説明

車両用灯具

【課題】小型で安価の車両用灯具を提供する。
【解決手段】開口部を有するランプボディ10と、開口部を閉塞してランプボディ10との間に灯室Sを形成するアウターカバー20と、灯室S内に配置された発光部30,40と、灯室S内に配置され、発光部30,40を露出させた状態でランプボディ10を覆う蒸着シート50と、を有し、アウターカバー20及びランプボディ10の少なくとも一方には、蒸着シート50と係合して蒸着シート50をランプボディ10又はアウターカバー20に沿った形状に保持可能な係合部12,13が設けられていることを特徴とする車両用灯具により上記課題が解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に自動車のサイドミラーに一体化されたサイドターンシグナルランプに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のサイドミラーに一体的に取り付けられ、後方及び側方へ自車両の進路変更を知らせるサイドターンシグナルランプが特許文献1等により知られている。
特許文献1に記載のサイドターンシグナルランプは、灯具ボディと、前面レンズと、導光インナーレンズと第1及び第2のLEDを備えている。このサイドターンシグナルランプには、前面レンズに沿って延在するエクステンションリフレクターが灯具ボディの前面に組み付けられ、第1及び第2のLEDが外部から直接視認できないように遮蔽されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-52566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、サイドミラーにはカメラやセンサー等、各種の付加機能が内蔵されるようになり、サイドターンシグナルランプの小型化が求められている。しかしながら特許文献1では、エクステンションリフレクターが樹脂により形成されており肉厚となるので、灯具の小型化には限界がある。また、特許文献1では、複雑形状のエクステンションリフレクターに均一に加飾処理を施すことが難しく、製造コストが嵩んでしまう。
【0005】
そこで本発明者らは、エクステンションとして樹脂製シートの上に金属の蒸着処理を施した蒸着シートを用いることを検討した。しかしながら、この蒸着シートを接着剤や両面テープでランプボディに貼り付ける場合、その作業が煩雑となるばかりでなく、光源からの発熱による高温に耐えうる特殊な接着剤が必要となる。この結果、サイドターンシグナルランプの製造コストが嵩んでしまい、更に組立効率の面でも問題が生じることとなってしまう。
【0006】
そこで本発明は、組立効率が高く、小型で安価の車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明によれば、
開口部を有するランプボディと、
前記開口部を閉塞して前記ランプボディとの間に灯室を形成するアウターカバーと、
前記灯室内に配置された発光部と、
前記灯室内に配置され、前記発光部を露出させた状態で前記ランプボディを覆う蒸着シートと、を有し、
前記アウターカバー及び前記ランプボディの少なくとも一方には、前記蒸着シートと係合して前記蒸着シートを前記ランプボディ又は前記アウターカバーに沿った形状に保持可能な係合部が設けられていることを特徴とする車両用灯具が提供される。
【0008】
また、上記本発明に係る車両用灯具において、
前記ランプボディ及び前記アウターカバーに、前記蒸着シートを挟持する面押さえ部を設けてもよい。
【0009】
また、上記本発明に係る車両用灯具において、
前記発光部は、光源と、該光源から入射される光を出射させる出射部を備えた導光体とを有し、
前記蒸着シートには前記導光体が挿通される挿通部が設けられ、
前記光源が前記蒸着シートと前記ランプボディとの間に位置し、前記出射部が前記蒸着シートと前記アウターカバーとの間に位置されるように、前記蒸着シートが保持されていてもよい。
【0010】
また、上記本発明に係る車両用灯具において、
前記蒸着シートは、
前記挿通部を備えたシート本体と、
前記シート本体と一体に形成され、前記導光体と前記ランプボディの間に差し込まれる差込部とを備えていてもよい。
【0011】
また、上記本発明に係る車両用灯具において、
前記アウターカバーには、前記挿通部の外縁に対応する位置に光学要素が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車両用灯具によれば、薄い蒸着シートを採用することにより車両用灯具を小型化することができる。また蒸着シートは、前記ランプボディ又は前記アウターカバーに沿った状態で保持されるため、両面テープによる固定が不要である。したがって、組立効率が高く、小型の車両用灯具を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を示す車両用灯具の水平断面図である。
【図2】図1に示した車両用灯具の要部拡大図である。
【図3】図1に示した車両用灯具の断面図である。
【図4】図2に示した車両用灯具の組立工程を示す図である。
【図5】図2に示した車両用灯具の組立工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明をサイドターンシグナルランプに適用した実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係るサイドターンシグナルランプ4を示す水平断面図である。図1に示すように、サイドターンシグナルランプ4は、車両のサイドミラーに一体的に取り付けられている。
【0016】
サイドミラーを構成するハウジング1は、車両から側方に湾曲して突き出すように形成されている。このハウジング1には、車両の後方に面するミラー2が支持されている。また、ハウジング1の前面には、側方にかけて開口する開口3が形成されている。
【0017】
サイドターンシグナルランプ4は、ハウジング1の開口3内に固定されている。サイドターンシグナルランプ4は、ハウジング1の開口3の内壁に沿った形状のランプボディ10と、ランプボディ10に対向して配置されたアウターカバー20とを備えている。
【0018】
ランプボディ10は、車両の側方に湾曲して延びる長尺の樹脂製部材である。ランプボディ10は、ハウジング1の開口3内に固定されている。このランプボディ10は、前方に向かって開口する形状とされている。このランプボディ10は、アウターカバー20に沿って湾曲する曲面部11aと、アウターカバー20から遠ざかるように凹んだ光源収容部11bとから形成されている。また、ランプボディ10の長手方向両端にはそれぞれ、アウターカバー20側に向かって突出し、互いに離間するように延出する第1,2係合突起(係合部)12,13が設けられている。
【0019】
アウターカバー20は、ハウジング1の湾曲した前面に倣って湾曲する長尺の樹脂製部材である。このアウターカバー20は、ランプボディ10の開口部を車両前方から覆うようにランプボディ10に取り付けられる。これにより、ランプボディ10とアウターカバー20との間に灯室Sが形成されている。なお、アウターカバー20の外郭形状は、ランプボディ10の外郭形状と略等しく形成されている。
【0020】
灯室Sの内部には、回路基板31に搭載されたLED(光源)30と、LED30からの光を導光するインナーレンズ(導光体)40とが設けられている。LED30とインナーレンズ40により発光部が形成されている。回路基板31はランプボディ10の光源収容部11bに取り付けられている。また、LED30には、ランプボディ10とハウジング1との間に配置された電極端子5を通じて車両から電源が供給される。
【0021】
インナーレンズ40は長尺の透明樹脂部材であり、アウターカバー20に倣って湾曲されている。インナーレンズ40の一端には、LED30と対向する入射面41が設けられている。また、インナーレンズ40の他端には、車両後方に向かって光を出射する出射面42が設けられている。これにより、入射面41から入射されたLED30からの光は、インナーレンズ40内を導光され、出射面42から車両後方に向かって出射される。
【0022】
なお、本実施形態においては、インナーレンズ40の出射面42近傍の後面には、複数の反射ステップからなる反射ステップ部(光学要素)43が設けられている。この反射ステップ部43により、インナーレンズ40内を導光されてきた光の一部を車両の前方及び側方に反射させている。これにより、サイドターンシグナルランプ4の車両前方及び側方からの被視認性が向上されている。
【0023】
灯室S内には、可撓性の薄い蒸着シート50が設けられている。この蒸着シート50はポリカーボネート製のシートの表面にアルミ蒸着を施したものである。蒸着シート50でランプボディ10を覆うことにより、外部からランプボディ10、LED30及びインナーレンズ40の一部を遮蔽している。
【0024】
図2は、アウターカバー20を外した状態のサイドターンシグナルランプ4を示す斜視図である。図示したように、蒸着シート50の略中央には挿通孔(挿通部)51aが設けられている。インナーレンズ40の出射面42を含む一部は、この挿通孔51aから外部に露出されている。
【0025】
蒸着シート50は、挿通孔51aが設けられたシート本体51と、挿通孔51aと対応する形状の差込部52とを備えている。挿通孔51aはシート本体51に細長いU字状の切り込みを入れることにより形成され、切り込みの内側の細長い部位が差込部52とされている(図4参照)。したがって、差込部52は、その一端(インナーレンズ40の出射面42側)でシート本体51と接続されており、シート本体51と差込部52とが一体の部材とされている。
【0026】
また、蒸着シート50の長手方向両端近傍には、第1係合孔53及び第2係合孔54が設けられている。この第1,2係合孔53,54はそれぞれランプボディ10の第1,2係合突起12,13に係合可能な位置に形成されている。
【0027】
差込部52は、インナーレンズ40の出射面42側からインナーレンズ40の背面に差し込まれ、インナーレンズ40の反射ステップ部43と対向されている。これにより差込部52は、ランプボディ10がインナーレンズ40を透かして外部から直接視認されないように、ランプボディ10を隠蔽している。また差込部52は、インナーレンズ40の反射ステップ部43からランプボディ10側に漏れ出た光を、前方に反射する。これにより、サイドターンシグナルランプ4の光の利用効率を高め、より明るく発光させている。
【0028】
また、図2に示したように、ランプボディ10の外周縁には、アウターレンズ20側に突き出た段部14が枠状に形成されている。この枠状の段部14の内側に、蒸着シート50が配置される。また、段部14の突出高さは蒸着シート50の厚みと略同等に形成されている。
【0029】
図3は、図1に示したサイドターンシグナルランプ4のIII−III断面図である。
図示したように、アウターカバー20は、外部に膨出するように形成された意匠面部21と、意匠面部21から側方に延出する平面部22とを備えている。平面部22は意匠面部21の全周を囲むように設けられている。平面部22の背面はランプボディ10の曲面部11aに沿った平曲面とされ、ランプボディ10の段部14と接している。また、平面部22の前面はハウジング1の背面と対向されている。
【0030】
この平面部22とハウジング1との間にはシール部材6が設けられており、アウターカバー20とハウジング1との間を密閉している。これによりサイドターンシグナルランプ4とハウジング1との間に隙間風が入り込まず、風切り音の発生が防止されている。シール部材6としては、シート状パッキンや樹脂接着剤などを採用することができる。
【0031】
また、アウターカバー20の意匠面部21の背面のうち、挿通孔51aの外縁に対応する位置に拡散ステップ(ステップ)23が形成されている。拡散ステップ23が挿通孔51aを縁取ることで、サイドターンシグナルランプ4の意匠性が向上されている。また、拡散ステップ23により挿通孔51aからのぞく蒸着シート50の断面が外部から視認されないので、サイドターンシグナルランプ4の見栄えが向上されている。
【0032】
(組立工程)
次に、上述のように構成されるサイドターンシグナルランプ4の組み立て方法を図4,5を参照しながら説明する。
【0033】
図4に示すように、まずランプボディ10に、LED30が搭載された回路基板31と電極端子5とを取り付ける。更に、入射面41がLED30と対向するように、インナーレンズ40を回路基板31に取り付ける。これらの部材の取り付けは、接着剤等を用いない凹部と突起の組み合わせによる嵌合等を用いる。図示した例では、インナーレンズ40の入射面41近傍に設けたランス部44を回路基板31に設けた凹部32に嵌合させて、インナーレンズ40を回路基板31に取り付けている。
【0034】
次に、蒸着シート50を用意する。アルミ蒸着処理の施されたポリカーボネートシートを打ち抜くことにより、挿通孔51a、第1,2係合孔53,54が形成された蒸着シート50が形成される。
【0035】
このとき、挿通孔51aの一部を残すように蒸着シート50に切り込みを入れることにより、差込部52がシート本体51と一体化された蒸着シートを得ることができる。なお、挿通孔51aや第1,2係合孔53,54を打ち抜く際は、打ち抜きパンチを蒸着面側から反蒸着面側に向かって打ち抜くことが好ましい。このように打ち抜くことにより、打ち抜き時に発生する虞のあるバリを、外部から見えない反蒸着面側に作ることができる。なお蒸着シート50は、蒸着面がアウターカバー20側、反蒸着面がランプボディ10側を向くように取り付けられる。
【0036】
次に、蒸着シート50をランプボディ10に取り付ける。
まず、蒸着シート50を出射面42側から近づけ、差込部52をインナーレンズ40の背面に差し込む。次に、出射面42から遠い側の蒸着シート50の第1係合孔53を、ランプボディ10の第1係合突起12に引っ掛けて係合させる。更に、蒸着シート50を湾曲したランプボディ10の曲面部11aに沿わせて湾曲させる。更に、蒸着シート50を第2係合突起13側に軽く引っ張りながら、蒸着シート50の第2係合孔54を第2係合突起13に係合させる。
【0037】
このように蒸着シート50に張力を与え、湾曲させた状態でランプボディ10に取り付ける。これにより、可撓性の蒸着シート50は湾曲した状態から元の形状に復元しようとし、蒸着シート50には復元力が作用する。しかしこの復元力に対して、蒸着シート50の両端は、ランプボディ10の第1,2係合突起12,13により安定的に支承されている。したがって、蒸着シート50は、第1,2係合突起12,13により、ランプボディ10に沿った形状のまま保持され、仮固定される。
【0038】
また、蒸着シート50の挿通孔51aにインナーレンズ40が挿通され、蒸着シート50の一方に設けられた第1係合孔53はLED30及びインナーレンズ40よりもアウターカバー20側に形成された第1係合突起12に係合され、蒸着シート50の他方に設けられた第2係合孔54はインナーレンズ40よりもランプボディ10側に形成された第2係合突起13に係合されている。このような構成により、LED30が蒸着シート50とランプボディ10との間に位置し、出射部42が蒸着シート50とアウターカバー20との間に位置される。よって、インナーレンズ40の出射面42を外部に露出させ、サイドターンシグナルランプ4としての機能を実現する。同時に、LED30を蒸着シート50により外部から遮蔽して、サイドターンシグナルランプ4の意匠性を高めることができる。
【0039】
次に、図5に示すように、意匠面部21によりインナーレンズ40が覆われるように、アウターカバー20をランプボディ10に取り付ける。このとき、段部14の突出高さが蒸着シート50の厚みと略同一に設定されているため、アウターカバー20の平面部22は、ランプボディ10の段部14に当接するとともに、蒸着カバー50にも当接する。
これにより、図3で示したように蒸着シート50は、アウターカバー20の平面部22とランプボディ10の曲面部11aとの間で、面接触で挟み込まれる。このように、蒸着シート50を面で挟み込むことにより、仮固定された蒸着シート50をより確実にランプボディ10とアウターカバー20との間で固定することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、蒸着シート50と、ランプボディ10及びランプカバー20との接触面積を確保するために、ランプボディ10の内壁のうち、光源収容部11bを除く全面が、アウターカバー20の形状に沿った曲面部11aとして形成されている(図4参照)。これにより、蒸着シート50をより強固に固定することができる。
【0041】
このように、本実施形態に係る車両用灯具によれば、肉厚のエクステンション部材を採用せず、薄い蒸着シート50を採用することにより厚み方向の寸法の小さい小型のサイドターンシグナルランプ4を提供することができる。
【0042】
また、この蒸着シート50は、第1,2係合突起12,13と第1,2係合孔53,54との係合により、ランプボディ10に沿った状態で保持される。このため、蒸着シート50を両面テープ等によりランプボディ10に仮固定することなく、アウターカバー20をそのままランプボディ10に取り付けることができる。したがって、高価な接着剤等を使用することがないので小型のサイドターンシグナルランプ4を安価に提供でき、また、組立効率の向上を図ることができる。
【0043】
また、LED30やインナーレンズ40等も接着剤を使わずに組み立てるため、サイドターンシグナルランプ4全体を接着剤を使わずに組み立てることができる。このため、より一層低コストでサイドターンシグナルランプ4を提供することができる。
【0044】
また、差込部52をシート本体51と一体に形成したため、差込部52とシート本体51とを別々に組み込む必要がない。このため、蒸着シート50のランプボディ10への取り付けが容易である。また、差込部52や第1,2係合孔53,54を打ち抜き加工により形成するため、蒸着シート50を低コストで加工することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、差込部52が出射面42側を残すように切り欠いて形成され、差込部52を出射面42側から差し込んで蒸着シート50をランプボディ10に取り付けている。このため、差込部52をインナーレンズ40のランプボディ10側、かつ、差込部52と反対側をLED30が遮蔽されるようにインナーレンズ40のアウターカバー20側となるように、蒸着シート50をランプボディ10に簡単に取り付けることができる。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0047】
例えば、蒸着シート50をアウターカバー20に取り付け、蒸着シート50が取り付けられたアウターカバー20をランプボディ10に取り付けて、サイドターンシグナルランプ4を組み立てても良い。この場合は、係合突起をアウターカバー20に形成する。
【0048】
また、第1,2係合突起13,14や第1,2係合孔の形状は上述の実施形態に限定されない。例えば係合孔を蒸着シート50から切り欠いて形成しても良いし、スリット形状に加工してもよい。また、係合突起は単純にランプボディ10からアウターカバー20側に突出する形状としてもよい。さらに、上述の実施形態では第1係合突起を幅方向の二箇所に設けたが、幅方向に延在するように一つの第1係合突起としてもよい。また、第1係合突起及び第2係合突起を互いに対角位置に一つずつ設けても蒸着シート50を安定的に仮固定することができる。
【0049】
また、上述の実施形態では、LED30からの光をインナーレンズ40を介して車両後方に出射させるように構成したが、本発明はこの例に限られない。例えば、インナーレンズ40を省略し、蒸着シート50の挿通孔51aからLED30の出射面を後方に露出さするように構成してもよい。これにより、LED30からの光を直接外部に出射させることができる。この構成によれば、低コストでサイドターンシグナルランプ4を提供することができる。
【0050】
また、光源はLED30に限られない。放電灯バルブやハロゲンバルブ等、公知の光源を採用できることはもちろんである。また、ランプボディ10の内壁に塗装を施した場合等は、蒸着シート50の差込部52を省略しても良い。
【0051】
例えば、反射ステップ部43は設けなくても良い。LED30からの光を全て車両後方に出射するため、車両後方からのサイドターンシグナルランプ4の被視認性を向上させることができる。
【0052】
また、アルミ蒸着を施したままの蒸着シート50を採用してもよいし、アルミ蒸着面に更に塗装して蒸着面の色合いを変えても良い。また、蒸着面に様々な刻印を施すことで、意匠性を向上させてもよい。このように色合いや刻印により外観を容易に変化可能な蒸着シート50を採用することにより、車両用灯具のデザインの変更に容易に追随させることができる。
【0053】
また、上述の実施形態では、本発明をサイドターンシグナルランプに適用した例を挙げて説明したが、本発明はこの例に限られない。例えば、車両用前照灯、車両用標識灯、車両用室内灯等に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1:ハウジング、2:ミラー、3:開口、4:サイドターンシグナルランプ、5:電極端子、6:シール部材、10:ランプボディ、11a:曲面部、11b:光源収容部、12:第1係合突起、13:第2係合突起、14:段部、20:アウターカバー、21:意匠面部、22:平面部、23:拡散ステップ、30:回路基板、31:LED、40:インナーレンズ(導光体)、41:入射面、42:出射面、43:反射ステップ部、50:蒸着シート、51:シート本体、51a:挿通孔(挿通部)、52:差込部、53:第1係合孔、54:第2係合孔、S:灯室


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するランプボディと、
前記開口部を閉塞して前記ランプボディとの間に灯室を形成するアウターカバーと、
前記灯室内に配置された発光部と、
前記灯室内に配置され、前記発光部を露出させた状態で前記ランプボディを覆う蒸着シートと、を有し、
前記アウターカバー及び前記ランプボディの少なくとも一方には、前記蒸着シートと係合して前記蒸着シートを前記ランプボディ又は前記アウターカバーに沿った形状に保持可能な係合部が設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記ランプボディ及び前記アウターカバーには、前記蒸着シートを挟持する面押さえ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記発光部は、光源と、該光源から入射される光を出射させる出射部を備えた導光体とを有し、
前記蒸着シートには前記導光体が挿通される挿通部が設けられ、
前記光源が前記蒸着シートと前記ランプボディとの間に位置し、前記出射部が前記蒸着シートと前記アウターカバーとの間に位置されるように、前記蒸着シートが保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記蒸着シートは、
前記挿通部を備えたシート本体と、
前記シート本体と一体に形成され、前記導光体と前記ランプボディの間に差し込まれる差込部とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記アウターカバーには、前記挿通部の外縁に対応する位置に光学要素が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の車両用灯具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−75608(P2013−75608A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216610(P2011−216610)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】