Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
車両用画像表示装置
説明

車両用画像表示装置

【課題】 車両が急制動状態にあるときに実風景に重畳表示される画像の表示を抑制して視認性を確保する車両用画像表示装置を提供すること。
【解決手段】 車両の運転者が視認可能な実風景と、この実風景に関連する情報であって車両の運転者に提供する情報を表す画像との重畳表示を制御する制御手段を備えた車両用画像表示装置であって、制御手段は、車両が急制動状態にあるか否かを判定し、車両が急制動状態にあるときは車両の運転者による実風景の視認性が向上するように実風景に対して重畳する画像の表示を抑制する。このとき、制御手段は、実風景に対して重畳する画像の表示の全部をなくす又は一部をなくす、実風景に対して重畳する画像を一部に集約して表示する、及び、実風景に対して重畳する画像を表示するときの色調を薄くすることのうちのいずれかにより、実風景に対して重畳する画像の表示を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実風景と重畳されて見えるように画像を表示することによって、運転者に情報を伝達する車両用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、下記特許文献1に示されているような車両用画像表示装置、車両用画像表示方法及び車両用画像表示プログラムは知られている。この従来の車両用画像表示装置等は、車両の前方に存在する施設に関する情報を提供するため、車両の運転者からウィンドウ越しに視認可能な実風景と重畳されて見えるように、施設に関する施設関連画像を表示するようになっており、施設が視認可能なときには所定の施設関連画像を表示し、施設が視認不可能なときには所定の施設関連画像を表示しないという表示態様にて表示制御を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−207781号公報
【発明の概要】
【0004】
上記従来の車両用画像表示装置等においては、車両が停止している場合等、車両の安全性に問題が生じない状況においては、施設関連画像の表示量(表示数)を規制しないようになっている。すなわち、上記従来の車両用画像表示装置等においては、車両の車速に応じて施設関連画像の表示量(表示数)を変更する、具体的には、車両の車速低下に応じて施設関連画像の表示量(表示数)を増加するようになっている。しかしながら、運転者が走行している車両を制動させて停車させる状況において、特に、急制動時においては、運転者が車両の周囲の状況を視認する必要が高くなるために重畳表示される画像を抑制して視認性を確保することが必要である。又、急制動によって車両を停車させた場合においては、運転者が車両の周囲の状況を視認して停止から再出発する必要があり、重畳表示される画像が多い或いは目立つと再出発に支障を来たす可能性があるため、重畳表示される画像を抑制して視認性を確保することが必要である。
【0005】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的の一つは、車両を急制動を伴って停止させるときに実風景に対して重畳表示される画像を抑制して視認性を確保する車両用画像表示装置を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために本発明の特徴は、車両の運転者が視認可能な実風景と、この実風景に関連する情報であって前記車両の運転者に提供する情報を表す画像との重畳表示を制御する制御手段を備えた車両用画像表示装置であって、前記制御手段は、前記車両が急制動状態にあるときは、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することにある。尚、この場合、前記制御手段は、前記車両が急制動状態にあるか否かを判定する急制動状態判定手段と、前記急制動状態判定手段によって前記車両が急制動状態にあると判定されるときに、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制する表示抑制手段とを備えることが可能である。
【0007】
又、この場合、前記制御手段は、例えば、前記車両が急制動状態から停止状態となるときに、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することができる。尚、この場合、前記表示抑制手段は、前記車両が急制動状態から停止状態となるときに前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することができる。
【0008】
又、これらの場合、前記制御手段は、例えば、前記車両に発生する減速度が前記車両の急制動状態を判定するために予め設定されている所定の減速度よりも大きいときには、前記車両に発生する減速度が前記所定の減速度以下であるときに比して、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することができる。尚、この場合、前記制御手段は、更に、車両に発生する減速度を検出する減速度検出手段を備えており、前記急制動状態判定手段は、前記減速度検出手段によって検出された前記車両に発生する減速度が前記車両の急制動状態を判定するために予め設定されている所定の減速度よりも大きいときに、前記車両が急制動状態にあると判定し、前記表示抑制手段は、前記急制動状態判定手段によって前記減速度検出手段によって検出された前記減速度が前記所定の減速度よりも大きいと判定されたときには、前記減速度が前記所定の減速度以下であるときに比して前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することができる。
【0009】
又、これらの場合、前記制御手段は、例えば、前記車両の運転者による前記実風景の視認性が向上するように、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することができる。そして、この場合、前記制御手段は、少なくとも、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示の全部をなくす又は一部をなくすこと、前記実風景に対して重畳する前記画像を一部に集約して表示すること、及び、前記実風景に対して重畳する前記画像を表示するときの色調を薄くすることのうちのいずれかにより、前記車両の運転者による前記実風景の視認性が向上するように、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することができる。尚、この場合、前記表示抑制手段は、前記車両の運転者による前記実風景の視認性が向上するように、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することができる。具体的には、前記表示抑制手段は、少なくとも、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示の全部をなくす又は一部をなくすこと、前記実風景に対して重畳する前記画像を一部に集約して表示すること、及び、前記実風景に対して重畳する前記画像を表示するときの色調を薄くすることのうちのいずれかにより、前記車両の運転者による前記実風景の視認性が向上するように、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することができる。
【0010】
又、これらの場合、前記車両の運転者が視認可能な実風景は、例えば、前記車両に設けられたカメラによって撮影されて、前記車両に設けられた表示手段を介して前記車両の運転者に対して表示される実風景とすることができる。
【0011】
これらによれば、実風景と重畳させて、実風景に関連する情報であって車両の運転者に提供する情報を表す画像を表示することができるため、運転者は、車両運転中、少ない視線移動で必要な情報を取得することができる。一方、このように画像が表示されているときに、車両が急減速状態になると、具体的には、車両に発生する減速度が所定の減速度よりも大きくなると、例えば、車両に発生する減速度が所定の減速度以下となるときに比して、表示される画像を抑制することができる。これにより、例えば、運転者が車両を急減速させるによって何かを回避しようとする状況において、表示される画像を抑制することができて、運転者による車両周りの視認性を良好に確保することができ、車両の回避操作を確実に行うことができる。又、急減速によって車両が停車した場合においては、運転者は停車後に車両を再出発させる際に車両の周囲の状況を確認する必要があり、この状況においても、表示される画像を抑制することができて、運転者による車両周りの視認性を良好に確保することができる。
【0012】
又、車両に設けられたカメラによって撮影された実風景を表示する表示手段(例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置に設けられた表示装置等)によって表示される実風景に対して、実風景に関連する情報であって車両の運転者に提供する情報を表す画像を重畳させて表示することも可能である。そして、このような表示手段(ナビゲーション装置に設けられた表示装置等)を用いた場合であっても、車両が急減速状態になると、すなわち、車両に発生する減速度が所定の減速度よりも大きくなると、例えば、車両に発生する減速度が所定の減速度以下となるときに比して、表示される画像を抑制することができる。更に、表示手段(ナビゲーション装置に設けられた表示装置等)においては、例えば、車両に設けられて同車両の周辺状況を撮影するカメラ(具体的には、リアカメラやサイドカメラ等)による画像を表示することができる場合がある。このため、例えば、運転者が表示手段(ナビゲーション装置に設けられた表示装置等)に表示されたこれらの画像を確認して車両を再出発させる際にも、重畳表示される画像の表示を抑制することが可能であり、その結果、運転者が極めて良好な車両周りの視認性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る車載システムによって表示された画像の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車載システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る車載システムの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明実施形態に係る車載システムの動作の概略を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る車載システムの動作について、急減速時における施設関連画像表示の抑制を詳細に説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る車載システムの動作について、施設関連画像の表示態様の変更を詳細に説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る車両用画像表示装置について図面を用いて説明する。車両用画像表示装置は、車両の前方に存在する施設に関する情報を提供するため、車両の運転者からウィンドウ越しに視認可能な実風景と重畳されて見えるように、施設に関する施設関連画像を表示するものである。ここで、以下においては、本実施形態に係る車両用画像表示装置として、車両に搭載されたナビゲーションシステムと連動し、運転者に対して、画像や音声等で種々の施設の情報を提供する車載システムについて説明する。尚、以下の説明において、施設とは、建物や公園等に限定されるものではなく、道路や交差点等を含み、更には、山等の自然物をも含むものとする。
【0015】
図1は、本実施形態に係る車載システムを搭載した車両1000において、車載システムによって表示された画像の一例を示すものである。ここで、車両1000に搭載される車載システムは、後の詳述するように、制御ユニット100と、表示ユニット110と、アイポイントカメラ120とを備えるようになっている。
【0016】
運転者からは、図1に概略的に示すように、フロントウィンドウ1100越しに実風景として山や道路、建物等が視認可能である。そして、このような実風景に重畳されて見えるように画像200が表示されている。この画像200は、実風景中の施設210に関連する情報を示す施設関連画像であり、図1では、少なくとも施設210の位置を示す簡易画像としての矢印201と、施設210について説明するための詳細画像としてのコメント202とを含んでいる。ここでは、施設210がガソリンスタンドであるため、コメント202には「ガソリンスタンド」と示されている。尚、コメントとしては、施設の種類や名称の他、施設の業務内容や広告等を表示してもよいし、簡易画像としては、矢印以外に星印等の特徴的な画像を用いてもよい。更に、施設に重畳されて見えるようにコメントを表示することによって、コメントがどの施設を示すものなのかを明確にできれば、簡易画像を省略することも可能である。又、矢印の後端に付加された丸印203は、施設210がナビゲーションシステムにおいて目的地として設定されていることを示す画像である。尚、対象となる施設が目的地や経由地、登録地等であることを示す情報を他の形態で画像表示可能であることは言うまでもなく、例えば、コメント部分に「目的地」等の文字を表示するようにすることも可能である。
【0017】
<システムのハードウェア構成>
次に、図2及び図3を用いて、本システムの内部構成について説明する。図2は、本実施形態に係る車載システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、本システムは、システム全体を制御する制御ユニット100と、フロントウィンドウ1100に画像を表示する表示ユニット110と、運転者を撮影しアイポイント(運転者の目)位置を検出するアイポイントカメラ120とを備えている。又、本システムは、車両外部の情報センタに設置されたサーバとネットワークを介して通信する通信ユニット130と、運転者の指示を受け取るマイク140と、運転者に音声で情報を提供するスピーカ150と、運転者からの指示を入力する操作ユニット160と、車両の挙動や位置を検出する各種センサ170とを備えている。
【0019】
制御ユニット100は、種々のプログラムを実行する過程において所定の期間毎に、アイポイントカメラ120や通信ユニット130、マイク140、操作ユニット160、各種センサ170から所定の情報を取得し、この取得した情報を総合的に判断して、表示ユニット110に出力すべき画像やスピーカ150から出力すべき音声を導き出すものである。
【0020】
このため、制御ユニット100は、図2に示すように、内部に演算制御用のCPU(詳しくは、マイクロプロセッサ)101と、固定値や各種プログラムモジュールを記憶するROM102と、各種データやプログラムを一時的に記憶するRAM103と、3D地図データ104a及び各種設定データ104bを記憶するハードディスク104と、外部ユニットとの入出力ポート105とを備えている。尚、本実施形態においては、ハードディスク104に3D地図データ104aや設定データ104bを格納するようにしたが、これに代えて、例えば、DVDやCD−ROM、BD等の記録媒体のドライブや、フラッシュメモリ等の不揮発性半導体メモリに格納するように実施することも可能である。
【0021】
CPU101は、ROM102に記憶されているメインルーチンプログラムや各種のプログラムモジュールを実行することにより、本車載システム全体を制御する。
【0022】
ROM102は、3D地図データ104aから視認可能な施設を抽出したり、施設関連画像を生成するための表示制御モジュール102aと、車両位置や、車両走行情報、3D地図データ104a、目的地設定情報等に基づいて、車両を誘導すべきルートを生成するナビゲーションモジュール102bと、操作ユニット160に対する操作に基づいて設定データ104bを生成したり修正したりする設定モジュール102cと、アイポイントカメラ120で撮像した画像に基づいてアイポイント位置や視線方向を検出するアイポイント検出モジュール102dと、マイク140から入力された音声を解析する音声解析モジュール102eと、スピーカ150から出力すべき音声を生成する音声合成モジュール102fとを記憶している。
【0023】
RAM103は、各種プログラムを実行するためのプログラム実行領域103aと、ハードディスク104から読み出した3D地図データ104aを一時的に記憶する地図データ格納領域103bと、設定モジュール102cによって入力した設定データ104bを一時的に記憶する設定データ格納領域103cと、各種センサ170によって入力した車両の挙動や位置に関するデータを一時的に記憶する車両データ格納領域103dとを含んでいる。
【0024】
ハードディスク104に記憶される3D地図データ104aには、建物や公園、道路や交差点等、山等の自然物を含む、施設の形状及び位置データが含まれ、更に、道路のルートや道路の幅員等に関する道路情報や道路交差点の位置情報等のデータが含まれている。
【0025】
ハードディスク104に記憶される設定データ104bは、その設定内容として、以下のA.基本項目及びB.詳細項目を挙げることができ、操作ユニット160や、サーバにネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ等を用いて設定可能とされている。尚、これらの項目に関しては、地域毎、乗員毎、時間帯毎、曜日毎等に分けて設定することが可能である。
【0026】
A.基本項目
A−1.施設関連画像を表示するか否か、誘導情報画像を表示するか否か、広告を表示するか否か、これらを表示する場合の表示の優先順位。
A−2.施設関連画像の大きさ(標準、2倍、3倍、距離に応じて自動設定等から選択)。
A−3.同時に表示できる施設関連画像の数(標準、極小、少なめ、多め、最大等から選択)。
A−4.視認される施設と施設関連画像が重なって見えてもよいか否か。重なった場合に、表示を禁止するか、表示位置をずらすか。
A−5.音声案内の有無、アイコン表示の有無。
B.詳細項目
B−1.施設関連画像として、何を表示するが、すなわち、目的地を表示するか、施設名を表示するか等。車両を誘導する矢印を表示するか、車両の誘導の際の目印を表示するか。
B−2.施設関連画像の表示の対象となる施設の選択(登録施設、コンビニエンスストア(更に詳細に指定することも可能)、道の駅、ガソリンスタンド(更に詳細に指定することも可能)、アミューズメント施設(更に詳細に指定することも可能)、食事施設(更に詳細に指定することも可能)、イベント開催施設(更に詳細に指定することも可能)、名所(更に詳細に指定することも可能)等である)。
B−3.どの程度の領域に存在する施設を施設関連画像の表示対象とするか(標準、狭い、広め、最大等から選択)。
B−4.施設関連画像の表示時間、すなわち、連続して表示される時間を所定時間に限定するか否か、又、合計の表示時間を所定時間に限定するか否か。
B−5.目的地設定機能(音声による目的地設定を有効にするか否か、指さしによる目的地設定を有効にするか否か)。
【0027】
表示ユニット110は、フロントウィンドウ1100上にて、実風景に重畳させて施設関連画像等を表示させるものである。この場合、表示ユニット110としては、例えば、ホログラムを利用したヘッドアップディスプレイを用いた構成や、フロントウィンドウ1100に貼付した半透過スクリーンにプロジェクタで施設関連画像等を投影する構成、フロントウィンドウ1100に貼付した半透過液晶ディスプレイを駆動させて施設関連画像等を表示する構成等を採用することができる。
【0028】
アイポイントカメラ120は、運転者の頭部を撮影するカメラであり、撮影した画像中から運転者の目の部分を特定し、その位置を算出するものである。
【0029】
通信ユニット130は、車両に最も近い基地局に電波を飛ばすことにより、通信ネットワークにアクセスし、特定のサーバから最新の地図データを受信(ダウンロード)することができる。受信(ダウンロード)して取得した地図データは、制御ユニット100に格納される。サーバには、運転者の自宅等から施設関連画像の表示や車両の誘導地点に関する設定データを送信(アップロード)することができ、通信ユニット130によりこれらの設定データを受信(ダウンロード)することもできるようになっている。更に、サーバ側で地図データにこれらの設定データを組み込んでおき、通信ユニット130により受信(ダウンロード)することもできるようになっている。
【0030】
操作ユニット160は、例えば、テンキーや各種のタッチスイッチ等の入力操作キーとそのインターフェース回路からなり、運転者等の乗員からの操作入力を受け付ける。尚、操作ユニット160は、各種の設定内容を表示するためのディスプレイを有していてもよい。
【0031】
各種センサ170は、GPS受信ユニット、車速センサ、加減速度センサ、方位センサ、ブレーキペダルストロークセンサ、ブレーキ液圧センサ等が含まれる。GPS受信ユニットは、平面アンテナやヘリカルアンテナ等の小型高利得アンテナを利用して複数のGPS衛星からの電波を受信し、この受信電波に基づいて車両の現在位置及び進行方向を算出する。そして、GPS受信ユニットは、算出した車両の現在位置及び進行方向を表す信号を出力する。
【0032】
車速センサ、車両の車速を検出し、この検出した車速を表す信号を出力する。加減速度センサは、車両に発生した加速度及び減速度を検出し、この検出した加速度及び減速度を表す信号を出力する。方位センサは、車両の方位を検出し、この検出した方位を表す信号を出力する。ブレーキペダルストロークセンサは、運転者又は周知の自動ブレーキ機構によるブレーキペダル(図示省略)の踏み込み操作量すなわちブレーキペダルのストローク量を検出し、この検出したブレーキペダルストローク量を表す信号を出力する。ブレーキ液圧センサは、運転者又は周知の自動ブレーキ機構によるブレーキペダルの操作に伴ってマスタシリンダ(図示省略)を介して各輪に設けられたブレーキユニット(図示省略)に供給されるブレーキ液圧を検出し、この検出したブレーキ液圧を表す信号を出力する。
【0033】
<システムの機能構成>
図3は、本実施形態に係る車載システムの機能構成を示すブロック図である。図2のROM102に格納されたプログラムモジュールをCPU101が読み出して実行することにより、図3に示すように、表示制御部401、ナビゲーション部402、設定部403、アイポイント検出部404、音声解析部405、音声合成部406の各機能を実現する。
【0034】
ナビゲーション部402は、各種センサ170から得られた車両データ(現在位置及び進行方向等)に基づいて、誘導ルート等を算出して表示制御部401に出力する。アイポイント検出部404は、アイポイントカメラ120からの撮像画像を用いてアイポイント位置を抽出して表示制御部401に出力する。音声解析部405は、マイク140から入力された音声を解析することによって運転者の指示を抽出して表示制御部401に出力する。
【0035】
表示制御部401は、記憶部407から読み出した地図データを解析して視認可能な施設を特定し、施設関連画像や車両誘導画像を、アイポイント位置に応じた位置に表示するように画像を生成し、表示ユニット110に出力する。このとき、記憶部407から読み出した設定データや、音声解析部405での音声解析結果、ナビゲーション部402での誘導情報等を参照して施設関連画像をどのような表示態様とするか或いは非表示とするか、音声合成部406にどのような音声を出力させるかを決定する。
【0036】
又、設定部403では、操作ユニット160から入力された運転者からの指示を施設関連画像の表示に反映させつつ、記憶部407に記憶する。更に、記憶部407は、記憶している地図データを通信ユニット130を介してサーバから受信(ダウンロード)したデータによって更新する。
【0037】
<本システムの処理>
次に、本実施形態に係る車両用画像表示装置の作動について説明する。まず、本システムで実行される処理の概要について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0038】
まず、車両のエンジンが始動すると、ステップS500にて実行を開始し、続くステップS501において、地図データ104a及び設定データ104bをハードディスク104から読み出す。
【0039】
次にステップS502において、施設関連画像を表示することが可能な施設を地図データ104aから抽出する。ここで、抽出される施設は、運転者から視認できるか否かに関わらず、車両の前方に存在するすべての(或いは、所定距離以内に存在する)施設である。尚、この場合、レストランやガソリンスタンド等の小さな施設であれば比較的近い距離のもののみを抽出し、山や高層ビル等の非常に大きな施設であれば比較的遠い距離のものまで、或いは、距離によらずに抽出する処理を行うことも可能である。又、ステップS502においては、地図データ104aを用いて、運転者から視認可能な施設と、視認不可能な施設とに分類する。尚、本実施形態においては、施設が視認可能か否かを、その施設と車両内の運転者のアイポイント位置とを結ぶ線上に他の施設が存在しないか否かによって判定するように実施するが、その他、種々の方法(例えば、車両に搭載したカメラを用いた判定方法)で視認の可否を判定してもよい。更に、設定データ104bに、施設関連画像の表示対象としない施設の種類等が設定されている場合には、ステップS502の実行時点で、表示対象として設定されている種類の施設に絞り込んでもよい。
【0040】
ステップS502で施設が抽出されると、次にステップS503において、施設関連画像の表示制御を行い、表示ユニット110に転送(出力)すべき画像データを生成する。尚、この表示制御処理により、施設関連画像を全く表示しないとの決定がなされた場合には、画像データの生成が行われないことは言うまでもない。
【0041】
最後に、ステップS504では、ステップS503の表示制御処理で生成された画像データを表示ユニット110に転送(出力)する。そして、ステップS505にて実行を終了する。
【0042】
尚、ステップS503では、基本的に、施設が視認可能なときには、所定の施設関連画像を表示し、施設が視認不可能なときには所定の施設関連画像を表示しないという表示態様によって表示制御を行うが、更に、所定条件が成立したか否かを判定し、所定条件が成立した場合には、所定の施設関連画像の表示態様を変更する。具体的には、以下の1〜4に示す表示態様で制御する。
【0043】
1.表示位置
アイポイント位置を検出し、実際に施設が視認される位置の周辺に施設関連画像が表示されるように演算する。このとき、施設の視認の障害となるものが車両と施設との間にある場合には、その障害物を避けた位置を演算する。
【0044】
2.表示方法
目的地や経由地や登録地などであることを示すランドマーク表示の有無を判定する。背景を考慮して施設関連画像の表示色を演算する。施設関連画像の大きさを演算する。
【0045】
3.表示規制条件
施設関連画像の数が所定数以上であるか否かを判定し、優先的に表示すべきと設定された施設関連画像を表示対象として選択する。優先度が低い施設関連画像については、表示を規制(例えば、抑制)する。施設関連画像の表示を抑制する条件に該当するか否かを判定する。
【0046】
4.表示終了条件
施設関連画像の表示を終了する条件(視認不可能となった場合、所定回数以上表示した場合、所定時間以上継続して又は断続的に表示した場合、表示すべき領域の外に位置する場合等)に該当するか否かを判定する。
【0047】
<詳細な表示制御処置>
以下、前記ステップS503の表示制御処置の一部として実行される処理について、図5にフローチャートを用いて詳細に説明する。前記ステップS503においては、所定条件が成立した場合に、視認可能な施設についての所定の施設関連画像の表示を規制するが、図5のフローチャートは、更に、どのような所定条件が成立した場合に、視認可能な施設について所定の施設関連画像の表示をどのように規制より詳しくは抑制するかについて詳しく示したものである。このフローチャートで示される一連の処理は、特に、視認可能となった時点で無条件に所定の施設関連画像を表示することが、運転の障害になったり、運転者を不快にさせたりすることを考慮したものである。
【0048】
この図5のフローチャートにより示される処理は、ステップS600にて開始され、ステップS601において、車両が走行中であるか否か(検出された車速があるか否か)を判定する。そして、各種センサ170の車速センサによって検出された車速が「0」よりも大きくなる走行中であれば(「Yes」)、ステップS602に進んで、施設関連画像を通常表示する。一方、各種センサ170の車速センサによって検出された車速が「0」である停止中であれば(「No」)、ステップS606に進んで、処理を一旦終了する。
【0049】
次に、ステップS602にて施設関連画像が通常表示されている状態で、ステップS603に進み、車両が運転者又は周知の自動ブレーキ機構による制動操作に起因して急制動状態(すなわち急減速状態)にあるか否か車両急制動判定する。そして、各種センサ170の車速センサ、加減速度センサ、ブレーキペダルストロークセンサ及びブレーキ液圧センサによる各検出に基づき運転者又は周知の自動ブレーキ機構によって制動操作がなされており、GPS受信ユニット、車速センサ及び加減速度センサによる検出に基づき予め設定された所定の減速度よりも大きな減速度が車両に発生していれば(「Yes」)、ステップS604に進んで、通常表示されている施設関連画像の表示を抑制する。すなわち、車両の急制動状態を判定するために予め設定されている所定の減速度よりも大きな減速度が車両に発生しているときには、車両に所定の減速度以下となる減速度が発生しているときに比して、施設関連画像の表示を抑制する。ここで、施設関連画像の表示の抑制については、視認性を向上させることを目的とするものであり、例えば、施設関連画像の表示量(表示数)について全部をなくす或いは一部をなくしたり、施設関連画像を一部に集約して表示して他は表示しないようにしたり、或いは、施設関連画像の表示態様について表示するときの色調を薄くしたり(透明性を高めたり)する。一方、運転者によって制動操作がなされておらず、所定の減速度よりも大きな減速度が車両に発生していなければ(「No」)、ステップS605に進んで、施設関連画像の通常表示を維持する。そして、前記ステップS604又はステップS605の実行後、ステップS606に進んで、処理を一旦終了する。
【0050】
更に、前記ステップS503の一部として行われる他の処理について図6を用いて詳細に説明する。図6のフローチャートは、前記ステップS503において、どのような所定条件が成立した場合に、所定の施設関連画像の表示態様をどのように変更するかについて詳しく示したものである。このフローチャートで示される一連の処理は、特に施設関連画像の点滅(表示と非表示の繰り返し)を防止することによって、運転者の利便性や視認性を向上させ、運転者に不快感を与えないことを目的とするものである。
【0051】
この図6のフローチャートにより示される処理は、ステップS700にて開始され、ステップS701において、施設が視認可能か否かを判定する。そして、施設が視認不可能であれば(「No」)、ステップS702に進み、施設関連画像が表示されているか否かを判定する。施設関連画像が通常表示されていなければ(「No」)、ステップS703に進み、その視認不可能な施設が一時的に視認可能となる視認可能時間を予測する。そして、ステップS704に進み、予測された視認可能時間が所定時間(所定値)以下であるか否かを判定する。予測された視認可能時間が所定時間(所定値)以下であれば(「Yes」)、所定条件が成立したものとして、ステップS705進んで、その後、施設が視認可能となっても施設関連画像を規制する(例えば、禁止する)ように制御する。
【0052】
又、前記ステップS701にて施設が視認可能であれば(「Yes」)、ステップS706に進み、施設関連画像が通常表示されているか(規制されていないか)否かを判定する。施設関連画像が通常表示されていれば(「Yes」)、ステップS707に進み、視認可能な施設が一時的に視認不可能となる視認不可能時間を予測する。そして、ステップS708に進み、予測された視認不可能時間が所定時間(所定値)以下であるか否かを判定する。予測された視認不可能時間が所定時間(所定値)以下であれば(「Yes」)、所定条件が成立したものとして、ステップS709に進み、その後、施設が視認不可能となっても、施設関連画像の表示を継続するように制御する。
【0053】
次に、前記ステップS702にて、施設関連画像が通常表示されていれば(「Yes」)、ステップS709における表示継続の処理が行われたと判断し、ステップS710に進んで、視認不可能となっている施設が視認可能となるまでの視認不可能継続時間を予測する。そして、ステップS711において、予測された視認不可能継続時間が所定時間(所定値)以上であるか否かを判定し、予測された視認不可能継続時間が所定時間(所定値)以上であれば(「Yes」)、ステップS712に進んで、施設関連画像の表示を規制する(例えば、禁止する)。
【0054】
前記ステップS706にて通常表示ではないと判断されれば(「No」)、施設関連画像の表示の規制中であると考えられるため、ステップS713に進み、視認可能となっている施設が視認不可能となるまでの視認可能継続時間を予測し、ステップS714にて、予測された視認可能継続時間が所定時間(所定値)以上であるか否かを判定する。そして、予測された視認可能継続時間が所定時間(所定値)以上であれば(「Yes」)、ステップS715に進んで、施設関連画像の表示規制を解除する。
【0055】
尚、前記ステップS703、S707、S710、S713においては、視認可能時間又は視認不可能時間を、車両の走行状態及び地図上の車両の位置に基づいて予測する。又、前記ステップS704、S708、S711、S714では所定値(閾値)となる所定時間は、車両から見た施設の位置に応じて異なるものとすることができる。
【0056】
又、前記ステップS705及び前記ステップS712のおいては、施設関連画像を規制(例えば、禁止)する方法としては、施設関連画像を非表示とすることが挙げられるが、これに限定されずに、施設関連画像の表示を規制できればよく、例えば、非表示の他に、目立たないように表示したり、小さく表示したり、表示時間を制限したりすることが考えられる。尚、運転者の操作に基づいて施設関連画像の表示の規制を解除できる構成となっていることが望ましい。
【0057】
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、実風景と重畳させて施設に関する施設関連画像を表示することができるため、運転者は、車両運転中、少ない視線移動で必要な情報を取得することができる。一方、このように施設関連画像が表示されているときに、車両が急制動(急減速)されると、具体的に、車両に発生する減速度が所定の減速度よりも大きくなると、車両に発生する減速度が所定の減速度以下となるときに比して、例えば、表示される施設関連画像の表示数を減少させたりして、運転者の視認性に影響を与える画像の表示を抑制することができる。これにより、例えば、運転者が車両を急制動(急減速)させるによって何かを回避しようとする状況において、表示される画像の表示を抑制する(例えば、表示数を減少させる)ことができて、運転者による車両周りの視認性を良好に確保することができ、車両の回避操作を確実に行うことができる。又、急制動(急減速)によって車両が停車した場合においては、運転者は停車後に車両を再出発させる際に車両の周囲の状況を確認する必要があり、この状況においても、表示される画像の表示を抑制する(例えば、表示数を減少させる)ことができて、運転者による車両周りの視認性を良好に確保することができる。
【0058】
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0059】
例えば、上記実施形態においては、表示ユニット110が、フロントウィンドウ1100に対して、運転者のアイポイント位置に合わせてフロントウィンドウ1100越しに直接運転者が視認する実風景と施設関連画像とを重畳させて表示するように実施した。
【0060】
この場合、例えば、車両に設けられたカメラによって撮影された実風景を表示する表示装置(例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置に設けられる表示装置等)によって表示される実風景の画像に対して種々の情報を表す画像(例えば、施設関連画像)を重畳させて表示するように実施することも可能である。このような表示装置を用いた場合であっても、上記実施形態と同様に実施することができ、上記実施形態と同様の効果が得られる。更に、例えば、上述した表示装置においては、例えば、車両に設けられて同車両の周辺状況を撮影するカメラ(具体的には、リアカメラやサイドカメラ等)による画像を表示することができる場合がある。この場合、例えば、運転者が表示装置に表示されたこれらの周辺状況を表す画像を確認して車両を再出発させる際にも、重畳表示される画像(例えば、施設関連画像)の表示を抑制する(例えば、表示数を減少させる)ことが可能であり、その結果、運転者が極めて良好な車両周りの視認性を確保することができる。
【0061】
又、上記実施形態においては、運転者がフロントウィンドウ1100越しに実風景を視認する場合において表示ユニット110が施設関連画像をフロントウィンドウ1100に表示するように実施した。この場合、運転者が所有する眼鏡越しに実風景を視認する場合には表示ユニット110が施設関連画像を眼鏡の内側に表示するように実施することも可能である。
【0062】
更に、上記実施形態においては、運転者が自ら運転する車両1000を用いて実施した。この場合、車両1000に代えて、その他の乗り物、例えば、電車や船、飛行機等を用いて実施することも可能である。この場合には、上述した施設関連画像に代えて、例えば、乗客の近傍に配設されたウィンドウに広告を表す画像等を実風景に重畳表示するようにするとよい。
【符号の説明】
【0063】
100…制御ユニット、110…表示ユニット、120…アイポイントカメラ、130…通信ユニット、140…マイク、150…スピーカ、160…操作ユニット、170…各種センサ、1000…車両、1100…フロントウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者が視認可能な実風景と、この実風景に関連する情報であって前記車両の運転者に提供する情報を表す画像との重畳表示を制御する制御手段を備えた車両用画像表示装置であって、
前記制御手段は、
前記車両が急制動状態にあるときは、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することを特徴とする車両用画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載した車両用画像表示装置において
前記制御手段は、
前記車両が急制動状態から停止状態となるときに、
前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することを特徴とする車両用画像表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載した車両用画像表示装置において、
前記制御手段は、
前記車両に発生する減速度が前記車両の急制動状態を判定するために予め設定されている所定の減速度よりも大きいときには、前記車両に発生する減速度が前記所定の減速度以下であるときに比して、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することを特徴とする車両用画像表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載した車両用画像表示装置において、
前記制御手段は、
前記車両の運転者による前記実風景の視認性が向上するように、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することを特徴とする車両用画像表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載した車両用画像表示装置において、
前記制御手段は、少なくとも、
前記実風景に対して重畳する前記画像の表示の全部をなくす又は一部をなくすこと、前記実風景に対して重畳する前記画像を一部に集約して表示すること、及び、前記実風景に対して重畳する前記画像を表示するときの色調を薄くすることのうちのいずれかにより、前記車両の運転者による前記実風景の視認性が向上するように、前記実風景に対して重畳する前記画像の表示を抑制することを特徴とする車両用画像表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載した車両用画像表示装置において、
前記車両の運転者が視認可能な実風景は、
前記車両に設けられたカメラによって撮影されて、前記車両に設けられた表示手段を介して前記車両の運転者に対して表示される実風景であることを特徴とする車両用画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−72778(P2013−72778A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212686(P2011−212686)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】