説明

車両用空調装置

【課題】少ないセンサ数で、領域ごとに快適な車室内空間を提供すること。
【解決手段】第1領域1aのうち乗員の位置に相当する第1着座領域26の表面温度と、第1領域1aのうち壁面の位置に相当する第1壁面領域25の表面温度と、第2領域1bのうち乗員の位置に相当する第2着座領域28の表面温度とを検出する非接触温度センサ70を備える。また、補正値算出手段により、第1領域1aと第2領域1bとにおける熱的状態の相違を補正値として算出する。さらに、制御温度推定手段により、非接触温度センサ70の検出値に基づいて第1領域1aの内気温度を、非接触温度センサ70の検出値と補正値とに基づいて第2領域1bの内気温度を、それぞれ推定する。そして、空調制御手段により、それぞれ推定された内気温度に基づいて、領域ごとの空調を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内の温度を乗員が希望する設定温度に制御する車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用空調装置として、特許文献1記載のものが知られている。特許文献1記載の車両用空調装置は、車室内のうち、前席の左右、及び後席の左右に位置する領域をそれぞれ独立して空調制御するための空調制御手段が設けられている。空調制御手段は、外気温センサ、冷却水温度センサ、車両前後に配設された2つの日射センサ、車両前後に配設された2つの内気温センサ、2つの蒸発器温度センサ、及び非接触温度センサにより検出された情報が入力され、その情報に基づいて空調制御を行う。
【特許文献1】特開2007−290451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1記載のものは、領域をそれぞれ独立して空調制御するために、9つのセンサを要する。よって、制御対象の温度である内気温度を検出する内気温センサを含め、多数のセンサを設けるために、コストがかかるといった問題点がある。
【0004】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、少ないセンサ数で、領域ごとに快適な車室内空間を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の他の目的は、車両の後席領域の制御対象である温度を検出するセンサを用いずに、後席領域に快適な空調を提供することにある。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、車両の前席、及び後席の内気温度を検出するセンサを用いずに、領域ごとに快適な空調を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両用空調装置は、車内の第1領域のうち乗員の着座位置に相当する第1着座領域の表面温度と、第1領域のうち壁面の位置に相当する第1壁面領域の表面温度と、第1領域とは異なる第2領域のうち乗員の着座位置に相当する第2着座領域の表面温度とを検出する非接触温度センサと、第1領域の熱的状態と第2領域の熱的状態との相違を補正値として算出する補正値算出手段と、非接触温度センサによる検出値と、補正値とに基づいて、第2領域の空調制御における制御対象である非検出な温度に相当する第2領域の制御温度を推定する制御温度推定手段と、第2領域の制御温度の推定値に基づいて、第2領域の空調を制御する空調制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、制御対象である温度を検出するセンサを設けることなく、非検出な第2領域の制御温度推定値を推定することが可能となる。ここで制御温度推定値とは、空調制御における制御対象の温度に相当する。よって、第1領域より検出が不十分な第2領域における快適な空調を制御することが可能となる。
【0009】
さらに、制御温度推定手段は、第1壁面領域の表面温度の検出値と補正値とに基づいて、非接触温度センサが非検出な第2領域のうち壁面の位置に相当する第2壁面領域の表面温度を推定し、さらに、第2着座領域の表面温度の検出値と第2壁面領域の表面温度の推定値とに基づいて、第2領域の制御温度を推定することが好ましい。
【0010】
これにより、非接触温度センサの配置によっては非検出である第2壁面領域の表面温度を推定することが可能となる。また、第2乗員領域の表面温度の検出値と、その第2壁面領域の表面温度の推定値との2つの入力信号に基づいて、第2領域の制御温度推定値を推定することができる。よって、制御温度推定値に基づいて空調を制御することが可能となる。
【0011】
さらに、第2領域の空調制御における目標温度を設定するための第2領域の温度設定手段と、外気温度を検出する外気温度センサと、日射量を検出する日射量センサとを備え、空調制御手段は、第2着座領域の表面温度の検出値と、第2領域の制御温度推定値とに加えて、第2領域の温度設定手段によって設定される第2領域の設定値と、外気温度センサによって検出される外気温度検出値と、日射センサによって検出される日射量検出値とに基づいて、第2領域の空調を制御することが好ましい。
【0012】
これにより、第2領域において、第2領域に着座する乗員が希望する設定温度値、外気温度、及び日射量を考慮した空調を制御することが可能となる。
【0013】
さらに、第1領域の空調制御における目標温度を設定するための第1領域の温度設定手段を備え、制御温度推定手段は、さらに、第1着座領域の表面温度の検出値と第1壁面領域の表面温度の検出値とに基づいて、第1領域における制御対象の非検出な温度に相当する第1領域の制御温度推定値を推定し、空調制御手段は、さらに、第1着座領域の表面温度の検出値と、第1領域の制御温度推定値と、第1領域の温度設定手段によって設定される第1領域の設定値と、外気温度検出値と、日射量検出値とに基づいて、第1領域の空調を制御することが好ましい。
【0014】
これにより、第1領域と第2領域とを独立して空調制御を行う空調装置において、それぞれの領域に快適な車室内空間を提供することが可能となる。
【0015】
さらに、第1領域は、車両の前席が置かれた領域であり、第2領域は、車両の後席が置かれた領域であることが好ましい。
【0016】
これにより、車両の前席が置かれた領域と車両の後席が置かれた領域とを独立して空調制御を行う空調装置において、それぞれの領域に快適な車室内空間を提供することが可能となる。
【0017】
さらに、補正値算出手段は、第1着座領域の表面温度の検出値と第2着座領域の表面温度検出値とに基づいて補正値を算出することが好ましい。
【0018】
これにより、第1領域に対する第2領域の熱的状態の相違を正確に補正値として算出することが可能となる。さらに、熱的状態の相違を、非接触温度センサにて検出された各領域に着座する乗員の表面温度に基づいて算出している。よって、第2領域に着座する乗員が感ずる寒暖に応じた補正値を算出することが可能となる。
【0019】
また、補正値算出手段は、日射センサの日射方位情報に基づいて補正値を算出してもよい。
【0020】
これにより、第1領域に対する第2領域の熱的状態の相違を正確に補正値として算出することが可能となる。さらに、熱的状態の相違を、日射センサにて検出された日射方位情報に基づいて算出している。よって、第2領域における熱的状態に影響を及ぼす日射方位である場合、その日射方位情報に基づいて補正値を算出することが可能となる。
【0021】
また、非接触温度センサは、第1領域のうち、コンソールボックスの位置に相当するコンソール領域の表面温度と、第2領域のうち、シート中央の位置に相当するシート中央領域の表面温度とを検出し、補正値算出手段は、コンソール領域の表面温度の検出値とシート中央領域の表面温度の検出値とに基づいて補正値を算出してもよい。
【0022】
熱的状態の相違を、非接触温度センサにて検出された各領域に着座する乗員付近の表面温度に基づいて算出している。これにより、第1領域に対する第2領域の熱的状態の相違を正確に補正値として算出することが可能となる。
【0023】
さらに、制御温度は、内気温度であることが好ましい。
【0024】
これにより、各領域に着座する乗員が感ずる寒暖に相当する各領域ごとの内気温度を制御温度として制御することが可能となる。さらに、内気温度センサを設ける必要がなくなり、コスト低下を図ることが可能となる。
【0025】
さらに、非接触温度センサは、前方かつ左右方向中央の前方中央部に配設されることが好ましい。
【0026】
これにより、非接触温度センサは、車室内においてより広範囲に渡り、各領域の表面温度を検出することが可能となる。
【0027】
さらに、非接触温度センサは、赤外線センサであることが好ましい。
【0028】
これにより、各領域から放出される赤外線を検出し、その領域の表面温度の相当値を出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における車両用空調装置100の構造を図1から図3に基づいて説明する。図1は、第1実施形態における車両用空調装置100の全体構成図である。図2は、非接触温度センサ70の配置を示す斜視図である。図3は、非接触温度センサ70の温度検出範囲を示す斜視図である。図1に示すように、車室内1のうち前席領域の左右、及び後席領域の左右に位置する各領域1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する車両用空調装置100である。図1に示すように、第1領域1aは、前席領域の右側に位置する。第2領域1bは、後席領域の右側に位置する。第3領域1cは、前席領域の左側に位置する。第4領域1dは、後席領域の左側に位置する。
【0030】
第1実施形態の車両用空調装置100は、前席空調システム5、及び後席空調システム6を備えている。前席空調システム5は、第1領域1a、及び第3領域1cをそれぞれ独立に空調する。後席空調システム6は、第2領域1b、及び第4領域1dをそれぞれ独立に空調する。前席空調システム5は、車室内1の最前方の計器盤7a内側に配置され、後席空調システム6は、車室内1の最後方に配置されている。
【0031】
前席空調システム5は、車室内1に送風するためのダクト50を備えている。ダクト50には、車室内1から内気を導入するための内気導入口50a、及び、車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。ダクト50には、内気導入口50a及び外気導入口50bを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられている。内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ51aが連結されている。
【0032】
また、ダクト50内のうち内気導入口50a及び外気導入口50bの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機52が設けられている。遠心式送風機52は、羽根車及びこの羽根車を回転させるブロアモータ52aを有して構成されている。
【0033】
ダクト50内にて遠心式送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられている。エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、冷凍サイクルを構成している熱交換器である。エバポレータ53は、ダクト50内を流れる空気を冷却する。エバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア54が設けられている。ヒータコア54は、図示しないエンジン冷却水を熱源とする熱交換器である。ヒータコア54は、エバポレータ53によって冷却された冷風を加熱する。
【0034】
ダクト50内のうちエバポレータ53の空気下流側には仕切り板57が設けられている。仕切り板57は、ダクト50内を第1通路50c及び第3通路50dに仕切っている。
【0035】
第1通路50cのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路50eが形成されている。バイパス通路50eにより、エバポレータ53により冷却された冷風はヒータコア54をバイパスする。一方、第3通路50dのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路50fが形成されている。バイパス通路50fにより、エバポレータ53により冷却された冷風はヒータコア54をバイパスする。
【0036】
ヒータコア54の空気上流側には、エアミックスドア55a、55bが設けられている。エアミックスドア55aは、その開度により、ヒータコア54を通る風量とバイパス通路50eを通る風量との風量比を調整する。エアミックスドア55bは、その開度により、ヒータコア54を通る風量とバイパス通路50fを通る風量との風量比を調整する。ここで、エアミックスドア55a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ550a、550bがそれぞれ連結されている。エアミックスドア55a、55bの開度は、サーボモータ550a、550bによって、それぞれ調整される。
【0037】
また、ダクト50のうちヒータコア54の空気下流側には、フェイス吹出口1FrDrが開口している。フェイス吹出口1FrDrは、第1通路50cから第1領域に着座する乗員(以下、前席右側乗員と称する)の上半身に向けて空気を吹き出す。ダクト50のうちフェイス吹出口1FrDrの空気上流部には、フェイス吹出口1FrDrを開閉する吹出口切換ドア56aが設けられている。吹出口切換ドア56aは、駆動手段としてのサーボモータ560aによって、開閉駆動される。
【0038】
一方、ダクト50のうちヒータコア54の空気下流側には、フェイス吹出口1FrPaも開口している。フェイス吹出口1FrPaは、第3通路50dから第3領域に着座する乗員(以下、前席左側乗員と称する)の上半身に向けて空気を吹き出す。ダクト50のうちフェイス吹出口1FrPaの空気上流部には、フェイス吹出口1FrPaを開閉する吹出口切換ドア56bが設けられている。吹出口切換ドア56bは、駆動手段としてのサーボモータ560bによって、開閉駆動される。
【0039】
後席空調システム6は、車室内1に送風するためのダクト60を備えている。ダクト60内には、車室内1から内気導入口60aを通して内気のみが導入される。内気導入口60aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機62が設けられている。遠心式送風機62は、羽根車及びこの羽根車を回転させるブロアモータ62aを有して構成されている。
【0040】
さらに、ダクト60内において遠心式送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられている。エバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア64が設けられている。
【0041】
ダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられている。仕切り板67は、ダクト60内を第2通路60c及び第4通路60dに仕切っている。ここで、第2通路60cのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路60eが形成されている。バイパス通路60eは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。一方、第4通路60dのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路60fが形成されている。バイパス通路60fは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
【0042】
ヒータコア64の空気下流側には、エアミックスドア65a、65bが設けられている。エアミックスドア65aは、その開度により、ヒータコア64を通る風量とバイパス通路60eを通る風量との風量比を調整する。エアミックスドア65bは、その開度により、ヒータコア64を通る風量と、バイパス通路60fを通る風量との風量比を調整する。エアミックスドア65a、65bには、駆動手段としてのサーボモータ650a、650bがそれぞれ連結されている。エアミックスドア65a、65bの開度は、サーボモータ650a、650bによって、それぞれ調整される。
【0043】
エバポレータ63は、上述のエバポレータ53に対して並列的に配管結合されるものである。ヒータコア64は、上述のヒータコア54に対し並列的に接続されて、エバポレータ63によって冷却された冷風を加熱する。
【0044】
ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、フェイス吹出口1RrDrが開口している。フェイス吹出口1RrDrは、第2通路60cから第2領域に着座する乗員(以下、後席右側乗員と称する)の上半身に向けて空気を吹き出す。フェイス吹出口1RrDrの空気上流部には、フェイス吹出口1RrDrを開閉する吹出口切換ドア66aが設けられている。吹出口切換ドア66aは、駆動手段としてのサーボモータ660aによって、開閉駆動される。
【0045】
一方、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、フェイス吹出口1RrPaも開口している。フェイス吹出口1RrPaは、第4通路60dから後席の左側に着座する乗員(以下、後席左側乗員と称する)の上半身に向けて空気を吹き出す。フェイス吹出口1RrPaの空気上流部には、フェイス吹出口1RrPaを開閉する吹出口切換ドア66bが設けられており、この吹出口切換ドア66bは、駆動手段としてのサーボモータ660bによって、開閉駆動される。
【0046】
また、車両用空調装置100には、前席空調システム5及び後席空調システム6をそれぞれ制御するための空調制御手段である電子制御装置8が設けられている。この電子制御装置8には、外気温センサ81、及び車室内1前方に配置される日射量検出手段である日射センサ83により検出される温度情報、日射量情報が入力されるように接続されている。外気温センサ81は、車室外温度を検出しその検出温度に応じた外気温度信号Tamを電子制御装置8に出力する。車室内前方に配置される日射センサ83は、フロントウインドウ7bの内側の車両左右方向の略中央部分に配置される。検出する日射量に応じた日射量信号Tsを電子制御装置8に出力する。
【0047】
さらに、電子制御装置8には、温度設定スイッチ9、10、11、12が接続されている。各温度設定スイッチ9、10、11、12は、各領域1a、1b、1c、1dの乗員が操作し易い位置に設けられ、その操作により設定温度信号FrTsetDr、FrTsetPa、RrTsetDr、RrTsetPaが設定される。また、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、設定温度等の設定内容を表示する設定温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
【0048】
電子制御装置8には、複数部位の表面温度を検出する非接触温度センサ70が接続されている。非接触温度センサ70は、図2に示すように、車室内天井の前方かつ左右方向中央の前方中央部に配置されている。非接触温度センサ70は、図3に示すように、複数部位の表面温度を検出する。第1領域1aにおいて、前席右側乗員の上半身の表面温度が検出可能である第1着座領域26の表面温度と、壁面の表面温度が検出可能である第1壁面領域25の表面温度とを検出する。第1壁面領域25とは、右サイドウインドシールドの内側25a、右サイドドアの内側25b、及び前席右側乗員の肩越しのシート25c、25dの少なくとも一つに相当する領域である。第2領域1bにおいて、後席右側乗員の上半身の表面温度が検出可能である第2着座領域28を検出する。第3領域1cにおいて、前席左側乗員の上半身の表面温度が検出可能である第3着座領域30と、壁面の表面温度が検出可能である第3壁面領域29を検出する。第3壁面領域とは、左サイドウインドシールドの内側29a、左サイドドアの内側29b、及び前席左側乗員の肩越しのシート29c、29dの少なくとも一つに相当する領域である。第4領域1dにおいて、後席左側乗員の上半身の表面温度が検出可能である第4着座領域32を検出する。
【0049】
次に、第1実施形態における車両用空調装置100の作動について図4、及び図5を用いて説明する。図4は、第1実施形態における車両右側の領域1a、1bに関する車両用空調装置100の空調制御を示すフローチャートである。車両左側の領域1c、1dに関するフローチャートは省略されているが、図4と同じ演算処理が採用されている。図5は、第1実施形態における車両右側の領域1a、1bに関する車両用空調装置100のブロック図である。車両左側の領域1c、1dに関するブロック図は省略されているが、図5と同じブロック構成が採用されている。
【0050】
ステップS102の演算処理によって、図5の第1推定手段という機能的構成要素が提供されている。さらに、ステップS103の演算処理によって、図5の補正値算出手段が提供されている。そして、ステップS104の演算処理によって、図5の第2推定手段が提供されている、さらに、ステップS105の演算処理によって、図5の第3推定手段が提供されている。また、ステップS106の演算処理によって、図5の空調制御手段内の算出手段が提供されている。さらに、ステップ107の演算処理によって、図5の空調制御手段内の実行手段が提供されている。
【0051】
まず、ステップS100にて、温度設定スイッチ9により設定された第1領域1aの目標内気温度としての設定温度値FrTsetDrを読み込み、温度設定スイッチ11により設定された第2領域1bの目標内気温度としてのRrTsetDrを読み込む。また、ステップS101にて、外気温度センサ81から外気温度検出値Tamを読み込み、日射センサ83から日射量検出値Tsを読み込む。さらに、これに加えて、非接触温度センサ70から複数部位の表面温度検出値TIRを読み込む。非接触温度センサ70の表面温度検出値TIRは、第1着座領域26の表面温度の検出値FrDrTIR、第2着座領域28の表面温度の検出値RrDrTIR、及び第1壁面領域25の表面温度の検出値FrDrTIRSWである。
【0052】
そして、ステップS102にて、第1領域1aにおける制御温度を推定する。制御温度とは、空調制御における制御対象である温度である。第1実施形態では、制御温度は、各領域ごとの内気温度を想定している。第1領域1aの内気温度推定値FrDrTzは、検出値FrDrTIRと、検出値FrDrTIRSWとに基づいて推定される。例えば、内気温度推定値FrDrTzは、実験的に定めた以下の関数fの式を用いて推定される。
【0053】
FrDrTz=f(FrDrTIR,FrDrTIRSW)
第1領域1aでは、非接触温度センサ70により、2ヶ所の表面温度が検出されている。まず、その1つである着座領域の表面温度を検出することにより、第1領域1aに着座する乗員の熱的状態を電子制御装置8に入力することができる。乗員の熱的状態とは、その領域の内気温度に影響を受けて変化するものである。次に、もう1つの壁面領域の表面温度を検出することにより、第1領域1aに作用する外乱を電子制御装置8に入力することができる。第1領域1aに作用する外乱とは、その領域の内気温度に影響を及ぼすものである。つまり、第1領域においては、内気温度に影響を及ぼす外乱を多く反映している壁面温度と、内気温度の影響を多く受ける乗員の表面温度とが検出されている。これにより、関数fを用いて内気温度を推定することが可能となる。その結果、内気温度を検出するセンサを用いずに、着座領域の表面温度の検出値と壁面領域の表面温度の検出値とに基づく推定手段(以下、第1推定手段と称する)を用いることで、正確な内気温度を推定することが可能となる。一方、第2領域1bでは、非接触温度センサ70により、1ヶ所のみの表面温度が検出されている。つまり、第2領域1bの壁面領域の表面温度は、検出されていない。壁面領域の表面温度が検出できない場合、前席領域と同じ第1推定手段は適用が不可能である。よって、以下の演算処理を行い、第2領域の内気温度を推定する。
【0054】
まず、ステップS103にて、第2領域1bの補正値ΔDrZを算出する。この補正値ΔDrZは、既知の検出値FrDrTIRSWを、非検出の第2領域における壁面領域の表面温度に換算する係数である。よって、補正値ΔDrZは、第1領域1aの熱的状態と第2領域1bの熱的状態との相違として補正値算出手段にて算出される値である。ここで、第1実施形態における熱的状態の相違とは、第1領域1aの熱的状態と、第2領域1bの熱的状態とを比較することで算出されている。また、補正値ΔDrZは、一つの領域内での検出値、及び設定値に基づき算出された補正値ではない。検出が十分な領域の検出値と検出が不十分な領域の検出値とに基づき算出された補正値である。また、これら検出値は、外乱による影響が何も生じていない通常時において、同じ熱的状態である領域を検出した値である。これにより、通常時において、同じ値である第1領域の熱的状態と第2領域の熱的状態とを比較することで、第2領域の熱的状態の変化をより正確に推定することが可能である。具体的には、第1領域1aの熱的状態は検出値FrDrTIRで検出されており、第2領域1bの熱的状態は検出値RrDrTIRで検出されている。例えば、第2領域1bの補正値ΔDrZは、実験的に定めた以下の関数fの式を用いて算出される。
【0055】
ΔDrZ=f(FrDrTIR,RrDrTIR)
は、検出値FrDrTIRが分母、検出値RrDrTIRが分子の除算を含む関数である。よって、検出値RrDrTIRが、検出値FrDrTIRより大きくなると、補正値も1以上の大きい値となる。一方、検出値RrDrTIRが、検出値FrDrTIRより小さくなると、補正値も1以下の小さい値となる。
【0056】
そして、ステップS104により、第1領域1aに比べ不足する検出値に代わる推定値を推定する。具体的には、ステップS104にて、第2領域1bにおける壁面領域の表面温度を推定する。第2領域1bにおける壁面領域の表面温度推定値RrDrTIRSWは、検出値FrDrTIRSWと、ステップS103にて算出された補正値ΔDrZとに基づいて推定する。例えば、表面温度推定値RrDrTIRSWは、実験的に定めた以下の関数fの式を用いて算出される。
【0057】
RrDrTIRSW=f(FrDrTIRSW,ΔDrZ)
補正値ΔDrZは、既知の検出値FrDrTIRSWを、非検出の第2領域における壁面領域の表面温度に換算する係数である。つまり、fは、検出値FrDrTIRSWと、補正値ΔDrZとの乗算を含む関数である。よって、補正値ΔDrZが1以上の値の場合、表面温度推定値RrDrTIRSWは、検出値FrDrTIRSWよりも高い値となる。一方、補正値ΔDrZが1以下の値の場合、表面温度推定値RrDrTIRSWは、検出値FrDrTIRSWよりも低い値となる。つまり、壁面領域25の表面温度の検出値FrDrTIRSWと後席領域における壁面領域の表面温度の推定値RrDrTIRSWとの関係は、補正値ΔDrZの基となる着座領域26の表面温度と着座領域28の表面温度との関係に応じている。例えば、前者の関係と後者の関係とは、一定の相関を持っている。より具体的には、第1実施形態のように、前者の関係を示す比と後者の関係を示す比とが同一である。その結果、第2領域1bにおける壁面領域の表面温度を検出するセンサを用いずに、補正値ΔDrZと検出値FrDrTIRSWとに基づく推定手段(以下、第2推定手段と称する)を用いることで、正確な第2領域1bにおける壁面領域の表面温度を推定することが可能となる。
【0058】
そして、ステップS105にて、第2領域1bにおける制御温度を推定する。第2推定手段により、第2領域1bに関しても、第1推定手段と同様の推定手段(以下、第3推定手段と称する)を用いることが可能である。よって、第2領域1bの内気温度推定値RrDrTzは、検出値RrDrTIRと、推定値RrDrTIRSWとに基づいて推定される。例えば、内気温度推定値RrDrTzは、実験的に定めた以下の関数fの式を用いて推定される。
【0059】
RrDrTz=f(RrDrTIR,RrDrTIRSW)
検出値RrDrTIRは、第2領域1bに着座する乗員の熱的状態を示している。推定値RrDrTIRSWは、第2領域1bに作用する外乱熱を示している。つまり、第2領域においても、内気温度に影響を及ぼす外乱を多く反映している壁面温度と、内気温度の影響を多く受ける乗員の表面温度とが検出されており、関数fを用いて正確な内気温度を推定することが可能となる。
【0060】
そして、ステップS106にて、第1領域1a、及び第2領域1bの空調制御値を算出する。空調制御値とは、各領域ごとの制御温度に対し空調制御を行うために算出される値である。例えば、第1空調制御値FrDrTAO、及び第2空調制御値RrDrTAOは、実験的に定めた以下の関数fの式を用いて算出される。
【0061】
FrDrTAO=f(FrTsetDr,FrDrTz,TAM,TS)
RrDrTAO=f(RrTsetDr,RrDrTz,TAM,TS)
上記演算処理を、車両左側の領域1c、1dについても同様に行う。
【0062】
そして、Sステップ108にて算出された第1空調制御値FrDrTAO、第2空調制御値RrDrTAO、第3空調制御値FrPaTAO、及び第4空調制御値RrPaTAOに基づいて、各構成部品を制御することにより車両用空調装置の制御を実行する。
【0063】
具体的には、第1空調制御値FrDrTAOと第3空調制御値FrPaTAOとの平均値、及び第2空調制御値RrDrTAOと第4空調制御値RrPaTAOとの平均値に基づいて、ブロアモータ52a、62aに印加する電圧を決定する。そして、これら空調制御値に基づいて、内外気切替ドア51の開閉制御による内外気切替モードの決定、各領域ごとの吹出口モードの決定、及びエアミックスドア55a、55b、65a、65bの目標開度の決定を行う。
【0064】
そして、決定されたブロアモータ52a、62aの印加電圧を制御する信号をブロアモータ52a、62aに出力して、送風ファン52、62の作動を制御する。これと同時に、内外気切替ドア51、吹出口切換ドア56a、56b、66a、66b、エアミックスドア55a、55b、65a、65bの目標開度のそれぞれを制御する信号をサーボモータ51a、550a、550b、560a、560b、650a、650b、660a、660bに出力して、これらのドアの作動を制御する。そして、上記の車両用空調装置の制御を実行した後、再度ステップS100に戻る。
【0065】
この補正値算出手段を用いた第2推定手段、及び第3推定手段を備えることで、車両用空調装置100は、検出される領域が前席領域より少ない後席領域に関しても、前席領域と同等の空調制御を図ることが可能である。よって、各領域を独立して空調制御を行う空調装置において、各領域に快適な車室内空間を提供することが可能となる。
【0066】
(第2実施形態)
上記第1実施形態の非接触温度センサ70に代えて、非接触温度センサ71を用いた第2実施形態を説明する。まず、第2実施形態における非接触温度センサ71の構造について、図6を用いて説明する。図6は、第2実施形態における非接触温度センサ71の温度検出範囲を示す斜視図である。
【0067】
第1領域1aは、第1領域1aの着座シートと第3領域1cの着座シートとの間に設けられるコンソールボックスの位置に相当するコンソール領域34を有している。第2領域1bは、第2領域1bの着座シートと第4領域1dの着座シートとの間に延びている着座シートの位置に相当するシート中央領域33を有している。非接触温度センサ71は、上記第1実施形態の非接触温度センサ70の検出領域に加えて、コンソール領域34とシート中央領域33とを検出する構造を備えている。
【0068】
次に、第2実施形態における補正値算出手段について、図7を用いて説明する。図7は、第2実施形態における車両右側の領域1a、1bに関する車両用空調装置のブロック図である。車両左側の領域1c、1dに関するブロック図は省略されているが、図7と同じブロック構成が採用されている。
【0069】
非接触温度センサ71は、上記第1実施形態の表面温度検出値に加えて、コンソール領域34の表面温度の検出値FrTIRKOと、シート中央領域33の表面温度の検出値RrTIRSEとを出力する。
【0070】
そして、補正値算出手段にて、補正値ΔDrZを算出する。第2領域1bの補正値ΔDrZは、検出値FrTIRKOと、検出値RrTIRSEとに基づいて算出される。例えば、第2領域1bの補正値ΔDrZは、実験的に定めた以下の関数fの式を用いて算出される。
【0071】
ΔDrZ=f(FrTIRKO,RrTIRSE)
は、検出値FrTIRKOが分母、検出値RrTIRSEが分子の除算を含む関数である。よって、検出値FrTIRKOが、検出値RrTIRSEより大きくなると、補正値も1以上の大きい値となる。一方、検出値FrTIRKOが、検出値RrTIRSEより小さくなると、補正値も1以下の小さい値となる。
【0072】
ここで、補正値算出手段は、熱的状態の相違を、非接触温度センサにて検出された各領域に着座する乗員付近の表面温度に基づいて算出している。これにより、前席領域に対する後席領域の熱的状態の相違を補正値として算出することが可能となる。
【0073】
(第3実施形態)
上記第1実施形態の日射センサ83に代えて、日射センサ84を用いた第3実施形態を、図8を用いて説明する。図8は、第3実施形態における車両右側の領域1a、1bに関する車両用空調装置のブロック図である。車両左側の領域1c、1dに関するブロック図は省略されているが、図8と同じブロック構成が採用されている。
【0074】
日射センサ84は、上記第1実施形態の日射量検出値Tsに加えて、日射方位情報ΔSunを出力する。そして、補正値算出手段にて、補正値を算出する。第2領域1bの補正値ΔDrZは、日射方位情報ΔSunに基づいて算出される。例えば、第2領域1bの補正値ΔDrZは、実験的に定めた以下の関数fの式を用いて算出される。
【0075】
ΔDrZ=f(ΔSun)
これにより、第1領域に対する第2領域の熱的状態の相違を補正値として算出することが可能となる。よって、第2領域における熱的状態に影響を及ぼす日射方位である場合、その日射方位情報に基づいて補正値を算出することが可能となる。
【0076】
(他の実施形態)
また、上記第1実施形態では、領域を4つ備える車室内を空調制御している。しかし、領域は4つでなくともよく、領域を6つ備える車室内に対しても空調制御を行うことができる。例えば、前席領域、中席領域、後席領域を備える3列シート式の車両の場合、非接触温度センサは、前席領域、中席領域、及び後席領域のそれぞれの着座領域に加えて、前席領域の壁面領域の表面温度を検出する。その場合、第2推定手段は、前席領域の壁面領域の検出値と補正値とに基づいて、中席領域、及び後席領域の壁面領域推定値をそれぞれ算出する。その場合における補正値は、例えば、中席領域に対しては、前席領域の着座領域検出値と、中席領域の着座領域検出値との相違であり、後席領域に対しては、前席領域の着座領域検出値と、後席領域の着座領域検出値との相違である。さらに、制御温度推定手段は、第1推定手段と、第2推定手段とに加えて、中席領域の制御温度を推定する第3推定手段と、後席領域の制御温度を推定する第4推定手段とを備えている。よって、前席領域、中席領域、及び後席領域の制御温度を推定し、空調制御手段により空調制御を実行する。
【0077】
また、上記第1実施形態では、内気温度を制御温度として空調制御を行っている。しかし、制御温度は内気温度に限らず、ある特定範囲の温度を制御温度して空調制御を行ってもよい。例えば、乗員胸部周辺の空気の温度を制御温度としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図2】第1実施形態における非接触温度センサの配置を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態における非接触温度センサの温度検出範囲を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態における車両右側の領域に関する車両用空調装置の空調制御を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態における車両右側の領域に関する車両用空調装置のブロック図である。
【図6】第2実施形態における非接触温度センサの温度検出範囲を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態における車両右側の領域に関する車両用空調装置のブロック図である。
【図8】第3実施形態における車両右側の領域に関する車両用空調装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
1a 第1領域
1b 第2領域
1c 第3領域
1d 第4領域
8 電子制御装置
70 非接触温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内の第1領域のうち乗員の着座位置に相当する第1着座領域の表面温度と、前記第1領域のうち壁面の位置に相当する第1壁面領域の表面温度と、前記第1領域とは異なる第2領域のうち乗員の着座位置に相当する第2着座領域の表面温度とを検出する非接触温度センサと、
前記第1領域の熱的状態と前記第2領域の熱的状態との相違を補正値として算出する補正値算出手段と、
前記非接触温度センサによる検出値と、前記補正値とに基づいて、前記第2領域の空調制御における制御対象である非検出な温度に相当する第2領域の制御温度を推定する制御温度推定手段と、
前記第2領域の制御温度の推定値に基づいて、前記第2領域の空調を制御する空調制御手段とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記制御温度推定手段は、前記第1壁面領域の表面温度の検出値と前記補正値とに基づいて、前記非接触温度センサが非検出な前記第2領域のうち壁面の位置に相当する第2壁面領域の表面温度を推定し、さらに、前記第2着座領域の表面温度の検出値と前記第2壁面領域の表面温度の推定値とに基づいて、前記第2領域の制御温度を推定することを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記第2領域の空調制御における目標温度を設定するための第2領域の温度設定手段と、
外気温度を検出する外気温度センサと、
日射量を検出する日射量センサとを備え、
前記空調制御手段は、前記第2着座領域の表面温度の検出値と、前記第2領域の制御温度推定値とに加えて、前記第2領域の温度設定手段によって設定される第2領域の設定値と、前記外気温度センサによって検出される外気温度検出値と、前記日射センサによって検出される日射量検出値とに基づいて、前記第2領域の空調を制御することを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記第1領域の空調制御における目標温度を設定するための第1領域の温度設定手段を備え、
前記制御温度推定手段は、さらに、前記第1着座領域の表面温度の検出値と前記第1壁面領域の表面温度の検出値とに基づいて、前記第1領域における制御対象の非検出な温度に相当する第1領域の制御温度推定値を推定し、
前記空調制御手段は、さらに、前記第1着座領域の表面温度の検出値と、前記第1領域の制御温度推定値と、前記第1領域の温度設定手段によって設定される第1領域の設定値と、前記外気温度検出値と、前記日射量検出値とに基づいて、前記第1領域の空調を制御することを特徴とする請求項3記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記第1領域は、車両の前席が置かれた領域であり、
前記第2領域は、車両の後席が置かれた領域であることを特徴とする請求項4または5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【請求項6】
前記補正値算出手段は、前記第1着座領域の表面温度の検出値と前記第2着座領域の表面温度検出値とに基づいて前記補正値を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【請求項7】
前記補正値算出手段は、前記日射センサの日射方位情報に基づいて前記補正値を算出することを特徴とする請求項3から5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【請求項8】
前記非接触温度センサは、第1領域のうち、コンソールボックスの位置に相当するコンソール領域の表面温度と、第2領域のうち、シート中央の位置に相当するシート中央領域の表面温度とを検出し、
前記補正値算出手段は、前記コンソール領域の表面温度の検出値と前記シート中央領域の表面温度の検出値とに基づいて前記補正値を算出することを特徴とする.請求項5に記載の車両用空調装置。
【請求項9】
前記制御温度は、内気温度であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【請求項10】
前記非接触温度センサは、前方かつ左右方向中央の前方中央部に配設されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【請求項11】
前記非接触温度センサは、赤外線センサであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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