説明

車両用照明器具

【課題】 本発明は、メンテナンスの向上や強度を維持しながら、車両の火災事故に対する対策を施した車両用照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】 火災対策としてグローブ20に金属材やガラス材の重量物を使用しても、トルクヒンジ35に内蔵されているトルク機構は、ヒンジの軸の回りに作用して回転する力を調整することができるので、グローブ20が重たくても徐々に回転して下方へ開く構造とすることができる。従って、従来のようにメンテナンス性が良く、ヒンジの耐久性や強度の向上につながる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内部の照明に用いられる照明器具であって、バス・鉄道・大型自動車等に設けられ、蛍光灯など光源により乗客や通路を照らす車両用照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から車両内部に設けられた車両用照明器具は、コスト削減やメンテナンス性の向上を図るため、蛍光灯を覆うカバーを軽量な樹脂材で成形されている。特に、蛍光灯を覆うカバーすなわちグローブは、掃除や蛍光灯の交換を考慮して軽量に樹脂で形成され、グローブの一側に設けられたヒンジにより、本体に対して一方に開閉ができる構造となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、これらヒンジ機構を改良し、長尺なカバー体の開閉をスムーズにする構造(例えば、特許文献3参照)やヒンジ機能と係合機能を併せ持ったバネおよび軸からなる機構をそれぞれ灯具カバーおよび灯具本体に設けることによって、灯具本体に対する灯具カバーの回動と着脱の双方を容易にした照明器具(例えば、特許文献2参照)が提案されてきた。
【0004】
【特許文献1】特開2003−36721号公報(段落0044、段落0052、図3乃至図6)
【特許文献2】特開2006−79918号公報(図4)
【特許文献3】特開2007−26739号公報(図5乃至図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の車両用照明器具では、メンテナンス性の向上やコスト削減のためグローブの全体が樹脂で形成される場合が多く、車両内での火災事故が発生すると天井の車両用照明器具から樹脂が溶け落ちて来る恐れやグローブ等の樹脂の燃焼によりグローブが一気に引火してグローブ自体が落下するする恐れがあり、火災に対する対策が望まれるようになってきた。
そして、火災事故に対する対策のうち特にグローブの火災対策を行うために、金属やガラス等の不燃素材を使用してグローブを形成する必要が出てきたが、グローブ自体の重量の違いや使用する素材の違いのため、従来の筐体の構造では強度やメンテナンス性の向上を維持するのに困難な状態となってきた。
【0006】
そこで、本発明は、メンテナンス性の向上や強度を維持しながら、車両の火災事故に対する対策を施した車両用照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題を解決するために請求項1記載の本発明は、照明用の光源(蛍光灯8、ランプ、LED灯、EEFL灯、ネオン灯等)を収納する本体(30)と、当該本体(30)を覆うように形成されたグローブ(20)とからなり車両内部の客室の天井付近に設けられる車両用照明器具(10)であって、前記グローブ(20)は、少なくとも乗客側に面した位置にあって前記光源からの光を透過する不燃材料(ガラス・強化ガラス・耐火ガラス・複合樹脂等が好ましい)で形成された透過部(22)と、当該透過部(22)を収納し枠状に不燃材料(アルミニウム・鉄・銅・複合樹脂等が好ましい)で形成された筐体(21)と、から構成され、前記グローブ(20)をその一方の側縁側で前記本体(30)と連結し開閉することができる連結ヒンジ部材(35)と、前記グローブ(20)をその他方の側縁側で前記本体(30)の係止部(37)と係合して閉じ位置で係止し、係止めを解除すると前記グローブ(20)を開閉する係止部材(27)と、を設け、前記連結ヒンジ部材(35)は、前記グローブ(20)が自重により開く際に当該連結ヒンジ部材(35)の回転に反して作用するトルクを有したヒンジ機構を備えたことを特徴とする。
【0008】
以上の構成により、乗客側に面したグローブの筐体と、乗客側に面した透過部とは、不燃材料で形成されている。そのため、従来のように乗客側に面する側はプラスチック材が使用されていないためプラスチック材が溶け落ちるようなことはない。また、グローブをこられ重量の有る材質を使用しても連結ヒンジ部材に内蔵されているトルク機構により、荷重のあるグローブであっても徐々に回転して開く構造とすることができる。従って、従来のようなメンテナンス性を確保することができると共にヒンジの耐久性や強度の向上につながる。
【0009】
本課題を解決するために請求項2記載の本発明は、前記透過部(22)は、乗客側に対する面の裏面を凹状に形成したことを特徴とする。
以上の構成により、乗客側に対する面の裏面を凹状に形成した透過部は、プラスチック材が溶け出しても、その溶け出したプラスチック材料を受けることができるので、車両の火災時に乗客側へプラスチック材料が溶け落ちることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成により、メンテナンス性の向上や強度を維持しながら、車両の火災事故に対する対策を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1乃至図6に基づいて、本実施の形態を以下に説明する。
図1は、車両用照明器具10が車両に装着された状態を下方から見た斜視図である。図2は、車両用照明器具10が車両から取り外された状態を上方から見た斜視図である。図3(a)は、車両用照明器具10の正面図である。図3(b)は、車両用照明器具10の平面図である。図3(c)は、車両用照明器具10の背面図である。図3(d)は、車両用照明器具10の底面図である。図3(e)は、車両用照明器具10の右側面図である。また、左側面図は右側面図と対称に現れるものである。図4は、蛍光灯8を取り外した際の車両用照明器具10のグローブ20を開閉したときの状態を下方から見た斜視図である。図5は、車両用照明器具10のグローブ20を開閉したときの状態を側面から見た側面図である。図6は、図3(a)の車両用照明器具の正面図のA−A線で切断した断面図である。
【0012】
図1には、車両の天井に取り付けられ、内蔵されている直管状の蛍光灯8により車内を照らす車両用照明器具10が示されている。車両用照明器具10は、車両の天井に車両用照明器具10を装着し蛍光灯8を収納するための本体30と、その本体30から下方に開閉することができるグローブ20とから構成されている。
【0013】
図2乃至図6に基づいて本体30を説明する。
図2に示すように、本体30は、断面が下方を開いた台形状であって全体が箱状の筐体が形成され、本体30の外側にはトランス5と、トルクヒンジ35と、引掛金具37とが設けられ、本体30の内部には蛍光灯8と、ソケット7とが設けられている。
【0014】
本体30の台形状の天辺には、車両の天井に装着するための平坦な取付面31が設けられ、その取付面31には、入力した電力を変換して蛍光灯8に供給するためのトランス5が設けられている。本体30の台形状の傾斜面32には、長手方向に沿って内部の蛍光灯8の光を外部に照らす窓としての間接照明窓33が設けられている。
【0015】
本体30の台形状の一方の側縁側には、トルクヒンジ35が設けられている。そのトルクヒンジ35は、図2に示すように本体30の傾斜面32と後述するグローブ20とに各2箇所で固定され、グローブ20を本体30から下方に開くためのヒンジの機構を備えている。また、本体30の台形状の他方の側縁側には、引掛金具37は、水平方向に延びた板状に形成され(図5参照)、トルクヒンジ35の反対側の傾斜面32の2箇所に取付られている。
【0016】
本体30の内部には、図4及び図6に示すように間接照明窓33に対面して透明なプラスチック材で形成された透明プレート34が装着されている。透明プレート34は、プレート固定金具53と傾斜面32とにより挟み込まれて固定されている。プレート固定金具53は、金属の材質により平板を透明プレート34の固定状態に合わせ折り曲げ形成されており、ビスやボルト等により傾斜面32で固定されている。
【0017】
また、本体30の撓みを補強するために断面の台形状に合わせた補強部材55が間隔を空けて設けられ、取付面31と傾斜面32とにビス等で固定されている。この補強部材55は、蛍光灯8からの光を間接照明窓33を透して外部へ照射する光量を減らすことがないように、蛍光灯8に向かって平板状に延びている。
また、配線止め金具51は、蛍光灯8に沿って設けられ、表面を絶縁材で覆い折り曲げ可能に設けられている。これら配線止め金具51は、中央にあるトランス5からソケット7へ延びた配線が垂れないようにするために、配線止め金具51自体を折り曲げて配線を纏めるものである。
【0018】
次に、図1、図4及び図6に基づいてグローブ20を説明する。
グローブ20は、図1に示すように蛍光灯8からの光を透過し乗客側に突出し弧状に湾曲した透過部22と、その透過部22を収納する下部筐体21とから構成されている。
【0019】
透過部22は、図6に示すように2層構造で形成され、乗客に面する下部をガラス材料で形成した透明の第1透過部材23と、その上部を乳白色を施し透過性のあるプラスチック材料で形成された第2透過部材25とで構成され、下部筐体21に設けられた把持部材40により把持され固定されている。把持部材40は、断面コ字状に形成され、グローブの上下各3箇所に設けられ、車両の振動によってもずれないように透過部22を把持している。
【0020】
下部筐体21は、図6に示すように下部を蛍光灯8からの光を透過部23を通して透過させるために開口されているとともに、上部を本体部30の断面の台形状の裾野まで伸した囲状の金属材料で形成されている。そして、下部筐体21の上部には、ビス等で固定され上述した把持部材40を押さえる押え部材41が設けられている。また、下部筐体21の上部の周囲(図4参照)には、虫、埃、ゴミ等の侵入を防ぐためにスポンジ45が設けられ、グローブ20が閉じられたとき、本体部30の端部がスポンジ45に接触または内部に入り込む位置にスポンジ45が配置されている。
【0021】
下部筐体21の上部には、上述したトルクヒンジ35に対面するようにラッチ金具27がグローブ20の側端の2箇所に設けられている。ラッチ金具27は、本体30にある引掛金具37に引っ掛けることが出きるように三角状に突出したラッチ片28が設けられている。ラッチ金具27は、内部に内蔵したスプリングやバネ等の弾性力によりラッチ片28が軸29を中心に図6の矢印の方向に回転し、また元の位置に戻ることができる構造になっている。
【0022】
(グローブの開閉動作)
図4及び図5に示すように、グローブ20は、蛍光灯8の交換や掃除等の際に開閉することができるようにヒンジ機構が備えられており、引掛金具37とラッチ金具27との係止状態を解除してトルクヒンジ35を中心に下方に開くことができるようになっている。トルクヒンジ35に内蔵されているトルク機構は、ヒンジの軸の回りに作用し回転する力に反して力が掛かるようになっており、この力をグローブ20の重量に合わせて調整することで、グローブ20が重くても徐々に回転して下方へ開く構造とすることができる。従って、グローブ20の下部筐体21が金属で構成され、又グローブ20の一部がガラスで形成されような重量がある場合であっても、作業者がグローブ20を開けたときに、手により支える必要が無い。また、手を離しても徐々に開閉されるため作業するのに安全であると共にヒンジの強度や耐久性の向上につながる。
【0023】
グローブ20を閉じる際には、グローブ20に備えられたラッチ金具27のラッチ機構により引掛金具37とグローブ20との係止状態が保持されている。そして、車両の振動によってもがたつかないようにラッチ金具27に内蔵された弾性力により振動が吸収される構造である。
【0024】
(火災対策)
火災対策を図6を参照して説明する。少なくとも乗客側に面するグローブ20の下部筐体21を国土交通省が定める鉄道用車両材料の燃焼性判定試験で不燃と認定される不燃材料(鉄・銅・アルミ等の金属や複合樹脂が好ましい)で形成することにより、火災があってもプラスチックのように溶け落ちてくるようなことはない。また、蛍光灯8の光を透過させる透過部22の内、乗客側に面する透過部22を国土交通省が定める鉄道用車両材料の燃焼性判定試験で不燃と認定される不燃材料(ガラス・耐火ガラス・強化ガラス・複合樹脂等が好ましい)で形成した第1透過部材23を設けることで、プラスチックのように溶け落ちてくるようなことはない。
【0025】
また、プラスチック材料で形成された第2透過部材25を使用しても、乗客側に対する面の裏面を凹状に形成した第1透過部材23が、溶けた第2透過部材25を受け、または貯留することができるので、溶けた第2透過部材25が乗客側へ溶け落ちるようなことはない。特に、第1透過部材23の弧状に設けられた底となる底部(P点付近)に溶けた樹脂(第2透過部材25)を貯留することができる。
更に、乗客側に対する面の裏面を凹状に形成した第1透過部材23と金属製の下部筐体21で形成された空間により、本体30内部に樹脂を多用しても溶けた樹脂を貯めることができるので、乗客側へ溶け落ちるようなことはない。
【0026】
(本実施形態の効果)
(1)本実施の形態の構成により、乗客側に面したグローブ20の下部筐体21が不燃材料としてのアルミニウム・鉄・銅・複合樹脂等のこれら透過性を必要としない金属材料(第1材料)で形成され、また乗客側に面した透過部22は、不燃材料としてのガラス・耐火ガラス・強化ガラス・複合樹脂等のこれら透過性を必要とするガラス材料(第2材料)で形成された第1透過部材23を有している。そのため、従来のように乗客側に面する側はプラスチック材が使用されていないためプラスチック材が溶け落ちるようなことはない。また、火災が起きても一度に燃焼することもない。更に、たとえ本体30内部にプラスチック材を使用しても下部筐体21や透過部22で受けることができ、溶けたプラスチック材が乗客側へ漏れ出す恐れもない。
【0027】
(2)本実施の形態の構成により、火災対策としてグローブ20に不燃材料として金属材やガラス材の重量物を使用しても、トルクヒンジ35に内蔵されているトルク機構は、ヒンジの軸の回転する力に作用して回転する力を調整することができるので、グローブ20を徐々に回転させ下方へ開く構造とすることができる。従って、従来のようなメンテナンス性を確保することができると共にヒンジの耐久性や強度の向上につながる。また、トルク機構の採用により列車による振動の影響も少ない。更に、スペースも必要としない点が利点である。
【0028】
(3)本実施の形態の構成により、透過性のある乳白色の第2透過部材25を第1透過部材23の上部に設けることで、内部構造(例えば配線や蛍光灯8自体)が見えなく見栄え良く照明としての効果を発揮することができる。
【0029】
(4)本実施の形態の構成により、透過部22にプラスチック材料で形成された乳白色の第2透過部材25を使用しても、乗客側に対する面の裏面を凹状に形成した第1透過部材23が溶けた第2透過部材25を受け又は貯留することができるので、溶けた第2透過部材25が乗客側へ溶け落ちるようなことはない。また、第1透過部材23を磨りガラス等にするよりも安価に製造することができる。
【0030】
(5)本実施の形態の構成により、乗客側にに対する面の裏面を凹状に形成した第1透過部材23と金属製の下部筐体21とで形成した空間は、本体30内部に樹脂を多用しても溶けた樹脂を貯めることができるので、乗客側へ溶け落ちるようなことはない。
【0031】
(6)本実施の形態の構成により、トルクヒンジ35とラッチ金具27の採用により、グローブ20と本体30とが係止されている状態において、ラッチ金具27に内蔵された弾性力とトルクヒンジ35のヒンジ機構により車両の振動を吸収することができる。
【0032】
(7)本実施の形態の構成により、本体30の傾斜面32に長手方向に沿って設けられた間接照明窓33は、天井に向けて光が照射されるように設けられているため、乗客は間接照明として光を鑑賞することができる。
また、ラッチ金具27を解除して開閉しなくとも、間接照明窓33から本体30内部の様子を監察することができるので、メンテナンス性の向上に繋がる。
更に、間接照明窓33に対面して透明なプラスチック材で形成された透明プレート34が装着されているので、虫や埃等が本体30の内部に進入する心配がない。
【0033】
(他の実施形態への変更例)
以上説明した実施形態を他の実施形態へ変更した例を以下に示す。
【0034】
・以上の本実施形態では、蛍光灯8を使用して説明したが、電球ランプやLED灯や冷陰極管を使用したEEEFL灯やネオン灯等の照明器具の灯具に適用できる。
【0035】
・以上の本実施形態では、第2透過部材25を樹脂で形成したが、耐火性のある樹脂や透過性のある色ガラス(白色等)であっても良く、樹脂のように溶け落ちる心配がないと共に有毒ガス灯が発生する恐れはなく火災対策に効果を発揮する。
【0036】
・以上の本実施形態では、車両用照明器具10を天井部分に設けた例を示したが、特に限定されることなく、乗客用の荷棚部分であっても良い。
【0037】
・以上の本実施形態では、把持部材40は、第2透過部材25と第1透過部材23を直接挟む構造としているが、図7に示すようにテープ状の緩衝材42を間に挟み固定する構造であっても良い。そうすることで、特にガラス面に傷を付けることを防止することができると共に、列車の振動によるがたつきを防止することができる。
【0038】
・以上の本実施形態では、コ字状の把持部材40により固定する方法を示したが、図8に示すように、下部筐体21に設けられた金属製の押え片43を第2透過部材25の端に貼り付けたテープ状の緩衝材42の位置まで開いて固定する方法であっても良い。以上の構成により、第1透過部材23や第2透過部材25の脱着する際、押え片43を折り曲げて下部筐体21の位置まで退避させるだけで、第1透過部材23や第2透過部材25を交換できるので簡単に脱着することができる。
【0039】
・ヒンジ機構としては、ヒンジの回転に反して作用するものとしてトルクヒンジに見られる部材同士の圧力で作用するものや油圧・空気・バネ等で作用するものがあり、バネヒンジ、ダンパーヒンジ、ロータリーダンパーヒンジ等がある。
【0040】
・第1透過部材23を乗客側に面した側については弧状に湾曲して説明したが、特に弧状に限定されることはなく、平坦であっても良く、又逆に凹状であっても良い。
即ち、第1透過部材23を乗客側に対する面の裏面が、溶けた樹脂を受けることができるように、溝状であってもよく、又三角形、四角形の凹状であってもよい。特に、長手方向全体に亘って凹状としなくとも一部に凹状を設け、溶けた樹脂を受けることができるように形成されているものであればよい。
【0041】
本実施形態から考えられる別の技術思想として、乗客側に対する面の裏面には凹状になった透過部と筐体とで形成した空間を備え、前記透過部と前記筐体とが樹脂が流れ落ちないように密着して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用照明器具があり、この構成により、前記空間は、本体内部に樹脂を多用しても溶けた樹脂を貯めることができるので、乗客側へ溶け落ちるようなことはないという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
鉄道の車両だけでなく、バスやトラックや船舶等の火災対策が必要な箇所にも使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態における車両用照明器具が車両に装着された状態を下方から見た斜視図である。
【図2】本実施形態における車両用照明器具が車両から取り外された状態を上方から見た斜視図である。
【図3】(a)本実施形態における車両用照明器具の正面図である。 (b)本実施形態における車両用照明器具の平面図である。(c)本実施形態における車両用照明器具の背面図である。(d)本実施形態における車両用照明器具の底面図である。(e)本実施形態における車両用照明器具の右側面図である。
【図4】本実施形態における車両用照明器具のグローブを開閉したときの状態を下方から見た斜視図である。
【図5】本実施形態における蛍光灯8を取り外した際の車両用照明器具10のグローブ20を開閉したときの状態を側面から見た側面図である。
【図6】本実施形態における図3(a)の車両用照明器具の正面図にあるA−A線で切断した断面図である。
【図7】他の実施形態における第1透過部材を把持した状態の押さえ部材を側面から見た拡大断面図。
【図8】他の実施形態における第1透過部材を把持した状態の第2透過部材を上方から見た平面図。
【符号の説明】
【0044】
5・・・トランス、7・・・ソケット、8・・・蛍光灯、
10・・・車両用照明器具、
20・・・グローブ、21・・・下部筐体、22・・・透過部、
23・・・第1透過部材、25・・・第2透過部材、
27・・・係止部材としてのラッチ金具、28・・ラッチ片、29・・・軸、
30・・・本体、31・・・取付面、32・・・傾斜面、33・・・間接照明窓、
34・・・透明プレート、35・・・連結ヒンジ部材としてのトルクヒンジ、
37・・・係止部としての引掛金具、
40・・・把持部材、41・・・押え部材、42・・・スペーサー、
45・・・スポンジ、43・・・押え片、51・・・配線止め金具、
53・・・プレート固定金具、55・・・補強部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明用の光源を収納する本体と、当該本体を覆うように形成されたグローブとからなり車両内部の客室の天井付近に設けられる車両用照明器具であって、
前記グローブは、少なくとも乗客側に面した位置にあって前記光源からの光を透過する不燃材料で形成された透過部と、当該透過部を収納し枠状に不燃材料で形成された筐体と、から構成され、
前記グローブをその一方の側縁側で前記本体と連結し開閉することができる連結ヒンジ部材と、前記グローブをその他方の側縁側で前記本体の係止部と係合して閉じ位置で係止し、係止めを解除すると前記グローブを開閉する係止部材と、を設け、
前記連結ヒンジ部材は、前記グローブが自重により開く際に当該連結ヒンジ部材の回転に反して作用するトルクを有したヒンジ機構を備えたことを特徴とする車両用照明器具。
【請求項2】
前記透過部は、乗客側に対する面の裏面を凹状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−40186(P2009−40186A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206660(P2007−206660)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000144544)レシップ株式会社 (179)
【Fターム(参考)】