車両用灯具の半導体型光源、車両用灯具の半導体型光源ユニット、車両用灯具
【課題】封止部材の容量をできる限り小容量にすること。
【解決手段】この発明は、基板3と、半導体発光素子40〜44と、制御素子と、配線素子と、包囲壁部材18と、封止部材180と、を備える。包囲壁部材18の内周面の形状は、基準楕円Aを基調とする形状をなす。この結果、この発明は、包囲壁部材18の内周面の形状が長方形や円形と比較して、封止部材180の容量が小容量で済み、包囲壁部材18の内周面の形状が長方形と比較して、封止部材180の応力を抑制することができる。
【解決手段】この発明は、基板3と、半導体発光素子40〜44と、制御素子と、配線素子と、包囲壁部材18と、封止部材180と、を備える。包囲壁部材18の内周面の形状は、基準楕円Aを基調とする形状をなす。この結果、この発明は、包囲壁部材18の内周面の形状が長方形や円形と比較して、封止部材180の容量が小容量で済み、包囲壁部材18の内周面の形状が長方形と比較して、封止部材180の応力を抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源に関するものである。また、この発明は、車両用灯具の半導体型光源ユニットに関するものである。さらに、この発明は、半導体型光源もしくは半導体型光源ユニットを光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の半導体型光源は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の半導体型光源について説明する。特許文献1の半導体型光源は、基板に複数のLEDチップを実装し、その複数のLEDチップを樹脂すなわち封止部材で覆ってなるものである。特許文献2の半導体型光源は、ベース部上に複数のLEDチップを設け、その複数のLEDチップを樹脂モールド部すなわち封止部材で封止してなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−176219号公報
【特許文献2】特開2009−21264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる半導体型光源のLEDチップのマウント配置は、車両用灯具の形状により横長の扁平配光を得る為に複数のLEDチップが一列にマウント配置される場合や、電球の発光に類似した比較的φ5〜φ20程度の点光源の発光を得る為に複数のLEDチップを狭い領域に密集してマウントを行う場合がある。基板上の特定領域に比較的近接マウントしたLEDチップをまとめて封止する場合において、封止部材の容量は、LEDの点灯・消灯や使用環境の温度変化などにより封止部材が熱膨張や収縮することによる応力の緩和など軽減のために、できる限り小容量にする必要がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、封止部材の容量をできる限り小容量にするという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、実装面を有する基板と、基板の実装面に一列に実装されている複数個の半導体発光素子と、半導体発光素子の発光を制御する制御素子と、制御素子を介して半導体発光素子に給電する配線素子と、複数個の半導体発光素子全部を包囲する環形状の包囲壁部材と、基板の実装面と包囲壁部材中で構成された凹部内の複数個の半導体発光素子を封止する光透過性の封止部材と、を備え、包囲壁部材の内周面の形状が、複数個の半導体発光素子の列方向を長軸方向とする楕円もしくは楕円を基調とした形状である、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の第1の実施形態、および、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源ユニットの第1の実施形態、および、この発明にかかる車両用灯具の第1の実施形態を示し、半導体型光源ユニットを車両用灯具に組み付けた状態の縦断面図すなわち垂直断面図である。
【図2】光源部(半導体型光源)とソケット部とを組み付けた状態の半導体型光源ユニットを示す平面図である。
【図3】半導体型光源ユニットの光源部とソケット部の絶縁部材および放熱部材および給電部材との分解斜視図である。
【図4】半導体型光源ユニットの光源部とソケット部との分解斜視図である。
【図5】光源部とソケット部とを組み付けた状態の半導体型光源ユニットを示す斜視図である。
【図6】包囲壁部材および複数個の半導体発光素子および複数個のワイヤパッドおよび複数本のボンディングワイヤを示す拡大平面図である。
【図7】包囲壁部材を示す拡大平面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線矢視図である。
【図9】図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】基準楕円を示す拡大平面説明図である。
【図11】基準楕円の両端部の曲線を内側に変位させた包囲壁部材の内周面の形状を示す拡大平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の実施形態(実施例)、および、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源ユニットの実施形態、および、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態の構成の説明)
以下、この第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源およびこの第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニットおよびこの第1の実施形態における車両用灯具の構成について説明する。図1において、符号100は、この第1の実施形態における車両用灯具である。
【0010】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯、すなわち、1個のランプ、1個の灯具、でテールランプ機能とストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能、たとえば、バックアップランプ機能、ターンシグナルランプ機能、と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0011】
前記車両用灯具100は、図1に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、この第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源(以下、「光源部10」と称する)を光源とするこの第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニット1と、を備えるものである。
【0012】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材、例えば、樹脂部材から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個の凹部(図示せず)と複数個のストッパ部(図示せず)とがほぼ等間隔に設けられている。
【0013】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材、例えば、透明樹脂部材やガラス部材から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0014】
前記リフレクタ103は、前記半導体型光源ユニット1から放射される光を焦点F(図2参照)に集光するように配光制御する配光制御部である。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材、例えば、樹脂部材や金属部材から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0015】
(半導体型光源ユニット1の説明)
前記半導体型光源ユニット1は、図1〜図5に示すように、前記光源部10と、ソケット部11と、光学部品としてのカバー部12と、を備える。前記光源部10は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部に固定もしくは着脱可能に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。前記カバー部12は、前記リフレクタ103を挟む機能を有する場合がある。
【0016】
前記半導体型光源ユニット1は、図1に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0017】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図2〜図6、図10、図11に示すように、基板3と、複数個この例では5個の半導体発光素子(LEDチップ)40、41、42、43、44(以下、「40〜44」と記載する場合がある)と、制御素子としての抵抗(図示せず)およびダイオード(図示せず)と、配線素子としての配線パターン(図示せず)およびボンディングワイヤ60、61、62、63、64(以下、「60〜64」と記載する場合がある)および導電性接着剤600、610、620、630、640(以下、「600〜640」と記載する場合がある)および実装パッド601、611、621、631、641(以下、「601〜641」と記載する場合がある)およびワイヤパッド602、612、622、632、642(以下、「602〜642」と記載する場合がある)と、包囲壁部材18と、封止部材180と、を備えるものである。
【0018】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図1〜図5に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0019】
前記ソケット部11は、前記絶縁部材7と、前記放熱部材8と、前記給電部材91〜93との一体構造からなるものである。たとえば、前記絶縁部材7と前記放熱部材8と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成している構造である。あるいは、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とをインサート成形により一体に構成し、一体構成の前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造である。あるいは、前記絶縁部材7に前記給電部材91〜93を一体に組み付け、一体組付の前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造である。
【0020】
(半導体型光源ユニット1の組立構成の説明)
前記半導体型光源ユニット1は、図1〜図5に示すように、前記絶縁部材7と前記放熱部材8と前記給電部材91〜93が一体成型された前記ソケット部11の前記放熱部材8の表面の当接面80と、前記光源部10の前記半導体発光素子40〜44がマウント封止された前記基板3の裏面の当接面35と、が密接状態に配置されている。それと同時に、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93と、前記基板3の前記配線パターンと、が接続部材17を介して、前記放熱部材8前記当接面80と前記基板3の前記当接面35との密接状態を維持しつつ、強固に電気的に接続されている。すなわち、前記ソケット部11の前記放熱部材8の表面側から突き出た前記給電部材91〜93の一端部を、前記接続部材17の切欠孔中に挿入して、前記給電部材91〜93の一端部と前記接続部材17とを、弾性当接や加締め付けおよび溶接などにより、電気的にかつ機械的に接続する。一方、前記接続部材17を、嵌合などにより、前記基板3に機械的に接続し、かつ、半田または導電性接着剤により、前記基板3の前記配線パターンに電気的に接続する。前記接続部材17により、前記基板3の裏面と前記放熱部材8の表面との密接状態が維持される。この結果、前記半導体型光源ユニット1は、放熱性能に優れている。また、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93と、前記基板3の前記配線パターンと、の電気的接続状態が維持される。この結果、電気回路的接続状態が強固となる。
【0021】
(基板3の説明)
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、図2〜図5に示すように、平面すなわち上から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺の右辺、左辺、下辺のほぼ中央には、前記ソケット部11の給電部材91、92、93が挿通する挿通孔31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面の上面には、平面の実装面34が設けられている。前記基板3の他面の下面には、平面の当接面35が設けられている。なお、高反射部材のセラミック製の前記基板3の実装面34に、さらに高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30を設けても良い。
【0022】
前記基板3の前記実装面34には、前記5個の半導体発光素子40〜44および前記制御素子および前記配線素子、60〜64、601〜641、602〜642および前記包囲壁部材18が実装されている。
【0023】
(半導体発光素子40〜44の説明)
前記5個の半導体発光素子40〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源、この第1の実施形態では、LEDを使用する。前記半導体発光素子40〜44は、図2〜図6に示すように、平面から、すなわち、前記基板3の実装面34に対して垂直方向から、見て微小な矩形すなわち正方形もしくは長方形形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記5個の半導体発光素子40〜44は、前記基板3に実装されている面以外の一正面および四側面から光を放射する。前記5個の半導体発光素子40〜44は、図2に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記半導体型光源ユニット1の前記ソケット部11の中心であって取付回転中心O近傍に一列に一直線X−X上に、ほぼ等間隔の隙間を開けて配置されている。
【0024】
前記5個の半導体発光素子40〜44は、小電流が供給される半導体発光素子であって、テールランプの光源である1個の半導体発光素子40すなわち第1グループの半導体発光素子40と、大電流、すなわち、前記半導体発光素子40に供給される電流と比較して大電流が供給される半導体発光素子であって、ストップランプの光源である4個の半導体発光素子41〜44すなわち第2グループの半導体発光素子41〜44と、に区分されている。前記テールランプ機能のテールランプの光源の1個の半導体発光素子40は、右側の前記ストップランプ機能のストップランプの光源の2個の半導体発光素子41、42と左側の前記ストップランプ機能のストップランプの光源の2個の半導体発光素子43、44との間に挟まれた状態で配置されている。すなわち、前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40は、前記5個の半導体発光素子40〜44の真中に位置する。前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44は、順方向、すなわち、電流が流れる方向に直列に接続されている。
【0025】
前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40は、前記基板3の中心Oであって前記放熱部材8の中心Oもしくはその近傍に配置されている。すなわち、前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40の中心と、前記基板3の中心Oであって前記放熱部材8の中心Oとは、一致もしくはほぼ一致する。前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44は、一列に一直線X−X上に配置されているので、光源バルブや電球のフィラメントもしくは放電電球やHIDランプのアーク放電による発光とほぼ同様の発光が得られる。
【0026】
(制御素子の説明)
前記抵抗および前記ダイオードは、前記基板3に実装されていて、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93と前記5個の半導体発光素子40〜44との間を前記配線素子を介して電気的に接続されている。前記抵抗および前記ダイオードは、前記5個の半導体発光素子40〜44に供給する電流を制御する素子である。
【0027】
(配線素子、60〜64、601〜641、602〜642の説明)
前記配線素子は、図6、図10、図11に示すように、配線パターンと、5本のボンディングワイヤ60〜64と、5個の実装パッドのファーストパッド601〜641と、5個のワイヤパッドのセカンドパッド602〜642と、から構成されている。前記配線素子、60〜64、601〜641、602〜642は、接続部材17を介して前記ソケット部11の給電部材91、92、93と電気的に接続されていて、前記制御素子を介して前記5個の半導体発光素子40〜44に給電するものである。
【0028】
前記配線パターンは、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線などからなる。前記配線パターンには、前記抵抗および前記ダイオードが接続されている。前記配線パターンには、前記実装パッド601〜641と前記ワイヤパッド602〜642とがそれぞれ設けられている。前記配線パターンのうち、前記ストップランプ機能の半導体発光素子41〜44に大電流を供給する配線パターンの面積は、ほぼ均等とする。これにより、前記配線パターンにおいて発生する熱を前記基板3を介して外部の前記放熱部材8にほぼ均等に逃がすことができる。
【0029】
前記実装パッド601〜641は、図10、図11に示すように、前記一直線X−X上に、ほぼ等間隔の隙間を開けて、5個の前記半導体発光素子40〜44と同数個、この例では、5個配置されている。5個の前記実装パッド601〜641には、5個の前記半導体発光素子40〜44が、銀ペーストなどの導電性接着剤600〜640を介して、それぞれ接着されている。
【0030】
前記実装パッド601〜641は、平面から、すなわち、上からであって、前記基板3の実装面34に対して垂直方向から、見て微小な矩形の正方形もしくは長方形形状をなす。前記導電性接着剤600〜640は、平面から見て微小な円形形状をなす。
【0031】
円形形状の前記導電性接着剤600〜640の直径は、正方形形状の前記半導体発光素子40〜44の一辺の長さより大きい。正方形形状の前記実装パッド601〜641の一辺は、円形形状の前記導電性接着剤600〜640の直径より大きい。そして、5個の前記半導体発光素子40〜44を前記一直線X−X上にほぼ等間隔の隙間を開けて配置した場合において、両端の前記半導体発光素子41、44の前記実装パッド611、641の外側辺の間の寸法は、最大で6.925mmである。
【0032】
前記ワイヤパッド602〜642は、図10、図11に示すように、5個の前記半導体発光素子40〜44の列方向すなわち前記一直線X−X方向に対して交差する方向すなわち前記一直線X−Xに直交する一直線Y−Y方向に、かつ、5個の前記半導体発光素子40〜44の外側の2個の前記半導体発光素子41、44より内側に、5個の前記半導体発光素子40〜44と同数個、この例では、5個設けられている。5個の前記ワイヤパッド602〜642は、隣り合う2個の前記半導体発光素子40〜44の中間線上に、かつ、前記半導体発光素子40〜44から等距離に離れた位置に位置する。
【0033】
さらに、前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、真中に位置する前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40用の前記ワイヤパッド602は、図6に示すように、前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、右側の前記ストップランプ機能の2個の半導体発光素子41、42用の前記ワイヤパッド612、622と、前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、左側の前記ストップランプ機能の2個の半導体発光素子43、44用の前記ワイヤパッド632、642との間に挟まれた状態で配置されている。なお、図6において、前記テールランプ機能の半導体発光素子40用の前記ワイヤパッド602は、実線で示されている1箇所に配置されているものである。ところが、図10に示すように、前記テールランプ機能の半導体発光素子40用の前記ワイヤパッド602は、実線で示されている1箇所以外に、二点鎖線で示されている3箇所のうち任意の1箇所に配置される場合がある。
【0034】
(包囲壁部材18の説明)
前記包囲壁部材18は、絶縁性部材たとえば樹脂、この例では、前記封止部材180の膨張収縮に追随できる柔軟性を持つエラストマー性を有する樹脂、たとえば、熱可塑性エラストマー、オレフィン系TPO樹脂などから構成されている。前記包囲壁部材18は、図2〜図6に示すように、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線素子の一部、すなわち、前記配線パターンの一部および5本の前記ボンディングワイヤ60〜64全部および5個の前記実装パッド601〜641全部および5個の前記ワイヤパッド602〜642全部、を包囲する環形状をなすものである。すなわち、前記包囲壁部材18は、中央部が中空部181であり、かつ、周囲部が壁部182である環形状をなすものである。
【0035】
前記包囲壁部材18は、特に図示しないが、前記半導体発光素子40〜44および前記配線素子の前記ボンディングワイヤ60〜64の高さよりも十分な高さを有する。前記包囲壁部材18は、前記封止部材180を充填する容量を小容量に規制する部材である。
【0036】
前記包囲壁部材18の前記壁部182の一端面の下端面には、嵌合部としての仮固定兼位置決めすなわち位置出し用の嵌合凸部185が少なくとも2個前記壁部182の内壁面の底辺が描く環形状の中心を通る対角線上に一体に設けられている。一方、前記基板3には、嵌合部としての仮固定兼位置決め用の嵌合孔(図示せず)が少なくとも2個、前記嵌合凸部185と対応して設けられている。前記嵌合凸部185と前記嵌合孔とを相互に嵌合することにより、前記包囲壁部材18と前記基板3とは、相互に固定されかつ位置決めされる。なお、前記嵌合孔は、前記嵌合凸部185が嵌合する嵌合凹部であっても良い。嵌合凸部185の外形と嵌合孔の内径には僅かなクリアランスを設ける事で封止部材の熱膨張・熱収縮に合わせて動き、マウントした半導体発光素子40〜44やボンディングワイヤ60〜64が受けるストレスを軽減する事ができる。
【0037】
前記嵌合凸部185と前記嵌合孔とにより前記基板3と相互に仮固定されかつ位置決めされた前記包囲壁部材18の前記壁部182の一端面の下端面は、前記基板3の前記実装面34に接着剤(図示せず)により接着固定すなわち実装されている。前記接着剤は、この例では、前記半導体発光素子40〜44の高温環境域では低弾性特性を有し、高温環境域での前記封止部材180および前記包囲壁部材18の膨張・収縮を吸収する部材、たとえば、エポキシ系樹脂もしくはシリコーン系樹脂などで構成されている。
【0038】
前記基板3に実装された前記包囲壁部材18の前記中空部181中であって、前記基板3の前記実装面34と前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面とにより区画されている空間中には、5個の前記半導体発光素子40〜44と5個の前記ワイヤパッド602〜642とがそれぞれ実装されていて、5本の前記ボンディングワイヤ60〜64がそれぞれボンディングされていて、前記封止部材180が充填されている。
【0039】
前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面には、前記半導体発光素子40〜44、特に、前記半導体発光素子40〜44の四側面から放射される光(図示せず)を所定の方向、たとえば、前記半導体発光素子40〜44の一正面から放射される光の方向とほぼ同方向、に反射させる反射面184が設けられている。前記反射面184は、図8、図9に示すように、前記壁部182の内周面の一端の下端から他端の上端にかけて末広がりに傾斜している。前記反射面184は、前記包囲壁部材18全体を高反射率の部材で構成したり、たとえば、前記包囲壁部材18の樹脂たとえばPBT、PPAなどに酸化チタンを含有して前記包囲壁部材18全体を白色化したり、あるいは、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面のみを高反射率の部材で構成したりして形成する。
【0040】
(包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状の説明)
前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状とは、前記基板3の前記実装面34と前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面とが接する部分の輪郭形状、すなわち、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面と底面とのなす角の輪郭形状である。前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状は、図6、図7に示すように、前記基板3の実装面34に対して垂直方向に見て、5個の前記半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする楕円を基調とした形状である。
【0041】
前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の前記反射面184は、一端の下端から他端の上端にかけて末広がりに傾斜している。このために、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面と上面とのなす角の輪郭形状、すなわち、前記壁部182の内周面の上端の輪郭形状は、楕円を基調とした形状であって、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面と底面とのなす角の輪郭形状、すなわち、前記壁部182の内周面の下端輪郭形状より一回り大きくした形状である。なお、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面は、必ずしも傾斜面ではなく垂直面でも良い。この場合において、前記壁部182の内周面の下端輪郭形状と前記壁部182の内周面の上端輪郭形状とは、ほぼ同一である。
【0042】
前記包囲壁部材18の前記壁部182の外周面の形状は、図6、図7に示すように、前記壁部182の内周面の形状より一回り大きくした形状、すなわち、5個の前記半導体発光素子40〜44の列方向(X−X)を長軸方向とする楕円を基調とした形状である。前記包囲壁部材18の前記壁部182の肉厚、すなわち、前記壁部182の内周面から外周面までの厚さは、ほぼ均一である。すなわち、前記包囲壁部材18の前記壁部182の断面の形状および大きさは、均一もしくはほぼ均一である。前記壁部182の断面とは、前記壁部182の内周面および外周面に対して直交する面で切断した面である。
【0043】
図10、図11に示すように、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端と前記ワイヤパッド642(612〜632)との間には、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端と前記ワイヤパッド642(612〜632)とが相互に接触しない程度の距離T1すなわち0.5mm以上が設けられている。前記ワイヤパッド612〜642は、前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44用のワイヤパッドである。
【0044】
図10、図11に示すように、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端(下端)と前記半導体発光素子44(41)の前記導電性接着剤640(610)との間には、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端(下端)と前記半導体発光素子44(41)の前記導電性接着剤640(610)とが相互に接触しない程度の距離T2(0.5mm以上)が設けられている。前記半導体発光素子41、44は、前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44のうち、前記楕円の長軸方向X−Xの左右両端の半導体発光素子である。
【0045】
以下、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状をさらに詳細に説明する。まず、図10に示す基準楕円Aを設定する。前記基準楕円Aは、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端における楕円である。すなわち、前記基準楕円Aは、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面と底面とのなす角の輪郭形状すなわち前記壁部182の内周面の下端輪郭形状における楕円である。
【0046】
前記基準楕円Aは、5個の前記半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とし、かつ、前記ワイヤパッド612〜642から、前記長軸方向X−Xと直交する短軸方向Y−Yに、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端と前記ワイヤパッド642(612〜632)とが相互に接触しない程度の距離T1すなわち0.5mm以上離れた点Bを通る楕円であって、面積が最小の楕円により、設定される。このように、「基準楕円」とは、複数個の半導体発光素子の列方向を長軸方向とし、かつ、配線素子から、長軸方向と直交する短軸方向に、包囲壁部材の内周面と配線素子とが相互に接触しない程度の距離以上離れた点を通る楕円であって、面積が最小の楕円である。
【0047】
つぎに、図10に示すように設定された前記基準楕円Aに基づいて、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状を設定する。前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状は、前記基準楕円Aを基調とする形状である。すなわち、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状は、図11に示すように、前記基準楕円Aの前記長軸方向X−Xの両端部の曲線Rであって、前記点Bから前記基準楕円Aの中心すなわち長軸X−Xと短軸Y−Yとの交点と反対側の曲線すなわち図11中において、二点鎖線で示す曲線Rを、前記基準楕円Aの中心側に変位させて、図11中において、実線で示す変位曲線R1、R2とする。前記変位曲線R1、R2は、左右両端の前記半導体発光素子41、44の前記導電性接着剤610、640から、前記長軸方向X−Xに、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端と前記半導体発光素子44(41)の前記導電性接着剤640(610)とが相互に接触しない程度の距離T2すなわち0.5mm以上離れた点Cを通る曲線である。
【0048】
前記変位曲線R1、R2は、図7に示すように、前記長軸方向X−Xの左右両端部の第1変位曲線R1と、前記第1変位曲線R1と前記基準楕円Aの曲線とを結ぶ第2変位曲線R2と、からなる。前記第1変位曲線R1の曲率半径は、前記第2変位曲線R2の曲率半径と比較して大きい。このように、「楕円を基調とした形状」とは、基準楕円の長軸方向の両端部の曲線であって、包囲壁部材の内周面と配線素子とが相互に接触しない程度の距離以上離れた点から基準楕円の中心反対側の曲線を、基準楕円の中心側に変位させて、左右両端の半導体発光素子から、長軸方向に、包囲壁部材の内周面と半導体発光素子とが相互に接触しない程度の距離以上離れた点を通る変位曲線とする形状である。
【0049】
(封止部材180の説明)
前記封止部材180は、光透過性部材、たとえば、光透過性を有するエポキシ系樹脂もしくはシリコーン系樹脂から構成されている。前記封止部材180は、この例では、前記接着剤とほぼ同様に、前記半導体発光素子40〜44の高温環境域では低弾性特性を有したエポキシ系樹脂もしくはシリコーン系樹脂を使用する。
【0050】
前記封止部材180は、前記基板3に、前記半導体発光素子40〜44が実装され、かつ、前記ボンディングワイヤ60〜64がボンディング配線された後に、前記基板3に嵌合した前記包囲壁部材18によって形成された凹部の前記中空部181中に充填される。前記封止部材180が硬化することにより、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線パターンの一部および前記ボンディングワイヤ60〜64全部および前記実装パッド601〜641全部および前記ワイヤパッド602〜642全部および前記導電性接着剤600〜640が前記封止部材180により封止されることとなる。
【0051】
前記封止部材180は、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線パターンの一部および前記ボンディングワイヤ60〜64全部および前記実装パッド601〜641全部および前記ワイヤパッド602〜642全部および前記導電性接着剤600〜640を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぎ、かつ、紫外線や硫化ガスやNOxや水から保護するものである。すなわち、前記封止部材180は、前記5個の半導体発光素子40〜44などを外乱から保護するものである。
【0052】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、前記半導体型光源ユニット1を前記車両用灯具100に、着脱可能にあるいは固定的に取り付けるための取付部が設けられているものである。前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部の上端部には、鍔部71が一体に設けられている。前記絶縁部材7の一端部の上端部には、複数個この例では4個の取付部70が、前記ランプハウジング101の前記凹部と対応させて、一体に設けられている。なお、前記取付部70は、図3〜図5において3個しか図示されていない。
【0053】
前記取付部70は、前記半導体型光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー部12側の一部および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部中に挿入する。その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部に当てる。この時点において、前記取付部70と前記鍔部71とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(図1参照)。
【0054】
この結果、前記半導体型光源ユニット1の前記ソケット部11は、図1に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能にあるいは固定的に取り付けられる。この時点において、図1に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分すなわち図1中のランプハウジング101よりも下側の部分がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分すなわち図1中のランプハウジング101よりも上側の部分よりも大である。
【0055】
前記絶縁部材7の一端面の上端面には、凸部72が一体に設けられている。前記絶縁部材7の他端部の下端部には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0056】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、前記光源部10で発生する熱を外部に放射させるものである。前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性なお導電性をも有するアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部の上端部が平板形状をなし、中間部から他端部の下端部にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の前記当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性媒体(図示せず)により接着されている。この結果、前記半導体発光素子40〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心Oであって前記ソケット部11の中心O近傍部分が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0057】
前記熱伝導性媒体は、たとえば、熱伝導性接着剤であって、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコーン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。なお、前記熱伝導性媒体は、熱伝導性接着剤のほかに、熱伝導性グリースであっても良い。
【0058】
前記放熱部材8の3辺の右辺、左辺、下辺のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記挿通孔31〜33および前記絶縁部材7の前記凸部72にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置されている。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在されている。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0059】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、前記光源部10に給電するものである。前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の一端部の上端部は、末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93の一端部は、前記絶縁部材7の前記凸部72から突出して、前記接続部材17に電気的にかつ機械的に接続されている。
【0060】
前記給電部材91〜93の他端部の下端部は、窄まった形状をなしていて、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナルすなわちおす型端子910、920、930を構成するものである。
【0061】
(接続部材17の説明)
前記接続部材17は、導電性および弾性および展性、延性、塑性を有する部材、たとえば、リン青銅や黄銅などの部材から構成されている。前記接続部材17は、前記光源部10と前記ソケット部11とを電気的に接続するものである。
【0062】
すなわち、前記接続部材17は、嵌合などにより、前記基板3に機械的に接続されていて、かつ、半田または導電性接着剤(図示せず)により、前記基板3の前記配線素子の導体に電気的に接続されている。一方、前記接続部材17は、前記給電部材91〜93の一端部に、弾性当接や加締め付けおよび溶接などにより、電気的にかつ機械的に接続されている。
【0063】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナルすなわちめす型端子(図示せず)が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナルが前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナルと前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0064】
図1に示すように、前記コネクタ14の前記メスターミナルのうちの第1メスターミナルおよび前記第2メスターミナルは、ハーネス144、145およびスイッチ(図示せず)を介して電源たとえば直流電源のバッテリー(図示せず)に接続されている。前記コネクタ14の前記メスターミナルのうちの第3メスターミナルは、ハーネス146を介してアースすなわちグランドされている。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピンタイプのコネクタ部およびコネクタである。すなわち、前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナルからなるコネクタ部およびコネクタである。
【0065】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記5個の半導体発光素子40〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記カバー部12は、光学部品である。
【0066】
前記カバー部12は、図1に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部の一端開口部に取り付けられている。前記カバー部12は、前記封止部材180と共に、前記5個の半導体発光素子40〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぎ、かつ、紫外線や硫化ガスやNOxや水から保護するものである。すなわち、前記カバー部12は、前記5個の半導体発光素子40〜44を外乱から保護するものである。また、前記カバー部12は、前記5個の半導体発光素子40〜44以外に、前記制御素子の前記抵抗、前記ダイオードおよび前記配線素子の前記配線パターン、前記ボンディングワイヤ60〜64、前記実装パッド601〜641、前記ワイヤパッド602〜642、前記導電性接着剤600〜640をも外乱から保護するものである。なお、前記カバー部12には、通気孔(図示せず)を設ける場合がある。
【0067】
(第1の実施形態の作用の説明)
この第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源(光源部10)およびこの第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニット1およびこの第1の実施形態における車両用灯具100(以下、「この第1の実施形態における半導体型光源(光源部10)および半導体型光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0068】
まず、スイッチをテールランプ点灯に操作する。すると、テールランプ機能の1個の半導体発光素子40に電流が供給される。この結果、テールランプ機能の1個の半導体発光素子40が発光する。
【0069】
このテールランプ機能の1個の半導体発光素子40から放射された光は、封止部材180、空気層、半導体型光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、半導体発光素子40から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0070】
つぎに、スイッチをストップランプ点灯に操作する。すると、ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44に電流が供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44が発光する。
【0071】
このストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44から放射された光は、封止部材180、空気層、半導体型光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、半導体発光素子41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい、すなわち、光束、輝度、光度、照度が大である。
【0072】
ここで、光源部10の半導体発光素子40〜44および制御素子の抵抗およびダイオードおよび配線素子の導体において発生した熱は、基板3および熱伝導性媒体を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。
【0073】
(第1の実施の形態の効果の説明)
この第1の実施形態における半導体型光源すなわち光源部10および半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0074】
包囲壁部材18により、封止部材180を充填する容量を小容量に規制することができる。これにより、封止部材180の容量が5個の半導体発光素子40〜44全部および配線素子の一部、すなわち、配線パターンの一部、ボンディングワイヤ60〜64、実装パッド601〜641、ワイヤパッド602〜642、導電性接着剤600〜640、を封止する分だけの容量で済み、基板の実装面全面に亘って充填される封止部材の容量と比較して、小容量で済む。この結果、封止部材180の容量が小容量で済むので、大容量の封止部材と比較して、封止部材180の応力や膨張収縮を低く抑制することができ、その分、封止部材180により封止されている5個の半導体発光素子40〜44および配線素子の一部、すなわち、配線パターンの一部、ボンディングワイヤ60〜64、実装パッド601〜641、ワイヤパッド602〜642、導電性接着剤600〜640、への影響、たとえば、半導体発光素子40〜44の剥離やボンディングワイヤ60〜64の断線などを極力抑制することができる。また、大容量の封止部材を必要とする包囲壁部材と半導体発光素子の距離が離れた構造の場合と比較して、封止部材180のクラックの発生を低く抑えることができ、その分、封止部材180の封止性能を向上させることができ、光学ユニットの製造の歩留まりが向上する。さらに、封止部材180の容量が小容量で済むので、製造コストを安価にすることができ、かつ、封止部材180の硬化時間を短縮して製造時間を短縮することができる。
【0075】
ソケット部11の放熱部材8の表面側から突き出た給電部材91〜93と、光源部10の基板3と、が接続されることにより、基板3の裏面の当接面35と放熱部材8の表面の当接面80とが密接状態に配置され、かつ、基板3の裏面の当接面35と放熱部材8の表面の当接面80との密接状態が維持される。この結果、半導体型光源ユニット1は、放熱性能に優れている。
【0076】
特に、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円A、もしくは、その基準楕円Aを基調とした形状であるから、下記の表1に示すように、包囲壁部材の内周面の形状が長方形や円形と比較して、封止部材180の容量をさらに小容量にすることができ、また、包囲壁部材の内周面の形状が長方形と比較して、封止部材180の応力をさらに低く抑制することができる。
【0077】
【表1】
【0078】
表1は、包囲壁部材の内周面の形状が、基準楕円の両端部の曲線を内側に変位させた形状のものと、基準楕円の形状のものと、長方形の形状のものと、円形の形状のものと、における封止部材の容量および封止部材の応力を示す説明図である。
【0079】
表1中の「リフレクタタイプ」とは、包囲壁部材の内周面の形状、「楕円+R」とは、基準楕円の両端部の曲線を内側に変位させた形状のもの、すなわち、前記第1の実施形態における包囲壁部材18である。「楕円」とは、基準楕円の形状のもの、すなわち、前記の実施形態における基準楕円Aである。「四角」とは、長方形の形状のものである。「円」とは、円形の形状のものである。
【0080】
「封止体積[mm 3]」とは、封止部材の容量である。「封止部上面面積[mm2]」とは、包囲壁部材の内周面の基板と反対側の面(開口面)の面積である。「封止部下面面積[mm 2]」とは、包囲壁部材の内周面の基板側の面(閉塞面)の面積である。「引張応力最大[Mpa]」とは、封止部材の引張応力の最大である。「圧縮応力最大[Mpa]」とは、封止部材の圧縮応力の最大である。なお、引張応力および圧縮応力は、シミュレーション値である。
【0081】
そして、「四角」における「封止体積[mm 3]」が「73.3」、「封止部上面面積[mm 2]」が「61.3」、「封止部下面面積[mm2]」が「35.2」、「引張応力最大[Mpa]」が「29.5」、「圧縮応力最大[Mpa]」が「14.7」である。
【0082】
つぎに、「楕円」における「封止体積[mm 3]」が「58.3」、「封止部上面面積[mm 2]」が「49.6」、「封止部下面面積[mm2]」が「27.1」、「引張応力最大[Mpa]」が「24.7」、「圧縮応力最大[Mpa]」が「12.1」である。
【0083】
それから、「楕円+R」における「封止体積[mm 3]」が「57.3」、「封止部上面面積[mm 2]」が「48.5」、「封止部下面面積[mm2]」が「26.8」、「引張応力最大[Mpa]」が「22.1」、「圧縮応力最大[Mpa]」が「11.4」である。
【0084】
最後に、「円」における「封止体積[mm 3]」が「97.0」、「封止部上面面積[mm 2]」が「77.6」、「封止部下面面積[mm2]」が「50.4」、「引張応力最大[Mpa]」が「21.9」、「圧縮応力最大[Mpa]」が「11.2」である。
【0085】
このように、上記の表1に示すように、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状を基準楕円A、もしくは、その基準楕円Aを基調とした形状とすることにより、包囲壁部材の内周面の形状が長方形や円形と比較して、封止部材180の容量を小容量にすることができ、また、包囲壁部材の内周面の形状が長方形と比較して、封止部材180の応力を抑制することができる。
【0086】
5個の半導体発光素子40〜44を基板3に一列に実装するものであるから、上下方向が短くかつ左右方向が長い車両用灯具の配光パターンに適している。
【0087】
基板3のうち、包囲壁部材18で規制されている範囲すなわち5個の半導体発光素子40〜44全部および配線素子の一部(配線パターンの一部、ボンディングワイヤ60〜64、実装パッド601〜641、ワイヤパッド602〜642、導電性接着剤600〜640)が封止部材180で封止されているが、その他の範囲すなわち制御素子の抵抗、ダイオードおよび配線素子の大部分(配線パターンの大部分)が封止部材180で封止されていないので、制御素子および配線素子の大部分からの熱を基板3の表面から外部に効率良く放射させることができ、放熱効果が向上される。
【0088】
2個の前記嵌合凸部185と嵌合孔とは、包囲壁部材18の壁部182の内壁面の底辺の環形状の中心を通る対角線上に一体に設けられている。この結果、包囲壁部材18の中心Oと、包囲壁部材18に包囲されている5個の半導体発光素子40〜44の中心Oとは、一致もしくはほぼ一致する。このために、嵌合凸部185の外形と嵌合孔の内径との間のクリアランスによるずれが生じた場合であっても、半導体発光素子40〜44やボンディングワイヤ60〜64が包囲壁部材18の内壁面と接触しない距離T1、T2を確保しやすい。また、嵌合凸部185の外形と嵌合孔の内径には僅かなクリアランスを設けることで封止部材180の熱膨張・熱収縮に合わせて動き、実装した半導体発光素子40〜44やボンディングワイヤ60〜64が受けるストレスを軽減することができる。
【0089】
包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aを基調とした形状、すなわち、包囲壁部材18の壁部182の内周面とワイヤパッド612〜642との間を、包囲壁部材18の壁部182の内周面とワイヤパッド612〜642と相互に接触しない距離T1すなわち0.5mm以上有し、かつ、包囲壁部材18の壁部182の内周面と導電性接着剤610、640との間を、包囲壁部材18の壁部182の内周面と導電性接着剤610、640とが相互に接触しない距離T2すなわち0.5mm以上有する形状であるから、上記の表1に示すように、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が楕円と比較して、封止部材180の容量をさらに小容量にすることができ、かつ、封止部材180の応力をさらに低く抑制することができる。
【0090】
包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aを基調とした形状、すなわち、基準楕円Aの長軸方向X−Xの両端部の曲線Rを基準楕円Aの中心側に曲線R1、R2として変位させた形状であるから、上記の表1に示すように、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が楕円と比較して、封止部材180の容量をさらに小容量にすることができ、かつ、封止部材180の応力をさらに低く抑制することができる。
【0091】
5個のワイヤパッド602〜642と5個の半導体発光素子40〜44とにボンディングワイヤ60〜64をそれぞれボンディングする際に、図6に示すように、ボンディングワイヤ60〜64のボンディングの方向および角度を同一にすることができる。この結果、ボンディングワイヤ60〜64のボンディングの工程時間を短縮することができ、しかも、ボンディングワイヤ60〜64のボンディングの品質安定性に寄与することができる。すなわち、製品の生産性の向上および製品の信頼性の向上を図ることができる。なお、図6においては、ボンディングワイヤ60〜64を、左上から右下に斜めにほぼ同一角度で傾斜している状態を図示するものである。図示されていないが、このボンディングワイヤ60〜64を、右上から左下に斜めにほぼ同一角度で傾斜してボンディングする場合もある。
【0092】
包囲壁部材18の壁部182の内周面から外周面までの厚さがほぼ均一あるいは均等、すなわち、包囲壁部材18の壁部182の断面形状と大きさが均一もしくはほぼ均一であるから、封止部材180で封止されている5個の半導体発光素子40〜44および配線素子の一部、すなわち、配線パターンの一部、ボンディングワイヤ60〜64、実装パッド601〜641、ワイヤパッド602〜642、導電性接着剤600〜640に、封止部材180によって作用する応力を均一にすることができるので、応力の偏りによる弊害を防ぐことができる。
【0093】
包囲壁部材18の反射面184により、半導体発光素子40〜44から放射される光を所定の方向に反射させることができるので、半導体発光素子40〜44から放射される光を有効利用することができる。しかも、包囲壁部材18の反射面184により意図する配光パターンを設計することができる。
【0094】
包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aを基調とした形状、すなわち、包囲壁部材18の壁部182の内周面と半導体発光素子41、44の導電性接着剤610、640との間の距離を距離T2すなわち0.5mm以上とした形状、あるいは、基準楕円Aの長軸方向X−Xの両端部の曲線Rを基準楕円Aの中心側に曲線R1、R2として変位させた形状である。このために、包囲壁部材18の反射面184と、特に左右両端の半導体発光素子41、44との間の距離が小さくなり、その分、半導体発光素子41、44から放射される光を包囲壁部材18の反射面184で効率良く反射させてさらに有効に利用することができる。
【0095】
(第2の実施形態の説明)
なお、前記第1の実施形態においては、5個の半導体発光素子40〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、半導体発光素子として、2個〜4個、6個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する半導体発光素子の個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する半導体発光素子の個数やレイアウトは、特に限定しない。すなわち、複数個の半導体発光素子が一列に実装されていれば良い。
【0096】
また、前記第1の実施形態においては、テール・ストップランプの複機能のランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプの複機能のランプ以外のコンビネーションランプの複機能のランプにも使用することができる。すなわち、小電流が供給され発光量が小さい半導体発光素子と大電流が供給され発光量が大きい半導体発光素子とを、発光量が小さいサブフィラメントと発光量が大きいメインフィラメントとに、代用することができる。
【0097】
さらに、前記第1の実施形態においては、テール・ストップランプの複機能のランプに使用するものである。ところが、この発明においては、単機能のランプにも使用することができる。すなわち、複数個の半導体発光素子をシングルフィラメントに代用して単機能のランプに使用することができる。単機能のランプとしては、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプすなわちすれ違い用ヘッドランプ、ヘッドランプのハイビームランプすなわち走行用ヘッドランプ、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどがある。
【0098】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用でき、または、切替を行わない1個のランプにも使用できる。
【0099】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、ソケット部11の放熱部材8が絶縁部材7で覆われているものである。ところが、この発明においては、ソケット部11の放熱部材8の一部、特に、後部のフィン形状の部分が絶縁部材7から露出しているものであっても良い。
【0100】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向と半導体型光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向とが一致するあるいは平行であるものである。ところが、この発明においては、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向と半導体型光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向とが交差あるいは直交するものであっても良い。
【0101】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aを基調とした形状である。ところが、この発明においては、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aそのものであっても良い。
【0102】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、基板3にワイヤパッド602〜642および実装パッド601〜641を実装した後に、その基板3に包囲壁部材18を実装し、それから、その基板3に半導体発光素子40〜44を実装しかつボンディングワイヤ60〜64をボンディングするものである。ところが、この発明においては、包囲壁部材の実装工程と、半導体発光素子の実装工程およびワイヤのボンディング工程とを入れ替えても良い。
【0103】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、基準楕円Aを基調とする包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状の変位曲線R1、R2が第1変位曲線R1と第2変位曲線R2とからなるものである。ところが、この発明においては、変位曲線が滑らかであれば、1個の変位曲線であっても良いし、変位曲線をさらに滑らかにするのであれば、3個以上の変位曲線であっても良い。
【0104】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、封止部材180としてエポキシ系樹脂を使用した場合においては、エポキシ系樹脂の膨張収縮による応力の緩和のために、包囲壁部材18としてより柔軟性を持たせたエラストマー性樹脂を使用しても良い。
【0105】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部182の内周面の一端の下端から他端の上端にかけて末広がりに傾斜している反射面184が設けられているものである。ところが、この発明においては、包囲壁部材の壁部の内周面に反射面を設けなくても良い。この場合において、包囲壁部材の壁部の内周面は、傾斜面ではなく、垂直面であっても良い。
【0106】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部182の肉厚すなわち壁部182の内周面から外周面までの厚さがほぼ均一すなわち均等である。ところが、この発明においては、包囲壁部材の壁部の肉厚がほぼ均一でなくても良い。
【符号の説明】
【0107】
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
1 半導体型光源ユニット
10 光源部(半導体型光源)
11 ソケット部
12 カバー部
13 コネクタ部
14 コネクタ
144、145、146 ハーネス
17 接続部材
18 包囲壁部材
180 封止部材
181 中空部
182 壁部
184 反射面
185 嵌合凸部
3 基板
30 高反射面
31、32、33 挿通孔
34 実装面
35 当接面
40、41、42、43、44 半導体発光素子
60、61、62、63、64 ボンディングワイヤ(配線素子)
600、610、620、630、640 導電性接着剤(配線素子)
601、611、621、631、641 実装パッド(配線素子)
602、612、622、632、642 ワイヤパッド(配線素子)
7 絶縁部材
70 取付部
71 鍔部
72 凸部
8 放熱部材
80 当接面
81、82、83 切欠
91、92、93 給電部材
910、920、930 オスターミナル
A 基準楕円
B ワイヤパッドから距離T1離れた点
C 導電性接着剤から距離T2離れた点
F 焦点
O 中心
R 基準楕円の曲線
R1、R2 変位曲線
T1 包囲壁部材とワイヤパッド間の距離
T2 包囲壁部材と導電性接着剤間の距離
X−X 一直線、長軸方向
Y−Y 一直線、短軸方向
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源に関するものである。また、この発明は、車両用灯具の半導体型光源ユニットに関するものである。さらに、この発明は、半導体型光源もしくは半導体型光源ユニットを光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の半導体型光源は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の半導体型光源について説明する。特許文献1の半導体型光源は、基板に複数のLEDチップを実装し、その複数のLEDチップを樹脂すなわち封止部材で覆ってなるものである。特許文献2の半導体型光源は、ベース部上に複数のLEDチップを設け、その複数のLEDチップを樹脂モールド部すなわち封止部材で封止してなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−176219号公報
【特許文献2】特開2009−21264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる半導体型光源のLEDチップのマウント配置は、車両用灯具の形状により横長の扁平配光を得る為に複数のLEDチップが一列にマウント配置される場合や、電球の発光に類似した比較的φ5〜φ20程度の点光源の発光を得る為に複数のLEDチップを狭い領域に密集してマウントを行う場合がある。基板上の特定領域に比較的近接マウントしたLEDチップをまとめて封止する場合において、封止部材の容量は、LEDの点灯・消灯や使用環境の温度変化などにより封止部材が熱膨張や収縮することによる応力の緩和など軽減のために、できる限り小容量にする必要がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、封止部材の容量をできる限り小容量にするという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、実装面を有する基板と、基板の実装面に一列に実装されている複数個の半導体発光素子と、半導体発光素子の発光を制御する制御素子と、制御素子を介して半導体発光素子に給電する配線素子と、複数個の半導体発光素子全部を包囲する環形状の包囲壁部材と、基板の実装面と包囲壁部材中で構成された凹部内の複数個の半導体発光素子を封止する光透過性の封止部材と、を備え、包囲壁部材の内周面の形状が、複数個の半導体発光素子の列方向を長軸方向とする楕円もしくは楕円を基調とした形状である、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の第1の実施形態、および、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源ユニットの第1の実施形態、および、この発明にかかる車両用灯具の第1の実施形態を示し、半導体型光源ユニットを車両用灯具に組み付けた状態の縦断面図すなわち垂直断面図である。
【図2】光源部(半導体型光源)とソケット部とを組み付けた状態の半導体型光源ユニットを示す平面図である。
【図3】半導体型光源ユニットの光源部とソケット部の絶縁部材および放熱部材および給電部材との分解斜視図である。
【図4】半導体型光源ユニットの光源部とソケット部との分解斜視図である。
【図5】光源部とソケット部とを組み付けた状態の半導体型光源ユニットを示す斜視図である。
【図6】包囲壁部材および複数個の半導体発光素子および複数個のワイヤパッドおよび複数本のボンディングワイヤを示す拡大平面図である。
【図7】包囲壁部材を示す拡大平面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線矢視図である。
【図9】図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】基準楕円を示す拡大平面説明図である。
【図11】基準楕円の両端部の曲線を内側に変位させた包囲壁部材の内周面の形状を示す拡大平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の実施形態(実施例)、および、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源ユニットの実施形態、および、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態の構成の説明)
以下、この第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源およびこの第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニットおよびこの第1の実施形態における車両用灯具の構成について説明する。図1において、符号100は、この第1の実施形態における車両用灯具である。
【0010】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯、すなわち、1個のランプ、1個の灯具、でテールランプ機能とストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能、たとえば、バックアップランプ機能、ターンシグナルランプ機能、と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0011】
前記車両用灯具100は、図1に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、この第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源(以下、「光源部10」と称する)を光源とするこの第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニット1と、を備えるものである。
【0012】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材、例えば、樹脂部材から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個の凹部(図示せず)と複数個のストッパ部(図示せず)とがほぼ等間隔に設けられている。
【0013】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材、例えば、透明樹脂部材やガラス部材から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0014】
前記リフレクタ103は、前記半導体型光源ユニット1から放射される光を焦点F(図2参照)に集光するように配光制御する配光制御部である。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材、例えば、樹脂部材や金属部材から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0015】
(半導体型光源ユニット1の説明)
前記半導体型光源ユニット1は、図1〜図5に示すように、前記光源部10と、ソケット部11と、光学部品としてのカバー部12と、を備える。前記光源部10は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部に固定もしくは着脱可能に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。前記カバー部12は、前記リフレクタ103を挟む機能を有する場合がある。
【0016】
前記半導体型光源ユニット1は、図1に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0017】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図2〜図6、図10、図11に示すように、基板3と、複数個この例では5個の半導体発光素子(LEDチップ)40、41、42、43、44(以下、「40〜44」と記載する場合がある)と、制御素子としての抵抗(図示せず)およびダイオード(図示せず)と、配線素子としての配線パターン(図示せず)およびボンディングワイヤ60、61、62、63、64(以下、「60〜64」と記載する場合がある)および導電性接着剤600、610、620、630、640(以下、「600〜640」と記載する場合がある)および実装パッド601、611、621、631、641(以下、「601〜641」と記載する場合がある)およびワイヤパッド602、612、622、632、642(以下、「602〜642」と記載する場合がある)と、包囲壁部材18と、封止部材180と、を備えるものである。
【0018】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図1〜図5に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0019】
前記ソケット部11は、前記絶縁部材7と、前記放熱部材8と、前記給電部材91〜93との一体構造からなるものである。たとえば、前記絶縁部材7と前記放熱部材8と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成している構造である。あるいは、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とをインサート成形により一体に構成し、一体構成の前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造である。あるいは、前記絶縁部材7に前記給電部材91〜93を一体に組み付け、一体組付の前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造である。
【0020】
(半導体型光源ユニット1の組立構成の説明)
前記半導体型光源ユニット1は、図1〜図5に示すように、前記絶縁部材7と前記放熱部材8と前記給電部材91〜93が一体成型された前記ソケット部11の前記放熱部材8の表面の当接面80と、前記光源部10の前記半導体発光素子40〜44がマウント封止された前記基板3の裏面の当接面35と、が密接状態に配置されている。それと同時に、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93と、前記基板3の前記配線パターンと、が接続部材17を介して、前記放熱部材8前記当接面80と前記基板3の前記当接面35との密接状態を維持しつつ、強固に電気的に接続されている。すなわち、前記ソケット部11の前記放熱部材8の表面側から突き出た前記給電部材91〜93の一端部を、前記接続部材17の切欠孔中に挿入して、前記給電部材91〜93の一端部と前記接続部材17とを、弾性当接や加締め付けおよび溶接などにより、電気的にかつ機械的に接続する。一方、前記接続部材17を、嵌合などにより、前記基板3に機械的に接続し、かつ、半田または導電性接着剤により、前記基板3の前記配線パターンに電気的に接続する。前記接続部材17により、前記基板3の裏面と前記放熱部材8の表面との密接状態が維持される。この結果、前記半導体型光源ユニット1は、放熱性能に優れている。また、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93と、前記基板3の前記配線パターンと、の電気的接続状態が維持される。この結果、電気回路的接続状態が強固となる。
【0021】
(基板3の説明)
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、図2〜図5に示すように、平面すなわち上から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺の右辺、左辺、下辺のほぼ中央には、前記ソケット部11の給電部材91、92、93が挿通する挿通孔31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面の上面には、平面の実装面34が設けられている。前記基板3の他面の下面には、平面の当接面35が設けられている。なお、高反射部材のセラミック製の前記基板3の実装面34に、さらに高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30を設けても良い。
【0022】
前記基板3の前記実装面34には、前記5個の半導体発光素子40〜44および前記制御素子および前記配線素子、60〜64、601〜641、602〜642および前記包囲壁部材18が実装されている。
【0023】
(半導体発光素子40〜44の説明)
前記5個の半導体発光素子40〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源、この第1の実施形態では、LEDを使用する。前記半導体発光素子40〜44は、図2〜図6に示すように、平面から、すなわち、前記基板3の実装面34に対して垂直方向から、見て微小な矩形すなわち正方形もしくは長方形形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記5個の半導体発光素子40〜44は、前記基板3に実装されている面以外の一正面および四側面から光を放射する。前記5個の半導体発光素子40〜44は、図2に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記半導体型光源ユニット1の前記ソケット部11の中心であって取付回転中心O近傍に一列に一直線X−X上に、ほぼ等間隔の隙間を開けて配置されている。
【0024】
前記5個の半導体発光素子40〜44は、小電流が供給される半導体発光素子であって、テールランプの光源である1個の半導体発光素子40すなわち第1グループの半導体発光素子40と、大電流、すなわち、前記半導体発光素子40に供給される電流と比較して大電流が供給される半導体発光素子であって、ストップランプの光源である4個の半導体発光素子41〜44すなわち第2グループの半導体発光素子41〜44と、に区分されている。前記テールランプ機能のテールランプの光源の1個の半導体発光素子40は、右側の前記ストップランプ機能のストップランプの光源の2個の半導体発光素子41、42と左側の前記ストップランプ機能のストップランプの光源の2個の半導体発光素子43、44との間に挟まれた状態で配置されている。すなわち、前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40は、前記5個の半導体発光素子40〜44の真中に位置する。前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44は、順方向、すなわち、電流が流れる方向に直列に接続されている。
【0025】
前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40は、前記基板3の中心Oであって前記放熱部材8の中心Oもしくはその近傍に配置されている。すなわち、前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40の中心と、前記基板3の中心Oであって前記放熱部材8の中心Oとは、一致もしくはほぼ一致する。前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44は、一列に一直線X−X上に配置されているので、光源バルブや電球のフィラメントもしくは放電電球やHIDランプのアーク放電による発光とほぼ同様の発光が得られる。
【0026】
(制御素子の説明)
前記抵抗および前記ダイオードは、前記基板3に実装されていて、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93と前記5個の半導体発光素子40〜44との間を前記配線素子を介して電気的に接続されている。前記抵抗および前記ダイオードは、前記5個の半導体発光素子40〜44に供給する電流を制御する素子である。
【0027】
(配線素子、60〜64、601〜641、602〜642の説明)
前記配線素子は、図6、図10、図11に示すように、配線パターンと、5本のボンディングワイヤ60〜64と、5個の実装パッドのファーストパッド601〜641と、5個のワイヤパッドのセカンドパッド602〜642と、から構成されている。前記配線素子、60〜64、601〜641、602〜642は、接続部材17を介して前記ソケット部11の給電部材91、92、93と電気的に接続されていて、前記制御素子を介して前記5個の半導体発光素子40〜44に給電するものである。
【0028】
前記配線パターンは、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線などからなる。前記配線パターンには、前記抵抗および前記ダイオードが接続されている。前記配線パターンには、前記実装パッド601〜641と前記ワイヤパッド602〜642とがそれぞれ設けられている。前記配線パターンのうち、前記ストップランプ機能の半導体発光素子41〜44に大電流を供給する配線パターンの面積は、ほぼ均等とする。これにより、前記配線パターンにおいて発生する熱を前記基板3を介して外部の前記放熱部材8にほぼ均等に逃がすことができる。
【0029】
前記実装パッド601〜641は、図10、図11に示すように、前記一直線X−X上に、ほぼ等間隔の隙間を開けて、5個の前記半導体発光素子40〜44と同数個、この例では、5個配置されている。5個の前記実装パッド601〜641には、5個の前記半導体発光素子40〜44が、銀ペーストなどの導電性接着剤600〜640を介して、それぞれ接着されている。
【0030】
前記実装パッド601〜641は、平面から、すなわち、上からであって、前記基板3の実装面34に対して垂直方向から、見て微小な矩形の正方形もしくは長方形形状をなす。前記導電性接着剤600〜640は、平面から見て微小な円形形状をなす。
【0031】
円形形状の前記導電性接着剤600〜640の直径は、正方形形状の前記半導体発光素子40〜44の一辺の長さより大きい。正方形形状の前記実装パッド601〜641の一辺は、円形形状の前記導電性接着剤600〜640の直径より大きい。そして、5個の前記半導体発光素子40〜44を前記一直線X−X上にほぼ等間隔の隙間を開けて配置した場合において、両端の前記半導体発光素子41、44の前記実装パッド611、641の外側辺の間の寸法は、最大で6.925mmである。
【0032】
前記ワイヤパッド602〜642は、図10、図11に示すように、5個の前記半導体発光素子40〜44の列方向すなわち前記一直線X−X方向に対して交差する方向すなわち前記一直線X−Xに直交する一直線Y−Y方向に、かつ、5個の前記半導体発光素子40〜44の外側の2個の前記半導体発光素子41、44より内側に、5個の前記半導体発光素子40〜44と同数個、この例では、5個設けられている。5個の前記ワイヤパッド602〜642は、隣り合う2個の前記半導体発光素子40〜44の中間線上に、かつ、前記半導体発光素子40〜44から等距離に離れた位置に位置する。
【0033】
さらに、前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、真中に位置する前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40用の前記ワイヤパッド602は、図6に示すように、前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、右側の前記ストップランプ機能の2個の半導体発光素子41、42用の前記ワイヤパッド612、622と、前記5個の半導体発光素子40〜44のうち、左側の前記ストップランプ機能の2個の半導体発光素子43、44用の前記ワイヤパッド632、642との間に挟まれた状態で配置されている。なお、図6において、前記テールランプ機能の半導体発光素子40用の前記ワイヤパッド602は、実線で示されている1箇所に配置されているものである。ところが、図10に示すように、前記テールランプ機能の半導体発光素子40用の前記ワイヤパッド602は、実線で示されている1箇所以外に、二点鎖線で示されている3箇所のうち任意の1箇所に配置される場合がある。
【0034】
(包囲壁部材18の説明)
前記包囲壁部材18は、絶縁性部材たとえば樹脂、この例では、前記封止部材180の膨張収縮に追随できる柔軟性を持つエラストマー性を有する樹脂、たとえば、熱可塑性エラストマー、オレフィン系TPO樹脂などから構成されている。前記包囲壁部材18は、図2〜図6に示すように、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線素子の一部、すなわち、前記配線パターンの一部および5本の前記ボンディングワイヤ60〜64全部および5個の前記実装パッド601〜641全部および5個の前記ワイヤパッド602〜642全部、を包囲する環形状をなすものである。すなわち、前記包囲壁部材18は、中央部が中空部181であり、かつ、周囲部が壁部182である環形状をなすものである。
【0035】
前記包囲壁部材18は、特に図示しないが、前記半導体発光素子40〜44および前記配線素子の前記ボンディングワイヤ60〜64の高さよりも十分な高さを有する。前記包囲壁部材18は、前記封止部材180を充填する容量を小容量に規制する部材である。
【0036】
前記包囲壁部材18の前記壁部182の一端面の下端面には、嵌合部としての仮固定兼位置決めすなわち位置出し用の嵌合凸部185が少なくとも2個前記壁部182の内壁面の底辺が描く環形状の中心を通る対角線上に一体に設けられている。一方、前記基板3には、嵌合部としての仮固定兼位置決め用の嵌合孔(図示せず)が少なくとも2個、前記嵌合凸部185と対応して設けられている。前記嵌合凸部185と前記嵌合孔とを相互に嵌合することにより、前記包囲壁部材18と前記基板3とは、相互に固定されかつ位置決めされる。なお、前記嵌合孔は、前記嵌合凸部185が嵌合する嵌合凹部であっても良い。嵌合凸部185の外形と嵌合孔の内径には僅かなクリアランスを設ける事で封止部材の熱膨張・熱収縮に合わせて動き、マウントした半導体発光素子40〜44やボンディングワイヤ60〜64が受けるストレスを軽減する事ができる。
【0037】
前記嵌合凸部185と前記嵌合孔とにより前記基板3と相互に仮固定されかつ位置決めされた前記包囲壁部材18の前記壁部182の一端面の下端面は、前記基板3の前記実装面34に接着剤(図示せず)により接着固定すなわち実装されている。前記接着剤は、この例では、前記半導体発光素子40〜44の高温環境域では低弾性特性を有し、高温環境域での前記封止部材180および前記包囲壁部材18の膨張・収縮を吸収する部材、たとえば、エポキシ系樹脂もしくはシリコーン系樹脂などで構成されている。
【0038】
前記基板3に実装された前記包囲壁部材18の前記中空部181中であって、前記基板3の前記実装面34と前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面とにより区画されている空間中には、5個の前記半導体発光素子40〜44と5個の前記ワイヤパッド602〜642とがそれぞれ実装されていて、5本の前記ボンディングワイヤ60〜64がそれぞれボンディングされていて、前記封止部材180が充填されている。
【0039】
前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面には、前記半導体発光素子40〜44、特に、前記半導体発光素子40〜44の四側面から放射される光(図示せず)を所定の方向、たとえば、前記半導体発光素子40〜44の一正面から放射される光の方向とほぼ同方向、に反射させる反射面184が設けられている。前記反射面184は、図8、図9に示すように、前記壁部182の内周面の一端の下端から他端の上端にかけて末広がりに傾斜している。前記反射面184は、前記包囲壁部材18全体を高反射率の部材で構成したり、たとえば、前記包囲壁部材18の樹脂たとえばPBT、PPAなどに酸化チタンを含有して前記包囲壁部材18全体を白色化したり、あるいは、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面のみを高反射率の部材で構成したりして形成する。
【0040】
(包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状の説明)
前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状とは、前記基板3の前記実装面34と前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面とが接する部分の輪郭形状、すなわち、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面と底面とのなす角の輪郭形状である。前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状は、図6、図7に示すように、前記基板3の実装面34に対して垂直方向に見て、5個の前記半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする楕円を基調とした形状である。
【0041】
前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の前記反射面184は、一端の下端から他端の上端にかけて末広がりに傾斜している。このために、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面と上面とのなす角の輪郭形状、すなわち、前記壁部182の内周面の上端の輪郭形状は、楕円を基調とした形状であって、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面と底面とのなす角の輪郭形状、すなわち、前記壁部182の内周面の下端輪郭形状より一回り大きくした形状である。なお、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面は、必ずしも傾斜面ではなく垂直面でも良い。この場合において、前記壁部182の内周面の下端輪郭形状と前記壁部182の内周面の上端輪郭形状とは、ほぼ同一である。
【0042】
前記包囲壁部材18の前記壁部182の外周面の形状は、図6、図7に示すように、前記壁部182の内周面の形状より一回り大きくした形状、すなわち、5個の前記半導体発光素子40〜44の列方向(X−X)を長軸方向とする楕円を基調とした形状である。前記包囲壁部材18の前記壁部182の肉厚、すなわち、前記壁部182の内周面から外周面までの厚さは、ほぼ均一である。すなわち、前記包囲壁部材18の前記壁部182の断面の形状および大きさは、均一もしくはほぼ均一である。前記壁部182の断面とは、前記壁部182の内周面および外周面に対して直交する面で切断した面である。
【0043】
図10、図11に示すように、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端と前記ワイヤパッド642(612〜632)との間には、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端と前記ワイヤパッド642(612〜632)とが相互に接触しない程度の距離T1すなわち0.5mm以上が設けられている。前記ワイヤパッド612〜642は、前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44用のワイヤパッドである。
【0044】
図10、図11に示すように、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端(下端)と前記半導体発光素子44(41)の前記導電性接着剤640(610)との間には、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端(下端)と前記半導体発光素子44(41)の前記導電性接着剤640(610)とが相互に接触しない程度の距離T2(0.5mm以上)が設けられている。前記半導体発光素子41、44は、前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44のうち、前記楕円の長軸方向X−Xの左右両端の半導体発光素子である。
【0045】
以下、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状をさらに詳細に説明する。まず、図10に示す基準楕円Aを設定する。前記基準楕円Aは、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端における楕円である。すなわち、前記基準楕円Aは、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面と底面とのなす角の輪郭形状すなわち前記壁部182の内周面の下端輪郭形状における楕円である。
【0046】
前記基準楕円Aは、5個の前記半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とし、かつ、前記ワイヤパッド612〜642から、前記長軸方向X−Xと直交する短軸方向Y−Yに、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端と前記ワイヤパッド642(612〜632)とが相互に接触しない程度の距離T1すなわち0.5mm以上離れた点Bを通る楕円であって、面積が最小の楕円により、設定される。このように、「基準楕円」とは、複数個の半導体発光素子の列方向を長軸方向とし、かつ、配線素子から、長軸方向と直交する短軸方向に、包囲壁部材の内周面と配線素子とが相互に接触しない程度の距離以上離れた点を通る楕円であって、面積が最小の楕円である。
【0047】
つぎに、図10に示すように設定された前記基準楕円Aに基づいて、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状を設定する。前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状は、前記基準楕円Aを基調とする形状である。すなわち、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の形状は、図11に示すように、前記基準楕円Aの前記長軸方向X−Xの両端部の曲線Rであって、前記点Bから前記基準楕円Aの中心すなわち長軸X−Xと短軸Y−Yとの交点と反対側の曲線すなわち図11中において、二点鎖線で示す曲線Rを、前記基準楕円Aの中心側に変位させて、図11中において、実線で示す変位曲線R1、R2とする。前記変位曲線R1、R2は、左右両端の前記半導体発光素子41、44の前記導電性接着剤610、640から、前記長軸方向X−Xに、前記包囲壁部材18の前記壁部182の内周面の一端の下端と前記半導体発光素子44(41)の前記導電性接着剤640(610)とが相互に接触しない程度の距離T2すなわち0.5mm以上離れた点Cを通る曲線である。
【0048】
前記変位曲線R1、R2は、図7に示すように、前記長軸方向X−Xの左右両端部の第1変位曲線R1と、前記第1変位曲線R1と前記基準楕円Aの曲線とを結ぶ第2変位曲線R2と、からなる。前記第1変位曲線R1の曲率半径は、前記第2変位曲線R2の曲率半径と比較して大きい。このように、「楕円を基調とした形状」とは、基準楕円の長軸方向の両端部の曲線であって、包囲壁部材の内周面と配線素子とが相互に接触しない程度の距離以上離れた点から基準楕円の中心反対側の曲線を、基準楕円の中心側に変位させて、左右両端の半導体発光素子から、長軸方向に、包囲壁部材の内周面と半導体発光素子とが相互に接触しない程度の距離以上離れた点を通る変位曲線とする形状である。
【0049】
(封止部材180の説明)
前記封止部材180は、光透過性部材、たとえば、光透過性を有するエポキシ系樹脂もしくはシリコーン系樹脂から構成されている。前記封止部材180は、この例では、前記接着剤とほぼ同様に、前記半導体発光素子40〜44の高温環境域では低弾性特性を有したエポキシ系樹脂もしくはシリコーン系樹脂を使用する。
【0050】
前記封止部材180は、前記基板3に、前記半導体発光素子40〜44が実装され、かつ、前記ボンディングワイヤ60〜64がボンディング配線された後に、前記基板3に嵌合した前記包囲壁部材18によって形成された凹部の前記中空部181中に充填される。前記封止部材180が硬化することにより、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線パターンの一部および前記ボンディングワイヤ60〜64全部および前記実装パッド601〜641全部および前記ワイヤパッド602〜642全部および前記導電性接着剤600〜640が前記封止部材180により封止されることとなる。
【0051】
前記封止部材180は、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線パターンの一部および前記ボンディングワイヤ60〜64全部および前記実装パッド601〜641全部および前記ワイヤパッド602〜642全部および前記導電性接着剤600〜640を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぎ、かつ、紫外線や硫化ガスやNOxや水から保護するものである。すなわち、前記封止部材180は、前記5個の半導体発光素子40〜44などを外乱から保護するものである。
【0052】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、前記半導体型光源ユニット1を前記車両用灯具100に、着脱可能にあるいは固定的に取り付けるための取付部が設けられているものである。前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部の上端部には、鍔部71が一体に設けられている。前記絶縁部材7の一端部の上端部には、複数個この例では4個の取付部70が、前記ランプハウジング101の前記凹部と対応させて、一体に設けられている。なお、前記取付部70は、図3〜図5において3個しか図示されていない。
【0053】
前記取付部70は、前記半導体型光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー部12側の一部および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部中に挿入する。その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部に当てる。この時点において、前記取付部70と前記鍔部71とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(図1参照)。
【0054】
この結果、前記半導体型光源ユニット1の前記ソケット部11は、図1に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能にあるいは固定的に取り付けられる。この時点において、図1に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分すなわち図1中のランプハウジング101よりも下側の部分がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分すなわち図1中のランプハウジング101よりも上側の部分よりも大である。
【0055】
前記絶縁部材7の一端面の上端面には、凸部72が一体に設けられている。前記絶縁部材7の他端部の下端部には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0056】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、前記光源部10で発生する熱を外部に放射させるものである。前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性なお導電性をも有するアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部の上端部が平板形状をなし、中間部から他端部の下端部にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の前記当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性媒体(図示せず)により接着されている。この結果、前記半導体発光素子40〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心Oであって前記ソケット部11の中心O近傍部分が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0057】
前記熱伝導性媒体は、たとえば、熱伝導性接着剤であって、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコーン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。なお、前記熱伝導性媒体は、熱伝導性接着剤のほかに、熱伝導性グリースであっても良い。
【0058】
前記放熱部材8の3辺の右辺、左辺、下辺のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記挿通孔31〜33および前記絶縁部材7の前記凸部72にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置されている。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在されている。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0059】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、前記光源部10に給電するものである。前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の一端部の上端部は、末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93の一端部は、前記絶縁部材7の前記凸部72から突出して、前記接続部材17に電気的にかつ機械的に接続されている。
【0060】
前記給電部材91〜93の他端部の下端部は、窄まった形状をなしていて、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナルすなわちおす型端子910、920、930を構成するものである。
【0061】
(接続部材17の説明)
前記接続部材17は、導電性および弾性および展性、延性、塑性を有する部材、たとえば、リン青銅や黄銅などの部材から構成されている。前記接続部材17は、前記光源部10と前記ソケット部11とを電気的に接続するものである。
【0062】
すなわち、前記接続部材17は、嵌合などにより、前記基板3に機械的に接続されていて、かつ、半田または導電性接着剤(図示せず)により、前記基板3の前記配線素子の導体に電気的に接続されている。一方、前記接続部材17は、前記給電部材91〜93の一端部に、弾性当接や加締め付けおよび溶接などにより、電気的にかつ機械的に接続されている。
【0063】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナルすなわちめす型端子(図示せず)が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナルが前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナルと前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0064】
図1に示すように、前記コネクタ14の前記メスターミナルのうちの第1メスターミナルおよび前記第2メスターミナルは、ハーネス144、145およびスイッチ(図示せず)を介して電源たとえば直流電源のバッテリー(図示せず)に接続されている。前記コネクタ14の前記メスターミナルのうちの第3メスターミナルは、ハーネス146を介してアースすなわちグランドされている。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピンタイプのコネクタ部およびコネクタである。すなわち、前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナルからなるコネクタ部およびコネクタである。
【0065】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記5個の半導体発光素子40〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記カバー部12は、光学部品である。
【0066】
前記カバー部12は、図1に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部の一端開口部に取り付けられている。前記カバー部12は、前記封止部材180と共に、前記5個の半導体発光素子40〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぎ、かつ、紫外線や硫化ガスやNOxや水から保護するものである。すなわち、前記カバー部12は、前記5個の半導体発光素子40〜44を外乱から保護するものである。また、前記カバー部12は、前記5個の半導体発光素子40〜44以外に、前記制御素子の前記抵抗、前記ダイオードおよび前記配線素子の前記配線パターン、前記ボンディングワイヤ60〜64、前記実装パッド601〜641、前記ワイヤパッド602〜642、前記導電性接着剤600〜640をも外乱から保護するものである。なお、前記カバー部12には、通気孔(図示せず)を設ける場合がある。
【0067】
(第1の実施形態の作用の説明)
この第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源(光源部10)およびこの第1の実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニット1およびこの第1の実施形態における車両用灯具100(以下、「この第1の実施形態における半導体型光源(光源部10)および半導体型光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0068】
まず、スイッチをテールランプ点灯に操作する。すると、テールランプ機能の1個の半導体発光素子40に電流が供給される。この結果、テールランプ機能の1個の半導体発光素子40が発光する。
【0069】
このテールランプ機能の1個の半導体発光素子40から放射された光は、封止部材180、空気層、半導体型光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、半導体発光素子40から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0070】
つぎに、スイッチをストップランプ点灯に操作する。すると、ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44に電流が供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44が発光する。
【0071】
このストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44から放射された光は、封止部材180、空気層、半導体型光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、半導体発光素子41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい、すなわち、光束、輝度、光度、照度が大である。
【0072】
ここで、光源部10の半導体発光素子40〜44および制御素子の抵抗およびダイオードおよび配線素子の導体において発生した熱は、基板3および熱伝導性媒体を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。
【0073】
(第1の実施の形態の効果の説明)
この第1の実施形態における半導体型光源すなわち光源部10および半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0074】
包囲壁部材18により、封止部材180を充填する容量を小容量に規制することができる。これにより、封止部材180の容量が5個の半導体発光素子40〜44全部および配線素子の一部、すなわち、配線パターンの一部、ボンディングワイヤ60〜64、実装パッド601〜641、ワイヤパッド602〜642、導電性接着剤600〜640、を封止する分だけの容量で済み、基板の実装面全面に亘って充填される封止部材の容量と比較して、小容量で済む。この結果、封止部材180の容量が小容量で済むので、大容量の封止部材と比較して、封止部材180の応力や膨張収縮を低く抑制することができ、その分、封止部材180により封止されている5個の半導体発光素子40〜44および配線素子の一部、すなわち、配線パターンの一部、ボンディングワイヤ60〜64、実装パッド601〜641、ワイヤパッド602〜642、導電性接着剤600〜640、への影響、たとえば、半導体発光素子40〜44の剥離やボンディングワイヤ60〜64の断線などを極力抑制することができる。また、大容量の封止部材を必要とする包囲壁部材と半導体発光素子の距離が離れた構造の場合と比較して、封止部材180のクラックの発生を低く抑えることができ、その分、封止部材180の封止性能を向上させることができ、光学ユニットの製造の歩留まりが向上する。さらに、封止部材180の容量が小容量で済むので、製造コストを安価にすることができ、かつ、封止部材180の硬化時間を短縮して製造時間を短縮することができる。
【0075】
ソケット部11の放熱部材8の表面側から突き出た給電部材91〜93と、光源部10の基板3と、が接続されることにより、基板3の裏面の当接面35と放熱部材8の表面の当接面80とが密接状態に配置され、かつ、基板3の裏面の当接面35と放熱部材8の表面の当接面80との密接状態が維持される。この結果、半導体型光源ユニット1は、放熱性能に優れている。
【0076】
特に、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円A、もしくは、その基準楕円Aを基調とした形状であるから、下記の表1に示すように、包囲壁部材の内周面の形状が長方形や円形と比較して、封止部材180の容量をさらに小容量にすることができ、また、包囲壁部材の内周面の形状が長方形と比較して、封止部材180の応力をさらに低く抑制することができる。
【0077】
【表1】
【0078】
表1は、包囲壁部材の内周面の形状が、基準楕円の両端部の曲線を内側に変位させた形状のものと、基準楕円の形状のものと、長方形の形状のものと、円形の形状のものと、における封止部材の容量および封止部材の応力を示す説明図である。
【0079】
表1中の「リフレクタタイプ」とは、包囲壁部材の内周面の形状、「楕円+R」とは、基準楕円の両端部の曲線を内側に変位させた形状のもの、すなわち、前記第1の実施形態における包囲壁部材18である。「楕円」とは、基準楕円の形状のもの、すなわち、前記の実施形態における基準楕円Aである。「四角」とは、長方形の形状のものである。「円」とは、円形の形状のものである。
【0080】
「封止体積[mm 3]」とは、封止部材の容量である。「封止部上面面積[mm2]」とは、包囲壁部材の内周面の基板と反対側の面(開口面)の面積である。「封止部下面面積[mm 2]」とは、包囲壁部材の内周面の基板側の面(閉塞面)の面積である。「引張応力最大[Mpa]」とは、封止部材の引張応力の最大である。「圧縮応力最大[Mpa]」とは、封止部材の圧縮応力の最大である。なお、引張応力および圧縮応力は、シミュレーション値である。
【0081】
そして、「四角」における「封止体積[mm 3]」が「73.3」、「封止部上面面積[mm 2]」が「61.3」、「封止部下面面積[mm2]」が「35.2」、「引張応力最大[Mpa]」が「29.5」、「圧縮応力最大[Mpa]」が「14.7」である。
【0082】
つぎに、「楕円」における「封止体積[mm 3]」が「58.3」、「封止部上面面積[mm 2]」が「49.6」、「封止部下面面積[mm2]」が「27.1」、「引張応力最大[Mpa]」が「24.7」、「圧縮応力最大[Mpa]」が「12.1」である。
【0083】
それから、「楕円+R」における「封止体積[mm 3]」が「57.3」、「封止部上面面積[mm 2]」が「48.5」、「封止部下面面積[mm2]」が「26.8」、「引張応力最大[Mpa]」が「22.1」、「圧縮応力最大[Mpa]」が「11.4」である。
【0084】
最後に、「円」における「封止体積[mm 3]」が「97.0」、「封止部上面面積[mm 2]」が「77.6」、「封止部下面面積[mm2]」が「50.4」、「引張応力最大[Mpa]」が「21.9」、「圧縮応力最大[Mpa]」が「11.2」である。
【0085】
このように、上記の表1に示すように、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状を基準楕円A、もしくは、その基準楕円Aを基調とした形状とすることにより、包囲壁部材の内周面の形状が長方形や円形と比較して、封止部材180の容量を小容量にすることができ、また、包囲壁部材の内周面の形状が長方形と比較して、封止部材180の応力を抑制することができる。
【0086】
5個の半導体発光素子40〜44を基板3に一列に実装するものであるから、上下方向が短くかつ左右方向が長い車両用灯具の配光パターンに適している。
【0087】
基板3のうち、包囲壁部材18で規制されている範囲すなわち5個の半導体発光素子40〜44全部および配線素子の一部(配線パターンの一部、ボンディングワイヤ60〜64、実装パッド601〜641、ワイヤパッド602〜642、導電性接着剤600〜640)が封止部材180で封止されているが、その他の範囲すなわち制御素子の抵抗、ダイオードおよび配線素子の大部分(配線パターンの大部分)が封止部材180で封止されていないので、制御素子および配線素子の大部分からの熱を基板3の表面から外部に効率良く放射させることができ、放熱効果が向上される。
【0088】
2個の前記嵌合凸部185と嵌合孔とは、包囲壁部材18の壁部182の内壁面の底辺の環形状の中心を通る対角線上に一体に設けられている。この結果、包囲壁部材18の中心Oと、包囲壁部材18に包囲されている5個の半導体発光素子40〜44の中心Oとは、一致もしくはほぼ一致する。このために、嵌合凸部185の外形と嵌合孔の内径との間のクリアランスによるずれが生じた場合であっても、半導体発光素子40〜44やボンディングワイヤ60〜64が包囲壁部材18の内壁面と接触しない距離T1、T2を確保しやすい。また、嵌合凸部185の外形と嵌合孔の内径には僅かなクリアランスを設けることで封止部材180の熱膨張・熱収縮に合わせて動き、実装した半導体発光素子40〜44やボンディングワイヤ60〜64が受けるストレスを軽減することができる。
【0089】
包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aを基調とした形状、すなわち、包囲壁部材18の壁部182の内周面とワイヤパッド612〜642との間を、包囲壁部材18の壁部182の内周面とワイヤパッド612〜642と相互に接触しない距離T1すなわち0.5mm以上有し、かつ、包囲壁部材18の壁部182の内周面と導電性接着剤610、640との間を、包囲壁部材18の壁部182の内周面と導電性接着剤610、640とが相互に接触しない距離T2すなわち0.5mm以上有する形状であるから、上記の表1に示すように、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が楕円と比較して、封止部材180の容量をさらに小容量にすることができ、かつ、封止部材180の応力をさらに低く抑制することができる。
【0090】
包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aを基調とした形状、すなわち、基準楕円Aの長軸方向X−Xの両端部の曲線Rを基準楕円Aの中心側に曲線R1、R2として変位させた形状であるから、上記の表1に示すように、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が楕円と比較して、封止部材180の容量をさらに小容量にすることができ、かつ、封止部材180の応力をさらに低く抑制することができる。
【0091】
5個のワイヤパッド602〜642と5個の半導体発光素子40〜44とにボンディングワイヤ60〜64をそれぞれボンディングする際に、図6に示すように、ボンディングワイヤ60〜64のボンディングの方向および角度を同一にすることができる。この結果、ボンディングワイヤ60〜64のボンディングの工程時間を短縮することができ、しかも、ボンディングワイヤ60〜64のボンディングの品質安定性に寄与することができる。すなわち、製品の生産性の向上および製品の信頼性の向上を図ることができる。なお、図6においては、ボンディングワイヤ60〜64を、左上から右下に斜めにほぼ同一角度で傾斜している状態を図示するものである。図示されていないが、このボンディングワイヤ60〜64を、右上から左下に斜めにほぼ同一角度で傾斜してボンディングする場合もある。
【0092】
包囲壁部材18の壁部182の内周面から外周面までの厚さがほぼ均一あるいは均等、すなわち、包囲壁部材18の壁部182の断面形状と大きさが均一もしくはほぼ均一であるから、封止部材180で封止されている5個の半導体発光素子40〜44および配線素子の一部、すなわち、配線パターンの一部、ボンディングワイヤ60〜64、実装パッド601〜641、ワイヤパッド602〜642、導電性接着剤600〜640に、封止部材180によって作用する応力を均一にすることができるので、応力の偏りによる弊害を防ぐことができる。
【0093】
包囲壁部材18の反射面184により、半導体発光素子40〜44から放射される光を所定の方向に反射させることができるので、半導体発光素子40〜44から放射される光を有効利用することができる。しかも、包囲壁部材18の反射面184により意図する配光パターンを設計することができる。
【0094】
包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aを基調とした形状、すなわち、包囲壁部材18の壁部182の内周面と半導体発光素子41、44の導電性接着剤610、640との間の距離を距離T2すなわち0.5mm以上とした形状、あるいは、基準楕円Aの長軸方向X−Xの両端部の曲線Rを基準楕円Aの中心側に曲線R1、R2として変位させた形状である。このために、包囲壁部材18の反射面184と、特に左右両端の半導体発光素子41、44との間の距離が小さくなり、その分、半導体発光素子41、44から放射される光を包囲壁部材18の反射面184で効率良く反射させてさらに有効に利用することができる。
【0095】
(第2の実施形態の説明)
なお、前記第1の実施形態においては、5個の半導体発光素子40〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、半導体発光素子として、2個〜4個、6個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する半導体発光素子の個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する半導体発光素子の個数やレイアウトは、特に限定しない。すなわち、複数個の半導体発光素子が一列に実装されていれば良い。
【0096】
また、前記第1の実施形態においては、テール・ストップランプの複機能のランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプの複機能のランプ以外のコンビネーションランプの複機能のランプにも使用することができる。すなわち、小電流が供給され発光量が小さい半導体発光素子と大電流が供給され発光量が大きい半導体発光素子とを、発光量が小さいサブフィラメントと発光量が大きいメインフィラメントとに、代用することができる。
【0097】
さらに、前記第1の実施形態においては、テール・ストップランプの複機能のランプに使用するものである。ところが、この発明においては、単機能のランプにも使用することができる。すなわち、複数個の半導体発光素子をシングルフィラメントに代用して単機能のランプに使用することができる。単機能のランプとしては、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプすなわちすれ違い用ヘッドランプ、ヘッドランプのハイビームランプすなわち走行用ヘッドランプ、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどがある。
【0098】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用でき、または、切替を行わない1個のランプにも使用できる。
【0099】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、ソケット部11の放熱部材8が絶縁部材7で覆われているものである。ところが、この発明においては、ソケット部11の放熱部材8の一部、特に、後部のフィン形状の部分が絶縁部材7から露出しているものであっても良い。
【0100】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向と半導体型光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向とが一致するあるいは平行であるものである。ところが、この発明においては、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向と半導体型光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向とが交差あるいは直交するものであっても良い。
【0101】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aを基調とした形状である。ところが、この発明においては、包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状が5個の半導体発光素子40〜44の列方向X−Xを長軸方向とする基準楕円Aそのものであっても良い。
【0102】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、基板3にワイヤパッド602〜642および実装パッド601〜641を実装した後に、その基板3に包囲壁部材18を実装し、それから、その基板3に半導体発光素子40〜44を実装しかつボンディングワイヤ60〜64をボンディングするものである。ところが、この発明においては、包囲壁部材の実装工程と、半導体発光素子の実装工程およびワイヤのボンディング工程とを入れ替えても良い。
【0103】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、基準楕円Aを基調とする包囲壁部材18の壁部182の内周面の形状の変位曲線R1、R2が第1変位曲線R1と第2変位曲線R2とからなるものである。ところが、この発明においては、変位曲線が滑らかであれば、1個の変位曲線であっても良いし、変位曲線をさらに滑らかにするのであれば、3個以上の変位曲線であっても良い。
【0104】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、封止部材180としてエポキシ系樹脂を使用した場合においては、エポキシ系樹脂の膨張収縮による応力の緩和のために、包囲壁部材18としてより柔軟性を持たせたエラストマー性樹脂を使用しても良い。
【0105】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部182の内周面の一端の下端から他端の上端にかけて末広がりに傾斜している反射面184が設けられているものである。ところが、この発明においては、包囲壁部材の壁部の内周面に反射面を設けなくても良い。この場合において、包囲壁部材の壁部の内周面は、傾斜面ではなく、垂直面であっても良い。
【0106】
さらにまた、前記第1の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部182の肉厚すなわち壁部182の内周面から外周面までの厚さがほぼ均一すなわち均等である。ところが、この発明においては、包囲壁部材の壁部の肉厚がほぼ均一でなくても良い。
【符号の説明】
【0107】
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
1 半導体型光源ユニット
10 光源部(半導体型光源)
11 ソケット部
12 カバー部
13 コネクタ部
14 コネクタ
144、145、146 ハーネス
17 接続部材
18 包囲壁部材
180 封止部材
181 中空部
182 壁部
184 反射面
185 嵌合凸部
3 基板
30 高反射面
31、32、33 挿通孔
34 実装面
35 当接面
40、41、42、43、44 半導体発光素子
60、61、62、63、64 ボンディングワイヤ(配線素子)
600、610、620、630、640 導電性接着剤(配線素子)
601、611、621、631、641 実装パッド(配線素子)
602、612、622、632、642 ワイヤパッド(配線素子)
7 絶縁部材
70 取付部
71 鍔部
72 凸部
8 放熱部材
80 当接面
81、82、83 切欠
91、92、93 給電部材
910、920、930 オスターミナル
A 基準楕円
B ワイヤパッドから距離T1離れた点
C 導電性接着剤から距離T2離れた点
F 焦点
O 中心
R 基準楕円の曲線
R1、R2 変位曲線
T1 包囲壁部材とワイヤパッド間の距離
T2 包囲壁部材と導電性接着剤間の距離
X−X 一直線、長軸方向
Y−Y 一直線、短軸方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装面を有する基板と、
前記基板の前記実装面に一列に実装されている複数個の半導体発光素子と、
前記半導体発光素子の発光を制御する制御素子と、
前記制御素子を介して前記半導体発光素子に給電する配線素子と、
複数個の前記半導体発光素子全部を包囲する環形状の包囲壁部材と、
前記基板の前記実装面と前記包囲壁部材中で構成された凹部内の複数個の前記半導体発光素子を封止する光透過性の封止部材と、
を備え、
前記包囲壁部材の内周面の形状は、複数個の前記半導体発光素子の列方向を長軸方向とする楕円もしくは楕円を基調とした形状である、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源。
【請求項2】
絶縁部材と放熱部材と給電部材とを組み合わせてなるソケット部と、
前記ソケット部に取り付けられている請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源と、
を備える、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項3】
前記包囲壁部材は、中央部が中空部であり、かつ、周囲部が壁部である環形状をなし、
前記基板の前記実装面と前記包囲壁部材の底面には、相互に嵌合する凹凸嵌合部が少なくとも1箇所以上設けられ、
前記半導体発光素子を封止する前記封止部材の充填によって前記基板と前記包囲壁部材が接合されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源もしくは請求項2に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項4】
前記包囲壁部材の前記壁部の内周面の形状は、複数個の前記半導体発光素子の導電性接着剤とワイヤパッドの何れに対しても接触しない距離を0.5mm以上有する楕円もしくは楕円を基調とした形状である、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項5】
複数個の前記ワイヤパッドは、隣り合う2個の前記半導体発光素子の中間線上に、かつ、前記半導体発光素子から等距離に離れた位置に位置する、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項6】
前記包囲壁部材の前記壁部の断面形状および大きさは、均一である、
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項7】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源もしくは前記請求項2〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項1】
実装面を有する基板と、
前記基板の前記実装面に一列に実装されている複数個の半導体発光素子と、
前記半導体発光素子の発光を制御する制御素子と、
前記制御素子を介して前記半導体発光素子に給電する配線素子と、
複数個の前記半導体発光素子全部を包囲する環形状の包囲壁部材と、
前記基板の前記実装面と前記包囲壁部材中で構成された凹部内の複数個の前記半導体発光素子を封止する光透過性の封止部材と、
を備え、
前記包囲壁部材の内周面の形状は、複数個の前記半導体発光素子の列方向を長軸方向とする楕円もしくは楕円を基調とした形状である、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源。
【請求項2】
絶縁部材と放熱部材と給電部材とを組み合わせてなるソケット部と、
前記ソケット部に取り付けられている請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源と、
を備える、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項3】
前記包囲壁部材は、中央部が中空部であり、かつ、周囲部が壁部である環形状をなし、
前記基板の前記実装面と前記包囲壁部材の底面には、相互に嵌合する凹凸嵌合部が少なくとも1箇所以上設けられ、
前記半導体発光素子を封止する前記封止部材の充填によって前記基板と前記包囲壁部材が接合されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源もしくは請求項2に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項4】
前記包囲壁部材の前記壁部の内周面の形状は、複数個の前記半導体発光素子の導電性接着剤とワイヤパッドの何れに対しても接触しない距離を0.5mm以上有する楕円もしくは楕円を基調とした形状である、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項5】
複数個の前記ワイヤパッドは、隣り合う2個の前記半導体発光素子の中間線上に、かつ、前記半導体発光素子から等距離に離れた位置に位置する、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項6】
前記包囲壁部材の前記壁部の断面形状および大きさは、均一である、
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項7】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源もしくは前記請求項2〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−45656(P2013−45656A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183145(P2011−183145)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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