説明

車両用照明装置及び車両用照明装置本体

【課題】 使用毎の車両への取り付け及び取り外しや、手で持っての取り扱いが不要で、使い勝手に優れ、電力消費量がより少なく、しかも、作業に好適な車両用照明装置、及び、同車両用照明装置に用いる車両用照明装置本体を提供する。
【解決手段】 ELシートを面発光体とする板状の照明装置本体11をインシュレータ17に一体化したものを、車両15におけるエンジンフード16の裏面に取り付ける。照明装置本体11は、インシュレータ17と共に、エンジンフード16の裏面の凹凸形状に合わせて予め成形されている。照明装置本体11は、エンジン室18内に設けられたインバータ及びスイッチを介して車載バッテリに接続されており、スイッチがオンとされた状態でインバータから供給される所定電圧及び所定周波数の交流によって面発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のエンジンフード又はトランクリッドの裏面に設けられる車両用照明装置に係り、詳しくは、発光源として例えばEL(Electro Luminescence)シート等の面発光体を用いた車両用照明装置、及び、同車両用照明装置に用いられる車両用照明装置本体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両用照明装置としては、例えば特許文献1,2に記載されたものがある。特許文献1のランプでは、平面型反射鏡と平型レンズとからなるランプハウジングに、ランプをエンジンフードの裏側に係止させるためのフックと、ランプをエンジンフードの裏面に磁着させるための磁気板とが設けられている。そして、作業者は、エンジン室での作業を行うときに、トランク等の保管場所からこのランプを取り出して、ランプのフックをエンジンフードの裏面に引っ掛けたり、磁気板をエンジンフードの裏面に磁着させたりすることによりエンジンフードに取り付けて使用する。
【0003】
また、特許文献2のランプは、エンジン室内のウォッシャータンクに対して着脱可能に取り付けられている。ウォッシャータンクは、透光性を有する合成樹脂にて形成され、ウォッシャータンクの側面凹部に装着されたランプの光により、ウォッシャー液の量を確認することができるようになっている。また、作業者は、ウォッシャータンクからランプを取り外し、このランプを手で持ってエンジン室内を照明することができるようになっている。
【特許文献1】特開昭61−287841号公報
【特許文献2】特開平11−180213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のランプは、使用毎に、トランク等の保管場所から取り出して、エンジンフードの裏面側に取り付ける必要がある。また、作業終了後には、ランプをエンジンフードの裏面側から取り外して保管場所に戻す必要がある。このため、ランプの使い勝手が悪かった。
【0005】
また、上記特許文献2のランプも、特許文献1のランプと同様に、使用毎に、ウォッシャータンク外面の凹部から外して、作業者がランプを手で持ってエンジン室内を照明する必要がある。また、作業終了後には、ランプをウォッシャータンク外面の凹部に戻す必要がある。従って、このランプも、特許文献1のランプと同様に、使い勝手が悪かった。
【0006】
さらに、特許文献1,2のランプは、いずれもフィラメントを発光させるので、電力消費量が多い。このため、ランプを用いた作業を長時間行うと、電源である車載バッテリが消耗することがある。また、両ランプは、点光源であるので、機器類が密集したエンジン室内では大きな影がくっきりとできる。
【0007】
この発明の目的は、使用毎の車両への取り付け及び取り外しや、手で持っての取り扱いが不要で、使い勝手に優れ、電力消費量がより少なく、しかも、作業に好適な車両用照明装置、及び、同車両用照明装置に用いられる車両用照明装置本体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、シート状の面発光体を、車両におけるエンジンフード又はトランクリッドの裏面に装着するように構成したことを特徴とする車両用照明装置である。シート状の面発光体は耐衝撃性を有することが望ましい。ここで、「耐衝撃性」とは、衝撃を受けても、破壊されたり、あるいは、破壊に伴う破片が散乱したりしない性質をいう。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、請求項1に記載の発明において、前記面発光体は、エレクトロ・ルミネッセンス・シートであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記エンジンフード又はトランクリッドの裏面の凹凸形状に合わせて予め成形されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、発光面の少なくとも一部を、模様状に発光させるように形成されていることを特徴とする。なお、本明細書において、「模様」とは、文字、数字、記号、図形、図柄等を含むものとする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、エンジンフードの裏面に装着されるインシュレータに一体化されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、耐衝撃性を備え、車体側の被掛止部に掛止可能な掛止部を設けた面発光体を、透明保護板で保護し、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用照明装置に用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、面発光体からなる照明装置が、車両におけるエンジンフードやトランクリッドの裏面側に予め取り付けられているので、エンジンフードやトランクリッドを開ければ面発光体を照明位置にセットすることになる。このため、作業開始時にランプを保管場所から取り出したり、終了時にランプを保管場所に戻したりする必要がない。また、使用中に、ランプを手で持っている必要がない。従って、照明装置の使い勝手が向上する。又、フィラメント発光よりも効率が高いので、電力消費量が少なくなる。しかも、発光面積を広くできるため、影ができにくく、エンジン室のように機器が密集しているところを照らすのに都合がよい。
【0014】
また、エンジンフード又はトランクリッドの裏面の凹凸形状に合わせて予め成形されていれば、狭いエンジン室またはトランク内に無理なく設置することができる。
また、面発光体における発光面の少なくとも一部を、模様状に発光させるように形成すれば、文字、数字、記号、図形、図柄により表されるメッセージを発光表示することができる。
【0015】
また、エンジンフードの裏面に装着されるインシュレータに一体化すれば、車両側から照明装置本体に伝達されるエンジン等の振動が緩衝される。このため、面発光体と、給電用の電線との接続部分で断線が起きにくくなり、断線による故障が起きにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
次に、本発明を車両におけるエンジン室用の照明装置に具体化した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0017】
図3(a)に示すように、この実施形態の照明装置10は、照明装置本体11と、車載バッテリ12の直流を交流に変換して照明装置本体11に供給するインバータ13と、インバータ13から照明装置本体11への電力の供給又は供給停止を行うスイッチ14とにより構成されている。照明装置本体11は、図1に示すように、車両15におけるエンジンフード16の裏面側にインシュレータ17を介して設置されている。また、インバータ13及びスイッチ14は、エンジン室18内の適宜の位置に設置されている。
【0018】
前記照明装置本体11は、面発光体としての周知のエレクトロ・ルミネッセンス・シート(以下、ELシートという)を発光源とするシート状に形成されている。図3(b)に示すように、ELシート50は、誘電体からなる発光層51、発光層51の表面側に配置される表面透明電極52、発光層51の裏面側に配置される絶縁層53、絶縁層53の裏面側に配置される背面電極54、及び、背面電極54の裏面側に配置される背面保護膜55が積層された周知の構成を備えている。照明装置本体11は、このELシート50と、ELシート50の裏面側に配置される背面板56、透光性を有するとともにELシート50の表面側に配置されるカラーシート57、及び、カラーシート57の表面側に配置される透明保護板58を積層することにより形成されている。背面板56は、ELシートよりも厚い合成樹脂板からなり、照明装置本体11にある程度の剛性を付与している。カラーシート57は、ELシート50の発光色に例えばブルーグリーン等の色を付ける。透明保護板58は、カラーシート57の表面を傷が付かないように保護する。表面透明電極52及び背面電極54には、それぞれ給電用の電線59a,59bが接続されている。なお、照明装置本体11の周縁部は、図4(a)に示すように、封止剤19により封止されるとともに保護されている。このような構成により、照明装置本体11は、柔軟性に加えて、衝撃を受けても、破壊されたり、あるいは、破壊に伴う破片が散乱したりしない耐衝撃性を有している。そして、照明装置本体11は、図1に示すように、エンジンフード16の裏面の周縁部を除く領域全体に対応する大きさ(車種に応じて異なるが例えば幅1100mm×長さ700mm)を有し、エンジン室18全体を上方から照明することができるようになっている。
【0019】
図2に示すように、照明装置本体11は、エンジンフード16の裏面の凹凸形状に合わせて、インシュレータ17とともに予め成形されている。これは、例えば、エンジンフード16の裏面の凹凸形状に対応する型を用いて、シート状の照明装置本体11を熱成形することより行われる。また、図4(a)に示すように、車体側としてのインシュレータ17には、被掛止部としてのフック17aが装着され、このフック17aは、照明装置本体11に設けられた掛止部としての孔11aに掛止されている。これにより、照明装置本体11は、インシュレータ17と一体化されている。そして、照明装置本体11は、図示しない掛止手段により、インシュレータ17とともにエンジンフード16に対して機械的に結合されている。なお、フック17aは、例えば弾性を有する合成樹脂からなり、図4(b)に示すように、インシュレータ17に対して表裏を貫通した状態で装着される。
【0020】
さて、夜間や日中の暗い場所において作業者が車両のエンジン室18内を点検しようとするときに、エンジンフード16を開けると照明装置本体11が照明位置にセットされる。そして、作業者が、エンジン室18内のスイッチ14を操作してオフからオンに切り替えると、照明装置本体11が点灯し、エンジン室18全体が上方から照明される。従って、作業者は、ランプをトランク等の保管場所から取り出したり、エンジンフード16の裏面側に取り付けたりすることなく、すぐに点検作業を行うことができる。また、エンジンフード16の裏面に設けられた面発光体からなる照明装置本体11により、エンジン室18全体が照明されるので、作業に応じてランプを持ち続ける必要がない。
【0021】
また、作業終了後に、作業者が、エンジン室18内のスイッチ14をオンからオフに切り替えれば、照明装置本体11が消灯する。このため、作業者は、そのままエンジンフード16を閉じればよく、ランプをエンジンフード16の裏面側から取り外したり、トランク等の保管場所に戻したりする必要がない。
【0022】
従って、この実施形態の照明装置10によれば、面発光体からなる照明装置本体11がエンジンフード16の裏面側に予め取り付けられているので、作業開始時や終了時に、ランプを保管場所から出し入れしたり、エンジンフード16の裏面側等に着脱したりする必要がない。また、作業中に、ランプを手で持っている必要がない。このため、照明装置本体11の使い勝手が向上する。
【0023】
また、面発光体をELシート50としたので、電力消費量がより少なくなる。このため、照明装置10を長時間使っても、車載バッテリ12が消耗しにくい。
また、発光源をELシート50とすることにより照明装置本体11をシート状とし、エンジンフード16の裏面側に装着するようにしたので、狭いエンジン室18内においてその大きさが制約されることがない。従って、より大きな面積の照明装置本体11を設置することができるので、エンジン室18内のより広い範囲を照明することができる。さらに、発光面積を広くできるため、照明されたエンジン室18内に影ができにくい。このため、作業者が光源を手で持っていないにも拘らず、機器が密集したエンジン室18内の各部を良く照明することができる。
【0024】
また、照明装置本体11を、エンジンフード16の裏面の凹凸形状に合わせてインシュレータ17とともに予め成形したので、狭いエンジン室18内に無理なく設置することができる。
【0025】
また、ELシート50からなる照明装置本体11は、例えば内側に孔を開けた形状等の自由な形状とすることができる。このため、照明装置本体11を、インシュレータ17の全体形状に合致する形状としたり、インシュレータ17に設けられた消音用の孔に対応する部位に貫通孔を設けたりすることができる。このため、インシュレータ17やエンジンフード16の形態に制約されず、照明装置本体11の面積をより大きくすることができ、エンジン室18内をより広範囲に照明することができる。
【0026】
また、ELシート50には、白熱灯と異なり球切れがない。このため、車両メーカにおける車両への取付時や、その後工程、あるいは、整備工場での整備時等において、照明装置本体11に発光しなくなる不良が起きにくい。また、球を交換する必要がないので、その設置場所を球が交換可能な場所とする必要がない。このため、照明装置本体11を、エンジン室18内をより効果的に照明することができるエンジンフード16の奥位置等に設置することができる。
【0027】
さらに、照明装置本体11をインシュレータ17に一体化したので、車両15から照明装置本体11に伝達されるエンジン等の振動が弱められる。このため、ELシートと電線との接続部分が切れにくくなり、断線による故障が起きにくくなる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、本発明を車両におけるトランク用の照明装置に具体化した第2実施形態を図5〜図8に従って説明する。
【0029】
図8に示すように、この実施形態の照明装置20は、照明装置本体21と、第1インバータ22、第2インバータ23、第1スイッチ24及び第2スイッチ25とにより構成されている。第1インバータ22及び第2インバータ23は、それぞれ前記車載バッテリ12の直流を、所定電圧及び所定周波数の交流に変換して照明装置本体21に供給する。第1スイッチ24及び第2スイッチ25は、それぞれ第1インバータ22及び第2インバータ23から照明装置本体21への電力の供給又は供給停止を行う。照明装置本体21は、図5に示すように、車両15におけるトランクリッド26の裏面側に設置されている。また、両スイッチ24,25は、トランク27内の適宜の位置に設置され、両インバータ22,23は、例えばトランク27の側壁部内に収容されている。
【0030】
図7に示すように、前記照明装置本体21は、前記第1実施形態のELシート50と同様な矩形状の第1ELシート28、模様としての文字列状に形成されるとともに第1ELシート28の表面側に配置される第2ELシート29a,29b,29c、背面板30、及び、透明保護板31を積層することにより形成されている。第2ELシート29a〜29cは、照明装置本体21の発光面の一部をなし、「故障中」の文字を発光表示する。なお、各第2ELシート29a〜29cは、第1ELシート28と同様な構成を備え、同一の発光色とされている。ている。また、背面板30は、第1ELシート28の裏面側に配置され、透明保護板31は、第2ELシート29a〜29cの表面側に配置されている。そして、図5に示すように、照明装置本体21は、トランクリッド26の水平部分の周縁部を除く領域全体に対応する大きさを有し、トランク27全体を上方から照明することができるようになっている。
【0031】
第1ELシート28は、前記第1インバータ22及び第1スイッチ24を介して車載バッテリ12に接続され、各第2ELシート29a〜29cは、前記第2インバータ23及び第2スイッチ25を介して車載バッテリ12にそれぞれ接続されている。第1ELシート28に第1インバータ22から供給される交流の電圧及び周波数は、第2ELシート29a〜29cに第2インバータ23から供給される交流の電圧及び周波数と等しくされている。
【0032】
さて、夜間や日中の暗い場所において運転者がトランク27に物を出し入れしようとするときに、トランクリッド26を開けると、照明装置本体21が照明位置に配置される。そして、運転者が、トランク27内の第1スイッチ24及び第2スイッチ25を操作して共にオフからオンに切り替えると、照明装置本体21の第1ELシート28及び第2ELシート29a〜29cがいずれも点灯し、トランク27全体が上方から照明される。このとき、第1ELシート28及び第2ELシート29a〜29cは、同一の発光色であるので、第2ELシート29a〜29cの模様は実質的に表示されず、照明として機能する。このため、運転者は、ランプをトランク27等の保管場所から取り出したり、トランクリッド26の裏面側に取り付けたりすることなく、すぐに作業を行うことができる。また、トランクリッド26の裏面側に設けられた面発光体からなる照明装置本体21により、トランク27内全体が照明されるので、運転者は、作業に応じてランプを持ち続ける必要がない。
【0033】
また、作業終了後に、運転者が、トランク27内の第1スイッチ24及び第2スイッチ25を共にオンからオフに切り替えると照明装置本体21が消灯する。このため、運転者は、そのままトランクリッド26を閉じればよく、ランプをトランクリッド26の裏面側から取り外したり、トランク27等の保管場所に戻したりする必要がない。
【0034】
また、車両が故障したときには、運転者は、車両を路肩等に止め、トランクリッド26を開けて、第2スイッチ25をオフからオンに切り替える。すると、照明装置本体21の各第2ELシート29a〜29cのみが点灯し、「故障中」の文字が発光表示される。このため、走行中の車両の運転者は、路肩等に止まった車両における「故障中」の発光表示を容易に視認することができ、路肩等に止まった故障中の車両の存在を確実に認識することができる。また、故障が直ったときに、運転者がトランク27内の第2スイッチ25をオンからオフに切り替えると、各第2ELシート29a〜29cが消灯し「故障中」の表示が消える。
【0035】
さらに、車両が故障したときに、運転者が、第1スイッチ24をオフからオンに切り替えると、照明装置本体21の第1ELシート28が点灯し、「故障中」の文字が抜き文字状に表示される。このため、走行中の車両の運転者は、各第2ELシート29a〜29cの点灯時と同様に、路肩等に止まった車両における「故障中」の発光表示を容易に視認することができる。
【0036】
従って、この実施形態も、前記第1実施形態と同様の各効果を有している。
(変形例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0037】
・ 図9に示すように、照明装置本体40全体を、車両におけるトランクリッド26の裏面側に装着可能な略矩形状とする。この照明装置本体40を、その中央部に位置する模様としての三角停止板状の第1ELシート41と、この第1ELシート41以外の部分を形成する第2ELシート42とにより構成する。この照明装置本体40では、前記第2実施形態における第1ELシート28及び第2ELシート29a〜29cとは異なり、第1ELシート41と第2ELシート42とは互いに重なっていない。そして、第1ELシート28の発光色は例えば白色とされ、第2ELシート29a〜29cの発光色は赤色とされている。図10に示すように、第1ELシート41には、前記第1インバータ22及び第1スイッチ24を介して車載バッテリ12が接続され、第2ELシート42には、第2インバータ23及び第2スイッチ25を介して車載バッテリ12が接続されている。そして、トランク27内の照明時には、第1スイッチ24をオンとすることにより、第1ELシート41が白色に発光し、トランク27内の広い範囲が照明される。また、車両故障時には、第2スイッチ25をオンとすることにより、第2ELシート42が赤色に発光し、光る三角停止板として機能する。
【0038】
・ 第1実施形態で、インバータ13に電圧及び周波数調節機能を備え、インバータ13に設けられた調節ノブを運転者が操作して、インバータ13が照明装置本体11に供給する交流の電圧及び周波数を調節することができるようにする。この場合には、長期間に渡る使用により照明装置本体11の輝度が低下したときに、交流の電圧及び周波数を高めることによりある程度まで輝度を回復することができる。
【0039】
・ 前記第2実施形態で、各第2ELシート29a〜29cに第2インバータ23から供給される交流の電圧及び周波数を、第1ELシート28に第1インバータ22から供給される交流の電圧及び周波数よりも高く設定する。この場合には、照明を過度に明るくすることなく、「故障中」の文字をより高い輝度で発光表示することができる。
【0040】
・ 前記第2実施形態で、第2スイッチ25がオンとされたときに、第2インバータ23から第2ELシート29a〜29cに対して交流を間欠的に供給するように構成してもよい。なお、交流の間欠的な供給は、例えば、車載バッテリ12から供給される電力を蓄えるコンデンサと、このコンデンサが蓄えた電力によってスイッチング動作するトランジスタとからなる回路を用いて行うことができる。この場合には、「故障中」の表示を点滅させることができ、走行中の車両の運転手が気づきやすいようにすることができる。
【0041】
・ 各実施形態で、照明装置本体11,21,40を、柔軟性を有するシート状としてもよい。この場合、照明装置本体11,21,40を、エンジンフード16やトランクリッド26の裏面に接着してもよい。
【0042】
・ 面発光体として、柔軟性を有する合成樹脂のシートに多数の発光ダイオードをプリントしたものを用いてもよい。
・ 照明装置本体の形状は、略矩形に限らず、略正方形、台形、不定形等であってもよい。
【0043】
・ 照明装置本体の少なくとも一部を、模様としての数字、記号又は図形の形や、文字、数字、記号、図形、図柄のうちのいずれか複数の組み合わせの形に発光させてもよい。
・ 照明装置本体全体が、文字、数字、記号、図形、図柄等の模様を表すように構成する。
【0044】
・ 照明装置本体を複数とし、互いに離れた位置に設置する。例えば、エンジンフード16の裏面と、エンジン室18と車室とを区画するバルクヘッドのエンジン室18側の壁面とに設置する。または、トランクリッド26の裏面と、トランク27の奥壁面又は側壁面とに設置する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】車両におけるエンジンフードに設置された第1実施形態の照明装置本体を示す斜視図。
【図2】エンジンフード及び照明装置本体の縦断面図。
【図3】(a)は、照明装置の構成を示す模式図、(b)は、照明装置本体の一部縦断面図。
【図4】(a)は、インシュレータと照明装置本体との結合構造を示す斜視図、(b)は、フックを含むインシュレータの一部縦断面図。
【図5】トランクリッドに設置された第2実施形態の照明装置本体を示す斜視図。
【図6】照明装置本体を示す正面図。
【図7】照明装置本体を示す分解斜視図。
【図8】照明装置の構成を示す模式図。
【図9】変形例の照明装置本体を示す正面図。
【図10】照明装置の構成を示す模式図。
【符号の説明】
【0046】
10…照明装置、11…照明装置本体、11a…掛止部としての孔、15…車両、16…エンジンフード、17…車体側としてのインシュレータ、17a…被掛止部としてのフック、20…照明装置、21…照明装置本体、26…トランクリッド、28…面発光体としての第1ELシート、29…同じく第2ELシート、31…透明保護板、40…照明装置本体、41…面発光体としての第1ELシート、42…同じく第2ELシート、50…面発光体としてのELシート、58…透明保護板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の面発光体を、車両におけるエンジンフード又はトランクリッドの裏面に装着するように構成したことを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記面発光体は、エレクトロ・ルミネッセンス・シートであることを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記エンジンフード又はトランクリッドの裏面の凹凸形状に合わせて予め成形されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
発光面の少なくとも一部を、模様状に発光させるように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
エンジンフードの裏面に装着されるインシュレータに一体化されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
【請求項6】
耐衝撃性を備え、車体側の被掛止部に掛止可能な掛止部を設けた面発光体を、透明保護板で保護し、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用照明装置に用いられることを特徴とする車両用照明装置本体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−1349(P2007−1349A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180893(P2005−180893)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】