説明

車両用空気調和装置

【課題】複数のセンサを纏めても、温調制御を行うことが出来る車両用空気調和装置を提供する。
【解決手段】 エアコン制御部15の記憶部16に予め記憶された推定第2温度データTs(n)が、熱交換器後温度センサ13から得られる第1温度データTE(n)の出力に基づいて読み出されて、演算部17では、第2温度データTs(n)として利用されて、温調制御の演算が行われる。
このため、仮想蓄冷器直後温度センサ14位置に、第2温度センサが存在しなくても、エバポレータ4の直後に配置される熱交換器後温度センサ13で計測される第1温度データTE(n)を用いて、記憶部16から読み出された推定第2温度データを、あたかも第2温度データTs(n)のように、演算部17で行われる温調制御の演算に用いることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、自動車等、車両に用いられる車両用空気調和装置で、特に、蓄冷部を有する車両用空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図6に示すように、車両用空気調和装置1では、装置ケース2内に設けられたブロアとしての送風ブロアファン3の下流側に、エンジン20等の駆動力を用いる圧縮式冷凍サイクル用のエバポレータ(蒸発器)4が設けられている。
【0003】
このエバポレータ4の送風方向の下流側には、蓄冷材を保持した蓄冷器としての補助熱交換器5が並設されていて、前記エバポレータ4を通過した空気が用いられて、前記蓄冷材が冷却されるように構成されている。
【0004】
また、このエバポレータ4の送風方向の下流側で、前記補助熱交換器5の上流側には、エバポレータ4の後面に位置して、空気温度を検出するエバポレータ直後温度センサ6が設けられている。
【0005】
このエバポレータ直後温度センサ6で検出された空気温度は、前記エバポレータ4の凍結を防止する為に用いられると共に、ヒータコア10への通風量を可変させて、車室内へ送風される空気の温度調節を行うエアミックスドア9の駆動制御に用いられるように構成されている。
【0006】
更に、前記補助熱交換器5の直後で、前記エアミックスドア9よりも上流側には、この補助熱交換器5の後面の空気温度を検出する補助蓄冷器直後温度センサ7が、設けられている。
【0007】
そして、前記エバポレータ直後温度センサ6及びこの補助蓄冷器直後温度センサ7は、各々制御部としてのエアコンECU8に接続されていて、検出された各温度データを用いて、前記送風ブロアファン3のON,OFFを含む温調制御が行われるように構成されている。
【0008】
次に、この従来の車両用空気調和装置1の作用効果について説明する。
【0009】
この従来の車両用空気調和装置1では、前記エンジン20が回転駆動している状態では、このエンジン20の回転駆動力が用いられて、冷却された前記エバポレータ4を通過する空気が冷却されて、下流側に位置する前記補助熱交換器5の蓄冷材を冷却する。
【0010】
また、前記エンジン20が停止している状態では、前記補助熱交換器5の蓄冷材によって、送風される空気が冷却されて、車室内温度の上昇が抑制される。
【0011】
このため、前記エンジン20の停止によって、前記エバポレータ4による冷凍サイクルが停止しても、蓄冷材が蓄えた冷却能力である程度の時間、車室内の乗員が不快となることなく、アイドリングストップ等によってエンジンを停止させることができる。
【0012】
前記補助蓄冷器直後温度センサ7で、車室内の乗員が不快となる温度まで、通過する空気の温度の上昇が検知されると、前記エアコンECU8では、前記エンジン20等の回転駆動力を用いた前記圧縮式冷凍サイクルが再開される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−337537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このように構成された従来の車両用空気調和装置1では、前記エアミックスドア9等の温調制御及び、前記エバポレータ4の凍結を防止する為に、エバポレータ4を通過する空気の温度を検出する前記エバポレータ直後温度センサ6とは別に、補助蓄冷器直後温度センサ7を設けて、前記補助熱交換器5の後面の空気温度を検出しなければならない。
【0015】
このため、空気の温度を検出する温度センサの数量が増大して、製造コストが増加するという問題があった。
【0016】
そこで、本願発明は、複数のセンサを纏めても、温調制御を行うことが出来る車両用空気調和装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決する為に、請求項1に記載されたものは、車室内へ空気を送風するブロアと、該ブロアによって送風される空気を冷却する冷房用熱交換器と、該冷房用熱交換器の空気流れ下流側に配設されて、該冷房用熱交換器を通過した空気を用いて冷却される蓄冷器と、前記冷房用熱交換器の空気流れ下流側に配設されて、通過した空気の温度を検出する第1温度センサと、該第1温度センサで検出した温度データを用いて、前記ブロアのON,OFFを含む温調制御を行う制御部とを有する車両用空気調和装置であって、前記制御部には、前記第1温度センサで検出された第1温度データに対して、該第1温度センサが配置されている箇所以外の他の箇所の推定第2温度データを記憶する記憶部を設けて、前記第1温度センサが、検出した第1温度データから、該記憶部に記憶された前記推定第2温度データを読み出して、該推定第2温度データを第2温度データとして、温調制御に用いる演算部を有する車両用空気調和装置を特徴としている。
【0018】
ここで、推定第2温度データは、例えば、直前の第2温度データと、前提条件を加味した冷房用熱交換器と蓄冷器との間で、伝達される車両用空気調和装置の固有の熱交換特性Qs(熱負荷である温度差△γに依存するが、加えて、通過する空気の風量Gaにも
依存する場合がある)を蓄冷器の熱容量で除した単位時間当たりの吸熱量とを加えて得られる。
【0019】
また、請求項2に記載されたものは、前記第1温度センサは、前記冷房用熱交換器と、前記蓄冷器との間に配設されて、該冷房用熱交換器を通過する空気の温度を測定する熱交換器後温度センサであると共に、前記演算部が、前記記憶部から読み出された推定第2温度データを前記蓄冷器を通過する空気の温度データとして用いて、温調制御の演算を行う請求項1記載の車両用空気調和装置を特徴としている。
【0020】
更に、請求項3に記載されたものは、前記記憶部には、空気の流れを考慮した強制対流熱伝達状態を表すON状態推定温度データ及び自然対流熱伝達状態を表すOFF状態推定温度データとが、各々記憶されていると共に、前記演算部では、前記ブロアのON,OFF制御に応じて、該記憶部からON状態推定温度データ又は、OFF状態推定温度データを読み出して、推定第2温度データを推定する演算に用いて、温調制御を行う請求項1又は2記載の車両用空気調和装置を特徴としている。
【0021】
そして、請求項4に記載されたものは、前記制御部には、所定時間経過後に、車両用空気調和装置本体の電源をOFF状態に移行するタイマ部が設けられている請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両用空気調和装置を特徴とする。
【0022】
また、請求項5に記載されたものは、前記制御部には、前記推定第2温度データの値が、前記第1温度データの近傍に至って、同一と見なせる場合、車両用空気調和装置本体の電源をOFF状態に移行する補助冷房能力判定部が設けられている請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両用空気調和装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
このように構成された請求項1記載のものは、前記演算部によって、前記記憶部に記憶された前記推定第2温度データが、前記第1温度センサから得られる第1温度データに基づいて読み出されて、該推定第2温度データを前記第2温度データとして用いて、温調制御の演算を行うことが出来る。
【0024】
このため、予め前記記憶部に、前記推定第2温度データとして、記憶させておくことにより、前記他の箇所に配置される第1温度センサで計測される第1温度データを用いて、該記憶部から読み出された推定第2温度データを、あたかも第2温度データのように、用いることが出来る。
【0025】
従って、前記第2温度センサが存在しなくても良く、前記第1温度センサとは異なる箇所で複数の温度センサを用いた各箇所の空気の温度の計測が行われなくても、第1温度センサの計測値によって、第2温度データを用いる温調制御を行うことが出来る。
【0026】
よって、温度センサ数の増大が抑制されて、製造コストを低減させることが出来る。
【0027】
また、請求項2に記載されたものは、前記演算部が、前記第1温度センサが検出した第1温度データを用いて、前記記憶部から読み出された推定第2温度データは、第2温度センサで検出される第2温度データと等価である。
【0028】
このため、前記推定第2温度データを、前記蓄冷部を通過した空気の温度と推定することが出来る。
【0029】
従って、前記冷房用熱交換器の空気流れ下流側の一箇所に配設された前記第1温度センサで空気の温度の測定を行うことにより、予め前記記憶部に記憶された推定第2温度データを、前記蓄冷器を通過する空気の温度である第2温度データとして用いて、温調制御の演算を正確に行うことが出来、前記第2温度センサの設置が不要となる。
【0030】
更に、請求項3に記載されたものは、前記ブロアのON,OFF制御に応じて、前記記憶部に記憶された空気の流れを考慮した強制対流熱伝達状態を表すON状態推定温度データ又は、自然対流熱伝達状態を表すOFF状態推定温度データが、各々記憶部から、読み出されて、推定第2温度データの演算に用いられて、温調制御が行われる。
【0031】
このように、前記蓄冷器を通過する風量によって、熱交換特性が相違しても、前記ブロアがON状態である強制対流状態から、該ブロアが、OFF状態である自然体対流状態まで、正確に推定第2温度データを演算できる。
【0032】
そして、請求項4に記載されたものは、前記制御部に設けられたタイマ部が、所定時間経過後に、車両用空気調和装置本体の電源をOFF状態に移行させる。
【0033】
このため、更に、前記蓄冷器が吸熱していない状態では、不要な駆動を減少させて温調制御を適切に行うことが出来る。
【0034】
また、請求項5に記載されたものは、前記制御部に設けられた補助冷房能力判定部が、前記推定温度データの値が、前記第1温度データの近傍に至って、同一と見なせる場合、車両用空気調和装置本体の電源をOFF状態に移行させる。
【0035】
このため、更に、前記蓄冷器の吸熱効率が良好でない状態では、不要な駆動を減少させて温調制御を適切に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態の車両用空気調和装置で、装置ケース内,外の各機器と、制御部との接続状態を示し、全体の構成を説明する模式的なブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態の車両用空気調和装置で、主に、仮想第2温度データを用いた温調制御を示し、サブルーチンS1では、一定時間を設定して、次回、エンジン起動時のエアコンの駆動状態を変更する温調制御の一例を説明するフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態の実施例1の車両用空気調和装置で、サブルーチンS2では、蓄冷器温度が、エバポレータ温度と同一とみなせるか否かで、次回、エンジン起動時のエアコンの駆動状態を変更する温調制御の一例を説明するフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態の車両用空気調和装置で、蓄冷器温度とエバポレータ温度との差△γ及び風量Gaと、蓄冷器の熱交換特性Qsとの関係を示し、ブロアによる送風がある場合に用いるマッピングを表すグラフ図である。
【図5】この発明の実施の形態の車両用空気調和装置で、蓄冷器温度とエバポレータ温度との差△γと、蓄冷器の熱交換特性Qsとの関係を示し、ブロアによる送風が無い場合、自然対流状態に用いるマッピングを表すグラフ図である。
【図6】従来例の車両用空気調和装置で、装置ケース内,外の各機器と、制御部との接続状態を示し、全体の構成を説明する模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、この発明を実施するための実施の形態の車両用空気調和装置について、図1乃至図5を用いて説明する。
【0038】
なお、前記従来と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0039】
まず、図1に示すように、この実施の形態の車両用空気調和装置11では、装置ケース12内に設けられたブロアとしての送風ブロアファン3の下流側に、図示省略のエンジン又は、電動コンプレッサ用のモータ等の駆動力源22を用いた圧縮式冷凍サイクルの冷房用熱交換器としてのエバポレータ(蒸発器)4が設けられている。
【0040】
このエバポレータ4の送風方向の下流側には、蓄冷材を保持した蓄冷器としての補助熱交換器5が並設されていて、前記エバポレータ4を通過した空気を用いて、前記蓄冷材が冷却されるように構成されている。
【0041】
また、このエバポレータ4の空気流れ方向の下流側で、前記補助熱交換器5の上流側には、エバポレータ4の後面4aに位置して、空気温度を検出する第1温度センサとしての熱交換器後温度センサ13が設けられている。
【0042】
この熱交換器後温度センサ13では、前記検出された空気の温度データを第1温度データTEとして出力するように構成されている。
【0043】
この熱交換器後温度センサ13で検出された空気温度は、前記エバポレータ4の凍結を防止する為に用いられると共に、暖房用のヒータコア10の手前で、通風量を可変させて、車室内へ送風される空気の温度調節を行うエアミックスドア9の開閉駆動制御に用いられるように構成されている。
【0044】
更に、図1中仮想線(二点鎖線)で示す符号14の位置は、前記熱交換器後温度センサ13が配置されている箇所以外の他の箇所の一例で、前記補助熱交換器5の直後で、前記エアミックスドア9よりも上流側に、この補助熱交換器5の後面の空気温度を検出する仮想第2温度センサとしての仮想蓄冷器直後温度センサ14が、設けられていると仮定されている位置が示されている。
【0045】
そして、前記熱交換器後温度センサ13が、制御部としてのエアコン制御部15に接続されていて、検出された第1温度データTEが、このエアコン制御部15に入力されるように構成されている。
【0046】
このエアコン制御部15には、EEPROM等によって構成される記憶部16と、CPU等によって構成される演算部17とが設けられている。
【0047】
このうち、前記記憶部16には、仮想蓄冷器直後温度センサ14が、実際に第2温度センサとして設けられたとした状態で、この第2温度センサから得られるであろう第2温度データが、事前実験により予め計測されて、前記熱交換器後温度センサ13で検出された第1温度データTEに対して結びつられた補助熱交換器5の固有の熱交換特性Qs(風量Ga,熱負荷としての温度差△γ)として、テーブル値化されて予め記憶され
ている。
【0048】
そして、前記演算部17で、推定第2温度データTs(n)を得る際に、直前(n-1:nは、一定間隔の時刻を時系列で、0を含む自然数0,1,2…16である。)の値として求められた推定第2温度データTs(n−1)から、温度変化後の推定第2温度データTs(n)が、得られるように構成されている。
【0049】
すなわち、推定第2温度データTs(n)は、直前の第2温度データTs(n−1)と、この車両用空気調和装置11固有の前提条件が加味されて、前記エバポレータ4と補助熱交換器5との間で、伝達される熱交換特性Qs(前記エバポレータ4と補助熱交換器5との間の熱負荷としての温度差△γに依存するが、加えて、通過する空
気の風量Gaにも依存する場合がある)を、補助熱交換器5の熱容量(蓄冷材の比熱Cp,補助熱交換器5の蓄冷材重量V,補助熱交換器5を構成する材料の比熱λA,補助熱交換器5で熱が交換される部分の金属材料の表面積若しくは、材料の重量Sに依存する。)で除した単位時間当たりの吸熱量とから得られる。
【0050】
この実施の形態の蓄冷器としての補助熱交換器5は、比熱λAを有するアルミ金属製で、内部の蓄冷材の比熱をCpとして主に構成されていて、熱交換特性Qsは、蓄冷器の熱交換部分量に相当するアルミ重量Sに略比例して増大する次の数式1で表される。
【数1】

【0051】
ここで、Qs(Ga,△γ)=Qsであるから、次の数式2が成立する。
【数2】

【0052】
また、前記演算部17では、前記送風ブロアファン3のファンモータ3aのON,OFF制御を含む温調制御を行う処理演算が主に行われ、このうち、前記エアミックスドア9の開閉駆動制御を行う場合には、エアミックスドア9の駆動アクチュエータに送られる駆動データが演算されて、ヒータコア10への通風量の割合を可変させる等の温調制御が行われるように構成されている。
【0053】
この実施の形態では、前記送風ブロアファン3のファンモータ3aが、ON制御されている場合は、空気の流れを考慮した強制対流熱伝達状態である為、前記補助熱交換器5が行う熱交換特性Qsが、風量Gaと、熱負荷としての温度差△γとによって、略決まる。
【0054】
このことから、図4に示すように風量Gaと、温度差△γとによって、熱交換特性Qsが
決められるON状態推定温度データがマッピングされて、前記記憶部16に予め記憶されている。
【0055】
更に、この実施の形態では、前記送風ブロアファン3のファンモータ3aが、OFF制御されている場合は、空気流れが殆ど無い若しくは、微量な状態である自然対流熱伝達状態である為、前記補助熱交換器5が行う熱交換特性Qsが、温度差△γによって略決まり
、図5に示すようなOFF状態推定温度データがマッピングされて、前記記憶部16に予め記憶されている。
【0056】
ここで、Qs(△γ)=Qsであるから、次の数式3が成立する。
【数3】

【0057】
自然対流の熱交換特性Qsは、前記補助熱交換器5と、周辺温度との温度差にのみ従うため、温度差△γに対する熱交換特性Qsが、事前実験により予め計測され
て、図5に示すようにマッピングされている。
【0058】
前記補助熱交換器5の周辺温度の値には、例えば、前記エバポレータ4の温度を検出した前記熱交換器後温度センサ13から出力される第1温度データTE(n)が利用される。
【0059】
また、t=0の場合、即ち、前記演算部17で演算が開始される際の初期値としては、熱交換器後温度センサ13の第1温度データTE又は、最後の推定第2温度データTs(n)が、前記補助熱交換器5の温度データとして用いられて、演算されるように構成されている。
【0060】
更に、この実施の形態では、乗員室へのベント吹出口温度データTnが、車両の乗員室内の乗員が不快と感じるであろう乗員不快領域に至る温度を、例えば、約0〜32℃等がTn=0〜16に相当して、等分割されることにより、Tn=16以上では約32℃となるように設定されている。)
次に、この実施の形態の車両用空気調和装置11の作用効果について説明する。
【0061】
この実施の形態の車両用空気調和装置11では、前記エアコン制御部15の記憶部16に予め記憶された前記推定第2温度データTs(n)が、前記熱交換器後温度センサ13から得られる第1温度データTE(n)の出力に基づいて、読み出されて、前記演算部17によって、推定第2温度データが前記第2温度データTs(n)として利用されて、温調制御の演算が行われる。
【0062】
このため、前記仮想蓄冷器直後温度センサ14位置に、第2温度センサが存在しなくても、前記エバポレータ4の直後に配置される熱交換器後温度センサ13で計測される第1温度データTE(n)を用いて、前記記憶部16から読み出された推定第2温度データを、あたかも第2温度データTs(n)のように、前記演算部17で行われる温調制御の演算に用いることが出来る。
【0063】
従って、異なる箇所で複数の温度センサを用いた各箇所の空気の温度の計測が行われなくても、第1温度センサとして、一つに纏められた熱交換器後温度センサ13の計測値によって、前記補助熱交換器5の後面側へ向けて通過する空気の温度データを用いる温調制御を行うことが出来る。
【0064】
よって、温度センサ数の増大が抑制されて、製造コストを低減させることが出来る。
【0065】
他の構成及び作用効果については、前記従来例と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【実施例1】
【0066】
この実施の形態の実施例1の車両用空気調和装置11では、前記エアコン制御部15の記憶部16に、前記推定第2温度データTs(n)を導き出す演算に用い、図4に示す様な空気の流れを考慮した強制対流熱伝達状態を表したON状態推定温度データ及び、図5に示す様な自然対流熱伝達状態を表すOFF状態推定温度データとが、各々マッピングされて記憶されている。
【0067】
また、前記エアコン制御部15の前記演算部17では、前記送風ブロアファン3を回転駆動するファンモータ3aへのON,OFF制御に応じて、この記憶部16からON状態推定温度データ又は、OFF状態推定温度データが読み出されて、推定第2温度データTs(n)として用いられることにより、温調制御の演算が行われるように構成されている。
【0068】
そして、この実施例1では、図1に示すように、前記エアコン制御部15に、タイマ部18が設けられている。
【0069】
このタイマ部18では、前記補助熱交換器5による補助冷房が開始されてから、所定時間(ここでは、3分間)経過後に、車両用空気調和装置11本体の電源をOFF状態に移行するように構成されている。
【0070】
次に、この実施例1の車両用空気調和装置11の作用効果について、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
【0071】
この実施例1では、まず、Step1で、温調制御が開始されると、Step2では、前記送風ブロアファン3を回転駆動するファンモータ3aへのON,OFF制御を行うON,OFF制御信号を検出して、ON信号が検出された場合は、前記送風ブロアファン3が回転駆動されていて、前記装置ケース12内に設けられた前記エバポレータ4及び補助熱交換器5を空気が、通過する強制対流熱伝達状態であると判断されて、次のStep3へ進む。
【0072】
また、OFF信号が検出された場合は、前記送風ブロアファン3の回転駆動が停止されていて、前記装置ケース12内に設けられた前記エバポレータ4及び補助熱交換器5を空気が、自然対流する自然対流熱伝達状態であると判断されて、Step7へ進む。
【0073】
Step3では、推定第2温度データTs(n)が、直前の第2温度データTs(n−1)と、この車両用空気調和装置11固有の前提条件が加味されて、前記エバポレータ4と補助熱交換器5との間で、伝達される蓄冷器熱交換特性Qsを、補助熱交換器5の熱容量で除した単位時間当たりの吸熱量とから得られる。
【0074】
即ち、前記数式2が用いられて、一つ前、即ち直前の前記推定第2温度データTs(n−1)と、風量Gaが条件として加味された単位時間当たりの吸熱量とから、現在の補助熱交換器5の温度Ts(n)が推定される。
【0075】
このため、図1に示す送風ブロアファン3が、回転駆動されていて、送風が、前記エバポレータ4から、補助熱交換器5に向けて送られている状態でも、前記熱交換器後温度センサ13で検出されたエバポレータ4直後の空気の温度から、推定第2温度データTs(n)が、推定できる。
【0076】
従って、図1中二点鎖線で示す仮想蓄冷器直後温度センサ14が、不要となり、若しくは、図6に示す従来の構成に比して、前記補助蓄冷器直後温度センサ7を減少させて、前記熱交換器後温度センサ13に、前記装置ケース21内の空気の温度検出機能を纏めても温調制御を行えて、製造コストの増大を抑制出来る。
【0077】
Step4では、エンジンECU21から送られてくる信号によって、アイドリングストップ中か否かが判定される。
【0078】
アイドリングストップ中である場合には、次のStep5に進み、アイドリングストップ中でない場合には、Step2に戻る。
【0079】
Step5では、推定第2温度データTs(n)が、乗員が、不快と感じる乗員不快領域に入っていないかが判定される。ここでは、具体的には、乗員室内の乗員が不快と感じるであろう第2温度Ts(n)が、最も顕著な状態であるn=16以上になっているか否かが判定される。
【0080】
乗員不快領域に入っていない場合には、Step2に戻り、乗員不快領域に入っている場合には、Step6に進み、図示省略のエンジン又は、電動コンプレッサ用のモータ20を再始動する。
【0081】
再始動されたエンジン又は、電動コンプレッサ用のモータにより、この回転駆動力を用いる圧縮式冷凍サイクルが運転されて、前記エバポレータ4の冷力を増大させることにより、乗員の不快となる領域外に、車室内温度が到達するように温度調整が行われる。
【0082】
また、前記Step2で、送風ブロアファン3が回転駆動されていないと判定されると、Step7では、前記補助熱交換器5が、吸熱(放熱)しているか否かが判定される。
【0083】
具体的には、一つ前の前記推定第2温度データTs(n−1)と、検出された現在の第1温度データTEが比較されて、一致しているか否かが判定される。
【0084】
一致している場合には、図2中サブルーチンS1に示すStep11に進み、一致していない場合には、Step8に進む。
【0085】
Step8では、前記数式3が用いられて、一つ前、即ち直前の前記推定第2温度データTs(n−1)と、単位時間当たりの吸熱量とから、現在の補助熱交換器5の温度Ts(n)が推定される。
【0086】
Step9に進むと、エンジンECU21から送られてくる信号によって、図示省略のイグニッションスイッチが、OFF状態であるか否かが判定される。
【0087】
イグニッションスイッチがOFF状態である場合には、次のStep10に進み、イグニッションスイッチが、OFF状態でない場合には、Step7に戻る。
【0088】
Step10では、次回のエンジン始動時の第2温度データの初期値である前記推定第2温度データTs0を、現在の補助熱交換器5の温度Ts(n)として推定された値を用いるようにリセットされて、処理を終了する。
【0089】
また、前記サブルーチンS1のStep11では、図1に示す前記エアコン制御部15に設けられたタイマ部18によって、前記補助熱交換器5による補助冷房が開始されてから、所定時間(ここでは、3分間)経過したか否かが計測されて、判断される。
【0090】
前記補助熱交換器5による補助冷房が開始されてから、3分間経過していない場合には、Step7に戻り、3分間経過した場合には、Step12に進む。
【0091】
Step12では、前記エンジンECU21から送られてくる信号によって、イグニッションスイッチが、OFF状態であるか否かが判定される。
【0092】
イグニッションスイッチがOFF状態である場合には、次のStep13に進み、イグニッションスイッチが、OFF状態でない場合には、Step14に進む。
【0093】
Step13では、次回のエンジン始動時の第2温度データの初期値である前記推定第2温度データTs0を、現在のエバポレータ4の温度として、前記熱交換器後温度センサ13で検出された第1温度データTEを用いるようにリセットされて、処理を終了する。
【0094】
また、Step14では、前記エアコン制御部15によって、前記タイマ部18による時間計測が3分間経過しているにも関わらず、前記エンジン又は、電動コンプレッサ用のモータ20が回転駆動している場合は、車両用空気調和装置11本体の電源をOFF状態に移行させる。
【0095】
このため、更に、前記補助熱交換器5が吸熱していない状態では、不要な駆動を減少させて温調制御を適切に行うことが出来る。
【0096】
次のStep15では、次回のエンジン始動時の第2温度データの初期値である前記推定第2温度データTs0が、現在のエバポレータ4の温度として、前記熱交換器後温度センサ13で検出された第1温度データTEを用いるようにリセットされて、処理を終了する。
【0097】
他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【実施例2】
【0098】
この実施の形態の実施例2の車両用空気調和装置11では、図1に示すように、前記エアコン制御部15に、補助冷房能力判定部19が設けられている以外の構成は、前記実施の形態及び実施例1と略同様に構成されている。
【0099】
この補助冷房能力判定部19では、前記推定第2温度データTs(n)の値が、前記第1温度データTEと同一となる等、前記第1温度データTEの近傍に至って、同一と見なせる場合、車両用空気調和装置11本体の電源をOFF状態に移行するように構成されている。
【0100】
次に、この実施例2の車両用空気調和装置11の作用効果について、前記実施例1の作用効果との相違点を中心に説明する。
【0101】
この実施の形態では、前記図2に示すStep7から、図3中に示すサブルーチンS2のStep21に進む。
【0102】
Step21では、前記エアコン制御部15の補助冷房能力判定部19で、前記補助熱交換器5が、空気から熱を吸熱(放熱)して、補助熱交換器として機能しているか否かが判定される。
【0103】
具体的には、前記推定第2温度データTs(n)と、前記エバポレータ4で検出された第1温度データTEとが比較されて、一致しているか否かが判定される。
【0104】
この実施例2では、具体的に、前記推定第2温度データTs(n)の値が、前記第1温度データTEとの近傍に至って、同一と見なせる場合等、一致していると判定された場合には、次のStep22に進み、一致していないと判定された場合には、前記図2に示すStep7に戻る。
【0105】
Step22では、前記エンジンECU21から送られてくる信号によって、イグニッションスイッチが、OFF状態であるか否かが判定される。
【0106】
イグニッションスイッチがOFF状態である場合には、次のStep23に進み、イグニッションスイッチが、OFF状態でない場合には、Step24に進む。
【0107】
Step23では、次回のエンジン始動時の第2温度データの初期値である前記推定第2温度データTs0を、現在のエバポレータ4の温度として、前記熱交換器後温度センサ13で検出された第1温度データTEを用いるようにリセットされて、処理を終了する。
【0108】
また、Step24では、前記エアコン制御部15によって、前記補助熱交換器5の冷房能力が発揮されていないにも関わらず、前記エンジン又は、電動コンプレッサ用のモータ20が回転駆動している場合であるから、車両用空気調和装置11本体の電源をOFF状態に移行させる。
【0109】
このため、更に、前記車両用空気調和装置11の性能や、外部の温度等の諸条件にが相違しても、最も短時間で、不要な車両用空気調和装置11の駆動を減少させて温調制御を適切に行うことが出来る。
【0110】
次のStep25では、次回のエンジン始動時の第2温度データの初期値である前記推定第2温度データTs0が、現在のエバポレータ4の温度として、前記熱交換器後温度センサ13で検出された第1温度データTEを用いるようにリセットされて、処理が終了される。
【0111】
他の構成及び作用効果については、前記実施の形態及び実施例1と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【0112】
上述してきたように、図1中二点鎖線で示す前記仮想蓄冷器直後温度センサ14の位置が、前記補助熱交換器5の下流側に配設されていると仮定されているので、前記エアコン制御部15の演算部17が、前記熱交換器後温度センサ13で検出された第1温度データTE(n)を用いて、前記記憶部16から読み出された推定第2温度データTs(n)を、実際に第2温度センサで検出されるであろう、第2温度データと等価とすることが出来る。
【0113】
このため、前記エバポレータ4の空気流れ下流側の一箇所に配設された前記熱交換器後温度センサ13に、第2温度センサが、実際には存在しない仮想第2温度センサとして纏められて省略されても、推定第2温度データTs(n)及び、直前に推定された推定第2温度データTs(n-1)を用いて、前記補助熱交換器5を通過する空気の温度である第2温度データとして、測定されているかのように用いられて、温調制御の演算を正確に行うことができる。
【0114】
例えば、乗員室へ至るベント通路を含み、乗員室に開口形成されたベント部を通過する空気のベント吹出口温度Tnの温調制御や前記エアミックスドア9等を用いた温調制御及び、前記エバポレータ4の凍結を防止する為の温調制御等、第2温度データを用いる温調制御を適切に行うことが出来る。
【0115】
特に、前記実施の形態の実施例1及び実施例2では、前記送風ブロアファン3の駆動によって、空気が流れているか否かで、前記補助熱交換器5の吸熱(放熱)を示す固有の熱交換特性Qs(△γ,Ga)又は、Qs(△γ)が、各々事前実験で測定されてマッピングされて、前記記憶部16に記憶されている。
【0116】
このため、各マッピングされた熱交換特性Qs(△γ,Ga)又は、Qs(△γ)が、前記演算部17で適宜呼び出されて用いられることにより、推定第2温度データTs(n)を、送風ブロアファン3のON,OFF時等、様々な条件下でも、正確に推定することができる。
【0117】
また、推定第2温度データTs(n)は、前記数式2に示すように、前記エバポレータ4と補助熱交換器5との間で伝達される熱交換特性Qsを補助熱交換器5の熱容量で除した単位時間当たりの吸熱量が、直前に推定された推定第2温度データTs(n-1)に加えられて得られる。
【0118】
しかも、数式3に示す様に、送風ブロアファン3のOFF時には、前記エバポレータ4と補助熱交換器5との間の温度差△γに依存するように、前記補助熱交換器5の冷房能力の変化に応じて細かな温度設定を行うことも出来る。
【0119】
従って、交差点等の信号で停止するアイドルストップ状態等、短い停車時間や、或いは、コンビニストップ等のやや長い(5分〜)停車時間等、様々な時間条件に対応して、快適な車室内温度を維持させることが出来る。
【0120】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態の車両用空気調和装置を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態の車両用空気調和装置に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0121】
例えば、前記実施の形態では、第1温度センサは、前記エバポレータ4と、前記補助熱交換器5との間に配設されて、このエバポレータ4を通過する空気の温度を測定する熱交換器後温度センサ13であり、仮想第2温度センサを、前記補助熱交換器5の直後に設けた仮想蓄冷器直後温度センサ14として、前記推定第2温度データTsを推定可能するものを示して説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、前記エバポレータ4と、前記補助熱交換器5との間に配設されて、このエバポレータ4を通過する空気の温度を測定する熱交換器後温度センサ13を、仮想第2温度センサとして省略して、第1温度センサとして、前記補助熱交換器5の直後に位置する補助蓄冷器直後温度センサ7を1つ配設することにより、この補助蓄冷器直後温度センサ7で計測された温度データに基づいて、前記推定第2温度データTsとして、エバポレータ4の温度を推定可能するもの等、前記第1温度センサ及び仮想第2温度センサの位置が、車両用空気調和装置11のどの位置に設けられていてもよく、或いは、仮想第2温度センサが、異なる箇所に2個以上等、複数設けられると仮定するような推定温度データを予め事前実験で、測定しマッピングするように構成しても良く、取付位置の形状、温度センサの数量、及び温度センサの温度検出の方法や種類が特に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0122】
この実施の形態の車両用空気調和装置は、アイドリングストップ等、省燃費制御が行われる車両に用いて好適で、特に、エンジンの回転駆動力を利用して、圧縮式冷凍サイクルを運転する車両に限らず、電動コンプレッサの回転駆動力を用いる圧縮式冷凍サイクルを採用する電動車若しくは、複数の動力源を有するハイブリッドカー等に用いてもよいものである。
【符号の説明】
【0123】
3 送風ブロアファン(ブロア)
4 エバポレータ(冷房用熱交換器)
5 補助熱交換器(蓄冷器)
11 車両用空気調和装置
13 熱交換器後温度センサ(第1温度センサ)
14 仮想蓄冷器直後温度センサ(仮想第2温度センサ)
15 エアコン制御部(制御部)
16 記憶部
17 演算部
18 タイマ部
19 補助冷房能力判定部
TE 第1温度データ
Ts(n),Ts(n-1)推定第2温度データ




【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内へ空気を送風するブロアと、該ブロアによって送風される空気を冷却する冷房用熱交換器と、該冷房用熱交換器の空気流れ下流側に配設されて、該冷房用熱交換器を通過した空気を用いて冷却される蓄冷器と、前記冷房用熱交換器の空気流れ下流側に配設されて、通過した空気の温度を検出する第1温度センサと、該第1温度センサで検出した温度データを用いて、前記ブロアのON,OFFを含む温調制御を行う制御部とを有する車両用空気調和装置であって、
前記制御部には、前記第1温度センサで検出された第1温度データに対して、該第1温度センサが配置されている箇所以外の他の箇所の推定第2温度データを記憶する記憶部を設けて、前記第1温度センサが、検出した第1温度データから、該記憶部に記憶された前記推定第2温度データを読み出して、該推定第2温度データを第2温度データとして、温調制御に用いる演算部を有することを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項2】
前記第1温度センサは、前記冷房用熱交換器と、前記蓄冷器との間に配設されて、該冷房用熱交換器を通過する空気の温度を測定する熱交換器後温度センサであると共に、前記演算部が、前記記憶部から読み出された推定第2温度データを前記蓄冷器を通過する空気の温度データとして用いて、温調制御の演算を行うことを特徴とする請求項1記載の車両用空気調和装置。
【請求項3】
前記記憶部には、空気の流れを考慮した強制対流熱伝達状態を表すON状態推定温度データ及び自然対流熱伝達状態を表すOFF状態推定温度データとが、各々記憶されていると共に、前記演算部では、前記ブロアのON,OFF制御に応じて、該記憶部からON状態推定温度データ又は、OFF状態推定温度データを読み出して、推定第2温度データを推定する演算に用いて、温調制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用空気調和装置。
【請求項4】
前記演算部には、所定時間経過後に、車両用空気調和装置本体の電源をOFF状態に移行するタイマ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両用空気調和装置。
【請求項5】
前記演算部には、前記推定温度データの値が、前記第1温度データの近傍に至って、同一と見なせる場合、車両用空気調和装置本体の電源をOFF状態に移行する補助冷房能力判定部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両用空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−230590(P2011−230590A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100998(P2010−100998)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】