には、それら選択領域3Iを選択するための移動操作方向を示す操作方向画像330Bが、4つの移動操作方向毎に表示されている。これらの操作方向画像330Bが表示されることにより、ユーザーは移動操作方式による操作が可能であることを認識することができ、さらにはその移動操作方向を認識することができる。なお、図7Aにおいては、それら操作方向画像330Bの中央に、そのときの操作体20の先端面形状を反映した図形画像320(ここでは四角形画像320B)も表示されている。これにより、表示される画像320を操作体20のようにして認識でき、それに近接して表示される各操作方向画像330Bを、操作体20の具体的な操作方向として認識することができる。他方、図7Bは、図7Aの画面301が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22は上記の隠匿位置Qに位置している。また、表示面30の上下左右方向に対応する車両の前後左右方向の4つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bが発光状態となっている。他方、プリズム231Aのリング部23A1の最表面は非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部230Bが、無効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部230Aよりも強調して表示されている。
【0052】
図8Aは、移動操作方式が設定される画面の表示例であり、十字状の4方向のうち上下2方向に選択領域(入力画像)3Iが配置されており、その画面中央部には、それら選択領域3Iを選択するための移動操作方向を示す操作方向画像330Bが、それら2つの移動操作方向に表示されている。これら2つの操作方向画像330Bが表示されることにより、ユーザーは移動操作方式が設定されていることを認識することができ、さらにはそれら2つの移動操作方向を認識することができる。なお、図8Aにも、それら操作方向画像330Bの中央に、操作体20の先端面の形状(ここでは変形可動部22の先端面の外縁形状)を反映した図形画像320(ここでは四角形画像320B)が表示されている。他方、図8Bは、図8Aの画面302が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22が隠匿位置Qに位置している。表示面30の上下方向に対応する車両前後方向の2つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bが発光状態となっている。他方、プリズム231Aのリング部23A1の最表面230Aと、選択不可側(この場合は選択領域3Iが存在していない側)で移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bとが、非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された移動操作方式において、移動操作が有効となる側への移動操作方向に対応する操作方式表示部230Bが、移動操作が無効となる側への移動操作方向に対応する操作方式表示部230Bと、無効な操作方式として設定された回転操作方式に対応する操作方式表示部230Aとの双方よりも強調して表示されている。
【0053】
図9Aは、移動操作方式が設定される画面303の表示例であり、十字状の4方向に選択領域(入力画像)3Iが配置されており、それら選択領域3Iのうち1つがカーソル3Cによる選択状態となっている。そして、このカーソル選択状態の選択領域3Iには、残余の選択領域3Iを選択するための移動操作方向を示す操作方向画像330Bが、それらの移動操作方向側にそれぞれ表示されている。これら操作方向画像330Bが表示されることにより、ユーザーは移動操作方式が設定されていることを認識することができ、さらには現時点において操作可能な操作方向(移動操作方向)を認識することができる。他方、図9Bは、図9Aの画面303が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22が隠匿位置Qに位置している。表示面30の上下方向と右方向に対応する車両の前後方向と右方向の3つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bが発光状態となっている。他方、プリズム231Aのリング部23A1の最表面230Aと、選択不可側(この場合は、カーソル選択中の選択領域3Iに対し選択領域3Iが存在していない側)で移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bとが、非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された移動操作方式において、移動操作が有効となる側への移動操作方向に対応する操作方式表示部230Bが、移動操作が無効となる側への移動操作方向に対応する操作方式表示部230Bと、無効な操作方式として設定された回転操作方式に対応する操作方式表示部230Aとよりも強調して表示されている。
【0054】
図10Aは、移動操作方式が設定される画面304の表示例であり、円環上に複数の選択領域(入力画像)3Iが所定間隔おきに配置されており、それらを結ぶように円形状に表示された操作方向画像330Aが表示されている。円形状の操作方向画像330Bが表示されることにより、ユーザーは回転操作方式を認識することができる。なお、図10Aにおいては、円形状の操作方向画像330Aの中央に、操作体20における本体部21の先端面210Aの円形状を反映した図形画像320(ここでは円形画像320A)も表示されている。これにより、表示される操作方向画像330Aの形状から、同形状の先端面210Aを有する本体部21に対し回転操作が可能なことを認識することができる。なお、この画面304において、回転操作がなされた際には、カーソル位置は代わらず、表示面30上に環状表示された選択領域(入力画像)3Iが回転し、新たにカーソル位置にきた選択領域3Iが選択された状態となる。他方、図10Bは、図10Aの画面304が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22が露出位置Pに位置している。また、回転操作方向を示唆するプリズム231Aのリング部23A1の最表面230Aが発光状態となっている。他方、表示面30の上下左右方向に対応する車両の前後左右方向の4つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bは、非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部230Aが、無効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部230Bよりも強調して表示されている。
【0055】
図11Aは、移動操作方式が設定される画面305の表示例であり、円環上に複数の選択領域(入力画像)3Iが所定間隔おきに配置されており(ここでは上下左右の4方向)、それら選択領域3Iのうち1つがカーソル3Cによる選択状態となっている。そして、このカーソル選択状態の選択領域3Iの近傍にて、環状方向に隣接する選択領域3Iを選択するための回転操作方向を示す円弧状の操作方向画像330Aが表示されている。この操作方向画像330Aが表示されることにより、ユーザーは回転操作方式が設定されていることを認識することができる。なお、図11Aにおいては、円弧状の操作方向画像330Aの中心側に、操作体20の本体部21の先端面210Aの円形状を反映した図形画像320(ここでは円形画像320B)も表示されている。他方、図11Bは、図11Aの画面305が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22が露出位置Pに位置している。また、回転操作方向を示唆するプリズム231Aのリング部23A1のうち、カーソル選択状態の選択領域3Iに対応する側の最表面230Aが発光状態となっている。他方、回転操作方向を示唆するプリズム231Aのリング部23A1のうち、カーソルが非選択状態の選択領域3Iに対応する側の最表面230Aと、表示面30の上下左右方向に対応する車両の前後左右方向の4つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bとが、非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された回転操作方式において、実際にカーソル3Cが移動する側への発光部232Aのみが点灯し、残余の発光部232A,232Bが非点灯となっている。
【0056】
なお、図7〜図11中において強調された表示部23の表示領域230A,230Bには(R)を付している。
【0057】
上記表示例においては、第一の操作方式表示部23A及び第二の操作方式表示部23Bにおける表示状態を模倣した操作方式表示画像を、表示器3の表示面30に表示させている。具体的にいえば、上記の操作方式表示部23Aの表示領域230A,230Bと、上記の操作方向画像330A,330Bとは互いに類似の形状を有しており、図7〜図11においては相似の関係にあり、表示色も同じとされている。
【0058】
本実施形態における操作デバイス2は、表示面30に設けられるタッチパネルやそれに近接して配置されるメカニカルスイッチ等の主操作部よりもユーザーの操作負担が小さくなるよう、車室内の予め定められた座席により近い位置に補助操作部として配置される。ここでは、図2に示すように、運転席2Dと助手席2Pに座したユーザー(搭乗者)がそれら各座席の背もたれにもたれた着座状態のまま双方のユーザーが操作可能となる位置に設けられている。具体的にいえば、操作デバイス2は、車両の左右両座席(ここでは運転席2Dと助手席2P)の間に挟まれる領域(ここではセンターコンソール)Cに配置されている。他方、表示器3は、操作デバイス2よりも車両前方側にて、それら双方の座席2D,2Pに座したユーザーから視認可能な形で配置されている。
【0059】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
【0060】
上記実施形態においては、操作方式表示部23Aと第二の操作方式表示部23Bとを用いる形で、有効な操作方式として設定された操作方式を示唆しているが、図13A及び図13Bに示すように、操作ユニット2において、操作体20の周辺の筐体表面200Aとなる部分に、上記の表示器3とは異なる別の操作方式表示用の表示器6を設けて、その表示面60にて、上記の操作方式表示部に相当する画像23Cを、画面表示するようにしてもよい。つまり、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部に相当する画像を、残余の操作方式表示部に相当する画像(非表示であってもよい)よりも強調する形で、操作方式表示用の表示器6の表示面60内に表示させる構成としてもよい。
【0061】
また、上記実施形態において、有効となる操作方式の設定は、表示面30における表示内容に応じて決定されていたが、ユーザーによるマニュアル設定が可能であってもよい。操作体20に対し、上記操作方式とは操作方向が異なる他の種別の操作方式を可能に構成し、その操作方式による操作に基づいて操作方式を決定するようにしてもよい。例えば図12A及び図12Bに示すように、傾倒操作方式、回転操作方式、押圧操作方式とは独立に可能な操作として、操作体20全体を車両前後方向にスライドする操作を可能に構成するとともに、操作体20が車両前方側の所定位置にあるのか車両後方側の所定位置にあるのかを検出する位置検出部20Dを設け、操作体20が車両前方側の所定位置において検出されている場合には、制御部10が傾倒操作方式を有効に設定し、回転操作方式を無効に設定し、他方、車両後方側の所定位置において検出されている場合には、制御部10が、回転操作方式を有効に設定し、傾倒操作方式を無効に設定するように構成してもよい。なお、本実施形態の位置検出部20Dは、基板200K上の各所定位置に設けられた金属接点20D1と操作体20側の金属接点20D2とが設けられており、互いが接触して導通状態となっている側を、操作体20の現在位置として検出する。
【0062】
また、上記実施形態における操作体20は、複数種可能な操作方式として傾倒操作方式と回転操作方式と押圧操作方式が可能とされた構成となっているが、少なくとも2以上の操作方式が可能であればよく、他の操作方式とおきかえてもよいし、さらに操作方式の数が追加されていてもよい。
【0063】
例えば、図14Bに示す操作体20のように、上記実施形態と同様の移動操作方式が可能な本体部26に対し、例えばその先端面(上端面)27Tにタッチパネルやタッチパッド等のようなタッチ操作面を有したタッチ操作部27を設け、二次元平面のタッチ入力操作(タッチ面への接触操作や摺動操作)を可能に構成してもよい。この場合、例えば図14Aのような画面306を表示できる。図14Aの画面306は背景画像が地図画像であり、当該画面306の表示モードとして、当該地図画像を移動操作方式によって上下左右にスクロールするスクロールモードと、画面内に表示されている選択領域3Iへのタッチ入力操作により、当該選択領域3Iをカーソル3Cによる選択状態とすることができるタッチ入力モードとを有し、制御部10は、これらの表示モードを切り替えて設定することができる。図14は、タッチ入力モードが設定された表示状態であり、画面306上には、有効な操作方式として設定されたタッチ入力方式を示唆する画像320Cが表示されている。なお、ここでは、選択領域3Iが選択されると、その選択領域に対応する情報表示部3J(この場合、例えばテンポ情報等)が表示される。また、ここでの画像320Cは、タッチ入力を示唆できる指先画像である。一方で、スクロールモードが設定された場合には、有効な操作方式として設定された移動操作方式を示唆する画像(ここでは上述と同様の操作方向画像)330Bを出現させる。他方、操作デバイス2においては、タッチ入力モードが設定されているときには、タッチ操作部27のタッチ操作面(加飾用表示部23C)を発光状態とする。タッチ面を示すことにより、タッチ入力が示唆される。なお、スクロールモードが設定されているときには、上述の実施形態と同様、移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230B(加飾用表示部23B)が発光状態となる。
【0064】
また、図15Bに示す操作体20のように、上記実施形態と同様の移動操作方式が可能な本体部28に対し、例えばスクロール操作用のホイール部材29を設けて上記実施形態の回転操作方式とは回転方向の異なる別の回転操作を可能に構成してもよい。この場合、例えば図15Aのような画面307を表示し、有効な操作方式として回転操作方式(スクロール操作方式)を設定することができる。図15Aの画面307には、スクロール表示画像370が表示されており、スクロール表示画像370内には、所定のスクロール方向に選択対象となる画像3Hが並び、それらのうち、所定位置(ここでは画面中央)に位置する画像3Hがカーソル3Cによる選択状態となる。上記ホイール部材29の順方向又は逆方向への回転操作により、スクロール方向に並ぶ画像3Hを、順方向又は逆方向へと送ることができ、選択中の画像3Hを順次切り替えることができる。スクロール表示画像370は、上記ホイール部材29を斜視したかのような、筒状体の径方向端部が表現された立体表現画像であり、回転操作方式(スクロール操作方式)が有効設定されている場合には、立体表現された筒状体の径方向端部の画像の円弧状端部領域330Dが発光状態となる。これにより、回転操作方式(スクロール操作方式)と、その操作対象であるホイール部材29と、その操作方向とを示唆することができる。そして、このとき操作デバイス2においても、画面307の表示に対応するように(同様に見えるように)、本体部28から突出するホイール部材29のホイール幅方向の端部に設けられた環状のプリズムの最表面230D(加飾用表示部23D)が発光状態となる。これにより、回転操作方式(スクロール操作方式)と、その操作対象であるホイール部材29と、その操作方向とを、画面内容と一致する形で示唆することができる。
【0065】
また、図16は、上記実施形態において、例えば図7Aの画面が表示された場合と同様の操作方式が設定される画面例である。図16の画面は、例えば50音文字入力が面のように、多数の選択領域が配列表示された画面308であり、そのうち1つがカーソル3Cにより選択されており、上記実施形態のような移動操作方式により、そのカーソル3Cを、隣接する別の選択領域3Iへと移り変わる形で移動させる選択操作が可能となっている。このとき、選択中の選択領域3Iに隣接する他の選択領域3I上に重畳する形で、移動操作方式及び移動操作方向を示す操作方向画像330Bを表示している。この操作方向画像により、移動操作方式が設定されていること、さらには操作可能な方向(移動操作方向)を認識することが可能となっている。
【0066】
また、上記実施形態における操作デバイス2において、移動操作の操作方向は、上記のような十字状の4方向に限らず、例えば2方向等の4方向未満の方向や、8方向や6方向等のように5方向以上の方向であってもよい。ただし、基準位置から等間隔おきに放射状に延びるように設けられるとよい。そして、選択用画面300も、操作デバイス2の操作方向及び操作方向数に対応する形で選択領域3Iを配置する必要がある。
【符号の説明】
【0067】
1 車両用操作入力システム
2 操作デバイス(操作手段)
3 表示器
30 表示面
5 車載機器
10制御部
13 表示制御部
20 操作体
21 本体部
22 変形可動部
200 筐体
20A〜20C 操作検出部
22M 変形駆動部
P 第一位置(第一状態)
Q 第二位置(第二状態)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面表示を利用して操作入力がなされる車両用操作入力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車等の車両においては、ドライバーの前方に位置する表示装置の表示面上に描画された複数の選択領域(コマンドスイッチ)を、表示装置とは別位置に設けられた遠隔操作部の操作によってカーソルやポインタ等で選択し、決定入力をすることが可能な入力システムが存在する(特許文献1)。このような入力システムにおいては、遠隔操作部を運転席脇等のドライバーの手元に近い位置に配置しておくと、例えばドライバーによるブラインド操作がなされる場合に、ドライバーは運転姿勢を保ったままの状態で操作を行うことが可能となるため、使い勝手がよい。
【0003】
一方で、近年の車載機器においては、機能が複雑多様化しており、これらを効率的に使用できるよう、車両の操作部として、例えば回転操作、傾倒操作(揺動操作)、二次元スライド操作、プッシュ操作等といった複数種の操作方式を1つのデバイス上で実現した複合操作部が採用されることがある。これらは、例えば画面上に描画された複数の選択領域(コマンドスイッチ)をある操作方式の操作により選択し、その選択状態にて別の操作方式の操作により選択している領域に対応するパラメータ変更を行うといった形で適用されており、多数の機能に関する設定・実行操作が可能となっている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−252760号公報
【特許文献2】特開2009−176432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記のような複合操作部を採用するに際して、次のような課題がある。即ち、画面上の表示と、複合操作部側の操作との関係性が直感的に把握し難いという問題である。例えば、画面上に4つの操作画像(選択領域)が、画面中心に対し上下左右の十字方向に環状配置されているとする。このように表示されると、操作画像の十字状の配置から十字方向への傾倒操作と認識することもできるし、操作画像の環状の配置から回転操作と認識することもでき、どちらの操作方式にて操作画像を選択すればよいかが画面上からは分かりづらい。また、操作デバイス側を見ても、どちらの操作方式にて操作画像を選択すればよいかを知るすべはない。その結果、どの操作方式によって操作をしてよいかに戸惑う可能性があり、使い易さの点で問題が生ずる。
【0006】
本発明の課題は、複数種の操作方式による操作が可能な複合操作部において、現在有効とされている操作方式を直感的に判断でき、誤操作を防止することができる車両用操作入力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の車両用操作入力システムは、
表示手段と、
表示手段に画面表示される表示内容に対する操作を遠隔的に行うために、1つの操作体に対し互いの操作方向が異なる第一の操作方式と第二の操作方式による操作が可能とされた複合操作手段と、
表示手段に画面表示される表示内容に応じて、複合操作手段において有効となる操作方式を設定する操作方式設定手段と、
複合操作手段における操作体及びその周辺のいずれか又は双方に、第一の操作方式を示唆可能な第一の操作方式表示部と第二の操作方式を示唆可能な第二の操作方式表示部とを有する操作体側操作方式表示部と、
有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部を、残余の操作方式表示部よりも強調して表示させる操作体側操作方式表示制御手段と、
有効な操作方式として設定された操作方式を示唆する表示を、表示手段に実行させる画面側操作方式表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記本発明の構成によると、複数種の操作方式の操作が可能な複合操作手段の操作体への操作に対し、画面表示(GUI)と、操作体側の周辺加飾用の表示部(操作方式表示部)との双方に、有効とされている操作方式を連想させる表示がなされる。つまり、画面表示と操作体側の加飾とが連携して操作方式を認識させる表示がなされるので、ユーザーは有効とされた操作方式を直感的に認識できるのである。さらにいえば、ユーザーは画面に眼をやることでその表示内容から操作方式を認識できるとともに、実際に操作する際には、操作体側に目をやると、その操作方式における操作方向が表示されるため、実際に行いたい操作方向を容易に認識できるから、自分の望む操作を容易に行うことができ、使い勝手に優れる。
【0009】
本発明においては、有効な操作方式として設定された操作方式とは逆の操作方式による操作を規制するための操作規制手段を備えて構成することができる。これにより、有効設定されていない操作方式の操作が誤って操作されることが無くなる。
【0010】
本発明における操作体は、本体部と変形可動部とを有し、変形可動部が予め定められた第一状態と第二状態との間で状態を変形可能に構成できる。さらに、この構成の操作体は、変形可動部が第一状態にある場合には、第一の操作方式による操作が許容され、かつ第二の操作方式による操作が規制される一方、変形可動部が第二状態にある場合には、第二の操作方式による操作が許容され、かつ第一の操作方式による操作が規制されるように構成することができる。これにより、可動部の状態次第で、使用可能な操作方式を限定でき、誤操作を抑制可能となる。
【0011】
また、この構成において、本発明における操作規制手段は、有効な操作方式として設定された操作方式が第一の操作方式であれば変形可動部を第一状態とし、有効な操作方式として設定された操作方式が第二の操作方式であれば変形可動部を第二状態とするように構成できる。これにより、有効設定された操作方式のそうさのみ操作を限定することができ、誤操作を確実に防止できる。
【0012】
本発明の操作体において、変形可動部は、本体部に対する予め定められた第一位置と第二位置との間で往復動作可能であり、変形可動部が第一位置にある場合には、第一の操作方式による操作が許容され、かつ第二の操作方式による操作が規制される一方、変形可動部が第二位置にある場合には、第二の操作方式による操作が許容され、かつ第一の操作方式による操作が規制されるように構成できる。この場合、操作規制手段は、有効な操作方式として設定された操作方式が第一の操作方式に切り替わった場合には変形可動部を第一位置へと移動させ、有効な操作方式として設定された操作方式が第二の操作方式に切り替わった場合には変形可動部を第二位置へと移動させるように構成できる。これにより、単純な往復動作のみで、変形可動部による操作規制を実現できる。
【0013】
本発明における第一の操作方式は、操作体を、予め定められた回転軸線周りに回転させる回転操作方式とすることができる。また、本発明における第二の操作方式は、操作体を、該操作体に定められた所定の軸線が予め定められた基準軸線と一致する基準位置から、該基準軸線に垂直な方向へと移動させる移動操作方式とすることができる。なお、移動操作方式は、例えば、回転軸線を、基準軸線と一致する基準位置から傾斜変位させる形で、操作体を傾倒させることにより、該操作体を基準軸線に垂直な方向へと移動させる傾倒操作方式とすることができる。
【0014】
上記のように第一及び第二の操作方式として回転操作方式と移動操作方式とが設定されている場合、操作体は以下のように構成できる。即ち、操作体の本体部は、複合操作手段の筐体に設けられた、筐体内部に貫通する孔部から筐体外部に向けて突出し、その突出方向が回転軸線方向とされて回転操作方式による回転操作が可能となるよう配置されるように構成できる。他方、操作体の変形可動部は、本体部の回転軸線周りの相対回転を許容する一方で自身は筐体に対し非回転に設けられるとともに、本体部の突出先端側の部位を外周側から覆ってその外周面を隠匿する隠匿位置と、筐体側に移動して突出先端側の部位の外周面が露出する露出位置との間で往復移動可能とされ、隠匿位置にある場合には、筐体の表面との間に隙間を有し、操作体の傾倒が許容される一方、露出位置にある場合には、筐体表面との間で隙間を埋める接触部を有し、その接触部が移動操作規制部として機能する形で操作体の移動操作が規制されるように構成できる。この構成によると、変形可動部が隠匿位置にある場合、本体部の突出先端側の部位を外周側から覆ってその外周面が隠されてしまうため、回転操作を行うための把持部が露出していない状態となり、回転操作を行うことが物理的に不可能となる。また、変形可動部が隠匿位置にある場合、変形可動部と筐体の表面との間に隙間を有するため、操作体の傾倒操作は可能とされる。他方、変形可動部が露出位置にある場合、本体部の突出先端側の外周面が露出するので、その外周面を把持して本体部に対し回転操作を行うことが可能となる。また、変形可動部が露出位置にある場合、変形可動部と筐体の表面とが隙間の無い形で接触し、この接触によって操作体の移動操作を物理的に不可能となる。
【0015】
上記構成において、第一の操作方式が上記傾倒操作方式であった場合、変形可動部は、露出位置にある場合には、筐体表面との間で互いの平坦面同士が面接触し、その平坦面接触により操作体の傾倒が規制されるように構成できる。これにより、傾倒操作の規制を容易に実現できる。
【0016】
また、上記構成において、操作規制手段は、変形可動部を、隠匿位置と露出位置との間で移動させる駆動手段と、有効な操作方式として設定された操作方式が第一の操作方式に切り替わった場合には変形可動部が露出位置へと移動するように、有効な操作方式として設定された操作方式が第二の操作方式に切り替わった場合には変形可動部が隠匿位置へと移動するように、駆動手段を駆動する駆動制御手段と、を備えて構成することができる。これにより、傾倒操作方式が有効なときは傾倒操作のみが可能となり、回転操作方式が有効なときは回転操作のみが可能となるので、誤った別の操作方式の操作がなされることを確実に防ぐことができる。
【0017】
本発明において、第一の操作方式が上記回転操作方式で、第二の操作方式が移動操作方式(例えば傾倒操作方式)である場合には、回転軸線が、基準軸線と一致する基準位置から予め定められた3以上の特定の方向にのみ移動変位可能(例えば系支社変位可能)とされ、操作体を特定の方向のいずれかに移動(例えば傾倒)させるように構成できる。この場合、本体部における突出先端側の部位の先端面は、回転軸線に直交する円形とすることができ、他方、変形可動部の外縁は、特定の方向側にそれぞれ辺を有した多角形状とすることができる。回転操作時に把持される本体部の先端面は、常に外から視認できる部位であり、これが円形であることで、回転操作の操作動線が示されるから、回転操作方式を示唆することができ、回転操作方式の容易な連想に貢献する。他方、移動操作時に把持される変形可動部は、その外縁が、移動操作可能な操作方向と交差する辺(例えば直交する辺)を有する多角形形状とされることで、移動操作方式の操作方向を示唆することができ、移動操作方式及びその各移動操作方向の容易な連想に貢献する。
【0018】
本発明における変形可動部は、隠匿位置において、本体部を、その先端面を除く全ての面を露出しない形で嵌合させる、例えば孔部のような嵌合部を有して構成できる。これにより、操作体の本体部は、変形可動部が隠匿位置にあっても先端面が外部に露出した状態となるから、これが本体部になされる操作の操作方式を連想させる形状となっていれば、変形可動部が露出位置にあるときに可能となる操作方式を容易に連想することができる。
【0019】
本発明における画面側操作方式表示制御手段は、第一の操作方式表示部及び第二の操作方式表示部における表示状態を模倣した操作方式表示画像を、表示手段の表示面に表示させるものであってもよい。場合によっては、操作方式表示部の強調表示状態と同様となる画像を表示面上に表示するようにすれば、両者の関連性がより明確になり、ユーザーはより明確に操作方式及び操作方向を把握することが可能となる。
【0020】
本発明における複合操作手段において、操作体の周辺の筐体表面が、表示手段とは異なる操作方式表示用の表示手段を備えて構成することができる。この場合、操作体側操作方式表示制御手段が、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部を、残余の操作方式表示部よりも強調する形で、操作方式表示用の表示手段の画面表示させることができる。この場合、操作体側における操作方式表示の自由度が高くなり、より目を引く表示、よりデザイン的に個性のある表示を行うことが可能となる。また、表示面上に表示されている操作方式を示す画像と同じ画像を、操作方式表示用の表示手段においても表示することで、両者の関連性がより明確になり、ユーザーはより直感的に操作方式及び操作方向を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態である車両用操作入力システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の操作入力システムが搭載された車両の車室内内観図。
【図3A】図1の実施形態における第一の操作方式を説明する図。
【図3B】図1の実施形態における第二の操作方式を説明する図。
【図3C】図1の実施形態における第三の操作方式を説明する図。
【図4A】図1の実施形態において変形可動部が第一状態のときの操作デバイスの中央断面を簡略的に示す図。
【図4B】図1の実施形態において変形可動部が第二状態のときの操作デバイスの中央断面を簡略的に示す図。
【図5】操作方式を表示する処理の流れを説明するフローチャート。
【図6A】本実施形態における操作デバイス側の表示部を説明する斜視図。
【図6B】図6Aの表示機構を説明する図。
【図7A】本実施形態における画面表示の第一例。
【図7B】図7Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図8A】本実施形態における画面表示の第二例。
【図8B】図8Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図9A】本実施形態における画面表示の第三例。
【図9B】図9Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図10A】本実施形態における画面表示の第四例。
【図10B】図10Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図11A】本実施形態における画面表示の第五例。
【図11B】図11Aの表示中における操作デバイス側の表示状態を示す表示例。
【図12A】本発明において、操作方式のマニュアル設定を実施可能とする実施形態を説明するために操作デバイス2を簡略的に示した斜視図。
【図12B】図12Aの実施形態を説明するために操作デバイス2の中央断面を簡略的に示した断面図。
【図13A】本発明に適用可能な、上記実施形態とは異なる操作デバイス側の表示部による第一の操作方式表示部を説明する斜視図。
【図13B】本発明に適用可能な、上記実施形態とは異なる操作デバイス側の表示部による第二の操作方式表示部を説明する斜視図。
【図14A】本発明に適用可能な、図3の実施形態とは異なる操作デバイスを説明する斜視図。
【図14B】図14Aの操作デバイスが適用された際の画面表示例。
【図15A】本発明に適用可能な、図3及び図14Aの実施形態とは異なる操作デバイスを説明する斜視図。
【図15B】図15Aの操作デバイスが適用された際の画面表示例。
【図16】本発明における画面表示において上記表示例とは異なる例。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の操作装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態である車両用操作入力システムの構成を簡略的に示すブロック図である。図1における車両用操作入力システム1は、表示器(表示手段)3と、該表示器3の表示面30(図2参照)上に複数の選択領域(入力画像)を有した選択用画面300を表示させることが可能な表示制御部(主表示制御手段)13と、表示された選択用画面300内の複数の選択領域3Iを選択して決定入力するための操作デバイス(操作手段)2と、操作デバイス2の操作に基づく制御指令を外部の車載機器5に対し出力して、操作に応じた機器機能を実行させるとともに、操作デバイス2の操作に基づく表示指令を表示制御部に出力して操作に応じた表示切替を実行させる制御部10と、を備えて構成されており、車両における操作入力用の表示システムともいえる。
【0024】
表示器3は、例えば周知の液晶表示装置等を用いることができ、表示制御部13に接続しており、表示制御部13から出力される画像情報に基づいて表示面30に画面表示を実施する。
【0025】
表示制御部13は、自身の記憶部(メモリ)14又は自身と接続する外部記憶装置(図示なし)に、表示面30に表示される各種画面に対応付けた形で、それら画面を表示するための画像情報を記憶する画像情報記憶領域(画像情報記憶部)を備え、制御部10から表示切替指令信号が入力された場合に、当該表示切替指令信号に対応する画像情報を読み出して、表示面30の表示内容を切り替える。この画像情報記憶領域には、表示可能な複数の画面毎に画像情報が記憶されており、例えば、上記した選択用画面300を表示するための画像情報として、背景画像3Bを表示するための背景画像情報や、それら背景画像3B上に複数の入力画像3Cを重畳表示するための入力画像情報、各種選択用画面300において入力受付可能に設定されている操作方式を視覚的に示す補助画像3Dを表示するための補助画像情報、その他にも各種必要となる画像を表示するための情報(カーソルやポインタ等の画像情報やそれらの表示手法等)が、各画面に対応付けて記憶されている。
【0026】
操作デバイス2は、複数種の操作方式による操作をそれぞれ独立に実施可能に構成された複合操作部(複合操作手段)として構成される。本実施形態の操作デバイス2は、ユーザーにより操作される1つの操作体20を有し、該操作体20に対し互いの操作方向が異なる第一の操作方式による操作と第二の操作方式による操作とが可能とされている。また、図2に示すように、表示器3の表示面30とは異なる位置に設けられており、本実施形態においては、表示面30に画面表示される表示内容に対する操作を遠隔的に行うための遠隔操作手段として機能し、このような遠隔操作によって、表示面30に表示される選択領域(入力画像)3Iに対する選択・決定入力を遠隔的に行うことが可能とされている。
【0027】
本実施形態の操作デバイス2における第一の操作方式は、図3Aに示すように、操作体20を、予め定められた回転軸線z周りに回転させる回転操作方式であり、第二の操作方式は、図3Bに示すように、操作体20を、該操作体20に定められた所定の軸線(ここでは上記回転軸線z)が予め定められた基準軸線Zと一致する基準位置から、該基準軸線に垂直な方向へと移動させる移動操作方式である。本実施形態においては、これらの操作方式により、表示面30に複数表示される選択領域(入力画像)3Iを択一的に選択する選択操作が可能とされている。
【0028】
また、本実施形態の操作デバイス2は、第三の操作方式として、図3Cに示すように、上記基準軸線Zの軸線方向に押圧する押圧操作方式(押込み操作)が可能である。これにより、上記の第一又は第二の操作方式による操作によって選択された選択領域(入力画像)3Iに対し決定入力を行う決定入力操作が可能とされている。
【0029】
本実施形態における移動操作方式による操作(以下、移動操作ともいう)は、操作体20を、予め定められた基準位置から予め定められた複数の移動操作方向のいずれかに移動させる操作であり、それらの予め定められた特定の操作方向(以下、移動操作方向という)にのみ移動可能となるようガイドされる。ここでの移動操作は、基準軸線Zに対し垂直な十字状の4方向に向けて、操作体20を基準位置から移動させる十字方向操作である(十字操作方式)。なお、本発明における移動操作は、少なくとも操作体20が基準軸線Zに対し垂直な方向へ移動する操作であればよく、基準軸線Zに対し軸線zを平行に保持した形で操作体20を移動させる操作でもよいが、本実施形態においては、軸線zを、基準軸線Zと一致する基準位置から傾斜変位させる形で、操作体20を傾倒させることにより、該操作体20を基準軸線Zに垂直な方向へと移動させる傾倒操作(傾動操作)とされている(傾倒操作方式)。
【0030】
また、本実施形態の操作デバイス2は、上記移動操作方向として、車両前後方向と車両左右方向との4方向が定められており、それら操作方向のうち車両前後方向が表示器3の表示面30の上下方向に対応し、車両左右方向が表示器3の表示面30の左右方向に対応している。
【0031】
操作デバイス2の筐体200内には、操作体20への第一の操作方式による操作を検出する操作検出部20A、第二の操作方式による操作を検出する操作検出部20B、第三の操作方式による操作を検出する操作検出部20Cを備える。また、本実施形態の操作デバイス2は、操作体20が基準位置(中立位置)にて保持されるよう、操作に対する操作反力を付与する付勢手段(ばね部材等:図示なし)や反力付与手段(反力モータ等:図示なし)といった手段を備える。
【0032】
操作デバイス2の操作体20は、本体部21と変形可動部22とを有して構成され、図4A及び図4Bに示すように、変形可動部22が予め定められた第一状態(図4A参照)と第二状態(図4B参照)との間で状態を変化することができる。変形可動部22が第一状態にある場合には、第一の操作方式による操作が許容される一方で、第二の操作方式による操作が規制される。他方、変形可動部22が第二状態にある場合には、第二の操作方式による操作が許容される一方で、第一の操作方式による操作が規制される。操作デバイス2は、これらの変形駆動を実施するための変形駆動手段として、筐体200内に変形駆動部22Mを備える。
【0033】
本実施形態における変形駆動部22Mは、変形可動部22を第一位置(第一状態)と第二位置(第二状態)との間で往復動作させる進退駆動手段である。この場合の変形駆動部22Mの駆動源としては、モータやソレノイドなどを用いることが可能であり、ここでは、ソレノイドコイル22Sへの通電切替により往復動作する駆動ピン(芯材)22Pに対し変形可動部22が連結しており、変形可動部22は、該駆動ピン22Pと一体に動作する形で、本体部21に対する予め定められた第一位置P(第一状態)と第二位置Q(第二状態)との間で往復動作させている。なお、モータを用いる場合は、モータの回転出力を、減速機構を介して直線動作に変換して変形可動部22に伝達し、該変形可動部22を往復動作させる。
【0034】
ここで操作デバイス2の内部構造について、図4A及び図4Bに示す断面図を用いて簡略的に説明する。
【0035】
本実施形態の操作体20は、本体部21が、筐体200に設けられた該筐体内部に貫通する孔部(開口)200hから筐体外部に向けて突出し、その突出方向が回転軸線zの延出方向(回転軸線方向)とされて回転操作方式による回転操作が可能となるよう配置されている。本体部21の突出先端部210は、ユーザーにより押圧操作(第三の操作方式)される突出先端面210Cと、ユーザーにより回転操作(第一の操作方式)される外周面210Aとを有する。突出先端部210から下方(筐体内部側)に延出する軸部211は、筐体200の上面部に設けられた孔部(開口)200hを介して筐体内部に差し込まれる。筐体200内には、軸部211に形成された球面部202が配置されており、筐体200内に固定されている球面受け部(ホルダ)203の球面状の外表面203aにてこれを摺動可能に支持することにより、操作軸部201が筐体200に対して揺動自在に支承されるとともに、その揺動方向が予め定められた複数の方向(移動操作方向)に限られるよう、筐体200側にガイド部(図示なし)が設けられ、それらの操作方向への傾倒操作が可能とされている。
【0036】
筐体200内には基板200Kが固定されており、その基板200K上には、本体部21の軸部211(外周側軸部209)の下端側に形成された周方向に連続する凹凸部209b,209aを利用して本体部21の回転方向と回転操作量を検出する第一の操作検出部20Aと、本体部21(及び変形可動部)の傾倒操作の有無を検出する第二の操作検出部20Bと、本体部21の押圧操作の有無を検出する第三の操作検出部20Cと、が設けられており、これらの操作検出部20A,20B,20Cが基板200Kを介して制御部10に接続する。回転操作検出部をなす第一の操作検出部20Aは、例えば発光部と受光部とを有した周知の光学式センサとすることができ、筒状の外周側軸部209が回転した場合に発光部の光が凹部を透過し、凸部に遮断されるよう、発光部と受光部とを筒状の外周側軸部209の下端部の内外に配置し、受光部の受光状態の切り替わりを検出する。傾倒操作検出部(移動操作検出部)をなす操作検出部20Bは、本体部21への傾倒操作に伴い該本体部21と一体に傾倒する球面部202により押圧付勢されるタクトスイッチである。押圧操作検出部をなす操作検出部20Cは、本体部21への基準軸線Z方向への押圧操作に伴い本体部21の軸部211(内周側軸部208)の下端押圧付勢されるタクトスイッチである。
【0037】
他方、本実施形態の操作体20の変形可動部22は、本体部21の回転軸線z周りの相対回転を許容する一方で自身22は筐体200に対し非回転に設けられる。この変形可動部22は、本体部21の突出先端部210側の円筒状部位210を外周側から覆ってその外周面210Aを隠匿する隠匿位置Q(図4B)と、筐体側に移動して突出先端側の円筒状部位210の外周面210Aが露出する露出位置P(図4A)との間で往復移動可能とされる。変形可動部22が隠匿位置Qにある場合には、筐体200の表面200Aとの間に隙間Sを有し、操作体20の傾倒が許容される一方、変形可動部22が露出位置Pにある場合には、接触部220が筐体200の表面200Aとの接触し、その接触により操作体20の傾倒が規制される。
【0038】
本実施形態における変形可動部22は、本体部21を軸線zに対する外側から覆う筒状形状をなす。この変形可動部22は、隠匿位置Qにおいて、円筒形状をなす本体部21を外側から覆う筒状をなし、外周面220Aが傾倒操作(移動操作)時の把持部となる筒状先端部(上記接触部)220と、筒状先端部220から下方に(筐体内部側)に延出して筐体200の上面部に設けられた孔部(開口)200hを介して筐体内部に差し込まれる筒状軸部221と、を有する。筒状先端部220は、隠匿位置Qにおいて、円筒形状をなす本体部21が、その円形の先端面210Cを除く全ての面(外周面210Aを含む)を露出しない形で嵌合される嵌合孔(嵌合部)210hを、その中央部に有する。他方、筒状軸部221は、本体部21の球面部202や球面受け部(ホルダ)203を上方から覆う形で基板200Kに向かって延びる。筒状軸部221の可端部には、基板200K上に固定された変形駆動部22Mの駆動ピン(駆動体)22Sと一体に連結しており、変形駆動部22Mの駆動による駆動ピンの往復上下動に伴い、変形可動部22全体が上下方向に往復動作する。
【0039】
変形可動部22が隠匿位置Qにある場合、変形可動部22は、本体部21の先端面210Cのみが露出するように、該本体部21の突出先端部210を嵌合孔(嵌合部)210hに嵌合する。これにより、本体部21は、先端面210Cのみが露出し、回転操作をする際にユーザーの把持部となる外周面210Aが露出しない状態となり、ユーザーはその外周面210Aに触れることができず、回転操作不可状態となる。他方、変形可動部22が露出位置Pにある場合、変形可動部22は筐体200側に後退しており、本体部21の外周面210Aが露出するため、その外周面210Aを把持する(つまむ)形で回転させることが可能な回転操作可能状態となる。なお、このとき、変形可動部22と本体部21の先端面220C,210Cは同一平面をなす。
【0040】
また、変形可動部22が露出位置Pにある場合、変形可動部22は筐体200側に後退しており、筒状先端部220の下端面220が筐体200の表面200Aに面接触した状態となる。筒状先端部220の下端面220と、筐体200の表面(孔部(開口)200hの周辺の表面)200Aとは互いに面接触可能な平坦面であり、それらの平坦面200A,220Dが互いに面接触した状態となると、操作体20の傾倒変位(回転変位)はそれら平坦面200A,220D同士の面接触により妨げられ、傾倒操作不可状態となる。他方、変形可動部22が隠匿位置Qに位置する場合には、筐体200の表面200Aと筒状先端部220の下端面220との間には隙間Sが生じており、操作体20の傾倒変位を妨げるものはなく、傾倒操作可能状態となる。
【0041】
また、変形可動部22の先端面220Cの外縁は、操作体20の各移動操作方向側にそれぞれ辺を有した多角形状をなす。ここでは十字状の4つの移動操作方向を有するので四角形状をなす。このため、変形可動部22の外縁形状から、第二の操作方式(傾倒操作方式)の操作方向を連想させることが可能である。また、本体部21の先端面210Aは円形をなし、上記回転軸線zに直交する。このため、本体部21の外縁形状から、第一の操作方式の操作方向(回転操作方式)を連想させることが可能である。回転操作可能状態においては、円筒状の本体部21が変形可動部22から突出しており、本体部21の先端面210Cの円形の外縁形状がより強調された状態となるので、回転操作方式をより容易に連想させることができる。
【0042】
制御部10は、図示しないCPU,ROM,RAM等を有した周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、自身のメモリ12や図示しない外部記憶装置等の記憶部に記憶されたプログラムをCPUが実行する形で、各種の制御を実施する。また、制御部10は、他の車載機器5の制御部に対し、通信部11を介して車載LAN6によって接続しており、これらとの間でデータや制御信号の授受が可能である。また、制御部10は、操作デバイス2から受信する操作信号に基づいて、対応する制御を実行する制御実行手段として機能する。例えば、車載LAN6を介して接続されている車両空調装置(エアコン制御ユニット)5A、ナビゲーション装置(ナビ制御ユニット)5Bや、カーオーディオ(オーディオ制御ユニット)5C、その他の車載機器等の各種機能を、操作デバイス2への操作に応じて実行させることができる。
【0043】
ここで、制御部100が実行する画面切替処理について、図5を用いて説明する。なお、この処理は、終了後も所定周期で繰り返し実施される。
【0044】
制御部10は、操作デバイス2や他の操作部、さらには外部の車載機器5等の制御部からの表示切替要求信号の入力を受けた場合に(S1:Yes)、当該表示切替要求信号により要求された表示変化を実施させる表示切替指令信号を表示制御部13に出力する一方で(S2)、入力を受けた表示切替要求信号により表示が切り替わった後に有効に設定される操作方式を特定し、特定された操作方式を有効設定し、残余の操作方式を無効設定する(S3:操作方式設定手段)。表示と、有効・無効設定される操作方式との対応関係は、制御部10のメモリ12内の所定の記憶領域中に記憶されており、切り替わり後の表示が特定されるに伴いこれを読み出す形で対応する操作方式を設定する。なお、操作方式の有効設定・無効設定については、各操作方式に対応する操作検出部からの入力信号を有効化・無効化するものであってもよいが、本実施形態においては、各操作方式に対応する操作そのものが物理的に不可能となるように、制御部10が、有効な操作方式として設定された操作方式が第一の操作方式に切り替わった場合には変形可動部22が露出位置Pへと移動するように、有効な操作方式として設定された操作方式が第二の操作方式に切り替わった場合には変形可動部22が隠匿位置Qへと移動するように、変形駆動部22Mの駆動制御を実施する(駆動制御手段)。なお、上記の入力信号の有効化・無効化を上記変形駆動部22Mの駆動制御と共に実施してもよい。また、表示が切り替わる際に、操作デバイス2において操作体20及びその周辺のいずれか又は双方に設けられた第一の操作方式を示唆可能な第一の操作方式表示部23Aと第二の操作方式を示唆可能な第二の操作方式表示部23Bとのうち、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部23を、残余の操作方式表示部23よりも強調して表示させる操作体側表示指令信号を表示制御部13に出力する(S4:操作体側操作方式表示制御手段)。
【0045】
操作方式表示部23A,23Bは、図6Aに示すように、操作体20の周辺に設けられた操作デバイス2の装飾部である。本実施形態においては、操作体20を中心に筐体表面200A上に円形状をなして露出し、回転操作方式を示唆する第一の操作方式表示部23Aと、同じく操作体20を中心に筐体表面200A上に各移動操作方向側にてその移動操作方向を指示する方向指示図形状をなして露出し、移動操作方式を示唆する第二の操作方式表示部23Bとを有する。具体的には、図6Bに示すように、第一の操作方式表示部23Aは、操作体20の基準軸線Zを中心とする円環状のリング部23A1とその各移動操作方向側にて下方に延出する脚部23A2とを有したプリズム231Aと、各脚部の下方に位置する発光部(ここではLED)232Aとを有して構成される。発光部232Aが発光することにより、対応する脚部23A2と該脚部23A2を中心とするリング部23A1の一部の最表面230Aが発光状態となり、全ての発光部232Aが発光することでリング部23A1の円環状の最表面230A全体が発光状態となり、回転操作方式を示唆する円形の発光領域230Aが形成される。他方、第二の操作方式表示部23Bは、操作体20の基準軸線Zを中心に各々が各移動操作方向側を指示する図形形状(ここではそれぞれが十字方向外側を指示する三角図形形状)を有するプリズム231Bと、それら各プリズム231Bの下方に位置する発光部(ここではLED)232Bとを有して構成される。発光部232Bが発光することにより、対応するプリズム231Bが発光することにより、各移動操作方向側を指示するプリズム231Bの最表面230Bが発光状態となり、移動操作方式の操作方向を指示する、ひいてはその操作方式を示唆する発光領域23Bが形成される。
【0046】
他方、表示切替指令信号及び操作体側表示指令信号の入力を受けた表示制御部30は、入力された操作体側表示指令信号に対応する上記の操作方式表示部23の強調表示と同時に、入力された表示切替指令信号に対応する表示の切り替え制御を実行して、その表示面30の表示内容を切り替えるとともにその表示内容として、有効な操作方式として設定された操作方式を示唆する表示がなさせる(画面側操作方式表示制御手段)。つまり、表示面30における表示と操作体20側の加飾部23とが連携して、有効設定されている操作方式を認識させる表示を行う。
【0047】
以下、本実施形態における有効な操作方式として設定された操作方式を示唆する表示について、図7〜図11の表示例を用いて説明する。
【0048】
図7〜図11の画面301〜305は、1以上の選択領域3Iを有する選択用画面300である。具体的には、該表示面30上には、背景画像3B上に予め定められた複数の入力画像が重畳表示されており、それら入力画像が選択領域3Iとされている。操作デバイス2による選択操作がなされると、カーソル3Cが移動する形で表示が切り替わり、それら選択領域3Iのいずれかが選択される。さらに、カーソル選択された選択領域3Iに対する決定入力操作がなされるに伴い、当該選択領域3I(入力画像3C)に対応する制御を実施する。例えば、決定入力された選択領域3Iが現在の表示画面を別の画面に切り替える画面切替領域である場合、この決定入力により画面(表示)が切り替わる。
【0049】
なお、図7〜図11の画面301〜305では、表示が切り替わるごとに、選択用画面300上の各選択領域3I(入力画像3C)を選択させるための操作デバイス2の操作方式が設定されるとともに、設定された操作方式を連想させるために、当該操作方式における操作体20の操作動線を反映した補助画像3Dが、表示制御部13によって上記背景画像3B上に重畳表示される。これにより、選択用画面300が表示された際に、操作デバイス2のどの操作方式により選択操作を行えるのかを、補助画像3Dによって認識できる。
【0050】
また、制御部10は、各種の表示ごとに、選択操作に用いられる操作方式を対応付けた操作方式特定情報を自身のメモリ12に記憶しており、各画面の表示状態が切り替わるに伴い、新たな表示に対応する操作方式を設定する。なお、本実施形態においては、選択操作に用いられる操作方式については、回転操作方式と移動操作方式のいずれかが設定される一方、決定入力をさせるための操作方式については、第三の操作方式である押圧操作方式に固定的に設定されるものとする。
【0051】
図7Aは、移動操作方式が設定される画面301の表示例であり、十字状の4方向に選択領域(入力画像)3Iが配置され、上記操作方式特定情報に基づいて、選択操作に用いられる操作方式として移動操作方式が設定されている。また、画面中央部には、それら選択領域3Iを選択するための移動操作方向を示す操作方向画像330Bが、4つの移動操作方向毎に表示されている。これらの操作方向画像330Bが表示されることにより、ユーザーは移動操作方式による操作が可能であることを認識することができ、さらにはその移動操作方向を認識することができる。なお、図7Aにおいては、それら操作方向画像330Bの中央に、そのときの操作体20の先端面形状を反映した図形画像320(ここでは四角形画像320B)も表示されている。これにより、表示される画像320を操作体20のようにして認識でき、それに近接して表示される各操作方向画像330Bを、操作体20の具体的な操作方向として認識することができる。他方、図7Bは、図7Aの画面301が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22は上記の隠匿位置Qに位置している。また、表示面30の上下左右方向に対応する車両の前後左右方向の4つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bが発光状態となっている。他方、プリズム231Aのリング部23A1の最表面は非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部230Bが、無効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部230Aよりも強調して表示されている。
【0052】
図8Aは、移動操作方式が設定される画面の表示例であり、十字状の4方向のうち上下2方向に選択領域(入力画像)3Iが配置されており、その画面中央部には、それら選択領域3Iを選択するための移動操作方向を示す操作方向画像330Bが、それら2つの移動操作方向に表示されている。これら2つの操作方向画像330Bが表示されることにより、ユーザーは移動操作方式が設定されていることを認識することができ、さらにはそれら2つの移動操作方向を認識することができる。なお、図8Aにも、それら操作方向画像330Bの中央に、操作体20の先端面の形状(ここでは変形可動部22の先端面の外縁形状)を反映した図形画像320(ここでは四角形画像320B)が表示されている。他方、図8Bは、図8Aの画面302が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22が隠匿位置Qに位置している。表示面30の上下方向に対応する車両前後方向の2つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bが発光状態となっている。他方、プリズム231Aのリング部23A1の最表面230Aと、選択不可側(この場合は選択領域3Iが存在していない側)で移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bとが、非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された移動操作方式において、移動操作が有効となる側への移動操作方向に対応する操作方式表示部230Bが、移動操作が無効となる側への移動操作方向に対応する操作方式表示部230Bと、無効な操作方式として設定された回転操作方式に対応する操作方式表示部230Aとの双方よりも強調して表示されている。
【0053】
図9Aは、移動操作方式が設定される画面303の表示例であり、十字状の4方向に選択領域(入力画像)3Iが配置されており、それら選択領域3Iのうち1つがカーソル3Cによる選択状態となっている。そして、このカーソル選択状態の選択領域3Iには、残余の選択領域3Iを選択するための移動操作方向を示す操作方向画像330Bが、それらの移動操作方向側にそれぞれ表示されている。これら操作方向画像330Bが表示されることにより、ユーザーは移動操作方式が設定されていることを認識することができ、さらには現時点において操作可能な操作方向(移動操作方向)を認識することができる。他方、図9Bは、図9Aの画面303が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22が隠匿位置Qに位置している。表示面30の上下方向と右方向に対応する車両の前後方向と右方向の3つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bが発光状態となっている。他方、プリズム231Aのリング部23A1の最表面230Aと、選択不可側(この場合は、カーソル選択中の選択領域3Iに対し選択領域3Iが存在していない側)で移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bとが、非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された移動操作方式において、移動操作が有効となる側への移動操作方向に対応する操作方式表示部230Bが、移動操作が無効となる側への移動操作方向に対応する操作方式表示部230Bと、無効な操作方式として設定された回転操作方式に対応する操作方式表示部230Aとよりも強調して表示されている。
【0054】
図10Aは、移動操作方式が設定される画面304の表示例であり、円環上に複数の選択領域(入力画像)3Iが所定間隔おきに配置されており、それらを結ぶように円形状に表示された操作方向画像330Aが表示されている。円形状の操作方向画像330Bが表示されることにより、ユーザーは回転操作方式を認識することができる。なお、図10Aにおいては、円形状の操作方向画像330Aの中央に、操作体20における本体部21の先端面210Aの円形状を反映した図形画像320(ここでは円形画像320A)も表示されている。これにより、表示される操作方向画像330Aの形状から、同形状の先端面210Aを有する本体部21に対し回転操作が可能なことを認識することができる。なお、この画面304において、回転操作がなされた際には、カーソル位置は代わらず、表示面30上に環状表示された選択領域(入力画像)3Iが回転し、新たにカーソル位置にきた選択領域3Iが選択された状態となる。他方、図10Bは、図10Aの画面304が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22が露出位置Pに位置している。また、回転操作方向を示唆するプリズム231Aのリング部23A1の最表面230Aが発光状態となっている。他方、表示面30の上下左右方向に対応する車両の前後左右方向の4つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bは、非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部230Aが、無効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部230Bよりも強調して表示されている。
【0055】
図11Aは、移動操作方式が設定される画面305の表示例であり、円環上に複数の選択領域(入力画像)3Iが所定間隔おきに配置されており(ここでは上下左右の4方向)、それら選択領域3Iのうち1つがカーソル3Cによる選択状態となっている。そして、このカーソル選択状態の選択領域3Iの近傍にて、環状方向に隣接する選択領域3Iを選択するための回転操作方向を示す円弧状の操作方向画像330Aが表示されている。この操作方向画像330Aが表示されることにより、ユーザーは回転操作方式が設定されていることを認識することができる。なお、図11Aにおいては、円弧状の操作方向画像330Aの中心側に、操作体20の本体部21の先端面210Aの円形状を反映した図形画像320(ここでは円形画像320B)も表示されている。他方、図11Bは、図11Aの画面305が表示されているときの操作デバイス2を示す車室内内観図であり、変形可動部22が露出位置Pに位置している。また、回転操作方向を示唆するプリズム231Aのリング部23A1のうち、カーソル選択状態の選択領域3Iに対応する側の最表面230Aが発光状態となっている。他方、回転操作方向を示唆するプリズム231Aのリング部23A1のうち、カーソルが非選択状態の選択領域3Iに対応する側の最表面230Aと、表示面30の上下左右方向に対応する車両の前後左右方向の4つの側にて各々の移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230Bとが、非発光状態となっている。即ち、有効な操作方式として設定された回転操作方式において、実際にカーソル3Cが移動する側への発光部232Aのみが点灯し、残余の発光部232A,232Bが非点灯となっている。
【0056】
なお、図7〜図11中において強調された表示部23の表示領域230A,230Bには(R)を付している。
【0057】
上記表示例においては、第一の操作方式表示部23A及び第二の操作方式表示部23Bにおける表示状態を模倣した操作方式表示画像を、表示器3の表示面30に表示させている。具体的にいえば、上記の操作方式表示部23Aの表示領域230A,230Bと、上記の操作方向画像330A,330Bとは互いに類似の形状を有しており、図7〜図11においては相似の関係にあり、表示色も同じとされている。
【0058】
本実施形態における操作デバイス2は、表示面30に設けられるタッチパネルやそれに近接して配置されるメカニカルスイッチ等の主操作部よりもユーザーの操作負担が小さくなるよう、車室内の予め定められた座席により近い位置に補助操作部として配置される。ここでは、図2に示すように、運転席2Dと助手席2Pに座したユーザー(搭乗者)がそれら各座席の背もたれにもたれた着座状態のまま双方のユーザーが操作可能となる位置に設けられている。具体的にいえば、操作デバイス2は、車両の左右両座席(ここでは運転席2Dと助手席2P)の間に挟まれる領域(ここではセンターコンソール)Cに配置されている。他方、表示器3は、操作デバイス2よりも車両前方側にて、それら双方の座席2D,2Pに座したユーザーから視認可能な形で配置されている。
【0059】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
【0060】
上記実施形態においては、操作方式表示部23Aと第二の操作方式表示部23Bとを用いる形で、有効な操作方式として設定された操作方式を示唆しているが、図13A及び図13Bに示すように、操作ユニット2において、操作体20の周辺の筐体表面200Aとなる部分に、上記の表示器3とは異なる別の操作方式表示用の表示器6を設けて、その表示面60にて、上記の操作方式表示部に相当する画像23Cを、画面表示するようにしてもよい。つまり、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する操作方式表示部に相当する画像を、残余の操作方式表示部に相当する画像(非表示であってもよい)よりも強調する形で、操作方式表示用の表示器6の表示面60内に表示させる構成としてもよい。
【0061】
また、上記実施形態において、有効となる操作方式の設定は、表示面30における表示内容に応じて決定されていたが、ユーザーによるマニュアル設定が可能であってもよい。操作体20に対し、上記操作方式とは操作方向が異なる他の種別の操作方式を可能に構成し、その操作方式による操作に基づいて操作方式を決定するようにしてもよい。例えば図12A及び図12Bに示すように、傾倒操作方式、回転操作方式、押圧操作方式とは独立に可能な操作として、操作体20全体を車両前後方向にスライドする操作を可能に構成するとともに、操作体20が車両前方側の所定位置にあるのか車両後方側の所定位置にあるのかを検出する位置検出部20Dを設け、操作体20が車両前方側の所定位置において検出されている場合には、制御部10が傾倒操作方式を有効に設定し、回転操作方式を無効に設定し、他方、車両後方側の所定位置において検出されている場合には、制御部10が、回転操作方式を有効に設定し、傾倒操作方式を無効に設定するように構成してもよい。なお、本実施形態の位置検出部20Dは、基板200K上の各所定位置に設けられた金属接点20D1と操作体20側の金属接点20D2とが設けられており、互いが接触して導通状態となっている側を、操作体20の現在位置として検出する。
【0062】
また、上記実施形態における操作体20は、複数種可能な操作方式として傾倒操作方式と回転操作方式と押圧操作方式が可能とされた構成となっているが、少なくとも2以上の操作方式が可能であればよく、他の操作方式とおきかえてもよいし、さらに操作方式の数が追加されていてもよい。
【0063】
例えば、図14Bに示す操作体20のように、上記実施形態と同様の移動操作方式が可能な本体部26に対し、例えばその先端面(上端面)27Tにタッチパネルやタッチパッド等のようなタッチ操作面を有したタッチ操作部27を設け、二次元平面のタッチ入力操作(タッチ面への接触操作や摺動操作)を可能に構成してもよい。この場合、例えば図14Aのような画面306を表示できる。図14Aの画面306は背景画像が地図画像であり、当該画面306の表示モードとして、当該地図画像を移動操作方式によって上下左右にスクロールするスクロールモードと、画面内に表示されている選択領域3Iへのタッチ入力操作により、当該選択領域3Iをカーソル3Cによる選択状態とすることができるタッチ入力モードとを有し、制御部10は、これらの表示モードを切り替えて設定することができる。図14は、タッチ入力モードが設定された表示状態であり、画面306上には、有効な操作方式として設定されたタッチ入力方式を示唆する画像320Cが表示されている。なお、ここでは、選択領域3Iが選択されると、その選択領域に対応する情報表示部3J(この場合、例えばテンポ情報等)が表示される。また、ここでの画像320Cは、タッチ入力を示唆できる指先画像である。一方で、スクロールモードが設定された場合には、有効な操作方式として設定された移動操作方式を示唆する画像(ここでは上述と同様の操作方向画像)330Bを出現させる。他方、操作デバイス2においては、タッチ入力モードが設定されているときには、タッチ操作部27のタッチ操作面(加飾用表示部23C)を発光状態とする。タッチ面を示すことにより、タッチ入力が示唆される。なお、スクロールモードが設定されているときには、上述の実施形態と同様、移動操作方向を指示するプリズム231Bの最表面230B(加飾用表示部23B)が発光状態となる。
【0064】
また、図15Bに示す操作体20のように、上記実施形態と同様の移動操作方式が可能な本体部28に対し、例えばスクロール操作用のホイール部材29を設けて上記実施形態の回転操作方式とは回転方向の異なる別の回転操作を可能に構成してもよい。この場合、例えば図15Aのような画面307を表示し、有効な操作方式として回転操作方式(スクロール操作方式)を設定することができる。図15Aの画面307には、スクロール表示画像370が表示されており、スクロール表示画像370内には、所定のスクロール方向に選択対象となる画像3Hが並び、それらのうち、所定位置(ここでは画面中央)に位置する画像3Hがカーソル3Cによる選択状態となる。上記ホイール部材29の順方向又は逆方向への回転操作により、スクロール方向に並ぶ画像3Hを、順方向又は逆方向へと送ることができ、選択中の画像3Hを順次切り替えることができる。スクロール表示画像370は、上記ホイール部材29を斜視したかのような、筒状体の径方向端部が表現された立体表現画像であり、回転操作方式(スクロール操作方式)が有効設定されている場合には、立体表現された筒状体の径方向端部の画像の円弧状端部領域330Dが発光状態となる。これにより、回転操作方式(スクロール操作方式)と、その操作対象であるホイール部材29と、その操作方向とを示唆することができる。そして、このとき操作デバイス2においても、画面307の表示に対応するように(同様に見えるように)、本体部28から突出するホイール部材29のホイール幅方向の端部に設けられた環状のプリズムの最表面230D(加飾用表示部23D)が発光状態となる。これにより、回転操作方式(スクロール操作方式)と、その操作対象であるホイール部材29と、その操作方向とを、画面内容と一致する形で示唆することができる。
【0065】
また、図16は、上記実施形態において、例えば図7Aの画面が表示された場合と同様の操作方式が設定される画面例である。図16の画面は、例えば50音文字入力が面のように、多数の選択領域が配列表示された画面308であり、そのうち1つがカーソル3Cにより選択されており、上記実施形態のような移動操作方式により、そのカーソル3Cを、隣接する別の選択領域3Iへと移り変わる形で移動させる選択操作が可能となっている。このとき、選択中の選択領域3Iに隣接する他の選択領域3I上に重畳する形で、移動操作方式及び移動操作方向を示す操作方向画像330Bを表示している。この操作方向画像により、移動操作方式が設定されていること、さらには操作可能な方向(移動操作方向)を認識することが可能となっている。
【0066】
また、上記実施形態における操作デバイス2において、移動操作の操作方向は、上記のような十字状の4方向に限らず、例えば2方向等の4方向未満の方向や、8方向や6方向等のように5方向以上の方向であってもよい。ただし、基準位置から等間隔おきに放射状に延びるように設けられるとよい。そして、選択用画面300も、操作デバイス2の操作方向及び操作方向数に対応する形で選択領域3Iを配置する必要がある。
【符号の説明】
【0067】
1 車両用操作入力システム
2 操作デバイス(操作手段)
3 表示器
30 表示面
5 車載機器
10制御部
13 表示制御部
20 操作体
21 本体部
22 変形可動部
200 筐体
20A〜20C 操作検出部
22M 変形駆動部
P 第一位置(第一状態)
Q 第二位置(第二状態)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段に画面表示される表示内容に対する操作を遠隔的に行うために、1つの操作体に対し互いの操作方向が異なる第一の操作方式と第二の操作方式による操作が可能とされた複合操作手段と、
前記表示手段に画面表示される表示内容に応じて、前記複合操作手段において有効となる操作方式を設定する操作方式設定手段と、
前記複合操作手段における前記操作体及びその周辺のいずれか又は双方にて、前記第一の操作方式を示唆可能な第一の操作方式表示部と、前記第二の操作方式を示唆可能な第二の操作方式表示部とを有する操作体側操作方式表示部と、
有効な操作方式として設定された操作方式に対応する前記操作方式表示部を、残余の前記操作方式表示部よりも強調して表示させる操作体側操作方式表示制御手段と、
有効な操作方式として設定された操作方式を示唆する表示を、前記表示手段に実行させる表示側操作方式表示制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用操作入力システム。
【請求項2】
前記第一の操作方式は、前記操作体を、予め定められた回転軸線周りに回転させる回転操作方式である請求項1に記載の車両用操作入力システム。
【請求項3】
前記第二の操作方式は、前記操作体を、該操作体に定められた所定の軸線が予め定められた基準軸線と一致する基準位置から、該基準軸線に垂直な方向へと移動させる移動操作方式である請求項1又は請求項2に記載の車両用操作入力システム。
【請求項4】
有効な操作方式として設定された操作方式とは逆の操作方式による操作を規制するための操作規制手段を備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操作入力システム。
【請求項5】
前記操作体は、本体部と変形可動部とを有し、前記変形可動部が予め定められた第一状態と第二状態との間で状態を変形可能であり、前記変形可動部が前記第一状態にある場合には、前記第一の操作方式による操作が許容され、かつ前記第二の操作方式による操作が規制される一方、前記変形可動部が前記第二状態にある場合には、前記第二の操作方式による操作が許容され、かつ前記第一の操作方式による操作が規制され、
前記操作規制手段は、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第一の操作方式であれば前記変形可動部を前記第一状態とし、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第二の操作方式であれば前記変形可動部を前記第二状態とする請求項4に記載の車両用操作入力システム。
【請求項6】
前記操作体において、前記変形可動部は、前記本体部に対する予め定められた第一位置と第二位置との間で往復動作可能であり、前記変形可動部が前記第一位置にある場合には、前記第一の操作方式による操作が許容され、かつ前記第二の操作方式による操作が規制される一方、前記変形可動部が前記第二位置にある場合には、前記第二の操作方式による操作が許容され、かつ前記第一の操作方式による操作が規制され、
前記操作規制手段は、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第一の操作方式に切り替わった場合には前記変形可動部を前記第一位置へと移動させ、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第二の操作方式に切り替わった場合には前記変形可動部を前記第二位置へと移動させる請求項5に記載の車両用操作入力システム。
【請求項7】
請求項2及び請求項3に記載の要件を備え、
前記移動操作方式は、前記回転軸線を、前記基準軸線と一致する基準位置から傾斜変位させる形で、前記操作体を傾倒させることにより、該操作体を前記基準軸線に垂直な方向へと移動させる傾倒操作方式であり、
前記操作体の本体部は、前記複合操作手段の筐体に設けられた、筐体内部に貫通する孔部から筐体外部に向けて突出し、その突出方向が前記回転軸線方向とされて前記回転操作方式による回転操作が可能となるよう配置されるとともに、他方、前記変形可動部は、前記本体部の前記回転軸線周りの相対回転を許容する一方で自身は前記筐体に対し非回転に設けられるとともに、前記本体部の突出先端側の部位を外周側から覆ってその外周面を隠匿する隠匿位置と、前記筐体側に移動して前記突出先端側の部位の外周面が露出する露出位置との間で往復移動可能とされ、前記隠匿位置にある場合には、前記筐体の表面との間に隙間を有し、前記操作体の傾倒が許容される一方、前記露出位置にある場合には、前記筐体表面との間で互いの平坦面同士が面接触し、その平坦面接触により前記操作体の傾倒が規制されるように構成され、
前記操作規制手段は、
前記変形可動部を、前記隠匿位置と前記露出位置との間で移動させる駆動手段と、
有効な操作方式として設定された操作方式が前記第一の操作方式に切り替わった場合には前記変形可動部が前記露出位置へと移動するように、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第二の操作方式に切り替わった場合には前記変形可動部が前記隠匿位置へと移動するように、前記駆動手段を駆動する駆動制御手段と、を備える請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操作入力システム。
【請求項8】
前記傾倒操作方式は、前記回転軸線が、前記基準軸線と一致する基準位置から予め定められた3以上の特定の方向にのみ傾斜変位可能とされ、前記操作体を前記特定の方向のいずれかに傾倒させるものであり、
前記本体部における前記突出先端側の部位の先端面が前記回転軸線に直交する円形をなす一方、前記変形可動部の外縁が前記特定の方向側にそれぞれ辺を有した多角形状をなす請求項7記載の車両用操作入力システム。
【請求項9】
前記変形可動部は、前記隠匿位置において、前記本体部を、その先端面を除く全ての面を露出しない形で嵌合させる嵌合部を有する請求項8に記載の車両用操作入力システム。
【請求項10】
前記表示側操作方式表示制御手段は、前記第一の操作方式表示部及び前記第二の操作方式における表示状態を模倣した形の操作方向表示画像を、前記表示手段の表示面に表示させるものである請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車両用操作入力システム。
【請求項11】
前記複合操作手段において、前記操作体の周辺の筐体表面が、前記表示手段とは異なる操作方式表示用の表示手段を備え、
前記操作体側操作方式表示制御手段は、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する前記操作方式表示部を、残余の前記操作方式表示部よりも強調する形で、前記操作方式表示用の表示手段の画面表示させるものである請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車両用操作入力システム。
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段に画面表示される表示内容に対する操作を遠隔的に行うために、1つの操作体に対し互いの操作方向が異なる第一の操作方式と第二の操作方式による操作が可能とされた複合操作手段と、
前記表示手段に画面表示される表示内容に応じて、前記複合操作手段において有効となる操作方式を設定する操作方式設定手段と、
前記複合操作手段における前記操作体及びその周辺のいずれか又は双方にて、前記第一の操作方式を示唆可能な第一の操作方式表示部と、前記第二の操作方式を示唆可能な第二の操作方式表示部とを有する操作体側操作方式表示部と、
有効な操作方式として設定された操作方式に対応する前記操作方式表示部を、残余の前記操作方式表示部よりも強調して表示させる操作体側操作方式表示制御手段と、
有効な操作方式として設定された操作方式を示唆する表示を、前記表示手段に実行させる表示側操作方式表示制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用操作入力システム。
【請求項2】
前記第一の操作方式は、前記操作体を、予め定められた回転軸線周りに回転させる回転操作方式である請求項1に記載の車両用操作入力システム。
【請求項3】
前記第二の操作方式は、前記操作体を、該操作体に定められた所定の軸線が予め定められた基準軸線と一致する基準位置から、該基準軸線に垂直な方向へと移動させる移動操作方式である請求項1又は請求項2に記載の車両用操作入力システム。
【請求項4】
有効な操作方式として設定された操作方式とは逆の操作方式による操作を規制するための操作規制手段を備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操作入力システム。
【請求項5】
前記操作体は、本体部と変形可動部とを有し、前記変形可動部が予め定められた第一状態と第二状態との間で状態を変形可能であり、前記変形可動部が前記第一状態にある場合には、前記第一の操作方式による操作が許容され、かつ前記第二の操作方式による操作が規制される一方、前記変形可動部が前記第二状態にある場合には、前記第二の操作方式による操作が許容され、かつ前記第一の操作方式による操作が規制され、
前記操作規制手段は、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第一の操作方式であれば前記変形可動部を前記第一状態とし、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第二の操作方式であれば前記変形可動部を前記第二状態とする請求項4に記載の車両用操作入力システム。
【請求項6】
前記操作体において、前記変形可動部は、前記本体部に対する予め定められた第一位置と第二位置との間で往復動作可能であり、前記変形可動部が前記第一位置にある場合には、前記第一の操作方式による操作が許容され、かつ前記第二の操作方式による操作が規制される一方、前記変形可動部が前記第二位置にある場合には、前記第二の操作方式による操作が許容され、かつ前記第一の操作方式による操作が規制され、
前記操作規制手段は、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第一の操作方式に切り替わった場合には前記変形可動部を前記第一位置へと移動させ、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第二の操作方式に切り替わった場合には前記変形可動部を前記第二位置へと移動させる請求項5に記載の車両用操作入力システム。
【請求項7】
請求項2及び請求項3に記載の要件を備え、
前記移動操作方式は、前記回転軸線を、前記基準軸線と一致する基準位置から傾斜変位させる形で、前記操作体を傾倒させることにより、該操作体を前記基準軸線に垂直な方向へと移動させる傾倒操作方式であり、
前記操作体の本体部は、前記複合操作手段の筐体に設けられた、筐体内部に貫通する孔部から筐体外部に向けて突出し、その突出方向が前記回転軸線方向とされて前記回転操作方式による回転操作が可能となるよう配置されるとともに、他方、前記変形可動部は、前記本体部の前記回転軸線周りの相対回転を許容する一方で自身は前記筐体に対し非回転に設けられるとともに、前記本体部の突出先端側の部位を外周側から覆ってその外周面を隠匿する隠匿位置と、前記筐体側に移動して前記突出先端側の部位の外周面が露出する露出位置との間で往復移動可能とされ、前記隠匿位置にある場合には、前記筐体の表面との間に隙間を有し、前記操作体の傾倒が許容される一方、前記露出位置にある場合には、前記筐体表面との間で互いの平坦面同士が面接触し、その平坦面接触により前記操作体の傾倒が規制されるように構成され、
前記操作規制手段は、
前記変形可動部を、前記隠匿位置と前記露出位置との間で移動させる駆動手段と、
有効な操作方式として設定された操作方式が前記第一の操作方式に切り替わった場合には前記変形可動部が前記露出位置へと移動するように、有効な操作方式として設定された操作方式が前記第二の操作方式に切り替わった場合には前記変形可動部が前記隠匿位置へと移動するように、前記駆動手段を駆動する駆動制御手段と、を備える請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操作入力システム。
【請求項8】
前記傾倒操作方式は、前記回転軸線が、前記基準軸線と一致する基準位置から予め定められた3以上の特定の方向にのみ傾斜変位可能とされ、前記操作体を前記特定の方向のいずれかに傾倒させるものであり、
前記本体部における前記突出先端側の部位の先端面が前記回転軸線に直交する円形をなす一方、前記変形可動部の外縁が前記特定の方向側にそれぞれ辺を有した多角形状をなす請求項7記載の車両用操作入力システム。
【請求項9】
前記変形可動部は、前記隠匿位置において、前記本体部を、その先端面を除く全ての面を露出しない形で嵌合させる嵌合部を有する請求項8に記載の車両用操作入力システム。
【請求項10】
前記表示側操作方式表示制御手段は、前記第一の操作方式表示部及び前記第二の操作方式における表示状態を模倣した形の操作方向表示画像を、前記表示手段の表示面に表示させるものである請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車両用操作入力システム。
【請求項11】
前記複合操作手段において、前記操作体の周辺の筐体表面が、前記表示手段とは異なる操作方式表示用の表示手段を備え、
前記操作体側操作方式表示制御手段は、有効な操作方式として設定された操作方式に対応する前記操作方式表示部を、残余の前記操作方式表示部よりも強調する形で、前記操作方式表示用の表示手段の画面表示させるものである請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車両用操作入力システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【公開番号】特開2011−255853(P2011−255853A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134012(P2010−134012)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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