説明

車両用照明装置

【課題】夜間においてユーザの乗車や降車がスムーズにできる車両用照明装置を提供する。
【解決手段】鍵を持ったユーザが車両に近づくと、ヘッドランプ等を点灯させ、ドア開閉検出手段によりドアが開かれたことを検出すると、ドアランプを点灯させ、その後に、インナーシル照射部を点灯させる。ドア開閉検出手段によりドアが開かれたことを検出すると、インナーシル照射部を点灯させ、その後に、ドアランプを点灯させ、ドア開閉検出手段によりドアが閉じられたことを検出すると、ヘッドランプ等を点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置に関し、特に乗車時や降車時の照明に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用照明装置としては、特許文献1に開示されたものがある。この車両用照明装置は、車両が停止状態か走行可能状態かを検出する手段と、車両の室内側に配置された車両室内照明部と、この各車両室内照明部の照度を制御できる制御部とを備えている。制御部は、車両が停止状態のときには各車両室内照明部の発光状態を大きく設定し、車両の走行可能状態のときには各車両室内照明部の発光状態を少し低く設定するよう制御する。
【0003】
これにより、車両の走行中においてユーザ(乗員)が専ら運転に集中でき、停車中においては、室内での作業をし易くできるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−97113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の車両用照明装置では、夜間におけるユーザの乗車時や降車時について配慮されていない。
【0006】
また、ドアの室内面側にドアランプを配置し、ドアの開放時にドアランプが点灯するものがあるが、ドアランプのみではスムーズな乗車や降車が不十分である。ユーザの乗車や降車がスムーズにできる車両用照明装置が要望されている。
【0007】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、夜間においてユーザの乗車や降車がスムーズにできる車両用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、 車両の外側を照らす車両外装照明手段と、ドアが開かれ、ユーザが前記車両に乗り込む際に立つ地面を照らす地面照射手段と、ユーザが乗り込む室内の床面を照らす床面照射手段と、前記車両に対して送信機を持ったユーザが近接位置か、離間位置であるかを検出するユーザ位置検出手段と、前記ドアの開閉を検出するドア開閉検出手段と、前記ユーザ位置検出手段により前記ユーザの接近を検出すると、前記車両外装照明手段を点灯させ、前記ドア開閉検出手段により前記ドアが開かれたことを検出すると、前記地面照射手段を点灯させ、その後に、前記床面照射手段を点灯させる制御手段とを備えたことを特徴とする車両用照明装置である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の車両用照明装置であって、前記制御手段は、前記ドア開閉検出手段により前記ドアが開かれたことを検出すると、前記床面照射手段を点灯した後に、フットランプ及びマップランプを点灯させることを特徴とする車両用照明装置である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の車両用照明装置であって、前記ドアの解錠・施錠を検出するドア解錠・施錠検出手段を有し、前記制御手段は、前記ドア解錠・施錠検出手段がドアの解錠を検出すると、前記車両外装照明手段を消灯させることを特徴とする車両用照明装置である。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用照明装置であって、計器類を照らす計器用照明手段と、ユーザが着座したことを検出する着座検出手段とを有し、前記制御手段は、前記着座検出手段が乗員の着座を検出すると、前記計器用照明手段を点灯させることを特徴とする車両用照明装置である。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両用照明装置であって、前記制御手段は、前記イグニッションキーがオフからオンにされると、前記地面照射手段及び前記床面照射手段を消灯させることを特徴とする車両用照明装置である。
【0013】
請求項6の発明は、ユーザが車両より降りようとする際に足を置く室内の床面を照らす床面照射手段と、ドアが開かれ、ユーザが前記車両より降りる際に立つ地面を照らす地面照射手段と、前記車両の外側を照らす車両外装照明手段と、前記ドアの開閉を検出するドア開閉検出手段と、前記ドア開閉検出手段により前記ドアが開かれたことを検出すると、前記床面照射手段を点灯させ、その後に、前記地面照射手段を点灯させ、前記ドア開閉検出手段により前記ドアが閉じられたことを検出すると、前記車両外装照射手段を点灯させる制御手段とを備えたことを特徴とする車両用照明装置である。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6記載の車両用照明装置であって、計器類を照らす計器用照明手段を有し、前記制御手段は、イグニッションキーがオンからオフにされると、前記計器用照明手段を消灯させ、その後に、マップランプとフットランプを点灯させることを特徴とする車両用照明装置である。
【0015】
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7記載の車両用照明装置であって、前記車両に対してユーザが近接位置か、離間位置であるかを検出するユーザ位置検出手段を有し、前記車両外装照明手段は、ヘッドランプとアウトサイドドアハンドル照明部であり、前記制御手段は、前記ドア解錠・施錠検出手段によりドアの施錠を検出すると、前記アウトサイドドアハンドル照明部を消灯させ、前記ユーザ位置検出手段によりユーザの離間を検出すると、前記ヘッドランプを消灯させることを特徴とする車両用照明装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、送信機を持ったユーザが車両に近づくと、車両の周囲が車両外装照明手段によって照らされ、ユーザがドアを開くと、ユーザが車両に乗り込む際に立つ地面が地面照射手段によって照射され、その後に、ユーザが乗り込む室内の床面が床面照射手段によって照らされるため、ユーザの乗り込み動作を照明によって誘導することができる。従って、夜間においてユーザがスムーズに車両に乗り込むことができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、ユーザが乗り込む際に、着座時の足元周辺の床面がフットランプによって照らされ、ユーザが乗り込む車室エリアがマップランプにより照らされるため、乗り込み動作をよりスムーズに行うことができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加え、ユーザが車両に近づいてドアの解錠を行うと、車両外装照明手段が消灯するため、電力の無駄な消費を抑制できる。
【0019】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、ユーザが着座すると、計器用照明手段が点灯するため、夜間における運転のための作業性が向上する。
【0020】
請求項5の発明によれば、請求項1〜請求項4の発明の効果に加え、ユーザがイグニッションキーをオンすると、地面照射手段及び床面照射手段が消灯するため、電力の無駄な消費を抑制できる。
【0021】
請求項6の発明によれば、降車するためにユーザがドアを開くと、ユーザが降りるまで足を置いている床面が床面照射手段によって照射され、その後に、ユーザが降りる際に足を置く地面が地面照射手段によって照射され、ユーザがドアを閉めると、車両の周囲が車両外装照明手段によって照らされるため、ユーザの降車動作を照明によって誘導することができる。従って、夜間においてユーザがスムーズに車両より降りることができる。
【0022】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明の効果に加え、ユーザがイグニッションキーをオフにすると、計器用照明手段が消灯するため、電力の無駄な消費を抑制できる。
【0023】
請求項8の発明によれば、請求項6又は請求項7の発明の効果に加え、車両より降りたユーザがドアを施錠すると、アウトサイドドアハンドル照明部が消灯し、その後、ユーザが車両より離れると、ヘッドランプが消灯するため、電力の無駄な消費を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)は車両の外側に配置された各照明手段を示す車両の概略斜視図、(b)は車両の内側に配置された各照明手段を示す車両の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、(a)はドアが閉じている時のインナーシル照明部及びキッキングプレート照明部の位置を示す断面図、(b)はドアが開いている時のインナーシル照明部及びキッキングプレート照明部の位置を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、車両用照明装置の制御系の概略ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、乗車時の制御フローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態を示し、降車時の制御フローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態を示し、運転時の制御フローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態を示し、ユーザが車両に接近した際の車両の照明状態を示す概略平面図である。
【図8】本発明の一実施形態を示し、ユーザがドアを開いた際の車両の照明状態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1〜図8は本発明の一実施形態を示し、図1(a)は車両2の外側に配置された各照明手段を示す車両2の概略斜視図、図1(b)は車両2の内側に配置された各照明手段を示す車両2の斜視図、図2(a)はドア3が閉じている時のインナーシル照明部15及びキッキングプレート照明部14の位置を示す断面図、図2(b)はドア3が開いている時のインナーシル照明部15及びキッキングプレート照明部14の位置を示す断面図、図3は車両用照明装置1の制御系の概略ブロック図、図4は乗車時の制御フローチャート、図5は降車時の制御フローチャート、図6は運転時の制御フローチャート、図7はユーザが車両2に接近した際の車両2の照明状態を示す概略平面図、図8はユーザがドア3を開いた際の車両2の照明状態を示す概略平面図である。
【0027】
図1(b)、図7及び図8に示すように、車両2の車室内の床面7には、座席6が前方に2つ、後方に2つで計4つ配置されている。運転者の座席6の前方には、インストルメントパネル5が配置されている。運転者の座席6の前方の床面で、インストルメントパネル5の下方には、ペダル8が配置されている。
【0028】
各座席6に対応する車両2の側面には、ドア開口部がそれぞれ設けられている。各ドア開口部は、各ドア3によってそれぞれ開閉される。各ドア開口部の下方の車両外側ボディーパネル9Aには、キッキングプレート9が固定されている。各キッキングプレート9の直ぐ車室内側の位置には、インナーシルカバー4が固定されている。各インナーシルカバー4は、キッキングプレート9に平行に配置されている。各インナーシルカバー4は、キッキングプレート9より高さが高く設定されている。
【0029】
図1(a)及び図7に示すように、車両用照明装置1は、車両2の外側に配置され、車両2の外側を照らす複数の車両外装照明手段を有する。各車両外装照明手段は、ヘッドランプ10、フォグランプ11及びアウトサイドドアハンドル照明部12等である。ヘッドランプ10及びフォグランプ11は、車両2の前部の左右両側に配置され、車両2の前方を照らす(図7の範囲Aを照射)。アウトサイドドアハンドル照明部12は、各ドア3のアウトサイドハンドルに設けられ、アウトサイドハンドルの下方に向かって光を照射し、ドア3の周辺の地面をそれぞれ照らす(図7の範囲aを照射)。
【0030】
図1(b)及び図8に示すように、車両用照明装置1は、車両2の内側に配置され、基本的に車両の室内を照らす複数の室内照明手段を有する。各室内照明手段は、各ドア3の車室内側に配置された地面照射手段である4つのドアランプ13、各キッキングプレート9の上面側に埋設された4つのキッキングプレート照明部14、各インナーシルカバー4の車室面側に配置された床面照射手段である4つのインナーシル照明部15、インストルメントパネル5の下部に配置され、ドライバーの座席6の床面7で、且つ、着席時の足元周辺(ペダル8の周辺)を照らすフットランプ16、車室内の天井に配置され、各座席6に対応する車室エリアを照らす4つのマップランプ17、計器類を照射する計器用照明部18等である。
【0031】
各ドアランプ13は、各ドア3が開かれた状態で、ユーザが車両2に乗り込む際に立ったり、ユーザが車両2より降りる際に立つ地面をそれぞれ照らす(図8の範囲B,範囲D,範囲F,範囲Hを照射)。
【0032】
各キッキングプレート照明部14は、図2(a)、(b)に詳しく示すように、各キッキングプレート9の上面より上方に向かって光を照射する(図8に照射範囲は図示せず)。これにより、キッキングプレート照明部14は、ユーザが乗降する際のドア開口の下端位置を認識させることができる。
【0033】
各インナーシル照明部15は、図2(a)、(b)に詳しく示すように、ドア3が開かれた状態で、ユーザが乗り込む際に足を置いたり、ユーザが車両より降りようとする際に足を置く室内の床面7をそれぞれ照らす(図8の範囲C,範囲E,範囲G,範囲Iを照射)。
【0034】
次に、車両用照明装置1の制御系を説明する。図3に示すように、車両用照明装置1は、送信機としての鍵20の送信部21からの信号を受信する受信部22と、ドア3の解錠と施錠を検出するドア解錠・施錠検出手段であるドア解錠・施錠検出部23と、各ドア3の開閉を検出するドア開閉検出手段であるドア開閉スイッチ24と、各座席6にユーザが着席したか否かを検出する着座検出手段である着座センサ25と、運転時に車室内照明を行うか否かをユーザが選択できるイルミネーション照明スイッチ26と、運転時の車室内照明のモード(全点灯モード、減光点灯モード、揺らぎ点灯モード、フラッシュ点灯モード)をユーザが選択できる点灯モード選択スイッチ27とを備え、これらの各検出信号が制御手段である制御部30に出力される。又、制御部30には、イグニッションキー(図示せず)のオン・オフ情報が出力される。
【0035】
制御部30は、受信部22からの情報によって鍵20を持ったユーザが車両2に対して近接位置に位置するか、離間位置に位置するかを検出する。従って、鍵20の送信部21と車両側の受信部22と制御部30によってユーザ位置検出手段が構成されている。
【0036】
制御部30は、上記した各検出信号に基づいてヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12、ドアランプ13、キッキングプレート照明部14、インナーシル照明部15、フットランプ16、マップランプ17、計器用照明部18の点灯・消灯等を制御する。この制御内容については、下記の照明動作で説明する。
【0037】
次に、車両用照明装置1の照明動作を説明する。
【0038】
(乗車時の照明)
先ず、乗車時の照明について説明する。図4に示すように、鍵20を持ったユーザが車両2に近づくと、ユーザ位置検出手段が鍵20を持ったユーザの接近を検出する(ステップS1)。すると、制御部30は、ヘッドランプ10及びフォグランプ11を点灯させると共にアウトサイドドアハンドル照明部12を点灯させる(ステップS2)。これにより、図7に示すように、ヘッドランプ10及びフォグランプ11によって範囲Aに光が照射され、アウトサイドドアハンドル照明部12によって範囲aに光が照射され、車両2の周辺が明るくなる。
【0039】
次に、ユーザがドア3を解錠すると、これをドア解錠・施錠検出部23が検出する(ステップS3)。すると、制御部30は、ヘッドランプ10、フォグランプ11及びアウトサイドドアハンドル照明部12を消灯させる(ステップS4)。
【0040】
次に、ユーザが運転席側のドア3を開くと、これを当該ドア3に対応するドア開閉スイッチ24が検出する(ステップS5)。すると、制御部30は、ドアランプ13、キッキングプレート照明部14、インナーシル照明部15の順番で点灯させ、その後、更に、フットランプ16、マップランプ17の順番で点灯させる(ステップS6)。これにより、運転席に乗り込むユーザの足元照明に着目すると、図8に示すように、ドアランプ13によって範囲Bに光が照射され、キッキングプレート照明部14によってキッキングプレート9の上方に向かって光が照射され(図8では明示せず)、インナーシル照明部15によって範囲Cに光が照射される。
【0041】
次に、ユーザが運転席に着席すると、これを着座センサ25が検出する(ステップS7)。すると、制御部30は、計器用照明部18を点灯させる(ステップS8)。
【0042】
次に、ユーザがドア3を閉じると、これを当該ドア3のドア開閉スイッチ24が検出する(ステップS8−1)。すると、制御部30は、キッキングプレート照明部14及びドアランプ13を消灯させる(ステップS8−2))。
【0043】
次に、ユーザがイグニッションキーをオフからオンにすると(ステップS9)、制御部30は、インナーシル照明部15、フットランプ16、マップランプ17をゆっくり消灯させる(ステップS10)。
【0044】
上記動作過程にあって、他のユーザが助手席や後席右や後席左側のドア3を開くと、これを当該ドア3に対応するドア開閉スイッチ24が検出する(ステップS11,S12,S13)。すると、制御部30は、当該ドア3に対応するドアランプ13、キッキングプレート照明部14、インナーシル照明部15の順番で点灯させ、その後、更に、マップランプ17の順番で点灯させる(ステップS14,S15,S16)。これにより、助手席に乗り込む場合、そのユーザの足元照明に着目すると、図8に示すように、ドアランプ13によって範囲Dに光が照射され、キッキングプレート照明部14によってキッキングプレート9の上方に向かって光が照射され(図8では明示せず)、インナーシル照明部15によって範囲Eに光が照射される。後席右席に乗り込む場合、そのユーザの足元照明に着目すると、図8に示すように、ドアランプ13によって範囲Fに光が照射され、キッキングプレート照明部14によってキッキングプレート9の上方に向かって光が照射され(図8では明示せず)、インナーシル照明部15によって範囲Gに光が照射される。後席左席に乗り込む場合、そのユーザの足元照明に着目すると、図8に示すように、ドアランプ13によって範囲Hに光が照射され、キッキングプレート照明部14によってキッキングプレート9の上方に向かって光が照射され(図8では明示せず)、インナーシル照明部15によって範囲Iに光が照射される。それ以降は、上記したステップS9に移行する。
【0045】
(降車時の照明)
次に、降車時の照明について説明する。図5に示すように、ユーザがイグニッションキーをオンからオフにすると(ステップS20)、制御部30は、計器用照明部18をゆっくりと消灯させ(ステップS21)、その後、マップランプ17及びフットランプ16を点灯させる(ステップS22)。
【0046】
次に、ユーザが運転席のドア3を開くと、これを当該ドア3のドア開閉スイッチ24が検出する(ステップS23)。すると、制御部30は、インナーシル照明部15、キッキングプレート照明部14、ドアランプ13をこの順番で点灯させる(ステップS24)。これにより、運転席から降りるユーザの足元照明に着目すると、図8に示すように、インナーシル照明部15によって範囲Cに光が照射され、キッキングプレート照明部14によってキッキングプレート9の上方に向かって光が照射され(図8では明示せず)、ドアランプ13によって範囲Bに光が照射される。
【0047】
次に、ユーザが降車してドア3を閉じると、これを当該ドア3のドア開閉スイッチ24が検出する(ステップS25)。すると、制御部30は、マップランプ17、フットランプ16、インナーシル照明部15、キッキングプレート照明部14及びドアランプ13を消灯させる(ステップS26)。その後、制御部30は、ヘッドランプ10、フォグランプ11及びアウトサイドドアハンドル照明部12を点灯させる(ステップS26A)。これにより、図7に示すように、ヘッドランプ10及びフォグランプ11によって範囲Aに光が照射され、アウトサイドドアハンドル照明部12によって範囲aに光が照射され、車両2の周辺が明るくなる。
【0048】
次に、ユーザがドア3の施錠を行うと、これをドア解錠・施錠検出部23が検出する(ステップS27)。すると、制御部30は、アウトサイドドアハンドル照明部12を消灯させる(ステップS28)。
【0049】
鍵を持ったユーザが車両2より所定の距離だけ離れると、ユーザ位置検出手段が鍵20の離間を検出する(ステップS29)。すると、制御部30は、ヘッドランプ10及びフォグランプ11を消灯させる(ステップS30)。
【0050】
上記動作過程にあって、他のユーザが助手席や後席右や後席左側のドア3を開くと、これを当該ドア3に対応するドア開閉スイッチ24が検出する(ステップS31,S32,S33)。すると、制御部30は、当該ドア3に対応するインナーシル照明部15、キッキングプレート照明部14、ドアランプ13をこの順番で点灯させる(ステップS34,S35,S35)。これにより、助手席から降りるユーザの足元照明に着目すると、図8に示すように、インナーシル照明部15によって範囲Eに光が照射され、キッキングプレート照明部14によってキッキングプレート9の上方に向かって光が照射され(図8では明示せず)、ドアランプ13によって範囲Dに光が照射される。後席右から降りるユーザの足元照明に着目すると、図8に示すように、インナーシル照明部15によって範囲Gに光が照射され、キッキングプレート照明部14によってキッキングプレート9の上方に向かって光が照射され(図8では明示せず)、ドアランプ13によって範囲Fに光が照射される。後席左から降りるユーザの足元照明に着目すると、図8に示すように、インナーシル照明部15によって範囲Iに光が照射され、キッキングプレート照明部14によってキッキングプレート9の上方に向かって光が照射され(図8では明示せず)、ドアランプ13によって範囲Hに光が照射される。
【0051】
そして、各ドア3が閉じられると、これを当該ドア3に対応するドア開閉スイッチ24が検出する(ステップS37,S38,S39)。すると、制御部30は、各ドア3に対応するインナーシル照明部15、キッキングプレート照明部14及びマップランプ17を消灯させる(ステップS40,S41,S42)。これ以降は、上記したステップS26Aに移行する。
【0052】
(運転時の室内照明)
図6に示すように、運転時にあってユーザがイルミネーション照明スイッチ26をオンする(ステップS50)。すると、制御部30は、点灯モード選択スイッチ27の選択状態を確認し(ステップS51)、選択された点灯モードで車室内照明を点灯・点滅等させる(ステップS52)。
【0053】
以上説明したように、車両用照明装置1は、車両の外側を照らすヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12と、ドア3が開かれ、ユーザが車両2に乗り込む際に立つ地面を照らすドアランプ13と、ユーザが乗り込む室内の床面7を照らすインナーシル照明部15と、車両に対して鍵20が近接位置か、離間位置であるかを検出するユーザ位置検出手段と、ドア3の開閉を検出するドア開閉スイッチ24と、ユーザ位置検出手段により鍵20の接近を検出すると、ヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12を点灯させ、ドア開閉スイッチ24によりドア3が開かれたことを検出すると、ドアランプ13を点灯させ、その後に、インナーシル照明部15を点灯させる制御部30とを備えている。従って、鍵20を持ったユーザが車両2に近づくと、車両2の周囲がヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12によって照らされ、ユーザがドア3を開くと、ユーザが車両2に乗り込む際に立つ地面がドアランプ13によって照射され、その後に、ユーザが乗り込む室内の床面7がインナーシル照明部15によって照らされるため、ユーザの乗り込み動作を照明によって誘導することができる。従って、夜間においてユーザがスムーズに車両2に乗り込むことができる。
【0054】
特に、この実施形態では、ユーザが乗り込む際にドアランプ13、キッキングプレート照明部14、インナーシル照明部15の順番で点灯するので、きめ細かく誘導することができる。
【0055】
制御部30は、ドア開閉スイッチ24によりドア3が開かれたことを検出すると、インナーシル照明部15を点灯させた後に、フットランプ16及びマップランプ17を点灯させるので、ユーザが乗り込む際に、着座時の足元周辺の床面7(ペダル8の周辺)がフットランプ16によって照らされ、ユーザが乗り込む車室エリアがマップランプ17により照らされるため、乗り込み動作をよりスムーズに行うことができる。
【0056】
車両用照明装置1は、ドア3の解錠・施錠を検出するドア解錠・施錠検出部23を有し、制御部30は、ドア解錠・施錠検出部23がドア3の解錠を検出すると、ヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12を消灯させるので、ユーザが車両2に近づいてドア3の解錠を行うと、ヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12が消灯するため、電力の無駄な消費を抑制できる。
【0057】
車両用照明装置1は、計器類を照らす計器用照明部18と、ユーザが着座したことを検出する着座センサ25とを有し、制御部30は、着座センサ25が乗員の着座を検出すると、計器用照明部18を点灯させるので、ユーザが着座すると、計器用照明部18が点灯するため、夜間における運転のための作業性が向上する。
【0058】
制御部30は、イグニッションキーがオフからオンにされると、ドアランプ13、キッキングプレート照明部14及びインナーシル照明部15を消灯させるので、ユーザがイグニッションキーをオンすると、ドアランプ13、キッキングプレート照明部14及びインナーシル照明部15が消灯するため、電力の無駄な消費を抑制できる。
【0059】
車両用照明装置1は、ユーザが車両2より降りようとする際に足を置く室内の床面7を照らすインナーシル照明部15と、ドア3が開かれ、ユーザが車両2より降りる際に立つ地面を照らすドアランプ13と、車両の外側を照らすヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12と、ドア3の開閉を検出するドア開閉スイッチ24と、ドア開閉スイッチ24によりドア3が開かれたことを検出すると、インナーシル照明部15を点灯させ、その後に、ドアランプ13を点灯させ、ドア開閉スイッチ24によりドア3が閉じられたことを検出すると、ヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12を点灯させる制御部30とを備えている。従って、降車するためにユーザがドア3を開けると、ユーザが降りるまで足を置いている床面7がインナーシル照明部15によって照射され、その後に、ユーザが降りる際に足を置く地面がドアランプ13によって照射され、ユーザがドア3を閉めると、車両2の周囲がヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12によって照らされるため、ユーザの降車動作を照明によって誘導することができる。従って、夜間においてユーザがスムーズに車両2より降りることができる。
【0060】
特に、この実施形態では、ユーザが降車する際にインナーシル照明部15、キッキングプレート照明部14、ドアランプ13の順番で点灯するので、きめ細かく誘導することができる。
【0061】
車両用照明装置1は、計器類を照らす計器用照明部18を有し、制御部30は、イグニッションキーがオンからオフにされると、計器用照明部18を消灯させ、その後に、マップランプ17とフットランプ16を点灯させるので、ユーザがイグニッションキーをオフにすると、計器用照明部18が消灯するため、電力の無駄な消費を抑制できる。
【0062】
車両用照明装置1は、車両2に対して鍵20が近接位置か、離間位置であるかを検出するユーザ位置検出手段を有し、車両外装照明手段は、ヘッドランプ10、フォグランプ11及びアウトサイドドアハンドル照明部12であり、制御部30は、ドア解錠・施錠検出部23によりドア3の施錠を検出すると、アウトサイドドアハンドル照明部12を消灯させ、ユーザ位置検出手段によりユーザの離間を検出すると、ヘッドランプ10及びフォグランプ11を消灯させるので、車両2より降りたユーザがドア3を施錠すると、アウトサイドドアハンドル照明部12が消灯し、その後、ユーザが車両2より離れると、ヘッドランプ10及びフォグランプ11が消灯するため、電力の無駄な消費を抑制できる。
【0063】
上記実施形態にあって、点灯・消灯の制御を行う車両外装照明手段は、ヘッドランプ10とアウトサイドドアハンドル照明部12とし、フォグランプ11については点灯・消灯の制御を行わないようにしても良い。
【0064】
床面照射手段は、乗降時の足元周辺の床面7に近いインナーシルカバー4に配置されたインナーシル照明部15にて構成されているので、乗降時の足元周辺の床面7を十分な照度によって、インストルメントパネル5や座席6で光路を阻まれることなく確実に照らすことができる。又、インナーシルカバー4は、ユーザが乗り込む際に足を置いたり、ユーザが車両2より降りようとする際に足を置く床面位置のすぐ横位置に立設されているため、乗降時におけるユーザの足元周辺の床面7を確実に照らすことができる。
【0065】
(その他)
この実施形態では、乗車時にあって、制御部30は、イグニッションキーがオフからオンにされると、インナーシル照明部15を消灯させるよう制御するが、ドア開閉スイッチ24がドア3の閉塞を検出すると、消灯させるようにしても良い。
【0066】
この実施形態では、車両外装照明手段は、ヘッドランプ10、フォグランプ11、アウトサイドドアハンドル照明部12であるが、これらの1つ、若しくは、これらから任意に選択された2つであっても良い。車両外装照明手段は、車両2の外側を照らすものであれば良く、車幅灯、テールランプ等であっても良いことはもちろんである。
【0067】
この実施形態では、地面照射手段は、ドアランプ13にて構成されているが、各ドア3が開かれた状態で、ユーザが車両2に乗り込む際に立ったり、ユーザが車両2より降りる際に立つ地面を照らすものであれば良い。
【0068】
この実施形態では、床面照射手段は、インナーシル照明部15にて構成されているが、ユーザが車両2に乗り込む際に足を置いたり、ユーザが車両2より降りようとする際に足を置く室内の床面7を照らすものであれば良い。
【0069】
また、運転時の車室内照明等を時間帯、車室内の音楽、車室内の温度等に応じて異なる点灯仕様としても良い。例えば、時間帯(朝/昼/夜/深夜)に応じて異なる点灯仕様とする。車室内の音楽の曲調に応じた点灯仕様とする。車室内の温度に合わせた点灯仕様とする。
【符号の説明】
【0070】
1 車両用照明装置
2 車両
7 床面
10 ヘッドランプ(車両外装照明手段)
11 フォグランプ(車両外装照明手段)
12 アウトサイドドアハンドル照明部(車両外装照明手段)
13 ドアランプ(地面照射手段)
15 インナーシル照明部(床面照射手段)
16 フットランプ
17 マップランプ
18 計器用照明部(計器用照明手段)
20 鍵(送信機)
21 送信部(ユーザ位置検出手段)
22 受信部(ユーザ位置検出手段)
23 ドア解錠・施錠検出部(ドア解錠・施錠検出手段)
24 ドア開閉スイッチ(ドア開閉検出手段)
25 着座センサ(着座検出手段)
30 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外側を照らす車両外装照明手段と、
ドアが開かれ、ユーザが前記車両に乗り込む際に立つ地面を照らす地面照射手段と、
ユーザが乗り込む室内の床面を照らす床面照射手段と、
前記車両に対して送信機を持ったユーザが近接位置か、離間位置であるかを検出するユーザ位置検出手段と、
前記ドアの開閉を検出するドア開閉検出手段と、
前記ユーザ位置検出手段により前記ユーザの接近を検出すると、前記車両外装照明手段を点灯させ、前記ドア開閉検出手段により前記ドアが開かれたことを検出すると、前記地面照射手段を点灯させ、その後に、前記床面照射手段を点灯させる制御手段とを備えたことを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用照明装置であって、
前記制御手段は、前記ドア開閉検出手段により前記ドアが開かれたことを検出すると、前記床面照射手段を点灯した後に、フットランプ及びマップランプを点灯させることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の車両用照明装置であって、
前記ドアの解錠・施錠を検出するドア解錠・施錠検出手段を有し、
前記制御手段は、前記ドア解錠・施錠検出手段がドアの解錠を検出すると、前記車両外装照明手段を消灯させることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用照明装置であって、
計器類を照らす計器用照明手段と、
ユーザが着座したことを検出する着座検出手段とを有し、
前記制御手段は、前記着座検出手段が乗員の着座を検出すると、前記計器用照明手段を点灯させることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両用照明装置であって、
前記制御手段は、前記イグニッションキーがオフからオンにされると、前記地面照射手段及び前記床面照射手段を消灯させることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項6】
ユーザが車両より降りようとする際に足を置く室内の床面を照らす床面照射手段と、
ドアが開かれ、ユーザが前記車両より降りる際に立つ地面を照らす地面照射手段と、
前記車両の外側を照らす車両外装照明手段と、
前記ドアの開閉を検出するドア開閉検出手段と、
前記ドア開閉検出手段により前記ドアが開かれたことを検出すると、前記床面照射手段を点灯させ、その後に、前記地面照射手段を点灯させ、前記ドア開閉検出手段により前記ドアが閉じられたことを検出すると、前記車両外装照射手段を点灯させる制御手段とを備えたことを特徴とする車両用照明装置。
【請求項7】
請求項6記載の車両用照明装置であって、
計器類を照らす計器用照明手段を有し、
前記制御手段は、イグニッションキーがオンからオフにされると、前記計器用照明手段を消灯させ、その後に、マップランプとフットランプを点灯させることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7記載の車両用照明装置であって、
前記車両に対してユーザが近接位置か、離間位置であるかを検出するユーザ位置検出手段を有し、
前記車両外装照明手段は、ヘッドランプとアウトサイドドアハンドル照明部であり、
前記制御手段は、前記ドア解錠・施錠検出手段によりドアの施錠を検出すると、前記アウトサイドドアハンドル照明部を消灯させ、前記ユーザ位置検出手段によりユーザの離間を検出すると、前記ヘッドランプを消灯させることを特徴とする車両用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−105163(P2011−105163A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262992(P2009−262992)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(504136889)株式会社ファルテック (57)
【Fターム(参考)】