説明

車両用灯具

【課題】配線用ハーネスと基板の接続部分における断線の防止、基板の放熱性の向上、配線用ハーネスを外部から隠して意匠性の向上、及び組み立て時における作業性の向上を図ることができるようにした車両用灯具を提供する。
【解決手段】半導体型光源14U,14Dが実装された基板13aが取り付けられて灯室内に配設されたホルダ15と、ホルダ15の背面に取り付けられているヒートシンク部材16と、半導体型光源14U,14Dからの出射光を前方に向けて反射させる反射面を有するリフレクタ12と、ホルダ上に設けられ、灯室内における配線用ハーネス27の基板13aから灯室外までの引き出しを、配線用ハーネス27を位置決め係止してガイドするガイド用切欠30を有したハーネスガイド29と、を設けてなる車両用灯具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用灯具に関するものであり、特に、灯室内にLED等の半導体型光源を備え、前記灯室内から前記灯室外に引き出されている配線用ハーネスを介して前記半導体光源に電流を供給するタイプの車両用前照灯等の車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来から例えば特許文献1等で知られている。従来の車両用前照灯は、半導体型光源が実装されて前記灯室内に配設されている基板と、この基板が取り付けられて灯室内に配設されているホルダと、灯室外でホルダの背面に取り付けられたヒートシンク部材と、灯室内に設けられて半導体型光源からの出射光を前方に向けて反射させる反射面を有するリフレクタ等で構成されている。
【0003】
そして、半導体型光源を実装している基板と外部電源との間は、灯室内に這わせた配線用ハーネスを介して電気接続されており、その配線用ハーネスの配置は灯具前方から見たときに外側から見える状態で、単に引き回した状態で取り付けられている。
【0004】
また、ホルダの背面にヒートシンク部材を取り付けて、半導体型光源及び基板から発生する熱を外部に放熱させるようにしているが、その放熱作用は必ずしも十分とは言えるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2010−108776号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、半導体型光源を備えた灯室内から配線用ハーネスを灯室外に引き出し、配線用ハーネスを介して半導体光源に電流を供給するようにした車両用灯具では、灯具の外側から灯具の内部を見たとき、配線用ハーネスが外側から見える状態で、また、単に配線用ハーネスを引き回した状態で取り付けているので、見栄えが悪く、意匠性の面での問題点があった。
【0007】
さらに、配線用ハーネスが何らかの原因で灯室外の方向に引かれたとき、配線用ハーネスが灯室外の方向に動き、基板と接続されている部分に大きな負荷が掛かり、配線用ハーネスと基板との接続部分が破断(断線)する虞があるという問題点があった。
【0008】
また、ホルダの背面にヒートシンク部材を取り付けて半導体型光源及び基板から発生する熱を外部に放熱させるようにしているが、その放熱作用は必ずしも十分とは言えるものではなく、このため基板に熱が溜まり半導体型光源の寿命時間を短くする虞もあるという問題点もあった。
【0009】
さらに、車両灯具を組み立てる際、ホルダに対して基板とヒートシンク部材とリフレクタ等を精度良く取り付ける作業が面倒で、組み立て作業性が悪いという問題点もあった。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、配線用ハーネスと基板の接続部分における断線の防止と、基板の放熱性を向上させ、故障を少なくして信頼性の向上を図るとともに、配線用ハーネスを外部から隠して意匠性を向上させて、さらに組み立て時に部品を簡単、かつ精度良く組み立てることができるようにして組み立て作業性の向上を図ることができるようにした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、灯室内に半導体型光源を備え、前記灯室内から前記灯室外に引き出されている配線用ハーネスを介して前記半導体光源に電流を供給する車両用灯具であって、前記半導体型光源が実装されて前記灯室内に配設されている基板と、前記基板が取り付けられて前記灯室内に配設されているホルダと、前記灯室外で前記ホルダの背面に取り付けられているヒートシンク部材と、前記灯室内に設けられて前記半導体型光源からの出射光を前方に向けて反射させる反射面を有するリフレクタと、前記灯室内で前記ホルダ上に設けられ、前記灯室内における前記配線用ハーネスの前記基板から前記灯室外までの引き出しを、少なくとも該配線用ハーネスの一部を位置決め係止してガイドするガイド用切欠を有するハーネスガイドと、を設けてなる。
【0012】
この構成によれば、灯室内の基板と灯室外の電源とを接続する配線用ハーネスは、灯室内において、ホルダ上に設けられたハーネスガイドのガイド用切欠に位置決め係止されて、決められた位置に決められた姿勢で配線される。
【0013】
上記構成において、前記ハーネスガイドは、前記配線用ハーネスの引き出し方向に配列して形成された複数個の放熱機能を有するフィンを有するとともに、前記ガイド用切欠を該フィンの根元部に、該フィンに対する前記配線用ハーネスの位置決めにより、該配線用ハーネスの一部が該フィンに隠れるようにして設けてなる、構成を採用できる。
【0014】
この構成によれば、配線用ハーネスを位置決め係止しているガイド用切欠を設けたハーネスガイド用のフィンが、ヒートシンクの機能も成し、基板に発生する熱はヒートシンク部材の他に、フィンを通しても放熱される。これにより、放熱効果が向上し、基板での熱溜まりが無くなり、半導体型光源の寿命時間を延ばすことができ、信頼性の向上が図れる。また、前記配線用ハーネスがフィンで隠され、外側から見えないようにすることができるので、意匠性並びに見栄えの向上が図れる。
【0015】
上記構成において、前記ハーネスガイドは、前記ガイド用切欠を、前記配線用ハーネスが蛇行した状態で位置決め係止されるようにして設けてなる、構成を採用できる。
【0016】
この構成によれば、配線用ハーネスはハーネスガイドにより蛇行した状態で配線されているので、配線用ハーネスが何らかの原因で灯室外方向に引かれたとき、配線用ハーネスの蛇行が配線用ハーネスとハーネスガイドとの間に大きな摩擦力を発生させ、配線用ハーネスが灯室外方向に動くのを抑えて引く力を吸収する。これにより、基板と配線用ハーネスの接続部分に外力が加わるのを防止し、配線用ハーネスと基板の接続部分における断線を未然に防ぐことができる。
【0017】
上記構成において、前記ホルダと前記基板との間には、前記基板を前記ホルダ上に位置決めする位置決め孔と位置決めピンを有し、前記ホルダと前記リフレクタとの間には、前記リフレクタを前記ホルダ上に位置決めする位置決め孔と位置決めピンを設けてなる、構成を採用できる。
【0018】
この構成によれば、組み立て時に、位置決め孔と位置決めピンを互いに係合させて組み立てることにより、ホルダと基板、及びホルダとリフレクタ等を簡単、かつ精度良く組み立てることができ、作業性の向上が図れる。
【発明の効果】
【0019】
発明によれば、灯室内の基板と灯室外の電源とを接続する配線用ハーネスを、灯室内において、決められた位置に決められた姿勢で配線することができるので、見栄えを向上させることができる。また、配線用ハーネスと基板の接続部分における断線を防止し、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る車両用前照灯の一実施例を示し、その要部の正面図である。
【図2】図1のA−A線矢視概略断面図である。
【図3】同上実施例において、ヒートシンク部材にホルダを取り付けた状態で示す斜視図である。
【図4】同上実施例において、ホルダに基板及び配線用ハーネスを配設した取付状態を拡大して示す斜視図である。
【図5】図4の上面図である。
【図6】図4の正面図である。
【図7】同上実施例におけるヒートシンク部材の正面図である。
【図8】同上実施例における変形例を示す説明図である。
【図9】図8のB−B線概略断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について詳細に説明する。
【0022】
図1及び図2は本発明の一実施形態としての車両用灯具、より具体的には車両用前照灯を示し、図1はその正面図、図2は図1のA−A線矢視概略断面図である。
【0023】
図1及び図2において、車両用前照灯10は、パラボラ系の自由曲面(NURBS曲面)からなる上側反射面11U及び下側反射面11Dを有するリフレクタ12と、平面矩形形状(平面長方形状)の発光チップ13bを有する上側半導体型光源14U及び下側半導体光源14Dと、ホルダ15と、ヒートシンク部材16と、図示しないランプハウジング及びランプレンズ(例えば、素通しのアウターレンズ等)から構成されている。
【0024】
なお、図示しないが、ランプハウジング及びランプレンズは、灯室を区画しているものであり、前記リフレクタ12、ホルダ15、ヒートシンク部材16は、ランプユニットとしてユニット化されてその灯室内に配置されている。また、その灯室内には、前記ランプユニット以外に、フォグランプ、コーナリングランプ、クリアランスランプ、ターンシグナルランプ等の他のランプユニットが配置されている場合もある。
【0025】
前記ホルダ15は、上固定面15aと下固定面15bとを有する板形状を成した本体部15Aと、本体部15Aの背面側(ヒートシンク部材16と対向する側)に本体部15Aと一体に形成された上下方向へ直角に延びる取付片15Bを有して断面概略T形形状に形成されている。取付片15Bの前面側には取付面15cを設けている。また、前記ホルダ15は、例えば、熱伝導率が高い樹脂部材もしくは金属部材から構成されている。
【0026】
前記ヒートシンク部材16は、ホルダ15と対向する前面側を取付面16aとし、背面側に複数個のフィン17を形成してなる台形形状をしたヒートシンク部16bを設けている。このヒートシンク部材16は、例えば熱伝導率が高い樹脂部材もしくは金属部材から構成されている。
【0027】
前記リフレクタ12及び前記上側半導体型光源14U及び前記下側半導体型光源14D及び前記ホルダ15及び前記ヒートシンク部材16は、ランプユニットを構成する。すなわち、前記リフレクタ12は、前記ヒートシンク部材16の取付面16aに固定保持されている。一方、前記上側半導体型光源14Uは、前記ホルダ15の上固定面15aに固定保持され、前記下側半導体型光源14Dは、前記ホルダ15の下固定面15bに固定保持されている。前記ホルダ16は、前記ヒートシンク部材16の取付面16aに固定保持されている。
【0028】
さらに詳述すると、前記リフレクタ12は、例えば光不透過性の樹脂部材を成形して、前側がほぼ円形に開口され、後側が閉塞されたパラボラ形に形状されている。なお、前記リフレクタ12の前方側の開口部の大きさは、直径約100mm以下、好ましくは、約50mm以下である。一方、前記リフレクタ12の閉塞されている中間部には、横長のほぼ長方形の窓部18が設けられている。前記リフレクタ12の前記窓部18には、前記ホルダ15が挿入されている。そのホルダ15が挿入された窓部18には、内側に向かって延出された係合片12aが設けられ、この係合片12aに位置決め孔38が設けられている。
【0029】
また、前記リフレクタ12の背面側(閉塞部の外側)には、開口部の後側から後方に向かって延びる4本の取付脚部19がほぼ等間隔で設けられている。各取付脚部19の先端部(後端)には、外側に向かって略直角に折り曲げられてなる取付片19aが設けられ、該取付片19aに前後方向に貫通した取付孔20が形成されている。
【0030】
前記半導体型光源14U、14Dは、基板13aと、その前記基板13aに実装された前記発光チップ13bと、から構成されている。前記基板13aの左右両端部には取付孔21が設けられ、下面中央には左右1対の位置決めピン22が形成されている。また、基板13aには、前記灯室外の電源と電気的に接続される配線用ハーネス27の一端がはんだ付け等により連結されている。
【0031】
前記ホルダ15は、図5,図6に示すように、取付片15Bの背面面15cに後方(ヒートシンク部材16側)へ向かって突出して形成されている2本の位置決めピン23と、取付片15Bの左右両側にそれぞれ取付孔24を設けて形成されている取付片25を有している。
【0032】
また、前記ホルダ15の取付片15Bの前面において、本体部15Aの上固定面15aと下固定面15bの中央部には、図6に示すように前記基板13aの位置決めピン22が係合可能な位置決め孔25と、取付孔21に対応する取付孔26が各々設けられている。一方、本体部15Aの前面左右両側には、リフレクタ12の係合片12に設けた位置決め孔38に係合されて互いに位置決め可能な、位置決めピン39が形成されている。
【0033】
また、本体部15Aと取付片15Bとのコーナー部には、取付片15Bから前方に向かうようにして複数個のフィン28が本体部15A及び取付片15Bと一体に形成されている。それらのフィン28は、放熱機能を有するもので、取付片15Bの中心を挟んで左右に4枚ずつの、合計8枚のフィン28が互いに間隔を置いて設けられている。なお、片側(前面視右側)の4枚のフィン28は、灯室内で前記配線用ハーネス27をガイドするためのハーネスガイド29を形成しており、そのハーネスガイド29を形成している各フィン28の根元部には、前記配線用ハーネス27を位置決め係止するためのガイド用切欠30が上端から下側に向かって形成されている。なお、各フィン28のガイド用切欠30は、横一直線に並んで形成されているのではなく、例えば図5に示すように、各フィン28のガイド用切欠30を通る配線用ハーネス27が蛇行した状態に引き回されて配設されるように、取付片15Bからの位置を異ならせて設けている。なお、フィン28の数及びガイド用切欠30を設ける側(左または右)は、特に限定されることはなく、自由に設定をしてよい。
【0034】
前記ヒートシンク部材16は、図7に示すように、取付面16a側において、ホルダ15の位置決めピン23が係合可能な位置決め孔31と、取付孔24に対応する取付孔32が設けられているとともに、前記リフレクタの取付片19aの取付孔20に対応する取付孔33を有してなる軸状の台座34が一体に設けられている。
【0035】
このように構成された車両用灯具10は、ホルダ15の本体部15Aの上固定面15aと下固定面15bにおいて、発光チップ13bと配線用ハーネス27を取り付けた基板13aを、それぞれその裏面に設けられている位置決め孔25を位置決めピン22に挿入させて位置決めし、さらに基板13aの外側から取付孔21を通して、取付孔26にタッピングスクリュー35をネジ止めすると、ホルダ15の本体部15Aにおける上固定面15aと下固定面15bに基板13aを各々固定して取り付けることができる。
【0036】
また、ホルダ15に基板13aと共に取り付けられた配線用ハーネス27は、ハーネスガイド29のガイド用切欠30内を通してセットすることにより、蛇行して引き回した状態で、ホルダ本体15Aの中心部からホルダ本体15Aの端へ、取付片15Bに沿ってガイドされた状態で導出できる。
【0037】
次いで、ヒートシンク部材16の表面側においてホルダ15を、このホルダ15の取付片15Bの裏面に設けられている位置決めピン23を位置決め孔31に挿入して位置決めし、取付片15Bの外側から取付孔24を通して取付孔32にタッピングスクリュー36をネジ止めすると、ヒートシンク部材16の表面側にホルダ15を固定して取り付けることができる。
【0038】
続いて、ヒートシンク部材16の表面側においてリフレクタ12を、窓部18内にホルダ15を通して、位置決め孔38に位置決めピン39を係合させて位置決めするとともに、取付脚部19の取付片19aをヒートシンク部材16の台座34上に当接させ、その後、取付片19aの外側から取付孔20を通して、取付孔33にタッピングスクリュー37をネジ止めする。これにより、リフレクタ12をヒートシンク部材16に、台座34を介して固定して取り付けることができる。これにより、ここでの車両用灯具10の組み立てが完了する。
【0039】
この実施例の構造では、灯室内の基板13aと灯室外の電源とを接続する配線用ハーネス27は、灯室内において、ホルダ15上に設けたハーネスガイド29のガイド用切欠30に位置決め係止させて、予め決められた位置に決められた姿勢で配線することができるので、見栄えを向上させることができるとともに、配線用ハーネス27と基板13aの接続部分における断線を防止することができる。
【0040】
また、ハーネスガイド29は、配線用ハーネス27の引き出し方向に沿って形成された複数個の放熱機能を有するフィン28を設けて形成しているとともに、該フィン28の根元部にガイド用切欠30を設けて、このフィン28で配線用ハーネス27の一部が隠れるようにしている。このため、ハーネスガイド用のフィン28が、ヒートシンクの機能も成し、基板13aに発生する熱はこのフィン28を通しても放熱されることになる。これにより、放熱効果が向上し、基板13aでの熱溜まりを無くして半導体型光源14U,14Dの寿命時間を延ばすことができる。さらに、配線用ハーネス27がフィン28で隠して外側から見えないようにすることができ、意匠性並びに見栄えの向上が図れる。
【0041】
さらに、配線用ハーネス27をハーネスガイド29により蛇行した状態で配線しているので、配線用ハーネス27が何らかの原因で灯室外方向に引かれたとき、配線用ハーネス27の蛇行が、配線用ハーネス27とハーネスガイド29との間に大きな摩擦を発生させ、配線用ハーネス27が灯室外方向に動くのを抑えて引く力を吸収し、基板13aと配線用ハーネス27の接続部分に外力が加わるのを防止できる。これにより、配線用ハーネス27と基板13aとの接続部分の断線を未然に防ぐことが出来る。
【0042】
また、ホルダ15と基板13aとの間には、基板13aをホルダ15上に位置決めする位置決め孔25と位置決めピン22を有し、またホルダ15とヒートシンク部材16との間には、ホルダ15をヒートシンク部材16に位置決めする位置決め孔31と位置決めピン23を設け、さらにホルダ15とリフレクタ12の間には、リフレクタ12をホルダ15に位置決めする位置決め孔38と位置決めピン39を設けており、組み立て時に、位置決め孔25,31,38と位置決めピン22,23,39を互いに係合させると簡単に位置決めされ、この位置決めた状態で固定することができるので、ホルダ15と基板13a、及び、ホルダ15とヒートシンク部材16等を簡単、かつ精度良く組み立てることができる。
【0043】
なお、上記実施例では、ハーネス用ガイド29は、各フィン28にそれぞれ上面側から下面側に向かって切欠したガイド用切欠30で配線用ハーネス27の引き回しを規制し、配線用ハーネス27を蛇行した状態にガイドする構造を開示したが、例えば図8及び図9に示すように、フィン28の前面にガイド用切欠40を設け、配線用ハーネス27をガイド用切欠30とガイド用切欠40を交互に通して係合させ、大きく蛇行するようにガイドする構造としてもよい。この構造では、配線用ハーネス27の蛇行が大きくなることにより、配線用ハーネス27が灯室外方向に引かれたとき、配線用ハーネス27とハーネスガイド29との間にさらに大きな摩擦力を発生させることができる。これにより、配線用ハーネス27が灯室外方向に動くのをさらに吸収して、基板13aと配線用ハーネス27の接続部分に外力が加わるのをさらに抑えることができる。
【0044】
また、本発明は、これ以外にも本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0045】
10 車両用前照灯(車両用灯具)
12 リフレクタ
14U 上側半導体光源
14D 下側半導体光源
15 ホルダ
15A 本体部
15B 取付片
16 ヒートシンク部材
16b ヒートシンク部
17 フィン
19 取付脚部
19a 取付片
20 取付孔
21 取付孔
22 位置決めピン
23 位置決めピン
24 取付片
25 位置決め孔
26 取付孔
27 配線用ハーネス
28 フィン
29 ハーネスガイド
30 ガイド用切欠
31 取付孔
32 取付孔
33 取付孔
34 台座
38 位置決め孔
39 位置決めピン
40 ガイド用切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯室内に半導体型光源を備え、前記灯室内から前記灯室外に引き出されている配線用ハーネスを介して前記半導体光源に電流を供給する車両用灯具であって、
前記半導体型光源が実装されて前記灯室内に配設されている基板と、
前記基板が取り付けられて前記灯室内に配設されているホルダと、
前記灯室外で前記ホルダの背面に取り付けられているヒートシンク部材と、
前記灯室内に設けられて前記半導体型光源からの出射光を前方に向けて反射させる反射面を有するリフレクタと、
前記灯室内で前記ホルダ上に設けられ、前記灯室内における前記配線用ハーネスの前記基板から前記灯室外までの引き出しを、少なくとも該配線用ハーネスの一部を位置決め係止してガイドするガイド用切欠を有するハーネスガイドと、
を設けてなることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記ハーネスガイドは、前記配線用ハーネスの引き出し方向に配列して形成された複数個の放熱機能を有するフィンを有するとともに、前記ガイド用切欠を該フィンの根元部に、該フィンに対する前記配線用ハーネスの位置決めにより、該配線用ハーネスの一部が該フィンに隠れるようにして設けてなることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記ハーネスガイドは、前記ガイド用切欠を、前記配線用ハーネスが蛇行する状態で位置決め係止されるようにして設けてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記ホルダと前記基板との間には、前記基板を前記ホルダ上に位置決めする位置決め孔と位置決めピンを有し、前記ホルダと前記リフレクタとの間には、前記リフレクタを前記ホルダ上に位置決めする位置決め孔と位置決めピンを設けてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−146535(P2012−146535A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4350(P2011−4350)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】