説明

車両用消費電力管理装置

【課題】現在のバッテリに蓄えられた電力量の範囲内で電力を電気自動車の走行や車載機器の動作にどの程度使用することが可能であるかを把握することのできる「車両用消費電力管理装置」を提供することである。
【解決手段】バッテリに蓄えられた電力量を取得する蓄電量取得手段(S12)と、電気自動車の目的地までの走行ルートを取得する走行ルート取得手段(S11)と、前記蓄電量取得手段にて取得された前記バッテリに蓄えられた電力量を、当該電気自動車の前記走行ルートの走行、及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振る電力割り振り手段(S13)と、該電力割り振り手段により得られた、当該電気自動車の走行に割り振られた電力量及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量を表す割り振り電力量情報を表示部に表示させる表示制御手段(S14)とを有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定された走行ルートを走行する電気自動車において、バッテリの蓄電量に基づいた車両走行に必要な電力量と車載機器の動作にて消費される電力量とを管理する車両用消費電力管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載される電気自動車の節電運転支援装置が知られている。この節電運転支援装置は、蓄電池(バッテリ)の残存容量と、電気自動車の単位走行距離当たりに消費する電力量である電費と、充電スタンドまでの距離とに基づいて電気自動車の節電運転の要否に関する情報を出力し、更に、節電運転が必要な場合には、電気自動車の電力消費を抑えるようにしている。また、更に、エアコンにて消費される電力までを加味して、電気自動節電運転の要否を判定することもできる。
【0003】
このような節電運転支援装置によれば、蓄電池の残存容量に対して電気自動車やエアコンでの電力消費が大きいような状況では、運転者に節電運転を促したり、積極的に電気自動車の電力が抑えられたりするので、蓄電池の残存容量にて充電スタンドに到達できないという事態を防止することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−171647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したように電気自動車の走行について使用される電力等についての管理を行いつつ節電運転を支援する従来の節電運転支援装置では、電気自動車が目的地に向けて走行する際に現在のバッテリに蓄えられた電力量の範囲内で電力を当該電気自動車の走行や車載機器の動作にどの程度使用することが可能であるかを把握することができない。そのため、実際の走行時に、エアコンを使い過ぎてしまったり、節電運転を促されたことで、極端に車載機器の利用を控えてしまったりすることが発生し得る。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、電気自動車が目的地に向けて走行する際に現在のバッテリに蓄えられた電力量の範囲内で電力を当該電気自動車の走行や車載機器の動作にどの程度使用することが可能であるかを把握することのできる車両用消費電力管理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両用消費電力管理装置は、バッテリから供給される電力にて走行するとともに、該バッテリから供給される電力にて動作する一または複数の車載機器を搭載した電気自動車に搭載され、当該電気自動車の走行及び前記一または複数の車載機器の動作のために消費される電力を管理する車両用消費電力管理装置であって、表示部と、前記バッテリに蓄えられた電力量を取得する蓄電量取得手段と、当該電気自動車の目的地までの走行ルートを取得する走行ルート取得手段と、前記蓄電量取得手段にて取得された前記バッテリに蓄えられた電力量を、当該電気自動車の前記走行ルートの走行、及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振る電力割り振り手段と、該電力割り振り手段により得られた、当該電気自動車の走行に割り振られた電力量及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量を表す割り振り電力量情報を前記表示部に表示させる表示制御手段とを有する構成となる。
【0008】
このような構成により、バッテリに蓄えられた電力量の範囲内で電気自動車の走行ルートの走行及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量を表す割り振り電力量情報が表示部に表示されるので、ユーザは、電気自動車が目的地に向けて走行する際にその割り振り電力量情報の内容を確認することができる。
【0009】
本発明に係る車両用消費電力管理装置において、更に、前記表示部に表示された割り振り電力量情報が表す当該電気自動車の走行に割り振られた電力量、及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量をユーザの操作に従って調整して前記表示部に表示される前記割り振り電力量情報を更新する第1ユーザインタフェース手段を有する構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、ユーザの操作に従って電気自動車の走行に割り振られた電力量、及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量が調整され、その調整後の各電力量を表す割り振り電力量情報が表示部に表示されるので、ユーザは、電気自動車の走行及び一または複数の車載機器に対して所望の電気量を割り振ることができるようになる。
【0011】
電気自動車の走行を優先させるべきという観点から、前記電力割り振り手段は、前記バッテリに蓄えられた電力量を、前記一または複数の車載機器の動作より当該電気自動車の走行に対して優先的に割り振る構成とすることができる。
【0012】
本発明に係る車両用消費電力管理装置において、前記電力割り振り手段は、当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行するのに必要な電力量を当該電気自動車の走行に対して割り振ると共に、残りの電力量を前記一または複数の車載機器の動作に割り振るように構成することができる。
【0013】
このような構成により、バッテリに蓄えられた電気量を電気自動車の走行に対して優先的に割り振ることができるようになる。
【0014】
また、本発明に係る消費電力管理装置において、前記電力割り振り手段は、当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行するのに必要な電力量が前記バッテリに蓄えられた電力量以上である場合に、前記一または複数の車載機器のいずれにも電力量を割り振らない構成とすることができる。
【0015】
このような構成により、バッテリに蓄えられた電力量が全て電気自動車の走行に割り振ることができるようになるので、バッテリに蓄えられた電気量を電気自動車の走行に対して優先的に割り振ることができるようになる。
【0016】
更に、本発明に係る消費電力管理装置において、前記電力割り振り手段は、前記残りの電力量を前記一または複数の車載機器の動作に所定の割合にて割り振る構成とすることができる。
【0017】
このような構成により、バッテリに蓄えられた電力が優先的に電気自動車に割り振られた状態で、残りの電力量が一または複数の車載機器の動作に所定の割合にて割り振られるようになる。
【0018】
また、本発明に係る消費電力管理装置において、前記第1ユーザインタフェース手段は、前記一または複数の車両機器の動作に割り振られた電力量のいずれか1つがユーザの操作に従って変化させられたときに、その電力量の変化を相殺するように当該電気自動車の走行に割り振られる電力量を変化させる構成とすることができる。
【0019】
このような構成により、一または複数の車両の動作に割り振られた電力量のいずれか1つをユーザの操作に従って変化させることにより、割り振られる電力量の総量を変化させずに、電気自動車の走行に割り振られる電力量を変えることができる。
【0020】
更に、本発明に係る消費電力管理装置において、前記第1ユーザインタフェース手段は、当該電気自動車の走行に割り振られた電力量がユーザの操作に従って変化させられたときに、その電力量の変化を相殺するように前記一または複数の車載機器の少なくとも1つの動作に割り振られた電力量を変化させる構成とすることができる。
【0021】
このような構成により、電気自動車の走行に割り振られた電力量をユーザの操作に従って変化させることにより、割り振られる電力量の総量を変化させずに、一または複数の車載機器の少なくとも1つの動作に割り振られる電力量を変えることができる。
【0022】
また、本発明に係る消費電力管理装置において、前記表示部に表示される前記割り振り電力量情報は、当該割り振り電力量情報にて表される当該電気自動車の走行に割り振られた電力量にて当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行可能か否かを表す目的地到達可否情報を含む構成とすることができる。
【0023】
このような構成により、表示部に表示される割り振り電力量情報を見るユーザは、電気自動車の走行に割り振られた電力量及び一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量とともに、その電気自動車の走行に割り振られた電力量にて当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行可能か否かを確認することができる。
【0024】
また、本発明に係る消費電力管理装置において、前記当該電気自動車の走行に割り振られた電力量にて当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行可能でない場合、ユーザの操作に従って前記バッテリを充電するための充電施設に関する情報を案内する第2ユーザインタフェースを有する構成とすることができる。
【0025】
このような構成により、電気自動車に割り振られた電力量にて走行ルートを目的地まで走行可能でない場合、ユーザは、バッテリを充電するための充電施設に関する情報を得ることができるようになる。
【0026】
更に、本発明に係る消費電力管理装置において、当該電気自動車の走行による消費電力及び前記一または複数の車載機器の動作による消費電力の少なくとも1つを計測する消費電力計測手段と、前記電力積算量計測手段にて得られる消費電力と、前記消費電力の測定の対象となる当該電気自動車の走行及び前記一または複数の車載機器の動作の少なくとも1つに割り振られた電力量とに基づいて、電力消費監視情報を生成して出力する電力消費監視手段とを有する構成とすることができる。
【0027】
このような構成により、電気自動車の走行による消費電力及び一または複数の車載機器の動作による消費電力の少なくとも1つと、電気自動車の走行及び一または複数の車載機器の動作の前記少なくとも1つに割り振られた電力量とに基づいて生成された電力消費監視情報から、ユーザは、その電気自動車の走行による消費電力及び一または複数の車載機器の動作による消費電力の少なくとも1つの状態を、電気自動車の走行及び一または複数の車載機器の動作の前記少なくとも1つに割り振られた電力量との関係にて確認することができるようになる。その結果、電気自動車を運転するユーザは、その電気自動車の走行による消費電力及び一または複数の車載機器の動作による消費電力の少なくとも1つの状態をその割り振られた電気量に近づけるように調整(運転)することができるようになる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る車両用消費電力管理装置によれば、ユーザは、電気自動車が目的地に向けて走行する際に電気自動車の走行に割り振られた電力量及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量を表す割り振り電力量情報の内容を確認することができるので、現在のバッテリに蓄えられた電力量の範囲内で電力を当該電気自動車の走行や車載機器の動作にどの程度使用することが可能であるかを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用消費電力管理装置が適用される車載システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す車載システムにおいて車両用消費電力管理装置の機能を実現する処理ユニットにてなされる処理の手順(その1)を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す車載システムにおいて車両用消費電力管理装置の機能を実現する処理ユニットにてなされる処理の手順(その2)を示すフローチャートである。
【図4】割り振り電力情報が表示されるとともに割り振り電力量の調整を行うための電力割り振り調整画面を示す図(その1)である。
【図5】電気自動車が走行する際のルート案内画面の一例を示す図である。
【図6】割り振り電力情報が表示されるとともに割り振り電力量の調整を行うための電力割り振り調整画面を示す図(その2)である。
【図7】割り振り電力情報が表示されるとともに割り振り電力量の調整を行うための電力割り振り調整画面を示す図(その3)である。
【図8】充電施設設定画面の一例を示す図である。
【図9】割り振り電力情報が表示されるとともに割り振り電力量の調整を行うための電力割り振り調整画面を示す図(その4)である。
【図10】電気自動車が走行する際の充電施設が設定された状態のルート案内画面の一例を示す図である。
【図11】電力監視処理の流れ(その1)を示すフローチャートである。
【図12】電力監視処理の流れ(その2)を示すフローチャートである。
【図13】エアコンの動作に割り振られた電力量に基づいて定められた標準電力消費特性Qpとエアコンの実際の積算電力量との関係を示す図(その1)である。
【図14A】エアコンの動作に割り振られた電力量に基づいて定められた標準電力消費特性Qpとエアコンの実際の積算電力量との関係を示す図(その2)である。
【図14B】エアコンの動作に割り振られた電力量に基づいて定められた標準電力消費特性Qpとエアコンの実際の積算電力量との関係を示す図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0031】
本発明の実施の一形態に係る電力振り分け支援装置は車載システムに適用される。この車載システムは、図1に示すように構成される。
【0032】
図1において、この車載システムは、コンピュータユニット(例えば、CPU) によって構成される処理ユニット11を有している。処理ユニット11には、各種音源及び映像源(例えば、CD、DVD等)の再生処理が可能なAVユニット17、及び設定された目的地までの経路案内が可能なナビゲーションユニット18が接続されている。また、処理ユニット11には、音声出力が可能なスピーカ16に接続される出力回路15が接続されている。これによってAVユニット17及びナビゲーションユニット18による処理に係る音声信号が出力回路15を介してスピーカ16から音声出力されるようになっている。また、処理ユニット11には、音声出力が可能なスピーカ16に接続される出力回路15が接続されている。これによって、AVユニット17及びナビゲーションユニット18による処理に係る音声信号が出力回路15を介して、スピーカ16から音声出力されるようになっている。
【0033】
また、処理ユニット11にはAVユニット17及びナビゲーションユニット18による処理に利用する楽曲情報及び地図情報等の各種情報が記憶される記憶部14(例えば、ハードディスク等)と、LCD等によって構成される各種処理に伴う映像等を表示する表示部13とが接続され、当該表示部13には、タッチパネル形式にて形成される各種処理に必要な指示が入力可能な操作部12が形成されている。
【0034】
加えて、処理ユニット11には、バッテリ50に蓄えられた電力量を検出する電力量検出回路19が接続されている。これによって、処理ユニット11は、電力量検出回路19によって検出された電力量を取得するようになっている。また、処理ユニット11には、エアコン30の電子制御を行うエアコン制御回路21が接続されている。エアコン制御回路21は、処理ユニット11からの信号を受信し、その受信した信号に基づいてエアコン30を制御する。さらに、エアコン制御回路21は、エアコン30の消費電力を計測する。これによって、処理ユニット11は、エアコン30の消費電力を取得し、例えば、その消費電力に基づいて、エアコン30を制御することができるようになっている。また、処理ユニット11には、RSE40(リアシートエンターテイメント)の電子制御を行うRSE制御回路22が接続されている。RSE制御回路22は、処理ユニット11からの信号を受信し、その信号に基づいてRSE40を制御する。エアコン制御回路21と同じくRSE制御回路22は、RSE40の消費電力を計測することが可能となっており、処理ユニット11は、RSE40の消費電力を取得するようになっている。
【0035】
なお、前述したAVユニット17(オーディオ)には、不図示のAV制御回路が内蔵されており、エアコン制御回路21及びRSE制御回路22と同じく、AVユニット17を処理ユニット11からの信号に基づいて制御すると共に、AVユニット17の消費電力を計測することができるようになっている。
【0036】
また、処理ユニット11を始め、AVユニット17(オーディオ)、エアコン30、及び車両の後部座席近傍に設けられる不図示の表示部等からなるRSE40(リアシートエンターテイメント)は、前述したバッテリ50に蓄えられた電力量を使用することによって動作する。バッテリ50には、車載システムが搭載される電気自動車を駆動させる不図示のモータが不図示の制御回路を介して接続されており、該バッテリ50から供給される電力によって走行するようになっている。
【0037】
このように車両用消費電力管理装置が適用される車載システムでは、バッテリ50に蓄えられた電力量を電気自動車の走行及び複数の車載機器(オーディオ、エアコン30、RSE40)の動作ごとに所定の割り振りにて割り振られた状態で使用している。このように電気自動車の走行及び複数の車載機器の動作ごとに割り振られた電力量を処理ユニット11は、それぞれを表す割り振り電力量情報を表示部13に表示させることが可能となっており、例えば、図2に示すような手順にて電力量の振り分け及び振り分けられた電力量の表示がなされる。以下、図2に従って詳しく説明する。
【0038】
図2において、処理ユニット11は、表示部13上に形成された操作部12が操作される等によって目的地が設定される際に、ナビゲーションユニット18によって設定された電気自動車の目的地までの走行ルートを取得し(S11:走行ルート取得手段)、バッテリ50に蓄えられた電力量を取得する(S12:蓄電量取得手段)。そして、処理ユニット11は、ステップS12にて取得した電力量を予め定められた配分にて、電気自動車の走行ルートの走行、及びオーディオ、エアコン30、RSE40等の複数の車載機器の動作に割り振る(S13:電力割り振り手段)。このようにして、処理ユニット11によって割り振られた電気自動車の走行に割り振られた電力量及び複数の車載機器(オーディオ、エアコン30、RSE40)の動作に割り振られた電力量を表わす電力量を表わす割り振り電力情報を図4に示すような電力割り振り調整画面として表示部13に表示させる(S14:表示制御手段)。
【0039】
図4において、表示部13には、バッテリ50に蓄えられた電力量(300KW)、予め定められた配分にて割り振られた電気自動車の目的地(Goal)までの走行に割り振られた電力量(AKW)、エアコン30の動作に割り振られた電力量(BKW)、オーディオの動作に割り振られた電力量(CKW)、及びRSE40の動作に割り振られた電力量(DKW)が表示されている。この電力割り振り調整画面では、バッテリ50に蓄えられた電力量をエアコン30、オーディオ、及びRSE40の動作より、電気自動車の目的地までの走行に対して優先的に割り振られ、残りの電力量がエアコン30及びオーディオの動作に対して割り振られている。なお、電気自動車の目的地までの走行に優先的に電力量が割り振られているため、RSE40の動作に割り振られた電力量(DKW)は、0KWとなっている。
【0040】
図2のフローチャートに戻って、処理ユニット11は、電力割り振り調整画面を表示部13に表示するとともに、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)が目的地まで到達可能な電力量であるかを判定する(S15)。このとき、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)は、目的地に到達するまでに必要な電力量200KWに達している(S15でYES)ので、処理ユニット11は、乗員(ユーザ)による電力割り振り調整(詳しくは、後述する。)が終了したか否かを監視しつつ(S19)、電力割り振り調整画面を表示部13に表示し続ける(S14)。
【0041】
前述したように表示部13に表示された電力割り振り調整画面を乗員(ユーザ)は、操作することが可能となっている。例えば、図4に示すように、表示部13に表示された割り振り電力情報が表わす電気自動車の走行に割り振られた電力量(AKW)、及びエアコン30、オーディオ、及びRSE40の動作に振り分けられた電力量(BKW、CKW、DKW)を乗員(ユーザ)が操作をすることによって、その電力量の増減を行うことができる。このように、ユーザの操作に従って振り分けられた電力量に従って、処理ユニット11は、表示部13に表示される割り振り電力量情報を更新することができるようになっている(S14:第1ユーザインタフェース手段)。また、エアコン30、オーディオ、及びRSE40の動作に割り振られた電力量(BKW、CKW、DKW)がユーザの操作によって変更させられても、電気自動車の走行に割り振られた電力量(AKW)は、変更されないように設定されている。加えて、エアコン30、オーディオ、及びRSE40の動作に割り振られた電力量(BKW、CKW、DKW)のいずれかがユーザの操作によってその割り振りが変更されても、その変更(電力量の増減)に応じて、変更がなされなかったエアコン30、オーディオ、及びRSE40の動作に割り振られた電力量(BKW、CKW、DKW)のいずれかを自動的に変更されないように設定されている。
【0042】
例えば、エアコン30の動作に割り振られた電力量(BKW)を減少させた際にも、その減少させたことによって産まれた余剰電力量をRSE40の動作に配分することができるが、電気自動車の走行に割り振られた電力量(AKW)はもちろん、オーディオの動作に割り振られた電力量(CKW)、及びRSE40の動作に割り振られた電力量(DKW)が、エアコン30の動作に割り振られた電力量(BKW)の減少に併せて自動的に増減することはなく、乗員自らその電力量(CKW、DKW)を割り振る必要がある。また、このようにして、割り振られた電力量は、処理ユニット11によってその都度更新される。
【0043】
このようにして、電力量の割り振りが更新されるごとに、処理ユニット11は、前述したステップS15〜S19の処理を繰り返す。そして、乗員(ユーザ)による電力割り振り調整が終了し、表示部13に表示された電力割り振り調整画面に表示された完了ボタンが押されたことを確認する(S19でYES)と、処理ユニット11は、電力監視処理(S30)を行う。また、処理ユニット11は電力監視処理(詳しくは、後述する。)を行うとともに、ナビゲーションユニット18を駆動させ、目的地までの経路案内を開始させる。このとき、表示部13には、例えば、図5に示すような画面が表示され、目的地、該目的地までの走行ルートの他、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(200KW)及び複数の車載機器(エアコン30、オーディオ、及びRSE40)の動作に割り振られた電力量(BKW、CKW、DKW)が共に表示されるようになっている。これによって、乗員は、それぞれに割り振られた電力量を把握した状態で、目的地まで走行することができる。
【0044】
図2のフローチャートに戻って、例えば、ステップS12において、処理ユニット11によって取得されたバッテリ50の蓄電量(電力量)が200KWである場合について説明する。
【0045】
前述したように、バッテリ50の電気量を取得すると(S12)、処理ユニット11は、その取得した電力量を予め定められた配分にて、電気自動車の走行ルートの走行、及びオーディオ、エアコン30、RSE40等の複数の車載機器の動作に割り振る(S13)。この際、処理ユニット11は、電気自動車が目的地までの走行ルートを走行するのに必要な電力量がバッテリ50に蓄えられた電力量(200KW)以上である場合、他の車載機器(エアコン30、オーディオ及びRSE40)のいずれにも電力量を割り振らないようになっている。このようにして、処理ユニット11によって割り振られた電気自動車の走行に割り振られた電力量及び複数の車載機器(オーディオ、エアコン30、及びRSE40)の動作に割り振られた電力量を表わす電力量を表わす割り振り電力情報を図6に示すような電力割り振り調整画面として表示部13に表示させる(S14)。
【0046】
図6において、表示部13には、バッテリ50に蓄えられた電力量(200KW)、予め定められた配分にて割り振られた電気自動車の目的地(Goal)までの走行に割り振られた電力量(AKW)、エアコン30の動作に割り振られた電力量(BKW)、オーディオの動作に割り振られた電力量(CKW)、及びRSE40の動作に割り振られた電力量(DKW)が表示されている。この電力割り振り調整画面では、電気自動車の走行ルートの走行に全ての電力量(200KW)が割り振られていることから、エアコン30、オーディオ、及びRSE40のそれぞれ動作に割り振られた電力量(BKW、CKW、DKW)は、0KWとなっている。
【0047】
図2のフローチャートに戻って、処理ユニット11は、電力割り振り調整画面を表示部13に表示するとともに、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)が目的地まで到達可能な電力量であるかを判定する(S15)。このとき、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)は、目的地に到達するまでに必要な電力量200KWに達している(S15でYES)ので、処理ユニット11は、乗員(ユーザ)による電力割り振り調整(詳しくは、後述する。)が終了したか否かを監視しつつ(S19)、電力割り振り調整画面を表示部13に表示し続ける(S14)。
【0048】
このような状況の中で、乗員が表示部13に表示された電力割り振り調整画面を操作すると、例えば、図7に示すようになる。例えば、表示部13に表示された割り振り電力情報が表わす電気自動車の走行に割り振られた電力量(AKW)を減少させ、その減少させることによって発生する余剰電力量をエアコン30、オーディオ、及びRSE40の動作をするための電力量(BKW、CKW、DKW)として割り振ることで、それらの電力量の増減を行うことができる。このように、乗員の操作に従って振り分けられた電力量に従って、処理ユニット11は、表示部13に表示される割り振り電力量情報を更新することができるようになっている(S14)。
【0049】
また、エアコン30、オーディオ、及びRSE40の動作に割り当てられた電力量(BKW、CKW、DKW)のいずれか1つが乗員の操作に従って変化させられたときに、処理ユニット11は、その電力量の変化を相殺するように電気自動車の目的地までの走行に割り振られる電力量(AKW)を変化させるようになっている。また、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)が乗員の操作に従って変化させられたときに、処理ユニット11はその電力量(AKW)の変化を相殺するようにエアコン30、オーディオ、及びRSE40のうち少なくとも1つの動作に割り当てられた電力量(BKW、CKW、DKW)を変化させるようになっている。具体的な例としては、乗員の操作に従って、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)を、例えば、20KW減少させると、該20KWを相殺するように、RSE40及びその他の車載機器(エアコン30及びオーディオ)の動作にその20KWの電力量が割り振られるようになる。また、このようにして、割り振られた電力量は、処理ユニット11によってその都度更新される。
【0050】
このようにして、電力量の割り振りが更新されるごとに、処理ユニット11は、ステップS14にて、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)にて目的地に到達可能な否かを判定する(S15)。このとき表示部13には、電気自動車の走行に割り振られた電力量(AKW)にて電気自動車が走行ルートを目的地まで走行可能か否かを現す目的地到達可否情報が表示されている。具体的には、表示部13に表示されるSTARTからGOALまでの走行ルート上の中腹部分にAKWの表示がなされることで、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量では、目的地に達するまでに走行すべき距離の略半分くらいの距離しか走行できないことを乗員に知らしめることができるようになっている。このように、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)にて目的地に到達することができないので(S15でNO)、処理ユニット11は、バッテリ50の充電に立ち寄るべき充電施設の設定がなされているか否かを判定する(S16)。
【0051】
図7に示すように、充電施設の設定がなされていないので、処理ユニット11は、乗員(ユーザ)の操作に従ってバッテリ50を充電するための充電施設に関する情報を案内するための充電施設設定ボタン(第2インタフェース)を表示部13の下方に表示させる(S17)。そして、処理ユニット11は、乗員(ユーザ)によって充電施設設定ボタンが操作されるか否かを監視する(S18)。そして乗員(ユーザ)によって充電施設設定ボタンの操作がなされたと判定されると(S18でYES)、処理ユニット11は、表示部13に表示させた充電施設設定ボタンを削除する(S20)。そして処理ユニット11は、ナビゲーションユニット18によって設定されている走行ルート上から、目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)によって走行可能な範囲の充電施設を検索し(S20)、図8に示すように充電施設設定画面を表示部13に表示させる。
【0052】
図8において、表示部13には、目的地までの走行ルートの他、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(100KW)及び走行ルート上に位置し、かつ、走行に割る振られた電力量にて走行可能な距離内に位置する充電施設A、B、Cが共に表示される。これら充電施設A、B、Cには、それぞれ現在位置からの距離及び該充電施設に到達するまでに必要な電力量が表示されている。これによって、乗員(ユーザ)は、表示部13に表示された充電施設設定画面を視認し、選択した充電施設(例えば、充電施設A)をタッチすることで、立ち寄るべき充電施設を選択することができる。
【0053】
図3のフローチャートに戻って、処理ユニット11は、立ち寄り充電施設が選択されたか否かを判定する(S23)。これによって立ち寄るべき充電施設が選択されたとき(S23でNO)ときに、処理ユニット11は、前述したステップS14に戻り、ステップS14〜S23までの処理を繰り返す。一方、ステップS23において、立ち寄るべき充電施設が選択されたとき(S23でYES)ときに、処理ユニット11は、図9に示すように前述したステップS14に戻り、表示部13に表示される電力割り振り調整画面に充電施設設定済み表示を追加表示させる(S24)。具体的には、表示部13に表示されるSTARTからGOALまでの走行ルート上の充電施設位置に対応する部分に「充電POINT」の表示がなされることで、電気自動車のバッテリ50を充電するための充電施設が選択されていることを乗員に知らしめることができるようになっている。
【0054】
また、充電施設の選択がなされた後においても、電力量の割り振りが更新されれば、処理ユニット11は、充電施設の設定が済んでいるので(S16でYES)、前述したステップS15、S16、S19の処理を繰り返す。そして、乗員(ユーザ)による電力割り振り調整が終了し、表示部13に表示された電力割り振り調整画面に表示された完了ボタンが押されたことを確認する(S19でYES)と、処理ユニット11は、電力監視処理(S30)を行う。また、処理ユニット11は電力監視処理(詳しくは、後述する。)を行うとともに、ナビゲーションユニット18を駆動させ、目的地までの経路案内を開始させる。このとき、表示部13に表示される画面は、例えば、図10に示す画面が表示され、目的地、該目的地までの走行ルートの他、立ち寄るべき充電施設情報(充電施設Aの情報)、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(100KW)及び複数の車載機器(エアコン30、オーディオ、及びRSE40)の動作に割り振られた電力量(BKW、CKW、DKW)が共に表示されるようになっている。これによって、乗員は、それぞれに割り振られた電力量を把握した状態で、目的地まで走行することができる。
【0055】
なお、前述しているような処理(ステップS14〜S18、S20〜S24)の最中であっても、乗員(ユーザ)によって電力割り振り完了ボタンが押されると(S19でYES)、全ての処理を終了させ、処理ユニット11は、電力監視処理を行うとともに、ナビゲーションユニット18による経路案内を開始させる。例えば、電気自動車の目的地までの走行に割り振られた電力量(AKW)が目的地に到達不可能な電力量であっても、乗員(ユーザ)に行き着けの充電施設が存在している場合など、わざわざ充電施設を検索する必要がない場合などにおいて柔軟に対応することが可能である。
【0056】
また、前述した電力監視処理(S30:電力消費監視手段)について、ここで詳しく説明する。図11及び図12に、例えばエアコン30の電力監視の流れを示すフローチャートを示す。以下、図11及び図12に従って説明する。
【0057】
図11において、処理ユニット11は、エアコン30の割り振り電力量(BKW)を取得する(S301)。そして、処理ユニットは、割り振られた電力量(BKW)に基づいて、目的地までの標準電力特性Qpを作成する(S302)。具体的には、図13に示すグラフは、横軸がSTARTからGOALまでの距離(200km)もしくは時間であって、縦軸がエアコン30を使用する際の消費電力量を積算した積算電力量(KW)を示している。このグラフにおいて、標準電力特性Qpは、破線Qpにて示されており、該破線で示されるようにエアコン30を動作させる電力が使用されると、目的地(GOAL)に到達した際に事前に割り振られた電力量(BKW)となる。
【0058】
図11のフローチャートに戻って、処理ユニット11は、エアコン30が起動したか否かを監視する(S303)。そしてエアコン30が起動する(S303でYES)と処理ユニット11は、自車両(電気自動車)が目的地に到着しているか否かを常に監視し続ける(S304)。自車両が目的地に到着していないとき(S304でYES)、処理ユニット11は、消費電力をエアコン制御回路21を介して取得する(S305)。このようにして取得されたエアコン30の消費電力量は、それまでに取得したエアコン30の消費電力量と積算され、積算電力量が演算される(S306)。さらに、処理ユニット11は、走行距離もしくは走行時間を取得し(S307)、積算電力量が標準消費電力量Qpを超えたか否かを判定する(S308)。
【0059】
例えば、ステップS307にて取得された走行距離が図13に示すP1であった場合、P1地点での積算電力量が標準消費電力量Qpに達していないと判定され(S308でNO)、処理ユニット11は、タイマリセットを行い(S309)、前述したステップS305〜S308を繰り返し行う。さらに、これらの処理(ステップS305〜S308)を繰り返し行い、例えば、ステップS307にて取得された走行距離が図13に示すP2であった場合、P2地点での積算電力量が標準消費電力量Qpを超えたと判定され(S308でYES)、処理ユニット11は、タイマが動作中であるか否かを判定する(S310)。このとき、タイマが作動していないと判定されると(S310でNO)、処理ユニット11は、タイマを起動させる(S311)。このタイマは、積算電力量が標準消費電力量Qpを超えている状態である時間を計測するためのタイマである。
【0060】
そして処理ユニット11は、タイマが起動されてから所定時間(例えば、3分)が経過したか否かを判定する(S312)。前述したように、ステップS311にてタイマを起動させた直後の処理であるため、所定時間経過していないので、処理ユニット11は、ステップS305に移行し、消費電力、積算電力量、及び走行距離を取得する(S305〜S307)。そして処理ユニット11は積算電力量が標準消費電力量Qpを超えているか否かを判定する(S308)。これによって、ステップS307にて取得された走行距離が図13に示すP3であった場合、P3地点での積算電力量が標準消費電力量Qpを判定され(S308でYES)、処理ユニット11は、タイマが動作中であるか否かを判定する(S310)。このとき、タイマが作動していると判定されると(S310でYES)、タイマが起動されてから所定時間(例えば、3分)が経過したか否かを再度判定する(S312)。
【0061】
これによって、タイマが起動されてから所定時間が経過したと判定されると(S312でYES)、処理ユニット11は、警報(電力消費監視情報)を発する(S313)。そして、処理ユニット11は、警報を発した後、タイマをリセットさせ、ステップS304に移行する。そして、処理ユニット11は、前述したように目的地に到達するまでこれらの処理を続け、目的地に到達したと判定すると(S304でYES)、当該エアコン30の電力監視処理を終了させる。
【0062】
なお、前述したステップS313で発する警報は、エアコン30の消費電力量が標準消費電力量Qpを超過している旨を知らしめるように、図14A及び図14Bに示すように、逐次、積算電力量を表示部13に表示させるようにしてもよい。さらに、逐次、積算電力量を表示部13に表示させることなく、エアコン30の消費電力量が標準消費電力量Qpを超過したタイミングでのみ表示部13に積算電力量を表示させるようにしてもよい。また、エアコン30の消費電力量が超過している旨を、スピーカ16からの音声出力にしてもよい。
【0063】
また、エアコン30における電力監視処理について説明したが、もちろん、オーディオ及びRSE40においても、同様の処理が処理ユニット11によってなされる。
【0064】
以上のように、本発明の一実施の形態に係る車両用消費電力管理装置は、バッテリ50に蓄えられた電力量の範囲内で電気自動車の走行ルートの走行に割り当てられた電気量(AKW)及び複数の車載機器(エアコン30、オーディオ、及びRSE40)の動作に割り振られた電力量(BKW、CKW、DKW)を表す割り振り電力量情報が表示部13に表示されるので、ユーザは、電気自動車が目的地に向けて走行する際にその割り振り電力量情報の内容を確認することができる。また、乗員(ユーザ)の操作に従って電気自動車の走行に割り振られた電力量(AKW)と、及びエアコン30、オーディオ、及びRSE40の動作に割り振られた電力量(BKW、CKW、DKW)とが調整され、その調整後の各電力量を表す割り振り電力量情報が表示部に表示されるので、乗員(ユーザ)は、電気自動車の走行及びエアコン30、オーディオ及びRSE40の動作に対して所望の電気量を割り振ることができるようになる。
【0065】
さらに、車両用消費電力管理装置は、例えば、エアコン30の動作による消費電力に割り振られた電力量に基づいて生成された電力消費監視情報(S30)から、乗員(ユーザ)は、その電気自動車の走行による消費電力(AKW)及びエアコン30の動作による消費電力(BKW)の状態を、電気自動車の走行及びエアコン30の動作に割り振られた電力量との関係にて確認することができるようになる。その結果、電気自動車を運転する乗員(ユーザ)は、その電気自動車の走行による消費電力(AKW)及びエアコン30、オーディオ、及びRSE40による消費電力の状態をその割り振られた電気量に近づけるように調整(運転)することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上、説明したように、本発明に係る車両用消費電力管理装置は、バッテリに蓄えられた電力量の範囲内で電気自動車の走行ルートの走行及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量を表す割り振り電力量情報が表示部に表示されるので、ユーザは、電気自動車が目的地に向けて走行する際にその割り振り電力量情報の内容を確認することができる効果を奏し、設定された走行ルートを走行する電気自動車において、バッテリの蓄電量に基づいた車両走行に必要な電力量と車載機器の動作にて消費される電力量とを管理する車両用消費電力管理装置として有用である。
【符号の説明】
【0067】
11 処理ユニット
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
15 出力回路
16 スピーカ
17 AVユニット
18 ナビゲーションユニット
19 電力量検出回路
21 エアコン制御回路
22 RSE制御回路
30 エアコン
40 RSE(リアシート・エンターテイメント)
50 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリから供給される電力にて走行するとともに、該バッテリから供給される電力にて動作する一または複数の車載機器を搭載した電気自動車に搭載され、当該電気自動車の走行及び前記一または複数の車載機器の動作のために消費される電力を管理する車両用消費電力管理装置であって、
表示部と、
前記バッテリに蓄えられた電力量を取得する蓄電量取得手段と、
当該電気自動車の目的地までの走行ルートを取得する走行ルート取得手段と、
前記蓄電量取得手段にて取得された前記バッテリに蓄えられた電力量を、当該電気自動車の前記走行ルートの走行、及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振る電力割り振り手段と、
該電力割り振り手段により得られた、当該電気自動車の走行に割り振られた電力量及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量を表す割り振り電力量情報を前記表示部に表示させる表示制御手段とを有する車両用消費電力管理装置。
【請求項2】
更に、前記表示部に表示された割り振り電力量情報が表す当該電気自動車の走行に割り振られた電力量、及び前記一または複数の車載機器の動作に割り振られた電力量をユーザの操作に従って調整して前記表示部に表示される前記割り振り電力量情報を更新する第1ユーザインタフェース手段を有する請求項1記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項3】
前記電力割り振り手段は、前記バッテリに蓄えられた電力量を、前記一または複数の車載機器の動作より当該電気自動車の走行に対して優先的に割り振る請求項1または2記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項4】
前記電力割り振り手段は、当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行するのに必要な電力量を当該電気自動車の走行に対して割り振ると共に、残りの電力量を前記一または複数の車載機器の動作に割り振る請求項3記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項5】
前記電力割り振り手段は、当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行するのに必要な電力量が前記バッテリに蓄えられた電力量以上である場合に、前記一または複数の車載機器のいずれにも電力量を割り振らない請求項3記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項6】
前記電力割り振り手段は、前記残りの電力量を前記一または複数の車載機器の動作に所定の割合にて割り振る請求項4記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項7】
前記第1ユーザインタフェース手段は、前記一または複数の車両機器の動作に割り振られた電力量のいずれか1つがユーザの操作に従って変化させられたときに、その電力量の変化を相殺するように当該電気自動車の走行に割り振られる電力量を変化させる請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項8】
前記第1ユーザインタフェース手段は、当該電気自動車の走行に割り振られた電力量がユーザの操作に従って変化させられたときに、その電力量の変化を相殺するように前記一または複数の車載機器の少なくとも1つの動作に割り振られた電力量を変化させる請求項1乃至7のいずれかに記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項9】
前記表示部に表示される前記割り振り電力量情報は、当該割り振り電力量情報にて表される当該電気自動車の走行に割り振られた電力量にて当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行可能か否かを表す目的地到達可否情報を含む請求項1乃至8のいずれかに記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項10】
前記当該電気自動車の走行に割り振られた電力量にて当該電気自動車が前記走行ルートを前記目的地まで走行可能でない場合、ユーザの操作に従って前記バッテリを充電するための充電施設に関する情報を案内する第2ユーザインタフェースを有する請求項1乃至9のいずれかに記載の車両用消費電力管理装置。
【請求項11】
当該電気自動車の走行による消費電力及び前記一または複数の車載機器の動作による消費電力の少なくとも1つを計測する消費電力計測手段と、
前記電力積算量計測手段にて得られる消費電力と、前記消費電力の測定の対象となる当該電気自動車の走行及び前記一または複数の車載機器の動作の少なくとも1つに割り振られた電力量とに基づいて、電力消費監視情報を生成して出力する電力消費監視手段とを有する請求項1乃至10のいずれかに記載の車両用消費電力監視装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate


【公開番号】特開2013−27234(P2013−27234A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161973(P2011−161973)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】