車両用灯火装置の取付構造
【課題】車両用灯火装置を取付ける取付部分が一体的に形成することができない場合にも、車両用灯火装置を容易に設けることを可能にするとともに、意匠的にも高品質なものにすることを可能にする。
【解決手段】バンパフェイス13の両側に湾曲する左右のサイド部14,15を有し、これらのサイド部14,15に車両用灯火装置20,20を取付ける車両用灯火装置の取付構造において、サイド部14に灯体開口(開口)25が形成され、この開口25の縁に裏面から上下のフランジ部52,53を有するブラケット23を取付け、開口25の表面からブラケット23に、車両用灯火装置20の灯火器本体22を挿入し、開口25の裏面からブラケット23に、灯火器本体22を締結する。
【解決手段】バンパフェイス13の両側に湾曲する左右のサイド部14,15を有し、これらのサイド部14,15に車両用灯火装置20,20を取付ける車両用灯火装置の取付構造において、サイド部14に灯体開口(開口)25が形成され、この開口25の縁に裏面から上下のフランジ部52,53を有するブラケット23を取付け、開口25の表面からブラケット23に、車両用灯火装置20の灯火器本体22を挿入し、開口25の裏面からブラケット23に、灯火器本体22を締結する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンパフェイスやフェンダなどに設けられる車両用灯火装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯火装置の取付構造として、車幅灯やウインカなどをバンパフェイスに取付けるものが知られている。
この種の車両用灯火装置の取付構造は、車両の意匠性や車両用灯火装置の取付性が配慮され、適宜設計されるものであった。
このような、車両用灯火装置の取付構造として、バンパフェイスの表面から車両用灯火装置を取付けるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の車両用灯火装置の取付構造は、バンパフェイスに凹部を形成し、この凹部の底にグロメット(固定手段)を設け、凹部の側面に切り欠きを設け、車両用灯火装置の底にグロメットに嵌め込むボスを形成し、車両用灯火装置の側面に切り欠きに嵌合させる鍔部を設けたものである。
【0004】
特許文献1の車両用灯火装置の取付構造は、バンパフェイスに車両用灯火装置を取付ける構造部分が、バンパフェイスの成形時の金型の抜き方向に合致するので、車両用灯火装置を取付ける構造部分が一体的に形成しやすい。
例えば、バンパフェイスの正面から側面に曲がる部分に、車両用灯火装置が位置する場合には、単純な金型構成では車両用灯火装置の取付部分の形成が困難な場合が多い。
すなわち、湾曲する部分などで、車両用灯火装置を取付ける取付部分が一体的に形成することができない場合にも、車両用灯火装置を容易に設けることのできる技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−78672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、車両用灯火装置を取付ける取付部分が一体的に形成することができない場合にも、車両用灯火装置を容易に設けることができ、意匠的にも高品質な車両用灯火装置の取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、バンパフェイスの両側に湾曲する左右のサイド部を有し、これらのサイド部に車両用灯火装置を取付ける車両用灯火装置の取付構造において、サイド部に開口が形成され、この開口の縁に裏面からフランジ部を有するブラケットを取付け、開口の表面からブラケットに、車両用灯火装置の灯火器本体を挿入し、開口の裏面からブラケットに、灯火器本体を締結することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、バンパフェイスの裏面に、バンパフェイス面に対して略直交する縦壁と、バンパフェイス面に対して略直交する爪部とが設けられ、ブラケットは、開口に当接させるフランジ部と、このフランジ部から車体後方に膨出され、灯火器本体を収納する収納凹部とが設けられ、フランジ部が縦壁に係止されるとともに、収納凹部の壁面が爪部に係止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、バンパフェイスの両側に湾曲する左右のサイド部を有し、これらのサイド部に車両用灯火装置を取付ける。
サイド部に開口が形成され、この開口の縁に裏面からフランジ部を有するブラケットを取付け、開口の表面からブラケットに、車両用灯火装置の灯火器本体を挿入し、開口の裏面からブラケットに、灯火器本体を締結するようにしたので、バンパフェイスの両側に湾曲する左右のサイド部にも、車両用灯火装置を容易に設けることができる。この結果、意匠的にも高品質な車両用灯火装置の取付構造を実現することができる。
さらに、バンパフェイスの表面と灯火器本体の表面との隙間をなくし、平らな面にすることができる(フラッシュサーフェイス化を図ることができる)。これにより、空気抵抗(cd値)や風切り音を低減することができ、空気抵抗の低減により燃費の向上も図ることができる。
また、バンパフェイスの表面と灯火器本体の表面との隙間をなくし、平らな面にするというボディ表面のフラッシュサーフェイス化により、外観の美麗化を実現することができる。
【0010】
請求項2に係る発明では、ブラケットのフランジ部がバンパフェイスの縦壁に係止されるとともに、ブラケットの収納凹部の壁面がバンパフェイスの爪部に係止されるので、バンパフェイスの表面を歪ませることなく、車両用灯火装置を強固に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る車両用灯火装置の取付構造を採用した車体前部の正面図である。
【図2】図1の2部拡大図である。
【図3】図2に示される車両用灯火装置の取付構造の背面から見た斜視図である。
【図4】図2に示される車両用灯火装置の取付構造の分解斜視図である。
【図5】図3の5部拡大図である。
【図6】図3の6部拡大図である。
【図7】図3に示される車両用灯火装置の取付構造のブラケット取付状態の背面図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】図7の9−9線断面図である。
【図10】図7の10−10線断面図である。
【図11】図7の11−11線断面図である。
【図12】図3に示される車両用灯火装置の取付構造の爪部及び爪係止孔の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0013】
図1〜図3に示されるように、車両10は、バンパフェイス(フロントバンパフェイス)13の両側に湾曲する左右のサイド部(曲面部分)14,15に車両用灯火装置20,20が設けられている。車両用灯火装置20,20は、例えば、車幅灯、ウインカ等である。
【0014】
車両用灯火装置20,20は、バンパフェイス13が両側に湾曲する左右のサイド部14,15に設けられるものであり、車体中心に関して左右対称である。以下、バンパフェイス13の左のサイド部14に設けられる車両用灯火装置20を、車両用灯火装置の取付構造として説明する。
【0015】
車両用灯火装置の取付構造は、車両用灯火装置20の主要構成部材である灯火器本体22と、この灯火器本体22を支持するとともに収納するブラケット23と、このブラケット23が取付けられるバンパフェイス13とから構成される構造である。また、車両用灯火装置の取付構造では、灯火器本体22の表面とバンパフェイス13の表面とがフラッシュサーフェイスに構成される。
【0016】
図3〜図6に示されるように、バンパフェイス13の左側は、車幅外方にて湾曲する左のサイド部14と、この左のサイド部14に設けられ、灯火器本体22を臨ませる灯体開口(開口)25と、この灯体開口25の裏面に且つ灯体開口25の車幅外方に形成され、ブラケット23を取付ける縦壁26と、灯体開口25の裏面且つ灯体開口25の下部にブラケット23を係止する爪部(係止爪)27(図8参照)とが設けられている。
【0017】
縦壁26には、ブラケット23を取付けるための取付ねじ31,32を貫通させる貫通孔33,34(図10及び図11参照)が設けられる。
【0018】
灯火器本体22は、ブラケット23に支持されるとともに収納されるランプハウジング36と、このランプハウジング36に取付けられるランプ37と、ランプハウジング36の前面に取付けられ、ランプ37の光を透過させるレンズ(光透過体)38とからなる。
【0019】
ランプハウジング36は、ランプ37が収納されるとともにランプ37の光を反射するリフレクタ部41と、このリフレクタ部41の底41aに形成され、ランプ37が取付けられるランプ取付部42と、リフレクタ部41の底41aに形成され、ブラケット23に位置決めする第1及び第2の位置決めボス43,44(図5及び図6参照)と、リフレクタ部41の底41aに形成され、ブラケット23に取付けるための取付ねじ45,46をねじ込む第1及び第2の取付部47,48(図5及び図6参照)とが設けられる。
【0020】
図7〜図12に示されるように、ブラケット23は、灯火器本体22を収納して支持する収納凹部51と、この収納凹部51の上下に設けられた上下のフランジ部52,53と、収納凹部51の底部51aに設けられ、ランプ37の交換のためにランプ37を挿入する挿入開口54(図9参照)と、収納凹部51の底部51aに設けられ、ランプハウジング36内の温度上昇を抑える通気孔55と、収納凹部51の底部51aに設けられ、第1及び第2位置決めボス43,44に嵌合する第1及び第2の位置決め孔56,57と、収納凹部51の底部51aに設けられ、取付ねじ45,46を挿入する挿入孔58,59と、収納凹部51の下方の壁面51bに設けられ、爪部27が挿入されるとともに係止される爪係止孔61(図4及び図8参照)と、収納凹部51の下方且つ車幅外方の壁面51bに設けられ、爪部27の挿入を許容する爪許容開口62(図4及び図8参照)と、上のフランジ部52の車幅外方に形成され、取付ねじ31でバンパフェイス13の縦壁26に取付けられるボス63(図10参照)と、下のフランジ部53の車幅外方に設けられるナット係止部65(図11参照)と、このナット係止部65に嵌め込まれ、取付ねじ32でバンパフェイス13の縦壁26に取付けられるスプリングナット64(図11参照)と、上のフランジ部52に設けられるとともにバンパフェイス13の裏面との間に介在され、バンパフェイス13に貼られる車幅方向の内外の上両面テープ66,67(図4参照)と、下のフランジ部に設けられるとともにバンパフェイス13の裏面との間に介在され、バンパフェイス13に貼られる下両面テープ68とから構成される。
【0021】
図6に示されたように、第2の位置決め孔57は長孔に形成される。また、図11に示されたように、スプリングナット64は、U字クリップ状に形成され、取付ねじ32をねじ込むねじ孔64aが設けられる。ナット係止部65は、取付ねじ32を逃がす逃げ孔65aが形成される。
【0022】
内外の上両面テープ66,67にはセパレータ(不図示)を剥がすためのタブ66a,67a(図4参照)が設けられ、同様に、下両面テープ68にはセパレータ(不図示)を剥がすためのタブ68aが設けられる。
【0023】
車両用灯火装置の取付構造では、バンパフェイス13の両側に湾曲する左右のサイド部14,15を有する。左のサイド部14に車両用灯火装置20を取付ける。
左のサイド部14に灯体開口(開口)25が形成され、この開口25の縁に裏面からフランジ部を有するブラケット23を取付け、開口25の表面からブラケット23に、車両用灯火装置20の灯火器本体22を挿入し、開口25の裏面からブラケット23に、灯火器本体22を締結するようにしたので、バンパフェイス13の両側に湾曲する左右のサイド部14,15にも、車両用灯火装置20,20を容易に設けることができる。この結果、意匠的にも高品質な車両用灯火装置20の取付構造を実現することができる。
【0024】
さらに、バンパフェイス13の表面と灯火器本体22の表面との隙間をなくし、平らな面にすることができる。これにより、空気抵抗(cd値)や風切り音を低減することができ、空気抵抗の低減により燃費の向上も図ることができる。
【0025】
また、バンパフェイス13の表面と灯火器本体22の表面との隙間をなくし、平らな面にするというボディ表面のフラッシュサーフェイス化により、外観の美麗化を実現することができる。
【0026】
車両用灯火装置の取付構造では、ブラケット23の上下のフランジ部52,53がバンパフェイス13の縦壁26に係止されるとともに、ブラケット23の収納凹部51の壁面51bがバンパフェイス13の爪部27に係止されるので、バンパフェイス13の表面を歪ませることなく、車両用灯火装置20を強固に取付けることができる。
【0027】
尚、本発明に係る車両用灯火装置の取付構造は、図4に示すように、車両用灯火装置20はランプ37を光源としたものであったが、これに限るものではなく、LED(発光ダイオード)を光源としたものであってもよい。さらに、車両用灯火装置を反射板等のマーカにするものであってもよい。
【0028】
本発明に係る車両用灯火装置の取付構造は、図1に示すように、車両用灯火装置20はバンパフェイス13に設けられたが、これに限るものではなく、例えば、フェンダなどに設けられるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係る車両用灯火装置の取付構造は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【符号の説明】
【0030】
10…車両、13…バンパフェイス、14,15…左右のサイド部、20…車両用灯火装置、22…灯火器本体、23…ブラケット、25…開口(灯体開口)、26…縦壁、27…爪部、51…収納凹部、51b…壁面、52,53…上下のフランジ部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンパフェイスやフェンダなどに設けられる車両用灯火装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯火装置の取付構造として、車幅灯やウインカなどをバンパフェイスに取付けるものが知られている。
この種の車両用灯火装置の取付構造は、車両の意匠性や車両用灯火装置の取付性が配慮され、適宜設計されるものであった。
このような、車両用灯火装置の取付構造として、バンパフェイスの表面から車両用灯火装置を取付けるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の車両用灯火装置の取付構造は、バンパフェイスに凹部を形成し、この凹部の底にグロメット(固定手段)を設け、凹部の側面に切り欠きを設け、車両用灯火装置の底にグロメットに嵌め込むボスを形成し、車両用灯火装置の側面に切り欠きに嵌合させる鍔部を設けたものである。
【0004】
特許文献1の車両用灯火装置の取付構造は、バンパフェイスに車両用灯火装置を取付ける構造部分が、バンパフェイスの成形時の金型の抜き方向に合致するので、車両用灯火装置を取付ける構造部分が一体的に形成しやすい。
例えば、バンパフェイスの正面から側面に曲がる部分に、車両用灯火装置が位置する場合には、単純な金型構成では車両用灯火装置の取付部分の形成が困難な場合が多い。
すなわち、湾曲する部分などで、車両用灯火装置を取付ける取付部分が一体的に形成することができない場合にも、車両用灯火装置を容易に設けることのできる技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−78672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、車両用灯火装置を取付ける取付部分が一体的に形成することができない場合にも、車両用灯火装置を容易に設けることができ、意匠的にも高品質な車両用灯火装置の取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、バンパフェイスの両側に湾曲する左右のサイド部を有し、これらのサイド部に車両用灯火装置を取付ける車両用灯火装置の取付構造において、サイド部に開口が形成され、この開口の縁に裏面からフランジ部を有するブラケットを取付け、開口の表面からブラケットに、車両用灯火装置の灯火器本体を挿入し、開口の裏面からブラケットに、灯火器本体を締結することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、バンパフェイスの裏面に、バンパフェイス面に対して略直交する縦壁と、バンパフェイス面に対して略直交する爪部とが設けられ、ブラケットは、開口に当接させるフランジ部と、このフランジ部から車体後方に膨出され、灯火器本体を収納する収納凹部とが設けられ、フランジ部が縦壁に係止されるとともに、収納凹部の壁面が爪部に係止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、バンパフェイスの両側に湾曲する左右のサイド部を有し、これらのサイド部に車両用灯火装置を取付ける。
サイド部に開口が形成され、この開口の縁に裏面からフランジ部を有するブラケットを取付け、開口の表面からブラケットに、車両用灯火装置の灯火器本体を挿入し、開口の裏面からブラケットに、灯火器本体を締結するようにしたので、バンパフェイスの両側に湾曲する左右のサイド部にも、車両用灯火装置を容易に設けることができる。この結果、意匠的にも高品質な車両用灯火装置の取付構造を実現することができる。
さらに、バンパフェイスの表面と灯火器本体の表面との隙間をなくし、平らな面にすることができる(フラッシュサーフェイス化を図ることができる)。これにより、空気抵抗(cd値)や風切り音を低減することができ、空気抵抗の低減により燃費の向上も図ることができる。
また、バンパフェイスの表面と灯火器本体の表面との隙間をなくし、平らな面にするというボディ表面のフラッシュサーフェイス化により、外観の美麗化を実現することができる。
【0010】
請求項2に係る発明では、ブラケットのフランジ部がバンパフェイスの縦壁に係止されるとともに、ブラケットの収納凹部の壁面がバンパフェイスの爪部に係止されるので、バンパフェイスの表面を歪ませることなく、車両用灯火装置を強固に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る車両用灯火装置の取付構造を採用した車体前部の正面図である。
【図2】図1の2部拡大図である。
【図3】図2に示される車両用灯火装置の取付構造の背面から見た斜視図である。
【図4】図2に示される車両用灯火装置の取付構造の分解斜視図である。
【図5】図3の5部拡大図である。
【図6】図3の6部拡大図である。
【図7】図3に示される車両用灯火装置の取付構造のブラケット取付状態の背面図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】図7の9−9線断面図である。
【図10】図7の10−10線断面図である。
【図11】図7の11−11線断面図である。
【図12】図3に示される車両用灯火装置の取付構造の爪部及び爪係止孔の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0013】
図1〜図3に示されるように、車両10は、バンパフェイス(フロントバンパフェイス)13の両側に湾曲する左右のサイド部(曲面部分)14,15に車両用灯火装置20,20が設けられている。車両用灯火装置20,20は、例えば、車幅灯、ウインカ等である。
【0014】
車両用灯火装置20,20は、バンパフェイス13が両側に湾曲する左右のサイド部14,15に設けられるものであり、車体中心に関して左右対称である。以下、バンパフェイス13の左のサイド部14に設けられる車両用灯火装置20を、車両用灯火装置の取付構造として説明する。
【0015】
車両用灯火装置の取付構造は、車両用灯火装置20の主要構成部材である灯火器本体22と、この灯火器本体22を支持するとともに収納するブラケット23と、このブラケット23が取付けられるバンパフェイス13とから構成される構造である。また、車両用灯火装置の取付構造では、灯火器本体22の表面とバンパフェイス13の表面とがフラッシュサーフェイスに構成される。
【0016】
図3〜図6に示されるように、バンパフェイス13の左側は、車幅外方にて湾曲する左のサイド部14と、この左のサイド部14に設けられ、灯火器本体22を臨ませる灯体開口(開口)25と、この灯体開口25の裏面に且つ灯体開口25の車幅外方に形成され、ブラケット23を取付ける縦壁26と、灯体開口25の裏面且つ灯体開口25の下部にブラケット23を係止する爪部(係止爪)27(図8参照)とが設けられている。
【0017】
縦壁26には、ブラケット23を取付けるための取付ねじ31,32を貫通させる貫通孔33,34(図10及び図11参照)が設けられる。
【0018】
灯火器本体22は、ブラケット23に支持されるとともに収納されるランプハウジング36と、このランプハウジング36に取付けられるランプ37と、ランプハウジング36の前面に取付けられ、ランプ37の光を透過させるレンズ(光透過体)38とからなる。
【0019】
ランプハウジング36は、ランプ37が収納されるとともにランプ37の光を反射するリフレクタ部41と、このリフレクタ部41の底41aに形成され、ランプ37が取付けられるランプ取付部42と、リフレクタ部41の底41aに形成され、ブラケット23に位置決めする第1及び第2の位置決めボス43,44(図5及び図6参照)と、リフレクタ部41の底41aに形成され、ブラケット23に取付けるための取付ねじ45,46をねじ込む第1及び第2の取付部47,48(図5及び図6参照)とが設けられる。
【0020】
図7〜図12に示されるように、ブラケット23は、灯火器本体22を収納して支持する収納凹部51と、この収納凹部51の上下に設けられた上下のフランジ部52,53と、収納凹部51の底部51aに設けられ、ランプ37の交換のためにランプ37を挿入する挿入開口54(図9参照)と、収納凹部51の底部51aに設けられ、ランプハウジング36内の温度上昇を抑える通気孔55と、収納凹部51の底部51aに設けられ、第1及び第2位置決めボス43,44に嵌合する第1及び第2の位置決め孔56,57と、収納凹部51の底部51aに設けられ、取付ねじ45,46を挿入する挿入孔58,59と、収納凹部51の下方の壁面51bに設けられ、爪部27が挿入されるとともに係止される爪係止孔61(図4及び図8参照)と、収納凹部51の下方且つ車幅外方の壁面51bに設けられ、爪部27の挿入を許容する爪許容開口62(図4及び図8参照)と、上のフランジ部52の車幅外方に形成され、取付ねじ31でバンパフェイス13の縦壁26に取付けられるボス63(図10参照)と、下のフランジ部53の車幅外方に設けられるナット係止部65(図11参照)と、このナット係止部65に嵌め込まれ、取付ねじ32でバンパフェイス13の縦壁26に取付けられるスプリングナット64(図11参照)と、上のフランジ部52に設けられるとともにバンパフェイス13の裏面との間に介在され、バンパフェイス13に貼られる車幅方向の内外の上両面テープ66,67(図4参照)と、下のフランジ部に設けられるとともにバンパフェイス13の裏面との間に介在され、バンパフェイス13に貼られる下両面テープ68とから構成される。
【0021】
図6に示されたように、第2の位置決め孔57は長孔に形成される。また、図11に示されたように、スプリングナット64は、U字クリップ状に形成され、取付ねじ32をねじ込むねじ孔64aが設けられる。ナット係止部65は、取付ねじ32を逃がす逃げ孔65aが形成される。
【0022】
内外の上両面テープ66,67にはセパレータ(不図示)を剥がすためのタブ66a,67a(図4参照)が設けられ、同様に、下両面テープ68にはセパレータ(不図示)を剥がすためのタブ68aが設けられる。
【0023】
車両用灯火装置の取付構造では、バンパフェイス13の両側に湾曲する左右のサイド部14,15を有する。左のサイド部14に車両用灯火装置20を取付ける。
左のサイド部14に灯体開口(開口)25が形成され、この開口25の縁に裏面からフランジ部を有するブラケット23を取付け、開口25の表面からブラケット23に、車両用灯火装置20の灯火器本体22を挿入し、開口25の裏面からブラケット23に、灯火器本体22を締結するようにしたので、バンパフェイス13の両側に湾曲する左右のサイド部14,15にも、車両用灯火装置20,20を容易に設けることができる。この結果、意匠的にも高品質な車両用灯火装置20の取付構造を実現することができる。
【0024】
さらに、バンパフェイス13の表面と灯火器本体22の表面との隙間をなくし、平らな面にすることができる。これにより、空気抵抗(cd値)や風切り音を低減することができ、空気抵抗の低減により燃費の向上も図ることができる。
【0025】
また、バンパフェイス13の表面と灯火器本体22の表面との隙間をなくし、平らな面にするというボディ表面のフラッシュサーフェイス化により、外観の美麗化を実現することができる。
【0026】
車両用灯火装置の取付構造では、ブラケット23の上下のフランジ部52,53がバンパフェイス13の縦壁26に係止されるとともに、ブラケット23の収納凹部51の壁面51bがバンパフェイス13の爪部27に係止されるので、バンパフェイス13の表面を歪ませることなく、車両用灯火装置20を強固に取付けることができる。
【0027】
尚、本発明に係る車両用灯火装置の取付構造は、図4に示すように、車両用灯火装置20はランプ37を光源としたものであったが、これに限るものではなく、LED(発光ダイオード)を光源としたものであってもよい。さらに、車両用灯火装置を反射板等のマーカにするものであってもよい。
【0028】
本発明に係る車両用灯火装置の取付構造は、図1に示すように、車両用灯火装置20はバンパフェイス13に設けられたが、これに限るものではなく、例えば、フェンダなどに設けられるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係る車両用灯火装置の取付構造は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【符号の説明】
【0030】
10…車両、13…バンパフェイス、14,15…左右のサイド部、20…車両用灯火装置、22…灯火器本体、23…ブラケット、25…開口(灯体開口)、26…縦壁、27…爪部、51…収納凹部、51b…壁面、52,53…上下のフランジ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンパフェイスの両側に湾曲する左右のサイド部を有し、これらのサイド部に車両用灯火装置を取付ける車両用灯火装置の取付構造において、
前記サイド部に開口が形成され、この開口の縁に裏面からフランジ部を有するブラケットを取付け、前記開口の表面から前記ブラケットに、前記車両用灯火装置の灯火器本体を挿入し、前記開口の裏面から前記ブラケットに、前記灯火器本体を締結することを特徴とする車両用灯火装置の取付構造。
【請求項2】
前記バンパフェイスの裏面に、バンパフェイス面に対して略直交する縦壁と、前記バンパフェイス面に対して略直交する爪部とが設けられ、
前記ブラケットは、前記開口に当接させるフランジ部と、このフランジ部から車体後方に膨出され、前記灯火器本体を収納する収納凹部とが設けられ、
前記フランジ部が前記縦壁に係止されるとともに、前記収納凹部の壁面が前記爪部に係止されることを特徴とする請求項1記載の車両用灯火装置の取付構造。
【請求項1】
バンパフェイスの両側に湾曲する左右のサイド部を有し、これらのサイド部に車両用灯火装置を取付ける車両用灯火装置の取付構造において、
前記サイド部に開口が形成され、この開口の縁に裏面からフランジ部を有するブラケットを取付け、前記開口の表面から前記ブラケットに、前記車両用灯火装置の灯火器本体を挿入し、前記開口の裏面から前記ブラケットに、前記灯火器本体を締結することを特徴とする車両用灯火装置の取付構造。
【請求項2】
前記バンパフェイスの裏面に、バンパフェイス面に対して略直交する縦壁と、前記バンパフェイス面に対して略直交する爪部とが設けられ、
前記ブラケットは、前記開口に当接させるフランジ部と、このフランジ部から車体後方に膨出され、前記灯火器本体を収納する収納凹部とが設けられ、
前記フランジ部が前記縦壁に係止されるとともに、前記収納凹部の壁面が前記爪部に係止されることを特徴とする請求項1記載の車両用灯火装置の取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−202141(P2010−202141A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52436(P2009−52436)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]