説明

車両用表示装置

【課題】複数の項目の内容の切り替え表示を行う車両用表示装置において、コストアップを抑制しつつ、ユーザが所望する項目の内容に効率良く切り替え表示すること。
【解決手段】車両用表示装置としてのメータ装置はCPU、ディスプレイ、1つの操作部を備えている。ディスプレイは、積算走行距離、区間走行距離の切り替え表示を行う第1の切替表示部と、平均燃費等の燃費に関する車両情報の切り替え表示を行う第2の切替表示部を含む。CPUは、各切替表示部に車両情報が表示されているときに(S11)、操作部の操作が有った場合には(S12:Yes)、その操作態様がワンクリックかダブルクリックか長押し操作かを判定する(S13)。ワンクリックの場合には、第1の切替表示部の切り替え表示だけを行う(S15)。ダブルクリックの場合には、第2の切替表示部の切り替え表示だけを行う(S16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて、予め定められた複数の項目の内容を切り替えて表示部に表示する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トリップコンピュータ又はドライブモニター等の呼称で呼ばれ、積算走行距離(Odometer)や区間走行距離(帰零式距離計、Trip Odometer)とあわせて燃費、航続可能距離、平均車速、外気温等の車両情報(予め定められた項目)を切り替え表示する機能を有する車両用表示装置(車両用メータ装置)が知られている(例えば特許文献1〜4参照)。この種の車両用表示装置においては、一般的に、表示部と1つの操作部(押しボタンノブ等)を備え、その操作部が操作されるたびに、走行距離や燃費等の複数の項目の内容を予め定められた順序にしたがって表示部で切り替え表示している。
【0003】
ここで、図7は、従来の車両用表示装置における項目の切り替え表示のフローを例示している。なお、図7において、点線の矢印は、操作部が短押し操作されたことを示し、実線の矢印は操作部が長押し操作されたされたことを示している。また、図8は従来の車両用表示装置における表示部900を例示している。図8の表示部900は、走行距離や燃費等の複数の項目の内容を切り替え表示する切替表示部910と時間を表示する時間表示部920とから構成されている。図7に示すように、操作部が短押し操作されるたびに、切替表示部910に表示される内容が、予め定められた順序(図7の例では、積算走行距離→区間走行距離→航続可能距離→平均燃費→瞬間燃費→平均車速→外気温の順序)で切り替わる。また、切替表示部910に積算走行距離が表示されているときに、操作部が長押し操作された場合には、時間表示部920の時間を調整する時間調整モードに移行する。また、切替表示部910に、区間走行距離、平均燃費又は平均車速が表示されているときに、操作部が長押し操作された場合には、表示されている区間走行距離、平均燃費又は平均車速がリセット表示(ゼロ表示)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−100019号公報
【特許文献2】特開2009−168557号公報
【特許文献3】特開2003−252080号公報
【特許文献4】特開2011−46327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来では、1つの操作部の操作(短押し操作や長押し操作)に応じて、切替表示部に表示する項目の内容の切り替え、時間調整、リセット表示等の切り替え表示を行っていた。しかし、昨今のユーザーニーズを踏まえた使用設定に伴い、切替表示部に切り替え表示する項目が増える傾向にある。そのため、1つの操作部の操作で切り替え表示を行う従来の方法では、ユーザが所望する項目の表示を呼び出すまでに何回もの操作が必要となり、走行中の操作を前提とするユーザのHMI(ヒューマンマシンインターフェース)ニーズを満たしているとはいえない。
【0006】
また、図9に示すように、複数の切替表示部を設けて(図9の例では2つの切替表示部930、940)、複数の項目の内容を同時に表示することも求められるようになってきている。なお、図9において、点線の矢印は操作部が短押し操作されたことを示している。図9の例では、第1の切替表示部930には、外気温、航続可能距離、平均燃費、瞬間燃費及び平均車速がその順序で切り替え表示されるようになっている。第2の切替表図部940には、積算走行距離と区間走行距離が交互に切り替え表示されるようになっている。しかし、図9の切り替え表示を1つの操作部の操作で実現しようとすると、第1の切替表示部930と第2の切替表示部940とで同時表示される項目の組み合わせが制限されてしまう。具体的には、図9の例では、例えば第2の切替表示部940に積算走行距離が表示されているときには、第1の切替表示部930には常に外気温が表示され、第2の切替表示部940に区間走行距離が表示されているときには、第1の切替表示部930には外気温以外の項目の内容が表示されることになる。つまり、図9の例では、例えば外気温と区間走行距離の同時表示ができないことになり、様々なユーザの希望を満たしているとはいえない。
【0007】
そこで、複数の切替表示部を設けるとともに、各切替表示部ごとに操作部を設けることが考えられる。これによれば、各切替表示部で切り替え表示される項目数を、切替表示部が1つだけのときよりも減らすことができるので、ユーザが所望する項目の表示を呼び出すまでの操作回数を短縮できるとともに、各切替表示部で表示される項目の組み合わせが制限されることもなくなる。しかし、この場合には、所望する項目の内容を切り替え表示させるために、ユーザは、複数の操作部のどの操作部を操作すれば良いかの判断を行わなければならず、運転中においてはその判断を瞬時に行うことができず、また、比較的長い間の視線移動を伴う可能性も否定できない。また、複数の操作部を設けることによって、部品点数が増加して、コストアップを伴ってしまう。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の項目の内容の切り替え表示を行う車両用表示装置において、コストアップを抑制しつつ、ユーザが所望する項目の内容をより多く同時表示でき、かつ、所望する項目の内容に効率良く切り替え表示できる車両用表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の車両用表示装置は、予め定められた複数の項目を含んだ複数の表示グループのいずれか1つが割り当てられており、それぞれ、自身に割り当てられた前記表示グループに含まれた前記複数の項目のいずれか1つの項目の内容を各時点で表示する複数の切替表示部と、
ユーザによる操作に応じて操作信号を出力する1つの操作部と、
前記操作信号に基づいて前記操作部に対するユーザの操作態様を判定する判定手段と、
前記操作部が操作されるたびに前記複数の項目間で予め定められた順序にしたがって前記切替表示部に現在表示されている前記項目の内容から他の前記項目の内容への切り替え表示を行う表示制御手段であって、前記判定手段で判定された前記操作部の操作態様に基づいて前記複数の切替表示部の前記切り替え表示の各々を個別に行う表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、複数の項目の内容が切り替え表示される切替表示部が複数設けられているので、より多くの項目の内容を同時表示できる。また、切替表示部が1つだけのときよりも各切替表示部で表示される項目数を減らすことができるので、ユーザが所望する項目の内容に効率良く(迅速に)切り替えることができる。また、本発明では、各切替表示部の切り替え表示を1つの操作部の操作によって行っているので、コストアップを抑制できる。さらに、判定手段は操作部に対するユーザの操作態様を判定して、表示制御手段は、判定手段が判定した操作部の操作態様に基づいて、複数の切替表示部の切り替え表示の各々を個別に行うので、切替表示部の各々に、ユーザが所望する項目の内容を同時表示させることができる。このように、本発明では、1つの操作部の操作によって複数の項目の内容を同時表示できるとともに、ユーザは、操作部の操作態様を調整するだけで簡単に自身が所望する切替表示部の切り替え表示だけを行わせることができる。
【0011】
また、本発明において、前記判定手段は、前記操作部の操作回数又は操作時間に応じた操作態様を判定することを特徴とする。
【0012】
これによれば、判定手段は操作部の操作回数又は操作時間に応じた操作態様を判定し、表示制御手段は、判定手段が判定したその操作態様に基づいて各切替表示部の切り替え表示を個別に行う。つまり、ユーザは、操作部の操作回数や操作時間を調整するだけで簡単に自身が所望する切替表示部の切り替え表示だけを行わせることができるので、簡単に所望の項目の内容に切り替えることができる。言い換えると、従来技術が、搭載される複数の操作部の中から操作すべき唯一の操作部を判別する為に、比較的長い視線移動時間を伴うことに対して、本発明においては、唯一搭載されている操作部を操作するだけなので、特に自家用車として使用している運転手の場合は、操作部判別の視線移動は実用的には最小限で済み、後は視覚を必要としない操作態様のみで、所望の項目の内容への切替が可能となり、高いHMIを実現できる。
【0013】
また、本発明において、前記複数の切替表示部は、第1の前記表示グループが割り当てられた第1の切替表示部と、前記第1の表示グループに含まれた前記複数の項目と異なる複数の項目を含んだ第2の前記表示グループが割り当てられた第2の切替表示部とを含み、
前記判定手段は、前記操作部が予め定められた第1の操作態様で操作されたか、前記第1の操作態様とは異なる予め定められた第2の操作態様で操作されたかを判定し、
前記表示制御手段は、
前記操作部が前記第1の操作態様で操作されたと前記判定手段が判定するたびに前記第1の表示グループに含まれた前記複数の項目の内容を予め定められた順序にしたがって前記第1の切替表示部に切り替え表示させる第1の表示制御手段と、
前記操作部が前記第2の操作態様で操作されたと前記判定手段が判定するたびに前記第2の表示グループに含まれた前記複数の項目の内容を予め定められた順序にしたがって前記第2の切替表示部に切り替え表示させる第2の表示制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
これによれば、2つの切替表示部が設けられているので、2つの項目の内容を同時表示できる。このとき、ユーザは、第1の操作態様で操作部を操作することで、第1の切替表示部の切り替え表示を行わせることができ、第2の操作態様で操作部を操作することで、第2の切替表示部の切り替え表示を行わせることができる。よって、第1の切替表示部及び第2の切替表示部に、ユーザが所望する項目の内容を同時表示させることができる。
【0015】
また、本発明において、前記操作部は押下操作が可能な押下操作部であり、
前記第1の操作態様と前記第2の操作態様の一方は、前記操作部が規定時間より短く押下操作される短押し操作が1回行われる操作態様であり、他方は、前記短押し操作が連続して2回行われる操作態様であることを特徴とする。
【0016】
これによれば、操作部が押下操作部であり、第1の操作態様と第2の操作態様の一方は1回の短押し操作で、他方が2回の短押し操作とされているので、ユーザは、それら第1の操作態様と第2の操作態様とを明確に区別して、操作部を操作できる。よって、第1の切替表示部と第2の切替表示部のうちユーザが所望しない方の切替表示部の表示が切り替わってしまうのを防止できる。また、第1の操作態様と第2の操作態様は互いに同一の操作方向(押下方向)の操作態様となっているので、ユーザの操作負担を軽減できる。
【0017】
また、本発明において、前記表示グループに含まれた前記複数の項目の中には、内容のリセットが可能なリセット可能項目を含み、
前記判定手段は、前記操作部が前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様の両方と異なる予め定められた第3の操作態様で操作されたかも判定し、
前記表示制御手段は、前記第1の切替表示部又は前記第2の切替表示部に前記リセット可能項目の内容が表示されているときに、前記操作部が前記第3の操作態様で操作されたと前記判定手段が判定した場合には、表示されている前記リセット可能項目の内容をリセット表示させることを特徴とする。
【0018】
これによれば、ユーザは、切替表示部にリセット可能項目が表示されているときに、操作部を第3の操作態様で操作することで、そのリセット可能項目の内容をリセット表示させることができる。このように、1つの操作部の操作で、第1の切替表示部の切り替え表示と、第2の切替表示部の切り替え表示と、リセット表示とを個別に行うことができる。
【0019】
また、本発明において、時間を表示する時間表示部を備え、
前記判定手段は、前記操作部が前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様の両方と異なる予め定められた第3の操作態様で操作されたかも判定し、
前記表示制御手段は、前記操作部が前記第3の操作態様で操作されたと前記判定手段が判定した場合には、前記時間表示部の時間を調整する時間調整モードに移行して、その時間調整モードにおいて前記操作部の操作に応じた時間を前記時間表示部に表示させることを特徴とする。
【0020】
これによれば、時間を表示する時間表示部が設けられているので、ユーザは、その時間表示部によって時間を把握することができる。また、ユーザは、操作部を第3の操作態様で操作することで、時間調整モードに移行させて、時間表示部の時間を操作部の操作で調整することができるので、時間表示部の時間を正しい時間に合わせることができる。
【0021】
また、本発明において、前記第3の操作態様は、前記操作部が規定時間より長く押下操作される長押し操作であることを特徴とする。これによって、第3の操作態様を、1回又は2回の短押し操作である第1の操作態様及び第2の操作態様と異ならせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】メータ装置1の概略構成のブロック図である。
【図2】ディスプレイ3の正面図である。
【図3】ディスプレイ3の表示例をいくつか示した図である。
【図4】CPU2が実行する表示制御処理のフローチャートである。
【図5】第1の切替表示部31の表示が操作部5の操作によってどのように切り替わるのかを示したフロー図である。
【図6】第2の切替表示部32の表示が操作部5の操作によってどのように切り替わるのかを示したフロー図である。
【図7】従来の車両用表示装置における項目の切り替え表示のフロー図である。
【図8】従来の車両用表示装置における表示部900である。
【図9】従来の車両用表示装置において、2つの切替表示部930、940を設けた場合における項目の切り替え表示のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る車両用表示装置の実施形態を説明する。本実施形態では、車両用メータ装置に本発明を適用した例を説明する。図1は、本実施形態のメータ装置1の概略構成のブロック図を示している。メータ装置1として、スピードメータ、タコメータ、燃料計などの計器類や、積算走行距離(オドメータ)、燃費等の各種車両情報の一括表示を行うコンビネーションメータを採用することができる。そのメータ装置1は、ディスプレイ3、メモリ4、操作部5、CAN通信I/F6及びそれらと接続されたCPU2を備えている。ディスプレイ3は、コンビネーションメータの表示領域の一部を構成し、積算走行距離(オドメータ)、燃費等の各種車両情報の切り替え表示を行うディスプレイである。ディスプレイ3として例えば液晶ディスプレイ(LCD)を採用することができる。そのディスプレイ3は、例えば運転席と対向するインストルメントパネルに配置されている。
【0024】
ここで、図2は、ディスプレイ3の正面図を示している。図2に示すように、ディスプレイ3は、上下に並べて配置された3つの表示部31〜33から構成されている。なお、本実施形態では、ディスプレイ3(表示部31〜33)は、セグメント方式のディスプレイとされているが、ドットマトリクス方式のディスプレイであっても良い。それら表示部31〜33のうち一番下に配置された第1の切替表示部31は、車両製造時から現時点までに車両が走行した積算走行距離(オドメータ)と、ある区間(前回のリセット時から現時点までの区間)における車両が走行した区間走行距離(帰零式距離計、トリップメータ)とを含む第1の表示グループの切り替え表示を行う表示部とされている。なお、区間走行距離はリセットが可能な車両情報とされている。第1の切替表示部31は、積算走行距離又は区間走行距離の値(内容)を表示する数値表示領域311と、その数値表示領域311の左横に配置されて積算走行距離又は区間走行距離の種別を表示する種別表示領域312とから構成されている。数値表示領域311には、0から9までの各数字を表示する数字領域311aが左右に6つ配置されており、積算走行距離を表示する際には6桁表示が可能となっている。また、下1桁目の数字を表示する数字領域311aと下2桁目の数字を表示する数字領域311aの間には、ピリオド「.」を表示するピリオド表示領域311bが設けられている。区間走行距離を表示する際には、そのピリオド表示領域311bが点灯されて、小数点以下1桁の表示(例えば「12.3」)が行われるようになっている。
【0025】
また、種別表示領域312は、積算走行距離を示す表示(「ODO」)を行う表示領域312aと、区間走行距離を示す表示(「TRIP」)を行う表示領域312bとから構成されている。例えば、積算走行距離の表示が行われる場合には、表示領域312aにおいて「ODO」が点灯されるようになっている(この場合には、表示領域312bの「TRIP」は消灯されている)。
【0026】
表示部31〜33のうち真ん中に配置された第2の切替表示部32は、主に燃費に関する車両情報の切り替え表示を行う表示部とされている。具体的に、第2の切替表示部32は、燃料が空になるまでにあとどれくらいの距離を走行できるかを示した航続可能距離と、ある区間(前回のリセット時から現時点までの区間)における平均燃費と、現時点における瞬間燃費と、ある区間(前回のリセット時から現時点までの区間)における平均車速と、外気温とを含む第2の表示グループの切り替え表示を行う。なお、第2の表示グループに含まれた車両情報のうち、平均燃費と平均車速はリセットが可能な車両情報とされている。
【0027】
第2の切替表示部32は、第2の表示グループに含まれた車両情報の数値(内容)を表示する数値表示領域321と、その数値表示領域321の左横に配置されて数値表示領域321の数値の種別を表示する種別表示領域322と、数値表示領域321の右横に配置されて数値表示領域321の数値の単位を表示する単位表示領域323とから構成されている。数値表示領域321には、0から9までの各数字を表示する数字領域321aが左右に3つ配置されており、3桁表示が可能となっている。また、下1桁目の数字を表示する数字領域321aと下2桁目の数字を表示する数字領域321aの間には、ピリオド「.」を表示するピリオド表示領域321bが設けられている。そのピリオド表示領域321bを点灯することで、小数点以下の表示(例えば「23.4」)も可能となっている。さらに、一番左の数字領域321aの左横には、マイナス「−」を表示するマイナス表示領域321cが設けられている。外気温を表示する際に、そのマイナス表示領域321cを点灯することで、マイナスの外気温(例えば「−23.4℃」)も表示可能となっている。
【0028】
種別表示領域322は、数値表示領域321の数値が平均値であることを示す表示(「AVG」)を行う表示領域322aと、数値表示領域321の数値が瞬間値であることを示す表示(「INST」)を行う表示領域322bと、数値表示領域321の数値が距離であることを示す表示(「DIST」)を行う表示領域322cとから構成されている。また、単位表示領域323は、温度の単位「℃」を表示する表示領域323aと、距離の単位「km」、燃費の単位「km/l」又は速度の単位「km/h」を表示する表示領域323bとから構成されている。なお、表示領域323bには、複数のセグメントによって「km/h」の表記が形成されており、それらセグメントのうち点灯させるセグメントを適宜組み合わせることで、上記の各単位「km」、「km/l」、「km/h」が表示可能となっている。
【0029】
種別表示領域322の表示と単位表示領域323の表示の組み合わせによって、数値表示領域321に表示された数値が、どの車両情報の数値であるのか特定可能となっている。ここで、図3は、ディスプレイ3の表示例をいくつか示した図である。その図3を参照して、第2の切替表示部32に表示される数値がどの車両情報を示したものなのかを説明する。図3(A)に示すように、種別表示領域322に「DIST」が表示され、単位表示領域323に「km」が表示されているときには、数値表示領域321の数値が航続可能距離であることを示している。図3(B)に示すように、種別表示領域322に「AVG」が表示され、単位表示領域323に「km/l」が表示されているときには、数値表示領域321の数値が平均燃費であることを示している。図3(C)に示すように、種別表示領域322に「INST」が表示され、単位表示領域323に「km/l」が表示されているときには、数値表示領域321の数値が瞬間燃費であることを示している。図3(D)に示すように、種別表示領域322に「AVG」が表示され、単位表示領域323に「km/h」が表示されているときには、数値表示領域321の数値が平均車速であることを示している。図3(E)に示すように、種別表示領域322には何も表示されず、単位表示領域323に「℃」が表示されているときには、数値表示領域321の数値が外気温であることを示している。
【0030】
なお、図3(A)、図3(B)、図3(D)、図3(E)の第1の切替表示部31には、積算走行距離が表示されていることを示している(種別表示領域312には「ODO」が表示されている)。一方、図3(C)の第1の切替表示部31には、区間走行距離が表示されていることを示している(種別表示領域312には「TRIP」が表示されている)。
【0031】
表示部31〜33のうち一番上に配置された表示部33は現在の時間を表示する時間表示部とされている。その時間表示部33は、時間として時分を表示し、時分における「時」を表示する表示領域331と、時分における「分」を表示する表示領域332とから構成されている。なお、時間表示部33は、上述した切替表示部31、32と異なり、時間だけを表示して他の車両情報への切り替え表示を行わない固定表示部とされている。図2では図示していないが、ディスプレイ3には、時間表示部33の横に、車両の現在のシフトポジションを表示する表示部も設けられている(図3参照)。
【0032】
図1の説明に戻って、メモリ4は、ROM、RAM、EEPROM等であり、CPU2が実行する処理のプログラムなど、各種情報を記憶している。また、メモリ4には、第1の切替表示部31、第2の切替表示部32で車両情報が切り替え表示されるときの切替順序が記憶されている。具体的には、メモリ4には、第1の切替表示部31で表示される第1の表示グループに含まれた車両情報(積算走行距離、区間走行距離)の切替順序として、積算走行距離→区間走行距離の切替順序が記憶されている。なお、第1の表示グループには、2つの車両情報しか含まれていないので、積算走行距離→区間走行距離の切替順序と、区間走行距離→積算走行距離の切替順序とは差異がない(どちらの切替順序であっても、積算走行距離と区間走行距離とが交互に切り替わることには変わりない)。
【0033】
メモリ4には、第2の切替表示部32で表示される第2の表示グループに含まれた車両情報(航続可能距離、平均燃費、瞬間燃費、平均車速、外気温)の切替順序として、本実施形態では、航続可能距離→平均燃費→瞬間燃費→平均車速→外気温の切替順序が記憶されている。なお、切替順序は、どのような順序であっても良い。また、メモリ4には、第1の表示グループ、第2の表示グループの各車両情報の現在値を記憶する記憶領域が設けられている。その記憶領域から必要な車両情報の現在値が読み出されて、切替表示部31、32に表示されるようになっている。
【0034】
操作部5は、ユーザ(車両の運転者)によって操作される、切替表示部31、32に現在表示されている車両情報から他の車両情報への切り替え表示を指示するための操作部である。その操作部5として、例えばディスプレイ3付近に配置されて、運転席側に突出した棒状の1つの押しボタンノブを採用することができる。なお、操作部5をプッシュスイッチとしてステアリングホイールに設けても良い。操作部5は、ユーザによる押下操作が可能な操作部である。ユーザによる押下操作がされている間、操作部5は奥側に引っ込んだ押下位置になる一方、その押下操作が解除された場合には、操作部5はその押下位置から自動的に元の突出位置に戻る。操作部5は、操作部5が押下操作されている間、操作されていることを示す操作信号をCPU2に出力し続ける。
【0035】
CPU2は、メモリ4に記憶されたプログラムにしたがった処理を実行することで、ディスプレイ3の表示を制御する表示制御処理を実行する。その表示制御処理の詳細は後述する。なお、図1では図示していないが、CPU2とディスプレイ3の間には、CPU2からの信号を取得して、その信号に基づいて、ディスプレイ3の表示を行う駆動回路が設けられている。つまり、CPU2は、その駆動回路を介して、ディスプレイ3の表示制御を行う。
【0036】
また、CPU2は、CAN通信I/F6を介して、CAN通信用の通信線11に接続されており、その通信線11に接続された1又は複数の他のコンピュータ10と通信可能とされている。本実施形態では、ディスプレイ3に表示する各車両情報(積算走行距離、区間走行距離、航続可能距離、平均燃費、瞬間燃費、平均車速、外気温、時間)を、コンピュータ10が計測している。コンピュータ10には各車両情報を計測するための各種センサ(車速センサ、残燃料センサ、外気温センサ等)が接続されており、コンピュータ10はそれらセンサの検出値に基づいて各車両情報の現在値を計測している。CPU2は、コンピュータ10が計測した各車両情報の現在値を取得して、取得した各車両情報の現在値をメモリ4の所定の記憶領域に記憶する。そして、CPU2は、必要な車両情報をメモリ4から読み出して、ディスプレイ3に表示している。なお、CPU2自身が各車両情報の現在値を計測するようにしても良い。
【0037】
次に、CPU2が実行する表示制御処理の詳細を説明する。図4は、その表示制御処理のフローチャートを示している。なお、図4のフローチャートの処理は例えば車両のエンジンが始動されたときに開始され、エンジンが停止されたときに終了される。先ず、CPU2は、ディスプレイ3の各表示部31〜33に車両情報を表示する(S11)。具体的には、第1の切替表示部31に、積算走行距離又は区間走行距離のいずれかを表示し、第2の切替表示部32に、航続可能距離、平均燃費、瞬間燃費、平均車速、外気温のいずれかを表示し、時間表示部33に現在の時間を表示する(S11)。このとき、切替表示部31、32で表示する車両情報は、例えば前回の図4の処理の実行時に最後に各切替表示部31、32に表示されていた車両情報とする。または、メモリ4に記憶されている切替順序の一番目の車両情報(第1の表示グループでは「積算走行距離」、第2の表示グループでは「航続可能距離」)とする。
【0038】
次いで、操作部5からの操作信号の有無に基づいて操作部5が操作されてか否かを判断する(S12)。操作されていない場合には(S12:No)、S11の処理に戻る。この場合には、現在のディスプレイ3の表示が維持される(S11)。操作部5が操作された場合には(S12:Yes)、処理をS13に進める。
【0039】
S13では、操作部5から入力された操作信号に基づいて、操作部5に対するユーザの操作態様を判定する(S13)。具体的には、操作部5の操作態様がワンクリックかダブルクリックか長押し操作かを判定する(S13)。なお、ワンクリックとは、規定時間(例えば0.8秒)より短く操作部5が操作されるクリック操作(短押し操作)が1回行われる操作態様である。また、ダブルクリックとは、そのクリック操作が2回連続して行われる操作態様である。また、長押し操作とは、規定時間より長い間継続して操作部5が操作される操作態様である。続くS14では、S13で判定した操作態様が、ワンクリックかダブルクリックか長押し操作かを判断する。ワンクリックの場合にはS15に進み、ダブルクリックの場合はS16に進み、長押し操作の場合はS17に進む。
【0040】
S15に進む場合、つまり操作部5がワンクリックされた場合には、第1の切替表示部31に現在表示されている車両情報の値を他の車両情報の値に切り替える(S15)。ここで、図5は、第1の切替表示部31の表示が操作部5の操作によってどのように切り替わるのかを示したフロー図である。なお、図5において、一点鎖線の矢印は操作部5がワンクリックされたことを示しており、実線の矢印は操作部5が長押しされたことを示しており、二点鎖線の矢印は操作部5が5秒以上操作されていないことを示している。S15では、図5において符号51で示される通常モードの切り替え表示を実行する。つまり、操作部5がワンクリックされるたびに、第1の切替表示部31を積算走行距離又は区間走行距離の表示に交互に切り替える通常モード51を実行する。例えば、第1の切替表示部31に積算走行距離が表示されていた場合には(図3(A)、(B)、(D)、(E)参照)、S15では、区間走行距離への表示に切り替える(図3(C)参照)。S15の処理の後、S11の処理に戻って、上述したS11〜S14の処理を経て、再度S15を実行する場合(つまり、再度、操作部5がワンクリックされた場合)には、今度は、区間走行距離の表示から積算走行距離の表示に切り替える(S15)。また、CPU2は、表示する車両情報が積算走行距離か区間走行距離かに応じて、第1の切替表示部31の種別表示領域312(図2参照)の表示を「ODO」か「TRIP」かに切り替える。なお、CPU2は、S15の処理を実行するときには(第1の切替表示部31の切り替え表示を行うときには)、第2の切替表示部32の表示の切り替えは行わない(第2の切替表示部32の表示は固定されている)。
【0041】
一方、S14からS16に進む場合、つまり操作部5がダブルクリックされた場合には、第2の切替表示部32に現在表示されている車両情報の値を他の車両情報の値に切り替える(S16)。ここで、図6は、第2の切替表示部32の表示が操作部5の操作によってどのように切り替わるのかを示したフロー図である。なお、図6において、太線の一点鎖線の矢印は操作部5がダブルクリックされたことを示しており、実線の矢印は操作部5が長押しされたことを示している。S16では、図6において符号61で示される通常モードの切り替え表示を実行する。つまり、操作部5がダブルクリックされるたびに、第2の切替表示部32を、航続可能距離(図3(A)参照)、平均燃費(図3(B)参照)、瞬間燃費(図3(C)参照)、平均車速(図3(D)参照)又は外気温(図3(E)参照)の表示にその順序で切り替える通常モード61を実行する。CPU2は、メモリ4に記憶された切替順序(航続可能距離→平均燃費→瞬間燃費→平均車速→外気温)を参照して、どの車両情報の値に切り替えれば良いのかを決定している。なお、第2の切替表示部32に外気温が表示されているときに操作部5がダブルクリックされた場合には、CPU2は、切替順序の最初に戻って、第2の切替表示部32の表示を航続可能距離に切り替える。
【0042】
また、CPU2は、表示する車両情報が航続可能距離か平均燃費か瞬間燃費か平均車速か外気温かに応じて、第2の切替表示部32の種別表示領域322及び単位表示領域323(図2参照)の表示を、図3(A)〜図3(E)に示すように切り替える。なお、CPU2は、S16の処理を実行するときには(第2の切替表示部32の切り替え表示を行うときには)、第1の切替表示部31の表示の切り替えは行わない(第1の切替表示部31の表示は固定されている)。S16の処理の後、S11の処理に戻る。
【0043】
一方、S14からS17に進む場合、つまり操作部5が長押し操作された場合には、時間表示部33の時間を調整する時間調整モードに移行するか、第1の切替表示部31又は第2の切替表示部32に表示されている値をリセットするリセットモードに移行する(S17)。詳細には、第1の切替表示部31に積算走行距離が表示されているときに操作部5が長押し操作された場合には、S17では、図5の符号52で示される時間調整モードに移行する。その時間調整モード52では、先ず、時間表示部33における表示領域331(図2参照)の表示を調整する「時(hour)」調整モードに移行する。「時(hour)」調整モードでは、操作部5がワンクリックされるたびに表示領域331の値が+1ずつ加算されていく。また、「時(hour)」調整モードでは、操作部5が長押し操作されると、その操作がされている間、0.5秒経過するたびに、表示領域331の値が+1ずつカウントアップされていく。これによって、時分における「時」を所望の値にすることができる。
【0044】
「時(hour)」調整モードにおいて、操作部5の操作が5秒以上無い場合には、次に、時間表示部33における表示領域332(図2参照)の表示を調整する「分(minute)」調整モードに移行する。「分(minute)」調整モードでは、操作部5がワンクリックされるたびに表示領域332の値が+1ずつ加算されていく。また、「分(minute)」調整モードでは、操作部5が長押し操作されると、その操作がされている間、0.5秒経過するたびに、表示領域332の値が+1ずつカウントアップされていく。これによって、時分における「分」を所望の値にすることができる。「分(minute)」調整モードにおいて、操作部5の操作が5秒以上無い場合には、時間調整モード52を抜けて、通常モード51に戻る。
【0045】
また、第1の切替表示部31に区間走行距離が表示されているとき、又は第2の切替表示部32に平均燃費又は平均車速が表示されているときに操作部5が長押し操作された場合には、図4のS17では、それら区間走行距離、平均燃費、平均車速の値をリセットする(ゼロにする)リセットモードに移行する。区間走行距離の値をリセットするリセットモード53(図5参照)では、CPU2は、コンピュータ10(図1参照)に区間走行距離の値をリセットさせるとともに、第1の切替表示部31に表示されている区間走行距離の値をリセット表示(ゼロ表示)する。区間走行距離の値をリセットした後、リセットモード53を抜けて通常モード51に戻る。平均燃費又は平均車速の値をリセットするリセットモード62(図6参照)では、CPU2は、コンピュータ10に、平均燃費又は平均車速の値をリセットさせるとともに、第2の切替表示部32に表示されている平均燃費又は平均車速の値をリセット表示(ゼロ表示)する。平均燃費又は平均車速の値をリセットした後、リセットモード62を抜けて通常モード61に戻る。
【0046】
なお、第1の切替表示部31と第2の切替表示部32のどちらにもリセット可能項目の情報が表示されているとき、つまり、第1の切替表示部31に区間走行距離が表示され、第2の切替表示部32に平均燃費又は平均車速が表示されているときに、操作部5が長押し操作された場合には、S17では、第1の切替表示部31と第2の切替表示部32のどちらの値をリセットするかを選択する処理を行っている。具体的には、CPU2は、例えば、先ず第1の切替表示部31に表示されている区間走行距離を3秒間点滅させる。区間走行距離が点滅している間に、操作部5が1秒以上の長押し操作された場合には、CPU2は区間走行距離の値をリセットする。区間走行距離の点滅の終了後、又は区間走行距離の点滅時に操作部5がワンクリックされた場合には、CPU2は、第2の切替表示部32の表示(平均燃費又は平均車速)を3秒間点滅させる。平均燃費又は平均車速が点滅している間に、操作部5が1秒以上の長押し操作された場合には、CPU2は平均燃費又は平均車速の値をリセットする。また、CPU2は、リセットモード時に、例えば操作部5がダブルクリックされた場合には、リセットを行わないでリセットモードを抜ける。S17の処理の後、S11の処理に戻る。
【0047】
以上説明したように、本実施形態では、操作部5の操作で表示が切り替わる2つの切替表示部31、32が設けられているので、ユーザは、2つの車両情報を同時に把握できる。また、操作部5を操作するときの操作態様をワンクリックとダブルクリックの間で変えることで、各切替表示部31、32の切り替え表示を個別に行うことができるので、各切替表示部31、32にユーザが所望する車両情報を同時表示させることができる。また、ユーザは、操作部5を長押し操作することで、時間表示部33の時間の調整や、表示されている車両情報の値のリセットも行うことができる。
【0048】
なお、本発明に係る車両用表示装置は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では切替表示部が2つ設けられた例を示したが、3つ以上の切替表示部が設けられたとしても良い。これによって、より多くの車両情報を同時表示することができる。また、1つの切替表示部に切り替え表示される車両情報の数を減らすことができるので、より少ない操作部の操作で所望する車両情報を表示させることができる。例えば切替表示部を3つ設けた場合には、例えば操作部がトリプルクリック(短押し操作が3回連続で行われる操作態様)されたときに、第3の切替表示部の表示を切り替えるようにする。
【0049】
また、上記実施形態では、操作部5の操作態様がワンクリックかダブルクリックかに応じて、第1の切替表示部31の切り替え表示を行うか第2の切替表示部32の切り替え表示を行うかを決定していたが、どちらの切り替え表示を行うかを予め操作部5で設定できるようにしても良い。具体的には、例えば、CPU2は、操作部5がダブルクリックされるたびに、切り替え表示を行う切替表示部を、第1の切替表示部31と第2の切替表示部32間で交互に設定する。そして、第1の切替表示部31に設定されている間は、CPU2は、操作部5がワンクリックされるたびに、第1の切替表示部31の切り替え表示だけを行うようにする。他方、第2の切替表示部32に設定されている間は、CPU2は、操作部5がワンクリックされるたびに、第2の切替表示部32の切り替え表示だけを行うようにする。これによっても、各切替表示部31、32の切り替え表示を個別に行うことができる。
【0050】
なお、上記実施形態において、切替表示部31、32に表示される各車両情報が本発明の「項目」に相当する。図4のS13の処理を実行するCPU2が本発明の「判定手段」に相当する。図4のS15、S16、S17の処理を実行するCPU2が本発明の「表示制御手段」に相当する。図4のS15の処理を実行するCPU2が本発明の「第1の表示制御手段」に相当する。図4のS16の処理を実行するCPU2が本発明の「第2の表示制御手段」に相当する。操作部5のワンクリック又はダブルクリックの一方が本発明の「第1の操作態様」に相当し、他方が本発明の「第2の操作態様」に相当する。区間走行距離、平均燃費、平均車速が本発明の「リセット可能項目」に相当する。操作部5の長押し操作が本発明の「第3の操作態様」に相当する。
【符号の説明】
【0051】
1 メータ装置(車両用表示装置)
2 CPU
3 ディスプレイ
31 第1の切替表示部
32 第2の切替表示部
33 時間表示部
4 メモリ
5 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた複数の項目を含んだ複数の表示グループのいずれか1つが割り当てられており、それぞれ、自身に割り当てられた前記表示グループに含まれた前記複数の項目のいずれか1つの項目の内容を各時点で表示する複数の切替表示部と、
ユーザによる操作に応じて操作信号を出力する1つの操作部と、
前記操作信号に基づいて前記操作部に対するユーザの操作態様を判定する判定手段と、
前記操作部が操作されるたびに前記複数の項目間で予め定められた順序にしたがって前記切替表示部に現在表示されている前記項目の内容から他の前記項目の内容への切り替え表示を行う表示制御手段であって、前記判定手段で判定された前記操作部の操作態様に基づいて前記複数の切替表示部の前記切り替え表示の各々を個別に行う表示制御手段と、を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記操作部の操作回数又は操作時間に応じた操作態様を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記複数の切替表示部は、第1の前記表示グループが割り当てられた第1の切替表示部と、前記第1の表示グループに含まれた前記複数の項目と異なる複数の項目を含んだ第2の前記表示グループが割り当てられた第2の切替表示部とを含み、
前記判定手段は、前記操作部が予め定められた第1の操作態様で操作されたか、前記第1の操作態様とは異なる予め定められた第2の操作態様で操作されたかを判定し、
前記表示制御手段は、
前記操作部が前記第1の操作態様で操作されたと前記判定手段が判定するたびに前記第1の表示グループに含まれた前記複数の項目の内容を予め定められた順序にしたがって前記第1の切替表示部に切り替え表示させる第1の表示制御手段と、
前記操作部が前記第2の操作態様で操作されたと前記判定手段が判定するたびに前記第2の表示グループに含まれた前記複数の項目の内容を予め定められた順序にしたがって前記第2の切替表示部に切り替え表示させる第2の表示制御手段と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記操作部は押下操作が可能な押下操作部であり、
前記第1の操作態様と前記第2の操作態様の一方は、前記操作部が規定時間より短く押下操作される短押し操作が1回行われる操作態様であり、他方は、前記短押し操作が連続して2回行われる操作態様であることを特徴とする請求項3に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記表示グループに含まれた前記複数の項目の中には、内容のリセットが可能なリセット可能項目を含み、
前記判定手段は、前記操作部が前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様の両方と異なる予め定められた第3の操作態様で操作されたかも判定し、
前記表示制御手段は、前記第1の切替表示部又は前記第2の切替表示部に前記リセット可能項目の内容が表示されているときに、前記操作部が前記第3の操作態様で操作されたと前記判定手段が判定した場合には、表示されている前記リセット可能項目の内容をリセット表示させることを特徴とする請求項4に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
時間を表示する時間表示部を備え、
前記判定手段は、前記操作部が前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様の両方と異なる予め定められた第3の操作態様で操作されたかも判定し、
前記表示制御手段は、前記操作部が前記第3の操作態様で操作されたと前記判定手段が判定した場合には、前記時間表示部の時間を調整する時間調整モードに移行して、その時間調整モードにおいて前記操作部の操作に応じた時間を前記時間表示部に表示させることを特徴とする請求項4に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記第3の操作態様は、前記操作部が規定時間より長く押下操作される長押し操作であることを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−112268(P2013−112268A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262076(P2011−262076)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】