車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【課題】 車両用トイレタンク内のスラッジを溶解し、前記トイレタンク内を洗浄するものであり、その際、前記トイレタンク内の最大容量を超えさせないようにすること及び溶解したスラッジが前記トイレタンクの外に接続されている車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置内に混入しない手段を講ずること。
【解決手段】 車両用トイレタンク内にスラッジ溶解促進用洗浄剤を注入し、前記トイレタンク内の最大容量を超えさせないように容量を把握する水位計及び溶解したスラッジが前記循環装置内内に混入させないためのフイルターを配設し、前記洗浄剤を前記トイレタンク内で循環させることを特徴とする車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【解決手段】 車両用トイレタンク内にスラッジ溶解促進用洗浄剤を注入し、前記トイレタンク内の最大容量を超えさせないように容量を把握する水位計及び溶解したスラッジが前記循環装置内内に混入させないためのフイルターを配設し、前記洗浄剤を前記トイレタンク内で循環させることを特徴とする車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のトイレタンク内に付着したスラッジを除去するための装置である。
【背景技術】
【0002】
トイレタンク装置には、循環式と真空式とがある。
【0003】
循環式トイレタンク装置は、便座付近にあるペタルを踏むことにより、トイレタンク内の汚水等を攪拌させられる方式である。
【0004】
真空式トイレタンク装置は、自らトイレタンク内にある内容物を攪拌させられる方式とはなっていない。
特許文献 特開 2001−040731
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両用トイレタンク内にスラッジ溶解促進用洗浄剤を注入し、その後一定量の水を注入し、前記洗浄剤と前記水とが融合した洗浄水を前記トイレタンク内で循環させること。
【0006】
前記車両用トイレタンク内の水位が判ること。
【0007】
前記トイレタンク内の汚物が混入しないこと。
【0008】
前記トイレタンク内から前記スラッジ溶解促進用洗浄剤と前記水とが融合した前記洗浄水を一定量抜き取るとともに中和剤を注入し循環させること。
【発明が解決するための手段】
【0009】
車両用トイレタンク内にスラッジ溶解促進用洗浄剤を注入し、その後一定量の水を注入し、前記洗浄剤と前記水とが融合した洗浄水を前記トイレタンク内で循環ポンプにより循環させること。
【0010】
前記トイレタンク内の水位を示す水位計を配設すること。
【0011】
前記トイレタンク内からの汚物の進入を防ぐ網付きアタッチメントを配設すること。
【0012】
前記トイレタンク内から前記洗浄剤と前記水とが融合した前記洗浄水を抜き取るとともに中和剤を注入し、前記トイレタンク内で循環ポンプにより循環させること。
【発明の効果】
【0013】
前記スラッジ溶解促進用洗浄剤と水とが融合した洗浄水は、循環ポンプにより循環され、車両用トイレタンク内のスラッジが溶解し、前記トイレタンク内の清掃が容易になった。
【0014】
水位を示す水位計の配設により、前記トイレタンク内の前記洗浄水の容量の把握が容易になり前記水を注入してもオーバーフローすることがなくなった。
【0015】
汚物抜き取りアタッチメントの配設により、前記トイレタンク内の汚物の進入が減少した。
【0016】
前記トイレタンク内から一定量の前記洗浄剤と前記水とが融合した前記洗浄水を抜き取るとともに中和剤を注入し、循環ポンプにより循環され、短時間で中和されるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に示す1の車両用トイレタンクの2の汚物抜き取り口に3の汚物抜き取り口アタッチメント(フイルター付)を、4のワンタッチカップリングに5の水位計をそれぞれ取り付け、6の水位計コックを開き位置にする。
【0018】
1の前記トイレタンクの7の給水口に8の給水口アタッチメントを取り付け、9の給水コックを開き位置にする。
【0019】
10の洗剤タンクにスラッジ溶解用洗剤を一定量入れ、11の吐き出しコック、12の洗剤コックを開き位置にする。
【0020】
13の電源スイッチを入れ位置とし、14の循環ポンプにより1の前記トイレタンク内に前記スラッジ溶解用洗剤を注入する。13の電源スイッチを切り位置にし、12の洗剤コックを閉じ位置にする。
【0021】
車両の反対側に位置するもう一つの給水口から5の水位計の15のマンタンラインの位置まで水を注入する。
【0022】
6の水位計コックを閉じ位置にし、5の水位計を4のワンタッチカップリングから取り外す。
【0022】
13の電源スイッチを入れ位置とし、14の循環ポンプにより1のトイレタンク、16の吸込み用ジャバラホース、17の給水用ジャバラホースとの間に洗浄水を一定時分循環させる。13の電源スイッチを切り位置とする。
【0023】
18の汚物抜き取りコック、11の吐き出しコック、9の給水コックを閉じ位置とし、8の給水口アタッチメントを取り外す。
【0024】
1のトイレタンク内の7の給水口から一定量の洗浄水を抜き取る。
【0025】
7の給水口に8の給水口アタッチメントを取り付け、9の給水コック開き位置にする。
【0026】
10の洗剤タンクに一定量の中和剤を入れ、12の洗剤コックを開き位置にする。
【0027】
13の電源スイッチを入れ位置とし、14の循環ポンプにより1のトイレタンク内に前記中和剤を注入する。
【0028】
13の電源スイッチを切り位置にし、12の洗剤コックを閉じ位置にする。
【0029】
18の汚物抜き取りコック、11の吐き出しコックをそれぞれ開き位置にする。
【0030】
13の電源スイッチを入れ位置とし、14の循環ポンプにより1のトイレタンク、16の吸込み用ジャバラホース、17の給水用ジャバラホースとの間に洗浄水を一定時分循環させる。
【0031】
13の電源スイッチを切り位置とし、18の汚物抜き取りコック、9の給水口コックをそれぞれ閉じ位置にする。
【0032】
3の汚物抜き取り口アタッチメント(フイルター付)、8の給水口アタッチメントをそれぞれ取り外す。
【0033】
図3に示す5の水位計には、図1に示す車両用トイレタンク内で、前記洗浄水が溢れ出さないように容量を把握するための、図3の19のマンタンライン(グリーン車)及び20のマンタンライン(一般車)を記している。
【0034】
図4は、図1に示す3の汚物抜き取り口アタッチメントで、図4に示す22のフイルターにより、図1に示す16の吸込み用ジャバラホース、17の給水用ジャバラホース内に汚物等の混入を防ぎ、21のハンドルにより、図1に示す2の汚物抜き取り口に装着する。
【実施例】
【0035】
当社において、E231系汚物処理装置の真空式トイレタンクの清掃作業で実施している。
【0036】
今後新造されるトイレタンク付車両の汚物処理装置は、全て真空式の汚物処理装置になると見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】 車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置を示した概略図。
【図2】 車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置の全体図。
【図3】 車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置に付帯する水位計の断面図
【図4】 車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置に付帯する汚物抜き取り口アタッチメントフイルターの断面図。
【符号の説明】
【0038】
1 車両用トイレタンク
2 汚物抜き取り口
3 汚物抜き取り口アタッチメント
4 ワンタッチカップリング
5 水位計
6 水位計コック
7 給水口
8 給水口アタッチメント
9 給水コック
10 洗剤タンク
11 吐き出しコック
12 洗剤コック
13 電源スイッチ
14 循環ポンプ
15 マンタンライン
16 吸込み用ジャバラホース
17 給水用ジャバラホース
18 汚物抜き取りコック
19 マンタンライン(グリーン車)
20 マンタンライン(一般車)
21 ハンドル
22 フイルター
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のトイレタンク内に付着したスラッジを除去するための装置である。
【背景技術】
【0002】
トイレタンク装置には、循環式と真空式とがある。
【0003】
循環式トイレタンク装置は、便座付近にあるペタルを踏むことにより、トイレタンク内の汚水等を攪拌させられる方式である。
【0004】
真空式トイレタンク装置は、自らトイレタンク内にある内容物を攪拌させられる方式とはなっていない。
特許文献 特開 2001−040731
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両用トイレタンク内にスラッジ溶解促進用洗浄剤を注入し、その後一定量の水を注入し、前記洗浄剤と前記水とが融合した洗浄水を前記トイレタンク内で循環させること。
【0006】
前記車両用トイレタンク内の水位が判ること。
【0007】
前記トイレタンク内の汚物が混入しないこと。
【0008】
前記トイレタンク内から前記スラッジ溶解促進用洗浄剤と前記水とが融合した前記洗浄水を一定量抜き取るとともに中和剤を注入し循環させること。
【発明が解決するための手段】
【0009】
車両用トイレタンク内にスラッジ溶解促進用洗浄剤を注入し、その後一定量の水を注入し、前記洗浄剤と前記水とが融合した洗浄水を前記トイレタンク内で循環ポンプにより循環させること。
【0010】
前記トイレタンク内の水位を示す水位計を配設すること。
【0011】
前記トイレタンク内からの汚物の進入を防ぐ網付きアタッチメントを配設すること。
【0012】
前記トイレタンク内から前記洗浄剤と前記水とが融合した前記洗浄水を抜き取るとともに中和剤を注入し、前記トイレタンク内で循環ポンプにより循環させること。
【発明の効果】
【0013】
前記スラッジ溶解促進用洗浄剤と水とが融合した洗浄水は、循環ポンプにより循環され、車両用トイレタンク内のスラッジが溶解し、前記トイレタンク内の清掃が容易になった。
【0014】
水位を示す水位計の配設により、前記トイレタンク内の前記洗浄水の容量の把握が容易になり前記水を注入してもオーバーフローすることがなくなった。
【0015】
汚物抜き取りアタッチメントの配設により、前記トイレタンク内の汚物の進入が減少した。
【0016】
前記トイレタンク内から一定量の前記洗浄剤と前記水とが融合した前記洗浄水を抜き取るとともに中和剤を注入し、循環ポンプにより循環され、短時間で中和されるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に示す1の車両用トイレタンクの2の汚物抜き取り口に3の汚物抜き取り口アタッチメント(フイルター付)を、4のワンタッチカップリングに5の水位計をそれぞれ取り付け、6の水位計コックを開き位置にする。
【0018】
1の前記トイレタンクの7の給水口に8の給水口アタッチメントを取り付け、9の給水コックを開き位置にする。
【0019】
10の洗剤タンクにスラッジ溶解用洗剤を一定量入れ、11の吐き出しコック、12の洗剤コックを開き位置にする。
【0020】
13の電源スイッチを入れ位置とし、14の循環ポンプにより1の前記トイレタンク内に前記スラッジ溶解用洗剤を注入する。13の電源スイッチを切り位置にし、12の洗剤コックを閉じ位置にする。
【0021】
車両の反対側に位置するもう一つの給水口から5の水位計の15のマンタンラインの位置まで水を注入する。
【0022】
6の水位計コックを閉じ位置にし、5の水位計を4のワンタッチカップリングから取り外す。
【0022】
13の電源スイッチを入れ位置とし、14の循環ポンプにより1のトイレタンク、16の吸込み用ジャバラホース、17の給水用ジャバラホースとの間に洗浄水を一定時分循環させる。13の電源スイッチを切り位置とする。
【0023】
18の汚物抜き取りコック、11の吐き出しコック、9の給水コックを閉じ位置とし、8の給水口アタッチメントを取り外す。
【0024】
1のトイレタンク内の7の給水口から一定量の洗浄水を抜き取る。
【0025】
7の給水口に8の給水口アタッチメントを取り付け、9の給水コック開き位置にする。
【0026】
10の洗剤タンクに一定量の中和剤を入れ、12の洗剤コックを開き位置にする。
【0027】
13の電源スイッチを入れ位置とし、14の循環ポンプにより1のトイレタンク内に前記中和剤を注入する。
【0028】
13の電源スイッチを切り位置にし、12の洗剤コックを閉じ位置にする。
【0029】
18の汚物抜き取りコック、11の吐き出しコックをそれぞれ開き位置にする。
【0030】
13の電源スイッチを入れ位置とし、14の循環ポンプにより1のトイレタンク、16の吸込み用ジャバラホース、17の給水用ジャバラホースとの間に洗浄水を一定時分循環させる。
【0031】
13の電源スイッチを切り位置とし、18の汚物抜き取りコック、9の給水口コックをそれぞれ閉じ位置にする。
【0032】
3の汚物抜き取り口アタッチメント(フイルター付)、8の給水口アタッチメントをそれぞれ取り外す。
【0033】
図3に示す5の水位計には、図1に示す車両用トイレタンク内で、前記洗浄水が溢れ出さないように容量を把握するための、図3の19のマンタンライン(グリーン車)及び20のマンタンライン(一般車)を記している。
【0034】
図4は、図1に示す3の汚物抜き取り口アタッチメントで、図4に示す22のフイルターにより、図1に示す16の吸込み用ジャバラホース、17の給水用ジャバラホース内に汚物等の混入を防ぎ、21のハンドルにより、図1に示す2の汚物抜き取り口に装着する。
【実施例】
【0035】
当社において、E231系汚物処理装置の真空式トイレタンクの清掃作業で実施している。
【0036】
今後新造されるトイレタンク付車両の汚物処理装置は、全て真空式の汚物処理装置になると見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】 車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置を示した概略図。
【図2】 車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置の全体図。
【図3】 車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置に付帯する水位計の断面図
【図4】 車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置に付帯する汚物抜き取り口アタッチメントフイルターの断面図。
【符号の説明】
【0038】
1 車両用トイレタンク
2 汚物抜き取り口
3 汚物抜き取り口アタッチメント
4 ワンタッチカップリング
5 水位計
6 水位計コック
7 給水口
8 給水口アタッチメント
9 給水コック
10 洗剤タンク
11 吐き出しコック
12 洗剤コック
13 電源スイッチ
14 循環ポンプ
15 マンタンライン
16 吸込み用ジャバラホース
17 給水用ジャバラホース
18 汚物抜き取りコック
19 マンタンライン(グリーン車)
20 マンタンライン(一般車)
21 ハンドル
22 フイルター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用トイレタンク内にスラッジ溶解促進用洗浄剤を注入し、あらかじめ貯められていた水と前記洗浄剤とが融合した洗浄水を前記トイレタンク内で循環させることを特徴とする車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項2】
スラッジ溶解促進用洗浄剤と水とが融合した洗浄水は、循環ポンプにより循環させることを特徴とする請求項1記載の車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項3】
車両用トイレタンク内の水位を示す水位計を配設したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項4】
車両用トイレタンク内からの残留汚物及び洗剤によりタンク壁面に付着しているスラッジの混入を防ぐフイルター付の汚物抜き取り口アタッチメントを配設したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項5】
車両用トイレタンク内から一定量のスラッジ溶解促進用洗浄剤と水とが融合した洗浄水を抜き取るとともに中和剤を注入し循環させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載する車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項1】
車両用トイレタンク内にスラッジ溶解促進用洗浄剤を注入し、あらかじめ貯められていた水と前記洗浄剤とが融合した洗浄水を前記トイレタンク内で循環させることを特徴とする車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項2】
スラッジ溶解促進用洗浄剤と水とが融合した洗浄水は、循環ポンプにより循環させることを特徴とする請求項1記載の車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項3】
車両用トイレタンク内の水位を示す水位計を配設したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項4】
車両用トイレタンク内からの残留汚物及び洗剤によりタンク壁面に付着しているスラッジの混入を防ぐフイルター付の汚物抜き取り口アタッチメントを配設したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【請求項5】
車両用トイレタンク内から一定量のスラッジ溶解促進用洗浄剤と水とが融合した洗浄水を抜き取るとともに中和剤を注入し循環させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載する車両用真空式トイレタンク内スラッジ除去循環装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2010−48070(P2010−48070A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237072(P2008−237072)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(509234191)株式会社JR東日本運輸サービス (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(509234191)株式会社JR東日本運輸サービス (1)
【Fターム(参考)】
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