説明

車両用灯具

【課題】 本発明は、簡単な構成により、電球バルブの電球装着部への装着または交換の際に、電球装着部の挿入孔の位置を容易に視認できるようにした車両用灯具を提供することを目的とする。
【解決手段】 電球バルブ14と、この電球バルブを包囲するように前方に向かって凹状のリフレクタ12と、を含んでおり、上記電球バルブが、リフレクタの後端中心に形成された挿入孔13a内に後方から挿入されて、電球保持金具15により固定保持されている、車両用灯具10において、上記リフレクタ12が、その後面の挿入孔の周縁領域に配置された導光部16を有しており、この導光部の一部16aが、リフレクタの後面から前面まで貫通していると共に、その後端面の少なくとも一部に蓄光部17を備えるように、車両用灯具10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に電球バルブをリフレクタ後端に備えられた電球装着部後方から挿入して、電球バルブの口金を電球保持金具により固定保持するようにした車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような車両用灯具は、図6に示すように構成されている。
即ち、図6において、車両用灯具1は、ハウジング2と、ハウジング2内に設置されたリフレクタ3と、このリフレクタ3の後端中心に備えられた電球装着部4と、この電球装着部4に装着された電球バルブ5と、から構成されている。
【0003】
上記電球装着部4は、前方に向かって凹状に形成されたリフレクタ3の中心軸と同心に配置されており、その挿入孔4a内に、後方から電球バルブ5が挿入されるようになっている。
【0004】
上記電球バルブ5は、例えば図示の場合、ハロゲン電球として構成されており、上記電球装着部4に装着されたとき、挿入孔4aの周縁に当接して位置決めを行なう口金部5aと、上記リフレクタ3内にてその中心軸上に配置される発光部5bと、上記電球装着部4から後方に突出する端子5cと、から構成されている。
さらに、上記口金部5aは、半径方向外側に突出した複数個の突起5dを備えており、この突起5dが、上記電球装着部4の挿入孔4aの周縁に設けられた切欠部4b(図7参照)と係合することにより、円周方向に関して位置決めされるようになっている。
【0005】
ここで、上記電球バルブ5は、電球装着部4に装着された状態にて、電球保持金具6により、電球装着部4に対して固定保持されるようになっている。
この電球保持金具6は、図6に示すように、全体がほぼU字形状に構成されており、電球装着部4側に揺動可能に固定されるベース部6aと、このベース部6aの両端から延びる二本のアーム部6b,6cと、から構成されている。
そして、上記電球保持金具6は、その二本のアーム部6b,6cのうちの一方6bの先端が、電球装着部4に設けられた係止部4c(図7参照)に係止されることにより、アーム部6b,6cの中間部分が、電球バルブ5の口金部5aを電球装着部4の挿入孔4aの周縁に後方から前方に向かって押圧することにより、電球バルブ5を電球装着部4に対して固定保持するようになっている。
【0006】
このような構成の車両用灯具1によれば、電球バルブ5を電球装着部4に装着する場合、作業者は、一方の手で電球バルブ5を持って、他方の手で電球保持金具6を図6に示すように、外側に退避させた状態で押さえながら、後方から矢印Aで示すように、電球バルブ5を電球装着部4の挿入孔4a内に挿入する。
そして、電球バルブ5の口金部5aの突起5dを、挿入孔4aの周囲の切欠部4b内に嵌入させた状態で、口金部5aを挿入孔4aの周縁に当接させる。
最後に、電球保持金具6の二本のアーム部6b,6cを、電球装着部4の係止部4c,4dに係止することにより、電球バルブ5が電球装着部4に対して所定位置に装着されることになる。
【0007】
ところで、このような構成の車両用灯具1においては、電球バルブ5の電球装着部4への装着時または交換時には、電球装着部4の切欠部4bを目視しながら、電球バルブ5の口金部5aの突起5dを、挿入孔4aの周囲の切欠部4b内に嵌入させる必要がある。
しかしながら、夜間等の暗い場所では、電球装着部4の切欠部4bを例えば懐中電灯等で光を照射しながら、電球バルブ5を電球装着部4に対して装着しなければならず、両手で電球バルブ5と電球保持金具6を保持する作業ができなくなってしまう。
【0008】
さらに、このような状態で無理に作業しようとすると、電球バルブ5を電球装着部4の挿入孔4aに挿入したとき、誤って電球バルブ5の発光部5bのガラス部分を損傷してしまったり、あるいは電球バルブ5の口金部5aの突起5dが挿入孔4aの切欠部4b内に嵌入しない状態で、即ち所定位置から外れた状態で、電球バルブ5を電球装着部4に対して固定してしまうことがある。
電球バルブ5が電球装着部4に対して正しく取り付けられていないと、電球バルブ5が駆動され発光したとき本来の配光性能が得られない。また、発生する熱によってリフレクタ3が高熱により溶解するおそれもある。
【0009】
これに対して、特許文献1においては、リフレクタの裏面とハウジングの内面との少なくとも一方に、蛍光を発する蓄光材料が設置されている車両用灯具が開示されている。
この車両用灯具によれば、上記蓄光材料が蛍光を発することにより、この蛍光がリフレクタの裏面からハウジングの内面に回り込むので、当該車両用灯具を前方から観察したとき、ハウジングの周囲の内側が間接的に光って見えることになる。
【特許文献1】特開2004−079224号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1による車両用灯具において、リフレクタの裏面またはハウジングの内面に蓄光材料を設置して、この蓄光材料からの蛍光により、ハウジングの周囲の内側を間接的に光らせることによって、外観見栄えを向上させて、意匠性を高めるようになっている。
従って、車両用灯具を後方から観察した場合には、上記蓄光材料からの蛍光はまったく視認され得ないので、本発明とは目的,構成及び効果が異なるものである。
【0011】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、電球バルブの電球装着部への装着または交換の際に、電球装着部の挿入孔の位置を容易に視認できるようにした車両用灯具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、本発明の第一の構成によれば、光源としての電球バルブと、この電球バルブを包囲するように前方に向かって凹状のリフレクタと、を含んでおり、上記電球バルブが、リフレクタの後端中心に形成された挿入孔内に後方から挿入されて、電球保持金具により固定保持されている、車両用灯具において、上記リフレクタが、その後面の挿入孔の周縁領域に配置された導光部を有しており、この導光部の少なくとも一部が、リフレクタの後面から前面まで貫通していると共に、その後端面の少なくとも一部に蓄光部を備えていることを特徴とする、車両用灯具により、達成される。
【0013】
この第一の態様では、電球バルブの点灯時に、電球バルブの発光部から出射した光が、リフレクタの前面から導光部内に入射し、この導光部内を後方に向かって進むことにより、後端面に備えられた蓄光部に達する。これにより、蓄光部が蛍光等の光を発する。
また、電球バルブの光により蓄光部が光っていない場合には、懐中電灯等により、上記導光部の後端面の蓄光部に対して、例えば前方からリフレクタの前面に露出した導光部を介して、あるいはリフレクタの後側から、直接に蓄光部に光を照射することにより、蓄光部が蛍光等の光を発する。
【0014】
従って、電球バルブを交換する場合に、例えば夜間における自動車の走行中に電球バルブが切れた場合には、直前まで電球バルブからの光が導光部を介して蓄光部に照射されていることから、蓄光部が光っているので、作業者は、この光って見える蓄光部を目安として挿入孔の形状を確認することができる。
これにより、作業者は、懐中電灯等により挿入孔の周辺に光を照射することなく、電球バルブを挿入孔内に導いて、電球バルブの口金部の突起を確実に挿入孔の周縁の切欠部内に嵌入させることができる。
【0015】
このようにして、作業者は、夜間等の周囲が暗い場合であっても、蓄光部の光っている部分を視認することにより、容易に挿入孔の形状そして切欠部の位置を確認することができるので、懐中電灯等を手で持つ必要なく、一方の手で電球バルブを持って、他方の手で電球保持金具を押さえることにより、電球バルブの交換を行なうことができる。
これにより、作業者は、電球バルブを交換する際に、誤って電球バルブのガラス部分を損傷することなく、挿入孔に対して正しい位置に確実に電球バルブを装着することができる。
【0016】
本発明の第二の態様による車両用灯具は、前記第一の態様による車両用灯具において、上記蓄光部が、上記導光部の後端面に蛍光材料等を塗布することにより形成されていることを特徴とする。
この第二の態様では、導光部の後端面に対して、容易に蓄光部を形成することができる。
【0017】
本発明の第三の態様による車両用灯具は、前記第一または第二の態様による車両用灯具において、上記導光部が、リフレクタの後面から前面まで貫通する部分の先端に複数個のフックを備えており、これらのフックがリフレクタの前面側に設けられた係合部に係合することにより、リフレクタに対して着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
この第三の態様では、上記リフレクタを後面から前面まで貫通する部分にフックが設けられているので、簡単な構成により、上記導光部が容易にリフレクタに対して着脱可能に取り付けられ得ることになる
【0018】
本発明の第四の態様による車両用灯具は、前記第三の態様による車両用灯具において、上記導光部が、挿入孔を包囲するようにリフレクタに対して取り付けられていることを特徴とする。
この第四の態様では、導光部の後端面に蓄光部を備えることにより、挿入孔の周囲に蓄光部を配置することができる。
【0019】
本発明の第五の態様による車両用灯具は、前記第一から第四の何れかの態様による車両用灯具において、上記導光部が、切欠部を備えた挿入孔の形状に対応した形状の蓄光部を備えていることを特徴とする。
この第五の態様では、電球バルブを交換する作業者が、光って見える蓄光部の形状を視認することにより、挿入孔の形状を把握することができるので、電球バルブを確実に挿入孔内に挿入することができる。従って、電球バルブのガラス部分を破損してしまったり、電球バルブの口金部を、挿入孔に対してずれた位置で装着してしまうようなことがなく、電球バルブを挿入孔に対して正しい位置で確実に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、電球バルブの交換作業等の際に、蓄光部を光らせておくことにより、作業者は、挿入孔周辺を懐中電灯等で照らす必要なく、電球バルブを一方の手で持って、同時に他方の手で電球保持金具を退避させた状態で押さえながら、両手を使用して電球バルブの挿入孔への装着を行なうことができる。
【0021】
従って、電球バルブを正確に挿入孔内に挿入することができると共に、電球バルブの口金部の突起を容易に且つ正確に挿入孔の切欠部内に嵌入させることができるので、電球バルブのガラス部分が破損したり、電球バルブが正しい位置から外れてしまうようなことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の好適な実施形態を図1から図5を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0023】
図1は、本発明による車両用灯具の一実施形態の構成を示している。
図1において、車両用灯具10は、自動車のヘッドランプとして構成されており、ハウジング11と、ハウジング11内に設置されたリフレクタ12と、このリフレクタ12の後端中心に備えられた電球装着部13と、この電球装着部13に装着された電球バルブ14と、電球保持金具15と、導光部16と、蓄光部17と、から構成されている。
【0024】
上記ハウジング11は、車両用灯具10の全体を覆って、保護するようになっており、前面が透光性材料から成る前面レンズ(図示せず)により構成されている。
【0025】
上記リフレクタ12は、前方に向かって凹状に形成されており、電球バルブ14の発光部から出射する光を反射されて、前方に向かって集束するようになっている。
ここで、上記リフレクタ12は、例えば楕円系あるいは放物系反射面として形成されている。
【0026】
上記電球装着部13は、図2に示すように、上述したリフレクタ12の中心軸と同心に配置されており、後方に向かって突出する円環状のリブとして形成されており、その内側に画成される挿入孔13a内に、後方から電球バルブ14が挿入されるようになっている。
【0027】
上記電球バルブ14は、例えば図示の場合、ハロゲン電球として構成されており、上記電球装着部13に装着されたとき、挿入孔13aの周縁に当接して位置決めを行なう口金部14aと、上記リフレクタ12内にてその中心軸上に配置される発光部14bと、上記電球装着部13から後方に突出する端子14cと、から構成されている。
【0028】
さらに、上記口金部14aは、半径方向外側に突出した複数個(図示の場合、三個)の突起14dを備えており、この突起14dが、上記電球装着部13の挿入孔13aの周縁に設けられた切欠部13b(図1参照)と係合することにより、円周方向に関して位置決めされるようになっている。
【0029】
ここで、上記電球バルブ14は、電球装着部13に装着された状態にて、電球保持金具15により、電球装着部13に対して固定保持されるようになっている。
この電球保持金具15は、図1に示すように、全体がほぼU字形状に構成されており、電球装着部13側に揺動可能に固定されるベース部15aと、このベース部15aの両端から延びる二本のアーム部15b,15cと、から構成されている。
そして、上記電球保持金具15は、その二本のアーム部15b,15cのうちの一方15bの先端が、電球装着部13に設けられた係止部13c(図1参照)に係止されることにより、アーム部15b,15cの中間部分が、電球バルブ14の口金部14aを電球装着部13の挿入孔13aの周縁に後方から前方に向かって押圧することにより、図3に示すように、電球バルブ14が電球装着部13に対して所定位置に固定保持されるようになっている。
【0030】
以上の構成は、図6に示した従来の車両用灯具1と同様の構成であるが、本発明による車両用灯具10においては、さらに導光部16及び蓄光部17を備えている点で異なる構成になっている。
【0031】
上記導光部16は、図2に示すように、耐熱性の透光性材料、例えばポリカーボネイト樹脂等から成り、ほぼ環状に形成されている。
そして、上記導光部16は、図2に示すように、上記リフレクタ12の後面にて、上記電球装着部13の周りに配置され、固定保持され得るようになっている。
【0032】
ここで、上記導光部16は、図4に示すように、電球装着部13の各切欠部13bに対応した位置にて、半径方向外側に突出し且つ前方に向かって延びる三つの突出部16aを備えており、これらの突出部16aの前方に突出した先端が、半径方向外側に屈曲してフック部16bを形成している。
【0033】
そして、これらの突出部16aが、それぞれリフレクタ12に対応して設けられた係合孔12aに嵌入すると共に、その先端のフック部16bが係合孔12aに隣接して設けられた係合部12bに係合することにより、図1及び図3に示すように、各突出部16aそして導光部16が、リフレクタ12に対して固定保持され得るようになっている。
【0034】
さらに、上記各突出部16aは、図5に示すように、上記リフレクタ12の係合孔12a内にて前方を向いた端面16cが、電球バルブ13からの光を、屈折により後方に向かって電球バルブ13の光軸とほぼ平行に導くように、外側が後方に延びるように斜めに形成されている。
【0035】
上記蓄光部17は、図2及び図4に示すように、上記導光部16の後端面の一部、即ち電球装着部13の挿入孔13aの周縁に対向する部分及び突出部16aの領域に設けられている。
ここで、この蓄光部17は、例えば蛍光塗料等の蓄光材により、形成されている。
具体的には、上記蓄光部17は、このような蓄光材を含有する塗料を、塗布または塗装することにより、形成されている。
【0036】
本発明実施形態による車両用灯具10は、以上のように構成されており、電球バルブ14が外部から端子14cを介して給電されると、電球バルブ14の発光部14aから光L1が出射し、直接に、あるいはリフレクタ12で反射されて、前方に向かって照射される。
【0037】
また、電球バルブ14の発光部14aから出射した光の一部L2が、図5に示すように、リフレクタ12の内面に露出している導光部16の端面16cに入射し、この端面16cにより屈折して上記導光部16内を後方に向かって進む。
この光L2は、上記導光部16の後端面から出射して、蓄光部17に入射することになる。これにより、蓄光部17が入射光により励起されて、蛍光等の光を出射する。
【0038】
さらに、上記蓄光部17は、懐中電灯等により光を照射することにより、励起されて、蛍光等の光を出射する。
そして、上記蓄光部17は、入射光がなくなっても、ある程度の時間は、上記蛍光等の光を出射し続けることになる。
【0039】
ここで、電球バルブ14を交換する場合、作業者は、まず蓄光部17が光っているか否かを確認し、例えば電球バルブ14の消灯直後等で、蓄光部17が光っている場合には、直ぐに交換作業を開始する。
また、蓄光部17が光っていない場合には、作業者は、懐中電灯等によって、車両前照灯10の前方からリフレクタ12の中心付近に光を当てて、この光を導光部16を介して、蓄光部17に照射し、あるいは車両前照灯10の後方から電球装着部13付近に光を当てて、同様に蓄光部17に光を照射する。
これにより、蓄光部17が光ることになる。
【0040】
その後、作業者は、図1に示すように、一方の手で電球バルブ14を持つと共に、電球保持金具15を退避させた状態で他方の手で押さえる。
そして、作業者は、光っている蓄光部17を視認することにより、電球装着部13の挿入孔13aそして切欠部13bの位置を確認した上で、電球バルブ14の突起14dを電球装着部13の切欠部13bに合わせて、電球バルブ14を上記挿入孔13a内に挿入すると共に、電球バルブ14の口金部14aを、電球装着部13の挿入孔13aの周縁に当接させる。
【0041】
最後に、この状態から、電球保持金具15を揺動させて、そのフック15aの先端を、電球装着部13の係合部13cに係合させる。
これにより、電球バルブ14は、その口金部14aが、上記電球保持金具15の二つのフック15b,15cの中間部分により、電球装着部13の挿入孔13aの周縁に対して後方から押圧され、固定保持されることになる。
【0042】
このようにして、本発明による車両用灯具10によれば、例えば夜間等の暗い場所であっても、懐中電灯等で車両用灯具10の電球装着部13付近を照らすことなく、光っている蓄光部17を視認することにより、電球装着部13の挿入孔13aそして切欠部13bの位置を正確に把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上述した実施形態においては、上記導光部16は、三つのフック部16bが、対応してリフレクタ12に設けられた係合孔12bに係合して、リフレクタ12に対して固定保持されるようになっているが、これに限らず、二個または四個以上のフック部16bにより固定保持されてもよく、またフック部16と係合部12bとの係合に限らず、他の固定保持手段、例えばネジ止め等により固定保持されるようにしてもよいことは明らかである。
【0044】
また、上述した実施形態においては、上記リフレクタ12の後面から前面まで貫通する導光部16の突出部16aが三箇所に設けられているが、これに限らず、またフック部16bに対応することなく、二箇所または四箇所以上備えられていてもよい。
【0045】
さらに、上述した実施形態においては、導光部16は、リフレクタ12に対して別体に成形されているが、これに限らず、導光部16及びリフレクタ12が互いに一体に成形されていてもよい。
この場合、一体成形品に対して、リフレクタ12の反射面に対応する領域に、反射膜が形成されるようにすればよい。
【0046】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、電球バルブの電球装着部への装着または交換の際に、電球装着部の挿入孔の位置を容易に視認できるようにした極めて優れた車両用灯具が提供され得る。
そして、本発明による車両用灯具は、ヘッドランプとして構成された場合について説明したが、これに限らず、ヘッドランプ以外の車両前照灯,フォグランプ等の補助前照灯、あるいは他の車両用灯具においても、有効に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明による車両用灯具の第一の実施形態の構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1の車両用灯具におけるリフレクタと導光部との関係を示す分解斜視図である。
【図3】図1の車両用灯具における概略断面図である。
【図4】図1の車両用灯具の電球装着部を後方から見た部分拡大図である。
【図5】図1の車両用灯具における電球バルブから導光部を介して蓄光部までの光入射状態を示す概略断面図である。
【図6】従来の車両用灯具の一例の構成を示す概略斜視図である。
【図7】図6の車両用灯具の電球装着部を後方から見た部分拡大図である。
【符号の説明】
【0048】
10 車両用灯具
11 ハウジング
12 リフレクタ
12a 係合孔
12b 係合部
13 電球装着部
13a 挿入孔
13b 切欠部
14 電球バルブ
14a 口金部
14b 発光部
14c 端子
14d 突起
15 電球保持金具
15a ベース部
15b,15c アーム部
16 導光部
16a 突出部
16b フック部
16c 端面
17 蓄光部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源としての電球バルブと、この電球バルブを包囲するように前方に向かって凹状のリフレクタと、を含んでおり、上記電球バルブが、リフレクタの後端中心に形成された挿入孔内に後方から挿入されて、電球保持金具により固定保持されている、車両用灯具において、
上記リフレクタが、その後面の挿入孔の周縁領域に配置された導光部を有しており、この導光部の少なくとも一部が、リフレクタの後面から前面まで貫通していると共に、その後端面の少なくとも一部に蓄光部を備えていることを特徴とする、車両用灯具。
【請求項2】
上記蓄光部が、上記導光部の後端面に蛍光材料等を塗布することにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
上記導光部が、リフレクタの後面から前面まで貫通する部分の先端に複数個のフックを備えており、これらのフックがリフレクタの前面側に設けられた係合部に係合することにより、リフレクタに対して着脱可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記導光部が、挿入孔を包囲するようにリフレクタに対して取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
上記導光部が、切欠部を備えた挿入孔の形状に対応した形状の蓄光部を備えていることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の車両用灯具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−317509(P2007−317509A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146052(P2006−146052)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】