説明

車両用空調装置

【課題】冷媒経路をなす冷房回路と暖房回路とを切替え可能な車両用空調装置において、デフロスト機能を使用した前後で冷房回路と暖房回路との回路切替えに伴う臭気や窓曇りの発生を抑制する。
【解決手段】空調制御装置40には、暖房サイクル中にデフロスタスイッチ42によりデフロスタ運転が指令されたときに、デフロスタ吹出口DEFから室内に吹出す空調風の温度を上昇させる。このとき、車室内温度が上昇しても冷房サイクルにすぐに切替えずに暖房サイクルを300秒維持するデフロスタ制御手段S9、S12を備える。これにより、デフロスト機能により空調風の温度を上昇させても、暖房サイクルから冷房サイクルに切り替わらないから、冷房用熱交換器11の表面が空気中の水分で濡れることがなく、この水分の蒸発に伴う異臭の発生や窓曇りの発生を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷暖房可能な車両用空調装置に関し、特には、窓曇りを防止するができ、吹出口から発生する臭いの発生を抑制できるヒートポンプサイクルを使用した車両用空調装置に適用される。
【背景技術】
【0002】
車両用空調システムにおいて、暖房の熱源にエンジン廃熱を利用するのが一般的であったが、近年、暖房に使用できる廃熱が少ないハイブリッド車、電気自動車(以下、EV車という)の開発が盛んになってきている。特にEV車では、暖房で使用できる廃熱は、僅少である。そのため、ヒートポンプシステムを利用した車両用空調装置が増加している傾向にある。
【0003】
このヒートポンプシステムを利用した車両用空調装置として特許文献1に記載の空調装置が知られている。図5は、上記特許文献1の図39、図81に記載されものと同様の冷媒回路図である。この図5に示すように、空調ダクト1内には、ヒートポンプサイクルを構成する冷房用熱交換器(エバポレータとも言う)11が配置されている。そして、この冷房用熱交換器11の下流側には、同じくヒートポンプサイクルを構成する暖房用熱交換器12が配置されている。
【0004】
なお、冷房用熱交換器11は空調空気と熱交換時空気中より気化熱を奪って空気の冷却を行い、冷却器として作動する。一方、暖房用熱交換器12は熱交換時空気中に凝縮熱を放出して空気の加熱を行い、加熱器として作動する。
【0005】
また、ヒートポンプサイクルは、図示しない電気モータにより駆動され冷媒を圧縮吐出する圧縮機20を備える。圧縮機20より吐出された高温高圧の冷媒は、室外熱交換器21で凝縮する。上述の空調ダクト1内の暖房用熱交換器12は、室外熱交換器21と弁手段25をなす電磁弁および暖房用絞り26を介して冷媒配管によって結ばれている。
【0006】
室外熱交換器21から流出した冷媒は、一方は、冷房用絞り31をなすキャピラリーチューブを介して空調ダクト1内の冷房用熱交換器11の入口に導かれ、他方は、下流側電磁弁32を介してアキュムレータ35と冷房用熱交換器11の出口に導かれる。
【0007】
また、エアミックスダンパ16を用いて空調ダクト1内の暖房用熱交換器12の能力を切り替えるようにしている。即ち、暖房時にはエアミックスダンパ16によって、空気が暖房用熱交換器12へ流入するようにしている。
【0008】
一方、冷房時には原則としてエアミックスダンパ16が破線のように閉じ、空気が暖房用熱交換器12へ流れないようにしている。ただ、冷房時であっても吹出温度を可変するダンパとしてエアミックスダンパ16が作動し、必要吹出温度に応じてエアミックスダンパ16の開度が制御され、一部空気を暖房用熱交換器12で加熱するよう作動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3538845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載のヒートポンプサイクルを有する車両用空調装置においては、目標とする車内温を満たすために、弁を制御することで、冷媒の流れる経路(冷房回路と暖房回路とから成る冷暖房回路)を切り替えることにより、ヒートポンプサイクルを冷房サイクルと暖房サイクルとに切替えて空調を行っている。
【0011】
車両前方の窓に空調風を吹き付けて、窓曇りを晴らすためのデフロスタを作動させた場合、最低限窓晴らしに必要な能力を確保した上で、窓晴らしを行うため、デフロスタの作動前と、作動後で、車室内の空調が変化する。しかし、従来の車両用空調装置では、車室内温度の変化を車室内温度センサで検出して単純にフィードバック制御を行い、目標吹出温度を下げることで、空調状態を維持していた。
【0012】
しかし、上記ヒートポンプサイクルを有する車両用空調装置においては、デフロスタの使用前後に、目標吹出温度TAOによっては、暖房回路または冷房回路が切り替わることがある。そのため、例えば、冷房回路から暖房回路へ切り替えを行う際に、冷房用熱交換器に吸着した水分が蒸発するため、窓曇りや臭気発生などの問題が発生する。
【0013】
図6は、上記従来の問題を説明するための説明図である。図6の(a)では、暖房状態にあるときにデフロスタスイッチがオンされたことを示している。運転者がデフロスタスイッチをオンする(DEF押!)と、デフロスタ吹出口からの温風のため車室内温度が上昇し、この温度上昇を検知して冷媒の流れは暖房回路から冷房回路に図6の(b)のように切替る。
【0014】
このときに、空気中の水蒸気が冷房用熱交換器(エバポレータ)の表面に付着し、いわゆるエバ濡れが発生する。図6の(b)において、窓曇りが晴れた状態を確認した運転者が、デフロスタスイッチをオフする(DEF解除!)と、デフロスタ吹出口からの温風吹出しが停止して車室内温度が下降する。
【0015】
車室内温度の降下によって、目標吹出温度TAOが高くなり、図6の(c)のように、冷媒の流れが冷房回路から暖房回路に復帰する。このデフロスタスイッチのオフによってデフロスタスイッチを押す前の元の状態に復帰する過程で、図6の(c)の破線斜線部を通過する際に、冷房側熱交換器の表面に付着した水蒸気と臭気とが空調風に乗って車室内に吹出され、乗員に臭気を感じさせたり、再び窓曇りが発生したりする場合がある。
【0016】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、ヒートポンプサイクルを有し、冷媒の流れを冷房回路と暖房回路とに切替え可能な車両用空調装置において、デフロスト機能を使用した前後で暖房回路と冷房回路との間の切替えに伴う臭気や窓曇りの発生を抑制することができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0017】
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、ヒートポンプサイクルの冷房サイクルと暖房サイクルとを切り替え、車両の室内を冷暖房可能な車両用空調装置であって、空調ダクト(1)内に設けられた暖房用熱交換機(12)と冷房用熱交換器(11)と、暖房用熱交換機(12)と冷房用熱交換器(11)とを通過する冷媒の流れを切り替えて冷房サイクルと暖房サイクルとを設定する冷暖房サイクル切り替え手段(30)と、空調ダクト(1)内の空調風を室内に吹出す複数の吹出口(DEF、FACE、FOOT)と、冷暖房サイクル切り替え手段(30)を制御する空調制御装置(40)と、吹出口の一つであるデフロスタ吹出口(DEF)から車両の窓に向けて風を吹出すデフロスタ運転を空調制御装置(40)に対して指令するデフロスタスイッチ手段(42)とを備え、
空調制御装置(40)には、暖房サイクルと冷房サイクルとを決定するサイクル決定手段(S15)と、暖房サイクル中にデフロスタスイッチ手段(42)によりデフロスタ運転が指令されたときにデフロスタ吹出口(DEF)から室内に吹出す空調風の温度を上昇させ暖房サイクルを所定時間維持するデフロスタ制御手段(S9、S12)とを備えることを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、暖房サイクル中にデフロスタスイッチ手段(42)によりデフロスタ運転が指令されたときにデフロスタ吹出口(DEF)から室内に吹出す空調風の温度を上昇させ暖房サイクルを所定時間維持するデフロスタ制御手段(S9、S12)を備えるから、空調風の温度を上昇させても暖房サイクルから冷房サイクルに切り替わらない。これにより、冷房用熱交換器(11)の表面が空気中の水分で濡れることがなく、この水分の蒸発に伴う異臭の発生や窓曇りの発生を抑制することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明では、デフロスタ運転が解除されたときに、所定時間内において、冷房用熱交換器(11)を通過する冷媒流れを抑制し、デフロスタ吹出口(DEF)から車両の外部の空気である外気を吹出す外気吹出し手段(S14)を備えたことを特徴としている。
【0021】
この発明によれば、デフロスタ運転が解除されたときに、例えば、圧縮機を停止して、冷房用熱交換器(11)を通過する冷媒流れを抑制するから、冷房用熱交換器(11)の表面に空気中の水分が付着するのを抑制できる。また、デフロスタ吹出口(DEF)から車両の外部の空気である外気を吹出すから、異臭の発生や窓曇りの再発を防止しながら車室内の温度が上昇した空調状態をデフロスタ運転以前の状態にできるだけ近づけることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明では、デフロスタ制御手段(S9、S12)により暖房サイクルが維持されているときに、室内の温度を下げるように設定する操作がなされたときは、この操作に基づき、暖房サイクルの維持状態を解除する暖房サイクル解除手段(S10、S11)を有することを特徴としている。
【0023】
この発明によれば、デフロスタ制御手段により暖房サイクルが維持されているときに、室内の温度を下げるよう設定する操作がなされたときは、この操作に基づき、暖房サイクルの維持状態を解除するから、運転者の意思に基づいた冷房サイクルでの運転を実行し、車室内の空調状態の快適化を優先できる。
【0024】
請求項4に記載の発明では、外気吹出し手段(S14)によって外気が吹き出されている状態において、所定時間が経過したときは、冷房用熱交換器(11)を通過する冷媒流れの抑制を解除し、サイクル決定手段(S15)によって決定された暖房サイクルまたは冷房サイクルにも基づいたヒートポンプサイクルの運転を行うヒートポンプサイクル復帰手段(S12)を備えることを特徴としている。
【0025】
この発明によれば、外気吹出し手段(S14)によって外気が吹き出されている換気運転状態において、デフロスタ運転が解除されてから所定時間が経過したときは、冷房用熱交換器(11)を通過する冷媒流れの抑制を解除しているから、いつまでも冷房用熱交換器(11)による車室内の冷房が抑制されることがなく、サイクル決定手段(S15)によって決定された本来の暖房サイクルまたは冷房サイクルにも基づいたヒートポンプサイクルの運転を行うことができる。
【0026】
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態におけるEV車用の車両用空調装置の冷媒回路図である。
【図2】上記一実施形態における空調制御装置内で実行される制御の一部フローチャートである。
【図3】上記第1実施形態における冷房サイクルおよび暖房サイクルの切り替えに用いるマップを説明する説明図である。
【図4】上記第1実施形態におけるデフロスト機能が作動したときの冷凍サイクルおよび暖房サイクルの切り替え状態を説明する説明図である。
【図5】従来の特許文献1に記載されものと同様の冷媒回路図である。
【図6】従来の臭気発生等の問題を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図4を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるEV車用の車両用空調装置の冷媒回路図である。まず作動を含め構成を全体的に説明した後、改めて作動を冷房と暖房に分けて説明する。
【0029】
図1において、1は空気通路をなす空調ダクトで、車室内に配置されている。この空調ダクト1の一方にはファンケース2が接続され、ファンケース2内にはシロッコファン3から成る送風機4が配置されている。
【0030】
この送風機4は、その中央部に配置された送風機モータ5によって回転駆動される。更に、ファンケース2には、内外気切替え部6が設けられ、この内外気切替え部6には、内気導入口7と外気導入口8とが開口している。
【0031】
また、内外気切替え部6には、内外気切替えダンパ9が配置されており、この内外気切替えダンパ9により、空調ダクト1に導入される空気を、室内空気(内気)と車外空気(外気)とに切り替えることができる。空調ダクト1の図1上方には空調された空気を車室内に向けて吹出す吹出口が形成されている。
【0032】
この吹出口は、乗員の頭胸部に向けて主に冷風を吹出すフェイス吹出口FACEと、乗員の脚元に向けて主に暖風を吹出すフット吹出口FOOTと、窓ガラスに向けて主に暖風を吹出すデフロスタ吹出口DEFから形成されている。そして、各吹出口には、それぞれ吹出口への空気流を制御する図示しないフェイスダンパ、フットダンパおよびデフダンパが設けられている。
【0033】
また、空調ダクト1内には、冷凍サイクルを構成する冷房用熱交換器(室内蒸発器またはエバポレータとも言う)11が配置されている。そして、この冷房用熱交換器11の下流側には、同じく冷凍サイクルを構成する暖房用熱交換器(室内凝縮器とも言う)12が配置されている。
【0034】
なお、冷房用熱交換器11は、空調空気と熱交換時に空気中より気化熱を奪って空気の冷却を行い、冷却器として作動する。一方、暖房用熱交換器12は、熱交換時に空気中に凝縮熱を放出して空気の加熱を行い、加熱器として作動する。そして、冷房用熱交換器11と暖房用熱交換器12とで室内熱交換器11、12を構成している。
【0035】
空調ダクト1内の暖房用熱交換器12の側方には、バイパス通路15が配置されており、空調ダクト1内には、このバイパス通路15を流れる空気の風量と、暖房用熱交換器12を流れる空気の風量との割合を連続的に可変制御するエアミックスダンパ16が一端を中心に回動自在に配置されている。
【0036】
なお、冷凍サイクルは、図示しない電気モータにより駆動され冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(コンプレッサ)20を備える。この圧縮機20は、電動モータと一体的に密封ケース内に配置されるため、その設置場所は特に限定されない。
【0037】
ただ、保守点検等の要求より自動車の車室以外の部位に圧縮機20が配置されることが望まれる。室外熱交換器21は、車外空気と良好な熱交換が行えるよう、自動車の進行方向前方に配置される。
【0038】
即ち、室外熱交換器21は、自動車走行時には走行風を受け、冷媒と空気の熱交換が良好に行えるようになっている。上述の空調ダクト1内の暖房用熱交換器12は、特に、パイロット式電磁弁から成る弁手段25を成す電磁弁および暖房用絞り26を介して、室外熱交換器21と冷媒配管によって結ばれている。
【0039】
40は、電磁弁等に制御信号を供給し、図示しない各種センサからの情報が入力される空調制御装置、41は、空調制御装置40に操作信号を送信したり、空調状態を表示したりする操作パネルである。
【0040】
この操作パネル41は、車室内の乗員の視認し易い位置に配置される。操作パネル41内には、送風機モータ5の回転数を設定するファンレバー、エアミックスダンパ16の開度を制御する温度調節レバー、各吹出口ダンパを制御して吹出口モードを切替えるモードスイッチ、内外気切替えダンパ9を切替え制御する操作レバー、車両用空調装置の作動を開始するエアコンスイッチ、車両用空調装置を省動力運転するエコノミースイッチ、車両用空調装置の作動を停止するオフスイッチ等が、それぞれ図示を省略したが、設けられている。なお、デフロスタスイッチ42は、後述するように、上記モードスイッチの一部として構成されている。
【0041】
冷房用熱交換器11の出口側の空気温度を検出する図示しない温度センサからの信号に基づき、冷房用熱交換器11出口側温度が3℃ないし4℃になるように、圧縮機20の回転数が制御される。
【0042】
但し、上記操作パネル41内の図示しないエコノミースイッチが投入された時には、車両の室内に設けられた温度センサからの信号に基づき、冷房用熱交換器11出口側の空気温度が10℃ないし11℃となるように圧縮機20の回転数が可変制御される。
【0043】
上記操作パネル41内の図示しないエアコンスイッチの投入、およびファンスイッチをLO(低)、MID(中)、もしくはHI(高)状態にすることで、圧縮機20が回転起動し、かつ送風機モータ5が選択された回転数で回転する。
【0044】
車室内冷房運転時においては、圧縮機20より吐出された高温高圧の冷媒は、暖房用熱交換器12を通り、弁手段25から室外熱交換器21に流入して凝縮する。このとき、冷暖房サイクル切り替え手段を成す三方弁30が冷房用絞り31側に冷媒を流すように切り替わって冷房回路を形成している。また、三方弁30がアキュムレータ35側に切替えられたときに暖房回路が形成される。
【0045】
冷房回路では、室外熱交換器21で凝縮した冷媒が、冷媒用絞り31を成す固定絞りを介して、空調ダクト1内の冷房用熱交換器11を通過する。そして、冷房用熱交換器11を通過した後、アキュムレータ35内で気液分離され、圧縮機20に冷媒が供給される。
【0046】
冷房用絞り31で断熱膨張し、低温低圧の霧状となった冷媒が、冷房用熱交換器11に供給される。冷媒は、冷房用熱交換器11において、送風機4より供給された空気と熱交換する。すなわち上記冷媒は、空気中より気化熱を奪い、低圧のまま蒸発する。そして蒸発した冷媒は、再び圧縮機20に吸入される。
【0047】
エアミックスダンパ16に関して図1中破線で示したのは、エアミックスダンパ16が全閉となった状態である。すなわち、この全閉状態では、暖房用熱交換器12には、空気流が導入されない。従って、冷媒の凝縮は、室外熱交換器21でなされることになる。
【0048】
そして、破線に示したように、エアミックスダンパ16を全閉とした状態では、暖房用熱交換器12によるエンタルピの損失が無視できるため、冷房用熱交換器11の冷却機能によって冷却された空気をそのまま冷房用の空調風として用いることができる。
【0049】
次に、この際の空気の流れ状態につき説明する。内外気切替えダンパ9により選択的に空調ダクト1内に取り込まれた空気は、冷房用熱交換器11に供給される。ここで、空気は、冷房用熱交換器11通過時に冷媒の気化によって冷却され、出口側空気温度が3℃ないし4℃となった状態でバイパス通路15および暖房用熱交換器12へ向かう。
【0050】
この冷却された空気流は、エアミックスダンパ16によって適宜選択される。すなわち最大冷房が要求される状態ではエアミックスダンパ16が暖房用熱交換器12を閉じ、冷却された空気をそのまま吹出口側へ導かれる。
【0051】
冷房が効きすぎるので、吹出し空気の温度を高めたい時には、圧縮機20の回転数を下げる。そして圧縮機20の回転数を下げても充分に温度が上がらない場合に、エアミックスダンパ16を開き、空気の一部を暖房用熱交換器12に流す。この暖房用熱交換器12に流れた空気は、暖房用熱交換器12下流のエアミックスチャンバーでバイパス通路15を通過した冷気と混合される。
【0052】
混合された空気は、各吹出口への空気流を制御する周知の図示しないフェイスダンパ、フットダンパおよびデフダンパの動作に制御されて、車両の室内に吹出される。図示しない操作パネルのモードスイッチが、フェイスモードを指示しているときは、フェイスダンパのみが開かれ、他のフットダンパおよびデフダンパは閉じている。従って、このときは、冷風が主に乗員の頭胸部に向けて吹出されることになる。
【0053】
モードスイッチが、バイレベルモードに操作された時には、デフダンパが閉じ、フェイスダンパおよびフットダンパが開く。モードスイッチが、フットモードに操作された時には、フットダンパのみが開き、他のフェイスダンパおよびデフダンパは閉じる。その結果、暖房用熱交換器12を通過した空気が、フット吹出口FOOTより乗員の足元部に吹出される。
【0054】
モードスイッチをデフモードとした場合には、図1に示したデフロスタスイッチ42がオンとなり、デフダンパのみが開き、他のフェイスダンパおよびフットダンパは閉じる。その結果、空気が、デフロスタ吹出口DEFより自動車の窓ガラスに向けて吹出される。
【0055】
上述の例では、エアミックスダンパ16の開度、送風機モータ5の回転数、および圧縮機20の回転数の各制御を、自動制御で行っているが、乗員のマニュアル操作を自動制御よりも優先させて制御することもできる。
【0056】
なお、圧縮機20の吐出容量を減少させるときは、車両室内の実際の温度の方が、目標吹出温度TAOより低い場合のように、冷房運転される車両用空調装置の能力が過剰となっているときである。このときには、圧縮機を駆動する電動機に印加されるインバータ出力の周波数を下げ、圧縮機20を駆動する回転速度を低下させて、圧縮機20の吐出容量を減少させる。
【0057】
また、図1に示すように、この第1実施形態では、冷凍サイクルがアキュムレータサイクルとなっている。すなわち冷房用熱交換器11の出口側と圧縮機20の吸入側との間に、冷媒を溜めるアキュムレータ35が設置されている。また、減圧手段として、冷房用絞り31となるキャピラリーチューブが使用されている。
【0058】
(冷房回路を冷媒が流れる冷房サイクルによる運転時)
図1において、冷房運転時には、矢印Yc1、Yc2に示す経路の冷媒回路を通って冷媒が流れる。圧縮機20から吐出された高温高圧冷媒は、まず室内凝縮器から成る暖房用熱交換器12に流入する。このとき、HVACを構成する空調ダクト1内のエアミックスダンパ16は、破線の位置であるMAX COOL位置に保持されているため、空調ダクト1内の空気と暖房用熱交換器12との熱交換は行われない。
【0059】
冷房時は、電磁弁から成る弁手段25が開くように空調制御装置40からの信号で制御されているため、室内凝縮器12からの冷媒は、高温高圧冷媒のまま室外熱交換器21へ流入する。
【0060】
室外熱交換器21で凝縮した高圧液冷媒は、三方弁30に流入する。そして、冷房サイクルによる運転が決定されているため、三方弁30が、空調制御装置40に制御され、冷房用絞り31へと冷媒を流す。
【0061】
この固定絞りから成る冷房用絞り31により減圧された低圧2相冷媒は、室内蒸発器11で蒸発する。室内蒸発器11を通過した冷媒は、アキュムレータ35から圧縮機20へと流れる。
【0062】
(暖房回路を冷媒が流れる暖房サイクルによる運転時)
暖房運転時には、図1の矢印Yh1、Yh2に示す経路からなる暖房回路を通って冷媒が流れる。まず、圧縮機20から吐出された高温高圧冷媒は、暖房用熱交換器12に流入する。発熱した暖房用熱交換器12は、送風機4からのブロア風と熱交換する。
【0063】
暖房時は、電磁弁から成る弁手段25が閉じるように、空調制御装置40からの制御信号により制御されているため、冷媒は暖房用絞り26にて減圧され、低圧2層冷媒となり、室外熱交換器21へ流入する。そして、室外熱交換器21で蒸発した低圧ガス冷媒は、三方弁30内に流入する。三方弁30は、空調制御装置40によって制御され、冷媒をアキュムレータ35から圧縮機20へと流れるように導く。
【0064】
図2は、上記一実施形態における空調制御装置内で実行される制御の一部フローチャートである。この図2においては、所定の周期で、スタートからリターンまでの制御が繰り返して実行される。制御がスタートすると、ステップS1において、車両室内の温度である車内温Tr、外気温To、日射量Ts、設定温度Tset等から目標吹出温度TAOが算出される。
【0065】
次に、ステップS2において、目標吹出温度TAOから基本風量が算出される。更に、ステップS3において、デフロスト機能が作動したか否かが判定される。この判定は、操作パネル41のデフロスタスイッチ42が作動したか、あるいは、それに代わる自動スイッチ機構が作動したかどうかを判定する。
【0066】
デフロスタスイッチ42が乗員によって操作されて、デフロスト機能が作動したと判定されると、ステップS4に進み、吹出口の吹出しモードをデフロストモードに切替える。次に、圧縮機20が作動していなければ、圧縮機20をステップS5においてオンさせる。
【0067】
次ぎ、ステップS6で、図1の内外気切替え部6の内外気切替えダンパ9により、空調ダクト1に導入される空気を、車外空気(外気)に切り替え、外気導入モードとする。更に、ステップS7で、デフロスト時の風量の補正を行う。この風量補正は、基本風量に対して、若干の風量増加の設定を行う。
【0068】
そして、ステップS8において、現在のサイクルが暖房回路に冷媒が流れる暖房サイクルであるか否かを判定する。暖房サイクルと判定された場合は、ステップS9において、吹出温度を補正するために、目標吹出温度TAOを所定量上昇させる。
【0069】
このステップS9は、後述のステップS12とともに、デフロスタ運転が指令されたときにデフロスタ吹出口DEFから室内に吹出す空調風の温度を上昇させ、運転者が設定温度を変更しない限り、暖房サイクルを所定時間維持するデフロスタ制御手段を構成する。
【0070】
ステップS8において、現在のサイクルが暖房サイクルでない場合は、そのままステップS10に進む。ステップS10では、運転者が、操作パネル41を操作して設定温度を変更したかどうかを判定する。
【0071】
設定温度が変更された場合は、運転者の意向に沿い、ステップS11において、目標吹出温度TAOおよび外気温等から暖房回路または冷房回路を決定する。ステップS10において、運転者が設定温度を変更していないときは、そのままこのフローを終了し、次の周期での制御にリターンする。
【0072】
ここで、ステップS10およびステップS11で、暖房サイクルであっても冷房サイクルに切替ることがあるため、ステップS10およびステップS11は、暖房サイクルが維持されているときに、室内の温度を下げるように設定する操作がなされたときは、この操作に基づき、暖房サイクルの維持状態を解除する暖房サイクル解除手段を構成する。
【0073】
このようにして、デフロスタ吹出口DEFから温風が吹出され、窓の曇りが解消される。この結果、暖房回路に冷媒が流れている暖房運転時には、一段と温度が上昇した温風がデフロスタ吹出口DEFから吹出されることによって窓曇りが防止される。一方、冷房回路に冷媒が流れている冷房運転時には、湿度の低い冷風が吹出されることで、窓曇りが防止される。
【0074】
次に、窓曇りが解消されて、運転者が、デフロスタスイッチ42をオフしたとき、または、自動的デフロスタスイッチ手段が、デフロスト機能を解除した場合は、ステップS3からステップS12に進み、デフロスト機能が終了した後、300秒以内か否かを判定する。
【0075】
300秒以内、すなわちデフロスト機能が終了してまもなくの場合は、ステップS13において、運転者の設定温度の変更が無いことが確認されると、外気吹出し手段を成すステップS14で圧縮機20を停止し、車室内に外気を導入する換気運転を行う。すなわち、ステップS14において、デフロスタスイッチ42をオフした直後の外気導入を伴う換気運転が実行される。
【0076】
ステップS12において、デフロスト機能が終了した後、300秒を越える時間が経過していると判定された場合、あるいは、ステップS13でYESと判定された場合は、ステップS15に進み、目標吹出温度TAOおよび外気温等から、図3のマップMAPを用いて、暖房回路で運転するか冷房回路で運転するかの冷暖房回路の決定(冷媒サイクルの決定)を行う。
【0077】
なお、ステップS12は、ステップS14から成る外気吹出し手段によって外気が吹き出されている状態において、所定時間の300秒が経過したときは、冷房用熱交換器を通過する冷媒流れの抑制(圧縮機20の停止)の解除を可能とする。そして、上記解除後に、図3のマップMAPを使用したサイクル決定手段(ステップS15)によって決定された暖房サイクルまたは冷房サイクルに基づいた運転を行う。
【0078】
つまり、ステップS12は、外気が吹き出されている状態において、所定時間が経過したときは、冷房用熱交換器11を通過する冷媒流れの抑制の解除を可能とし、決定された暖房サイクルまたは冷房サイクルに基づいた本来のヒートポンプサイクルの運転を行うヒートポンプサイクル復帰手段を構成する。
【0079】
そして、ステップS16において、目標吹出温度TAO(目標温度)から、周知のように、吸込口モードが決定され、図1の内外気切替え部6が制御される。更に、ステップS17において、目標吹出温度TAOから、フェイスモード、フットモード、バイレベルモード等の吹出口モードが演算される。
【0080】
以上のようにして、デフロスト機能が解除されてから300秒以内でない場合、すなわちデフロスト機能を解除してから、設定された時間を経過している場合は、外気導入の換気運転を行わず、ステップS15において、通常通り目標吹出温度TAOや、そのときの外気温などから、冷暖房回路を決定する。すなわち、冷房回路に冷媒を流す冷房サイクルか、暖房回路に冷媒を流す暖房サイクルかを決定して、図1の三方弁30の切り替え制御が行われる。
【0081】
図3は、上記第1実施形態におけるステップS15における冷房サイクルおよび暖房サイクルの切り替えを説明する説明図である。図3におけるマップMAPを用いた冷暖房回路の判定方法は、現在の外気温TAMと目標吹出温度TAOとを空調制御装置40に入力して、空調制御装置40内のメモリに記憶されたマップMAPにより、最適な冷暖房回路を選択する。
【0082】
図3において、横軸は外気温軸、縦軸は目標吹出温度軸、斜線は外気温=目標吹出温度となる線分であり、この線分よりも上に外気温TAMと目標吹出温度TAOとの現在値があるならば、暖房回路が選択され、上記線分よりも下に現在値があるならば、冷房回路が選択される。
【0083】
次に、図4は、上記第1実施形態におけるデフロスト機能が作動したときの冷凍サイクルおよび暖房サイクルの切り替え状態を説明する説明図である。図4の(a)は、暖房運転中にデフロスタスイッチ42が操作された場合(図2のステップS3でYESの場合)を想定している。このように暖房運転中にデフロスト機能が作動すると、ステップS9により、デフロスタ吹出口DEFから一段高い温風が吹出されるため、窓曇りの除去が行われる。
【0084】
そして、デフロスタ吹出口DEFから一段高い温風が吹出されるため、車室内の温度が上昇する。そのため、車室内温度をパラメータとして演算された目標吹出温度TAOが低く演算される。
【0085】
しかし、図2のステップS10で説明したように、ユーザである運転者が設定温度の変更を行わない限り、冷暖房サイクルの切り替えを行わず、暖房運転のままである。この状態を、図4の(b)に示している。
【0086】
この状態で、窓曇りが改善され、運転者が、デフロスタスイッチ42をオフする(DEF解除する)と、ステップS14において、圧縮機20が停止され、外気が導入されて、図4の(c)のように、換気モードで車両用空調装置が運転される。この圧縮機20の停止に伴い、冷房用熱交換器11には冷媒が流れず、冷房用熱交換器11の表面に空気中の水分が付着することが無い(エバ濡れなし)。
【0087】
このようにして、暖房運転から換気運転を経由した後に、目標吹出温度TAOの上昇によって、もとの暖房運転に移行するために、斜線部すなわち外気温=目標吹出温度TAOと成る線分を跨いだときの、臭気の発生や冷房用熱交換器11の表面に付着した水分の蒸発に伴う窓曇りの発生が防止される。
【0088】
以上のべたように、この一実施形態においては、図2のフローチャートのステップS3に示したデフロスト機能の作動により、窓ガラスに必要な空調能力を確保することができ、迅速な窓晴らしが行え、運転者の前方視界を確保することができる。
【0089】
また、ステップS15においては、外気温に応じて、目標吹出温度TAOを満足するのに最適な冷房サイクルまたは暖房サイクルのいずれかを選択することができる。この最適な冷房サイクルまたは暖房サイクルの選定は、デフロスト機能が終了してから所定時間(一例として300秒)経過した後に行われる。すなわち、デフロスト機能が終了した直後は、圧縮機20停止による外気導入の換気運転が所定時間優先される。
【0090】
また、ステップS8において、デフロスタスイッチ42が投入された状態において、現在のサイクルが暖房サイクルである場合は、ステップS9で吹出温度を上昇させて、暖房サイクルを続行させ、現在のサイクルが暖房サイクルでない場合は、そのままのサイクル、すなわち冷房サイクルを維持した状態で窓晴らしを行うため、デフロスタ時にむやみに冷暖房サイクルの切り替えを行って、窓晴らし効果を阻害することが無い。
【0091】
ただし、ステップS10に示したように、運転者が設定温度を変更したときは、運転者の意思に従って、冷房サイクルまたは暖房サイクルの切り替えを可能としている。
【0092】
デフロスト機能の作動終了後においては、ステップS12のように、例えば300秒の所定時間経過しているか否かによって、圧縮機20の状態、暖房サイクルおよび冷房サイクルの状態の切り替えを決定している。
【0093】
例えば、300秒以内であれば、冷えすぎや暖めすぎの状態から、その状態を基準とした冷房サイクルや暖房サイクルの切り替えを行わず、デフロスト機能を作動させる以前の車室内環境を外気導入による換気運転によって極力維持している。
【0094】
しかしながら、300秒を超えた場合、すなわち、限度以上の時間がデフロスト機能解除後に経過した場合は、目標吹出温度TAOに沿った車室内温度を得るために、目標吹出温度TAOおよび外気温等から図3のマップMAPを用いて冷房サイクルまたは暖房サイクルを決定している。
【0095】
このため、一時的なサイクルから、いつまでも乖離した状態が続くといったことが無くなり、自然と通常の冷暖房運転に戻すことができる。なお、図2のステップS14における外気導入運転時による換気運転では、圧縮機20を停止させているから省エネルギー性能が向上する。
【0096】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。冷暖房回路は、冷房回路と暖房回路とが切替るヒートポンプサイクルであればよく、例えば、図5や、特許文献1に示されたその他の冷媒回路を持つ構成としてもよい。
【0097】
また、上述の一実施形態では、モードスイッチをデフモードとしたときに、デフロスタスイッチ42がオンするようにしたが、モードスイッチとは別の押しボタン式のデフロスタスイッチを追加して設けてもよい。これによれば、モードスイッチの操作によっても、押しボタンスイッチ式のデフロスタスイッチのオンによっても、デフロスタ機能が作動し、緊急時の窓晴らしの操作性が向上する。
【符号の説明】
【0098】
1 空調ダクト
4 送風機
9 内外気切替えダンパ
11 冷房用熱交換器
12 暖房用熱交換機
25 弁手段
26 暖房用絞り
30 三方弁(冷暖房サイクル切り替え手段)
31 冷房用絞り
35 アキュムレータ
40 空調制御装置
41 操作パネル
42 デフロスタスイッチ(デフロスタスイッチ手段)
DEF デフロスタ吹出口
FACE フェイス吹出口
FOOT フット吹出口
MAP サイクル決定手段が使用するマップ
S9、S12 デフロスタ制御手段
S10、S11 暖房サイクル解除手段
S12 ヒートポンプサイクル復帰手段
S14 外気吹出し手段
S15 サイクル決定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプサイクルの冷房サイクルと暖房サイクルとを切り替え、車両の室内を冷暖房可能な車両用空調装置であって、
空調ダクト(1)内に設けられた暖房用熱交換機(12)と冷房用熱交換器(11)と、
前記暖房用熱交換機(12)と冷房用熱交換器(11)とを通過する冷媒の流れを切り替えて前記冷房サイクルと前記暖房サイクルとを設定する冷暖房サイクル切り替え手段(30)と、
前記空調ダクト(1)内の空調風を前記室内に吹出す複数の吹出口(DEF、FACE、FOOT)と、
前記冷暖房サイクル切り替え手段(30)を制御する空調制御装置(40)と、
前記吹出口の一つであるデフロスタ吹出口(DEF)から前記車両の窓に向けて風を吹出すデフロスタ運転を前記空調制御装置(40)に対して指令するデフロスタスイッチ手段(42)と、を備え、
前記空調制御装置(40)には、
前記暖房サイクルと前記冷房サイクルとを決定するサイクル決定手段(S15)と、
前記暖房サイクル中に前記デフロスタスイッチ手段(42)により前記デフロスタ運転が指令されたときに前記デフロスタ吹出口(DEF)から前記室内に吹出す空調風の温度を上昇させ前記暖房サイクルを所定時間維持するデフロスタ制御手段(S9、S12)と、を備えることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記デフロスタ運転が解除されたときに、前記所定時間内において、前記冷房用熱交換器(11)を通過する冷媒流れを抑制し、前記デフロスタ吹出口(DEF)から前記車両の外部の空気である外気を吹出す外気吹出し手段(S14)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記デフロスタ制御手段(S9、S12)により前記暖房サイクルが維持されているときに、前記室内の温度を下げるように設定する操作がなされたときは、この操作に基づき、前記暖房サイクルの維持状態を解除する暖房サイクル解除手段(S10、S11)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記外気吹出し手段(S14)によって外気が吹き出されている状態において、前記所定時間が経過したときは、前記冷房用熱交換器(11)を通過する冷媒流れの抑制を解除し、
前記サイクル決定手段(S15)によって決定された前記暖房サイクルまたは前記冷房サイクルにも基づいた前記ヒートポンプサイクルの運転を行うヒートポンプサイクル復帰手段(S12)を備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−52809(P2013−52809A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193162(P2011−193162)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】