説明

車両用操作装置

【課題】圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面に付着した付着物を適切に除去することを可能とする。
【解決手段】カメラ3が着脱可能なカメラカバー2に、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンクから供給された洗浄液をカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射して当該レンズ面5aを洗浄する洗浄ノズル9を設けた。圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面5aに付着した付着物を適切に除去することができ、カメラ3を適切に動作させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されている例えばカメラやレーザー等の光学センサと共に使用される車載光学センサカバー、前記車載光学センサカバーと光学センサとを備えた車載光学センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両には例えばカメラやレーザー等の光学センサが搭載される傾向にあり、車両に搭載されている光学センサのレンズのレンズ面に付着した水滴や泥等の付着物を除去する構成として、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを設け、圧縮空気発生ユニットから圧縮空気をレンズのレンズ面に向けて噴射して当該レンズ面に付着した付着物を除去する構成がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−171491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されている技術では、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを設ける必要がある分、コスト高になると共に、構成が大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズのレンズ面又は当該レンズに対向するカバーガラスのガラス面に付着した付着物を適切に除去することができる車載光学センサカバー及び車載光学センサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した車載光学センサカバーによれば、レンズを有する光学センサを収容する収容部と、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンクから供給された洗浄液を前記収容部に収容されている前記光学センサの前記レンズのレンズ面又は当該レンズに対向するカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面に向けて噴射して当該レンズ面又は当該ガラス面を洗浄する洗浄動作を行う洗浄ノズルと、を備え、前記洗浄ノズルによる洗浄動作が行われるように構成したので、洗浄液をレンズ面又はガラス面に向けて適切に噴射して当該レンズ面又は当該ガラス面に付着した付着物を適切に除去することで、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面又はガラス面に付着した付着物を適切に除去することができ、光学センサを適切に動作させることができる。そして、この車載光学センサカバーと、前記洗浄ノズルによる洗浄動作を制御する制御手段と、レンズを有する光学センサと、を備えたので、洗浄液をレンズ面又はガラス面に向けて適切に噴射して当該レンズ面又は当該ガラス面に付着した付着物を適切に除去することで、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面又はガラス面に付着した付着物を適切に除去することができ、光学センサを適切に動作させることができる。さらに、車両におけるギアの位置を検出するギア位置検出手段を備え、前記制御手段は、車両におけるギアの位置が所定位置であることが前記ギア位置検出手段により検出された場合に、前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせるように構成したので、ユーザーが車両におけるギアの位置を所定位置(例えば後退位置)に操作する毎に、即ち、ユーザーが車両を後退させる毎に光学センサのレンズのレンズ面又はカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面を自動で洗浄することができる。また、車両の起動開始を検出する車両起動開始検出手段を備え、前記制御手段は、車両の起動開始が前記車両起動開始検出手段により検出された場合に、前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせるように構成したので、ユーザーが例えばACCスイッチやIGスイッチをオンする毎に、即ち、ユーザーがこれから運転する毎に光学センサのレンズのレンズ面又はカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面を自動で洗浄することができる。また、車両の起動終了を検出する車両起動終了検出手段を備え、前記制御手段は、車両の起動終了が前記車両起動終了検出手段により検出された場合に、前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせるように構成したので、ユーザーが例えばACCスイッチやIGスイッチをオフする毎に、ユーザーが運転を終了する毎に光学センサのレンズのレンズ面又はカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面を自動で洗浄することができる。また、前記光学センサにより撮影された映像を解析して映像中に汚れがあるか否かを検出する映像汚れ検出手段を備え、前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合に、前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせるように構成したので、映像中に汚れがあると検出される毎に光学センサのレンズのレンズ面又はカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面を自動で洗浄することができる。
【0007】
請求項2に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項1において、前記映像汚れ検出手段は、前記光学センサにより撮影された映像のうちユーザーに対して提供される領域を解析して当該ユーザーに対して提供される映像中に汚れがあるか否かを検出し、ユーザーに対して提供されない領域を解析しないので、必要な映像について汚れがあるか否かを検出することができると共に、不必要な映像を余計に解析することを回避することができる。
【0008】
請求項3に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項1又は2において、前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合に、当該汚れが解消されるまで前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせるように構成したので、汚れが解消されるまで光学センサのレンズのレンズ面又はカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面を自動で洗浄することができる。
【0009】
請求項4に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項1又は2において、前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合に、当該汚れが解消されるか又は洗浄動作が所定条件に達するまで前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせ、前記洗浄ノズルによる洗浄動作が所定条件に達したときに報知手段により報知動作を行うように構成したので、例えば洗浄時間や洗浄回数を所定条件とすることで、洗浄動作を所定時間や所定回数行っても汚れが解消されないことをユーザーに報知することができ、何らかの不具合が発生したことをユーザーに報知することができる。
【0010】
請求項5に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項1又は2において、車両におけるギアの位置を検出するギア位置検出手段、車両の起動開始を検出する車両起動開始検出手段、車両の起動終了を検出する車両起動終了検出手段のうち何れかを備え、前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合で、且つ車両におけるギアの位置が所定位置であることが前記ギア位置検出手段により検出されたか、車両の起動開始が前記車両起動開始検出手段により検出されたか、車両の起動終了が前記車両起動終了検出手段により検出されたかのうち何れかの場合に、前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせるように構成したので、汚れが検出されても直ぐに洗浄動作を行うことがなく、ユーザーが映像を視認する可能性が高いタイミングで洗浄動作を行うことができ、洗浄液を有効に使用することができる。
【0011】
請求項6に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項3において、車両におけるギアの位置を検出するギア位置検出手段、車両の起動開始を検出する車両起動開始検出手段、車両の起動終了を検出する車両起動終了検出手段のうち何れかを備え、前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合で、且つ車両におけるギアの位置が所定位置であることが前記ギア位置検出手段により検出されたか、車両の起動開始が前記車両起動開始検出手段により検出されたか、車両の起動終了が前記車両起動終了検出手段により検出されたかのうち何れかの場合に、当該汚れが解消されるまで前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせるように構成したので、上記した請求項5に記載したものと同様に、汚れが検出されても直ぐに洗浄動作を行うことがなく、ユーザーが映像を視認する可能性が高いタイミングで洗浄動作を行うことができ、洗浄液を有効に使用することができる。
【0012】
請求項7に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項4において、車両におけるギアの位置を検出するギア位置検出手段、車両の起動開始を検出する車両起動開始検出手段、車両の起動終了を検出する車両起動終了検出手段のうち何れかを備え、前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合で、且つ車両におけるギアの位置が所定位置であることが前記ギア位置検出手段により検出されたか、車両の起動開始が前記車両起動開始検出手段により検出されたか、車両の起動終了が前記車両起動終了検出手段により検出されたかのうち何れかの場合に、当該汚れが解消されるか又は洗浄動作が所定条件に達するまで前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせ、前記洗浄ノズルによる洗浄動作が所定条件に達したときに報知手段により報知動作を行うように構成したので、上記した請求項5に記載したものと同様に、汚れが検出されても直ぐに洗浄動作を行うことがなく、ユーザーが映像を視認する可能性が高いタイミングで洗浄動作を行うことができ、洗浄液を有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す正面図(a)及び縦断側面図(b)
【図2】カメラカバーとカメラとが分離されている態様を示す図
【図3】車両に搭載されている態様を示す斜視図
【図4】機能ブロック図
【図5】フローチャート
【図6】本発明の第2の実施形態を示す機能ブロック図
【図7】図5相当図
【図8】その他の実施形態を示す正面図(a)及び縦断側面図(b)
【図9】図8相当図
【図10】図8相当図
【図11】図8相当図
【図12】図8相当図
【図13】図8相当図
【図14】図8相当図
【図15】図8相当図
【図16】図8相当図
【図17】図8相当図
【図18】図8相当図
【図19】図8相当図
【図20】その他の実施形態を示す正面図
【図21】図20相当図
【図22】その他の実施形態を示す機能ブロック図
【図23】その他の実施形態を示し、車両に搭載されている態様を示す斜視図
【図24】本発明の第3の実施形態を示す正面図(a)及び縦断側面図(b)
【図25】図2相当図
【図26】図4相当図
【図27】図5相当図
【図28】本発明の第4の実施形態を示す機能ブロック図
【図29】図5相当図
【図30】図8相当図
【図31】図8相当図
【図32】図8相当図
【図33】図8相当図
【図34】図8相当図
【図35】図8相当図
【図36】図8相当図
【図37】図8相当図
【図38】図8相当図
【図39】図8相当図
【図40】図8相当図
【図41】図8相当図
【図42】図8相当図
【図43】図8相当図
【図44】図8相当図
【図45】図8相当図
【図46】図8相当図
【図47】図8相当図
【図48】図8相当図
【図49】図8相当図
【図50】洗浄液が除去される態様を模式的に示す図
【図51】図8相当図
【図52】図8相当図
【図53】図5相当図
【図54】カメラにより撮影された映像を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明の光学センサとしてカメラを適用した第1の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。光学センサユニット1(本発明でいう車載光学センサ装置)は図1に示すようにカメラカバー2(本発明でいう車載光学センサカバー)にカメラ3(本発明でいう光学センサ)が着脱可能に装着されて構成されている。カメラ3にあって筐体4の正面側(図1(b)では左側)にはレンズ5が設けられている共に筐体4の背面側(図1(b)では右側)からは当該カメラ3に電力を供給するための電力供給線(図示せず)や映像信号を出力するための映像信号出力線(図示せず)等が引出されている。レンズ5は広角撮影を可能とするレンズ面5aが曲面状に形成されている魚眼レンズである。
【0015】
カメラカバー2にあって筐体6の内部にはカメラ3を収容するための収容部7が設けられている共に筐体6の背面側には開口部8が設けられている。カメラ3は図2にも示すように外部から開口部8を通じてカメラカバー2に取付けられ、カメラカバー2から開口部8を通じて外部に取外される。カメラカバー2にあって収容部7の上方には洗浄ノズル9が設けられている。洗浄ノズル9は「L」字形状をなし、その基端部9aは筐体6の背面側でチューブ10に接続されており、その先端部9bは下方に向けて開口して噴射口11として機能する。この場合、カメラ3が収容部7に正常に収容されている状態(図1に示す通常使用時の状態)では、洗浄ノズル9の先端部9bの真下方向にカメラ3のレンズ5のレンズ面5aが位置するようになっている。又、洗浄ノズル9の噴射口11は、カメラ3の画角(図1では「θ」にて示す)外の領域に設けられている。そして、このように構成されてなる光学センサユニット1は図3に示すように例えば車体12にあってリアウィンドウ13の上方に設けられる。即ち、カメラ3は車両が後退する際に車両後方を撮影するバックビューカメラとして機能する。
【0016】
図4は上記した光学センサユニット1を含む周辺の電気的な構成を機能ブロック図により示している。本発明でいう車載光学センサ装置は光学センサユニット1と制御部14とを構成要件として含んで構成される。制御部14(本発明でいう制御手段、ギア位置検出手段、車両起動開始検出手段、車両起動終了検出手段、映像汚れ検出手段、映像曇り検出手段)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、予め記憶している制御プログラムを実行することで、カメラ3による撮影動作を制御すると共に、洗浄液タンク15に設けられているモーター16の動作を制御することで洗浄ノズル9による洗浄動作を制御する。
【0017】
この場合、モーター16が駆動すると、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液がチューブ10を介して洗浄ノズル9に供給され、洗浄ノズル9に供給された洗浄液は水圧によって噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射される。ここでいう噴射とは、洗浄液を霧状にしてレンズ面5aに吹きつける場合と、霧状ほど細かくない程度に粒状にした洗浄液をレンズ面5aに適量供給する場合と、一定量の洗浄液の塊を一度にレンズ面5aに供給する場合など、本発明の効果が発揮されるような噴射であれば全ての場合を含む概念として用いられる。尚、洗浄液タンク15は車体12にあって周知のエンジンルームに設けられている。
【0018】
液晶ディスプレイ装置17(本発明でいう報知手段)は、車室内に設けられ、カメラ3から出力された映像信号を入力すると、その入力した映像信号を復号処理することで当該映像信号に対応する映像を表示する。制御部14は、液晶ディスプレイ装置17に表示されている映像を解析することで(例えば素子の輝度の大小を判定することで)映像中に汚れや曇りがあるか否かを検出する。
【0019】
洗浄スイッチ18は、ユーザーが操作可能なスイッチであり、ユーザーが洗浄スイッチ18を操作すると、操作検出信号を制御部14に出力し、制御部14は、洗浄スイッチ18から出力された操作検出信号を入力すると、駆動指令信号をモーター16に出力してモーター16を駆動させる。尚、制御部14からモーター16に出力される駆動指令信号は例えばレベル信号であり、それらレベル信号がオン(ハイレベル)されている期間だけ洗浄ノズル9による洗浄動作が行われる。又、洗浄スイッチ18は機械的に設けられているスイッチであっても良いし液晶ディスプレイ装置17に表示されるタッチスイッチであっても良い。
【0020】
車載LANインタフェース部19は、各種ECU等から車両におけるギアの位置を示すギア位置信号、ACC(アクセサリ)スイッチのオンオフを示すACC信号、IG(イグニッション)スイッチのオンオフを示すIG信号を車載LAN20を介して入力すると、その入力した各種信号を制御部14に出力する。制御部14は、車載LANインタフェース部19から出力された各種信号を入力すると、その入力した各種信号を解析することで、ギアの位置、ACCスイッチのオンオフ、IGスイッチのオンオフを検出する。
【0021】
次に、上記した構成の作用について、図5を参照して説明する。
【0022】
制御部14は、電源オン状態(光学センサユニット1の起動状態)にあるときには、洗浄スイッチ18が操作されたか否かを判定している(ステップS1)。ここで、制御部14は、洗浄スイッチ18から出力された操作検出信号を入力し、洗浄スイッチ18が操作されたと判定すると(ステップS1にて「YES」)、駆動指令信号をモーター16に出力してモーター16を駆動させ、洗浄ノズル9による洗浄動作を行う(ステップS2)。即ち、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液は洗浄ノズル9に供給されて噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射される。この場合、制御部14は、洗浄ノズル9による洗浄動作を予め設定されている所定期間(例えば数秒)だけ行っても良いしユーザーが洗浄スイッチ18を操作している(例えば押続けている)期間だけ行っても良い。又、洗浄液の液量を計量する機能を有していれば、噴射した洗浄液の液量が所定量となるだけ行っても良い。そして、制御部14は、上記したステップS1、S2を繰返して行う。
【0023】
以上に説明したように第1の実施形態によれば、カメラ3が着脱可能なカメラカバー2に、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンク15から供給された洗浄液をカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射して当該レンズ面5aを洗浄する洗浄ノズル9を設けたので、従来の圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面5aに付着した付着物を適切に除去することができ、カメラ3を適切に動作させることができる。又、カメラカバー2に対してカメラ3を着脱可能に設けたので、カメラ3だけを容易に交換することができる。
【0024】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記した第1の実施形態は、ユーザーが洗浄スイッチ18を操作したことをトリガとして洗浄ノズル9による洗浄動作を行う、即ち、洗浄ノズル9による洗浄動作を手動で行う構成であるが、第2の実施形態は、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされたこと(本発明でいう車両におけるギアの位置が所定位置であることが検出されたこと)、IGスイッチがオフからオンに切換わったこと(本発明でいう車両の起動開始が検出されたこと)、IGスイッチがオンからオフに切換わったこと(本発明でいう車両の起動終了が検出されたこと)を動作条件とし、何れかの動作条件が成立したこと又は映像中に汚れがあることをトリガとして洗浄ノズル9による洗浄動作を行う、即ち、洗浄ノズル9による洗浄動作を自動で行う構成である。第2の実施形態では、制御部31は、カウント機能を有している。
【0025】
図7において、制御部31は、電源オン状態(光学センサユニット1の起動状態)にあるときには、上記した何れかの動作条件が成立したか否かを判定すると共に(ステップS11)、映像中に汚れがあるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、制御部31は、何れかの動作条件が成立した、即ち、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされた、IGスイッチがオフからオンに切換わった及びIGスイッチがオンからオフに切換わったことの何れかを判定すると(ステップS11にて「YES」)、又は、映像中に汚れがあると判定すると(ステップS12にて「YES」)、モーター16を駆動させ、洗浄ノズル9による洗浄動作を予め設定されている所定期間だけ行う(ステップS13)。
【0026】
次いで、制御部31は、洗浄回数カウンタのカウント値をインクリメント(「1」加算)し(ステップS14)、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数未満であるか否かを判定し(ステップS15)、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数未満であると判定すると(ステップS15にて「YES」)、上記したステップS12に戻り、ステップS12以降を繰返して行う。一方、制御部31は、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上であると判定すると(ステップS15にて「NO」)、洗浄ノズル9による洗浄動作を所定回数行ったことを示すエラー表示を液晶ディスプレイ装置17により行い(ステップS16)、洗浄回数カウンタのカウント値をリセットし(ステップS17)、一連の処理を終了する。
【0027】
又、制御部31は、映像中に汚れがない(洗浄ノズル9による洗浄動作を行ったことで汚れが解消された)と判定すると(ステップS12にて「NO」)、洗浄回数カウンタのカウント値をリセットし(ステップS18)、上記したステップS11に戻り、ステップS11以降を繰返して行う。
【0028】
以上に説明したように第2の実施形態によれば、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされたこと、IGスイッチがオフからオンに切換わったこと、IGスイッチがオンからオフに切換わったこと又は映像中に汚れがあることを検出する毎に、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aを自動で洗浄することができる。尚、以上は、洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上となったときにエラー表示を行うようにしたが、洗浄時間を計時する機能を有する構成であれば、洗浄時間が所定時間になったときにエラー表示を行うようにしても良い。
【0029】
上記した実施形態は、以下のように変形又は拡張することができる。
【0030】
光学センサは、カメラ3に限らず、レンズを有して物理量を光学的に測定する装置であれば良く、レーザー等の他のセンサであっても良い。
【0031】
洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上であると判定したときにエラー表示を液晶ディスプレイ装置17により行う構成に限らず、エラー音声をスピーカから出力させる構成であっても良いし、シートやハンドルに振動発生装置や静電気発生装置を設け、振動や静電気をシートやハンドルから発生させる構成であっても良いし、これらを併用しても良い。即ち、視覚、聴覚、触覚のうち何れを用いて報知する方法であっても良い。
【0032】
図5で説明した洗浄ノズル9による洗浄動作を手動で行う構成と図7で説明した洗浄ノズル9による洗浄動作を自動で行う構成とを併用しても良い。
【0033】
図8に示すように、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aが撥水処理され、撥水膜41がレンズ面5aにコーティングされている構成であっても良い。又、レンズ面5aが撥水処理されることに限らず、レンズ面5aが親水処理、光触媒処理又は防汚処理され、親水膜、光触媒膜又は防汚膜がレンズ面5aにコーティングされている構成であっても良い。このように構成すれば、レンズ面5aに水滴や泥等の付着物が付着することを回避することができる。そして、たとえ水滴や泥等の付着物が付着したとしても、洗浄ノズル9による洗浄動作が行われることで好適にレンズ面5aを洗浄することができる。
【0034】
図9に示すように、カメラカバー51の筐体52にあって洗浄ノズル9と並行してウィンドウ洗浄ノズル53が設けられ、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液がチューブ54を介してウィンドウ洗浄ノズル53に供給され、ウィンドウ洗浄ノズル53に供給された洗浄液が噴射口55からウィンドウに向けて噴射される構成であっても良い。このように構成すれば、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aを洗浄することに加えてウィンドウをも洗浄することができ、多機能化を実現することができる。尚、洗浄ノズル9に供給される洗浄液を貯留する洗浄液タンク15とは別に、ウィンドウ洗浄ノズル53に供給される洗浄液を貯留する洗浄液タンクが設けられている構成であっても良い。又、洗浄ノズル9の噴射口11の噴射方向を可変することでカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて洗浄液を噴射する動作とウィンドウに向けて洗浄液を噴射する動作とを選択的に行う構成であっても良い。
【0035】
図10に示すように、カメラカバー61の筐体62にあって受け皿63及びチューブ64が設けられ、洗浄ノズル9の噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射されたことに応じてレンズ面5aから垂れる洗浄液が受け皿63で受けられ、受け皿63に受けられた洗浄液がチューブ64を介して排水される構成であっても良い。このように構成すれば、レンズ面5aから垂れる洗浄液でウィンドウが汚れてしまうことを回避することができる。又、これとは反対に、受け皿に孔が設けられ、レンズ面5aから垂れた洗浄液が孔を介してウィンドウに流れることでウィンドウが洗浄される構成であっても良い。
【0036】
図11に示すように、カメラカバー71の筐体72にあってレンズ面5aを上方から覆うように突出する形状に設けられた庇73が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、上方からの水滴や泥等(特に雨滴)の付着物がレンズ5面に付着することを回避することができる。
【0037】
図12に示すように、カメラカバー81の筐体82にあってカメラ3のレンズ5のレンズ面5aの下端部に近い(レンズ5の真下)部位に突起物83が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、たとえレンズ面5aの下端部に水滴が溜まったとしても、そのレンズ面5aの下端部に溜まった水滴を突起物83に接触させることで水滴をレンズ面5aの下方に誘導して除去することができる。
【0038】
図13に示すように、カメラカバー91の筐体92にあってカメラ3のレンズ5のレンズ面5aの下端部に近い部位に突起物93が設けられ、その突起物93が溝部94に沿って上下方向に移動可能に設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、レンズ5の曲率や径の違いによりレンズ面5aの下端部に水滴が溜まる位置が異なるが、例えばレンズ5の径が大きければ突起物93を下方向に移動させ、一方、レンズ5の径が小さければ突起物93を上方向に移動させる等、突起物93を上下方向に移動させることで水滴を突起物93に適切に接触させることができ、レンズ5の曲率や径の違いに対してフレキシブルに対応することができる。尚、突起物93が溝部94に沿って上下方向に移動可能な構成としては、例えば突起物93に雄ネジ部が設けられると共に溝部94に雌ネジ部が設けられ、雄ネジ部と雌ネジ部とが噛み合う構成等が挙げられる。
【0039】
図14に示すように、カメラカバー101の筐体102にあって正面側に透明部材からなるカバーガラス103がカメラ3のレンズ5に対向して設けられ、洗浄液タンク15からチューブ10を介して洗浄ノズル9に供給された洗浄液が噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射される構成であっても良い。この場合、筐体102の内部にカメラ3全体が収容されるので、筐体102の前後方向(正面側から背面側まで)の寸法は第1及び第2の実施形態で説明した筐体6の寸法よりも長くなる。このように構成すれば、カメラ3のレンズ5をカバーガラス103により保護した上で、洗浄液をガラス面103aに向けて適切に噴射して当該ガラス面103aに付着した付着物を適切に除去することができ、カメラ3が被写体を適切に撮影できなくなるといった不具合を回避してカメラ3を適切に動作させることができる。
【0040】
図15に示すように、カバーガラス103のガラス面103aが撥水処理され、撥水膜111がガラス面103aにコーティングされている構成であっても良い。又、この場合も、ガラス面103aが撥水処理されることに限らず、ガラス面103aが親水処理、光触媒処理又は防汚処理され、親水膜、光触媒膜又は防汚膜がガラス面103aにコーティングされている構成であっても良い。このように構成すれば、ガラス面103aに水滴や泥等の付着物が付着することを回避することができる。そして、たとえ水滴や泥等の付着物が付着したとしても、洗浄ノズル9による洗浄動作が行われることで好適にガラス面103aを洗浄することができる。
【0041】
図16に示すように、カメラカバー121の筐体122にあってカバーガラス103のガラス面103aをワイピングするワイパー123と当該ワイパー123を可動させるモーター124とを含むワイピング機構125(本発明でいうワイピング手段)が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103のガラス面103aがワイピング機構125によりワイピングされる構成であっても良い。このように構成すれば、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。又、カバーガラス103を備えない構成であれば、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aをワイピングするワイピング機構が設けられても良い。
【0042】
図17に示すように、カメラカバー131の筐体132にあってカバーガラス103を回転させるシールドベアリング133とモーター134とを含む回転機構135(本発明でいう回転手段)が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103が回転機構135により回転される構成であっても良い。このように構成すれば、カバーガラス103が回転されることで、カバーガラス103のガラス面103aに付着した洗浄液が飛ばされ、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。この場合、例えばカバーガラス103に人が触れると回転が妨げられ、本来の洗浄液除去の能力が十分発揮されない状況が考えられるので、これを回避するために、車速が一定速度以上(例えば時速1[km]以上)であること又はウィンドウが閉鎖されていることを条件としてカバーガラス103が回転機構135により回転されるように構成すれば良い。
【0043】
即ち、通常、車外にいる人は、停車中又は停止中の車両には近づくことができるので、不用意にカバーガラス103に触れてしまう可能性があるが、走行中の車両には近づかないので、不用意にカバーガラス103に触れてしまうことはない。そこで、車速が一定速度以上である場合にカバーガラス103を回転機構135により回転させるようにする。これにより、車外の人が接触したことによる洗浄液除去の能力低下を防止することができる。又、カバーガラス103が例えばドアミラーなど車室内のユーザーの手に触れる可能性のある位置に設置されている場合には、ユーザーの接触防止対策を施しておくのが良い。そこで、ウィンドウが閉鎖されていることを条件としてカバーガラス103が回転機構135により回転されるように構成すれば、回転しているカバーガラス103にユーザーが触れることによる不具合が防止できる。この場合、必ずしもウィンドウは閉鎖されている必要はない。少なくともユーザーが車窓から身体を車外に突出してカバーガラス103に触れることが不可能な状態となる位置までウィンドウが閉められていれば多少窓を開けていても問題ない。この場合は、車窓から外気を導入することができるので、そのようなニーズがある場合には都合が良い。ウィンドウの開閉状態をどの程度にするかは、カバーガラス103の車両設置位置とユーザーがどの程度身体を車外に出すことができるかとの関係に基づいて適宜設計的に決められる。
【0044】
図18に示すように、カメラカバー141の筐体142にあって超音波又は低周波を発生することでカバーガラス103を振動させる圧電素子143と電極144とを含む振動機構145(本発明でいう超音波振動手段、低周波振動手段)が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103が振動機構145により振動される構成であっても良い。このように構成すれば、この場合も、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。
【0045】
図19に示すように、カメラカバー151の筐体152にあってカバーガラス103のガラス面103aにエアを噴射するエアノズル153とチューブ154とエアポンプ155とを含むエア噴射機構156(本発明でいうエア噴射手段)が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、エア噴射機構156からカバーガラス103のガラス面103aにエアが噴射される構成であっても良い。このように構成すれば、この場合も、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。
【0046】
図16で説明したワイピング機構125、図17で説明した回転機構135、図18で説明した振動機構145、図19で説明したエア噴射機構156が車両ワイパーの起動状態と連動するように構成され、車両ワイパーが起動している期間で、それらワイピング機構125、回転機構135、振動機構145、エア噴射機構156が起動する構成であっても良い。このように構成すれば、雨滴がレンズ面5a又はガラス面103aに付着することを回避することができ、又、雨滴がレンズ面5a又はガラス面103aに付着したとしても、その雨滴を除去することができる。
【0047】
図20に示すように、カメラカバー161の筐体162にあって洗浄ノズル163がカメラ3の側方に設けられ、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液がチューブ10を介して洗浄ノズル163に供給され、洗浄ノズル163に供給された洗浄液が噴射口164からレンズ5のレンズ面5に向けて側方から噴射される構成であっても良い。この場合、洗浄ノズル163は、図1で説明した洗浄ノズル9が筐体6の全体に延びて設けられているのと同様にして、筐体162の全体に延びて設けられている。このように構成すれば、洗浄ノズル163がカメラ3の側方に設けられている分、車載光学センサ装置の高さ方向の寸法を抑えることができる。即ち、車載光学センサ装置は車両に取付けられて使用されることになるが、車種によっては車両構造上又は車両メーカの要求によりその取付位置の制限や見栄えなどの観点から、図1のような車載光学センサ装置を用いる場合や図20のような車載光学センサ装置を用いる場合がある。本実施形態では少なくとも車両に対して縦配置又は横配置が可能となる異なる構造の車載光学センサ装置を各々車種に合わせて使い分けられる点で有利となる。
【0048】
図21及び図22に示すように、赤外線を照射する赤外線ライト171(本発明でいう照明手段)が一体化されたカメラ162が収容され、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液が洗浄ノズル9に供給されて噴射口11からカメラ172のレンズ173のレンズ面に向けて噴射されると共に赤外線ライト171にも向けて噴射される構成であっても良い。赤外線ライト171は、例えば夜間などカメラ3で画像を撮像する際に周囲の明るさを補助するために用いられるものである。したがって、図21及び図22に示すような実施形態によれば、赤外線ライト171のレンズに付着する異物を好適に除去することができ、赤外線の照射を好適に行うことができる。尚、図21及び図22において、赤外線ライト171に代えて可視光ライト(本発明でいう照明手段)としても良い。可視光ライトであっても赤外線ライト171と同様な効果が得られる。
【0049】
図23に示すように、光学センサユニット1が車体12にあってリアウィンドウ13の上方に設けられることに加えて、光学センサユニット1が車両側方に取付けられているサイドミラーの下部に設けられ、カメラ3が車両後側方を撮影する構成であっても良い。即ち、複数のカメラが搭載される構成であっても良い。
【0050】
上記した複数の実施形態のうち幾つかが任意に組み合わされた構成であっても良く、例えば図10で説明した受け皿63と図11で説明した庇73と図16で説明したワイピング機構125とを同時に備える構成等であっても良い。
【0051】
上記した実施形態においては、制御部と光学センサユニットとを構成要件として含んで車載光学センサ装置を説明したが、制御部をカメラカバーの一部として構成しても良い。
【0052】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図24乃至図28を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。図24に示すように、筐体6の内部にはカメラ3が収容部7に正常に収容されている状態でカメラ3のレンズ5の側方周囲全体を覆うと共に洗浄ノズル9の先端部9b側の一部(本実施形態では屈曲部分周辺)に接するようにヒーター201(本発明でいう光学系加熱手段、ノズル加熱手段であり、両手段が同一部材により一体で構成されている)及び当該ヒーター201に電流を供給する電線(図示せず)等が設けられている。ヒーター201は例えば熱線がメッシュ状に張られることで設けられている。ヒーター201から発せられた熱はカメラ3のレンズ5及び洗浄ノズル9の先端部9b側の一部に伝達される。
【0053】
図26は上記した光学センサユニット1を含む周辺の電気的な構成を機能ブロック図により示している。制御部14は、マイクロコンピュータを主体として構成され、予め記憶している制御プログラムを実行することで、カメラ3による撮影動作及びヒーター201による加熱動作を制御すると共に、洗浄液タンク15に設けられているモーター16の動作を制御することで洗浄ノズル9による洗浄動作を制御する。ヒータースイッチ202は、ユーザーが操作可能なスイッチであり、ユーザーがヒータースイッチ202を操作すると、操作検出信号を制御部14に出力し、制御部14は、ヒータースイッチ202から出力された操作検出信号を入力すると、駆動指令信号をヒーター201に出力してヒーター201を駆動させる。尚、制御部14からモーター16に出力される駆動指令信号及び制御部14からヒーター201に出力される駆動指令信号は例えばレベル信号であり、それらレベル信号がオン(ハイレベル)されている期間だけ洗浄ノズル9による洗浄動作及びヒーター201による加熱動作が行われる。又、洗浄スイッチ18及びヒータースイッチ202は機械的に設けられているスイッチであっても良いし液晶ディスプレイ装置17に表示されるタッチスイッチであっても良い。
【0054】
次に、上記した構成の作用について、図27を参照して説明する。
【0055】
制御部14は、電源オン状態(光学センサユニット1の起動状態)にあるときには、洗浄スイッチ18が操作されたか否かを判定すると共に(ステップS101)、ヒータースイッチ202が操作されたか否かを判定している(ステップS102)。ここで、制御部14は、洗浄スイッチ18から出力された操作検出信号を入力し、洗浄スイッチ18が操作されたと判定すると(ステップS101にて「YES」)、駆動指令信号をモーター16に出力してモーター16を駆動させ、洗浄ノズル9による洗浄動作を行う(ステップS103)。即ち、洗浄液タンク16に貯留されている洗浄液は洗浄ノズル9に供給されて噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射される(ステップS103)。この場合、制御部14は、洗浄ノズル9による洗浄動作を予め設定されている所定期間(例えば数秒)だけ行っても良いしユーザーが洗浄スイッチ18を操作している(例えば押続けている)期間だけ行っても良い。又、洗浄液の液量を計量する機能を有していれば、噴射した洗浄液の液量が所定量となるだけ行っても良い。
【0056】
又、制御部14は、ヒータースイッチ202から出力された操作検出信号を入力し、ヒータースイッチ202が操作されたと判定すると(ステップS102にて「YES」)、駆動指令信号をヒーター201に出力してヒーター201を駆動させ、ヒーター201による加熱動作を行う(ステップS104)。即ち、ヒーター201から発せられた熱はカメラ3のレンズ5の側方周囲全体に伝達されると共に洗浄ノズル9の先端部9b側に伝達される。この場合、制御部14は、ヒーター201による加熱動作を予め設定されている所定期間だけ行っても良いし、ユーザーがヒータースイッチ202を操作している(例えば押続けている)期間だけ行っても良い。そして、制御部14は、上記したステップS101〜S104を繰返して行う。
【0057】
以上に説明したように第3の実施形態によれば、カメラ3のレンズ5を加熱すると共に洗浄ノズル9を加熱するヒーター201を設けたので、周囲温度が低下した場合であっても、カメラ3のレンズ5がヒーター201により加熱されることでカメラ3のレンズ5のレンズ面5aが曇ったり水滴が氷結したりすることを回避することができ、又、洗浄ノズル9がヒーター201により加熱されることで洗浄液が凍ってしまうことを回避することができ、洗浄液をレンズ面5aに向けて適切に噴射して当該レンズ面5aに付着した付着物を適切に除去することができ、カメラ3を適切に動作させることができる。
【0058】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図28及び図29を参照して説明する。尚、上記した第3の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0059】
第4の実施形態では図28に示すように周囲温度を計測する周囲温度計203(本発明でいう周囲温度計測手段)及びカメラ3の温度を計測するカメラ温度計204(本発明でいうセンサ温度計測手段)が設けられており、制御部205は、周囲温度計203から出力された温度計測信号を入力すると、その入力した温度計測信号を解析することで周囲温度を検出し、カメラ温度計204から出力された温度計測信号を入力すると、その入力した温度計測信号を解析することでカメラ3の温度を検出する。又、制御部205は、カウント機能を有している。
【0060】
図29において、制御部205は、電源オン状態(光学センサユニット1の起動状態)にあるときには、上記した何れかの動作条件が成立したか否かを判定すると共に(ステップS111)、映像中に汚れがあるか否かを判定する(ステップS112)。ここで、制御部205は、何れかの動作条件が成立した、即ち、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされた、IGスイッチがオフからオンに切換わった及びIGスイッチがオンからオフに切換わったことの何れかを判定すると(ステップS111にて「YES」)、又は、映像中に汚れがあると判定すると(ステップS112にて「YES」)、周囲温度又はカメラ3の温度が予め設定されている所定温度以上であるか否かを判定する(ステップS113)。
【0061】
次いで、制御部205は、周囲温度又はカメラ3の温度が所定温度未満であると判定すると(ステップS113にて「NO」)、ヒーター201を駆動させ、ヒーター201による加熱動作を予め設定されている所定期間だけ行う(ステップS114)。次いで、制御部205は、加熱回数カウンタのカウント値をインクリメント(「1」加算)し(ステップS115)、インクリメントした加熱回数カウンタのカウント値が所定回数未満であるか否かを判定し(ステップS116)、インクリメントした加熱回数カウンタのカウント値が所定回数未満であると判定すると(ステップS116にて「YES」)、上記したステップS113に戻り、ステップS113以降を繰返して行う。一方、制御部205は、インクリメントした加熱回数カウンタのカウント値が所定回数以上であると判定すると(ステップS116にて「NO」)、ヒーター201による加熱動作を所定回数行ったことを示すエラー表示を液晶ディスプレイ装置17により行い(ステップS117)、加熱回数カウンタのカウント値をリセットし(ステップS118)、一連の処理を終了する。
【0062】
又、制御部205は、周囲温度又はカメラ3の温度が所定温度以上であると判定すると(ステップS113にて「YES」)、モーター16を駆動させ、洗浄ノズル9による洗浄動作を予め設定されている所定期間だけ行う(ステップS119)。次いで、制御部205は、洗浄回数カウンタのカウント値をインクリメント(「1」加算)し(ステップS120)、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数未満であるか否かを判定し(ステップS121)、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数未満であると判定すると(ステップS121にて「YES」)、上記したステップS112に戻り、ステップS112以降を繰返して行う。一方、制御部205は、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上であると判定すると(ステップS121にて「NO」)、洗浄ノズル9による洗浄動作を所定回数行ったことを示すエラー表示を液晶ディスプレイ装置17により行い(ステップS122)、洗浄回数カウンタのカウント値をリセットし(ステップS123)、一連の処理を終了する。
【0063】
又、制御部205は、映像中に汚れがない(洗浄ノズル9による洗浄動作を行ったことで汚れが解消された)と判定すると(ステップS112にて「NO」)、加熱回数カウンタのカウント値をリセットすると共に洗浄回数カウンタのカウント値をリセットし(ステップS124)、上記したステップS111に戻り、ステップS111以降を繰返して行う。
【0064】
以上に説明したように第4の実施形態によれば、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされたこと、IGスイッチがオフからオンに切換わったこと、IGスイッチがオンからオフに切換わったこと又は映像中に汚れがあることを検出する毎に、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aを自動で洗浄することができる。尚、以上は、加熱回数カウンタや洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上となったときにエラー表示を行うようにしたが、加熱時間や洗浄時間を計時する機能を有する構成であれば、加熱時間や洗浄時間が所定時間になったときにエラー表示を行うようにしても良い。
【0065】
上記した実施形態も、以下のように変形又は拡張することができる。
【0066】
カメラ3のレンズ5を加熱するヒーターと洗浄ノズル9を加熱するヒーターとが別々であっても良い。
【0067】
ヒーター201はそれ一つでカメラ3のレンズ5及び洗浄ノズル9を加熱する構成としているが、これに限らず、カメラ3のレンズ5及び洗浄ノズル9のうち何れか一方を加熱する構成としても良い。
【0068】
カメラ3のレンズ5を加熱する構成とすれば、周囲温度が低下した場合にカメラ3のレンズ5がヒーター201により加熱されることになるので、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aが曇ってしまうことを回避することができ、これにより、カメラ3が被写体を適切に撮影できなくなるといった不具合を回避してカメラ3を適切に動作させることができる。又、洗浄ノズル9を加熱する構成とすれば、周囲温度が低下した場合に洗浄ノズル9がヒーター201により加熱されることになるので、洗浄液が凍ってしまうことを回避することができ、洗浄液をレンズ面5aに向けて適切に噴射して当該レンズ面5aに付着した付着物を適切に除去することができ、これにより、カメラ3のレンズ面5aに付着した付着物が原因でカメラ3が被写体を適切に撮影できなくなるといった不具合を回避してカメラ3を適切に動作させることができる。
【0069】
加熱回数カウンタのカウント値が所定回数以上であると判定したとき又は洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上であると判定したときにエラー表示を液晶ディスプレイ装置17により行う構成に限らず、エラー音声をスピーカから出力させる構成であっても良いし、シートやハンドルに振動発生装置や静電気発生装置を設け、振動や静電気をシートやハンドルから発生させる構成であっても良いし、これらを併用しても良い。即ち、視覚、聴覚、触覚のうち何れを用いて報知する方法であっても良い。
【0070】
図27で説明した洗浄ノズル9による洗浄動作を手動で行う構成と図29で説明した洗浄ノズル9による洗浄動作を自動で行う構成とを併用しても良い。
【0071】
図30に示すように、ヒーター201を備える構成においても、図8に記載した構成と同様にして、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aが撥水処理され、撥水膜41がレンズ面5aにコーティングされている構成であっても良い。又、レンズ面5aが撥水処理されることに限らず、レンズ面5aが親水処理、光触媒処理又は防汚処理され、親水膜、光触媒膜又は防汚膜がレンズ面5aにコーティングされている構成であっても良い。
【0072】
図31に示すように、ヒーター201を備える構成においても、図9に記載した構成と同様にして、カメラカバー51の筐体52にあって洗浄ノズル9と並行してウィンドウ洗浄ノズル53が設けられ、洗浄液タンク16に貯留されている洗浄液がチューブ54を介してウィンドウ洗浄ノズル53に供給され、ウィンドウ洗浄ノズル53に供給された洗浄液が噴射口55からウィンドウに向けて噴射される構成であっても良い
図32に示すように、ヒーター201を備える構成においても、図10に記載した構成と同様にして、カメラカバー61の筐体62にあって受け皿63及びチューブ64が設けられ、洗浄ノズル9の噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射されたことに応じてレンズ面5aから垂れる洗浄液が受け皿63で受けられ、受け皿63に受けられた洗浄液がチューブ64を介して排水される構成であっても良い。
【0073】
図33に示すように、ヒーター201を備える構成においても、図11に記載した構成と同様にして、カメラカバー71の筐体72にあって庇73が設けられる構成であっても良い。
【0074】
図34に示すように、ヒーター201を備える構成においても、図14に記載した構成と同様にして、カメラカバー101の筐体102にあって正面側に透明部材からなるカバーガラス103がカメラ3のレンズ5に対向して設けられ、洗浄液タンク16からチューブ10を介して洗浄ノズル9に供給された洗浄液が噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射される構成であっても良い。この場合、カバーガラス103の側方周囲全体を覆うと共に洗浄ノズル9の先端部9b側の一部に接するようにヒーター301が設けられ、ヒーター301から発せられた熱はカバーガラス103及び洗浄ノズル9の先端部9b側の一部に伝達される。又、筐体82の内部にカメラ3全体が収容されるので、筐体82の前後方向(正面側から背面側まで)の寸法は第3の実施形態で説明した筐体6の寸法よりも長くなる。このように構成すれば、カメラ3のレンズ5をカバーガラス103により保護した上で、カバーガラス103のガラス面103aが曇ってしまうことを回避することができ、又、洗浄液が凍ってしまうことを回避することができ、洗浄液をガラス面103aに向けて適切に噴射して当該ガラス面103aに付着した付着物を適切に除去することができ、カメラ3が被写体を適切に撮影できなくなるといった不具合を回避してカメラ3を適切に動作させることができる。
【0075】
図35に示すように、ヒーター301を備える構成においても、図15に記載した構成と同様にして、カバーガラス103のガラス面103aが撥水処理され、撥水膜111がガラス面103aにコーティングされている構成であっても良い。又、この場合も、ガラス面103aが撥水処理されることに限らず、ガラス面103aが親水処理、光触媒処理又は防汚処理され、親水膜、光触媒膜又は防汚膜がガラス面103aにコーティングされている構成であっても良い。
【0076】
図36に示すように、カメラカバー101の筐体102にあってカバーガラス103のガラス面103aに酸化インジウムスズ112がコーティングされると共に当該カバーガラス103の上辺部及び下辺部に電極113が設けられ、電極113に所定電圧が印加され、酸化インジウムスズ112に電流が流れて酸化インジウムスズ112が発熱することでカバーガラス103が加熱される構成であっても良い。又、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aに酸化インジウムスズがコーティングされると共にカメラ3に電極が設けられ、酸化インジウムスズが発熱することでレンズ5が加熱される構成であっても良い。
【0077】
図37に示すように、ヒーター301を備える構成においても、図16に記載した構成と同様にして、カメラカバー121の筐体122にあってカバーガラス103のガラス面103aをワイピングするワイパー123と当該ワイパー123を可動させるモーター124とを含むワイピング機構125が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103のガラス面103aがワイピング機構125によりワイピングされる構成であっても良い。
【0078】
図38に示すように、ヒーター301を備える構成においても、図17に記載した構成と同様にして、カメラカバー131の筐体132にあってカバーガラス103を回転させるシールドベアリング133とモーター134とを含む回転機構135が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103が回転機構135により回転される構成であっても良い。
【0079】
図39に示すように、ヒーター301を備える構成においても、図18に記載した構成と同様にして、カメラカバー141の筐体142にあって超音波又は低周波を発生することでカバーガラス103を振動させる圧電素子143と電極144とを含む振動機構145が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103が振動機構145により振動される構成であっても良い。
【0080】
図40に示すように、ヒーター301を備える構成においても、図19に記載した構成と同様にして、カメラカバー151の筐体152にあってカバーガラス103のガラス面103aにエアを噴射するエアノズル153とチューブ154とエアポンプ155とを含むエア噴射機構156が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、エア噴射機構156からカバーガラス103のガラス面103aにエアが噴射される構成であっても良い。
【0081】
図37で説明したワイピング機構125、図38で説明した回転機構135、図39で説明した振動機構145、図40で説明したエア噴射機構156が車両ワイパーの起動状態と連動するように構成され、車両ワイパーが起動している期間で、それらワイピング機構125、回転機構135、振動機構145、エア噴射機構156が起動する構成であっても良い。
【0082】
上記した複数の実施形態のうち幾つかが任意に組み合わされた構成であっても良く、例えば図32で説明した受け皿63と図33で説明した庇73と図37で説明したワイピング機構125とを同時に備える構成等であっても良い。
【0083】
図41に示すように、受け皿63を備える構成において、受け皿63を加熱する受け皿ヒーター302(本発明でいう受け皿加熱手段)が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、レンズ面5aから垂れて受け皿63に溜まった洗浄液が氷結してしまうことを回避することができ、受け皿63に溜まった洗浄液を滑らかに流出することができる。尚、受け皿ヒーター302も例えば熱線が張られることで設けられている。
【0084】
図42に示すように、受け皿63を備える構成において、洗浄液が接する接触面が撥水処理され、撥水膜303がコーティングされている構成であっても良い。又、洗浄液が接する接触面が親水処理され、親水膜がコーティングされている構成であっても良い。このように構成すれば、レンズ面5aから垂れて受け皿63に溜まった洗浄液を滑らかに流出することができる。
【0085】
図43に示すように、受け皿304を備える構成において、受け皿304に溜まった洗浄液をウィンドウへと導く導路305を備える構成であっても良い。このように構成すれば、受け皿304に溜まった洗浄液を再利用してウィンドウをも洗浄することができ、洗浄液を無駄なく有効に利用することができる。
【0086】
図44に示すように、導路305を加熱する導路ヒーター306(本発明でいう導路加熱手段)が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、導路305へ導かれた洗浄液が氷結してしまうことを回避することができ、導路305へ導かれた洗浄液を滑らかに流出することができる。尚、導路ヒーター306も例えば熱線が張られることで設けられている。
【0087】
図45に示すように、導路305を備える構成において、洗浄液が接する接触面が撥水処理され、撥水膜307がコーティングされている構成であっても良い。又、洗浄液が接する接触面が親水処理され、親水膜がコーティングされている構成であっても良い。このように構成すれば、導路305へ導かれた洗浄液を滑らかに流出することができる。
【0088】
図46に示すように、レンズ面5aを上方から覆うように筐体72から突出する形状で設けられた庇73を備える構成において、庇73を加熱する庇ヒーター308(本発明でいう庇加熱手段)が庇73に設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、庇73に雪や氷を堆積し難くすることができ、たとえ庇73に雪や氷が堆積したとしても、その堆積した雪や氷を解かして除去することができ、光学センサの視界が雪や氷に遮られてしまうことを回避することができる。尚、庇ヒーター308も例えば熱線が張られることで設けられている。又、庇73の上面側と下面側との双方に庇ヒーター308が設けられる構成であっても良いし、庇73の上面側だけに庇ヒーター308が設けられる構成であっても良い。
【0089】
図47に示すように、エア噴射機構156を備える構成において、エアノズル153の先端部から噴射されるエアを加熱するエアヒーター309(本発明でいうエア加熱手段)が設けられる構成であっても良い。又、図47に示すように、エア噴射機構156を備える構成において、エアノズル153を加熱するエアノズルヒーター310(本発明でいうエア噴射手段加熱手段)が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、たとえレンズ面5aに洗浄液が氷結していたとしても、レンズ面5aに氷結している洗浄液を除去することができる。又、エアヒーター309とエアノズルヒーター310とが併用される構成であっても良い。
【0090】
図49に示すように、カメラカバー81の筐体82にあってカメラ3のレンズ5のレンズ面5aの下端部に近い(レンズ5の真下)部位に突起物311が設けられる構成において、突起物311に上下方向に間隙部312が形成されている構成であっても良い。このように構成すれば、図50に示すように、間隙部312による毛細管現象を利用することで、レンズ面5aの下端部に溜まった水滴を間隙部312を通じてレンズ面5aの下方に確実に誘導して除去することができる。即ち、レンズ面5aの下端部に水滴が溜まったとしても、その水滴の一部が毛細管現象により流出することで、レンズ面5aの下端部に溜まる水滴の容量は小さくなる(図50にて「P1」から「P2」に容量が低減する)。
【0091】
図51に示すように、突起物311に突起物ヒーター313(本発明でいう突起物加熱手段)が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、突起物311に残った水滴が氷結することを回避することができる。
【0092】
図52に示すように、カメラカバー81の筐体82にあってカメラ3のレンズ5のレンズ面5aの下端部に近い(レンズ5の真下)部位に溝部314が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、溝部314による毛細管現象を利用することで、レンズ面5aの下端部に溜まった水滴を溝部314を通じてレンズ面5aの下方に確実に誘導して除去することができる。
【0093】
図53に示すように、映像中に汚れがあると判定した場合に(ステップS201にて「YES」)、何れかの動作条件が成立した、即ち、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされた、IGスイッチがオフからオンに切換わった、IGスイッチがオンからオフに切換わったことの何れかを判定したことを条件として(ステップS202にて「YES」)、洗浄ノズル9による洗浄動作を予め設定されている所定期間だけ行うようにしても良い(ステップS203)。このように構成すれば、汚れが検出されても直ぐに洗浄動作を行うことがなく、ユーザーが映像を視認する可能性が高いタイミングで洗浄動作を行うことができ、洗浄液を有効に使用することができる。
【0094】
カメラ5により撮影された映像のうちユーザーに対して提供される、即ち、車室内に配置されている表示装置に表示される領域を解析して映像中に汚れがあるか否かを検出する一方で、ユーザーに対して提供されない領域を解析しないようにしても良い。即ち、図54に示すように、カメラ3により撮影された映像Aのうち魚眼レンズ5の下側に相当する映像A1がユーザーに対して提供される領域であり、魚眼レンズ5の上側に相当する映像A2がユーザーに対して提供されない領域であれば、魚眼レンズ5の下側に相当する映像A1について汚れがあるか否かを検出することで、必要な映像A1を解析することができると共に、不必要な映像A2を余計に解析することを回避することができる。
【符号の説明】
【0095】
図面中、1は光学センサユニット(車載光学センサ装置)、2はカメラカバー(車載光学センサカバー)、3はカメラ(光学センサ)、5はレンズ、5aはレンズ面、7は収容部、9は洗浄ノズル、14は制御部(制御手段、ギア位置検出手段、車両起動開始検出手段、車両起動終了検出手段、映像汚れ検出手段、映像曇り検出手段)、15は洗浄液タンク、17は液晶ディスプレイ装置(報知手段)、31は制御部(制御手段、ギア位置検出手段、車両起動開始検出手段、車両起動終了検出手段、映像汚れ検出手段、映像曇り検出手段)、53はウィンドウ洗浄ノズル、63は受け皿、73は庇、83は突起物、93は突起物、103はカバーガラス、103aはガラス面、125はワイピング機構(ワイピング手段)、135は回転機構(回転手段)、145は振動機構(超音波振動手段、低周波振動手段)、156はエア噴射機構(エア噴射手段)、171は赤外線ライト(照明手段)、201はヒーター(光学系加熱手段、ノズル加熱手段)、203は周囲温度計(周囲温度計測手段)、204はカメラ温度計(温度計測手段)、301はヒーター(光学系加熱手段、ノズル加熱手段)、302は受け皿ヒーター(受け皿加熱手段)、305は導路、306は導路ヒーター(導路加熱手段)、308は庇ヒーター(庇加熱手段)、309はエアヒーター(エア加熱手段)、310はエアノズルヒーター(エア噴射手段加熱手段)、312は間隙部、313は突起物ヒーター(突起物加熱手段)、314は溝部である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを有する光学センサと、
前記レンズを有する光学センサを収容する収容部と、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンクから供給された洗浄液を前記収容部に収容されている前記光学センサの前記レンズのレンズ面又は当該レンズに対向するカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面に向けて噴射して当該レンズ面又は当該ガラス面を洗浄する洗浄動作を行う洗浄ノズルと、を備え、前記洗浄ノズルによる洗浄動作が行われる車載光学センサカバーと、
前記洗浄ノズルによる洗浄動作を制御する制御手段と、
を備える車載光学センサ装置であって、
車両におけるギアの位置を検出するギア位置検出手段、車両の起動開始を検出する車両起動開始検出手段、車両の起動終了を検出する車両起動終了検出手段、前記光学センサにより撮影された映像を解析して映像中に汚れがあるか否かを検出する映像汚れ検出手段、のうち何れかを備え、
前記制御手段は、車両におけるギアの位置が所定位置であることが前記ギア位置検出手段により検出されたか、車両の起動開始が前記車両起動開始検出手段により検出されたか、車両の起動終了が前記車両起動終了検出手段により検出されたか、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出されたか、のうち何れかの場合に、前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせることを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項2】
請求項1に記載した車載光学センサ装置において、当該車載光学センサ装置は、前記映像汚れ検出手段を備え、
前記映像汚れ検出手段は、前記光学センサにより撮影された映像のうちユーザーに対して提供される領域を解析して当該ユーザーに対して提供される映像中に汚れがあるか否かを検出し、ユーザーに対して提供されない領域を解析しないことを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した車載光学センサ装置において、当該車載光学センサ装置は、前記映像汚れ検出手段を備え、
前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合に、当該汚れが解消されるまで前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせることを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載した車載光学センサ装置において、当該車載光学センサ装置は、前記映像汚れ検出手段を備え、
前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合に、当該汚れが解消されるか又は洗浄動作が所定条件に達するまで前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせ、前記洗浄ノズルによる洗浄動作が所定条件に達したときに報知手段により報知動作を行うことを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載した車載光学センサ装置において、当該車載光学センサ装置は、前記映像汚れ検出手段と、車両におけるギアの位置を検出するギア位置検出手段、車両の起動開始を検出する車両起動開始検出手段、車両の起動終了を検出する車両起動終了検出手段のうち何れかと、を備え、
前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合で、且つ車両におけるギアの位置が所定位置であることが前記ギア位置検出手段により検出されたか、車両の起動開始が前記車両起動開始検出手段により検出されたか、車両の起動終了が前記車両起動終了検出手段により検出されたかのうち何れかの場合に、前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせることを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項6】
請求項3に記載した車載光学センサ装置において、当該車載光学センサ装置は、車両におけるギアの位置を検出するギア位置検出手段、車両の起動開始を検出する車両起動開始検出手段、車両の起動終了を検出する車両起動終了検出手段のうち何れかを備え、
前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合で、且つ車両におけるギアの位置が所定位置であることが前記ギア位置検出手段により検出されたか、車両の起動開始が前記車両起動開始検出手段により検出されたか、車両の起動終了が前記車両起動終了検出手段により検出されたかのうち何れかの場合に、当該汚れが解消されるまで前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせることを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項7】
請求項4に記載した車載光学センサ装置において、当該車載光学センサ装置は、車両におけるギアの位置を検出するギア位置検出手段、車両の起動開始を検出する車両起動開始検出手段、車両の起動終了を検出する車両起動終了検出手段のうち何れかを備え、
前記制御手段は、前記光学センサにより撮影された映像中に汚れがあると前記映像汚れ検出手段により検出された場合で、且つ車両におけるギアの位置が所定位置であることが前記ギア位置検出手段により検出されたか、車両の起動開始が前記車両起動開始検出手段により検出されたか、車両の起動終了が前記車両起動終了検出手段により検出されたかのうち何れかの場合に、当該汚れが解消されるか又は洗浄動作が所定条件に達するまで前記洗浄ノズルによる洗浄動作を行わせ、前記洗浄ノズルによる洗浄動作が所定条件に達したときに報知手段により報知動作を行うことを特徴とする車載光学センサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公開番号】特開2011−240917(P2011−240917A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247009(P2010−247009)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【分割の表示】特願2010−174449(P2010−174449)の分割
【原出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】