説明

車両用洗浄装置

【課題】専用の洗浄液タンクと電動ポンプを設けることなく、設置スペースも小さくできる安価な車両用洗浄装置を提供すること。
【解決手段】車両用洗浄装置は、ウォッシャスイッチSW1からの指令信号(ウォッシャ信号W)に基づいて駆動しタンクに貯留された洗浄液をリアウィンドに噴射するリア・ウォッシャノズルN1に給送する電動ポンプ20と、電動ポンプ20とリア・ウォッシャノズルN1との間を接続する主配管8から分岐し主配管8とカメラ・ウォッシャノズルN2とを接続する分岐配管8aと、主配管8と分岐配管8aの分岐部分に設けられ電動ポンプ20からの洗浄液の流路をリア・ウォッシャノズルN1側又はカメラ・ウォッシャノズルN2側に択一的に切替え可能な電磁切替バルブBと、電磁切替バルブBによる切替えを、電動ポンプ20を停止させた状態で行わせるための洗浄制御回路部51とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を後退させる際に、車両後方の状況を車両後部に配置した車載カメラにて撮影して、その撮影映像をカーナビゲーション用のモニタに表示させて確認できるようにしたものが知られている。この車載カメラは、車両の外部に配置されるためにレンズに泥等が付着すると車両の後方状況が十分に撮影できず、確認し難くなるといった問題がある。
【0003】
そこで、車載カメラのレンズに洗浄液を吹き付けて付着物を除去するノズルを設けるとともに、同ノズルに洗浄液を送るポンプを設けた車両用洗浄装置が提案されている(特許文献1)。この車両用洗浄装置では、車両後進走行時に作動するバックアラームやバックランプの電源回路の電源を利用してバックアラーム及びバックランプと同期して電動モータを駆動させてポンプを回転させる。これによって、ドライバは洗浄操作しなくても車両後進時に自動的に車載カメラを洗浄することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−255018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記車両用洗浄装置は、車載カメラのレンズを洗浄するための専用の洗浄液タンク及びポンプを有していた。しかし、バスやトラック等の大型車両であれば、配置スペースも確保し易いが、乗用車ではそれらの配置スペースの確保が困難であった。
【0006】
また、専用の洗浄液タンクとポンプを設けることから、車両用洗浄装置が高価なものになっていた。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、専用の洗浄液タンクと電動ポンプを設けることなく、設置スペースも小さくできる安価な車両用洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、洗浄液を車両後部に配置された車載カメラの撮像面に向けて噴射するカメラ洗浄ノズルを備えた車両用洗浄装置であって、ウォッシャスイッチからの指令信号に基づいて駆動し、タンクに貯留された洗浄液をフロントウィンド及びリアウィンドの少なくともいずれか一方に噴射するウィンド洗浄ノズルに給送する電動ポンプと、前記電動ポンプと前記ウィンド洗浄ノズルとの間を接続する主配管から分岐し、前記主配管と前記カメラ洗浄ノズルとを接続する分岐配管と、前記主配管と前記分岐配管の分岐部分に設けられ、前記電動ポンプからの前記洗浄液の流路を前記ウィンド洗浄ノズル側又は前記カメラ洗浄ノズル側に択一的に切替え可能な切替弁手段と、前記切替弁手段による切替えを、前記電動ポンプを停止させた状態で行わせるための洗浄制御回路部とを備えたことを要旨とする。
【0008】
同構成によれば、電動ポンプからの洗浄液の流路をウィンド洗浄ノズル側又はカメラ洗浄ノズル側に択一的に切替え可能な切替弁手段を備えるため、ウィンド洗浄用の既設の電動ポンプやタンクを活用して、車載カメラの洗浄を行うことができる。その結果、例えば、設置スペースを小さくできるとともに安価とすることができる。
【0009】
しかも、切替弁手段による切替えを、電動ポンプを停止させた状態で行わせるための洗浄制御回路部を備えるため、配管内での圧力が十分に低い(負荷が小さい)状態で迅速に切替弁手段による切替えを行わせることができる。これにより、例えば、切替弁手段を駆動するための電力を小さく抑えることができるとともに、切り替え応答性が良好となる。尚、切り替え応答性が良好となることは、例えば、止水遅延や雫垂れ発生等を抑えることに寄与する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用洗浄装置において、前記洗浄制御回路部は、前記車両が後進状態であることを示す信号が入力された状態で前記ウォッシャスイッチの指令信号が入力されると、予め設定された第1の時間内で前記切替弁手段を前記カメラ洗浄ノズル側に切替え、前記第1の時間の経過後、予め設定された第2の時間だけ前記電動ポンプを駆動させることを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、洗浄制御回路部に車両が後進状態であることを示す信号が入力された状態でウォッシャスイッチの指令信号が入力されると、予め設定された第1の時間内で切替弁手段が(ウィンド洗浄ノズル側から)カメラ洗浄ノズル側に切替えられ、第1の時間の経過後、予め設定された第2の時間だけ電動ポンプが駆動される。よって、後進状態でウォッシャスイッチを操作することで、車載カメラの洗浄を行うことができる。
【0012】
そして、ウォッシャスイッチから指令信号が出力されても(ウォッシャスイッチが操作されても)電動ポンプは切替弁手段がカメラ洗浄ノズル側に切替えられる第1の時間内では駆動されない(第1の時間の経過後に駆動される)ため、配管内での圧力が十分に低い(負荷が小さい)状態で迅速に切替弁手段による切替えを行わせることができる。これにより、この際に、例えば、切替弁手段を駆動するための電力を小さく抑えることができるとともに、切り替え応答性が良好となる。又、これにより、例えば、ウィンド洗浄ノズルから洗浄液が僅かに漏れてしまうといったことを防止することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用洗浄装置において、前記洗浄制御回路部は、前記車両が後進状態であることを示す信号が入力された状態で前記ウォッシャスイッチの指令信号が入力されると、予め設定された第2の時間だけ前記電動ポンプを駆動させて前記カメラ洗浄ノズルに洗浄液を供給させ、その第2の時間の経過後から更に予め設定された第3の時間が経過すると、前記切替弁手段を前記ウィンド洗浄ノズル側に切替えることを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、洗浄制御回路部に車両が後進状態であることを示す信号が入力された状態でウォッシャスイッチの指令信号が入力されると、予め設定された第2の時間だけ電動ポンプが駆動されてカメラ洗浄ノズルに洗浄液が供給される。よって、後進状態でウォッシャスイッチを操作することで、車載カメラの洗浄を行うことができる。
【0015】
そして、電動ポンプが駆動される前記第2の時間の経過後から更に予め設定された第3の時間が経過すると、切替弁手段がウィンド洗浄ノズル側に切替えられるため、配管内での圧力が十分に低い(負荷が小さい)状態で迅速に切替弁手段による切替えを行わせることができる。これにより、この際に、例えば、切替弁手段を駆動するための電力を小さく抑えることができるとともに、切り替え応答性が良好となる。又、これにより、例えば、止水遅延や雫垂れ発生等を抑えることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用洗浄装置において、前記ウィンド洗浄ノズルは、車両後部に配設されて前記車両のリアウィンドに前記洗浄液を噴射するリアウィンドノズルであり、前記洗浄制御回路部は、前記第3の時間の経過後も前記ウォッシャスイッチの指令信号が入力され続けると、前記第3の時間の経過後に前記指令信号が入力されている間、前記電動ポンプを再駆動させることを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、洗浄制御回路部に前記第3の時間の経過後もウォッシャスイッチの指令信号が入力され続けると、第3の時間の経過後に指令信号が入力されている間、電動ポンプが再駆動される。よって、後進状態において、ウォッシャスイッチをオンし続けると、まず電動ポンプがカメラ洗浄ノズルに接続されてカメラ洗浄ノズルに洗浄液が送給され、次に自動的に電動ポンプがリアウィンドノズルに接続されてリアウィンドノズルに洗浄液が送給される。これにより、車載カメラへの洗浄液の噴射とリアウィンドへの洗浄液の噴射とを別々の操作で行わせるといった煩わしい操作をしなくても、両方に洗浄液を噴射させることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両用洗浄装置において、前記洗浄制御回路部は、前記第3の時間の経過後から更に予め設定された第4の時間が経過すると、前記電動ポンプを再駆動させることを要旨とする。
【0019】
同構成によれば、前記第3の時間の経過後から更に予め設定された第4の時間が経過すると、前記電動ポンプが再駆動されるため、第4の時間内において、配管内での圧力が十分に低い(負荷が小さい)状態で迅速に切替弁手段による切替えを行わせることができる。これにより、この際に、例えば、切替弁手段を駆動するための電力を小さく抑えることができるとともに、切り替え応答性が良好となる。又、これにより、例えば、カメラ洗浄ノズルから洗浄液が僅かに漏れてしまうといったことを防止することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の車両用洗浄装置において、前記リアウィンドを払拭するリアワイパの駆動用のリアワイパモータを備え、前記洗浄制御回路部は、前記電動ポンプの前記再駆動と連動してリアワイパモータを駆動することを要旨とする。
【0021】
同構成によれば、電動ポンプの再駆動と連動してリアワイパモータが駆動されるため、車載カメラの洗浄とリアウィンドの洗浄とを別々の操作で行わせるといった煩わしい操作をしなくても、両方の後方視界を良好とすることができる。又、ウォッシャスイッチの指令に基づいてリアワイパモータが駆動されるものでありながらも、車載カメラの洗浄時は、リアワイパモータは駆動せずリアワイパによる払拭動作が行われないため、リアウィンドの表面が乾燥した状態で払拭動作が行われてしまうことが防止される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、専用の洗浄液タンクと電動ポンプを設けることなく、設置スペースも小さくでき安価な車両用洗浄装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態の車両用洗浄装置を備えた車両の概略構成図。
【図2】本実施形態の車両用洗浄装置の電気的構成を説明するための電気回路図。
【図3】本実施形態の洗浄制御回路部の処理を説明するためのフロー図。
【図4】本実施形態の車両用洗浄装置の各信号及び動作のタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の車両用洗浄装置の一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、運転席の横に変速装置2のシフトレバー3が設けられ、同シフトレバー3を操作することによって車両1は変速する。シフトレバー3を1速位置に操作すると、変速装置2は車両1の変速比を1速にシフトチェンジさせる。シフトレバー3を2速位置に操作すると、変速装置2は車両1の変速比を2速にシフトチェンジさせる。また、シフトレバー3を中立位置に操作すると、変速装置2は車両1の変速比を中立にシフトチェンジさせる。
【0025】
さらに、シフトレバー3を後進位置(リバース位置)に操作すると、変速装置2は車両1を後進させる(後進可能な後進状態とする)。この時、シフトレバー3が後進位置(リバース位置)にシフトされている間、車両1の後部に設けられたバックランプBLが点灯されるようになっている。
【0026】
また、車両1のコンソールパネルには、ナビゲーション装置において現在位置やその他地図表示等に利用される表示装置DSPが設置されている。
車両1の後部中央位置であってリアウィンド4の下側には、リアワイパ装置6が設けられている。リアワイパ装置6は、リアワイパモータM1が駆動されることによって回動し、リアワイパ装置6のワイパブレード7がリアウィンド4の外側面を払拭動作する。
【0027】
車両1の後部中央位置であってリアウィンド4の上側には、ウィンド洗浄ノズルとしてのリア・ウォッシャノズルN1が設けられている。リア・ウォッシャノズルN1は、そのノズル口が下方のリアウィンド4に向けられ、そのノズル口から洗浄液がリアウィンド4の払拭面に噴射されるようになっている。
【0028】
リア・ウォッシャノズルN1は、車両1の前部エンジンルームに設けられたウォッシャポンプPと主配管8を介して接続されている。ウォッシャポンプPは、同じくエンジンルームに設けられた洗浄液を貯留したタンクTから洗浄液を主配管8を介してリア・ウォッシャノズルN1に給送するポンプである。そして、運転席に設けたウォッシャスイッチSW1を操作すると、ウォッシャポンプPは、ポンプモータM2(図2参照)の駆動にて駆動してタンクTから洗浄液を主配管8を介してリア・ウォッシャノズルN1に給送するようになっている。
【0029】
車両1の後部外側であって、本実施形態ではリアワイパ装置6よりもさらに後部位置には、バックモニタ用の車載カメラ10が設置されている。車載カメラ10は、本実施形態では、後方視認用のリアビューカメラであって、車載カメラ10が撮像した画像は、画像データとして車両1のコンソールパネルに設けた表示装置DSPに出力される。表示装置DSPは、その画像データに基づいて車載カメラ10が撮像した画像を画面に表示するようになっている。
【0030】
なお、車載カメラ10は、変速装置2のシフトレバー3を後進位置(リバース位置)に操作したとき、撮像動作を開始しその画像データを表示装置DSPに出力する。また、シフトレバー3が後進位置(リバース位置)からそれ以外の位置にシフトされたとき、車載カメラ10は撮像動作を終了する。
【0031】
車載カメラ10に隣接した位置であって、車載カメラ10の後方撮像視野角から外れた位置には、カメラ洗浄ノズルとしてのカメラ・ウォッシャノズルN2が設けられている。カメラ・ウォッシャノズルN2は、そのノズル口が車載カメラ10のレンズを泥、埃、塵等から保護するために設けられたガラス窓10a(図2参照)に向けられ、そのノズル口から洗浄液が車載カメラ10のガラス窓10aに噴射されるようになっている。
【0032】
カメラ・ウォッシャノズルN2は、ウォッシャポンプPとリア・ウォッシャノズルN1とを接続する主配管8から分岐した分岐配管8aと接続されている。分岐配管8aは、車両1の後部において主配管8と接続され、その後部の接続位置(分岐部分)までの配管は主配管8と共用して使用されている。分岐配管8aが主配管8から分岐した分岐部分には、切替弁手段としての電磁切替バルブBが設けられている。電磁切替バルブBは、ウォッシャポンプPから給送されてくる洗浄液を、カメラ・ウォッシャノズルN2またはリア・ウォッシャノズルN1のいずれかに択一的に給送するバルブである。
【0033】
電磁切替バルブBは、変速装置2のシフトレバー3が後進位置(リバース位置)に操作されたことやウォッシャスイッチSW1が操作されたこと等に基づいて、後述するタイミングで電磁切替バルブBを駆動し、分岐配管8aと主配管8を接続する。すなわち、電磁切替バルブBは、リア・ウォッシャノズルN1とウォッシャポンプPとの接続を遮断し、カメラ・ウォッシャノズルN2とウォッシャポンプPとを接続する。従って、カメラ・ウォッシャノズルN2は、ウォッシャポンプPによりタンクTからの洗浄液が給送可能な状態となる。又、ウォッシャポンプPが駆動してタンクTからの洗浄液が主配管8及び分岐配管8aを介してカメラ・ウォッシャノズルN2に給送される。そして、カメラ・ウォッシャノズルN2のノズル口から洗浄液が車載カメラ10のガラス窓10aに噴射されるようになっている。
【0034】
一方、電磁切替バルブBは、変速装置2のシフトレバー3が後進位置(リバース位置)以外の位置に操作されているとき、非駆動状態となる。電磁切替バルブBが非駆動状態のとき、分岐配管8aと主配管8との接続を遮断する。すなわち、電磁切替バルブBは、リア・ウォッシャノズルN1とウォッシャポンプPとを主配管8を介して接続する。従って、通常時には、リア・ウォッシャノズルN1は、ウォッシャポンプPによりタンクTからの洗浄液が給送可能な状態となっている。
【0035】
この状態から、運転席に設けたウォッシャスイッチSW1が操作されると、ウォッシャポンプPが駆動してタンクTからの洗浄液が主配管8を介してリア・ウォッシャノズルN1に給送される。そして、リア・ウォッシャノズルN1のノズル口から洗浄液がリアウィンド4に噴射されるようになっている。
【0036】
次に、上記のように構成した車両用洗浄装置の電気的構成について図2に従って説明する。
図2において、車両1の後部に設けられたバックランプBLは、一端が接地され、他端がランプ用ハーネスL1を介して車両1の前部のエンジンルームに設けたバックランプリレー11と直列に接続されている。
(バックランプリレー11)
バックランプリレー11は、リードスイッチ11aと励磁コイル11bを有したリードリレーである。リードスイッチ11aは、そのプラス端子がフューズF1を介してプラスの電源線L0に接続され、そのマイナス端子がランプ用ハーネスL1を介してバックランプBLに接続されている。そして、リードスイッチ11aは、励磁コイル11bが通電し励磁されるとオンし、バックランプBLに電流を供給し、バックランプBLを点灯させる。又、前記ランプ用ハーネスL1には洗浄制御回路部51が接続され、その洗浄制御回路部51には、(バックランプBLが点灯されると同時に)車両が後進状態であることを示す信号(後進信号L)が入力されることになる。
【0037】
バックランプリレー11の励磁コイル11bは、一端がリードスイッチ11aのプラス端子側に接続され、他端が位置検出センサ12に接続されている。
(位置検出センサ12)
位置検出センサ12は、変速装置2のシフトレバー3の後進位置(リバース位置)を検出するセンサである。位置検出センサ12は、シフトレバー3が後進位置(リバース位置)に位置する検知素子よりなる検知部12aと、検知部12aからの検知信号に応答してオン・オフするスイッチングトランジスタよりなる開閉スイッチ12bとから構成されている。
【0038】
検知部12aは、シフトレバー3が後進位置にあるとき、開閉スイッチ12bをオン(閉路)させる検出信号を開閉スイッチ12bに出力する。また、検知部12aは、シフトレバー3が後進位置以外の位置にあるとき、検出信号を消失し、開閉スイッチ12bをオフ(開路)させる。
【0039】
開閉スイッチ12bは、一端がバックランプリレー11の励磁コイル11bに接続され、他端が接地されている。開閉スイッチ12bは、シフトレバー3が後進位置にあることを検知部12aが検知した時、オンして励磁コイル11bを通電させる。つまり、リードスイッチ11aをオンさせ、ランプ用ハーネスL1を介してバックランプBLに電流を流してバックランプBLを点灯させるとともに洗浄制御回路部51に車両が後進状態であることを示す信号(後進信号L)を出力させる。
【0040】
一方、開閉スイッチ12bは、シフトレバー3が後進位置以外にあることを検知部12aが検知している時、オフして励磁コイル11bを非通電にする。つまり、リードスイッチ11aをオフさせ、ランプ用ハーネスL1への電流を遮断してバックランプBLが点灯しないようにしている。
(洗浄制御回路部51)
洗浄制御回路部51には、前記ウォッシャスイッチSW1が接続され、ウォッシャスイッチSW1が操作されるとその指令信号(ウォッシャ信号W)が入力される。洗浄制御回路部51は、車両が後進状態であることを示す信号(後進信号L)と前記指令信号(ウォッシャ信号W)とに基づいて種々の信号を生成して出力する。詳しくは、洗浄制御回路部51は、予め設定された第1〜第4の時間t1〜t4(図4参照)を計測するための基準時間設定回路52と、リアワイパモータM1を駆動するためのワイパ駆動回路53と、電磁切替バルブBを駆動するための弁駆動回路54と、ポンプモータM2(ウォッシャポンプP)を駆動するためのポンプ駆動回路55とを備えている。そして、前記後進信号Lと前記ウォッシャ信号Wと前記基準時間設定回路52からの信号とに基づいてワイパ駆動回路53、弁駆動回路54、及びポンプ駆動回路55のそれぞれから後述するNPN型のトランジスタTr1〜Tr3のベース端子にそれぞれHレベルの駆動信号(ワイパ駆動信号WK、弁駆動信号BK、ポンプ駆動信号PK)を出力する。尚、トランジスタTr1〜Tr3は、それぞれリアワイパモータM1、電磁切替バルブB、ポンプモータM2(ウォッシャポンプP)を駆動するためのスイッチング素子であり、その接続については後述する。
(リアワイパモータM1)
リアワイパ装置6を駆動するリアワイパモータM1は、一端がリアワイパスイッチ15に接続され、このリアワイパスイッチ15の+B端子が車両1の前部エンジンルームに設けたフューズF2を介してプラスの電源線L0に接続されている。一方、リアワイパモータM1の他端は接地されている。
【0041】
また、リアワイパモータM1の内部には、リアワイパ装置6の自動定位置停止装置(ワイパブレード7がホームポジション以外にある時にリアワイパスイッチ15を「OFF」にしても、ワイパブレード7をホームポジションまで移動させて停止する装置)を構成するカムスイッチ14が組み込まれている。
(カムスイッチ14)
カムスイッチ14は、a接点14a、b接点14b、共通接点14c及び可動接点14dを有している。a接点14aは、フューズF2を介してプラスの電源線L0に接続されている。b接点14bは、リアワイパモータM1の他端に接続されると共に接地されている。可動接点14dは、一端がリアワイパスイッチ15のS端子に接続されている共通接点14cと接続され、リアワイパモータM1の回動とともに可動する。可動接点14dは、可動することによって、他端がa接点14aとb接点14bのいずれか一方と接続するようになっている。
【0042】
詳述すると、ワイパブレード7がホームポジション以外にある時、可動接点14dはa接点14aと接続される。従って、リアワイパモータM1は、リアワイパスイッチ15が「OFF」であっても、カムスイッチ14を介してプラスの電源線L0から電源供給が維持される。
【0043】
そして、ワイパブレード7がホームポジションに位置すると、可動接点14dはa接点14aから切り離されb接点14bと接続される。これにより、リアワイパモータM1の両端が閉回路となると共に接地され、発電制動がかかり停止する。
(リアワイパスイッチ15)
リアワイパスイッチ15は、リアワイパモータM1を駆動させるためのスイッチであって、ドライバによって「ON」又は「OFF」に操作される。リアワイパスイッチ15は、+B端子、S端子、+1端子を有している。
【0044】
+1端子は、リアワイパモータM1の一端(正極側)と接続されている。S端子は、カムスイッチ14の共通接点14cと接続されている。+B端子は、フューズF2を介してプラスの電源線L0に接続されると共にカムスイッチ14のa接点14aに接続されている。
【0045】
リアワイパスイッチ15は、リアワイパモータM1を駆動させたいとき(リアワイパ装置6を駆動させたいとき)、ドライバにて「OFF」から「ON」に操作される。すなわち、電源線L0からの電流を、カムスイッチ14の状態に関係なくリアワイパスイッチ15の+B端子→+1端子→リアワイパモータM1を経由して流すことで、リアワイパモータM1は駆動する。
【0046】
また、リアワイパモータM1を停止させたいとき(リアワイパ装置6を停止させたいとき)、リアワイパスイッチ15が「ON」から「OFF」に操作される。すると、リアワイパモータM1は、カムスイッチ14に依存して電源供給がなされる。すなわち、上述したように、ワイパブレード7がホームポジション以外にある時は、カムスイッチ14を介してプラスの電源線L0から電源供給が維持され、ホームポジションに位置すると電源供給が遮断されて停止される。
【0047】
また、リアワイパモータM1の一端(正極側)には、ワイパ駆動リレー21が接続されている。ワイパ駆動リレー21は、スイッチ21aと励磁コイル21bを有する。スイッチ21aは、その一方の端子がフューズF2を介してプラスの電源線L0に接続され、その他方の端子がリアワイパモータM1の一端(正極側)に接続されている。又、励磁コイル21bは、その一端がフューズF2を介してプラスの電源線L0に接続され、その他端がトランジスタTr1を介して接地されている。即ち、ワイパ駆動リレー21は、トランジスタTr1がオンすると、励磁コイル21bが励磁されてスイッチ21aがオンされるものである。そして、このトランジスタTr1のベース端子には前記洗浄制御回路部51(ワイパ駆動回路53)が抵抗22を介して接続されている。よって、トランジスタTr1のベース端子に洗浄制御回路部51(ワイパ駆動回路53)からのワイパ駆動信号WKが入力されると、スイッチ21aがオンされて、リアワイパスイッチ15の操作状態に関わらず、リアワイパモータM1に電源が供給されるようになっている。
(ポンプモータM2)
ウォッシャポンプPを駆動するポンプモータM2は、一端がフューズF2を介して電源線L0に接続され、その他端がトランジスタTr3を介して接地されている。そして、このトランジスタTr3のベース端子には前記洗浄制御回路部51(ポンプ駆動回路55)が接続されている。よって、トランジスタTr3のベース端子に洗浄制御回路部51(ポンプ駆動回路55)からのポンプ駆動信号PKが入力されると、ポンプモータM2は、電源線L0から電源が供給されることで駆動してウォッシャポンプPを駆動させる。これによって、タンクTからの洗浄液が主配管8に給送される。
【0048】
つまり、ポンプモータM2とウォッシャポンプPとで電動ポンプ20が構成され、電動ポンプ20は、洗浄制御回路部51(ポンプ駆動回路55)からのポンプ駆動信号PKに基づいて駆動しタンクTから洗浄液を主配管8に給送する。
(電磁切替バルブB)
電磁切替バルブBは、電磁切替バルブBより上流の主配管8から洗浄液を導入する導入ポートP0を有する。また、電磁切替バルブBは、電磁切替バルブBより下流であってリア・ウォッシャノズルN1に接続された主配管8に洗浄液を導出する第1導出ポートP1と、電磁切替バルブBより下流であってカメラ・ウォッシャノズルN2に接続された分岐配管8aに洗浄液を導出する第2導出ポートP2を有している。
【0049】
そして、電磁切替バルブBは、バルブ本体中に備えられたスプール弁SBを駆動させることにより、導入ポートP0を、第1導出ポートP1と第2導出ポートP2のいずれか一方を導通させるようにし、他方を遮断させるようにしている。
【0050】
スプール弁SBは、電磁切替バルブBに備えられた励磁コイルCによって駆動制御されている。
励磁コイルCが非通電時(初期状態時)には、スプール弁SBは、導入ポートP0と第1導出ポートP1とを連通し、導入ポートP0と第2導出ポートP2とを遮断した状態に保持する。一方、励磁コイルCが通電時には、スプール弁SBは、作動して導入ポートP0と第2導出ポートP2とを連通し、導入ポートP0と第1導出ポートP1とを遮断した状態に保持する。
【0051】
電磁切替バルブBの励磁コイルCは、一端が車両1の後部においてリアワイパモータM1のカムスイッチ14へのモータ用ハーネスL2の接続部分に接続されることでフューズF2を介してプラスの電源線L0に接続され、他端がトランジスタTr2を介して接地されている。そして、このトランジスタTr2のベース端子には前記洗浄制御回路部51(弁駆動回路54)が抵抗23を介して接続されている。よって、トランジスタTr2のベース端子に洗浄制御回路部51(弁駆動回路54)からの弁駆動信号BKが入力されると、前記励磁コイルCが通電する。
【0052】
これによって、電磁切替バルブBの励磁コイルCが通電することで、スプール弁Sが作動して導入ポートP0と第2導出ポートP2とが連通した状態になる。このとき、電磁切替バルブBの励磁コイルCは、リアワイパモータM1の電源の一部が駆動電源として供給される(リアワイパモータM1への電源供給線に接続されて駆動電源を得る)ようになっている。
【0053】
ここで、前記洗浄制御回路部51の動作(処理)とその作用について説明する。洗浄制御回路部51は、ステップS11において、ウォッシャスイッチSW1がオン操作された際の指令信号(ウォッシャ信号W)が入力されているか否かを判断し、前記ウォッシャ信号Wが入力されていると判断するとステップS12に移行する。又、前記ウォッシャ信号Wが入力されていないと判断するとステップS11を繰り返す。
【0054】
ステップS12において、洗浄制御回路部51は、車両が後進状態であることを示す信号(後進信号L)が入力されているか否かを判断し、前記後進信号Lが入力されていると判断するとステップS13に移行し、前記後進信号Lが入力されていないと判断するとステップS14に移行する。このステップS14において、洗浄制御回路部51は、前記ポンプ駆動信号PKを出力し、更に次のステップS15において、前記ワイパ駆動信号WKを出力する。よって、電動ポンプ20が駆動されてリア・ウォッシャノズルN1からリアウィンド4に洗浄液が噴射され、更にリアワイパモータM1が駆動されてリアワイパ(ワイパブレード7)にてリアウィンド4が払拭される。
【0055】
一方、ステップS13においては、洗浄制御回路部51は、電磁切替バルブBを駆動すべく(電動ポンプ20からの洗浄液の流路をカメラ・ウォッシャノズルN2側に切替えるべく)前記弁駆動信号BKを出力し、次のステップS16において、予め設定された第1の時間t1(図4参照)が経過すると次のステップS17に移行する。
【0056】
ステップS17において、洗浄制御回路部51は、前記ポンプ駆動信号PKを出力し、次のステップS18において、予め設定された第2の時間t2(図4参照)が経過すると次のステップS19に移行して前記ポンプ駆動信号PKの出力を停止する。よって、予め設定された第2の時間t2だけ電動ポンプ20が駆動されてカメラ・ウォッシャノズルN2から車載カメラ10のガラス窓10aに洗浄液が噴射される。
【0057】
即ち、洗浄制御回路部51は、図4に示すように、前記後進信号Lが入力された状態で前記ウォッシャ信号Wが入力されると、弁駆動信号BKを出力して予め設定された第1の時間t1内で電磁切替バルブBをカメラ・ウォッシャノズルN2側に切替える。そして、第1の時間t1の経過後、予め設定された第2の時間t2だけポンプ駆動信号PKを出力して電動ポンプ20を駆動させる。よって、前記第2の時間t2の間だけカメラ・ウォッシャノズルN2から車載カメラ10のガラス窓10aに洗浄液が噴射される(図4中、「カメラウォッシャ噴射」)。
【0058】
洗浄制御回路部51は、前記ステップS19において前記ポンプ駆動信号PKの出力を停止し、次のステップS20において、前記第2の時間t2の経過後から予め設定された第3の時間t3(図4参照)が経過すると次のステップS21に移行する。
【0059】
ステップS21において、洗浄制御回路部51は、電磁切替バルブBの駆動を停止すべく(電動ポンプ20からの洗浄液の流路をリア・ウォッシャノズルN1側に切替えるべく)前記弁駆動信号BKの出力を停止し、次のステップS22に移行する。
【0060】
即ち、洗浄制御回路部51は、図4に示すように、予め設定された第2の時間t2だけ電動ポンプ20を駆動させてリア・ウォッシャノズルN1に洗浄液を供給させ、その第2の時間t2の経過後から更に予め設定された第3の時間t3が経過すると、弁駆動信号BKの出力を停止して電磁切替バルブBをリア・ウォッシャノズルN1側に切替える。
【0061】
ステップS22において、洗浄制御回路部51は、前記第3の時間t3の経過後から予め設定された第4の時間t4(図4参照)が経過すると次の前記ステップS14に移行する。ステップS14において、洗浄制御回路部51は、前記ポンプ駆動信号PKを出力し、更に次のステップS15において、前記ワイパ駆動信号WKを出力する。よって、電動ポンプ20が駆動されてリア・ウォッシャノズルN1からリアウィンド4に洗浄液が噴射され、更にリアワイパモータM1が駆動されてリアワイパ(ワイパブレード7)にてリアウィンド4が払拭される。
【0062】
即ち、洗浄制御回路部51は、図4に示すように、前記第3の時間t3の経過後も前記ウォッシャ信号Wが入力され続けると、第3の時間t3の経過後に前記ウォッシャ信号Wが入力されている間、ポンプ駆動信号PKを出力して電動ポンプ20を再駆動させる。詳しくは、洗浄制御回路部51は、前記第3の時間t3の経過後から更に予め設定された第4の時間t4が経過すると、ポンプ駆動信号PKを出力して電動ポンプ20を再駆動させる。又、洗浄制御回路部51は、電動ポンプ20の再駆動と連動(同期)してワイパ駆動信号WKを出力しリアワイパモータM1を駆動する。よって、リア・ウォッシャノズルN1からリアウィンド4に洗浄液が噴射され(図4中、「ワイパウォッシャ噴射」)、リアワイパ(ワイパブレード7)にてリアウィンド4が払拭される。
【0063】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)電動ポンプ20からの洗浄液の流路をリア・ウォッシャノズルN1側又はカメラ・ウォッシャノズルN2側に択一的に切替え可能な電磁切替バルブBを備えるため、ウィンド洗浄用の既設の電動ポンプ20(ウォッシャポンプP)やタンクTを活用して、車載カメラ10の洗浄を行うことができる。その結果、例えば、設置スペースを小さくできるとともに安価とすることができる。
【0064】
しかも、電磁切替バルブBによる切替えを、電動ポンプ20を停止させた状態で行わせるための洗浄制御回路部51を備えるため、配管内での圧力が十分に低い(負荷が小さい)状態で迅速に電磁切替バルブBによる切替えを行わせることができる。これにより、例えば、電磁切替バルブBを駆動するための電力を小さく抑えることができるとともに、切り替え応答性が良好となる。
【0065】
(2)洗浄制御回路部51に車両が後進状態であることを示す信号(後進信号L)が入力された状態でウォッシャスイッチSW1の指令信号(ウォッシャ信号W)が入力されると、予め設定された第1の時間t1内で電磁切替バルブBが(リア・ウォッシャノズルN1側から)カメラ・ウォッシャノズルN2側に切替えられる。そして、第1の時間t1の経過後、予め設定された第2の時間t2だけ電動ポンプ20が駆動される。よって、後進状態でウォッシャスイッチSW1を操作することで、車載カメラ10の洗浄を行うことができる。
【0066】
そして、ウォッシャスイッチSW1がオン操作されても電動ポンプ20は電磁切替バルブBがカメラ・ウォッシャノズルN2側に切替えられる第1の時間t1内では駆動されない(第1の時間t1の経過後に駆動される)ため、配管内での圧力が十分に低い(負荷が小さい)状態で迅速に電磁切替バルブBによる切替えを行わせることができる。これにより、この際に、例えば、電磁切替バルブBを駆動するための電力を小さく抑えることができるとともに、切り替え応答性が良好となる。又、これにより、例えば、リア・ウォッシャノズルN1から洗浄液が僅かに漏れてしまうといったことを防止することができる。
【0067】
(3)電動ポンプ20が駆動される前記第2の時間t2の経過後から更に予め設定された第3の時間t3が経過すると、電磁切替バルブBがリア・ウォッシャノズルN1側に切替えられるため、配管内での圧力が十分に低い(負荷が小さい)状態で迅速に電磁切替バルブBによる切替えを行わせることができる。これにより、この際に、例えば、電磁切替バルブBを駆動するための電力を小さく抑えることができるとともに、切り替え応答性が良好となる。又、これにより、例えば、止水遅延や雫垂れ発生等を抑えることができる。
【0068】
(4)洗浄制御回路部51に前記第3の時間t3の経過後もウォッシャスイッチSW1の指令信号(ウォッシャ信号W)が入力され続けると、第3の時間t3の経過後にウォッシャ信号Wが入力されている間、電動ポンプ20が再駆動される。よって、後進状態において、ウォッシャスイッチSW1をオンし続けると、まず電動ポンプ20がカメラ・ウォッシャノズルN2に接続されてカメラ・ウォッシャノズルN2に洗浄液が送給され、次に自動的に電動ポンプ20がリア・ウォッシャノズルN1に接続されてリア・ウォッシャノズルN1に洗浄液が送給される。これにより、車載カメラ10への洗浄液の噴射とリアウィンド4への洗浄液の噴射とを別々の操作で行わせるといった煩わしい操作をしなくても、両方に洗浄液を噴射させることができる。
【0069】
(5)前記第3の時間t3の経過後から更に予め設定された第4の時間t4が経過すると、前記電動ポンプ20が再駆動されるため、第4の時間t4内において、配管内での圧力が十分に低い(負荷が小さい)状態で迅速に電磁切替バルブBによる切替えを行わせることができる。これにより、この際に、例えば、電磁切替バルブBを駆動するための電力を小さく抑えることができるとともに、切り替え応答性が良好となる。又、これにより、例えば、カメラ・ウォッシャノズルN2から洗浄液が僅かに漏れてしまうといったことを防止することができる。
【0070】
(6)電動ポンプ20の再駆動と連動してリアワイパモータM1が駆動されるため、車載カメラ10の洗浄とリアウィンド4の洗浄とを別々の操作で行わせるといった煩わしい操作をしなくても、両方の後方視界を良好とすることができる。又、ウォッシャスイッチSW1の指令に基づいてリアワイパモータM1が駆動されるものでありながらも、車載カメラ10の洗浄時は、リアワイパモータM1は駆動せずリアワイパ(ワイパブレード7)による払拭動作が行われないため、リアウィンド4の表面が乾燥した状態で払拭動作が行われてしまうことが防止される。
【0071】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、洗浄制御回路部51は、電磁切替バルブBをカメラ・ウォッシャノズルN2側に切替える際も、電磁切替バルブBをリア・ウォッシャノズルN1側に切替える際も、電動ポンプ20を停止させた状態で切替えを行わせるようにしたが、いずれか一方の際だけ電動ポンプ20を停止させた状態で切替えを行わせるようにしてもよい。
【0072】
その場合は、電磁切替バルブBをリア・ウォッシャノズルN1側に切替える際に電動ポンプ20を停止させることが好ましい。詳細には、第1の時間t1を設定することなくウォッシャ信号Wの入力によって予め設定された第2の時間t2だけ電動ポンプ20を駆動させ、前記第2の時間t2経過後から更に予め設定された第3の時間が経過して電動ポンプ20が停止した状態で電磁切替バルブBをリア・ウォッシャノズルN1側に切替えることが好ましい。
【0073】
・上記実施の形態では、洗浄制御回路部51に前記第3の時間t3の経過後もウォッシャスイッチSW1の指令信号(ウォッシャ信号W)が入力され続けると、電動ポンプ20が再駆動されるとしたが、この再駆動を行わないようにしてもよい。
【0074】
・上記実施の形態では、電動ポンプ20の再駆動と連動してリアワイパモータM1が駆動されるとしたが、リアワイパモータM1の駆動を行わない(別途、リアワイパスイッチ15の操作で行う)ようにしてもよい。
【0075】
・上記実施の形態では、車両用洗浄装置は、リアウィンド4に洗浄液を供給するためのタンクT、ポンプモータM2及びウォッシャポンプP(電動ポンプ20)を利用した。これを、フロントウィンドに洗浄液を供給するためのタンク、ポンプモータ及びウォッシャポンプを利用して実施してもよい。また、タンクは、フロント用とリア用とを兼用するとスペース的に有利である。
【0076】
・上記実施の形態では、シフトレバー3を後進位置に操作としたときに点灯するバックランプBLの点灯とともに、同バックランプBLに供給される電流の一部を(後進信号Lとして)洗浄制御回路部51に供給した。これを、例えば、車両に、後方に走行する旨の警報ブザーが設けられているとき、シフトレバー3を後進位置に操作としたときに、警報ブザーを鳴動させるとともに、同警報ブザーに供給される電流の一部を(後進信号Lとして)洗浄制御回路部51に供給するように実施してもよい。
【0077】
勿論、シフトレバー3を後進位置に操作としたときに、バックランプBLに供給する電流とは別の独立した電流を洗浄制御回路部51に供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…車両、2…変速装置、4…リアウィンド、7…ワイパブレード(リアワイパ)、8…主配管、8a…分岐配管、10…車載カメラ、10a…ガラス窓(撮像面)、20…電動ポンプ、51…洗浄制御回路部、B…電磁切替バルブ(切替弁手段)、T…タンク、M1…リアワイパモータ、N1…リア・ウォッシャノズル(ウィンド洗浄ノズル、リアウィンドノズル)、N2…カメラ・ウォッシャノズル(カメラ洗浄ノズル)、SW1…ウォッシャスイッチ、L…後進信号(車両が後進状態であることを示す信号)、W…ウォッシャ信号(ウォッシャスイッチからの指令信号)、t1〜t4…予め設定された第1から第4の時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を車両後部に配置された車載カメラの撮像面に向けて噴射するカメラ洗浄ノズルを備えた車両用洗浄装置であって、
ウォッシャスイッチからの指令信号に基づいて駆動し、タンクに貯留された洗浄液をフロントウィンド及びリアウィンドの少なくともいずれか一方に噴射するウィンド洗浄ノズルに給送する電動ポンプと、
前記電動ポンプと前記ウィンド洗浄ノズルとの間を接続する主配管から分岐し、前記主配管と前記カメラ洗浄ノズルとを接続する分岐配管と、
前記主配管と前記分岐配管の分岐部分に設けられ、前記電動ポンプからの前記洗浄液の流路を前記ウィンド洗浄ノズル側又は前記カメラ洗浄ノズル側に択一的に切替え可能な切替弁手段と、
前記切替弁手段による切替えを、前記電動ポンプを停止させた状態で行わせるための洗浄制御回路部と
を備えたことを特徴とする車両用洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用洗浄装置において、
前記洗浄制御回路部は、前記車両が後進状態であることを示す信号が入力された状態で前記ウォッシャスイッチの指令信号が入力されると、予め設定された第1の時間内で前記切替弁手段を前記カメラ洗浄ノズル側に切替え、前記第1の時間の経過後、予め設定された第2の時間だけ前記電動ポンプを駆動させることを特徴とする車両用洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用洗浄装置において、
前記洗浄制御回路部は、前記車両が後進状態であることを示す信号が入力された状態で前記ウォッシャスイッチの指令信号が入力されると、予め設定された第2の時間だけ前記電動ポンプを駆動させて前記カメラ洗浄ノズルに洗浄液を供給させ、その第2の時間の経過後から更に予め設定された第3の時間が経過すると、前記切替弁手段を前記ウィンド洗浄ノズル側に切替えることを特徴とする車両用洗浄装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用洗浄装置において、
前記ウィンド洗浄ノズルは、車両後部に配設されて前記車両のリアウィンドに前記洗浄液を噴射するリアウィンドノズルであり、
前記洗浄制御回路部は、前記第3の時間の経過後も前記ウォッシャスイッチの指令信号が入力され続けると、前記第3の時間の経過後に前記指令信号が入力されている間、前記電動ポンプを再駆動させることを特徴とする車両用洗浄装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用洗浄装置において、
前記洗浄制御回路部は、前記第3の時間の経過後から更に予め設定された第4の時間が経過すると、前記電動ポンプを再駆動させることを特徴とする車両用洗浄装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の車両用洗浄装置において、
前記リアウィンドを払拭するリアワイパの駆動用のリアワイパモータを備え、
前記洗浄制御回路部は、前記電動ポンプの前記再駆動と連動してリアワイパモータを駆動することを特徴とする車両用洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−35456(P2013−35456A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174159(P2011−174159)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】