説明

車両用格納シート

【課題】操作性を改善した車両用格納シートを提供する。
【解決手段】車両用格納シートSは、シートクッション11に折り畳み可能なリクライニング機構27を備えたシートバック12と、リクライニング機構27と脚部係止手段とに連結されたリンク機構30と、リンク機構30を介してリクライニング機構27と脚部係止手段を操作できるストラップ20とを有している。リンク機構30は、ストラップ20とリクライニング機構27に連結された第1のリンク部材31と、第1のリンク部材31を係脱可能な第4のリンク部材70とを備えており、格納操作の際に、ストラップ20の引っ張り操作を止めても第1のリンク部材31が第4のリンク部材70により係止されるため、リクライニング機構27の係止解除状態が維持され、確実にシートバック12を折り畳んで格納することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用格納シートに係り、特に、操作性を改善した車両用格納シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から車両用格納シートが知られており、例えば、車両用シートを構成するシートクッションの前側に車体フロア側と係脱可能な前側脚部と、後端部側に車体フロアに形成された収納凹部(格納凹部)の前側で前後方向へ回動可能な支持部を備え、前側脚部の係止を解除すると共にシートクッション上にシートバックを折り畳んだ状態で、当該車両用シートを後方へ回動して収納凹部に収納する技術などがある。
【0003】
つまり、従来の車両用格納シートは、特許文献1に示されているように、レバー操作により前側脚部の車体フロア側との係止を解除し、ストラップの引っ張り操作により、シートバックを折り畳むと共にシートクッションの後端部の左右側に設けられた回動軸を中心に、シートクッションを後方へ回動させることにより収納凹部に車両用シートを収納できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−082698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に記載の技術では、ストラップの引っ張り操作により、リクライニング機構の係止を解除してシートクッション上にシートバックを折り畳むと共に、車両用シートを格納回動方向に回動させて格納操作を行う構成とされている。
しかし、上記技術は、ストラップの引っ張り操作に連動してリクライニング機構の係止を解除する構成であるため、回動中にストラップの引っ張り操作を止めると、シートバックが開いた状態であってもリクライニング機構が再び係止される。すなわち、操作方法の違いにより格納できないという不都合が生じることがあった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、車両用格納シートの格納操作において、操作方法が異なっても確実に格納できるようにすることで、操作性を改善した車両用格納シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、コストと重量の低減を図りつつ操作性を改善した車両用格納シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、請求項1に係る車両用格納シートによれば、シートクッションの一端部側を前後方向に可動可能に支持する第1のシート支持手段と、前記シートクッションにリクライニング手段を介して折り畳み可能なシートバックと、前記シートクッションの他端部側に設けられた第2のシート支持手段と、前記第2のシート支持手段と前記車体フロア側とを係脱可能な係脱手段と、前記リクライニング手段に連結されたリンク機構と、前記リンク機構を介して前記リクライニング手段と前記係脱手段とに連結された操作手段と、を有し、前記リクライニング手段は、前記シートクッションに前記シートバックを折り畳み可能なリクライニング機構と、前記シートバックを折り畳んだ状態を検知する検知機構と、を備え、前記リンク機構は、前記操作手段及び前記リクライニング機構に連結される第1のリンク部材と、前記係脱手段に連結された第2のリンク部材と、前記検知手段に連結された第3のリンク部材と、前記第1のリンク部材及び前記第2のリンク部材に当接可能な第4のリンク部材と、を備えることにより解決される。
【0008】
上記構成により、格納操作中に操作手段の引っ張り速度や引っ張り荷重を変化させても、第4のリンク部材が第1のリンク部材の可動を係止して、リクライニング機構の係止解除状態を維持したままシートバックを折り畳むことができる。そのため、操作手段の操作方法の違いに関わらず確実に車両用格納シートを格納することができる。また、操作手段の操作によりリクライニング手段と脚部の係脱手段の係止状態の解除操作を1つの操作で行うことができ、シートの格納操作の際に良好な操作性を確保できる。
【0009】
更に具体的には、請求項2のように、前記第4のリンク部材は、前記第1のリンク部材を係脱可能な第2の係止部を備えると好適である。
また、請求項3のように、前記第2のリンク部材は、前記第4のリンク部材の前記第2の係止部に当接可能な当接部を備えると更に好適である。
【0010】
上記構成により、格納操作時に引っ張り速度や引っ張り荷重を変化させても第4のリンク部材の第2の係止部が第1のリンク部材の可動を係止してリクライニング機構の係止解除状態を維持してシートバックを折り畳むことができるために、操作手段の操作方法の違いに関わらず確実に車両用格納シートを格納することができる。また、復帰操作の際には、第3のリンク部材による係止が解除されるため、第2のリンク部材が可動し、第2の係止部を押すことで第4のリンク部材を可動させるために、操作手段の引っ張り操作を止めることでリクライニング機構を係止することができる。
【0011】
また、請求項4のように、前記第4のリンク部材は、前記第1のリンク部材に当接する方向に常時付勢されると好適である。
上記構成により、第1のリンク部材の可動に伴って第4のリンク部材は可動するために、操作手段の操作によって第1のリンク部材が所定の位置に達したときに、第1のリンク部材を係止可能な位置に第4のリンク部材を可動させることができる。
【0012】
具体的には、請求項5のように、前記第3のリンク部材は、前記第2のリンク部材に係止可能な第1の係止部を備え、前記検知機構により前記シートバックが折り畳まれた状態を検知して可動し、前記第1の係止部による係止を解除するように構成されると好適である。
上記構成により、シートクッションに対してシートバックが折り畳まれると第3のリンク部材が可動して第1のリンク部材に係止された第2のリンク部材の係止状態を解除できる。復帰操作の際には、前側脚部の係脱手段の係止が解除されずにシートクッションに対してシートバックを起立させることができるため、シートの格納及び復帰作業の際の良好な操作性を確保できる。
【0013】
請求項6のように、前記第2のリンク部材は、前記第1のリンク部材と同軸に支持され、前記第3のリンク部材は、前記第1のリンク部材に支持されてなると好適である。
上記構成により、部品点数を削減できコストと重量の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に係る車両用格納シートによれば、操作手段の操作方法の違いに関わらず車両用格納シートの格納及び復帰操作を確実に行うことができ、シートの格納/復帰操作の際の良好な操作性を有する車両用格納シートを提供することができる。
請求項2と3に係る車両用格納シートによれば、シートの格納操作の際、操作手段の操作方法の違いに関わらず確実に車両用格納シートを格納することができ、復帰操作の際には、操作手段の引っ張り操作を止めることでリクライニング機構を係止することができる良好な操作性を有する車両用格納シートを提供することができる。
請求項4に係る車両用格納シートによれば、第1のリンク部材が所定の位置に達したときに第4のリンク部材を所定位置に可動させることができるために、車両用格納シートの格納操作の確実な動作と、良好な操作性を有する車両用格納シートを提供することができる。
請求項5に係る車両用格納シートによれば、復帰操作の際には、前側脚部の係脱手段の係止が解除されずにシートクッションに対してシートバックを起立させることができ、良好な操作性を有する車両用格納シートを提供することができる。
請求項6に係る車両用格納シートによれば、部品点数を削減できコストと重量の低減に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることはもちろんである。
【0016】
図1乃至図11は本発明の一実施形態を示し、図1は車両用格納シートを装備した車両後部の側面模式図、図2は車両用格納シートの前方斜視図、図3は車両用格納シートの後方斜視図、図4はシートフレームの概略斜視図、図5はリンク機構の拡大説明図、図6はシートバックが折り畳まれた状態のリンク機構の概略説明図、図7は前側脚部の係止部の概略説明図、図8は車両用格納シートの格納操作時の操作手順を示す説明図、図9は車両用格納シートの格納操作時のリンク機構の動作説明図、図10は車両用格納シートの復帰操作時の操作手順を示す説明図、図11は車両用格納シートの復帰操作時のリンク機構の動作説明図、である。
【0017】
まず、図1乃至図4に基づいて本実施形態に係るシートSの構成について説明する。
本実施形態に係るシートSを装備した車両は、前後に並んだ3列シートを備えるものであり、3列目のシートが格納可能に構成されている。シートSの後方には、シートSを格納する格納凹部5が車体フロア4に設けられている。なお、車体フロア4上には不図示のフロアカーペットがほぼ全面に渡り敷設されている。
【0018】
シートSは左右に3つの座席を有するもので、車両の進行方向に対して右側に位置する2人掛けの右側シートS1と、1人掛けの左側シートS2から構成されている。
なお、以下の説明において方向を示す右/左側の記載は、車両の進行方向に対するものとする。
また、右側シートS1及び左側シートS2の収納機構、操作方法は互いに同様であるので、以下の説明例では、右側シートS1をシートSとして一括して説明する。
【0019】
シートSは、シートクッション11と、シートバック12と、ヘッドレスト13,13と、前側脚部14とを有して構成されている。また、図3に示すように、シートバック12の背面側からは、シートSの格納操作を行うための操作手段としてのストラップ20がシートSの背面側より外方へ延出されている。
【0020】
ストラップ20は、シートSの格納操作時に操作される操作手段であり、乗員による操作が容易となるように、長さ1m程度の屈曲自在の幅広のベルトが、ストラップ出口部20aより外方側へ延出されている。シートSの格納及び復帰操作をストラップ20の引っ張り動作にて行うことができるため、レバーによる操作と比べて操作荷重を低減することができる。シートSの格納及び復帰操作が行われない状態では、ストラップ20の一部がシートバック12の背面に面状ファスナにて掛着されている。なお、本実施形態においては、ストラップ20をベルト状として構成しているが紐状や引張りレバー状として形成してもよい。引っ張りレバーにした場合には、ストラップ20のように外観が露出せず好適となる。
【0021】
図4に示したシートSのシートフレームFは、シートクッション11を構成するシートクッションフレーム21と、シートバック12を構成するシートバックフレーム22と、前側脚部フレーム24とから構成されている。シートクッションフレーム21とシートバックフレーム22はリクライニング機構27を介して連結され、シートクッションフレーム21と車体フロア4側は第1のシート支持手段としてのシート支持部25,25を介して連結されている。また、シートバックフレーム22の上部には、不図示のヘッドレストフレームのピラーがピラー支持部23を介して配設される。
【0022】
シートクッションフレーム21は、不図示のクッションパッド、表皮などに覆われて乗員を下部から支持するシートクッション11を構成するものである。シートクッションフレーム21は、前側に前側脚部フレーム24が回動(可動)可能に取り付けられている。また、シートクッションフレーム21の後端部には、シートバックフレーム22と連結されるバックフレーム支持部21a,21aが配設されている。
左右のシート支持部25,25は、シートクッションフレーム21の後端部側を前後方向に回動可能に支持しており、一方側のシート支持部25に渦巻きばね48が取り付けられ、シートクッション11を常時前方回動(可動)方向に付勢している。
【0023】
シートバックフレーム22は、不図示のクッションパッド等によって覆われて乗員の背中を後方から支持するシートバック12を構成するものであり、本実施形態においては略矩形状の枠体となっている。より詳細には、シートバック12はサイドフレーム22a,22aと中央フレーム22bとから構成されている。サイドフレーム22a,22aは、左右一対からなり、シートバックフレーム22の左右方向に離間すると共に上下方向に延在して形成されている。中央フレーム22bはこのサイドフレーム22a,22aに狭持された略矩形状の枠体から構成されている。
【0024】
サイドフレーム22a,22aの下端部側は、リクライニング手段としてのリクライニング機構27を介してバックフレーム支持部21a,21aと連結されている。
枠体である中央フレーム22bの内側には、乗員の背部を支持する面に沿って略板状のバックプレート28が配設されており、バックプレート28上には、後述するリンク機構30が設けられている。また、ストラップ出口部20aが中央フレーム22bの上方に設けられている。
【0025】
前側脚部フレーム24は、不図示のカバー材に覆われて第2のシート支持手段としての前側脚部14を構成するものであり、シートクッションフレーム21の前側を支持して車体フロア4側に連結される。前側脚部フレーム24は上部でシートクッションフレーム21の前側に前後方向に回動可能に支持されており、前側脚部フレーム24の下部には、車体フロア4側に設けられた脚部ストライカ44に係脱可能に連結される係脱手段としての脚部係止機構が設けられている。
【0026】
次に、図5乃至図7に基づいて、リンク機構30の構成について説明する。
リンク機構30は、操作手段としてのストラップ20に連結され、ストラップ20の操作とシートSの状態に連動して、リクライニング機構27の係止と、脚部係止機構の係止を適宜解除する機能を備えており、前述のようにバックプレート28上に形成されている。
【0027】
リンク機構30は、第1のリンク部材31と第2のリンク部材32と第3のリンク部材33と第4のリンク部材70とを有して構成されていて、これらのリンク部材(31,32,33,70)はいずれも回動可能に取り付けられている。このうち、第1のリンク部材31と第2のリンク部材32と第3のリンク部材33には連結部材が連結される。
連結部材としては、リクライニング機構27に連結されるリクライニング解除ワイヤ40と、前側脚部14の係止爪43,43に連結される脚部解除ワイヤ41と、シートバック12が折り畳まれた状態を検知するキャンセルワイヤ42と、ストラップ20と、がある。
【0028】
第1のリンク部材31は、略逆三角形状の左右方向に扁平な部材であり、一方の端部側に配設された係止部34aにストラップ連結部材34を介してストラップ20が連結され、他方の端部側に形成された係止部40cにはリクライニング解除ワイヤ40が係止されている。第1のリンク部材31は、その中央部に設けられた軸部31aによりバックプレート28上に回動可能に支持されている。
【0029】
また、第1のリンク部材31の軸部31aと係止部34aの間には、後述する軸部33aの同心円の一部を描くように円弧状の長孔31bが形成されている。
ストラップ連結部材34を介して第1のリンク部材31に連結されたストラップ20の他端部側は、乗員による操作が容易なようにシートバック12の背面に設けられたストラップ出口部20aよりシートバック12の外方へ延出されている。
【0030】
第1のリンク部材31に設けられたストラップ連結部材34の係止部34aは、ストラップ連結部材34を回動可能に第1のリンク部材31上に軸支すると共に、その他端側はバックプレート28に形成された誘導孔部28aに挿通されている。そして、誘導孔部28aは、軸部31aの同心円の一部を描く円弧状に形成されているため、係止部34aは第1のリンク部材31の回動に伴い誘導孔部28a内を移動することができる。誘導孔部28aの長さを調節することによって第1のリンク部材31の回動量の上下限を設定することができる。
なお、第2のリンク部材32及び第4のリンク部材70に関しても、不図示の凸状のストッパーがバックプレート28若しくは第1のリンク部材31上に設けられ、それぞれの回動量の上下限が任意に設定されている。
【0031】
第2のリンク部材32は、略矩形状の部材であり、中央部で軸部31aにより第1のリンク部材31と同軸に回動可能に支持されている。第2のリンク部材32を第1のリンク部材31と同軸に軸支することで、コストと重量の低減を図ることができる。
第2のリンク部材32の係止部34aに近い側の端部側には、後述する第1の係止部35と当接する係止凹部32bが形成されている。また、第2のリンク部材32の係止凹部32bとは逆側の端部の上側には、略半円状に凸状に形成された当接部32cが形成されている。
さらに、軸部31aと係止凹部32bの間には、脚部解除ワイヤ41が係止された係止部41cが形成されている。
【0032】
第3のリンク部材33は、略矩形状の部材であり、第1のリンク部材31とバックプレート28の間に配置されて、その中央部を軸部33aにより、第1のリンク部材31側に回動可能に支持されている。第3のリンク部材33の下端部側には、係止部42cを介してキャンセルワイヤ42が係止されている。
【0033】
第3のリンク部材33の上端部側には、第1の係止部35が円柱状に形成されている。この第1の係止部35は、第1のリンク部材31に形成された円弧状の長孔31bに挿通されて、第2のリンク部材32の係止凹部32bと当接することで第2のリンク部材32が第1のリンク部材31と共に回動するように係止している。
ここで、第1の係止部35は、長孔31bの幅よりも若干小さな外径を有して形成されており、一方、長孔31bは、前述のように軸部33aの同心円の一部を描く円弧状に形成されているため、第3のリンク部材33の回動と共に、第1の係止部35が長孔31bに沿って移動するように構成されている。第3のリンク部材33の回動量の上下限はこの長穴31bの長さによって調整されている。
【0034】
また、第3のリンク部材33には、キャンセルワイヤ42によって引っ張られる方向とは逆方向に常時付勢する不図示の付勢ばねが取り付けられている。この場合、付勢ばねは一端部を第3のリンク部材33の下端部側に、逆の端部を第1のリンク部材31のストラップ係止部の下方側に係止されている。第3のリンク部材33に付勢ばねを取り付けることで第3のリンク部材33の動作をより確実なものとすることができる。
【0035】
同様に、第1のリンク部材31及び第2のリンク部材32に関しても、それぞれ原位置(図9(a)参照)へ復帰する方向に付勢する不図示の付勢ばねを取り付けて、それぞれのリンク部材31,32の回動をアシストする構成とすると好適である。この場合、第1のリンク部材31及び第2のリンク部材32はいずれもバックプレート28側との間に両端部を固定された付勢ばねがそれぞれ取り付けられる。第2のリンク部材32の場合には第1のリンク部材31との間に付勢ばねを取り付けてもよい。第1のリンク部材31及び第2のリンク部材32にも付勢ばねを取り付けることで、動作をより確実なものとすることができる。
【0036】
第4のリンク部材70は、略三角形状の部材であり、第1のリンク部材31の上側のバックプレート28上に、軸部70aにより回動可能に支持されている。第4のリンク部材70は、一端部側に第2の係止部71が形成されており、第2の係止部71が第1のリンク部材31に当接される方向に付勢ばね47によって常時付勢されている。なお、付勢ばね47は、第1のリンク部材31の動作には影響しない程度の付勢力に設定されている。
第2の係止部71は、断面略半円の柱状に形成されており、第2の係止部71の一部に形成された平面部71aを軸部70aとは逆方向に向けて配置されている。付勢ばね47によって第4のリンク部材70が付勢されているために、第2のリンク部材32が第1の係止部35によって係止された状態では、第2の係止部71は第1のリンク部材31の上側の縁部に当接している。
【0037】
なお、本実施形態における付勢ばね47は、第4のリンク部材70とバックプレート28側とに両端部が係止されているが、第4のリンク部材70と第2のリンク部材32とに両端部が係止される構成としてもよい。具体的には、第2の係止部71と、第2のリンク部材32の当接部32cの下側の係止部32d(図5参照)との間に付勢ばね47の両端部が係止される構成とすると好適である。この場合、第4のリンク部材70の回動量に対する付勢ばねのたわみ量を比較的小さくすることができる。このため、付勢ばね47をより小型のものを使用することができ、リンク機構30の軽量化と低コスト化を図ることができる。
【0038】
本実施形態においては、第2の係止部71を断面略半円の柱状に形成しているが、円柱状や角柱状、若しくは第4のリンク部材70の一部を折り曲げて凸状に形成してもよい。第2の係止部71を円柱状とするとより低コストで作製することができ、角柱状とするとより確実な動作が期待できる。また、第4のリンク部材70の一部を折り曲げて形成すると部品点数の削減と低コスト化を図ることができる。
【0039】
ここで、リンク機構30に係止された連結部材の他端部側について、図6と図7に基づいて説明する。
まず、第1のリンク部材31に係止されたリクライニング解除ワイヤ40の他端部側について以下に説明する。
図6に示すように、第1のリンク部材31の係止部40cに係止されたリクライニング解除ワイヤ40の他端部側は、リクライニング解除ケーブル40aに誘導されて、シートバック12のリクライニングの係脱操作を行うリクライニング機構27に連結されている。
リクライニング機構27は、リクライニング解除ワイヤ40がリンク機構30の動作によりリンク機構30側に引っ張られるとリクライニング機構27の係止状態を解除してシートバック12のリクライニング調整を可能とする。
【0040】
図7に示すように、第2のリンク部材32の係止部41cに係止された脚部解除ワイヤ41の他端部側は、脚部解除ケーブル41aに誘導されて、脚部係止機構に連結されている。脚部係止機構は前側脚部14下側の2カ所に形成されているが、同様の構成であるため任意の一方について説明する。
脚部係止機構は脚部解除ワイヤ41がリンク機構30の動作によりリンク機構30側へ引っ張られると、脚部解除ワイヤ41に連結された係止爪43が回転軸43aを中心に回動して、車体フロア4側の脚部ストライカ44との係止が解除され、シートクッション11が前後方向に回動可能な状態になる。
なお、係止爪43は付勢ばね45によって、常時、脚部ストライカ44との係止状態が維持される方向に回動が付勢されている。
【0041】
第3のリンク部材33に係止されたキャンセルワイヤ42の他端部側について以下に説明する。
図6に示すように、第3のリンク部材33の係止部42cに係止されたキャンセルワイヤ42の他端部側は、キャンセルケーブル42aに誘導されてリクライニング機構27に形成された係止リブ49に連結されている。係止リブ49は、リクライニング機構27においてサイドフレーム22aと共に回動するように取り付けられている。すなわち、本実施形態では係止リブ49にキャンセルワイヤ42の他端部が係止されており、シートバック12が折り畳まれた状態で、この係止リブ49がキャンセルワイヤ42を介して、第3のリンク部材33に形成された係止部42cを引っ張る検知機構として構成されている。
この検知機構とリクライニング機構27とを有してリクライニング手段は構成されている。
【0042】
本実施形態においてはキャンセルワイヤ42の他端部側に係止される係止リブ49をリクライニング機構27に形成しているが、シートクッション11に対してシートバック12が折り畳まれた状態でキャンセルワイヤ42を操作する構成であれば他の係止部位であってもよい。さらに、リクライニング機構27と離れた部位に形成されていてもよい。
【0043】
例えば、シートバック12側のサイドフレーム22に回動可能に略矩形状の検知用部材を取り付ける一方、シートクッション11側に突起を設け、シートバック12の折り畳み状態で、検知用部材の一端部側が突起と当接して回動するように配設する。検知用部材の他端部側にキャンセルワイヤ42を係止すると、キャンセルワイヤ42をリクライニング機構27側に引っ張ることができる。
このように構成することで、図6に示した検知機構と同様の機能を発揮させることができる。
【0044】
リクライニング解除ワイヤ40を誘導するリクライニング解除ケーブル40aのリンク機構30側の端部である端部部材40bはバックプレート28上に不図示のブラケットによって固着されている。同様に、脚部解除ワイヤ41を誘導するリンク機構側の端部部材41bもバックプレート28上に不図示のブラケットによって固着されている。また、キャンセルワイヤ42を誘導するリンク機構30側の端部部材42bは第1のリンク部材31に同様に固着されている。
【0045】
次に、リンク機構30の動作と連結部材の他端部側との関係について説明する。
第3のリンク部材33が回動していない状態では、第2のリンク部材32が第1のリンク部材31と共に回動するため、ストラップ20の引っ張り操作によりリクライニング解除ワイヤ40と脚部解除ワイヤ41を引っ張ることができ、リクライニング機構27と脚部係止機構の係止を解除することができる。
【0046】
第4のリンク部材70は、付勢ばね47により付勢されている。そのため、第4のリンク部材70に設けられた第2の係止部71は、常時第1のリンク部材31の上側の縁部分に当接している。第1のリンク部材31の動作に伴って第4のリンク部材70は回動する。第1のリンク部材31が、所定の回動角度まで回動されると、第2の係止部71の平面部71aが第1のリンク部材31の上側の縁部分に面接触した状態となる。平面部71aが面接触することで第4のリンク部材70の回動が係止される。
【0047】
平面部71aが第1のリンク部材31の上側の縁部分に接した状態で動かなくなるため、ストラップ20の引っ張り操作を止めても第1のリンク部材31は戻り方向に回動することができず、その所定の回動角度で係止される。所定の回動角度は、リクライニング機構27の係止を解除可能な角度に設定してある。
つまり、第4のリンク部材70によって、格納操作の途中で、ストラップ20の引っ張りを止めてもリクライニング機構27の係止が解除された状態で保持される。シートバック12が開いたままリクライニング機構27が係止されて格納できなくなる不具合が生じることがない。
【0048】
シートバック12が折り畳まれると、第3のリンク部材33が回動されて、第3のリンク部材33に固着されている第1の係止部35が長孔31bに沿って移動する。第3のリンク部材33の回動により、係止凹部32bで第1の係止部35と当接しなくなるため、第1のリンク部材31と第2のリンク部材32との係止が解除される。
このとき、第2のリンク部材32に係止された脚部解除ワイヤ41の他端部側に設けられた付勢ばね45によって、脚部解除ワイヤ41が引っ張られて第2のリンク部材32が回動する。
【0049】
第2のリンク部材32の回動によって、第2のリンク部材32の上側に取り付けられた当接部32cが第2の係止部71を押して第4のリンク部材70を回動させる。このように、第4のリンク部材70による第1のリンク部材31の係止状態が解除される。
すなわち、シートバック12が折り畳まれると、脚部係止機構が係止されリクライニング機構27は再び係止可能な状態となる。
【0050】
第2のリンク部材32の上側の縁部分を直接、第4のリンク部材70の第2の係止部71に当接させて、第4のリンク部材70を回動させる構成とすることもできる。この場合は、部品の軽量化と低コスト化を図ることができる。
なお、第2のリンク部材32に形成された当接部32cを上側へ凸状に形成することにより、第2のリンク部材32の配置の自由度が向上する。また、確実に第2の係止部71を押すことができる。
【0051】
次に、図8乃至図11に基づいて、本実施形態に係るシートSの格納及び復帰操作とリンク機構30の動作について説明する。
まず、図8に従って、シートSの格納操作について説明する。
図8(a)は、シートの設置状態でストラップ20が後方へ引かれた状態である。乗員によって、ストラップ20が後方に引っ張られるとリクライニング機構27の係止が解除される。
【0052】
このとき、ストラップ20が取り付けられているシートバック12は、リクライニング機構27に取り付けられている不図示の渦巻きばねによって前方方向に付勢されている。付勢方向に抗してストラップ20を引っ張るとシートバック12を後方へ折り畳む応力よりも低い応力において前側脚部14の係止爪43,43の係止が解除される。
図8(b)は、前側脚部14の係止爪43,43の係止が解除された状態である。つまり、前側脚部14の係止爪43,43の係止が解除されてシートSが後方へ回動可能になる。
【0053】
図8(c),図8(d)は、シートSの後方回動を進めた状態である。シートSの重心が回動の中間点を超え、それ以後は自重によって後方へ回動して格納状態に至る。
このとき、ストラップ20の引っ張り速度や引っ張り荷重を変化させ、若しくは引っ張り操作を止めても、リクライニング機構27の係止は解除された状態が保持され、リクライニング機構27に取り付けられた不図示の渦巻きばねの付勢力によってシートバック12は折り畳まれる。また、シートバック12が折り畳まれた状態になるとリクライニング機構27が再び係止される。シートバック12が開くことがないためスムーズに格納することができる。
また、シート支持部25に取り付けられた渦巻きばね48によってシートSの後方回動速度が減速され格納凹部5への格納時に生じる衝撃を緩和している。
前側脚部14はシートSの回動と共に自重によってシートクッション11側へ折り畳まれる。
【0054】
図8(e)は、シートSの格納状態を示している。この状態では格納凹部5の開口部がシートクッション11の背面と一体の平坦面となり広い荷室が確保される。なお、車両の走行時に、格納されたシートSのバタつきを抑えるために、シートバック12の背面と格納凹部5の底部とを係脱可能に係止する係止機構を設けてもよい。
【0055】
上述したシートSの格納操作時のリンク機構30の動作について図9に従って説明する。
図9(a)は、シートSの設置状態時のリンク機構30の状態であり、乗員によりストラップ20が操作される前の段階である。このリンク機構30の状態を原位置とする。
【0056】
図9(b)は、リクライニング機構27の係止解除時(図8(a))のリンク機構30の状態であり、ストラップ20が後方に若干引っ張られた段階である。
第1のリンク部材31は、ストラップ20の操作により引っ張られる方向に回動するため、回動に伴ってリクライニング解除ワイヤ40を引っ張り、リクライニング機構27の係止が解除される。このとき、シートバック12はシートクッション11に対して起立した状態であるためにキャンセルワイヤ42は引っ張られておらず第2のリンク部材32は、第1のリンク部材31と共に回動して脚部解除ワイヤ41も引っ張ることになる。しかし、前側脚部14と車体フロア4側とを連結する係止爪43,43の係止は、この状態での引っ張り量では解除されないように設定されており脚部の係止は維持される。
【0057】
図9(c)は、リクライニング機構27と前側脚部14の係止爪43,43の係止が解除された時のリンク機構30の状態(図8(b))でありストラップ20が更に引っ張られている。図9(b)での状態よりもストラップ20を強く引くことにより第1のリンク部材31も大きく回動することになる。この回動に伴いリクライニング解除ワイヤ40と脚部解除ワイヤ41が更に引っ張られることになる。このときに脚部の係止が解除される。
【0058】
図9(c)に示したリンク機構30の状態(図8(c))では、第2の係止部71の平面部71aは、第1のリンク部材31の上側の縁部分に面接触可能な位置に回動している。このとき、ストラップ20の引っ張り速度や引っ張り荷重を変化させ、若しくは引っ張り操作を止めると、第1のリンク部材31は平面部71aに当接する。平面部71aに当接することによって、第1のリンク部材31の戻り方向への回動が係止されるためリクライニング機構27の係止は解除された状態が保持される。
また、シートSの重心が回動の中間点を超え、それ以後は自重によって後方へ回動して格納状態に至る。リクライニング機構27に取り付けられた不図示の渦巻きばねの付勢力によってシートバック12は折り畳まれる。
【0059】
図9(d)は、格納回動の終盤(図8(d))でのリンク機構30の状態である。シートバック12が折り畳まれたことにより、第3のリンク部材33が回動して、第1のリンク部材31と第2のリンク部材32の係止が解除されている。この状態では、第2のリンク部材32は第1のリンク部材31に対して回動するため、脚部解除ワイヤ41が引っ張られず脚部係止機構が係止される。但し、既にストライカ44とは離れた位置にあるためシートSの格納操作に影響はない。
また、第2のリンク部材32が回動して当接部32cで第2の係止部71を押圧することにより、第4のリンク部材70は第1のリンク部材31を係止可能な位置から退避される。このように第1のリンク部材31は回動可能な状態にもどる。
【0060】
シートSの格納状態(図8(e))では、シートバック12がシートクッション11に対して折り畳まれるためキャンセルワイヤ42が引っ張られて第3のリンク部材33が回動された状態のまま保持される。このとき、第1のリンク部材31は、シートSの格納状態ではストラップ20の引っ張り操作が行われないため回動前の位置で保持される。
【0061】
次いで、図10に従ってシートSの復帰操作について説明する。
図10(a)は、シートSが格納されている状態である。シートクッション11の背面側に設けられた不図示のグリップを引っ張り上げることでシートSを復帰回動方向に回動操作することができる。
【0062】
図10(b)は、シートSの復帰回動時の様子を示したものである。シート支持部25に取り付けられた渦巻きばね48によって復帰回動方向へ付勢されるため操作荷重が低減されている。
シートSの前方への回動に伴い前側脚部14はその自重によって回動して下方へ展開される。
図10(c)は、シートSの前側脚部14の係止爪43,43を車体フロア4側に係止した状態を示したものである。係止爪43,43は、シートSの自重による押圧によって、車体フロア4側の脚部ストライカ44に係止される。
【0063】
図10(d)は、シートSの前側脚部14の係止爪43,43が車体フロア4側の脚部ストライカ44に係止された状態からストラップ20を後方に引っ張る操作を示している。
図10(e)は、シートSの復帰操作が完了した状態である。
すなわち、乗員は、シートバック12が折り畳まれて格納された状態のシートクッション11のグリップを掴んで前方回動させた後に、ストラップ20を後方へ引っ張る操作のみにてシートSを復帰させることができる。
【0064】
上述したシートSの復帰操作時のリンク機構30の動作について図11に従って説明する。
図11(a)は、シートSの格納状態(図10(a))から、シートSが回動されて係止爪43,43を車体フロア4側に係止された段階(図10(c))までのリンク機構30の状態である。乗員によりストラップ20が操作される前の段階であり、シートバック12が折り畳まれた状態のためキャンセルワイヤ42が引かれて第3のリンク部材33が回動している。
【0065】
図11(b)は、シートバック12を起立させるためストラップ20が後方に若干引っ張られた段階(図10(d))である。ストラップ20の操作によりシートバック12を起立させることができる。シートバック12の起立によりキャンセルワイヤ41は引っ張られない状態に戻るため、第3のリンク部材33は第2のリンク部材32を係止可能な位置に復帰される。しかし、第3のリンク部材33が回動してもストラップ20の引っ張り操作が行われているため、第2のリンク部材32は第3のリンク部材33に係止されない。
また、この状態では、ストラップ20の操作操作を行っても脚部解除ワイヤ41は引っ張られないため係止爪43,43の係止状態は維持される。
【0066】
このときのストラップ20の引っ張り操作によって、第1のリンク部材31が係止位置まで回動しても、第4のリンク部材70は第2のリンク部材32によって回動方向に押圧されているため、第1のリンク部材31を係止することはできない。
シートバック12を起立させた後にストラップ20の引っ張り操作を止めると、第2のリンク部材32も元の位置に戻ることから、第3のリンク部材33によって第2のリンク部材32は第1のリンク部材31に係止され、リンク機構30の各リンク部材は原位置の状態に復帰する(図9(a)参照)。
【0067】
以上のように、本発明に係るシートSによれば、格納操作の際には、格納回動操作とリクライニング機構27の係脱操作をストラップ20の引っ張り操作のみにて行うことができシートSの格納操作の際に良好な操作性を得ることができる。また、格納操作において、シートクッション11上にシートバック12が折り畳まれた状態でリクライニング機構27が係止されるため、格納回動中にシートバック12が再び開く虞がなくなり操作性が向上する。
また、復帰操作に際には、シートクッション11の背面側に設けられたグリップを掴んで回動させた後に、ストラップ20を引っ張ることで、確実にシートSを復帰することができ、操作方法がわかり易い。
【0068】
本実施形態では格納時の操作手段をストラップ20に統合した車両用格納シートSについて説明したが、格納時の操作手段としてストラップとレバーを有するシートであっても適用可能である。
また、本実施形態では、具体例として自動車の左右に分割された3列目のシートについて説明したが、これに限らず一体に形成された長いベンチタイプのシートや助手席、また、他のリヤシートについても同様の構成が適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用格納シートを装備した車両後部の側面模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの前方斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの後方斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るシートフレームの概略斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るリンク機構の拡大説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るシートバックが折り畳まれた状態のリンク機構の概略説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る前側脚部の係止部の概略説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの格納操作時の操作手順を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの格納操作時のリンク機構の動作説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの復帰操作時の操作手順を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの復帰操作時のリンク機構の動作説明図である。
【符号の説明】
【0070】
S シート
F シートフレーム
S1 右側シート
S2 左側シート
4 車体フロア
5 格納凹部
11 シートクッション
12 シートバック
13 ヘッドレスト
14 前側脚部
20 ストラップ
20a ストラップ出口部
21 シートクッションフレーム
21a バックフレーム支持部
22 シートバックフレーム
22a サイドフレーム
22b 中央フレーム
23 ピラー支持部
24 前側脚部フレーム
25 シート支持部
27 リクライニング機構
28 バックプレート
28a 誘導孔部
30 リンク機構
31 第1のリンク部材
31a,33a,70a 軸部
31b 長孔
32 第2のリンク部材
32b 係止凹部
32c 当接部
33 第3のリンク部材
34 ストラップ連結部材
32d,34a,40c,41c,42c 係止部
35 第1の係止部
40 リクライニング解除ワイヤ
40a リクライニング解除ケーブル
40b,41b,42b 端部部材
41 脚部解除ワイヤ
41a 脚部解除ケーブル
42 キャンセルワイヤ
42a キャンセルケーブル
43 係止爪
43a 回転軸
44 脚部ストライカ
45,47 付勢ばね
48 渦巻きばね
49 係止リブ
70 第4のリンク部材
71 第2の係止部
71a 平面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションの一端部側を前後方向に可動可能に支持する第1のシート支持手段と、
前記シートクッションにリクライニング手段を介して折り畳み可能なシートバックと、
前記シートクッションの他端部側に設けられた第2のシート支持手段と、
前記第2のシート支持手段と前記車体フロア側とを係脱可能な係脱手段と、
前記リクライニング手段に連結されたリンク機構と、
前記リンク機構を介して前記リクライニング手段と前記係脱手段とに連結された操作手段と、を有し、
前記リクライニング手段は、前記シートクッションに前記シートバックを折り畳み可能なリクライニング機構と、前記シートバックを折り畳んだ状態を検知する検知機構と、を備え、
前記リンク機構は、前記操作手段及び前記リクライニング機構に連結される第1のリンク部材と、前記係脱手段に連結された第2のリンク部材と、前記検知手段に連結された第3のリンク部材と、前記第1のリンク部材及び前記第2のリンク部材に当接可能な第4のリンク部材と、を備えることを特徴とする車両用格納シート。
【請求項2】
前記第4のリンク部材は、前記第1のリンク部材を係脱可能な第2の係止部を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用格納シート。
【請求項3】
前記第2のリンク部材は、前記第4のリンク部材の前記第2の係止部に当接可能な当接部を備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の車両用格納シート。
【請求項4】
前記第4のリンク部材は、前記第1のリンク部材に当接する方向に常時付勢されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用格納シート。
【請求項5】
前記第3のリンク部材は、前記第2のリンク部材を係止可能な第1の係止部を備え、前記検知機構により前記シートバックが折り畳まれた状態を検知して可動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用格納シート。
【請求項6】
前記第2のリンク部材は、前記第1のリンク部材と同軸に支持され、前記第3のリンク部材は、前記第1のリンク部材に支持されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用格納シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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