車両用表示装置及び方法
【課題】 表示の自由度を低下させ難く且つ走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することが可能な車両用表示装置及び方法を提供する。
【解決手段】 本装置1は、表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させることとしている。また、本装置1は、追加表示情報を追加して表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示することとしている。従って、表示の自由度を低下させ難く且つ走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【解決手段】 本装置1は、表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させることとしている。また、本装置1は、追加表示情報を追加して表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示することとしている。従って、表示の自由度を低下させ難く且つ走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイを用いて、アナログ式表示やデジタル式表示等の表示意匠をドライバの好みに応じて変更することが可能な車両用表示装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、特定の情報をのみを大きくすることにより、当該情報の視認性を高めることが可能な車両用表示装置が知られている。例えば、この車両用表示装置によれば、マニュアルシフト時は、回転計とシフトの数字とを拡大表示させることとなる(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−58522号公報
【特許文献2】特開平10−297318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の車両用表示装置では、表示内容の自由度が向上し、走行状況などやドライバの希望などに応じて様々な表示を行うことができる。しかし、従来の車両用表示装置では、表示情報を安易に変更することにより表示情報が見難くなってしまう可能性がある。
【0004】
例えば、ドライバの操作に従って(すなわちドライバの希望に応じて)表示を変更する場合は表示内容が変わってしまうことをドライバが認識しているため、各情報の表示位置が変化してしまってもドライバは表示位置の変化に対応することができる。
【0005】
これに対し、走行状況、周囲車両、周辺情報などによって表示情報の位置が自動的に変更される場合、ドライバは表示位置の変化を認識しておらず表示位置の変化に対応できるとは限らない。このため、ドライバは、表示領域内で情報を捜す場合があり、瞬時に情報を取得することができず、視認時間が長くなってしまう可能性がある。特に、車速やエンジン回転数などの走行状態を表す走行状態情報は、ドライバが頻繁に確認するため容易に視認できることが望ましいが、走行状態情報の位置が変更されてしまうと、容易に視認できなくなることがある。
【0006】
一方、走行状態情報を何ら変化させないなどの対応を行うと、表示の自由度が低下してしまうこととなり、液晶などのディスプレイを用いた表示装置自体の機能を著しく損なわせてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用表示装置は、車両乗員に対し情報表示を行うものであって、自車両の走行状態を表すために表示される走行状態情報と、特定の条件が成立したときに追加表示される追加表示情報との双方を表示可能な表示手段と、表示手段の表示を制御する表示制御手段とを備えている。この表示制御手段は、表示手段の表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させ、追加表示情報を追加表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させることとしている。このため、走行状態情報の位置が変わることなく、ドライバは表示の変化に速やかに対応でき、走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【0009】
また、追加表示情報を追加して表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示することとしている。すなわち、追加表示情報の追加を行えるようになっており、表示の自由度はある程度保たれている。しかも、走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を表示するため、車両乗員の指示によらずに追加表示情報が追加されても走行状態情報の視認性を悪化させ難い。
【0010】
従って、表示の自由度を低下させ難く且つ走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による車両用表示装置の詳細構成図である。同図に示すように、車両用表示装置1は、車両乗員に対し情報表示を行うものであって、情報表示可能なディスプレイ10(表示手段)を備えたものである。このディスプレイ10は、自車両の走行状態を表すために表示される走行状態情報と、特定の条件が成立したときに追加表示される追加表示情報との双方の情報を表示可能となっている。
【0013】
ここで、走行状態情報とは、自車両の走行状態を監視するための情報(例えば車速)、及び自車両の現在位置の情報のうち少なくとも1つをいうものである。また、追加表示情報は、以下の5種類のうち少なくとも1種以上の情報をいう。すなわち、追加表示情報は、自車両周囲の映像情報、自車両外部の障害物及び建物の位置情報、自車両外部の道路形状の情報、特定地点の名称情報(交差点の名称情報など)、並びに自車両の状態不良を示す警告情報(ブレーキオイル漏れの警告ランプなどの情報)のうち少なくとも1つをいうものである。
【0014】
また、上記ディスプレイ10は、インストルメントパネルの中央付近に設けられたセンターディスプレイ11と、インストルメントパネルのドライバ側に設けられたドライバディスプレイ12とからなっている。これらディスプレイ11,12は、LCDや有機EL、及びプロジェクタなど、表示すべき情報を自在に表示させることができるものを含んで構成されている。すなわち、上記ディスプレイ11,12は、車速などを表示するにあたり、指針画像を利用してアナログ式表示を実現させることができ、一方で車速などを表示するにあたり、目盛り画像等を利用してデジタル式表示を実現させることができる。
【0015】
また、車両用表示装置1は、車両情報取得部20と、周囲情報取得部30と、ナビゲーション装置40と、表示モード判別部(表示モード判別手段)50と、表示制御部(表示制御手段)60とを備えている。
【0016】
車両情報取得部20は、走行状態情報を取得するものであり、具体的には自車両の走行状態を監視するための情報として、車速情報、エンジン回転数情報、水温情報、燃料残量情報、及びシフトポジション情報などを取得するものである。また、車両情報取得部20は、自動車速制御システム等のITSシステムが搭載されている場合、その制御情報も取得できるものである。
【0017】
周囲情報取得部30は、追加表示情報を取得するものである。具体的に周囲情報取得部30は、自車両周囲を撮影可能なカメラ(撮影手段)を有し、車両前端部から車両左右方向を撮影したり、車両後端側を撮影したりする構成となっている。これにより、周囲情報取得部30は、追加表示情報の1つである自車両周囲の映像情報を取得するようになっている。なお、カメラの撮影方向は上記方向に限らず、他の方向であってもよい。
【0018】
また、周囲情報取得部30は、路車間通信や、車車間通信のユニットを備え、自車両外部の障害物の位置情報として周囲車両の位置情報を取得するようになっている。また、周囲情報取得部30は、上記追加表示情報の他に、渋滞情報や故障車などの情報を取得することも可能である。
【0019】
ナビゲーション装置40は、走行状態情報の1つとして、自車両の現在位置の情報を取得するものである。また、ナビゲーション装置40は、地図データを有しており、自車両の走行位置の情報と地図データとを対応付けて出力することができる構成となっている。さらに、ナビゲーション装置40は、自車両が現在高速道路を走行中であるか、一般道路を走行中であるか、信号のない交差点に差し掛かろうとしているかなどの走行環境情報を取得できる構成となっている。
【0020】
表示モード判別部50は、自車両の走行環境情報に応じてディスプレイ10に情報表示させる際の表示モードを判別するものである。ここで、表示モードは、例えば高速道路走行時の高速道表示モード、一般道路走行時の一般道表示モード、自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるマニュアルシフトモードなどが存在する。従って、表示モード判別部50は、ナビゲーション装置40から走行環境情報を入力し、自車両の走行環境を判断して表示モードを判別することとなる。この際、表示モード判別部50は、自車両が高速道路を走行していれば高速道表示モードと判別し、自車両が一般道路を走行していれば一般道表示モードと判別する。
【0021】
また、本実施形態において車両はオートマチックのトランスミッションを搭載しているが、ドライバの操作によってギアをマニュアルで操作できるように切り替えが可能とされている。このため、表示モード判別部50は、自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるように切り替えられているときには、マニュアルシフトモードであると判別するようになっている。
【0022】
また、表示モード判別部50は、表示モードの判別結果を表示制御部60に送信する。これにより、表示制御部60は、表示モードに従った情報表示を行うこととなる。加えて、表示モード判別部50は、ナビゲーション装置40からの現在位置のデータと地図データとを表示制御部60に送信する構成となっている。
【0023】
表示制御部60は、ディスプレイ10の表示を制御するものであり、表示データ生成部61と表示データ選択部62とを備えている。表示データ生成部61は表示モード判別部50により判別された表示モードに従って、表示すべき情報の表示データを生成するものである。すなわち、表示データ生成部61は、車両情報取得部20からの情報及びナビゲーション装置40からの情報(すなわち走行状態情報)を入力して表示可能な形式に変換し、ディスプレイ10に表示させる構成となっている。また、表示データ生成部61は、特定の条件が成立するときには周囲情報取得部30からの映像情報(すなわち追加表示情報)を入力して表示可能な形式に変換し、ディスプレイ10に表示させる構成となっている。
【0024】
また、表示データ選択部62は表示データ生成部61により生成された表示データを修正及び配置していくものである。すなわち、表示データ選択部62は、表示モード判別部50により判別された表示モードに従って、表示データを拡大・縮小したり、配置関係を変えたりするものである。例えば表示データ選択部62は、表示モードが高速道路表示モードであると判別された場合、車速情報を拡大修正することとなる。
【0025】
また、表示制御部60は、表示モードに応じてディスプレイ10の表示を自動的に切り替える機能と、車両乗員の指示によって表示データを切り替える機能とを有している。すなわち、表示データ選択部62は、表示モードに応じて自動的に表示データを拡大・縮小したり、配置変更したりする機能を有し、且つ、車両乗員の指示によっても表示データを拡大・縮小したり、配置変更したりする機能を有している。
【0026】
なお、本実施形態に係る車両用表示装置は、追加表示情報である自車両外部の道路形状の情報、自車両外部の建物の位置情報、特定地点の名称情報及び自車両の状態不良を示す警告情報についても取得する。例えば、車両用表示装置1は、ナビゲーション装置40が記憶する地図情報に基づいて自車両外部の道路形状の情報を取得する。また、車両用表示装置1は、カメラにより車両前方を撮影し得られた映像を解析することにより自車両外部の道路形状の情報を取得する。また、車両用表示装置1は、ナビゲーション装置40に記憶される地図情報から、自車両外部の建物の位置情報や交差点などの特定地点の名称情報を取得する。さらに、車両用表示装置1は、不良状態を検出するセンサに接続されて当該センサから警告情報を取得する。
【0027】
次に、本実施形態に係る車両用表示方法の概略について説明する。図2は、本実施形態に係る車両用表示方法の概略を示す説明図である。上記したように、本実施形態に係る車両用表示装置1は、走行状態情報を表示すると共に、特定条件成立時には追加表示情報を表示する。ここで、車両用表示装置1の表示は、図2に示すように行われる。
【0028】
まず、走行状態情報について説明する。走行状態情報は、車速やエンジン回転数などの走行状態を表す情報であり、ドライバにより頻繁に視認されるものであって瞬時に読み取る必要がある情報である(図2A)。本実施形態では、表示モードに応じてディスプレイ10の表示が自動的に切り替わってしまう。このため、ドライバは表示の切り替わりによって、頻繁に視認する必要がある走行状態情報を見失う可能性がある。そこで、本実施形態では、車両乗員の指示によらず自動的に表示が切り替わる場合(図2B)、走行状態情報の表示位置を変化させることなく、大きさを変化させることとしている(図2C)。
【0029】
これにより、例えば高速道路走行時において、車速計を大きくして車速を見やすくしつつ、視認の可能性が低いエンジン回転計を小さくすることができる。すなわち、車速計を大きくし、しかも位置を変化させないため、ドライバは表示変化に容易に対応でき、車速情報を見失わず視認時間が長くなることがない。特にエンジン回転計は小さくなってしまうが位置自体の変化がなく、表示変化に容易に対応でき、ドライバは小さくなったエンジン回転計について視認時間が長くならないようになっている。
【0030】
より詳細に説明すると、表示制御部60は、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、走行状態情報を指針画像によるアナログ式表示により表示するときには、指針の回転中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる(図2D)。ここで、ドライバは無意識的に指針の回転中心をアナログ式表示の基準的位置と認識する傾向がある。このため、指針の回転中心を固定して大きさを変化させることで、ドライバの視認時間が長くなってしまうことを一層防止することができる。
【0031】
また、表示制御部60は、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、走行状態情報を数値又は目盛りによるデジタル式表示により表示するときには、数値又は目盛りの表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる(図2E)。ここで、数値や目盛りに関しては重心位置を固定して大きさを変化させることで、ドライバにとって違和感が少なくなり、ドライバの視認時間についても長くなることを防止することとなる。
【0032】
図3〜図6を参照して走行状態情報の位置を変化させずに大きさを変化させるときの例を説明する。図3は、走行状態情報をアナログ式表示した場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、(a)は大きさの変更前の様子を示し、(b)は大きさの変更後の様子を示している。図3(a)に示すように、表示制御部60は、走行状態情報を指針画像によるアナログ式表示により表示するときには、指針の回転中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。このため、図3(b)に示すように、エンジン回転計の指針の軸を中心として走行状態情報は放射状に大きくなる。
【0033】
図4は、走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として数値により表示をする場合を示している。なお、図4において破線は変更前の走行状態情報を示し、実線は変更後の走行状態情報を示している。表示制御部60は、デジタル式表示として数値により表示をする場合、数値の表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。なお、図4に示す例では、重心位置でなく1桁目の中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させている。
【0034】
図5は、走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として縦方向に伸びる目盛りにより表示をする場合を示している。なお、図5において破線は変更前の走行状態情報を示し、実線は変更後の走行状態情報を示している。表示制御部60は、デジタル式表示として目盛りにより表示をする場合、上記と同様に、目盛りの表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。なお、図5に示すように、目盛りが縦方向に伸びるバー形式のものであるときには、目盛りの下限値を固定して走行状態情報の大きさを変化させるようにしてもよい。また、図5に示すように、縦方向に伸びるバーを幅方向に拡大したり、バー表示を傾けたりしてもよい。また、縦方向に伸びるバー形式では、縦方向に拡大・縮小しないことが望ましい。縦方向に拡大・縮小しない方が縦方向に拡大・縮小するよりも、表示されている情報の絶対値が分かり易いためである。
【0035】
図6は、走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として扇形の目盛りにより表示をする場合を示している。なお、図6において破線は変更前の走行状態情報を示し、実線は変更後の走行状態情報を示している。表示制御部60は、デジタル式表示として目盛りにより表示をする場合、上記と同様に、目盛りの表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。なお、図6に示すように、目盛りが扇形のものであるときには、扇の円弧中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させるようにしてもよい。
【0036】
次に、追加表示情報について説明する。表示制御部60は、特定の条件が満たされたときには追加表示情報を追加表示する。例えば、車両が見通しの悪い交差点に差し掛かり、カメラにより車両前端部から左右方向の映像を撮影してドライバに表示する必要があるときなどには、車両前端部から左右方向の映像が追加表示情報として追加表示される。ここで、追加表示情報は、情報を全体的に把握する必要があるものであり(図2F)、前提として一部のみを表示するのではなく情報全体を表示しなければならないものである。
【0037】
表示制御部60は、追加表示情報を追加表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示する。ここで、走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を表示するとは、追加表示情報を追加して表示するときに、走行状態情報に重なってしまうなどして走行状態情報の表示が見えなくなってしまうことがないように表示することをいう。すなわち、追加表示情報を追加表示しても走行状態情報の視認性を悪化させ難いようにしている。なお、本実施形態では、追加表示情報を追加表示できるため、表示の自由度はある程度高いと言える。
【0038】
詳細に説明すると、表示制御部60は、車両乗員の指示によらず自動的に表示が切り替わる場合において、カメラにより撮影された映像を表示するときには、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させることとしている(図2G)。具体的に説明すると、表示制御部60は、車両前端部から左方向の映像について、ディスプレイ10の表示領域のうち左方向側に表示させ、車両前端部から右方向の映像について、ディスプレイ10の表示領域のうち右方向側に表示させる。これにより、ドライバは撮影された映像が、自車両周辺のうちどちら側の映像であるかを直感的に認識できることとなる。さらに、表示制御部60は、追加表示情報が追加表示されたことを分かり易くするため、背景画像と追加表示情報とのコントラスト差を大きくする(図2H)。
【0039】
次に、自動的でなく車両乗員の指示により表示が切り替わる場合を説明する。自動的でなく車両乗員の指示により表示が切り替わる場合(図2I)、ドライバは表示が切り替わることを認識しており、走行状態情報の位置が変更されるなどしても、その変化に柔軟に対応できる。故に、表示制御部60は、ディスプレイ10の表示を車両乗員の指示により切り替える場合、追加表示情報を車両乗員が指定する箇所に表示させ(図2J)、且つ走行状態情報を縮小し又は走行状態情報の表示位置を変化させる(図2K)。これにより、追加表示情報を自由な箇所に表示させて、表示の自由度を向上させることとなる。なお、走行状態情報を縮小させたり、走行状態情報の表示位置を変化させたりすると、ドライバの走行状態情報の視認時間が長くなってしまうと考えられるが、上述したようにドライバは表示の切り替わりを認識しているため、縮小や位置変化にも柔軟に対応でき、視認時間が大幅に長くなってしまうという事態は生じない。このように、車両乗員の指示により表示が切り替わる場合においても、本実施形態の車両用表示装置1は、効果的な表示を実現している。
【0040】
また、表示制御部60は、走行状態情報の表示位置を変化させる場合、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させることが望ましい(図2K)。これにより、走行状態情報の位置が変化しても、各走行状態情報の相対関係は維持されることから、ドライバは走行状態情報の相対関係から走行状態情報を比較的早くに認識することができる。なお、ここでいう相対関係とは、各走行状態情報の表示箇所の関係をいい、例えば、車速計の右隣にエンジン回転計が存在する場合、車速計とエンジン回転計との表示位置を変化させても、エンジン回転計は車速計の右隣に存在するような状態をいう。この相対関係とは厳密なものでなく、上記車速計とエンジン回転計との場合、エンジン回転計は車速計の右隣からやや上下などにずれても相対関係は維持されていると言える。すなわち、相対関係とは、ドライバが視認して明らかに相対関係が崩れたと判断できない程度のズレであれば許容するものである。
【0041】
さらに、表示制御部60は、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させるにあたり、情報量の削減を行わないこととする(図2L)。ここで、一般的な表示装置では視認時間が長くならないように情報量を減少させることが行われる。しかし、本実施形態では、走行状態情報の視認時間が長くなることを防止できるため、情報量を減少させる必要がない。従って、情報量を削減してドライバに不都合を与えてしまうことを防止することとしている。
【0042】
以上、本実施形態による車両用表示方法の概略である。次に、本実施形態に係る車両用表示方法について表示画像例などを参照しつつ詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る車両用表示方法を示すフローチャートである。まず、車両情報取得部20は走行状態情報を取得し、周囲情報取得部30は追加表示情報を取得する(ST1)。なお、車両情報取得部20は、エンジン回転数、水温、燃料残量、車速、及びシフトポジション等の情報を常時監視し、これら情報を逐次表示制御部60に送信する。また、ステップST1においては、ナビゲーション装置40により、自車位置周辺の地図データ等の情報が取得され、この情報についても表示制御部60に送信される。
【0043】
次いで、表示制御部60の表示データ生成部61は、車両情報取得部20及び周囲情報取得部30などにより取得された情報から表示データを生成する(ST2)。具体的に説明すると、表示データ生成部61は、車速情報を基にアナログ計の文字盤及び指針を模したアナログ式表示画像のデータを生成する。また、指針画像は、車速に応じた角度でデータ生成される。これにより、車両用表示装置1は、実際のアナログタイプの速度計と同様の表示を表現できることとなる。また、表示データ生成部61は、エンジン回転数、水温、及びシフトポジション等についても同様に表示データを生成する。さらに、表示データ生成部61は、ナビゲーション装置40により検出された自車位置データと地図データから自車位置を示す地図画像データを生成する。本実施例では、例えば、広い範囲を表示する広域地図表示データと自車両周辺の詳細地図を表示する詳細地図表示データとの2つの地図表示データを生成する。
【0044】
次に、ナビゲーション装置40は、自車両が現在高速道路を走行中であるかなどを示す走行環境情報を検出する(ST3)。また、ナビゲーション装置40は、走行環境の情報の他に、交差点、信号機の有無、及び駐車場内どうかの情報を取得してもよい。さらに、ナビゲーション装置40は、高速道路走行中であるかなどをシフトポジションや車速等から判断してもよい。
【0045】
その後、表示モード判別部50は、マニュアルシフトであるか、すなわち自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるように切り替えられているか否かを判断する(ST4)。そして、マニュアルにてシフト操作を行えるように切り替えられていると判断した場合(ST4:YES)、表示モード判別部50は、マニュアルシフトモードであると判断し、処理をステップST5に進める。そして、表示制御部60は、マニュアルシフトモードに応じた表示制御を行う(ST5)。その後、処理はステップST1に戻る。
【0046】
一方、車両用表示装置1は、マニュアルにてシフト操作を行えるように切り替えられていないと判断した場合(ST4:NO)、表示モード判別部50は、カメラにより撮影された映像の提示が必要か否かを判断する(ST6)。具体的に表示モード判別部50は、特定の条件を満たすときに、撮影された映像の提示が必要であると判断する(ST6:YES)。ここで、特定の条件とは、自車両が見通しの悪い交差点に差し掛かった場合又は車両乗員により映像の提示操作があった場合などである。なお、特定の条件には、これらに限られず、自車両が狭い路地に進入し道路左に幅寄せするような場合も含まれる。この場合、自車両の左側車輪近傍を撮影して表示した方が望ましいためである。
【0047】
そして、ステップST6において「YES」と判断された後に、表示モード判別部50は、映像の提示が車両乗員の指示によるものであるか否かを判断する(ST7)。映像の提示が車両乗員の指示によるものでないと判断した場合(ST7:NO)、表示モード判別部50は、自動的に表示が切り替わる自動映像表示モードであると判断し、表示制御部60は、自動映像表示モードに応じた表示制御を行う(ST8)。その後、処理はステップST1に戻る。他方、映像の提示が車両乗員の指示によるものであると判断した場合(ST7:NO)、表示モード判別部50は、ドライバの操作によって表示が切り替わる手動映像表示モードであると判断し、表示制御部60は、手動映像表示モードに応じた表示制御を行う(ST9)。その後、処理はステップST1に戻る。
【0048】
ところで、映像の提示が必要でないと判断した場合(ST6:NO)、表示モード判別部50は、自車両が高速道路を走行しているか否かを判断する(ST10)。自車両が高速道路を走行していると判断した場合(ST10:YES)、表示モード判別部50は高速道表示モードであると判断し、表示制御部60は高速道表示モードに応じた表示制御を行う(ST11)。その後、処理はステップST1に戻る。自車両が高速道路を走行していないと判断した場合(ST10:NO)、表示モード判別部50は、一般道表示モードであると判断し、表示制御部60は、一般道表示モードに応じた表示制御を行う(ST12)。その後、処理はステップST1に戻る。
【0049】
次に、図8〜図14を参照して、図8は、各表示モードでの表示の詳細を示す説明図である。図8では、一般道表示モードを基準とし、一般道表示モードから他のモードに切り替わった場合の走行状態情報及び追加表示情報の変化の様子を示している。また、図8では、走行状態情報のうちの基本的な情報である車速、エンジン回転数、水温、燃料、及びナビ情報、並びに追加表示情報のうち映像情報についての変化の様子を説明するものとする。
【0050】
まず、一般道表示モードでは図9に示すように情報が表示される。図9は、一般道表示モードでの表示の様子を示す説明図である。同図に示すように、センターディスプレイ11は、走行状態情報の1つであるナビ情報(自車両の現在位置情報)を表示している。ここで、センターディスプレイ11には、広域地図表示エリア11aと詳細地図表示エリア11bとがあり、それぞれに自車両の現在位置を表す広域地図と詳細地図とが表示されている。
【0051】
また、ドライバディスプレイ12は、車速表示エリア12a及び回転計表示エリア12bを有し、それぞれに走行状態情報の1つである車速情報及びエンジン回転数情報をアナログ式表示により表示している。また、ドライバディスプレイ12は、燃料計表示エリア12cを有し、該エリア12c内に水温情報及び燃料情報をアナログ式表示により表示している。さらに、ドライバディスプレイ12は、ITS情報表示エリア12dやメニュー表示エリア12eを有し、ITSの制御情報やその他情報などを表示可能となっている。
【0052】
上記のような表示状態において、表示モードが一般道表示モードからマニュアルシフトモードに切り替えられた場合、表示制御部60はマニュアルシフトモードに応じた情報表示を行う。図10は、マニュアルシフトモードでの表示の様子を示す説明図である。マニュアルによるギアチェンジにはエンジン回転数の情報が重要となる。このため、マニュアルシフトモードにおいて表示制御部60は、図8及び図10に示すように、エンジン回転数情報の位置を変化させることなく同情報を拡大表示させる。また、表示制御部60は、エンジン回転数情報の拡大に伴い、車速情報及び水温・燃料情報の位置を変化させることなくこれら情報を縮小表示させる。これにより、特に頻繁に視認されると予測されるエンジン回転数情報をドライバに容易に視認させることができる。また、小さくなった車速情報などについても位置が変化していないためドライバは表示を見失うことがなく、視認時間が大幅に長くなってしまうという事態も生じない。
【0053】
なお、マニュアルシフトモードにおいて表示制御部60は、詳細地図表示エリア11bの表示内容を車両前方映像にするようにしてもよい。ドライバは、ギアチェンジをするためにエンジン回転計に視線を集中させる傾向があるため、車両前方への注意がおろそかになる可能性がある。ところが、同じインストルメントパネル内に前方映像を表示することで、ドライバはエンジン回転計を視認しつつ車両前方の様子を知ることができる。
【0054】
また、表示モードが一般道表示モードから高速道表示モードに切り替えられた場合、表示制御部60は高速道表示モードに応じた情報表示を行う。図11は、高速道表示モードでの表示の様子を示す説明図である。高速道路では車速情報が頻繁に視認される可能性が高い。このため、高速道表示モードにおいて表示制御部60は、図8及び図11に示すように、車速情報の位置を変化させることなく同情報を拡大表示させる。また、高速道路において燃料切れは大きな問題であるため、表示制御部60は、水温・燃料情報についても位置を変化させることなく拡大表示させる。そして、表示制御部60は、これら情報の拡大に伴い、エンジン回転数情報の位置を変化させることなく同情報を縮小表示させる。これにより、頻繁に視認されると予測される車速情報をドライバに容易に視認させることができる。また、小さくなったエンジン回転数情報などについても位置が変化していないためドライバは表示を見失うことがなく、視認時間が大幅に長くなってしまうという事態も生じない。
【0055】
なお、高速道表示モードにおいて表示制御部60は、詳細地図表示エリア11bの表示内容を高速道路の簡易道路情報(サービスエリアやインターチェンジのみの情報)にするようにしてもよい。ドライバは、高速道路において詳細な地図情報を欲していないのが通常である。このため、詳細地図情報に代えて高速道路の簡易道路情報を表示することで、ドライバは高速道路において次のサービスエリアや次のインターチェンジなどを容易に知ることができる。
【0056】
また、表示モードが一般道表示モードから自動映像表示モードに切り替えられた場合、表示制御部60は自動映像表示モードに応じた情報表示を行う。図12は、自動映像表示モードでの表示の様子を示す説明図である。見通しの悪い交差点に差し掛かった場合など特定の条件が満たされた場合、表示制御部60は、図8及び図12に示すように、カメラにより撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させる。すなわち、車両前端から右側を撮影して得られた映像は、ドライバディスプレイ12の右端の右情報追加エリア15fに表示され、車両前端から左側を撮影して得られた映像は、センターディスプレイ11の左端の左情報追加エリア11cに表示される。ここで、本実施形態ではカメラが車両前端部から左右方向を撮影しているため、図12に示すように映像情報はディスプレイ10の左右端に追加表示されているが、車両が交差点に傾きをもって進入した場合や、車両前方の映像を撮影している場合など、映像情報は撮影方向に応じた箇所に表示されることとなる。
【0057】
また、図12に示すように、表示制御部60は、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域の周辺に存在する走行状態情報の表示位置を変化させずに縮小する。すなわち、表示制御部60は、周辺に存在する車速情報などを縮小表示し、位置を変更しないこととする。これにより、表示制御部60は、映像情報の追加表示により走行状態情報の位置が変化して視認性が悪化しないようにしている。なお、図12に示すように、右情報追加エリア15fはドライバディスプレイ12の右端に存在していたITS情報表示エリア12dに重なって表示されるが、ITS情報表示エリアには走行状態情報が表示されないため、映像情報の表示は走行状態情報の表示を阻害していない。また、左情報追加エリア11cは、センターディスプレイ11の左端に存在していた広域地図表示エリア11aに重なって表示されるが、映像情報は広域地図内の自車位置マークには重なっておらず、映像情報の表示は走行状態情報の表示を阻害していない。なお、映像情報が広域地図自体に重ならないように地図情報自体を縮小表示するようにしてもよい。
【0058】
図13は、自動映像表示モードでの表示の他の例を示す説明図である。図12では走行状態情報を縮小表示していた。これに対し、図13に示す例では、走行状態情報を縮小せず、映像の表示領域を、アナログ式表示される車速計の高速側に重畳させることとしている。ここで、車両周囲の映像を必要とする場合、自車両が低速であることが多く、指針は車速計及びエンジン回転計の高速側を指すことが少ない。このため、車速計の高速側に映像情報を重畳させても車速情報の表示を阻害することがない。また、映像と車速計を重ねるため、車速計の表示を小さくする必要性が少ない。このため、車速の表示を必要以上に小さくせず、映像情報を表示することができる。なお、図13では車速計の高速側に映像情報を重畳させているが、車速計に限らずエンジン回転計の高速側に重畳させるようにしてもよい。
【0059】
また、表示モードが一般道表示モードから手動映像表示モードに切り替えられた場合、表示制御部60は手動映像表示モードに応じた情報表示を行う。図14は、手動映像表示モードでの表示の様子を示す説明図である。図8及び図14に示すように、手動映像表示モードにおいて表示制御部60は、映像情報を予め定められた箇所であるディスプレイ10内の左右端に表示させ、走行状態情報の表示位置を変化させる。ここで、ドライバは自らの意思により表示を変化させたことから、走行状態情報について表示変化が大きくとも表示変化に対応することができる。このため、走行状態情報について位置を変化させてもドライバによる視認時間が大幅に長くなってしまうことがない。故に、手動映像表示モードでは、映像情報を追加表示させ、映像情報の表示に邪魔にならないように各表示エリア11a,11b,12a〜12eを中央に寄せることとしている。また、図14に示すように、表示制御部60は、走行状態情報の位置を変化させる際に、各走行状態情報の相対位置を変化させず、且つ情報量を削減しないことが望ましい。なお、図14では、走行状態情報の位置を変化させる例を説明したが、走行状態情報を縮小するようにしてもよい。
【0060】
このようにして、本実施形態に係る車両用表示装置1及び方法によれば、表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させることとしている。このため、走行状態情報の位置が変わることなく、ドライバは表示の変化に速やかに対応でき、走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【0061】
また、追加表示情報を追加して表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示することとしている。すなわち、追加表示情報の追加を行えるようになっており、表示の自由度はある程度保たれている。しかも、走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を表示するため、車両乗員の指示によらずに追加表示情報が追加されても走行状態情報の視認性を悪化させ難い。
【0062】
従って、表示の自由度を低下させ難く且つ走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【0063】
また、表示を車両乗員の指示により切り替える場合、追加表示情報を予め定められた箇所に表示させ、走行状態情報を縮小し又は走行状態情報の表示位置を変化させることとしている。ここで、ドライバは、自らの意思により表示を変化させたことから、走行状態情報についての表示変化が大きくとも表示変化に対応することができる。このため、走行状態情報について縮小又は位置変化させてもドライバによる視認時間が大幅に長くなってしまうことがない。従って、走行状態情報の視認時間が長くすることなく、表示の自由度を一層向上させることができる。
【0064】
また、走行状態情報の表示位置を変化させる場合、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させることとしている。このため、追加表示情報の表示にあたり、走行状態情報の位置が変化しても、各走行状態情報の相対関係は維持され、ドライバは走行状態情報の相対関係から比較的早くに走行状態情報を認識することができる。従って、走行状態情報の視認時間が長くなることを防止することができる。
【0065】
また、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させるにあたり、情報量の削減を行わないこととしている。ここで、一般的な表示装置では視認時間が長くならないように情報量を減少させることを行われる。しかし、本実施形態では、走行状態情報の視認時間が長くなることを防止できるため、情報量を減少させる必要がない。従って、視認時間が長くなることを防止しつつも情報量の減少を防止することができる。
【0066】
また、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、走行状態情報を指針画像によるアナログ式表示により表示するときには、指針の回転中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。ここで、ドライバは無意識的に指針の回転中心を表示の基準的位置と認識する傾向がある。このため、指針の回転中心を固定して大きさを変化させることで、ドライバの視認時間が長くなってしまうことを一層防止することができる。
【0067】
また、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、走行状態情報を数値又は目盛りによるデジタル式表示により表示するときには、数値又は目盛りの表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。ここで、数値や目盛りに関しては重心位置を固定して大きさを変化させることで、ドライバにとって違和感が少なくなり、ドライバの視認時間についても長くなることを防止することにつながる。
【0068】
従って、走行状態情報の大きさを変化させつつも、ドライバの視認時間が長くなってしまうことを一層効果的に防止することができる。
【0069】
また、自車両の走行環境を判別して、一般道路走行時の一般道表示モード、高速道路走行時の高速道表示モード、自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるマニュアルシフトモードのいずれに該当するかを判断する。そして、判断した表示モード応じて車両乗員の指示によらず表示を切り替える。このため、自車両の走行状態に応じた適切なモードが選択され、適切な表示モードにて自動的に表示が切り替えられることとなる。従って、適切な表示を行うことができる。
【0070】
また、撮影された映像を表示する場合、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させることとしている。このため、ドライバは撮影された映像が、自車両周辺のうちどちら側の映像であるかを直感的に認識できることとなる。従って、適切な表示を行うことができる。
【0071】
また、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域の周辺に存在する走行状態情報の表示位置を変化させずに縮小することとしている。このため、映像を表示するにあたり、走行状態情報の位置を変化させて視認性を極端に低下させることとならないようにしている。従って、走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【0072】
また、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域を、アナログ式表示される車速計及びエンジン回転計の少なくとも一方の高速側に重畳させることとしている。ここで、車両周囲の映像を必要とする場合、自車両が低速であることが多く、指針は車速計及びエンジン回転計の高速側を指すことが少ない。しかも、映像と車速計等を重ねるため、車速計等の表示を小さくする必要性が少ない。故に、車速計及びエンジン回転計の少なくとも一方の高速側に映像を重畳させることで、映像をドライバに提示しつつも、車速等の表示を必要以上に小さくせず、走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを一層確実に防止することができる。
【0073】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、本実施形態では、映像表示モードについてのみ自動及び手動の2つのモードが存在するが、他の表示モードにおいても、自動及び手動の2つのモードが存在していてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、走行状態情報として、車速やエンジン回転数等を挙げているが、これに限らず、他の情報であっても、ナビゲーション装置40により求められたルート情報や交通渋滞状況など、ドライバが頻繁に視認する必要性がある情報であれば走行状態情報としてもよい。また、自動及び手動映像表示モードでは、カメラによって撮像された映像を追加表示することとしているが、他の情報を追加するようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ドライバが特定の情報を視認していると判断できる場合、表示情報に関する操作を行っていると判断できる場合、及び、所定値以上の加減速を行っている場合の少なくとも1つに該当する場合、車両乗員の指示によることなくディスプレイ10の表示を切り替えることを禁止することとしてもよい。ここで、ドライバが特定の情報を視認していると判断できる場合はもとより、表示情報に関する操作を行っていると判断できる場合、及び所定値以上の加減速で走行している場合は、ドライバが情報を視認している可能性が高い。このため、上記のように構成することにより、ドライバが情報を視認している又は視認している可能性が高いときに、表示を切り替えないこととなり、視認中に突然表示が変更されてしまうことを防止することができる。従って、一層適切に表示を行うことができる。
【0076】
なお、ドライバが特定の情報を視認しているか否かは、ドライバの顔画像を撮像して解析することにより判断でき、表示情報に関する操作を行っているか否かは、操作部分への入力履歴から判断できる。また、所定値以上の加減速を行っているか否かは、加速度センサからの信号を取り込むことにより判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態による車両用表示装置の詳細構成図である。
【図2】本実施形態に係る車両用表示方法の概略を示す説明図である。
【図3】走行状態情報をアナログ式表示した場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、(a)は大きさの変更前の様子を示し、(b)は大きさの変更後の様子を示している。
【図4】走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として数値により表示をする場合を示している。
【図5】走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として縦方向に伸びる目盛りにより表示をする場合を示している。
【図6】走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として扇形の目盛りにより表示をする場合を示している。
【図7】本実施形態に係る車両用表示方法を示すフローチャートである。
【図8】各表示モードでの表示の詳細を示す説明図である。
【図9】一般道表示モードでの表示の様子を示す説明図である。
【図10】マニュアルシフトモードでの表示の様子を示す説明図である。
【図11】高速道表示モードでの表示の様子を示す説明図である。
【図12】自動映像表示モードでの表示の様子を示す説明図である。
【図13】自動映像表示モードでの表示の他の例を示す説明図である。
【図14】手動映像表示モードでの表示の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1…車両用表示装置
10…ディスプレイ(表示手段)
20…車両情報取得部
30…周囲情報取得部(撮影手段)
40…ナビゲーション装置
50…表示モード判別部(表示モード判別手段)
60…表示制御部(表示制御手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイを用いて、アナログ式表示やデジタル式表示等の表示意匠をドライバの好みに応じて変更することが可能な車両用表示装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、特定の情報をのみを大きくすることにより、当該情報の視認性を高めることが可能な車両用表示装置が知られている。例えば、この車両用表示装置によれば、マニュアルシフト時は、回転計とシフトの数字とを拡大表示させることとなる(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−58522号公報
【特許文献2】特開平10−297318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の車両用表示装置では、表示内容の自由度が向上し、走行状況などやドライバの希望などに応じて様々な表示を行うことができる。しかし、従来の車両用表示装置では、表示情報を安易に変更することにより表示情報が見難くなってしまう可能性がある。
【0004】
例えば、ドライバの操作に従って(すなわちドライバの希望に応じて)表示を変更する場合は表示内容が変わってしまうことをドライバが認識しているため、各情報の表示位置が変化してしまってもドライバは表示位置の変化に対応することができる。
【0005】
これに対し、走行状況、周囲車両、周辺情報などによって表示情報の位置が自動的に変更される場合、ドライバは表示位置の変化を認識しておらず表示位置の変化に対応できるとは限らない。このため、ドライバは、表示領域内で情報を捜す場合があり、瞬時に情報を取得することができず、視認時間が長くなってしまう可能性がある。特に、車速やエンジン回転数などの走行状態を表す走行状態情報は、ドライバが頻繁に確認するため容易に視認できることが望ましいが、走行状態情報の位置が変更されてしまうと、容易に視認できなくなることがある。
【0006】
一方、走行状態情報を何ら変化させないなどの対応を行うと、表示の自由度が低下してしまうこととなり、液晶などのディスプレイを用いた表示装置自体の機能を著しく損なわせてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用表示装置は、車両乗員に対し情報表示を行うものであって、自車両の走行状態を表すために表示される走行状態情報と、特定の条件が成立したときに追加表示される追加表示情報との双方を表示可能な表示手段と、表示手段の表示を制御する表示制御手段とを備えている。この表示制御手段は、表示手段の表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させ、追加表示情報を追加表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させることとしている。このため、走行状態情報の位置が変わることなく、ドライバは表示の変化に速やかに対応でき、走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【0009】
また、追加表示情報を追加して表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示することとしている。すなわち、追加表示情報の追加を行えるようになっており、表示の自由度はある程度保たれている。しかも、走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を表示するため、車両乗員の指示によらずに追加表示情報が追加されても走行状態情報の視認性を悪化させ難い。
【0010】
従って、表示の自由度を低下させ難く且つ走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による車両用表示装置の詳細構成図である。同図に示すように、車両用表示装置1は、車両乗員に対し情報表示を行うものであって、情報表示可能なディスプレイ10(表示手段)を備えたものである。このディスプレイ10は、自車両の走行状態を表すために表示される走行状態情報と、特定の条件が成立したときに追加表示される追加表示情報との双方の情報を表示可能となっている。
【0013】
ここで、走行状態情報とは、自車両の走行状態を監視するための情報(例えば車速)、及び自車両の現在位置の情報のうち少なくとも1つをいうものである。また、追加表示情報は、以下の5種類のうち少なくとも1種以上の情報をいう。すなわち、追加表示情報は、自車両周囲の映像情報、自車両外部の障害物及び建物の位置情報、自車両外部の道路形状の情報、特定地点の名称情報(交差点の名称情報など)、並びに自車両の状態不良を示す警告情報(ブレーキオイル漏れの警告ランプなどの情報)のうち少なくとも1つをいうものである。
【0014】
また、上記ディスプレイ10は、インストルメントパネルの中央付近に設けられたセンターディスプレイ11と、インストルメントパネルのドライバ側に設けられたドライバディスプレイ12とからなっている。これらディスプレイ11,12は、LCDや有機EL、及びプロジェクタなど、表示すべき情報を自在に表示させることができるものを含んで構成されている。すなわち、上記ディスプレイ11,12は、車速などを表示するにあたり、指針画像を利用してアナログ式表示を実現させることができ、一方で車速などを表示するにあたり、目盛り画像等を利用してデジタル式表示を実現させることができる。
【0015】
また、車両用表示装置1は、車両情報取得部20と、周囲情報取得部30と、ナビゲーション装置40と、表示モード判別部(表示モード判別手段)50と、表示制御部(表示制御手段)60とを備えている。
【0016】
車両情報取得部20は、走行状態情報を取得するものであり、具体的には自車両の走行状態を監視するための情報として、車速情報、エンジン回転数情報、水温情報、燃料残量情報、及びシフトポジション情報などを取得するものである。また、車両情報取得部20は、自動車速制御システム等のITSシステムが搭載されている場合、その制御情報も取得できるものである。
【0017】
周囲情報取得部30は、追加表示情報を取得するものである。具体的に周囲情報取得部30は、自車両周囲を撮影可能なカメラ(撮影手段)を有し、車両前端部から車両左右方向を撮影したり、車両後端側を撮影したりする構成となっている。これにより、周囲情報取得部30は、追加表示情報の1つである自車両周囲の映像情報を取得するようになっている。なお、カメラの撮影方向は上記方向に限らず、他の方向であってもよい。
【0018】
また、周囲情報取得部30は、路車間通信や、車車間通信のユニットを備え、自車両外部の障害物の位置情報として周囲車両の位置情報を取得するようになっている。また、周囲情報取得部30は、上記追加表示情報の他に、渋滞情報や故障車などの情報を取得することも可能である。
【0019】
ナビゲーション装置40は、走行状態情報の1つとして、自車両の現在位置の情報を取得するものである。また、ナビゲーション装置40は、地図データを有しており、自車両の走行位置の情報と地図データとを対応付けて出力することができる構成となっている。さらに、ナビゲーション装置40は、自車両が現在高速道路を走行中であるか、一般道路を走行中であるか、信号のない交差点に差し掛かろうとしているかなどの走行環境情報を取得できる構成となっている。
【0020】
表示モード判別部50は、自車両の走行環境情報に応じてディスプレイ10に情報表示させる際の表示モードを判別するものである。ここで、表示モードは、例えば高速道路走行時の高速道表示モード、一般道路走行時の一般道表示モード、自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるマニュアルシフトモードなどが存在する。従って、表示モード判別部50は、ナビゲーション装置40から走行環境情報を入力し、自車両の走行環境を判断して表示モードを判別することとなる。この際、表示モード判別部50は、自車両が高速道路を走行していれば高速道表示モードと判別し、自車両が一般道路を走行していれば一般道表示モードと判別する。
【0021】
また、本実施形態において車両はオートマチックのトランスミッションを搭載しているが、ドライバの操作によってギアをマニュアルで操作できるように切り替えが可能とされている。このため、表示モード判別部50は、自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるように切り替えられているときには、マニュアルシフトモードであると判別するようになっている。
【0022】
また、表示モード判別部50は、表示モードの判別結果を表示制御部60に送信する。これにより、表示制御部60は、表示モードに従った情報表示を行うこととなる。加えて、表示モード判別部50は、ナビゲーション装置40からの現在位置のデータと地図データとを表示制御部60に送信する構成となっている。
【0023】
表示制御部60は、ディスプレイ10の表示を制御するものであり、表示データ生成部61と表示データ選択部62とを備えている。表示データ生成部61は表示モード判別部50により判別された表示モードに従って、表示すべき情報の表示データを生成するものである。すなわち、表示データ生成部61は、車両情報取得部20からの情報及びナビゲーション装置40からの情報(すなわち走行状態情報)を入力して表示可能な形式に変換し、ディスプレイ10に表示させる構成となっている。また、表示データ生成部61は、特定の条件が成立するときには周囲情報取得部30からの映像情報(すなわち追加表示情報)を入力して表示可能な形式に変換し、ディスプレイ10に表示させる構成となっている。
【0024】
また、表示データ選択部62は表示データ生成部61により生成された表示データを修正及び配置していくものである。すなわち、表示データ選択部62は、表示モード判別部50により判別された表示モードに従って、表示データを拡大・縮小したり、配置関係を変えたりするものである。例えば表示データ選択部62は、表示モードが高速道路表示モードであると判別された場合、車速情報を拡大修正することとなる。
【0025】
また、表示制御部60は、表示モードに応じてディスプレイ10の表示を自動的に切り替える機能と、車両乗員の指示によって表示データを切り替える機能とを有している。すなわち、表示データ選択部62は、表示モードに応じて自動的に表示データを拡大・縮小したり、配置変更したりする機能を有し、且つ、車両乗員の指示によっても表示データを拡大・縮小したり、配置変更したりする機能を有している。
【0026】
なお、本実施形態に係る車両用表示装置は、追加表示情報である自車両外部の道路形状の情報、自車両外部の建物の位置情報、特定地点の名称情報及び自車両の状態不良を示す警告情報についても取得する。例えば、車両用表示装置1は、ナビゲーション装置40が記憶する地図情報に基づいて自車両外部の道路形状の情報を取得する。また、車両用表示装置1は、カメラにより車両前方を撮影し得られた映像を解析することにより自車両外部の道路形状の情報を取得する。また、車両用表示装置1は、ナビゲーション装置40に記憶される地図情報から、自車両外部の建物の位置情報や交差点などの特定地点の名称情報を取得する。さらに、車両用表示装置1は、不良状態を検出するセンサに接続されて当該センサから警告情報を取得する。
【0027】
次に、本実施形態に係る車両用表示方法の概略について説明する。図2は、本実施形態に係る車両用表示方法の概略を示す説明図である。上記したように、本実施形態に係る車両用表示装置1は、走行状態情報を表示すると共に、特定条件成立時には追加表示情報を表示する。ここで、車両用表示装置1の表示は、図2に示すように行われる。
【0028】
まず、走行状態情報について説明する。走行状態情報は、車速やエンジン回転数などの走行状態を表す情報であり、ドライバにより頻繁に視認されるものであって瞬時に読み取る必要がある情報である(図2A)。本実施形態では、表示モードに応じてディスプレイ10の表示が自動的に切り替わってしまう。このため、ドライバは表示の切り替わりによって、頻繁に視認する必要がある走行状態情報を見失う可能性がある。そこで、本実施形態では、車両乗員の指示によらず自動的に表示が切り替わる場合(図2B)、走行状態情報の表示位置を変化させることなく、大きさを変化させることとしている(図2C)。
【0029】
これにより、例えば高速道路走行時において、車速計を大きくして車速を見やすくしつつ、視認の可能性が低いエンジン回転計を小さくすることができる。すなわち、車速計を大きくし、しかも位置を変化させないため、ドライバは表示変化に容易に対応でき、車速情報を見失わず視認時間が長くなることがない。特にエンジン回転計は小さくなってしまうが位置自体の変化がなく、表示変化に容易に対応でき、ドライバは小さくなったエンジン回転計について視認時間が長くならないようになっている。
【0030】
より詳細に説明すると、表示制御部60は、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、走行状態情報を指針画像によるアナログ式表示により表示するときには、指針の回転中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる(図2D)。ここで、ドライバは無意識的に指針の回転中心をアナログ式表示の基準的位置と認識する傾向がある。このため、指針の回転中心を固定して大きさを変化させることで、ドライバの視認時間が長くなってしまうことを一層防止することができる。
【0031】
また、表示制御部60は、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、走行状態情報を数値又は目盛りによるデジタル式表示により表示するときには、数値又は目盛りの表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる(図2E)。ここで、数値や目盛りに関しては重心位置を固定して大きさを変化させることで、ドライバにとって違和感が少なくなり、ドライバの視認時間についても長くなることを防止することとなる。
【0032】
図3〜図6を参照して走行状態情報の位置を変化させずに大きさを変化させるときの例を説明する。図3は、走行状態情報をアナログ式表示した場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、(a)は大きさの変更前の様子を示し、(b)は大きさの変更後の様子を示している。図3(a)に示すように、表示制御部60は、走行状態情報を指針画像によるアナログ式表示により表示するときには、指針の回転中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。このため、図3(b)に示すように、エンジン回転計の指針の軸を中心として走行状態情報は放射状に大きくなる。
【0033】
図4は、走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として数値により表示をする場合を示している。なお、図4において破線は変更前の走行状態情報を示し、実線は変更後の走行状態情報を示している。表示制御部60は、デジタル式表示として数値により表示をする場合、数値の表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。なお、図4に示す例では、重心位置でなく1桁目の中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させている。
【0034】
図5は、走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として縦方向に伸びる目盛りにより表示をする場合を示している。なお、図5において破線は変更前の走行状態情報を示し、実線は変更後の走行状態情報を示している。表示制御部60は、デジタル式表示として目盛りにより表示をする場合、上記と同様に、目盛りの表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。なお、図5に示すように、目盛りが縦方向に伸びるバー形式のものであるときには、目盛りの下限値を固定して走行状態情報の大きさを変化させるようにしてもよい。また、図5に示すように、縦方向に伸びるバーを幅方向に拡大したり、バー表示を傾けたりしてもよい。また、縦方向に伸びるバー形式では、縦方向に拡大・縮小しないことが望ましい。縦方向に拡大・縮小しない方が縦方向に拡大・縮小するよりも、表示されている情報の絶対値が分かり易いためである。
【0035】
図6は、走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として扇形の目盛りにより表示をする場合を示している。なお、図6において破線は変更前の走行状態情報を示し、実線は変更後の走行状態情報を示している。表示制御部60は、デジタル式表示として目盛りにより表示をする場合、上記と同様に、目盛りの表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。なお、図6に示すように、目盛りが扇形のものであるときには、扇の円弧中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させるようにしてもよい。
【0036】
次に、追加表示情報について説明する。表示制御部60は、特定の条件が満たされたときには追加表示情報を追加表示する。例えば、車両が見通しの悪い交差点に差し掛かり、カメラにより車両前端部から左右方向の映像を撮影してドライバに表示する必要があるときなどには、車両前端部から左右方向の映像が追加表示情報として追加表示される。ここで、追加表示情報は、情報を全体的に把握する必要があるものであり(図2F)、前提として一部のみを表示するのではなく情報全体を表示しなければならないものである。
【0037】
表示制御部60は、追加表示情報を追加表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示する。ここで、走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を表示するとは、追加表示情報を追加して表示するときに、走行状態情報に重なってしまうなどして走行状態情報の表示が見えなくなってしまうことがないように表示することをいう。すなわち、追加表示情報を追加表示しても走行状態情報の視認性を悪化させ難いようにしている。なお、本実施形態では、追加表示情報を追加表示できるため、表示の自由度はある程度高いと言える。
【0038】
詳細に説明すると、表示制御部60は、車両乗員の指示によらず自動的に表示が切り替わる場合において、カメラにより撮影された映像を表示するときには、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させることとしている(図2G)。具体的に説明すると、表示制御部60は、車両前端部から左方向の映像について、ディスプレイ10の表示領域のうち左方向側に表示させ、車両前端部から右方向の映像について、ディスプレイ10の表示領域のうち右方向側に表示させる。これにより、ドライバは撮影された映像が、自車両周辺のうちどちら側の映像であるかを直感的に認識できることとなる。さらに、表示制御部60は、追加表示情報が追加表示されたことを分かり易くするため、背景画像と追加表示情報とのコントラスト差を大きくする(図2H)。
【0039】
次に、自動的でなく車両乗員の指示により表示が切り替わる場合を説明する。自動的でなく車両乗員の指示により表示が切り替わる場合(図2I)、ドライバは表示が切り替わることを認識しており、走行状態情報の位置が変更されるなどしても、その変化に柔軟に対応できる。故に、表示制御部60は、ディスプレイ10の表示を車両乗員の指示により切り替える場合、追加表示情報を車両乗員が指定する箇所に表示させ(図2J)、且つ走行状態情報を縮小し又は走行状態情報の表示位置を変化させる(図2K)。これにより、追加表示情報を自由な箇所に表示させて、表示の自由度を向上させることとなる。なお、走行状態情報を縮小させたり、走行状態情報の表示位置を変化させたりすると、ドライバの走行状態情報の視認時間が長くなってしまうと考えられるが、上述したようにドライバは表示の切り替わりを認識しているため、縮小や位置変化にも柔軟に対応でき、視認時間が大幅に長くなってしまうという事態は生じない。このように、車両乗員の指示により表示が切り替わる場合においても、本実施形態の車両用表示装置1は、効果的な表示を実現している。
【0040】
また、表示制御部60は、走行状態情報の表示位置を変化させる場合、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させることが望ましい(図2K)。これにより、走行状態情報の位置が変化しても、各走行状態情報の相対関係は維持されることから、ドライバは走行状態情報の相対関係から走行状態情報を比較的早くに認識することができる。なお、ここでいう相対関係とは、各走行状態情報の表示箇所の関係をいい、例えば、車速計の右隣にエンジン回転計が存在する場合、車速計とエンジン回転計との表示位置を変化させても、エンジン回転計は車速計の右隣に存在するような状態をいう。この相対関係とは厳密なものでなく、上記車速計とエンジン回転計との場合、エンジン回転計は車速計の右隣からやや上下などにずれても相対関係は維持されていると言える。すなわち、相対関係とは、ドライバが視認して明らかに相対関係が崩れたと判断できない程度のズレであれば許容するものである。
【0041】
さらに、表示制御部60は、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させるにあたり、情報量の削減を行わないこととする(図2L)。ここで、一般的な表示装置では視認時間が長くならないように情報量を減少させることが行われる。しかし、本実施形態では、走行状態情報の視認時間が長くなることを防止できるため、情報量を減少させる必要がない。従って、情報量を削減してドライバに不都合を与えてしまうことを防止することとしている。
【0042】
以上、本実施形態による車両用表示方法の概略である。次に、本実施形態に係る車両用表示方法について表示画像例などを参照しつつ詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る車両用表示方法を示すフローチャートである。まず、車両情報取得部20は走行状態情報を取得し、周囲情報取得部30は追加表示情報を取得する(ST1)。なお、車両情報取得部20は、エンジン回転数、水温、燃料残量、車速、及びシフトポジション等の情報を常時監視し、これら情報を逐次表示制御部60に送信する。また、ステップST1においては、ナビゲーション装置40により、自車位置周辺の地図データ等の情報が取得され、この情報についても表示制御部60に送信される。
【0043】
次いで、表示制御部60の表示データ生成部61は、車両情報取得部20及び周囲情報取得部30などにより取得された情報から表示データを生成する(ST2)。具体的に説明すると、表示データ生成部61は、車速情報を基にアナログ計の文字盤及び指針を模したアナログ式表示画像のデータを生成する。また、指針画像は、車速に応じた角度でデータ生成される。これにより、車両用表示装置1は、実際のアナログタイプの速度計と同様の表示を表現できることとなる。また、表示データ生成部61は、エンジン回転数、水温、及びシフトポジション等についても同様に表示データを生成する。さらに、表示データ生成部61は、ナビゲーション装置40により検出された自車位置データと地図データから自車位置を示す地図画像データを生成する。本実施例では、例えば、広い範囲を表示する広域地図表示データと自車両周辺の詳細地図を表示する詳細地図表示データとの2つの地図表示データを生成する。
【0044】
次に、ナビゲーション装置40は、自車両が現在高速道路を走行中であるかなどを示す走行環境情報を検出する(ST3)。また、ナビゲーション装置40は、走行環境の情報の他に、交差点、信号機の有無、及び駐車場内どうかの情報を取得してもよい。さらに、ナビゲーション装置40は、高速道路走行中であるかなどをシフトポジションや車速等から判断してもよい。
【0045】
その後、表示モード判別部50は、マニュアルシフトであるか、すなわち自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるように切り替えられているか否かを判断する(ST4)。そして、マニュアルにてシフト操作を行えるように切り替えられていると判断した場合(ST4:YES)、表示モード判別部50は、マニュアルシフトモードであると判断し、処理をステップST5に進める。そして、表示制御部60は、マニュアルシフトモードに応じた表示制御を行う(ST5)。その後、処理はステップST1に戻る。
【0046】
一方、車両用表示装置1は、マニュアルにてシフト操作を行えるように切り替えられていないと判断した場合(ST4:NO)、表示モード判別部50は、カメラにより撮影された映像の提示が必要か否かを判断する(ST6)。具体的に表示モード判別部50は、特定の条件を満たすときに、撮影された映像の提示が必要であると判断する(ST6:YES)。ここで、特定の条件とは、自車両が見通しの悪い交差点に差し掛かった場合又は車両乗員により映像の提示操作があった場合などである。なお、特定の条件には、これらに限られず、自車両が狭い路地に進入し道路左に幅寄せするような場合も含まれる。この場合、自車両の左側車輪近傍を撮影して表示した方が望ましいためである。
【0047】
そして、ステップST6において「YES」と判断された後に、表示モード判別部50は、映像の提示が車両乗員の指示によるものであるか否かを判断する(ST7)。映像の提示が車両乗員の指示によるものでないと判断した場合(ST7:NO)、表示モード判別部50は、自動的に表示が切り替わる自動映像表示モードであると判断し、表示制御部60は、自動映像表示モードに応じた表示制御を行う(ST8)。その後、処理はステップST1に戻る。他方、映像の提示が車両乗員の指示によるものであると判断した場合(ST7:NO)、表示モード判別部50は、ドライバの操作によって表示が切り替わる手動映像表示モードであると判断し、表示制御部60は、手動映像表示モードに応じた表示制御を行う(ST9)。その後、処理はステップST1に戻る。
【0048】
ところで、映像の提示が必要でないと判断した場合(ST6:NO)、表示モード判別部50は、自車両が高速道路を走行しているか否かを判断する(ST10)。自車両が高速道路を走行していると判断した場合(ST10:YES)、表示モード判別部50は高速道表示モードであると判断し、表示制御部60は高速道表示モードに応じた表示制御を行う(ST11)。その後、処理はステップST1に戻る。自車両が高速道路を走行していないと判断した場合(ST10:NO)、表示モード判別部50は、一般道表示モードであると判断し、表示制御部60は、一般道表示モードに応じた表示制御を行う(ST12)。その後、処理はステップST1に戻る。
【0049】
次に、図8〜図14を参照して、図8は、各表示モードでの表示の詳細を示す説明図である。図8では、一般道表示モードを基準とし、一般道表示モードから他のモードに切り替わった場合の走行状態情報及び追加表示情報の変化の様子を示している。また、図8では、走行状態情報のうちの基本的な情報である車速、エンジン回転数、水温、燃料、及びナビ情報、並びに追加表示情報のうち映像情報についての変化の様子を説明するものとする。
【0050】
まず、一般道表示モードでは図9に示すように情報が表示される。図9は、一般道表示モードでの表示の様子を示す説明図である。同図に示すように、センターディスプレイ11は、走行状態情報の1つであるナビ情報(自車両の現在位置情報)を表示している。ここで、センターディスプレイ11には、広域地図表示エリア11aと詳細地図表示エリア11bとがあり、それぞれに自車両の現在位置を表す広域地図と詳細地図とが表示されている。
【0051】
また、ドライバディスプレイ12は、車速表示エリア12a及び回転計表示エリア12bを有し、それぞれに走行状態情報の1つである車速情報及びエンジン回転数情報をアナログ式表示により表示している。また、ドライバディスプレイ12は、燃料計表示エリア12cを有し、該エリア12c内に水温情報及び燃料情報をアナログ式表示により表示している。さらに、ドライバディスプレイ12は、ITS情報表示エリア12dやメニュー表示エリア12eを有し、ITSの制御情報やその他情報などを表示可能となっている。
【0052】
上記のような表示状態において、表示モードが一般道表示モードからマニュアルシフトモードに切り替えられた場合、表示制御部60はマニュアルシフトモードに応じた情報表示を行う。図10は、マニュアルシフトモードでの表示の様子を示す説明図である。マニュアルによるギアチェンジにはエンジン回転数の情報が重要となる。このため、マニュアルシフトモードにおいて表示制御部60は、図8及び図10に示すように、エンジン回転数情報の位置を変化させることなく同情報を拡大表示させる。また、表示制御部60は、エンジン回転数情報の拡大に伴い、車速情報及び水温・燃料情報の位置を変化させることなくこれら情報を縮小表示させる。これにより、特に頻繁に視認されると予測されるエンジン回転数情報をドライバに容易に視認させることができる。また、小さくなった車速情報などについても位置が変化していないためドライバは表示を見失うことがなく、視認時間が大幅に長くなってしまうという事態も生じない。
【0053】
なお、マニュアルシフトモードにおいて表示制御部60は、詳細地図表示エリア11bの表示内容を車両前方映像にするようにしてもよい。ドライバは、ギアチェンジをするためにエンジン回転計に視線を集中させる傾向があるため、車両前方への注意がおろそかになる可能性がある。ところが、同じインストルメントパネル内に前方映像を表示することで、ドライバはエンジン回転計を視認しつつ車両前方の様子を知ることができる。
【0054】
また、表示モードが一般道表示モードから高速道表示モードに切り替えられた場合、表示制御部60は高速道表示モードに応じた情報表示を行う。図11は、高速道表示モードでの表示の様子を示す説明図である。高速道路では車速情報が頻繁に視認される可能性が高い。このため、高速道表示モードにおいて表示制御部60は、図8及び図11に示すように、車速情報の位置を変化させることなく同情報を拡大表示させる。また、高速道路において燃料切れは大きな問題であるため、表示制御部60は、水温・燃料情報についても位置を変化させることなく拡大表示させる。そして、表示制御部60は、これら情報の拡大に伴い、エンジン回転数情報の位置を変化させることなく同情報を縮小表示させる。これにより、頻繁に視認されると予測される車速情報をドライバに容易に視認させることができる。また、小さくなったエンジン回転数情報などについても位置が変化していないためドライバは表示を見失うことがなく、視認時間が大幅に長くなってしまうという事態も生じない。
【0055】
なお、高速道表示モードにおいて表示制御部60は、詳細地図表示エリア11bの表示内容を高速道路の簡易道路情報(サービスエリアやインターチェンジのみの情報)にするようにしてもよい。ドライバは、高速道路において詳細な地図情報を欲していないのが通常である。このため、詳細地図情報に代えて高速道路の簡易道路情報を表示することで、ドライバは高速道路において次のサービスエリアや次のインターチェンジなどを容易に知ることができる。
【0056】
また、表示モードが一般道表示モードから自動映像表示モードに切り替えられた場合、表示制御部60は自動映像表示モードに応じた情報表示を行う。図12は、自動映像表示モードでの表示の様子を示す説明図である。見通しの悪い交差点に差し掛かった場合など特定の条件が満たされた場合、表示制御部60は、図8及び図12に示すように、カメラにより撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させる。すなわち、車両前端から右側を撮影して得られた映像は、ドライバディスプレイ12の右端の右情報追加エリア15fに表示され、車両前端から左側を撮影して得られた映像は、センターディスプレイ11の左端の左情報追加エリア11cに表示される。ここで、本実施形態ではカメラが車両前端部から左右方向を撮影しているため、図12に示すように映像情報はディスプレイ10の左右端に追加表示されているが、車両が交差点に傾きをもって進入した場合や、車両前方の映像を撮影している場合など、映像情報は撮影方向に応じた箇所に表示されることとなる。
【0057】
また、図12に示すように、表示制御部60は、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域の周辺に存在する走行状態情報の表示位置を変化させずに縮小する。すなわち、表示制御部60は、周辺に存在する車速情報などを縮小表示し、位置を変更しないこととする。これにより、表示制御部60は、映像情報の追加表示により走行状態情報の位置が変化して視認性が悪化しないようにしている。なお、図12に示すように、右情報追加エリア15fはドライバディスプレイ12の右端に存在していたITS情報表示エリア12dに重なって表示されるが、ITS情報表示エリアには走行状態情報が表示されないため、映像情報の表示は走行状態情報の表示を阻害していない。また、左情報追加エリア11cは、センターディスプレイ11の左端に存在していた広域地図表示エリア11aに重なって表示されるが、映像情報は広域地図内の自車位置マークには重なっておらず、映像情報の表示は走行状態情報の表示を阻害していない。なお、映像情報が広域地図自体に重ならないように地図情報自体を縮小表示するようにしてもよい。
【0058】
図13は、自動映像表示モードでの表示の他の例を示す説明図である。図12では走行状態情報を縮小表示していた。これに対し、図13に示す例では、走行状態情報を縮小せず、映像の表示領域を、アナログ式表示される車速計の高速側に重畳させることとしている。ここで、車両周囲の映像を必要とする場合、自車両が低速であることが多く、指針は車速計及びエンジン回転計の高速側を指すことが少ない。このため、車速計の高速側に映像情報を重畳させても車速情報の表示を阻害することがない。また、映像と車速計を重ねるため、車速計の表示を小さくする必要性が少ない。このため、車速の表示を必要以上に小さくせず、映像情報を表示することができる。なお、図13では車速計の高速側に映像情報を重畳させているが、車速計に限らずエンジン回転計の高速側に重畳させるようにしてもよい。
【0059】
また、表示モードが一般道表示モードから手動映像表示モードに切り替えられた場合、表示制御部60は手動映像表示モードに応じた情報表示を行う。図14は、手動映像表示モードでの表示の様子を示す説明図である。図8及び図14に示すように、手動映像表示モードにおいて表示制御部60は、映像情報を予め定められた箇所であるディスプレイ10内の左右端に表示させ、走行状態情報の表示位置を変化させる。ここで、ドライバは自らの意思により表示を変化させたことから、走行状態情報について表示変化が大きくとも表示変化に対応することができる。このため、走行状態情報について位置を変化させてもドライバによる視認時間が大幅に長くなってしまうことがない。故に、手動映像表示モードでは、映像情報を追加表示させ、映像情報の表示に邪魔にならないように各表示エリア11a,11b,12a〜12eを中央に寄せることとしている。また、図14に示すように、表示制御部60は、走行状態情報の位置を変化させる際に、各走行状態情報の相対位置を変化させず、且つ情報量を削減しないことが望ましい。なお、図14では、走行状態情報の位置を変化させる例を説明したが、走行状態情報を縮小するようにしてもよい。
【0060】
このようにして、本実施形態に係る車両用表示装置1及び方法によれば、表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させることとしている。このため、走行状態情報の位置が変わることなく、ドライバは表示の変化に速やかに対応でき、走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【0061】
また、追加表示情報を追加して表示するときには走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を予め定められた箇所に表示することとしている。すなわち、追加表示情報の追加を行えるようになっており、表示の自由度はある程度保たれている。しかも、走行状態情報の表示を確保しつつ追加表示情報を表示するため、車両乗員の指示によらずに追加表示情報が追加されても走行状態情報の視認性を悪化させ難い。
【0062】
従って、表示の自由度を低下させ難く且つ走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【0063】
また、表示を車両乗員の指示により切り替える場合、追加表示情報を予め定められた箇所に表示させ、走行状態情報を縮小し又は走行状態情報の表示位置を変化させることとしている。ここで、ドライバは、自らの意思により表示を変化させたことから、走行状態情報についての表示変化が大きくとも表示変化に対応することができる。このため、走行状態情報について縮小又は位置変化させてもドライバによる視認時間が大幅に長くなってしまうことがない。従って、走行状態情報の視認時間が長くすることなく、表示の自由度を一層向上させることができる。
【0064】
また、走行状態情報の表示位置を変化させる場合、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させることとしている。このため、追加表示情報の表示にあたり、走行状態情報の位置が変化しても、各走行状態情報の相対関係は維持され、ドライバは走行状態情報の相対関係から比較的早くに走行状態情報を認識することができる。従って、走行状態情報の視認時間が長くなることを防止することができる。
【0065】
また、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させるにあたり、情報量の削減を行わないこととしている。ここで、一般的な表示装置では視認時間が長くならないように情報量を減少させることを行われる。しかし、本実施形態では、走行状態情報の視認時間が長くなることを防止できるため、情報量を減少させる必要がない。従って、視認時間が長くなることを防止しつつも情報量の減少を防止することができる。
【0066】
また、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、走行状態情報を指針画像によるアナログ式表示により表示するときには、指針の回転中心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。ここで、ドライバは無意識的に指針の回転中心を表示の基準的位置と認識する傾向がある。このため、指針の回転中心を固定して大きさを変化させることで、ドライバの視認時間が長くなってしまうことを一層防止することができる。
【0067】
また、走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、走行状態情報を数値又は目盛りによるデジタル式表示により表示するときには、数値又は目盛りの表示領域の重心位置を固定して走行状態情報の大きさを変化させる。ここで、数値や目盛りに関しては重心位置を固定して大きさを変化させることで、ドライバにとって違和感が少なくなり、ドライバの視認時間についても長くなることを防止することにつながる。
【0068】
従って、走行状態情報の大きさを変化させつつも、ドライバの視認時間が長くなってしまうことを一層効果的に防止することができる。
【0069】
また、自車両の走行環境を判別して、一般道路走行時の一般道表示モード、高速道路走行時の高速道表示モード、自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるマニュアルシフトモードのいずれに該当するかを判断する。そして、判断した表示モード応じて車両乗員の指示によらず表示を切り替える。このため、自車両の走行状態に応じた適切なモードが選択され、適切な表示モードにて自動的に表示が切り替えられることとなる。従って、適切な表示を行うことができる。
【0070】
また、撮影された映像を表示する場合、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させることとしている。このため、ドライバは撮影された映像が、自車両周辺のうちどちら側の映像であるかを直感的に認識できることとなる。従って、適切な表示を行うことができる。
【0071】
また、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域の周辺に存在する走行状態情報の表示位置を変化させずに縮小することとしている。このため、映像を表示するにあたり、走行状態情報の位置を変化させて視認性を極端に低下させることとならないようにしている。従って、走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを防止することができる。
【0072】
また、撮影された映像をディスプレイ10の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域を、アナログ式表示される車速計及びエンジン回転計の少なくとも一方の高速側に重畳させることとしている。ここで、車両周囲の映像を必要とする場合、自車両が低速であることが多く、指針は車速計及びエンジン回転計の高速側を指すことが少ない。しかも、映像と車速計等を重ねるため、車速計等の表示を小さくする必要性が少ない。故に、車速計及びエンジン回転計の少なくとも一方の高速側に映像を重畳させることで、映像をドライバに提示しつつも、車速等の表示を必要以上に小さくせず、走行状態情報の視認時間が長くなってしまうことを一層確実に防止することができる。
【0073】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、本実施形態では、映像表示モードについてのみ自動及び手動の2つのモードが存在するが、他の表示モードにおいても、自動及び手動の2つのモードが存在していてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、走行状態情報として、車速やエンジン回転数等を挙げているが、これに限らず、他の情報であっても、ナビゲーション装置40により求められたルート情報や交通渋滞状況など、ドライバが頻繁に視認する必要性がある情報であれば走行状態情報としてもよい。また、自動及び手動映像表示モードでは、カメラによって撮像された映像を追加表示することとしているが、他の情報を追加するようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ドライバが特定の情報を視認していると判断できる場合、表示情報に関する操作を行っていると判断できる場合、及び、所定値以上の加減速を行っている場合の少なくとも1つに該当する場合、車両乗員の指示によることなくディスプレイ10の表示を切り替えることを禁止することとしてもよい。ここで、ドライバが特定の情報を視認していると判断できる場合はもとより、表示情報に関する操作を行っていると判断できる場合、及び所定値以上の加減速で走行している場合は、ドライバが情報を視認している可能性が高い。このため、上記のように構成することにより、ドライバが情報を視認している又は視認している可能性が高いときに、表示を切り替えないこととなり、視認中に突然表示が変更されてしまうことを防止することができる。従って、一層適切に表示を行うことができる。
【0076】
なお、ドライバが特定の情報を視認しているか否かは、ドライバの顔画像を撮像して解析することにより判断でき、表示情報に関する操作を行っているか否かは、操作部分への入力履歴から判断できる。また、所定値以上の加減速を行っているか否かは、加速度センサからの信号を取り込むことにより判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態による車両用表示装置の詳細構成図である。
【図2】本実施形態に係る車両用表示方法の概略を示す説明図である。
【図3】走行状態情報をアナログ式表示した場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、(a)は大きさの変更前の様子を示し、(b)は大きさの変更後の様子を示している。
【図4】走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として数値により表示をする場合を示している。
【図5】走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として縦方向に伸びる目盛りにより表示をする場合を示している。
【図6】走行状態情報をデジタル式表示により表示する場合の大きさの変更方法を示す説明図であり、デジタル式表示として扇形の目盛りにより表示をする場合を示している。
【図7】本実施形態に係る車両用表示方法を示すフローチャートである。
【図8】各表示モードでの表示の詳細を示す説明図である。
【図9】一般道表示モードでの表示の様子を示す説明図である。
【図10】マニュアルシフトモードでの表示の様子を示す説明図である。
【図11】高速道表示モードでの表示の様子を示す説明図である。
【図12】自動映像表示モードでの表示の様子を示す説明図である。
【図13】自動映像表示モードでの表示の他の例を示す説明図である。
【図14】手動映像表示モードでの表示の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1…車両用表示装置
10…ディスプレイ(表示手段)
20…車両情報取得部
30…周囲情報取得部(撮影手段)
40…ナビゲーション装置
50…表示モード判別部(表示モード判別手段)
60…表示制御部(表示制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両乗員に対し情報表示を行う車両用表示装置において、
自車両の走行状態を表すために表示される走行状態情報と、特定の条件が成立したときに追加表示される追加表示情報との双方を表示可能な表示手段と、
前記表示手段の表示を制御する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記表示手段の表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、前記走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させ、前記追加表示情報を追加表示するときには前記走行状態情報の表示を確保しつつ前記追加表示情報を予め定められた箇所に表示する
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段の表示を車両乗員の指示により切り替える場合、前記追加表示情報を予め定められた箇所に表示させ、前記走行状態情報を縮小し又は前記走行状態情報の表示位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記走行状態情報の表示位置を変化させる場合、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させることを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させるにあたり、情報量の削減を行わないことを特徴とする請求項3に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記走行状態情報は、自車両の走行状態を監視するための情報、及び自車両の現在位置の情報のうち少なくとも1つであり、
前記追加表示情報は、自車両周囲の映像情報、自車両外部の障害物及び建物の位置情報、自車両外部の道路形状の情報、特定地点の名称情報、並びに自車両の状態不良を示す警告情報のうち少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、前記走行状態情報を指針画像によるアナログ式表示により表示するときには、指針の回転中心位置を固定して前記走行状態情報の大きさを変化させ、前記走行状態情報を数値又は目盛りによるデジタル式表示により表示するときには、数値又は目盛りの表示領域の重心位置を固定して前記走行状態情報の大きさを変化させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
自車両の走行環境に応じて、高速道路走行時の高速道表示モード、一般道路走行時の一般道表示モード、自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるマニュアルシフトモードのいずれの表示モードに該当するかを判別する表示モード判別手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記表示モード判別手段により判別された表示モードに応じて前記表示手段の表示を車両乗員の指示によらずに切り替える
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
車両周囲を撮影可能な撮影手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記追加表示情報として、前記撮影手段により撮影された映像を表示する場合、撮影された映像を前記表示手段の表示領域のうち撮影方向側に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、撮影された映像を前記表示手段の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域の周辺に存在する前記走行状態情報の表示位置を変化させずに縮小させることを特徴とする請求項8に記載の車両用表示装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、撮影された映像を前記表示手段の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域を、アナログ式表示される車速計及びエンジン回転計の少なくとも一方の高速側に重畳させることを特徴とする請求項8に記載の車両用表示装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、ドライバが特定の情報を視認していると判断できる場合、表示情報に関する操作を行っていると判断できる場合、及び、所定値以上の加減速で走行していいる場合の少なくとも1つに該当する場合、車両乗員の指示によることなく前記表示手段の表示を切り替えることを禁止することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項12】
車両乗員に対し情報表示を行う車両用表示方法であって、
表示内容を車両乗員の指示によらずに切り替える場合に、自車両の走行状態を表すために表示される走行状態情報については表示位置を変化させずに大きさを変化させ、特定の条件が成立したときに追加表示される追加表示情報については前記走行状態情報の表示を確保しつつ前記追加表示情報を予め定められた箇所に表示する
ことを特徴とする車両用表示方法。
【請求項1】
車両乗員に対し情報表示を行う車両用表示装置において、
自車両の走行状態を表すために表示される走行状態情報と、特定の条件が成立したときに追加表示される追加表示情報との双方を表示可能な表示手段と、
前記表示手段の表示を制御する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記表示手段の表示を車両乗員の指示によらずに切り替える場合、前記走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させ、前記追加表示情報を追加表示するときには前記走行状態情報の表示を確保しつつ前記追加表示情報を予め定められた箇所に表示する
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段の表示を車両乗員の指示により切り替える場合、前記追加表示情報を予め定められた箇所に表示させ、前記走行状態情報を縮小し又は前記走行状態情報の表示位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記走行状態情報の表示位置を変化させる場合、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させることを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、各走行状態情報の相対関係を維持したまま表示位置を変化させるにあたり、情報量の削減を行わないことを特徴とする請求項3に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記走行状態情報は、自車両の走行状態を監視するための情報、及び自車両の現在位置の情報のうち少なくとも1つであり、
前記追加表示情報は、自車両周囲の映像情報、自車両外部の障害物及び建物の位置情報、自車両外部の道路形状の情報、特定地点の名称情報、並びに自車両の状態不良を示す警告情報のうち少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記走行状態情報の表示位置を変化させずに大きさを変化させる場合、前記走行状態情報を指針画像によるアナログ式表示により表示するときには、指針の回転中心位置を固定して前記走行状態情報の大きさを変化させ、前記走行状態情報を数値又は目盛りによるデジタル式表示により表示するときには、数値又は目盛りの表示領域の重心位置を固定して前記走行状態情報の大きさを変化させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
自車両の走行環境に応じて、高速道路走行時の高速道表示モード、一般道路走行時の一般道表示モード、自車両がマニュアルにてシフト操作を行えるマニュアルシフトモードのいずれの表示モードに該当するかを判別する表示モード判別手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記表示モード判別手段により判別された表示モードに応じて前記表示手段の表示を車両乗員の指示によらずに切り替える
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
車両周囲を撮影可能な撮影手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記追加表示情報として、前記撮影手段により撮影された映像を表示する場合、撮影された映像を前記表示手段の表示領域のうち撮影方向側に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、撮影された映像を前記表示手段の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域の周辺に存在する前記走行状態情報の表示位置を変化させずに縮小させることを特徴とする請求項8に記載の車両用表示装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、撮影された映像を前記表示手段の表示領域のうち撮影方向側に表示させる場合、映像の表示領域を、アナログ式表示される車速計及びエンジン回転計の少なくとも一方の高速側に重畳させることを特徴とする請求項8に記載の車両用表示装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、ドライバが特定の情報を視認していると判断できる場合、表示情報に関する操作を行っていると判断できる場合、及び、所定値以上の加減速で走行していいる場合の少なくとも1つに該当する場合、車両乗員の指示によることなく前記表示手段の表示を切り替えることを禁止することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項12】
車両乗員に対し情報表示を行う車両用表示方法であって、
表示内容を車両乗員の指示によらずに切り替える場合に、自車両の走行状態を表すために表示される走行状態情報については表示位置を変化させずに大きさを変化させ、特定の条件が成立したときに追加表示される追加表示情報については前記走行状態情報の表示を確保しつつ前記追加表示情報を予め定められた箇所に表示する
ことを特徴とする車両用表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−327481(P2006−327481A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−155833(P2005−155833)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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