説明

車両用燃料電池システムの温度制御装置

【課題】この発明は、氷点下となるような気象状態においても燃料電池スタックを始動することが可能であり、安定した出力を早期に燃料電池から得ることが可能な車両用燃料電池システムの温度制御装置を実現することを目的とする。
【解決手段】この発明は、車両の駆動用エネルギ源として、アノードとカソードとの間に電解質膜を挟みこむことにより構成されたスタックセルを備えた燃料電池スタックを搭載した車両用燃料電池システムの温度制御装置において、燃料電池スタックの二つのスタックセル間に、1枚の放熱板を挟んだ二枚の熱電変換素子を備え、熱電変換素子に電力を供給する電源を備え、燃料電池スタックの温度が設定温度未満の場合には、熱電変換素子へ電力を供給する電力供給手段を備えていることを特徴する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両用燃料電池システムの温度制御装置に係り、特に、氷点下となるような気象状態においても燃料電池スタックを始動することが可能であり、安定した出力を早期に燃料電池から得ることが可能な車両用燃料電池システムの温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の駆動用エネルギ源として燃料電池スタックを搭載した車両用燃料電池システムとしては、図6・図7に示すものがある。図6において、101は車両、102は車両用燃料電池システム、103は燃料電池スタックである。燃料電池スタック103は、図7に示すように、アノード104とカソード105との間に電解質膜106を挟みこむことにより構成されたスタックセル107を複数積層している。
燃料電池スタック103には、アノード104側に水素ガス供給路108により水素燃料タンク109を接続し、水素ガス供給路108の途中に流量制御弁110を設けるとともに、カソード105側に空気供給路111により空気圧縮器112を接続している。燃料電池スタック103は、水素燃料タンク109からアノード104・電解質膜106間に供給される水素ガスと空気圧縮器112からカソード105・電解質膜106間に供給される空気(酸素ガス)との化学反応により電気エネルギを発生(発電)する。
燃料電池スタック103には、駆動用電力線113により車両駆動用モータ114を接続している。車両駆動用モータ114は、燃料電池スタック103の発生する電力により車輪115を駆動して車両101を走行させる。また、燃料電池スタック103には、バッテリ用電力線116により電源としてバッテリ117を接続している。
車両用燃料電池システム102は、車両駆動用モータ114やシステム補機118を冷却する補機用冷却装置119を備えている。補機用冷却装置119は、冷却水を放熱するラジエータ120と、ラジエータ120に送風するラジエータファン121を駆動するファンモータ122と、ラジエータ120と車両駆動用モータ114及びシステム補機118との間に冷却水を循環させる冷却水通路123と、冷却水通路123に冷却水を圧送する冷却水ポンプ124とを備えている。補機用冷却装置119は、駆動時に発熱する車両駆動用モータ114及びシステム補機118を冷却水により冷却し、車両駆動用モータ114及びシステム補機118の温度を適正な温度に維持する。
また、車両用燃料電池システム102は、燃料電池スタック103を冷却する燃料電池用冷却装置125を備えている。燃料電池用冷却装置125は、冷却水を放熱するラジエータ126と、ラジエータ126に送風するラジエータファン127を駆動するファンモータ128と、燃料電池スタック103の二つのスタックセル7間とラジエータ126との間に冷却水を循環させる冷却水通路129と、冷却水通路129に冷却水を圧送する冷却水ポンプ130とを備えている。燃料電池用冷却装置125は、発電時に発熱する燃料電池スタック103を冷却水により冷却し、燃料電池スタック103の温度を動作が安定する設定温度(例えば、60℃〜80℃)に維持することにより、発電能力を安定させている。
前記燃料電池スタック103と流量制御弁110と空気圧縮器112と補機用冷却装置119のファンモータ122及び冷却水ポンプ124と燃料電池用冷却装置125のファンモータ128及び冷却水ポンプ130とは、車両用燃料電池システム102の制御手段132に信号線133〜137により接続している。制御手段132は、これら機器110、112、122、124、128、130により燃料電池スタック103の動作を制御し、車両駆動用モータ114、システム補機118等が要求する電力を発生する。
【0003】
従来の車両用燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックを適正な設定温度に維持する温度制御装置としては、燃料電池スタックに循環される冷却水を利用したものがある。
【特許文献1】特開2001−143737号公報
【0004】
また、従来の車両用燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックを適正な設定温度に維持する温度制御装置としては、熱電変換素子を利用したものがある。
【特許文献2】特開2001−23666号公報
【特許文献3】特開2002−313391号公報
【特許文献4】特開2005−228523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の車両用燃料電池システムにおいては、燃料電池スタックに水素ガスと空気とを供給して発電を行っている。車両用燃料電池システムの発電電力は、水素ガスのmol数や空気のmol数だけでなく、燃料電池スタック温度によっても大きく影響を受ける(高温:イオン交換膜の劣化、低温:出力が不安定)ので、固体高分子型の燃料電池の場合に、動作が安定する設定温度(例えば、60℃〜80℃)に維持するために、冷却水による温度制御を行っている。
従来は、図6・図7に示すように、燃料電池スタック103内部に冷却水を循環させる冷却水通路129を備えた燃料電池用冷却装置125を設け、冷却水を燃料電池スタック103に循環させ、設定温度に管理された専用の冷却系統(燃料電池用冷却装置125)により温度管理を行っていた。なお、数百Vの高電圧部品である燃料電池スタック103内部に流す冷却水には、電気絶縁性を高く保持する必要があるため、イオンが含まれない純水を用いている。
【0006】
ところが、冷却水として純水を使った場合には、氷点下となるような気象状態において、燃料電池スタック103内の冷却水である純水が凍り冷却水通路129を塞ぐため、燃料電池スタック103を始動することができない問題がある。
また、燃料電池スタック103の始動から動作が安定する設定温度になるまでは、燃料電池スタック103と燃料電池用冷却装置125内の冷却水とを上昇させるのに数分から数十分かかるため、その間発電が安定しない問題がある。
さらに、車両101に搭載される車両用燃料電池システム102では、燃料電池スタック103の発電により生成された熱は動作温度である適正温度を維持するため、燃料電池用冷却装置125のラジエータ126により空気中に放熱される問題があり、また、燃料電池スタック103専用の燃料電池用冷却装置125が必要となるため、重量の増加、ファンモータ128や冷却水ポンプ130の消費電力の増加、積載スペースの増加、振動やノイズの発生が起こる問題がある。
【0007】
この発明の目的は、氷点下となるような気象状態においても燃料電池スタックを始動することが可能であり、安定した出力を早期に燃料電池スタックから得ることが可能な車両用燃料電池システムの温度制御装置を実現するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の車両用燃料電池システムの温度制御装置は、車両の駆動用エネルギ源として、アノードとカソードとの間に電解質膜を挟みこむことにより構成されたスタックセルを備えた燃料電池スタックを搭載した車両用燃料電池システムの温度制御装置において、前記燃料電池スタックの二つのスタックセル間に、1枚の放熱板を挟んだ二枚の熱電変換素子を備え、前記熱電変換素子に電力を供給する電源を備え、前記燃料電池スタックの温度が設定温度未満の場合には、前記熱電変換素子へ電力を供給する電力供給手段を備えていることを特徴する。
【発明の効果】
【0009】
この発明の車両用燃料電池システムの温度制御装置は、燃料電池スタックの温度管理制御に冷却水を用いていないので、氷点下となるような気象状態においても燃料電池スタックを始動することが可能であり、燃料電池スタックの動作が安定する設定温度に早期に到達させることが可能なため、安定した出力を早期に燃料電池スタックから得ることできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の車両用燃料電池システムの温度制御装置は、燃料電池スタックの温度が動作が安定する設定温度未満の場合には、燃料電池スタックの熱電変換素子へ電力を供給することで、氷点下となるような気象状態においても燃料電池スタックを始動することを可能とし、安定した出力を早期に燃料電池スタックから得ることができるようにするものである。
以下図面に基づいて、この発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図4は、この発明の実施例を示すものである。図1は車両用燃料電池システムの温度制御装置の概略構成図、図2は燃料電池スタックの構成図、図3は熱電変換素子の説明図、図4は温度制御のフローチャートである。図1において、1は車両、2は車両用燃料電池システムである。車両用燃料電池システム2は、車両1の駆動用エネルギ源として燃料電池スタック3を搭載している。燃料電池スタック3は、図2に示すように、アノード4とカソード5との間に電解質膜6を挟みこむことにより構成されたスタックセル7を備え、このスタックセル7を複数積層し、隣接する二つのスタックセル7の一方のスタックセル7のカソード5と他方のスタックセル7のアノード4とを導電体により電気的に接続している。
燃料電池スタック3には、アノード4側に水素ガス供給路8により水素燃料タンク9を接続し、水素ガス供給路8の途中に流量制御弁10を設けるとともに、カソード5側に空気供給管11により空気圧縮器12を接続している。燃料電池スタック3は、水素燃料タンク9からアノード4・電解質膜6間に供給される水素ガスと空気圧縮器12からカソード5・電解質膜6間に供給される空気(酸素ガス)との化学反応により電気エネルギを発生(発電)する。
燃料電池スタック3には、駆動用電力線13により車両駆動用モータ14を接続している。車両駆動用モータ14は、燃料電池スタック3の発生する電力により車輪15を駆動して車両1を走行させる。また、燃料電池スタック3には、バッテリ用電力線16により電源としてバッテリ17を接続している。このバッテリ17は、充放電可能な二次電池からなる。
車両用燃料電池システム2は、車両駆動用モータ14やシステム補機18を冷却する補機用冷却装置19を備えている。補機用冷却装置19は、冷却水を放熱するラジエータ20と、ラジエータ20に送風するラジエータファン21を駆動するファンモータ22と、ラジエータ20と車両駆動用モータ14及びシステム補機18との間に冷却水を循環させる冷却水通路23と、冷却水通路23に冷却水を圧送する冷却水ポンプ24とを備えている。補機用冷却装置19は、駆動時に発熱する車両駆動用モータ14及びシステム補機18を冷却水により冷却し、車両駆動用モータ14及びシステム補機18の温度を適正な温度に維持する。
前記燃料電池スタック3と流量制御弁10と空気圧縮器12と補機用冷却装置19のファンモータ22及び冷却水ポンプ24とは、車両用燃料電池システム2の制御手段25に信号線26〜30により接続している。制御手段25は、これら機器10、12、22、24により燃料電池スタック3の動作を制御し、車両駆動用モータ14、システム補機18等が要求する電力を発生する。
この車両用燃料電池システム2は、燃料電池スタック3の温度を制御する温度制御装置31を備えている。温度制御装置31は、図2に示すように、燃料電池スタック3の隣接する二つのスタックセル7間に、1枚の固体である放熱板32を挟んだ二枚の熱電変換素子33を備えている。
熱電変換素子33は、図3に示すように、異種の導体であるP型半導体素子34とN型半導体素子35とを交互に導電体36・37により接続して各接続側を夫々絶縁体38・39で挟んだ構造であり、両端の電極40・41間に通電して電圧をかけると発熱・吸熱し(ペルチェ効果)、2枚の絶縁体38・39の温度差に応じて両端の電極40・41間に電圧を発生(ゼーベック効果)する。
前記放熱板32には、図1に示すように、前記補機用冷却装置19の冷却水通路23を循環させている。放熱板32は、冷却水通路23の冷却水で冷却される。前記各熱電変換素子28は、夫々素子用電力線42により前記制御手段25に接続している。制御手段25には、充放電用電力線43により前記バッテリ17を接続している。バッテリ17は、素子用電力線42及び充放電用電力線43を介して熱電変換素子33に電力を供給し、熱電変換素子33が発生した電力を蓄電する。
温度制御装置31は、前記制御手段25に、電力供給手段44と蓄電手段45とを備え、燃料電池スタック3の各スタックセル7の温度を夫々検出する温度センサ46を信号線47により接続している。前記電力供給手段44は、温度センサ46の検出する燃料電池スタック3のスタックセル7の温度が設定温度未満の場合には、電源であるバッテリ17から熱電変換素子33へ電力を供給する。前記蓄電手段45は、温度センサ46の検出する燃料電池スタック3のスタックセル7の温度が設定温度以上の場合には、熱電変換素子33で発生した電力を二次電池であるバッテリ17に蓄電する。
【0012】
次に、作用を説明する。
車両用燃料電池システム2の温度制御装置31は、図4に示すように、車両用燃料電池システム2が起動操作されて始動すると(S01)、温度センサ46の検出するスタックセル7の温度が極低温(例えば、0℃以下)であるか否かを判断する(S02)。
この判断(S02)がYESの場合は、バッテリ17の電力を熱電変換素子33に供給して通電し発熱させ、放熱板32への補機用冷却装置19の冷却水流通を停止することで、スタックセル7を加熱して暖める(S03)。
この判断(S02)がNOの場合は、燃料電池スタック3に水素ガスと空気とを供給して始動し(S04)、スタックセル7の温度が設定温度未満の低温(例えば、0℃〜60℃)であるか否かを判断する(S05)。
この判断(S05)がYESの場合は、燃料電池スタック3の発電電力の一部を熱電変換素子33に供給して通電し発熱させ、放熱板32への補機用冷却装置19の冷却水流通を停止することで、スタックセル7を加熱して暖める(S06)。
この判断(S05)がNOの場合は、スタックセル7の温度が適正な設定温度(例えば、60℃〜80℃)であるか否かを判断する(S07)。
この判断(S07)がYESの場合は、燃料電池スタック3を通常発電するように動作させ、各スタックセル7の温度にバラツキがある場合、熱電変換素子33からの発熱と吸熱による冷却とで温度の均一化を図る(S08)。
この判断(S07)がNOの場合は、スタックセル7の温度が設定温度以上の高温(例えば、80℃以上)であるか否かを判断する(S09)。
この判断(S09)がYESの場合は、燃料電池スタック3の発電に加えて、熱電変換素子33の温度差により発電し、放熱板32を冷却水により冷却し、この冷却水をラジエータ20により放熱し、スタックセル7の発熱を吸熱して冷却する(S10)。熱電変換素子28の発生した電力は、バッテリ17に蓄電される。
この判断(S09)がNOの場合であって、車両用燃料電池システム2が停止操作された場合は、燃料電池スタック3への水素ガスと空気との供給を遮断して動作を停止し(S11)、システムを停止する(S12)。
【0013】
このように、この車両用燃料電池システム2の温度制御装置31は、燃料電池スタック3の温度が設定温度未満の場合には、熱電変換素子33へ電力を供給してスタックセル7を加熱しており、燃料電池スタック3の温度管理制御に冷却水を用いていないので、氷点下となるような気象状態においても燃料電池スタック3を始動することが可能であり、燃料電池スタック3の動作が安定する設定温度に早期に到達させることが可能なため、安定した出力を早期に燃料電池スタック3から得ることできる。
また、この車両用燃料電池システム2の温度制御装置31は、燃料電池スタック3の温度が設定温度以上の場合には、熱電変換素子33で発生した電力を二次電池のバッテリ17に蓄電するので、熱電変換素子33により、吸熱されたエネルギーを電力に変換した後、バッテリ17に蓄えることができる。これにより、この車両用燃料電池システム2の温度制御装置31は、無駄な熱エネルギーの放出を削減することができる。
さらに、この車両用燃料電池システム2の温度制御装置31は、二枚の熱電変換素子33で挟まれる放熱板32に固体を用いているので、スタックセル7との電気絶縁性を確保することができる。
また、車両1は、車両駆動用モータ14を備え、この車両駆動用モータ14を冷却する補機用冷却装置19を備え、この補機用冷却装置19の冷却水により放熱板32を冷却しているので、放熱板32より放出される燃料電池スタック3の熱エネルギーを冷却するためだけの専用の燃料電池用冷却装置(図6参照)を設ける必要がない。これより、この車両用燃料電池システム2の温度制御装置31は、冷却系統を一系統省略することができ、冷却水ポンプ等の部品や冷却水通路等の配管や冷却水の重量を削減でき、消費電力の大きな冷却水ポンプやファンモータが必要なくなり、冷却水ポンプ等の部品や冷却水通路等の配管の設置スペースを削減でき、冷却水ポンプ等の部品といった振動源やノイズ源を無くすことができる。
【0014】
図5は、変形例を示すものである。前記車両1は、車室内を冷暖房するエアコン48を備えている。エアコン48は、冷媒を圧縮する冷媒圧縮機49、圧縮された冷媒を減圧する膨張器50、冷媒により車室内の空気を冷却するエバポレータ51、エバポレータ51に送風するエバポレータファン52を駆動するファンモータ53、冷媒圧縮機49と膨張器50とエバポレータ51との間に冷媒を循環させる冷媒回路54からなる冷房装置を備え、また、発熱体により車室内の空気を昇温する暖房装置を備えている。
前記車両用燃料電池システム2の補機用冷却装置19の冷却水の熱は、ラジエータ20より大気開放されるため、外気温度より冷却水温度が下がることはない。夏など外気温が高く、エアコン48を使用している場合には、冷媒で放熱板32を冷却することで、放熱板を冷媒の温度(0℃)近くまで下げることができる。
この車両用燃料電池システム2の温度制御装置31は、冷媒圧縮機49とファンモータ53とを制御手段25に信号線55・56により接続し、前記放熱板32にエアコン48の冷媒回路54を循環させている。放熱板32は、冷媒回路54の冷媒で冷却される。
このように、車両用燃料電池システム2の温度制御装置31は、エアコン48の冷媒により放熱板32を冷却しているので、放熱板32より放出される燃料電池スタック3の熱エネルギーを冷却するためだけの専用の冷却装置を設ける必要がない。放熱板32を挟む熱電変換素子33は、温度差が大きいほど変換される電圧が大きくなるため、放熱板32を冷媒で冷却することによって、熱電変換素子33の1枚あたりの熱電変換電力を大きくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
この発明の車両用燃料電池システムの温度制御装置は、氷点下となるような気象状態においても燃料電池スタックを始動することを可能とし、安定した出力を早期に燃料電池スタックから得ることができるようにするものであり、エネルギ源として燃料電池システムを利用した産業機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施例を示す車両用燃料電池システムの温度制御装置の概略構成図である。
【図2】燃料電池スタックの構成図である。
【図3】熱電変換素子の説明図である。
【図4】温度制御のフローチャートである。
【図5】この発明の変形例を示す車両用燃料電池システムの温度制御装置の概略構成図である。
【図6】従来例を示す車両用燃料電池システムの概略構成図である。
【図7】燃料電池スタックの構成図である。
【符号の説明】
【0017】
1 車両
2 車両用燃料電池システム
3 燃料電池スタック
4 アノード
5 カソード
6 電解質膜
7 スタックセル
14 車両駆動用モータ
15 車輪
17 バッテリ
18 システム補機
19 補機用冷却装置
31 温度制御装置
32 放熱板
33 熱電変換素子
44 電力供給手段
45 蓄電手段
46 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動用エネルギ源として、アノードとカソードとの間に電解質膜を挟みこむことにより構成されたスタックセルを備えた燃料電池スタックを搭載した車両用燃料電池システムの温度制御装置において、前記燃料電池スタックの二つのスタックセル間に、1枚の放熱板を挟んだ二枚の熱電変換素子を備え、前記熱電変換素子に電力を供給する電源を備え、前記燃料電池スタックの温度が設定温度未満の場合には、前記熱電変換素子へ電力を供給する電力供給手段を備えていることを特徴する車両用燃料電池システムの温度制御装置。
【請求項2】
車両の駆動用エネルギ源として、アノードとカソードとの間に電解質膜を挟みこむことにより構成されたスタックセルを備えた燃料電池スタックを搭載した車両用燃料電池システムの温度制御装置において、前記燃料電池スタックの二つのスタックセル間に、1枚の放熱板を挟んだ二枚の熱電変換素子を備え、前記熱電変換素子に電力を供給する電源を備え、前記燃料電池スタックの温度が設定温度以上の場合には、前記熱電変換素子で発生した電力を二次電池に蓄電する蓄電手段を備えていることを特徴する車両用燃料電池システムの温度制御装置。
【請求項3】
前記車両は車室内を冷暖房するエアコンを備え、このエアコン用冷媒により前記放熱板を冷却していることを特徴する請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の車両用燃料電池システムの温度制御装置。
【請求項4】
前記車両は車両駆動用モータを備え、この車両駆動用モータを冷却する冷却装置を備え、この冷却装置により前記放熱板を冷却していることを特徴する請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の車両用燃料電池システムの温度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−140611(P2008−140611A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324139(P2006−324139)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】