説明

車両用歩行者保護装置

【課題】樹脂製のプレート部の成形後の熱収縮に起因した曲げ変形の発生が防止され得る歩行者保護装置を提供する。
【解決手段】後側部分14において車両に固定される樹脂製のプレート部12の前側部分18の上面又は下面に、車両前後方向に延びる補強ビード20を、車幅方向に間隔を隔てて複数設けると共に、それら補強ビード20の互いに隣り合うもの同士の間に位置するプレート部12部分に、補強ビード20の延出方向と直角な方向に延びる平板状の連結リブ50を一体的に立設して、それら互いに隣り合う補強ビード20の相互の対向面同士を、連結リブ50にて相互に連結して、構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用歩行者保護装置に係り、特に、車両前部の下部部位に設置されて、車両前面に衝突乃至は接触した歩行者の脚部に接触せしめられることにより、かかる脚部を払って、歩行者の脚部を保護する車両用歩行者保護装置の改良された構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両においては、衝突時に生ずる衝撃エネルギーを吸収し、車体や乗員を保護することを主な目的として、車両の前面や後面、或いは側面等に、各種の保護装置が設置されている。また、近年では、車両の前面に歩行者が衝突(接触)した際に歩行者を保護する装置も、車両前面に設置されるようになってきている。
【0003】
そして、かかる歩行者保護装置の一種として、所謂脚払い装置が、知られている。この脚払い装置は、フロントバンパの内側や、フロントバンパとは独立して、その下部に設置されて、歩行者が車両前面に衝突したときに入力される衝撃荷重に対する反力を、歩行者の脚部に作用せしめることで、かかる脚部を払って(すくい上げて)、歩行者をボンネット等の衝撃吸収可能な部材側に転倒させるようにしたものである。そして、それにより、歩行者の保護及び安全を図るようにしたのである。
【0004】
また、そのような歩行者保護装置の一種たる脚払い装置に関して、従来から各種の構造が提案されている。例えば、下記特許文献1には、車両の前部の下部部位に、車両の前後方向に延びるように配置されて、後側部分において車両に固定される樹脂製のプレート部と、該プレート部の前側部分の上面と下面のうちの少なくとも何れか一方における互いに車幅方向に間隔を隔てた複数の位置に、上方又は下方に突出する断面コ字形状をもって車両前後方向に延びるように一体形成された複数の補強ビードとを有し、プレート部の前端部において、車両の前面に衝突した歩行者の脚部に接触せしめられることにより、脚部を払って、保護するように構成した歩行者保護装置が、提案されている。
【0005】
かくの如き構造を有する歩行者保護装置にあっては、樹脂製の一体成形品にて構成されているところから、十分な軽量性と優れた成形性が確保され得る。また、補強ビードの高さを比較的に小さな寸法に抑えた状態で、プレート部の前側部分の剛性が、例えば、高さの高い平板状リブを一体形成したときに得られる剛性と同程度において確保され得る。以て、所望の歩行者保護性能が、コンパクトな構造にて有利に発揮され得るのである。
【0006】
ところが、そのような従来の補強ビード付き歩行者保護装置について、本発明者等が様々な角度から検討を加えたところ、かかる歩行者保護装置にあっては、プレート部と複数の補強ビードとを有する樹脂製の一体成形品にて構成されているため、そのような一体成形品の成形後に不可避的に生ずる熱収縮により、装置全体が曲げ変形(反り変形)してしまう場合があることが、判明した。
【0007】
すなわち、従来の補強ビード付き歩行者保護装置においては、通常、車幅方向に延びるプレート部の前端面が、車両の前方に向かって凸となる凸状湾曲面形状とされるが、成形後の熱収縮によって、プレート部の前端面の曲率が大きくなるように、装置全体が曲がってしまう(反ってしまう)現象が生ずることがあるのである。そして、そうなった場合には、車両前面の下部部位へのプレート部の設置が困難となるだけでなく、変形状態によっては、歩行者保護性能が低下する恐れさえもあったのである。
【0008】
【特許文献1】特開2002−264741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、樹脂製のプレート部の前側部分に、複数の補強ビードが一体形成されてなる歩行者保護装置において、成形後の熱収縮に起因した曲げ変形の発生が効果的に防止され得るように改良された構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、本発明者等は、かかる課題を解決するために、先ず、成形後の熱収縮による曲げ変形の発生原因についての検討を行った。そこで、本発明者等は、曲げ変形が惹起される従来の補強ビード付きの歩行者保護装置において、(ア)例えば、前記特許文献1に示されるように、プレート部の前端部に、その剛性を高めることを目的として、車幅方向に延びる補強リブが設けられて、複数の補強ビードが、かかる補強リブの後端面から車両の後方側に延びるように一体形成されていること、(イ)プレート部の後側部分に大きなコ字状の切欠部が設けられる場合があること、(ウ)補強ビードが、二つの側壁部とそれらを連結する連結壁部とを備えた断面コ字形状を呈し、且つそのような補強ビードの互いに隣り合うもの同士が、それぞれの側壁部を車幅方向に間隔を隔てて互いに対向位置させるように設けられており、そのため、成形後の熱収縮によって、互いに隣り合う補強ビードのそれぞれの側壁部が、連結壁部側(コ字状の開口側)の端部同士を相互に接近させる側(対向方向の内側)に向かって斜めに倒されるように傾斜変形せしめられることに着目して、更に検討を進めた。その結果、従来の補強ビード付きの歩行者保護装置では、プレート部に補強リブや切欠部が設けられているために、成形後の熱収縮時に、補強ビードの各側壁部が、その前端部側部分よりも後端部側部分において、鉛直方向に対して、より大きな角度で傾斜変形し、それが原因で、プレート部の前端面の曲率を大きくするような曲げ変形が惹起されるであろうとの推論を得た。そして、そのような推論を基に、成形後の熱収縮による曲げ変形の発生原因の解消を図るべく、本発明者等が更に鋭意研究を重ねた結果、本発明が完成に至ったのである。
【0011】
すなわち、本発明にあっては、上記せる課題の解決のために、車両の前部の下部部位に、車両の前後方向に延びるように配置されて、後側部分において車両に固定される樹脂製のプレート部と、該プレート部の前側部分の上面と下面のうちの少なくとも何れか一方における互いに車幅方向に間隔を隔てた複数の位置に、上方又は下方に突出する断面コ字形状をもって互いに対向しつつ、車両前後方向に延びるように一体形成された複数の補強ビードとを有し、該プレート部の前端部において、車両の前面に衝突した歩行者の脚部に接触せしめられることにより、該脚部を払って、保護するように構成した歩行者保護装置であって、前記プレート部の前側部分の上面又は下面において車幅方向に互いに隣り合う前記補強ビード同士の間のプレート部分に、該補強ビードの延出方向と直角な方向に延びる平板状の連結リブを一体的に立設して、該互いに隣り合う補強ビードの相互の対向面同士を、該連結リブにて相互に連結したことを特徴とする歩行者保護装置を、その要旨とするものである。
【0012】
このような本発明に従う歩行者保護装置の好ましい態様の一つによれば、前記車幅方向に互いに隣り合う補強ビードの相互の対向面同士が、それぞれの後端部において、前記連結リブにて相互に連結される。
【0013】
本発明に従う歩行者保護装置の望ましい態様の一つによれば、前記連結リブの厚さが、前記補強ビードの厚さよりも薄くされる。なお、ここで言う補強ビードの厚さとは、補強ビードの二つの側壁部と連結壁部のそれぞれの板厚を言う。
【0014】
本発明に従う歩行者保護装置の有利な態様の一つによれば、前記連結リブが、前記プレート部の前側部分に複数設けられると共に、それら複数の連結リブが、車幅方向に一直線に並んで位置せしめられる。
【0015】
本発明に従う歩行者保護装置の好適な別の態様の一つによれば、前記補強ビードが、前記プレート部の前側部分の上面と下面の両方に設けられる。
【発明の効果】
【0016】
要するに、本発明に従う歩行者保護装置にあっては、車幅方向に互いに隣り合う補強ビード同士が、互いに対向位置する側壁部同士において、平板状の連結リブにて、互いに連結されている。そのため、成形後の熱収縮時に、連結リブが、各側壁部の倒れ込みに対して突っ張るような働きを為し、それによって、各側壁部の傾斜変形量が可及的に小さくされるか又はゼロとされ得る。そして、その結果、成形後の熱収縮により、補強ビードの各側壁部の後端部側部分が、その前端部側部分よりも大きく傾斜変形せしめられることが、可及的に解消され得る。
【0017】
従って、かくの如き本発明に従う歩行者保護装置においては、成形後の熱収縮に起因した曲げ変形の発生が、極めて効果的に防止され得るのである。また、それによって、車両前面の下部部位に対するプレート部の設置作業が、常にスムーズに行われ得るだけでなく、所望の歩行者保護性能が、より安定的に確保され得ることとなったのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0019】
先ず、図1乃至図3には、本発明に従う歩行者保護装置の一実施形態としての自動車の前面に設置されたフロントバンパの内側に取り付けられる脚払い装置が、その上面形態と下面形態と横断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図1乃至図3から明らかなように、本実施形態の脚払い装置10は、プレート部としての基板12を有している。
【0020】
この基板12は、例えば、ポリプロピレンやABS樹脂等の合成樹脂材料からなり、脚払い装置10の自動車への設置状態下での車幅方向、つまり自動車の左右方向(図1の左右方向が自動車の左右方向に相当する。以下からは、単に左右方向と言う)の寸法が、車幅よりも所定寸法だけ短く、且つ自動車の前後方向(図1の下方が自動車の前方に相当し、且つ図1の上方が自動車の後方に相当する。以下からは、単に前後方向と言う)の寸法が、左右方向の寸法よりも十分に短くされた、全体として、略横長矩形状を呈する薄肉の平板材にて構成されている。
【0021】
そして、このような基板12においては、その後側の略半分を占める後側部分が、略平板形態を呈し、脚払い装置10の自動車への設置状態下において水平に広がる上面と下面とを備えた平板部14とされている。この平板部14には、大きな矩形状の切欠部15が形成されている。それによって、平板部14、ひいては基板12の全体が、基板12の左右方向の両サイドにおいて、前側部分から後側に向かって十分な長さでそれぞれ延びる両側端部部位と、基板12の左右方向の中間部において、前側部分から後側に向かって短い長さで延びる中間部位とからなるコ字形状とされている。そして、このコ字状の平板部14の両側端部部位と中間部位とには、所定の固定ボルト等が挿通可能な挿通孔16が、左右方向に、或いは前後方向に所定間隔をおいて複数設けられている。
【0022】
一方、基板12における平板部14を除く前側部分は、補強構造を有する補強部18とされている。即ち、補強部18の左右両サイド部位を除いた中間部位の上面には、複数個(ここでは、7個)の第一補強ビード20が、それぞれ一体形成されている。また、かかる中間部位の下面には、複数個(ここでは、6個)の第二補強ビード22が、それぞれ一体形成されている。これによって、補強部18に対して、十分な補強構造が付与されているのである。
【0023】
より詳細には、図1乃至図4から明らかなように、第一補強ビード20は、上方に突出する断面略コ字形状を呈し(図3参照)、前後方向に平行に延びる左右の側壁部24,26と、前後方向に対向位置せしめられた前後の側壁部28,30と、それら4個の側壁部24〜30を連結する上側連結壁部32とを一体的に有している。これら5個の壁部24〜32は、何れも、基板12の平板部14や補強部18の第一及び第二補強ビード20,22以外の部位の肉厚と略同一の厚さを有する平板からなっている。
【0024】
かくして、第一補強ビード20は、上方に突出して、同一高さで前後方向に真っ直ぐに延びる長手矩形筐体状の全体形状を有している。換言すれば、下方に向かって開口する、コ字状の車幅方向断面形状を有して、前後方向に真っ直ぐに延びる凹溝形態を呈しているのである。また、第一補強ビード20においては、上側連結壁部32の幅方向(左右方向)中央部位に、上方に向かって開口する断面矩形の凹溝33が、全長に連続して延びるように形成されている。これによって、第一補強ビード20自体の強度の向上が、図られている。
【0025】
そして、このような第一補強ビード20の別個のもの同士が、左側壁部24と右側壁部26とを、左右方向に一定距離を隔てて、互いに対向させた状態で、補強部18の中間部位の上面に並列配置されている。つまり、補強部18の中間部位の上面における左右方向に一定の距離を隔てた位置に、7個の第一補強ビード20が、左側壁部24と右側壁部26とを互いに対向させつつ、前後方向に真っ直ぐに延びるように一体形成されているのである。
【0026】
なお、これら7個の第一補強ビード20においては、補強部18の中間部位の上面の左側に位置する2個のものと右側に位置する2個のものの後側壁部30が、補強部18の中間部位の後端部から鉛直上方に延び出して、上側連結壁部32の後端縁に連結されいる。また、補強部18の中間部位の上面の左右方向中央に位置する3個の第一補強ビード20の各後側壁部30は、補強部18の中間部位の後端部から前方に向かって斜め上方に延び出して、上側連結壁部32の後端縁に連結されている。更に、各第一補強ビード20の前側壁部28は、補強部18の下面から下方に、第二補強ビード22の突出高さと同じ高さで突出せしめられている。これにより、第一補強ビード20の前側壁部28の全体の高さが、第一補強ビード20と第二補強ビード22の合計高さと同一とされている。
【0027】
一方、図1乃至図3、及び図5に示されるように、第二補強ビード22は、下方に突出する断面コ字形状を呈し(図3参照)、前後方向に平行に延びる左右の側壁部34,36と、前後方向に対向位置せしめられた前後の側壁部38,40と、それら4個の側壁部34〜40を連結する下側連結壁部42とを一体的に有している。それら5個の壁部34〜42は、何れも、第一補強ビード20の左右及び前後側壁部24〜30と上側連結壁部32のそれぞれの肉厚と略同一の厚さを有する平板からなっている。
【0028】
かくして、第二補強ビード22は、第一補強ビード20の突出側とは反対の下方に突出して、同一高さで前後方向に真っ直ぐに延びる長手矩形筐体状の全体形状を有している。換言すれば、第二補強ビード22は、上方に向かって開口する、略コ字状の車幅方向断面形状を有して、前後方向に真っ直ぐに延びる凹溝形態を呈しているのである。また、第二補強ビード22においても、第一補強ビード20と同様に、下側連結壁部42の幅方向(左右方向)中央部位に、下方に向かって開口する断面矩形の凹溝44が、全長に連続して延びるように形成されている。これによって、第二補強ビード22自体の強度の向上が、図られている。
【0029】
そして、このような第二補強ビード22が、左右方向に互いに隣り合う第一補強ビード20同士の間にそれぞれ位置せしめられた状態で、互いに別個の第二補強ビード22の左側壁部34と右側壁部36とを、左右方向に一定距離を隔てて、相互に対向させた状態で、補強部18の中間部位の下面に並列配置されている。つまり、補強部18の中間部位の下面における左右方向に一定の距離を隔てた位置に、6個の第二補強ビード22が、左側壁部34と右側壁部36とを互いに対向させつつ、前後方向に真っ直ぐに延びるように一体形成されている。そして、それにより、第一補強ビード20と第二補強ビード22とが、左右方向において1個ずつ交互に位置するように、補強部18の中間部位に設けられているのである。
【0030】
なお、ここでは、最左端に位置する第一補強ビード20の左側壁部24と、最右端に位置する第一補強ビード20の右側壁部26とを除いた第一補強ビード20の左側壁部24と第二補強ビード22の右側壁部36とが1個の壁部にて構成され、また、第一補強ビード20の右側壁部26と第二補強ビード22の左側壁部34とが1個の壁部にて構成されている。
【0031】
すなわち、補強部18の中間部位には、その上面側と下面側の両方向に、第一補強ビード20と第二補強ビード22のそれぞれの高さと同一の高さで延び出し、且つ第一補強ビード20と第二補強ビード22のそれぞれの長さと同一の長さで前後方向に真っ直ぐに延びる縦壁部45が、左右方向に互いに対向して複数設けられている。そして、平板部14や補強部18における第一及び第二補強ビード22,22の非形成部位よりも上側に位置する各縦壁部45の上側部位にて、第一補強ビード20の左右の側壁部24,26が構成され、また、補強部18における第一及び第二補強ビード22,22の非形成部位よりも下側に位置する各縦壁部45の下側部位にて、第二補強ビード22の左右の側壁部34,36が構成されている。更に、そのような複数の縦壁部45の互いに隣り合うものの上端部同士と、それらの下端部同士が、交互に、上側連結壁部32や下側連結壁部42にて連結されているのである。
【0032】
第二補強ビード22の後側壁部40は、補強部18の中間部位の後端部から前方に向かって斜め下方に延び出して、下側連結壁部42の後端縁に連結されている。また、第二補強ビード22の前側壁部38は、補強部18の上面から上方に、第一補強ビード20の突出高さと同じ高さで突出せしめられている。これにより、第二補強ビード22の前側壁部38の全体の高さが、第一補強ビード20と第二補強ビード22の合計高さと同一とされ、また、第一補強ビード20の前側壁部28の全体の高さとも、同一の高さとされている。
【0033】
このように、本実施形態の脚払い装置10では、上側及び下側連結壁部32,42に設けられた凹溝33,44にて補強された複数の第一補強ビード20と第二補強ビード22とが、基板12の補強部18に交互に一つずつ一体形成されている。それによって、補強部18、つまり基板12の前側部分に十分な剛性が付与され、以て、かかる補強部18において、屈曲変形に対する強度が有利に高められている。
【0034】
また、図1及び図2から明らかなように、ここでは、左右方向に互いに隣り合う第一補強ビード20と第二補強ビード22のそれぞれの前側壁部28,38同士が、互いに一体的に接続されている。これにより、複数の第一補強ビード20の前側壁部28の前面と、複数の第二補強ビード22の前側壁部38の前面とが、平面視において、一つの連続面形態を呈し、且つかかる連続面が、前方に向かって凸となる湾曲面形状とされている。かくして、本実施形態の脚払い装置10においては、そのような凸状湾曲面形状を有して左右方向に延びる各前側壁部28,38の前面が、脚払い装置10が設置される自動車前面への歩行者の衝突等に生ずる衝撃が入力される衝撃入力面46とされている。
【0035】
さらに、かかる脚払い装置10では、補強部18の上面と下面のそれぞれの前端部に、平板状の補強リブ48が、左右方向に互いに隣り合う第二補強ビード22同士の間と、左右方向に互いに隣り合う第一補強ビード20同士の間とに、それぞれ1個ずつ一体的に立設されている。それら各補強リブ48は、前方に向かって凸となる湾曲形状を有し、第二補強ビード22と第一補強ビード20のそれぞれの前側壁部38,28と平行に延びるように位置せしめられている。これによって、補強部18(基板12の前側部分)の前端部の剛性が更に高められている。
【0036】
そして、かくの如き構造とされた脚払い装置10は、従来と同様にして、自動車に設置される。即ち、例えば、基板12が水平に配された状態で、第一及び第二補強ビード20,22がそれぞれ複数設けられた基板12の補強部18の前端部が、自動車前部のフロントバンパのバンパカバー内に突入位置せしめられる。そして、かかる配置状態下において、平板部14の後端部が、複数の挿通孔16に挿通された固定ボルト等にて、例えば、ラジエータサポート等に固定される。これによって、脚払い装置10が、自動車前部の下部部位において、衝撃入力面48を衝撃荷重の入力方向に直交させた状態で、位置固定に設置されるようになっている。
【0037】
かくして、かかる脚払い装置10にあっては、自動車前部への設置状態下で、歩行者の脚部がフロントバンパのバンパカバーに接触乃至は衝突せしめられた際に、その衝撃荷重に対する反力を、歩行者の脚部のすね付近の部分に対して、バンパカバーを介して作用せしめるようになっている。このとき、基板12の前側部分たる補強部18の上面と下面の両方に、第一補強ビード20と第二補強ビード22とが設けられて、かかる補強部18の剛性が、より高いレベルで十分に確保されているため、脚払い装置10が容易に変形せしめられることがない。それ故、バンパカバーに接触乃至は衝突した歩行者は、脚部のすね付近の部分が脚払い装置10にて払われて(すくい上げられて)、自動車のボンネット等の衝撃吸収可能な部材側に転倒せしめられるようになる。これにより、歩行者の保護及び安全が効果的に図られ得るようになっているのである。
【0038】
ところで、図1及び図2に示されるように、本実施形態の脚払い装置10においては、特に、基板12の補強部18の上面に設けられた複数の第一補強ビード20のうちの互いに隣り合うもの同士の間に、第一連結リブ50が、それぞれ1個ずつ位置せしめられて、それら複数(ここでは、6個)の第一連結リブ50が、補強部18の上面に一体形成されている。また、補強部18の下面に設けられた複数の第二補強ビード22のうちの互いに隣り合うもの同士の間には、第二連結リブ52が、それぞれ1個ずつ位置せしめられて、それら複数(ここでは、5個)の第二連結リブ52が、補強部18の下面に一体形成されている。
【0039】
より具体的には、図1及び図4乃至図6から明らかな如く、第一連結リブ50は、矩形平板状を呈し、第一補強ビード20の前及び後側壁部28,30や上側連結壁部32よりも薄い肉厚を有している。これにより、図示されてはいないものの、第一連結リブ50の肉厚が、前及び後側壁部28,30や上側連結壁部32と同一の肉厚とされた左及び右側壁部24,26の肉厚よりも薄くされている。
【0040】
このような第一連結リブ50が、左右方向に互いに隣り合う第一補強ビード20のうちの左側に位置する第一補強ビード20の右側壁部26の後端部と、右側に位置する第一補強ビード20の左側壁部24の後端部との間において、それら右及び左側壁部26,24に対して直角な方向に延びるように位置せしめられて、補強部18の上面に対して一体的に立設されている。そして、この第一連結リブ50が、互いに隣り合う第一補強ビード20の右側壁部26の後端部と左側壁部24の後端部の互いの対向面同士を、相互に連結している。
【0041】
換言すれば、第一連結リブ50は、左右方向に互いに隣り合う第一補強ビード20の間に上方に向かって開口する凹溝形状を有して設けられた第二補強ビード22の内側に、各第一補強ビード20の延出方向と直角な方向に延びるように配置されている。そして、そのような配置状態下で、互いに隣り合う第一補強ビード20の後端部同士の間に位置せしめられた第二補強ビード22の前方に向かって下傾する後側壁部40の上面上に一体形成されて、互いに隣り合う第一補強ビード20の後端部同士を相互に連結している。
【0042】
このため、図5に示される如く、第一連結リブ50にあっては、その上端が、第一補強ビード20の上側連結壁部32の上面よりも低い箇所に位置せしめられているにも拘わらず、第一補強ビード20の右側壁部26(左側壁部24)と第二補強ビード22の左側壁部34(右側壁部36)とに跨って上下方向に連続して延びる十分な高さが確保されている。つまり、第一連結リブ50は、左右方向に互いに対向して隣り合う複数の縦壁部45のそれぞれの後端部同士を相互に連結しているのである。
【0043】
また、図1から明らかなように、後側壁部30が、補強部18の上面から鉛直方向に延び出して、上側連結壁部32の後端縁と連結せしめられた第一補強ビード20には、第一連結リブ50が、かかる上側連結壁部32の後端縁に対応位置する左又は右側壁部24,26部分に連結されている。
【0044】
一方、後側壁部30が、補強部18の上面において、前方に向かって上傾するように延び出して、上側連結壁部32の後端縁と連結せしめられた第一補強ビード20は、鉛直方向に延びる後側壁部30を備えた第一補強ビード20に比して、上側連結壁部32の後端縁が前方よりに位置せしめられている。そして、このような前方に向かって上傾して延びる後側壁部30を有する第一補強ビード20においては、第一連結リブ50が、上側連結壁部32の後端縁よりも後方側に位置する後側壁部30の長さ方向中間部に対応位置する左又は右側壁部24,26部分に連結されている。
【0045】
かくして、ここでは、各第一補強ビード20の左又は右側壁部24,26の後端部のうち、特に、上側連結壁部32の後端縁の位置に対応位置する部位か、或いは上側連結壁部32の後端縁よりも更に後方側の位置に対応位置する部位に対して、複数の第一連結リブ50の全てが、連結されている。また、複数の第一補強ビード20が、形状が互いに異なる後側壁部30を有することで、後端部側部分の形状が互いに異なるようにされた二種類のものを含んでいるにも拘わらず、複数の第一連結リブ50が、各第一補強ビード20の延出方向と直角な左右方向に一直線に並んで位置せしめられた状態で、補強部18の上面に対して一体的に立設されている。
【0046】
一方、第二連結リブ52は、図2及び図4から明らかな如く、第一連結リブ50と同様に、矩形平板状を呈している。この第二連結リブ52にあっては、第二補強ビード22の前及び後側壁部38,40や下側連結壁部42よりも薄い肉厚を有し、且つ、それらと同一の肉厚とされた左及び右側壁部34,36の肉厚よりも薄くされている。
【0047】
このような第二連結リブ52が、図2及び図3に示されるように、左右方向に互いに隣り合う第二補強ビード22のうちの左側に位置する第二補強ビード22の右側壁部36の後端部と、右側に位置する第二補強ビード22の左側壁部34の後端部との間において、それら右及び左側壁部36,34に対して直角な方向に延びるように位置せしめられて、補強部18の下面に対して一体的に立設されている。そして、かかる第二連結リブ52が、互いに隣り合う第二補強ビード22の右側壁部36の後端部と左側壁部34の後端部の互いの対向面同士を、相互に連結している。
【0048】
それら複数の第二連結リブ52においては、図2乃至図4に示される如く、補強部18の左右方向の両端側にそれぞれ1個ずつ位置する2個のものが、複数の第一補強ビード20のうちの左側から2番目と右側から2番目とにそれぞれ位置するものの後方側の補強部18部分の下面に一体形成されている。また、複数の第二連結リブ52のうち、補強部18の左右方向の中央側に位置する3個のものが、補強部18の左右方向の中央に、下方に向かって開口する凹溝形状を有して設けられた3個の第一補強ビード20のそれぞれの内側に位置せしめられて、それら各第一補強ビード20の前方に向かって上傾して延びる後側壁部30の下面に、一体的に立設されている。これにより、複数の第二連結リブ52が、左右方向に互いに対向して隣り合う縦壁部45の後端部の上部側部位同士を、或いはかかる縦壁部45の後端部の上部側部位と下部側部位とに跨って延びる部分同士を、相互に連結しているのである。
【0049】
また、ここでは、前述せるように、複数の第二補強ビード22の全てが、前方に向かって下傾する同じ形状の後側壁部40を備えた同一の後端部分を有している。そして、このような各第二補強ビード22の後側壁部40の長さ方向中間部、つまり、下側連結壁部42の後端縁よりも後方側に一定距離だけ離隔した部位に対応位置する左又は右側壁部24,26部分に対して、第二連結リブ52が連結されている。これによって、複数の第二連結リブ52が、各第二補強ビード22の延出方向と直角な左右方向に一直線に並んで位置せしめられた状態で、補強部18の下面に対して一体的に立設されている。
【0050】
このように、本実施形態の脚払い装置10は、略横長矩形状を呈する薄肉の平板材からなる基板12を備えた樹脂製の一体成形品からなり、かかる基板12の前側部分たる補強部18の上面に、複数の第一補強ビード20が互いに左右方向に隣り合って位置するように一体形成される一方、その下面に、複数の第二補強ビード22が互いに左右方向に隣り合って位置するように一体形成されている。また、かかる基板12の後側部分たる平板部14に大きな矩形の切欠部15が設けられて、基板12の全体形状が、略コ字形状とされている。更に、基板12の補強部18の前端部には、左右方向に互いに隣り合う第一補強ビード20同士や第二補強ビード22同士をそれぞれ相互に連結する補強リブ48が、一体形成されている。
【0051】
このため、そのような樹脂成形品からなる脚払い装置10においては、その成形後に不可避的に惹起される熱収縮によって、例えば、図6に二点鎖線で示されるように、互いに隣り合う第一補強ビード20の相互に対向する左側壁部24と右側壁部26とが、上側の端部同士を相互に接近させる側(対向方向の内側)に向かって斜めに倒されるように傾斜変形する変形挙動を示すようになり、また、互いに隣り合う第二補強ビード22の相互に対向する左側壁部34と右側壁部36とが、下側の端部同士を相互に接近させる側(対向方向の内側)に向かって斜めに倒されるように傾斜変形する変形挙動を示すようになる。つまり、前記せる複数の縦壁部45が、上側連結壁部32とのなす角の大きさや下側連結壁部42とのなす角の大きさをそれぞれ小さくするように傾斜変形する変形挙動を示すようになる。そして、特に、そのような左及び右側壁部24,34,26,36(各縦壁部45)の変形挙動が、それらの前側部分よりも後側部分において大きくなる傾向がある。なお、図6に二点鎖線で示される脚払い装置10の熱収縮状態は、実際よりも大きく熱収縮した状態において、誇張して示されていることが理解されるべきである。
【0052】
ところが、本実施形態の脚払い装置10にあっては、左右方向に互いに隣り合う第一補強ビード20のうちの左側に位置するものの右側壁部26の後端部と、右側に位置するものの左側壁部24の後端部とが、それら左及び右側壁部24,26と直角な方向に延びる平板状の第一連結リブ50にて、互いに連結されている。また、左右方向に互いに隣り合う第二補強ビード22のうちの左側に位置するものの右側壁部36の後端部と、右側に位置するものの左側壁部34の後端部とが、それら左及び右側壁部34,36と直角な方向に延びる平板状の第二連結リブ52にて、互いに連結されている。
【0053】
それ故、かかる脚払い装置10では、成形後の熱収縮時に、第一連結リブ50と第二連結リブ52とが、左側壁部24,34と右側壁部26,36との間で、突っ張り部材として極めて有効に機能して、それら左及び右側壁部24,34,26,36の傾斜変形を抑制する働きを為す。それによって、成形後の熱収縮時の左及び右側壁部24,34,26,36の傾斜変形量が、可及的に小さくされるか又はゼロとされ得る。そして、その結果、成形後の熱収縮により、第一及び第二補強ビード22,22の左及び右側壁部24,34,26,36の後端部側部分が、その前端部側部分よりも大きく傾斜変形せしめられることが、可及的に解消され得る。
【0054】
従って、かくの如き本実施形態の脚払い装置10にあっては、成形後の熱収縮に起因して、衝撃入力面46の曲率が大きくなるように、基板12の全体が曲がってしまう曲げ変形の発生が、極めて効果的に防止され得るのである。また、それによって、かかる曲げ変形に起因した、自動車前部の下部部位に対する平板部14の取付位置の位置ズレの発生が未然に回避され、以て、自動車前部の下部部位への脚払い装置10の設置作業が、常にスムーズに行われ得る。更に、脚払い装置10において確保されるべき所望の歩行者保護性能が、成形後の熱収縮による曲げ変形によって低下するようなことも、効果的に解消され得るのである。
【0055】
そして、本実施形態の脚払い装置10では、特に、第一補強ビード20同士を相互に連結する第一連結リブ50と、第二補強ビード22同士を相互に連結する第二連結リブ52とが、補強部18の上面と下面の両方に一体形成されている。それ故、第一連結リブ50が補強部18の上面のみに設けられる場合や、第二連結リブ52が補強部18の下面のみに設けられる場合に比して、成形後の熱収縮時の左及び右側壁部24,34,26,36の傾斜変形が、より有利に抑制され得る。その結果として、成形後の熱収縮による曲げ変形の発生が、更に一層効果的に防止され得る。
【0056】
かかる脚払い装置10にあっては、第一連結リブ50と第二連結リブ52とが、第一補強ビード20の後端部同士や第二補強ビード22の後端部同士を連結している。また、それらの後端部のうち、特に、各補強ビード20,22の上側及び下側連結壁部32,42の後端縁に位置する部分か又はそれよりも後方側に位置する部分において、第一補強ビード20同士や第二補強ビード22同士を連結している。そのため、第一及び第二補強ビード22,22の左及び右側壁部24,34,26,36の後端部側部分が、その前端部側部分よりも大きく傾斜変形せしめられることが、より効果的に阻止され得る。これによっても、成形後の熱収縮による曲げ変形の発生が、更に効果的に防止され得る。
【0057】
本実施形態の脚払い装置10においては、第一連結リブ50と第二連結リブ52とが、何れも、第一補強ビード20と第二補強ビード22の左及び右側壁部24,34,26,36の肉厚よりも薄い肉厚を有している。そのため、成形後の熱収縮時に、各連結リブ50,52の収縮変形が、各補強ビード20,22の左及び右側壁部24,34,26,36のそれぞれの収縮変形よりも先に完了する。それ故、例えば、それら各連結リブ50,52と左及び右側壁部24,34,26,36の収縮変形(成形収縮)が、同時に且つ同一の時間において継続される場合とは異なって、収縮変形が完了した各連結リブ50,52により、左及び右側壁部24,34,26,36の成形収縮による傾斜変形の発生が、より確実に防止され得る。
【0058】
かかる脚払い装置10にあっては、第一連結リブ50と第二連結リブ52とが、補強部18の上面と下面とにおいて、それぞれ、左右方向に一直線に並んで位置せしめられている。このため、各補強ビード20,22に対する各連結リブ50,52の連結位置の違いにより、各補強ビード20,22の左及び右側壁部24,34,26,36の成形収縮による傾斜変形量に差異が生ずるようなことが可及的に阻止され得る。これによっても、成形後の熱収縮による曲げ変形の発生が、より有利に防止され得ることとなる。
【0059】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0060】
例えば、補強部18の上面と下面のうちの何れか一方のみに、第一補強ビード20又は第二補強ビード22を、それぞれ複数設けるようにしても良い。
【0061】
そして、補強部18の上面に、複数の第一補強ビード20のみが設けられる場合には、それら第一補強ビード20の互いに隣り合うもの同士の間に、第一連結リブ50のみが設けられる。補強部18の下面に、複数の第二補強ビード22のみが設けられる場合には、それら第二補強ビード22の互いに隣り合うもの同士の間に、第二連結リブ52のみが設けられることとなる。
【0062】
それら補強部18に設けられる第一補強ビード20や第二補強ビード22の個数や配置間隔、全体形状も、変更可能である。また、それらに応じて、第一連結リブ50や第二連結リブ52の個数や配置間隔、全体形状等が、適宜に決定される。
【0063】
第一連結リブ50や第二連結リブ52の高さや厚さ等も、例示のものに、何等限定されるものではない。
【0064】
前記実施形態では、補強部18での第一連結リブ50の形成位置が、補強部18での第二連結リブ52の形成位置よりも前方側とされていたが、そのような形成位置も、特に、これに限定されるものではない。
【0065】
加えて、本発明は、自動車の前面に固設されたバンパの内側に設置される歩行者保護装置の他、自動車の前面に、バンパとは独立して別個に設置されるものや、自動車以外の車両の前面に、各種の形態で設置される歩行者保護装置の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0066】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に従う構造を有する歩行者保護装置の一例を示す上面説明図である。
【図2】図1に示された歩行者保護装置の下面説明図である。
【図3】図1におけるIII−III断面説明図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面説明図である。
【図5】図1におけるV−V断面説明図である。
【図6】図3における部分拡大説明図である。
【符号の説明】
【0068】
10 脚払い装置 12 基板
14 平板部 18 補強部
20 第一補強ビード 22 第二補強ビード
24,34 左側壁部 26,36 右側壁部
28,38 前側壁部 30,40 後側壁部
32 上側連結壁部 42 下側連結壁部
50 第一連結リブ 52 第二連結リブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前部の下部部位に、車両の前後方向に延びるように配置されて、後側部分において車両に固定される樹脂製のプレート部と、該プレート部の前側部分の上面と下面のうちの少なくとも何れか一方における互いに車幅方向に間隔を隔てた複数の位置に、上方又は下方に突出する断面コ字形状をもって互いに対向しつつ、車両前後方向に延びるように一体形成された複数の補強ビードとを有し、該プレート部の前端部において、車両の前面に衝突した歩行者の脚部に接触せしめられることにより、該脚部を払って、保護するように構成した歩行者保護装置であって、
前記プレート部の前側部分の上面又は下面において車幅方向に互いに隣り合う前記補強ビード同士の間に位置するプレート部分に、該補強ビードの延出方向と直角な方向に延びる平板状の連結リブを一体的に立設して、該互いに隣り合う補強ビードの相互の対向面同士を、該連結リブにて相互に連結したことを特徴とする歩行者保護装置。
【請求項2】
前記車幅方向に互いに隣り合う補強ビードの相互の対向面同士が、それぞれの後端部において、前記連結リブにて相互に連結されている請求項1に記載の歩行者保護装置。
【請求項3】
前記連結リブの厚さが、前記補強ビードの厚さよりも薄くされている請求項1又は請求項2に記載の歩行者保護装置。
【請求項4】
前記連結リブが、前記プレート部の前側部分に複数設けられると共に、それら複数の連結リブが、車幅方向に一直線に並んで位置せしめられている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の歩行者保護装置。
【請求項5】
前記補強ビードが、前記プレート部の前側部分の上面と下面の両方に設けられている請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載の歩行者保護装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−262778(P2009−262778A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115252(P2008−115252)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)