車両用装置、情報送信方法、情報表示方法、及びプログラム
【課題】通信可能に接続された車両用装置2から携帯機器3へ所定範囲の地図情報を送信し、携帯機器3のユーザが、所定の条件の成立後には当該所定範囲より広い範囲の地図を携帯機器3で参照できるようにする。
【解決手段】車両用装置2は、通信可能に接続した携帯機器3に車両周辺の所定範囲の地図情報を送信し、所定の条件の成立が検出されたときには、かかる所定範囲より広い範囲の地図情報を携帯機器3に送信する。これにより、車両に乗車していた携帯機器3のユーザは、所定の条件の成立後に広い範囲の地図を参照して、観光地内の移動やさらに遠方の目的地へ向けた移動を行うことができる。
【解決手段】車両用装置2は、通信可能に接続した携帯機器3に車両周辺の所定範囲の地図情報を送信し、所定の条件の成立が検出されたときには、かかる所定範囲より広い範囲の地図情報を携帯機器3に送信する。これにより、車両に乗車していた携帯機器3のユーザは、所定の条件の成立後に広い範囲の地図を参照して、観光地内の移動やさらに遠方の目的地へ向けた移動を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用装置と携帯機器とが通信可能に接続され、接続中は車両用装置から自車両の現在位置を含む所定範囲の地図情報を携帯機器に送信し、携帯機器で地図を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−251698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、送信する地図情報の容量が大きい場合、送信時間が長時間となるため、移動する自車両の現在位置に相当する地図情報を表示できないおそれが生じる。このため、接続中に送信する地図情報は、地図の範囲を限定した小容量の情報であることが好ましい。一方で、携帯機器のユーザは、車両の降車後に、携帯機器で地図を参照したいという要望がある。この場合、ユーザは可能な限り広い範囲の地図を参照できることが望ましいが、接続中に送信された小容量の地図情報ではこの要望を必ずしも満足できないという問題がある。
【0005】
また、車両用装置と携帯機器が通信可能に接続される際において、携帯機器で実行中又は実行予定のアプリケーションの名称を、車両側の表示装置でも確認したいという要望がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、第一の目的は、携帯機器のユーザが、比較的広い範囲の地図を携帯機器で参照できるようにすることである。
【0007】
また、第二の目的は、車両用装置と携帯機器が通信可能に接続される際、携帯機器で実行中又は実行予定のアプリケーションの名称を車両側の表示装置で確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する車両用装置であって、所定の条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記携帯機器と通信可能に接続する接続手段と、前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する第1送信手段と、前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する第2送信手段と、を備える。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記判定手段は、前記携帯機器から送信される前記第2地図情報の送信を要求する信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記判定手段は、前記接続の解除を指示する信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記判定手段は、前記車両用装置の駆動停止状態への移行を示す信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記判定手段は、前記車両の停車を予測した場合に、前記所定の条件が成立したと判定する。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項3または4に記載の車両用装置において、前記第2地図情報の前記携帯機器への送信が完了してから、前記接続を解除する解除手段、をさらに備える。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の車両用装置において、前記第2地図情報は、前記第1地図情報より詳細な地図情報である。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用装置において、前記第2地図情報は、前記車両の周辺の地図情報である。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装置において、前記第2地図情報は、ユーザが指定した範囲の地図情報である。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の車両用装置において、前記接続手段が前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる表示制御手段、をさらに備える。
【0018】
また、請求項11の発明は、車両で用いられる車両用装置から携帯機器に地図情報を送信する情報送信方法であって、所定の条件が成立したか否かを判定する工程と、前記携帯機器と通信可能に接続する工程と、前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、を備える。
【0019】
また、請求項12の発明は、車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、所定の条件が成立したか否かを判定する工程と、前記携帯機器と通信可能に接続する工程と、前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、を実行させる。
【0020】
また、請求項13の発明は、車両で用いられる車両用装置であって、携帯機器と通信可能に接続する接続手段と、前記接続手段が前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0021】
また、請求項14の発明は、請求項13に記載の車両用装置において、前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を記憶する記憶手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記記憶手段に前記名称情報が記憶されている場合は、前記接続手段が前記携帯機器と接続するときに、前記記憶手段に記憶された前記名称情報を前記表示手段に表示させる。
【0022】
また、請求項15の発明は、車両で用いられる情報表示方法であって、(a)携帯機器と通信可能に接続する工程と、(b)前記工程(a)で前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する工程と、(c)前記工程(b)で受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる工程と、を備える。
【0023】
また、請求項16の発明は、車両で用いられる車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、(a)携帯機器と通信可能に接続する工程と、(b)前記工程(a)で前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する工程と、(c)前記工程(b)で受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1、11及び12の発明によれば、所定の条件の成立が検出されたときは、接続中よりも広い範囲の地図データを携帯機器に送信するので、携帯機器のユーザは、所定の条件の成立時に広い範囲の地図を参照することができる。
【0025】
また、特に請求項2の発明によれば、第2地図情報の送信を要求する信号に基づいて広い範囲の地図情報の送信を行うので、広い範囲の地図情報の送信を確実に行うことができる。
【0026】
また、特に請求項3の発明によれば、接続の解除を指示する信号に基づいて広い範囲の地図情報の送信を行うので、広い範囲の地図情報の送信を確実に行うことができる。
【0027】
また、特に請求項4の発明によれば、車両用装置の駆動停止状態への移行を示す信号に基づいて所定の条件の成立を検出するので、広い範囲の地図情報の送信を確実に完了させることができる。
【0028】
また、特に請求項5の発明によれば、車両の停車の予測結果に基づいて広い範囲の地図情報の送信を行うので、広い範囲の地図情報の送信を確実に行うことができる。
【0029】
また、請求項6の発明によれば、広い範囲の地図情報が携帯機器に送信されてから接続を解除するので、広い範囲の地図情報の送信を確実に完了させることができる。
【0030】
また、特に請求項7の発明によれば、詳細な地図情報が携帯機器に送信されるので、ユーザは、車両の降車後に詳細な地図を参照して移動することができる。
【0031】
また、特に請求項8の発明によれば、第2地図情報は自車両周辺の地図情報であるので、ユーザは、車両の降車後に自車両周辺の地図を参照して移動することができる。
【0032】
また、特に請求項9の発明によれば、ユーザが指定した範囲の地図情報が携帯機器に送信されるので、ユーザは、車両の降車後に任意の範囲の地図を参照して移動することができる。
【0033】
また、特に請求項10、及び13ないし16の発明によれば、携帯機器で実行されるアプリケーションの名称を表示手段に表示させるので、ユーザは、携帯機器で実行されるアプリケーションの名称を表示手段で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、携帯機器に地図情報を送信する車両用システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、車両用装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、携帯機器の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、地図情報の構成を示す図である。
【図5】図5は、車両用装置における携帯機器に地図情報を送信する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、携帯機器における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、携帯機器におけるユーザへの問い合わせ表示を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施形態における車両用装置での処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、第3の実施形態における車両用装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、第3の実施形態における携帯機器の構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、第3の実施形態における車両用装置での処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、第3の実施形態における携帯機器での処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システム構成>
図1は、本実施の形態に係る携帯機器に地図情報を送信する車両用システム100の概要を示す図である。車両用システム100は、車両1内に車両用装置2及び携帯機器3を含み、車両用装置2から携帯機器3へ地図情報を送信するシステムである。各部の詳細は後に説明する。なお、以下においては、車両1の運転者を含む乗員や、車両用装置2及び携帯機器3を操作する者を「ユーザ」という場合がある。
【0037】
車両1内に設けられた車両用装置2は、車両1の周辺の地図を表示して運転者を目的地まで誘導するナビゲーション装置である。また、車両用装置2は、車両1の周辺の地図情報を近距離無線により車両1内の携帯機器3へ送信している。これにより、助手席や後部座席に座るユーザは、車両用装置2を操作せずとも手元の携帯機器3を用いて、車両1の周辺の地図を参照しつつ現在地や経由地、目的地に関する情報を閲覧することができる。
【0038】
また、車両用装置2は、車両1が停車する際やユーザが要求する際には、周辺の広範囲の地図情報を携帯機器3へ送信する。これにより、ユーザは、目的地が車両1の駐車地から遠隔にあっても、携帯機器3に送信された地図情報を参照して目的地へ到達することができる。
【0039】
このように、車両用システム100は、携帯機器3のユーザが車両1内部にあっては、車両用装置2の地図情報を受信して、周辺地図を参照し、ユーザが車両1の外部にあっては、広範囲の周辺地図により携帯機器3で目的地へ到達できるものである。
【0040】
<1−2.車両用装置の構成>
図2は、車両用装置2の構成を示す図である。車両用装置2は、制御部4、近距離通信部5、メモリ6、車速取得部7、IGスイッチ検出部8、GPSアンテナ9、操作部10、ディスプレイ11、及びスピーカ12を備える電子制御装置である。具体的な例としては、車両用装置2は、メモリ6に記憶した地図情報を用いて運転者を目的地へ誘導するナビゲーション装置である。なお、車両用装置2は、車両1に設置されたものでもよいし、ネットワークに接続した携帯機器でもよく、車両1の運転操作のために用いられる装置であればよい。
【0041】
制御部4は、判定部4a、地図送信部4b、解除部4c、位置取得部4d、及びナビゲーション部4eを備え、また図示しないCPU、RAM、及びROMを備えるコンピュータである。また、制御部4は、車両用装置2が備える近距離通信部5やメモリ6等と接続されたうえ、メモリ6に記憶されたプログラム6aに基づき、情報の送受信を行い、車両用装置2の全体を制御する。メモリ6に記憶されたプログラム6aに従ってCPUが演算処理を実行することにより、図中に示す判定部4a、地図送信部4b、解除部4c、位置取得部4d、及びナビゲーション部4e等の制御部4の機能が実現される。
【0042】
判定部4aは、予め設定された所定の条件が成立したか否かを判定する。そして、かかる条件が成立したと判定する場合は、条件成立を判定した旨の信号(判定信号S1)を出力する。なお、判定部4aは、所定の条件が複数設定された場合には、いずれの条件が成立を判定したかを判別する情報を判定信号S1に付加する。
【0043】
判定部4aは、携帯機器3から送信される広範囲の地図情報の送信を要求する信号(ダウンロード要求信号S2)が入力される。判定部4aは、ダウンロード要求信号S2を受信した場合に、所定の条件が成立したと判定する。
【0044】
また、判定部4aは、車両用装置2のユーザによる携帯機器3との接続の解除を指示する信号が入力され、かかる信号を受信した場合に、所定の条件が成立したと判定する。
【0045】
また、判定部4aは、携帯機器3から送信される接続の解除を指示する信号(解除指示信号S3)が入力され、かかる解除指示信号S3を受信した場合に、所定の条件が成立したと判定する。ユーザにより車両用装置2と携帯機器3との接続の解除が指示される場合には、携帯機器3のユーザが、車両の外部に出て、広範囲の地図を参照して移動することを希望していると考えられるためである。
【0046】
また、判定部4aは、車両用装置2の駆動停止状態への移行を示す信号を受信した場合に、所定の条件が成立したと判定する。車両用装置2が駆動停止状態へ移行する場合は、例えば、イグニッション(IG)スイッチがオフとされる場合である。この場合、IGスイッチのオフを検出するIGスイッチ検出部8から車両1のIGスイッチがオフとされたオフ信号が判定部4aへ入力される。
【0047】
なお、後述するように、車両用装置2への電源の供給は、IGスイッチがオフとされても、制御データの保存処理のため、数秒の間は遮断されないよう制御される。このため、判定部4aは、IGスイッチがオフとされた後であっても、電源の供給を得て、同スイッチがオフとなったことを検出することができる。
【0048】
地図送信部4bは、メモリ6に記憶された地図情報を、携帯機器3と通信を行う近距離通信部5を介して携帯機器3へ送信する。また、地図送信部4bは、携帯機器3から地図情報を要求する信号が入力されると、メモリ6に記憶された地図情報6bに基づき、要求された地図情報を携帯機器3へ送信する。なお、地図情報6b及び携帯機器3が要求する地図情報の詳細は図4において説明する。また、地図送信部4bは、判定部4aから所定条件の成立を示す判定信号S1が入力されると、メモリ6に記憶された広範囲地図情報6cを取得し、携帯機器3へ送信する。その際、携帯機器3のユーザにより地図範囲が指定されている場合には、地図送信部4bは、指定された大きさの広範囲地図情報6cを送信する。広範囲地図情報6cの送信が完了すると、地図送信部4bは、送信が完了した旨の信号(送信完了信号S4)を車両用装置2と携帯機器3との接続を解除する解除部4cへ送信する。広範囲地図情報6cの詳細は図4にて説明する。
【0049】
なお、地図送信部4bは、広範囲地図情報6cを送信中は、運転者によりIGスイッチがオフとされても、車両用装置2への電源が供給されるよう、図示しない電源ICを制御する。これにより、IGスイッチがオフとなっても、広範囲地図情報6cの送信が完了するまでは、車両用装置2への電源は遮断されることがない。また、判定部4aから送信完了信号S4を送信後、車両用装置2と携帯機器3との通信が解除され得る所定時間の経過後に、車両用装置2への電源が遮断されるよう電源ICを制御してもよい。すなわち、地図送信部4bは、電源ICを制御し、運転者によりイグニッションスイッチがオフとされても携帯機器3との接続解除が完了するまで車両用装置2への電源が供給されるよう制御する。この場合、車両用装置2と携帯機器3との通信の解除が完了するまで、確実に車両用装置2へ電源の供給を維持することができる。
【0050】
解除部4cは、車両用装置2から携帯機器3へ接続の解除を要求する場合に、接続の解除を指示する信号(接続解除信号S5)を、車両用装置2と携帯機器3との通信を行う近距離通信部5へ送信する。解除部4cが、接続解除信号S5を送信する場合は、車両用装置2のユーザが操作部10を操作して、接続の解除を要求する場合であり、また、地図送信部4bが広範囲地図情報6cの送信を完了した場合である。なお、近距離通信部5は、解除部4cからの接続解除信号S5を受信すると、車両用装置2と携帯機器3との接続の解除を行う。
【0051】
位置取得部4dは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用し、車両1の位置情報を取得する。位置取得部4dは、GPS衛星からの信号を受信するGPSアンテナ9と接続され、GPSアンテナ9から送信されるGPSデータを受信する。かかるGPSデータは、GPSアンテナ9が受信した時刻データ及び衛星の軌道情報等が含まれている。位置取得部4dは、受信したGPSデータに演算処理を施し、車両1の空間上の位置を緯度及び経度として算出する。位置取得部4dは、算出した緯度及び経度情報をナビゲーション部4e及び近距離通信部5へ送信する。なお、位置取得部4dによる緯度及び経度の算出には、GPSのほか、ガリレオ測位システム等の人工衛星を利用した位置特定のシステムを利用してもよい。
【0052】
ナビゲーション部4eは、車両1の運転者へ現在位置の表示や目的地までの誘導を行う。ナビゲーション部4eは、地図送信部4bから地図情報を取得し、位置取得部4dから車両1の現在の位置情報を取得する。取得した各情報に基づき、ナビゲーション部4eは、ディスプレイ11に車両1の周辺地図及び現在位置を表示し、ユーザが操作部10へ設定した目的地までの経路を探索してかかる周辺地図に走行経路を重畳して表示する。また、ナビゲーション部4eは、位置取得部4dから取得した位置情報を地図送信部4bへ送信する。なお、地図送信部4bは、ナビゲーション部4eから送信された車両1の現在の位置情報に基づき、車両1の周辺地図を地図情報6bから取得し、近距離通信部5を介して携帯機器3へ送信する。
【0053】
近距離通信部5は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)による近距離無線通信によって携帯機器3と通信可能に接続され、かかる携帯機器3との間で情報の送受信を行う。また、近距離通信部5は、位置取得部4dから車両1の位置情報、及び地図送信部4bから地図情報を受信し、各々の情報を携帯機器3へ送信する。また、近距離通信部5は、解除部4cが携帯機器3との接続を解除すべき旨を指示する解除指示信号S3を受信すると、携帯機器3との接続を解除する。
【0054】
また、近距離通信部5は、携帯機器3から送信された差分地図を要求する信号(差分地図要求信号S6)及びユーザが地図の範囲を指定する信号(地図範囲指定信号S7)を受信すると、各々の信号を地図送信部4bへ送信する。また、近距離通信部5は、携帯機器3から送信されたユーザが接続の解除を指示する信号(解除指示信号S3)を受信すると、かかる信号を判定部4aへ送信する。なお、近距離通信部5は、ブルートゥース(登録商標)の他、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、ZigBee(ジグビー:登録商標)といった他の無線通信規格を用いてもよいし、有線により接続されて通信を行ってもよい。すなわち、近距離通信部5は、車両1内において、携帯機器3との間で情報の送受信を行うことができればよい。
【0055】
メモリ6は、プログラム6a、地図情報6b、及び広範囲地図情報6cを記憶し、制御部4の地図送信部4bと接続されている。メモリ6は、電気的にデータの読み書きが可能であり、電源を遮断されてもデータが消去されない不揮発性の半導体メモリである。たとえば、メモリ6は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)やフラッシュメモリにより構成される。なお、メモリ6は、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブで構成することもできる。
【0056】
プログラム6aは、制御部4により読み出され、制御部4が車両用装置2を制御するために実行される、いわゆるシステムソフトウェアである。
【0057】
地図情報6bは、車両1が走行可能な日本全国の道路情報や交通情報を含み、運転者に対する現在地の表示や目的地へ誘導するナビゲーションに利用される情報である。また、地図情報6bは、たとえば1km等の所定間隔で格子状に区切られた多数の単位地図を含んでいる。したがって、地図情報6bが地図送信部4bへ送信される際は、たとえば1km四方の単位地図の単位で送信される。
【0058】
広範囲地図情報6cは、地図情報6bと同様に日本全国の道路情報や交通情報を含む地図情報である。また、広範囲地図情報6cは、地図情報6bの単位地図より大きい所定間隔で格子状に区切られた単位地図を含んでいる。かかる所定間隔は、たとえば5km四方等である。さらに、広範囲地図情報6cは、歩行者用ナビゲーションの情報及び地図内に存在する施設情報を含んでいる。歩行者用ナビゲーションの情報とは、歩道の位置情報や鉄道、バス、タクシー等の交通機関の乗り換え情報である。施設情報とは、観光地やショッピングセンター、レストラン等の情報である。広範囲地図情報6cが携帯機器3に送信されると、携帯機器3のユーザは、車両1の降車後に広範囲地図情報6cを参照し、徒歩や他の交通機関への乗り換えにより遠隔の目的地へ到達できる。また、携帯機器3のユーザは、車両1の降車後の観光を円滑に行うことができる。
【0059】
地図情報6bと広範囲地図情報6cとは、一体の地図情報としてもよい。すなわち、地図情報6bと広範囲地図情報6cとは、同一の道路情報等を含み、大きさを区切る間隔のみを異ならせた地図情報としてもよい。この場合、メモリ6の記憶容量を低減させることができる。
【0060】
車速取得部7は、車両1の車輪軸に設けられたローターの回転をパルス信号として送信する図示しない磁気センサ又は光センサと接続されている。車速取得部7は、受信したパルス信号に基づき、単位時間当たりの車輪回転数を求め、車両1の速度を算出して判定部4aに送信する。
【0061】
IGスイッチ検出部8は、図示しないIGスイッチの切り替わりを検出する。IGスイッチ検出部8は、IGスイッチが運転者によりオンからオフへの切り替わりを検出すると、オフ信号を判定部4aへ送信する。なお、IGスイッチは、金属製の鍵により回転制御される機械式の他、いわゆるスマートキー等の電子式のものでもよい。すなわち、IGスイッチ検出部8は、運転者が車両1の制御装置の主電源を遮断したことを検出できるものであればよい。
【0062】
GPSアンテナ9は、車両1上空の軌道上を周回する複数のGPS衛星から送信される信号を受信するアンテナである。GPS衛星からの信号には、時刻データ及び衛星の軌道情報等が含まれる。GPSアンテナ9は、受信した信号であるGPSデータを位置取得部4dへ送信する。
【0063】
操作部10は、押下式のボタンやタッチパネルを備えた情報の入力装置である。ユーザは操作部10を操作することにより、ナビゲーション部の操作や、携帯機器3との接続の解除を要求する信号(入力信号)を車両用装置2へ入力することができる。なお、操作部10は、ディスプレイ11と一体として構成してもよい。
【0064】
ディスプレイ11は、画像等を表示する表示装置であり、例えば液晶ディスプレイである。
【0065】
スピーカ12は、ナビゲーション部4eから送信された信号を音声出力し、またチャイムやブザー等の警告音を出力する。なお、スピーカ12は、ディスプレイ11と一体として構成してもよい。
【0066】
<1−3.携帯機器の構成>
図3は、携帯機器3の構成を示す図である。携帯機器3は、例えば、携帯電話やスマートフォン、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assist)、又はゲーム機である。携帯機器3は、制御部31、メモリ32、ディスプレイ33、スピーカ34、操作部35、近距離通信部36を備える機器である。
【0067】
制御部31は、図示しないCPU、RAM、及びROMを備えるコンピュータであり、メモリ6に記憶されたプログラム6aに基づき、携帯機器3の全体を制御する。
【0068】
メモリ32は、プログラム32aを記憶し、制御部31と接続されている。メモリ32は、電気的にデータの読み書きが可能であり、電源を遮断されてもデータが消去されない不揮発性の半導体メモリである。たとえば、メモリ32は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)やフラッシュメモリにより構成される。なお、メモリ32は、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブで構成することもできる。プログラム32aは、制御部31により読み出され、制御部31が携帯機器3を制御するために実行される、いわゆるシステムソフトウェアである。アプリケーション32bは、携帯機器3のユーザが、携帯機器3で実行したいアプリケーションソフトウェアであり、例えば歩行者用ナビゲーションや観光案内、ゲームである。アプリケーション32bが実行されると、予めプログラムされた様々なグラフィックスやアニメーション、音声がディスプレイ33及びスピーカ34を介してユーザへ提供される。
【0069】
ディスプレイ33は、画像等を表示する表示装置である。例えば、ディスプレイ33は、液晶ディスプレイである。
【0070】
スピーカ34は、制御部31から送信された信号を音声出力する。また、スピーカ34は、チャイムやブザー等の警告音を出力する。
【0071】
操作部35は、押下式のボタンやタッチパネルを備えた情報の入力装置である。ユーザは、操作部35を操作することにより、携帯機器3の操作を行うことができる。また、ユーザは、車両用装置2との接続の解除を要求する信号を携帯機器3へ入力することができる。操作部35をタッチパネルとして構成する場合は、ディスプレイ33に設けてもよい。
【0072】
近距離通信部36は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)による近距離無線通信によって車両用装置2と通信可能に接続され、かかる車両用装置2との間で情報の送受信を行う。また、近距離通信部5は、操作部35から入力されたユーザが接続の解除を指示する信号(解除指示信号S3)を受信すると、かかる信号を車両用装置2へ送信する。なお、近距離通信部36は、ブルートゥース(登録商標)の他、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、ZigBee(ジグビー:登録商標)といった他の無線通信規格を用いてもよいし、有線により接続されて通信を行ってもよい。すなわち、近距離通信部36は、車両1内において、車両用装置2との間で情報の送受信を行うことができればよい。
【0073】
<1−4.地図情報の構成>
図4は、地図情報6b及び広範囲地図情報6cの一部の構成を示す図である。
【0074】
破線で囲まれた格子状の地図は、地図送信部4bにより読み出された地図情報6bの一部である。かかる地図のうち、ディスプレイ11又は33の表示領域に応じた領域6bDが、ディスプレイ11又は33に表示される。また、破線で囲まれた格子状の地図は、所定範囲で区切られた9つの単位地図6bAから構成され、車両位置MVの位置する単位地図6bAの周囲に8つの単位地図6bAが配置される。一つの単位地図6bAに示される範囲は、たとえば1km四方である。したがって、車両位置MVの周辺の9つの単位地図6bAに示される範囲は、例えば、3km四方となる。ナビゲーション部4eが、車両位置MVが隣接する単位地図6bAへ移動したと判断すると、地図送信部4bは車両位置MVの位置する単位地図6bAの周囲に8つの単位地図6bAが配置されるよう、新たな単位地図6bAを地図情報6bから読み出す。地図送信部4bにより読み出された単位地図6bAは、ナビゲーション部4eへ送信され、車両位置MVの位置する単位地図6bAに隣接してディスプレイ11に表示される。また、携帯機器3のディスプレイ33に車両位置MVの周辺地図を表示する際にも、車両位置MV及び9つの単位地図6bAが用いられる。この制御の際に、車両位置MVの移動に伴って、車両位置MVの周辺の9つの単位地図6bAとして新たに必要となる単位地図6bAは「差分地図」と呼ばれる。この制御の詳細は図5及び図6の説明とともに述べる。
【0075】
広範囲地図6cL,6cO,6cSは、車両位置MVの周辺の9つの単位地図6bAの範囲より広い範囲の地図である。各広範囲地図6cL,6cO,6cSの範囲は、例えば各々5km四方、4.5km四方、4km四方である。また、各広範囲地図は、車両位置MVの周辺を示す地図の他、車両1の目的地の周辺又は車両1の目的地に至る経由地の周辺を示す地図である場合もある。各広範囲地図は、携帯機器3のユーザによる地図範囲の指示により、広範囲地図6cL、6cO又は6cSのいずれかが車両用装置2から携帯機器3へ送信される。なお、広範囲地図の情報が送信される制御の詳細は、図5及び図6の説明とともに述べる。
【0076】
<1−5.車両用装置の処理>
次に、車両用装置2の処理について説明する。
【0077】
図5は、車両用装置2の処理の流れを示す図である。かかる処理は、車両1のIGスイッチがオンとされることにより、開始される。
【0078】
まず、近距離通信部5が、携帯機器3の近距離通信部36と通信可能に無線接続を行う(ステップS21)。近距離通信部5は定期的に電波を発信し、携帯機器3の近距離通信部36が、かかる電波を受信すると無線接続の制御が開始される。すなわち、車両用装置2側は接続待機し、携帯機器3側が接続を要求する。近距離通信部5が発信する電波は、半径5m程度まで到達し、携帯機器3が車両1内に搬入された場合に、無線接続の制御が開始される。なお、近距離通信にブルートゥースを用いた場合には、両近距離通信部により、いわゆるペアリングが行われると、無線接続される。
【0079】
なお、近距離通信部5が、携帯機器3の近距離通信部36と通信可能に無線接続されるのは、車両用装置の制御モードが携帯機器との無線接続を受け付ける携帯機器モードに設定されている場合である。車両用装置は、複数の制御モードを備え、携帯機器モードのほか、運転者へ目的地誘導を行うナビゲーションモード、スピーカ12で音楽やラジオ等を聴くオーディオモードがある。なお、車両用装置が携帯機器モードでないオーディオモードに設定されている場合には、近距離通信部5は携帯機器3の近距離通信部36と無線接続されない。オーディオモードでは、スピーカ12から音楽等が出力されるため、携帯機器3からの音声情報を重ねて出力されないようにするためである。
【0080】
次に、位置取得部4dが、GPSアンテナ9から送信されたGPS情報に基づき、車両1の現在位置の情報を取得する(ステップS22)。位置取得部4dは、位置情報を取得すると、ナビゲーション部4e及び近距離通信部5へ位置情報を送信する。
【0081】
ナビゲーション部4eは、位置取得部4dから位置情報を取得すると、地図送信部4bへ位置情報を転送する。地図送信部4bは、取得した位置情報に基づき、車両1の現在位置周辺の9つの単位地図6bAを地図情報6bから読み出し、読み出した単位地図6bAを近距離通信部5へ送信する。これにより、車両1の現在位置の周辺の所定範囲の地図情報(9つの単位地図6bA)は、近距離通信部5により携帯機器3へ送信される(ステップS23)。また、近距離通信部5は、位置取得部4dから送信された位置情報を携帯機器3へ送信する(ステップS24)。
【0082】
なお、ステップS23の説明において、地図送信部4bから携帯機器へ単位地図6bAが9つ送信されるとしたが、携帯機器へ送信される単位地図6bAは車両位置MVの含まれる単位地図のみでもよい。携帯機器3のディスプレイは、車両用装置のディスプレイより一般的に小さい。このため、携帯機器3は、単一の単位地図6bAのみを用いて地図表示ができる場合があるためである。
【0083】
次に、判定部4aは、ダウンロード要求信号S2を受信したか判断する(ステップS25)。これは、携帯機器3のユーザが広範囲地図の送信を要求し、その旨を携帯機器3へ入力した場合である。判定部4aは、ダウンロード要求信号S2を受信したと判断すると、地図送信部4bへ判定信号S1をダウンロード要求信号S2に基づく旨を付加して送信する。
【0084】
判定部4aがダウンロード要求信号S2を受信したと判断した場合(ステップS25でYes)、地図送信部4bは、地図の範囲を指定する地図範囲指定信号S7を受信したか判断する(ステップS26)。
【0085】
なお、携帯機器3のユーザに指示される地図の範囲とは、地図の大きさをいい、地図の四方の距離により決定される範囲である。また、かかる範囲は、地図の縮尺でもよい。本実施例では、携帯機器3のユーザは、広範囲地図の範囲について、「大きい」、「ふつう」、「小さい」のいずれかを指示する。携帯機器3のユーザにより指示される範囲の「大きい」地図は、図4における広範囲地図6cLが該当し、「ふつう」の地図は広範囲地図6cOが該当し、「小さい」地図は広範囲地図6cSが該当する。これにより、携帯機器3のユーザは、車両1の降車後の行動範囲に合わせた地図の情報を受信することができる。また、携帯機器3のユーザは、広範囲地図の範囲を任意に指示してもよい。この場合、携帯機器3のユーザから操作部35へ広範囲地図の範囲の入力を受け付け、受け付けた広範囲地図の範囲を車両用装置2へ送信するよう構成すればよい。携帯機器3のユーザが入力する広範囲地図の範囲は、例えば、10km四方等の数値である。
【0086】
地図送信部4bが地図範囲指定信号S7を受信したと判断する場合(ステップS26でYes)、地図送信部4bは指示された範囲の広範囲地図6c、すなわち広範囲地図6cL、6cO、6cSのいずれかを広範囲地図情報6cから取得して近距離通信部5へ送信する。近距離通信部5は受信した広範囲地図情報を近距離通信部5へ送信し、近距離通信部5はかかる地図情報を携帯機器へ無線送信する(ステップS28)。
【0087】
なお、地図送信部4bが広範囲地図情報の送信を完了したと判断する方法は、所定の時間経過を判断すればよい。すなわち、最も地図範囲の大きい広範囲地図6cLの送信を完了するのに十分な送信時間を予め設定し、送信の開始からかかる時間が経過したか否かを判断すればよい。また、広範囲地図情報のうち最後に送信する情報に対して、最後の情報送信である旨を示す関数を付与し、かかる関数を受信した携帯機器3が、情報の送信が完了した旨を車両用装置2に返信するよう構成してもよい。
【0088】
地図送信部4bは、広範囲地図情報の送信が完了したか判断し(ステップS29)、完了していないと判断する場合はステップS28に戻る。この場合、地図送信部4bは携帯機器3への地図情報の送信を継続する。一方、地図送信部4bが、広範囲地図情報の送信が完了したと判断する場合はステップS38へ進む。なお、ステップS26において、地図送信部4bが携帯機器3のユーザから地図範囲指定信号S7を受信していないと判断する場合は、ステップS33へ進む(ステップS26にてNo)。
【0089】
また、ステップS25において判定部4aがダウンロード要求信号S2を受信しなかったと判断した場合は、判定部4aは、無線接続の解除を指示する解除指示信号S3を受信したか判断する(ステップS30)。これは、携帯機器3のユーザが無線接続の解除を希望し、その旨を携帯機器3へ入力した場合である。また、ステップS30においては、判定部4aは、操作部10から送信される無線接続の解除を指示する入力信号を受信したかを併せて判断する。これは、車両用装置2のユーザが無線接続の解除を希望し、その旨を車両用装置2の操作部10へ入力した場合である。
【0090】
判定部4aが解除指示信号S3及び操作部10からの入力信号のいずれかを受信したと判断した場合(ステップS30でYes)、地図送信部4bが、地図の範囲を指定する地図範囲指定信号S7を受信したか判断するステップS26へ処理を進める。ステップS26における処理内容は既述の通りである。
【0091】
なお、地図送信部4bが、地図範囲指定信号S7を受信したと判断した場合であって、かつ解除指示信号S3又はユーザの入力信号に基づいて出力された判定信号S1を受信していた場合には、地図送信部4bは車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないよう電源ICを制御する。ユーザが接続の解除を指示する場合は、ユーザが車両1を停車し、IGスイッチをオフとする恐れがあるからである。地図送信部4bは、車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないよう電源ICを制御することで、後に実行する広範囲地図情報6cの送信を確実に完了することができる。
【0092】
一方、ステップS30でNoの場合、すなわち、判定部4aが解除指示信号S3及び操作部10からの入力信号のいずれも受信しないと判断した場合は、判定部4aが、IGスイッチ検出部8からのオフ信号を受信したか判断する(ステップS31)。運転者によりイグニッションスイッチがオフされると、短時間の後に車両用装置2への電源供給が遮断されるため、車両用装置2と携帯機器3との接続が解除されることとなる。また、IGスイッチがオフされると、車両1から乗員の降車が予想されるため、携帯機器3へ広範囲地図情報の送信の必要が生じ得る。携帯機器3のユーザは、降車後に徒歩等により目的地へ移動する可能性があるためである。
【0093】
判定部4aによりIGスイッチのオフが検出されると(ステップS31でYes)、判定部4aは、オフ信号を受信した旨を付加した判定信号S1を地図送信部4bへ送信し、処理はステップS33へ進む。
【0094】
地図送信部4bは、広範囲地図情報6cから予め定めた範囲、例えば「ふつう」の範囲の広範囲地図6cOを取得し、近距離通信部5へ送信する。広範囲地図6cOを受信した近距離通信部5は、携帯機器3へ広範囲地図6cOを送信する(ステップS33)。
【0095】
なお、IGスイッチのオフの検出による広範囲地図情報の送信においては、「ふつう」の範囲の広範囲地図6cOを送信すればよい。携帯機器3のユーザが接続の解除を要求した場合でないため、ユーザが地図の範囲を指示することを希望していないと考えられるためである。なお、ステップS25、ステップS30及び後に説明する図6に示す通り、ユーザは、接続の解除を指示等することにより、地図の範囲を指示することができる。
【0096】
なお、地図送信部4bが、地図範囲指定信号S7を受信したと判断した場合であって、かつオフ信号を受信した旨が付加された判定信号S1を受信していた場合には、地図送信部4bは車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないよう電源ICを制御する。この場合は、ユーザが車両1を停車し、IGスイッチをオフとした場合だからである。地図送信部4bは、車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないよう電源ICを制御することで、広範囲地図情報6cの送信を確実に完了することができる。なお、車両用装置2への電源の供給は、IGスイッチがオフとされても、制御データの保存処理のため数秒の間は遮断されないよう制御される。このため、地図送信部4bは、オフ信号を受信した旨が付加された判定信号S1を受信後、制御データの保存処理が行われる数秒の間に、車両用装置2へ電源の供給が遮断されないよう電源ICを制御すればよい。
【0097】
次に、地図送信部4bは、広範囲地図6cOの送信が完了したか判断し(ステップS34)、完了していないと判断する場合はステップS33に戻る。この場合、地図送信部4bは、地図情報の送信を継続する。一方、近距離通信部5が、広範囲地図6cOの送信が完了したと判断する場合はステップS38へ進む。
【0098】
一方、ステップS31において、判定部4aがIGスイッチのオフ信号を受信したと判断しない場合(ステップS31でNo)、ステップS35の処理が実行される。ステップS35では、近距離通信部5が、携帯機器3から差分地図の送信が要求されているか判断する。差分地図の送信が要求されるのは、車両位置MVが、隣接する単位地図6bの範囲へ移動した場合、及び携帯機器3のユーザが操作部35を操作して地図の表示を移動、いわゆるスクロールさせた場合である。近距離通信部5が、携帯機器3から差分地図の送信が要求されていると判断する場合は(ステップS35でYes)、地図送信部4bへ差分地図要求信号S6を送信する。差分地図要求信号S6には、要求される差分地図の範囲に関する情報が含まれる。地図送信部4bは、差分地図要求信号S6を受信すると、地図情報6bから要求された差分地図に相当する単位地図6bAを取得し、近距離通信部5へ送信する。近距離通信部5は、送信された単位地図6bAを携帯機器3へ送信する(ステップS36)。
【0099】
一方、近距離通信部5が、携帯機器3から差分地図の送信が要求されていないと判断する場合(ステップS35でNo)、処理はステップS37へ進む。
【0100】
ステップS37では、位置取得部4dが、GPSアンテナ9から送信されたGPS情報に基づき、車両1の現在位置の情報を取得する。位置取得部4dは、位置情報を取得すると、ナビゲーション部4e及び近距離通信部5へ位置情報を送信する。ステップS35の処理が実行されると、ステップS24に戻り、近距離通信部5が、位置取得部4dから送信された位置情報を携帯機器3へ送信する処理が再度実行される。
【0101】
ステップS38の処理は、ステップS29において指定された範囲の地図情報の送信が完了した場合、及びステップS38において広範囲の地図情報の送信が完了した場合に実行される。ステップS38では、地図送信部4bが、ユーザから地図の送信要求がなされたか否か、すなわち判定部4aから送信された判定信号S1がダウンロード要求信号S2に基づくものか否かを判定する。これにより、地図送信部4bは、車両用装置2と携帯機器3との接続の解除が必要か否か判定できる。すなわち、ユーザから地図の送信要求がなされた場合は、ユーザが接続の解除を希望した場合でなく、またIGスイッチがオフとされた場合でもないため、接続の解除を行う必要がない。この場合は、上位のステップに戻り各処理を再度実行することが好ましい。したがって、ステップS38において、地図送信部4bにより、判定部4aから送信された判定信号S1がダウンロード要求信号S2に基づくものと判定された場合は、ステップS35に移行する(ステップS38でYes)。ステップS35以降の処理内容は、既述の通りである。
【0102】
一方、ステップS38において、地図送信部4bにより、判定部4aから送信された判定信号S1がダウンロード要求信号S2に基づかないものと判定された場合、すなわち判定信号S1がユーザからの解除を指示する信号又はIGスイッチのオフ信号に基づくものである場合は、ステップS39に進む(ステップS38でNo)。この際、地図送信部4bは、解除部4cへ送信完了信号S4を送信する。
【0103】
解除部4cは、地図送信部4bから送信された送信完了信号S4を受信すると、携帯機器3との接続の解除を指示する接続解除信号S5を近距離通信部5へ送信する。近距離通信部5は、解除部4cから送信された接続解除信号S5を受信すると、携帯機器3の近距離通信部36と所定の通信を行い、携帯機器3との接続の解除処理を実行する(ステップS39)。ステップS39における接続の解除処理が実行されると、車両用装置2の処理は終了する。なお、車両用装置2と携帯機器3との無線接続が解除される他の条件は、携帯機器の登録の解除やオーディオモードへのモード移動である。
【0104】
<1−5.携帯機器の処理>
次に、図5で説明した車両用装置2の処理の応答した携帯機器3の処理について説明する。図6は、携帯機器3の処理の流れを示す図である。
【0105】
携帯機器3は、ユーザにより電源が投入され、制御部31が起動すると、メモリ32からプログラム32aを読み出して起動処理を実行する。起動処理が完了すると、制御部31はメモリ32からアプリケーション32bを読み出し、アプリケーション32bを実行する(ステップS51)。なお、制御部31は、起動処理の完了後、直ちにアプリケーション32bを実行しない場合は、実行準備の処理を行う。この場合、制御部31は、所定時間経過後又は所定処理の実行後にアプリケーション32bを実行すればよい。
【0106】
次に、近距離通信部36が、車両用装置2の近距離通信部5と通信可能に無線接続を行う(ステップS52)。近距離通信部36は電波の受信待機状態を維持し、車両用装置2の近距離通信部5が、所定の電波を発信すると無線接続の制御が開始される。
【0107】
近距離通信部36が、車両用装置2の近距離通信部5と通信可能に無線接続を行うと、近距離通信部5から送信される車両1の現在位置の周辺の単位地図6bAを9つ受信する(ステップS53)。制御部31は、近距離通信部36が車両1の現在位置の周辺の9つの単位地図6bAを受信したと判断すると、ディスプレイ33に受信した地図を表示する。なお、表示される地図の範囲は、9つの単位地図6bAのうち、車両位置MVを含めたディスプレイ33の解像度に応じた表示領域である。すなわち、制御部31は、9つの単位地図6bAからディスプレイ33の表示領域をいわゆるトリミング処理することで、かかる表示領域について地図の表示を行う。なお、制御部31は、車両用装置2から単一の単位地図6bAのみを受信して地図の表示を行ってもよい。この際には、表示領域の形状に地図をトリミング処理する必要がない。
【0108】
近距離通信部36は、近距離通信部5から送信される車両1の位置情報を受信する(ステップS54)。制御部31は、近距離通信部36が車両1の位置情報を受信したと判断すると、ディスプレイ33に車両1の位置を地図に重畳して表示する。
【0109】
次に、制御部31は、差分地図が必要か否か判断する(ステップS55)。差分地図が必要となる場合は、地図上の車両1が隣接する単位地図6bAの範囲へ移動した場合、及び携帯機器3のユーザが操作部35を操作して地図の表示を移動、いわゆるスクロールさせた場合である。ディスプレイ33の表示領域6bDが取得済みの単位地図6bAの範囲から逸脱することにより、表示領域6bD内に地図が表示されない領域が発生するからである。
【0110】
制御部31は、差分地図を必要と判断した場合(ステップS55でYes)、近距離通信部36を介して、差分地図を要求する信号である差分地図要求信号S6を車両用装置2へ送信する(ステップS56)。差分地図要求信号S6は、要求する差分地図の範囲を特定する情報が付与される。差分地図を特定する情報は、例えば、緯度・経度や住所、差分地図を他の地図と識別する符号、又は差分地図が必要な方角である。
【0111】
なお、ステップS55でNoの場合、すなわち制御部31が、差分地図を必要と判断しない場合は、ステップS58に進む。
【0112】
制御部31による差分地図要求信号S6を送信後、近距離通信部36は車両用装置2から送信される差分地図としての単位地図6bAを受信する(ステップS57)。単位地図6bAが受信されると、制御部31は、受信した単位地図6bAを含む9つの単位地図6bAのうちディスプレイ33の表示領域に該当する領域6bDをディスプレイ33に表示する(ステップS58)。なお、制御部31が差分地図を必要と判断せずに、ステップS58に進んだ場合には、既に受信した単位地図6bAを含む9つの単位地図6bAのうち、ディスプレイ33の表示領域に該当する領域6bDを、車両1の位置に応じてディスプレイ33に表示する。
【0113】
次に、制御部31は、携帯機器3のユーザによる、広範囲の地図情報の送信要求、すなわち広範囲地図のダウンロード要求があるか判断する(ステップS59)。携帯機器3のユーザは、操作部35を操作することにより、ダウンロード要求を行うことができる。この場合、操作部35にダウンロードを要求する旨のタッチパネル用ボタンを表示しておけばよく、携帯機器3のユーザがダウンロード要求を行う場合には、操作部35を操作してかかる要求を入力すればよい。したがって、制御部31は、ダウンロード要求があるか判断する際には、操作部35へのユーザによる入力操作があったかを判断すればよい。なお、携帯機器3のユーザが、かかる広範囲の地図情報のダウンロード要求を行うのは、例えば、車両1を降車して携帯機器3を車外へ持ち出そうとする場合である。これにより、携帯機器3のユーザは、携帯機器3にて広範囲の地図を参照することができるためである。
【0114】
制御部31は、携帯機器3のユーザによるダウンロード要求があると判断する場合(ステップS59でYes)、近距離通信部36を介して、広範囲の地図情報の送信を要求する信号であるダウンロード要求信号S2を車両用装置2へ送信する(ステップS60)。ダウンロード要求信号S2が車両用装置2へ送信されると、処理はステップS64へ進む。
【0115】
一方、制御部31が携帯機器3のユーザによるダウンロード要求がないと判断した場合(ステップS59でNo)、制御部31は、携帯機器3のユーザによる、携帯機器3と車両用装置2との無線接続の解除の指示があるか判断する(ステップS61)。携帯機器3のユーザが、かかる無線接続の解除の要求を行うのは、例えば、車両1を降車して携帯機器3を車外へ持ち出そうとする場合である。携帯機器3が車外へ持ち出される際には、もはや車両用装置2との無線接続を継続する必要はないからである。
【0116】
携帯機器3のユーザは、操作部35を操作することにより、接続の解除の指示を行うことができる。この場合、ディスプレイ33に接続を解除する旨のタッチパネル用ボタンを表示しておけばよい。
【0117】
制御部31が携帯機器3のユーザによる接続の解除の指示があると判断すると(ステップS61でYes)、制御部31は、近距離通信部36を介して、無線接続の解除を指示する旨の解除指示信号S3を車両用装置2へ送信する(ステップS62)。
【0118】
一方、制御部31が携帯機器3のユーザによる無線接続の解除の指示がないと判断すると(ステップS61でNo)、制御部31は、近距離通信部36が車両用装置2から送信される広範囲地図6cOの情報を受信したか判断する(ステップS63)。なお、ステップS63でかかる判断を行うのは、携帯機器3のユーザによる無線接続の解除の指示がない場合であっても、車両用装置2から携帯機器3へ広範囲地図が送信される場合があるからである。例えば、図5におけるステップS33の処理に示すように、車両1のIGスイッチがオフとされた際、広範囲地図情報が携帯機器3へ送信される場合がある。
【0119】
制御部31は、広範囲地図6cOの情報を受信したと判断すると(ステップS63でYes)、ステップ70へ進む。また、制御部31は、かかる情報を受信しないと判断すると(ステップS63でNo)、ステップS54へ戻り、車両用装置2から送信される位置情報の受信の処理及び当該処理に続く各処理を再度実行する。
【0120】
一方、制御部31は、ステップS62において解除指示信号S3を車両用装置2へ送信すると、携帯機器3のユーザによる広範囲地図6cの大きさの指定があるか判断する(ステップS64)。携帯機器3のユーザは、操作部35を操作することにより、広範囲地図6cの大きさの指定を行うことができる。この場合は、ディスプレイ33に地図の大きさを示すタッチパネル用ボタンを表示しておけばよい。
【0121】
制御部31は、広範囲地図6cの範囲の大きさの指定があると判断すると(ステップS64でYes)、かかる指定された範囲の大きさを示す地図範囲指定信号S7を車両用装置2へ送信する(ステップS65)。地図範囲指定信号S7は、地図の範囲の大きさを示す情報として、例えば、「大きい」、「ふつう」、「小さい」の範囲を識別する情報を含む。また、携帯機器3のユーザは、広範囲地図の範囲を任意に指示してもよい。この場合、携帯機器3のユーザから操作部35へ広範囲地図の範囲の入力を受け付け、受け付けた広範囲地図の範囲を車両用装置2へ送信するよう構成すればよい。携帯機器3のユーザが入力する広範囲地図の範囲は、例えば、10km四方等の数値である。
【0122】
制御部31が地図範囲指定信号S7を車両用装置2へ送信すると、近距離通信部36が、車両用装置2から返信されたユーザの指定した範囲の広範囲地図6cを受信する(ステップS66)。なお、かかる広範囲地図6cは、車両用装置2から送信される広範囲地図6cL、6cO又は6cSのいずれかである。また、ユーザが地図の範囲を任意に指定した場合は、任意の範囲の地図情報である。
【0123】
一方、制御部31は、広範囲地図6cの範囲の大きさの指定がないと判断すると(ステップS64でNo)、近距離通信部36が、車両用装置2から返信された広範囲地図6cを受信する(ステップS67)。この場合、車両用装置2からは予め設定された範囲の広範囲地図6cが送信される。携帯機器3のユーザによる、地図範囲の指定がないためである。近距離通信部36が広範囲地図6cを受信すると、処理はステップS68に進む。
【0124】
ステップS68の処理は、ステップS66において指定された範囲の地図情報を受信した場合、及びステップS67において広範囲の地図情報を受信した場合に実行される。ステップS68では、制御部31が、指定範囲地図又は広範囲地図の受信が携帯機器3のユーザによるダウンロード要求に基づくものか否かを判定する。これにより、制御部31は、携帯機器3と車両用装置2との接続の解除が必要か否か判定できる。すなわち、ユーザから地図のダウンロード要求がなされた場合は、ユーザが接続の解除を希望した場合でないため、接続の解除の処理を実行する必要がない。この場合、上位のステップに戻り各処理を再度実行することが好ましい。したがって、ステップS68において、指定範囲地図又は広範囲地図の受信が携帯機器3のユーザによるダウンロード要求に基づくものと判定した場合は、ステップSに54に戻る(ステップS68でYes)。ステップS54以降の処理内容は、既述の通りである。
【0125】
一方、ステップS68において、指定範囲地図又は広範囲地図の受信が携帯機器3のユーザによるダウンロード要求に基づかないものと判定された場合、すなわち、ユーザからの接続解除の指示に基づく場合は、ステップS69に進む(ステップS68でNo)。
【0126】
ステップS68でNoと判断された場合、制御部31は、近距離通信部36を制御して、車両用装置2と接続の解除処理を実行する(ステップS69)。
【0127】
次に、制御部31は、ステップS63、S65、S67で受信した地図情報をディスプレイ33に表示する(ステップS70)。これにより、車両1に乗車していた携帯機器3のユーザは、降車後に広範囲の地図を参照して、観光地内の移動やさらに遠方の目的地へ向けた移動を行うことができる。
【0128】
制御部31により広範囲地図がディスプレイ33に表示されると、携帯機器における処理は終了する。
【0129】
図7は、携帯機器3におけるユーザへの問い合わせ表示33aを示す図である。問い合わせ表示33aは、図6のステップS52において、携帯機器3のユーザが地図範囲を指定する際に、操作部35へ所定の操作等を行うことでディスプレイ33に表示される。ディスプレイ33がタッチパネルにて構成される場合は、携帯機器3のユーザは、各問い合わせに対する回答箇所をタッチペンや指で接触(タッチ)することで、回答を入力することができる。かかる回答の入力を受け付けた制御部31は、回答の内容に応じて、図6におけるステップS55又はステップS53の処理を実行する。例えば、問い合わせ表示33aにおいて、「地図の範囲を選択しますか?」の問い合わせに対し、「いいえ」との回答が入力された場合は、制御部31は、図6におけるステップS67の処理を実行する。同様に「はい」との回答が入力された場合は、さらに、地図の場所及び地図の範囲を問い合わせたうえ、制御部31は、図6におけるステップS65の処理を実行する。
【0130】
なお、携帯機器3のユーザは操作部35を操作することで、図示しないカーソルを移動させることにより、回答を入力させてもよい。また、問い合わせ内容を音声により、スピーカ34から出力し、携帯機器3のユーザが操作部35を操作して、音声による問い合わせに対して回答を入力してもよい。
【0131】
以上説明したように、本実施の形態に係る車両用装置2においては、車両用装置2は、通信可能に接続した携帯機器3に車両周辺の所定範囲の地図情報(9つの単位地図)を送信し、所定の条件の成立が検出されたときには、かかる所定範囲より広い範囲の地図情報(広範囲地図)を携帯機器3に送信する。これにより、車両に乗車していた携帯機器3のユーザは、所定の条件の成立後に広い範囲の地図を参照して、観光地内の移動やさらに遠方の目的地へ向けた移動を行うことができる。
【0132】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態は、車両用装置において車両1の停車を予測し、予測結果に基づいて広範囲の地図情報を携帯機器3へ送信するものである。すなわち、第2の実施の形態の判定部4aは、車両1の停車を予測した場合に、所定の条件が成立したと判定する。車両1の停車を予測する場合とは、例えば、車速が10km/h以下に低下した場合、あるいは、車両1が駐車場に入場した場合である。これにより、車両に乗車していた携帯機器3のユーザは、降車後に広い範囲の地図を参照して、観光地内の移動やさらに遠方の目的地へ向けた移動を行うことができる。
【0133】
第2の実施の形態の車両用装置2及び携帯機器3の構成及び処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0134】
図8は、第2の実施の形態における車両用装置2での処理の流れを示すフローチャートである。第2の実施の形態における車両用装置2での処理の流れは、図5に示す第1の実施の形態の車両用装置2と一部で構成を相違している。具体的には、車両用装置2は、車両1の車速が10km/h以下となったか及び車両1が駐車場に入場したかを判定する処理を新たに備えている。
【0135】
図8のステップS21〜ステップS24までは、図5における処理と同様のため、説明を省略する。
【0136】
ステップ24において位置情報の送信を実行すると、判定部4aは車速取得部7からの信号に基づいて、車両1の速度が時速10km以下となったか判断する(ステップS71)。車両1の速度が時速10km以下となると、車両1が停車し、乗員の降車が予想されるため、携帯機器3へ広範囲地図情報の送信の必要が生じ得る。携帯機器3のユーザは、降車後に徒歩等により目的地へ移動する可能性があるためである。
【0137】
判定部4aにより車両1の速度が時速10km以下となったことを検出すると(ステップS71でYes)、判定部4aは、判定信号S1を地図送信部4bへ送信する。この際、判定部4aは、判定信号S1に速度が時速10km以下となった旨の情報を付加しておく。判定信号S1を受信した地図送信部4bが、判定信号S1を送信する複数の条件のうち、いずれの条件が成立したかを判別できるようにするためである。
【0138】
さらに、地図送信部4bは、広範囲地図情報6cから「ふつう」の範囲の広範囲地図6cOを取得し、近距離通信部5へ送信する。なお、車両1の速度が時速10km以下を検出したことによる広範囲地図情報の送信においては、「ふつう」の範囲の広範囲地図6cOを送信すればよい。携帯機器3のユーザが接続の解除を要求しておらず、判定部4aが車両1の停車を予測したのみだからである。
【0139】
広範囲地図6cOを受信した近距離通信部5は、携帯機器3へ広範囲地図6cOを送信する(ステップS73)。次に、地図送信部4bは、広範囲地図6cOの送信が完了したか判断し(ステップS74)、完了していないと判断する場合はステップS73に戻る。この場合、地図送信部4bは地図情報の送信を継続する。一方、地図送信部4bが、広範囲地図6cOの送信が完了したと判断する場合(ステップS74でYes)は、ステップS35へ進む。ステップS35及びそれに続く各ステップの処理は、図5における処理と同様のため、説明を省略する。
【0140】
なお、交通規則に基づく単なる一時停止や、いわゆる赤信号による停車の場合は、速度が時速10km/h以下となってもユーザが降車することはない。このため、ステップS71でYesとなっても、ユーザが降車しない場合も生じ得る。この場合、携帯機器3に送信された広範囲地図情報は、後に他の地図情報等が送信されることにより、いわゆる上書き記録されて消去される。したがって、近距離通信部5は、ユーザが降車しない場合に広範囲地図情報を送信しても、車両用装置2及び携帯機器3ともに何ら問題を生じさせることがないうえ、車両1の停車による無線接続の解除を事前に予測して、確実な広範囲地図情報の送信を完了できる。
【0141】
一方、ステップS71において、判定部4aが車両1の速度が時速10km/h以下となったことを検出しない場合(ステップS71でNo)、判定部4aはナビゲーション部4eから、車両1が駐車場に入場した旨を示す信号(入場信号S8)を受信したか判断する(ステップS72)。車両1が駐車場に入場すると、車両1から乗員の降車が予想されるため、携帯機器3へ広範囲地図情報の送信の必要が生じ得る。携帯機器3のユーザは、降車後に徒歩等により目的地へ移動する可能性があるためである。
【0142】
判定部4aにより車両1が駐車場へ入場したことを検出すると(ステップS72でYes)、判定部4aは、車両1が駐車場へ入場した旨の情報を付加した判定信号S1を地図送信部4bへ送信する。なお、ナビゲーション部4eは、位置取得部4dから送信される位置情報及び地図送信部4bから送信される地図情報6bに基づき、車両1が駐車場へ入場したか否かを定期的に監視する。ナビゲーション部4eは、車両1が駐車場へ入場したと判断すると、判定部4aへ入場信号S8を送信する。したがって、判定部4aは、ナビゲーション部4eから送信される入場信号S8を受信した場合に、車両1が駐車場へ入場したと判断すればよい。
【0143】
ステップS72でYesとなった場合は、前述のステップS73へ進む。なお、ステップS71及びステップS72のいずれかでYesとなる場合は、判定部4aが車両1の停車を予測した場合である。
【0144】
一方、ステップS72において車両1が駐車場に入場しないと判断した場合(ステップS72でNo)、ステップS35の処理が実行される。ステップS35及びそれに続く各ステップの処理は、図5における処理と同様のため、説明を省略する。
【0145】
なお、第2の実施の形態においては、ステップS74にて広範囲地図情報の送信が完了したと判断された場合であっても、上位のステップへ戻り、処理を繰り返すこととなる。ステップS74における広範囲地図情報の送信は、車両1の停車を予測した場合であって、必ずしも車両1が停車されるものでないためである。したがって、本実施の形態においては、広範囲地図情報の送信が完了した場合であっても、差分地図情報の送信や位置情報の取得等の処理を繰り返し実行することが好ましい。したがって、本実施の形態における処理が終了するのは、車両用装置への電源の供給が断たれた場合、すなわちIGスイッチがオフとされる場合である。
【0146】
このように第2の実施の形態においては、車両1の停車を予測した場合に、所定の条件が成立したと判定され、携帯機器3へ広範囲地図が送信される。このため、IGスイッチがオンの間に携帯機器3へ広範囲地図を送信することができる。したがって、車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないように制御するなどの複雑な制御が不要となる。
【0147】
なお、本実施の形態でも、携帯機器3からダウンロード要求信号S2を受信した場合にも、判定部4aが所定の条件が成立したと判定し、携帯機器3へ広範囲地図が送信されるようになっていてもよい。
【0148】
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態は、車両1で用いられる車両用装置2が携帯機器3と無線接続したときに、携帯機器3が実行中または実行予定のアプリケーションの名称をディスプレイ11に表示させるものである。これにより、ユーザは、車両用装置2と携帯機器3との無線接続の際に、携帯機器で実行されるアプリケーションの名称を車両用装置2のディスプレイ11で確認することができる。
【0149】
第3の実施の形態の車両用装置2及び携帯機器3の構成及び処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0150】
<3−1.車両用装置の構成>
図9は、第3の実施の形態における車両用装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態における車両用装置2の構成は、図2に示す第1の実施の形態の車両用装置2とほぼ同様であるが、一部で構成を相違している。具体的には、車両用装置2は、メモリ6に名称情報NA及び識別情報IDを記憶している。また、車両用装置2は、制御部4に登録部4f及び表示制御部4gを備えている。
【0151】
名称情報NAは、携帯機器3のメモリ32に記憶されたアプリケーション32bの名称に関する情報である。名称情報NAは、例えば、「歩行者用ナビゲーション」や「車内で観光地案内」といったアプリケーションの名称である。
【0152】
識別情報IDは、携帯機器3のメモリ32に記憶された携帯機器3の識別に関する情報である。識別情報IDは、携帯機器3に固有の番号であり、シリアルナンバー等により構成される。なお、名称情報NA及び識別情報IDは、メモリ6に記憶される際、相互に関連付けられる。
【0153】
登録部4fは、車両用装置2が携帯機器3と接続されたと判断すると、近距離通信部5を介して、携帯機器3にて実行中又は実行予定のアプリケーションの名称情報NA、及び携帯機器3の識別情報IDを送信するよう携帯機器3に要求する。登録部4fは、携帯機器から名称情報NA及び識別情報IDが送信されると、名称情報NAを制御部4に備えた表示制御部4gへ送信し、名称情報NA及び識別情報IDをメモリ6へ登録する。なお、登録部4fは、携帯機器3の識別情報IDのみを送信するよう携帯機器3に要求してもよい。この場合、登録部4fは、携帯機器3から受信した識別情報IDに関連付けられた名称情報NAをメモリ6から読み出し、表示制御部4gへ送信してもよい。
【0154】
表示制御部4gは、文字や画像をディスプレイ11に表示させ、また音声をスピーカ12から出力させる。表示制御部4gは、登録部4fから名称情報NAが送信された場合に、かかる名称情報NAをディスプレイ11に表示する。なお、表示制御部4gは、登録部4fから名称情報NAが送信された場合に、かかる名称情報NAを示す音声をスピーカ12から出力してもよい。また、近距離通信部5から、携帯機器3との無線接続の成功又は失敗を示す接続信号S9が送信された場合、成功又は失敗を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる。
【0155】
<3−2.携帯機器の構成>
図10は、第3の実施の形態における携帯機器3の構成を示す図である。第3の実施の形態における携帯機器3の構成は、図3に示す第1の実施の形態の携帯機器3とほぼ同様であるが、一部で構成を相違している。具体的には、携帯機器3は、メモリ32に名称情報NA及び識別情報IDを記憶している。
【0156】
名称情報NAは、メモリ32に記憶されたアプリケーション32bの名称に関する情報であり、図9おける名称情報NAと同一の情報である。なお、アプリケーション32bが他のアプリケーションに変更されると、かかる変更に応じた名称が名称情報NAとなる。なお、図9においては、携帯機器がアプリケーション32bとして単一のアプリケーションの名称を記憶する例を示すが、複数のアプリケーションを記憶できる場合は、現在実行中のアプリケーションの名称に関する情報が記憶される。
【0157】
識別情報IDは、メモリ32に記憶された携帯機器3の識別に関する情報であり、図9おける識別情報IDと同一の情報である。
【0158】
名称情報NA及び識別情報IDは、携帯機器3と車両用装置2との接続の際に、車両用装置2への送信が要求されると、制御部31により近距離通信部36を介して、車両用装置2へ送信される。
【0159】
<2−3.車両用装置の処理>
次に、第3の実施形態における車両用装置2の処理について説明する。
【0160】
図11は、車両用装置2での処理の流れを示す図である。かかる処理は、車両1のIGスイッチがオンとされることにより、開始される。
【0161】
まず、登録部4fが、車両用装置2に登録された携帯機器3があるか否か判断する(ステップS81)。登録された携帯機器3がある場合は、メモリ6に識別情報IDが登録されている場合であり、登録された携帯機器3がない場合は、メモリ6に識別情報IDが登録されていない場合である。すなわち、車両用装置2が携帯機器3と接続されたことがない場合には、登録された携帯機器3がない場合となる。登録部4fが車両用装置2に登録された携帯機器3がないと判断すると(ステップS81でNo)、近距離通信部5は、携帯機器3との無線接続の処理を行う(ステップS82)。なお、登録部4fは、車両用装置2に登録された携帯機器3があるか否か判断する代わりに、車両用装置2に登録されたアプリケーション名称があるか否か判断してもよい。この場合は、無線接続される携帯機器3が常に同一の機器となる場合であり、識別情報IDを参照する必要がないためである。登録されたアプリケーション名称がある場合は、メモリ6に名称情報6dが登録されている場合である。
【0162】
次に、近距離通信部5は、携帯機器3との無線接続が成功したか否か判断し(ステップS83)、接続に失敗したと判断した場合は(ステップS83でNo)、接続の失敗を示す接続信号S9を表示制御部4gへ送信する。なお、近距離通信部5が携帯機器3との無線接続に失敗する場合とは、近距離通可能な範囲内に携帯機器3が存在しなかった場合や携帯機器3のユーザが無線接続を欲せず、無線接続を行わないよう携帯機器3を操作した場合である。
【0163】
接続の失敗を示す接続信号S9を受信した表示制御部4gは、接続の失敗を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS84)。ステップS84を実行すると、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。
【0164】
一方、ステップS83において、近距離通信部5が、携帯機器3との無線接続が成功したと判断した場合は(ステップS83でYes)、接続の成功を示す接続信号S9を表示制御部4gへ送信する。
【0165】
接続の成功を示す接続信号S9を受信した表示制御部4gは、接続の成功を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS85)。
【0166】
ステップS85が実行されると、登録部4fは、携帯機器3で実行中又は実行予定のアプリケーションの名称情報NA、及び携帯機器3の識別情報IDを送信するよう、携帯機器3に要求する(ステップS86)。次に、登録部4fは、名称情報NAを受信したか否か判断し(ステップS87)、受信しないと判断する場合は、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。登録部4fは、所定時間内に名称情報NAを受信したか否か判断すればよい。登録部4fが、名称情報NAを受信しない場合とは、名称情報NAを要求後、携帯機器3により無線接続が解除された場合や無線通信の不具合により名称情報NAの全てが送信されなかった場合である。無線通信の不具合が発生したと考えられる場合は、車両用装置2の処理の終了後、ステップS81の処理から再度実行することが望ましい。無線通信の不具合が解消している場合があるからである。
【0167】
一方、ステップS87において、登録部4fが、名称情報NAを受信したと判断した場合は(ステップS87でYes)、登録部4fは名称情報NAを表示制御部4gへ送信する。登録部4fから名称情報NAを受信した表示制御部4gは、名称情報NA示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS88)。名称情報NAを表示制御部4gへ送信した登録部4fは、名称情報NAをメモリ6へ登録し(ステップS89)、識別情報IDを同時に受信している場合は、識別情報IDをメモリ6へ登録する(ステップS90)。ステップS90を実行すると、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。
【0168】
次に、ステップS81に戻り、登録部4fが車両用装置2に登録された携帯機器3があると判断した場合(ステップS81でYes)について説明する。この場合、ナビゲーション部4eが、直近のイグニッションスイッチがオフされた時の、車両用装置2の制御モードが携帯機器モードであったか否かを判断する(ステップS81)。なお、車両用装置2の制御モードは、携帯機器モードの他、オーディオモードやナビゲーションモードがあり、車両用装置2のユーザが操作部10を操作し、モード変更信号S10を入力することでモードの変更が行われる。
【0169】
車両用装置2が、ナビゲーション部4eによりナビゲーションのみを実行する場合は、制御モードはナビゲーションモードとなる。また、車両用装置2が、近距離通信部5により携帯機器3と情報及び信号の送受信を実行する場合は、制御モードは携帯機器モードである。なお、携帯機器モードでは、ナビゲーション部4eによるナビゲーションが同時に実行される場合もある。なお、ナビゲーション部4eは、IGスイッチがオフされた時の、車両用装置2の制御モードを記憶している。また、車両用装置2は、ナビゲーションモード及び携帯機器モードに加えて他の制御モードを備えてもよい。
【0170】
ナビゲーション部4eが、直近のIGスイッチがオフされた時の、車両用装置2の制御モードがオーディオモードであると判断した場合は(ステップS91でYes)、ディスプレイ11にオーディオ用画面を表示する(ステップS92)。一方、ナビゲーション部4eが、同様に制御モードがオーディオモードでないと判断した場合、すなわち携帯機器モード又はナビゲーションモード等であると判断した場合は(ステップS91でNo)、ステップS94に進む。
【0171】
ディスプレイ11にオーディオ用画面を表示すると、ナビゲーション部4eは、車両用装置2のユーザにより、携帯機器モードへ移行させる制御がなされたか判断する(ステップS93)。すなわち、ナビゲーション部4eがディスプレイ11にオーディオ用画面を表示した後、車両用装置2のユーザが携帯機器モードへの移行を希望し、操作部10を操作してナビゲーション部4eへモード変更信号S10を入力する場合があるからである。
【0172】
ナビゲーション部4eが、携帯機器モードへ移行させる制御がなされない、すなわち車両用装置2のユーザがオーディオモードを希望したと判断すると(ステップS93でNo)、ナビゲーション部4eは、継続してディスプレイ11にオーディオ用画面を表示し、モード変更信号S10の入力待機状態となる。車両用装置2は、オーディオモードを継続して実行すればよく、携帯機器との無線接続を行う必要がないからである。
【0173】
一方、ナビゲーション部4eが、携帯機器モードへ移行させる制御がなされた、すなわち車両用装置2のユーザが操作部10を操作してナビゲーション部4eへモード変更信号S10を入力したと判断すると(ステップS93でYes)、ステップS94へ進む。
【0174】
ステップS94では、登録部4fが、メモリ6に登録してある名称情報NAを読み出し、読み出した名称情報NAを表示制御部4gへ送信する。ステップS94が実行されるのはステップS91において登録された携帯機器3があると判断された場合、すなわちメモリ6に名称情報NAが登録されている場合であるため、ステップS94で登録部4fは、名称情報NAを読み出すことができる。
【0175】
名称情報NAを受信した表示制御部4gは、名称情報NAを示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS95)。
【0176】
表示制御部4gにより名称情報NAがディスプレイ11に表示されると、近距離通信部5は、携帯機器3との無線接続を行う(ステップS96)。
【0177】
次に、近距離通信部5は、携帯機器3との無線接続が成功したか否か判断し(ステップS97)、接続に失敗したと判断した場合は(ステップS97でNo)、接続の失敗を示す接続信号S9を表示制御部4gへ送信する。なお、近距離通信部5が携帯機器3との無線接続に失敗する場合とは、近距離通可能な範囲内に携帯機器3が存在しなかった場合や携帯機器3のユーザが無線接続を欲せず、無線接続を行わないよう携帯機器3を操作した場合である。
【0178】
接続の失敗を示す接続信号S9を受信した表示制御部4gは、接続の失敗を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS98)。ステップS98が実行されると、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。
【0179】
一方、ステップS97において、近距離通信部5が、携帯機器3との無線接続が成功したと判断した場合は(ステップS97でYes)、接続の成功を示す接続信号S9を表示制御部4gへ送信する。
【0180】
接続の成功を示す接続信号S9を受信した表示制御部4gは、接続の成功を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS99)。ステップS99が実行されると、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。
【0181】
なお、ステップS95の表示制御部4gによる名称情報NAのディスプレイ11への表示制御は、近距離通信部5が携帯機器3と無線接続を成功した後に実行してもよい。この場合、表示制御部4gは、接続の成功を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる前又は後に名称情報NAをディスプレイ11に表示させてもよい。また、表示制御部4gは、接続の成功を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させると同時に、名称情報NAをディスプレイ11に表示させてもよい。名称情報NAのディスプレイ11への表示制御が、無線接続の成功後に実行されることで、名称情報NAにより示されたアプリケーションが必ず実行されるため、ユーザは名称情報NAの表示を安心して参照できる。無線接続が成功していれば、ディスプレイ11に示された名称情報NAのアプリケーションが必ず実行されるためである。
【0182】
<3−4.携帯機器の処理>
図12は、第3の実施の形態における携帯機器3での処理の流れを示す図である。
【0183】
第3の実施の形態における携帯機器3の処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0184】
ステップS51及びステップS52が実行されると、携帯機器3の制御部31は、車両用装置2からアプリケーション名称の送信の要求を近距離通信部36が受信したか判断する(ステップS101)。制御部31がアプリケーション名称の送信の要求を近距離通信部36が受信したと判断すると(ステップS101でYes)、制御部31はメモリ32から名称情報NA及び識別情報IDを読み出し、近距離通信部36を介して車両用装置2へ送信する(ステップS102)。
【0185】
制御部31が名称情報NA及び識別情報IDを車両用装置2へ送信すると、処理はステップS53へ進む。また、制御部31がアプリケーション名称の送信の要求を近距離通信部36が受信しないと判断した場合も(ステップS101でNo)処理はステップS53へ進む。
【0186】
なお、ステップS53以降の処理は、図6における携帯機器3の処理の流れと同様のため、説明を省略する。
【0187】
以上説明したように、本実施の形態における車両用装置2では、車両1で用いられる車両用装置2が携帯機器3と無線接続したときに、携帯機器3が実行中または実行予定のアプリケーションの名称をディスプレイ11に表示させる。これにより、ユーザは、車両用装置2と携帯機器3との無線接続の際に、携帯機器で実行されるアプリケーションの名称を車両用装置2のディスプレイ11で確認することができる。
【0188】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0189】
上記第1ないし第3の実施の形態では、車両用装置2は、ユーザへのナビゲーション機能を備えると説明したが、ナビゲーション機能を備えなくともよい。また、車両用装置2は、地図情報を予め記憶していると説明したが、地図情報を予め記憶しなくともよい。この場合、車両用装置2は、地図情報を備えた情報センターと無線接続し、ネットワークを介して地図情報を取得すればよい。すなわち、車両用装置2は、地図情報を携帯機器3へ送信できる装置であればよい。
【0190】
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、操作部、ディスプレイ、及びスピーカは別装置であると説明したが、これらは一体化されていてもよい。
【0191】
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、車両用装置2と携帯機器3とは近距離通信部により無線通信すると説明したが、有線で通信するようにしてもよい。
【0192】
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、広範囲地図6cL、6cP、6cSは、車両位置MVの周辺、車両1の目的地の周辺又は車両1の目的地に至る経由地の周辺と説明したが、携帯機器3のユーザの指定する任意の位置周辺の地図でもよい。この場合、携帯機器3のディスプレイ33に住所や地図を表示し、ユーザが任意の位置を指定すればよい。
【0193】
また、車両用装置2の近距離通信部5と携帯機器3の近距離通信部36とが通信可能に無線接続を行う際は、いずれかの近距離通信部が定期的に電波を発信し、他方の近距離通信部が、かかる電波を受信して無線接続の制御を開始するよう構成してもよい。すなわち、いずれかの近距離通信部が接続待機し、他方の近距離通信部が接続を要求するよう構成してもよい。
【0194】
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理により、各種機能がソフトウェアにより実現されると説明したが、これら機能のうちの一部はハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0195】
1 車両
2 車両用装置
3 携帯機器
4 制御部
5 近距離通信部
6 メモリ
7 車速取得部
8 スイッチ検出部
9 アンテナ
10 操作部
11 ディスプレイ
12 スピーカ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用装置と携帯機器とが通信可能に接続され、接続中は車両用装置から自車両の現在位置を含む所定範囲の地図情報を携帯機器に送信し、携帯機器で地図を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−251698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、送信する地図情報の容量が大きい場合、送信時間が長時間となるため、移動する自車両の現在位置に相当する地図情報を表示できないおそれが生じる。このため、接続中に送信する地図情報は、地図の範囲を限定した小容量の情報であることが好ましい。一方で、携帯機器のユーザは、車両の降車後に、携帯機器で地図を参照したいという要望がある。この場合、ユーザは可能な限り広い範囲の地図を参照できることが望ましいが、接続中に送信された小容量の地図情報ではこの要望を必ずしも満足できないという問題がある。
【0005】
また、車両用装置と携帯機器が通信可能に接続される際において、携帯機器で実行中又は実行予定のアプリケーションの名称を、車両側の表示装置でも確認したいという要望がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、第一の目的は、携帯機器のユーザが、比較的広い範囲の地図を携帯機器で参照できるようにすることである。
【0007】
また、第二の目的は、車両用装置と携帯機器が通信可能に接続される際、携帯機器で実行中又は実行予定のアプリケーションの名称を車両側の表示装置で確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する車両用装置であって、所定の条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記携帯機器と通信可能に接続する接続手段と、前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する第1送信手段と、前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する第2送信手段と、を備える。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記判定手段は、前記携帯機器から送信される前記第2地図情報の送信を要求する信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記判定手段は、前記接続の解除を指示する信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記判定手段は、前記車両用装置の駆動停止状態への移行を示す信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記判定手段は、前記車両の停車を予測した場合に、前記所定の条件が成立したと判定する。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項3または4に記載の車両用装置において、前記第2地図情報の前記携帯機器への送信が完了してから、前記接続を解除する解除手段、をさらに備える。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の車両用装置において、前記第2地図情報は、前記第1地図情報より詳細な地図情報である。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用装置において、前記第2地図情報は、前記車両の周辺の地図情報である。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装置において、前記第2地図情報は、ユーザが指定した範囲の地図情報である。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の車両用装置において、前記接続手段が前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる表示制御手段、をさらに備える。
【0018】
また、請求項11の発明は、車両で用いられる車両用装置から携帯機器に地図情報を送信する情報送信方法であって、所定の条件が成立したか否かを判定する工程と、前記携帯機器と通信可能に接続する工程と、前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、を備える。
【0019】
また、請求項12の発明は、車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、所定の条件が成立したか否かを判定する工程と、前記携帯機器と通信可能に接続する工程と、前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、を実行させる。
【0020】
また、請求項13の発明は、車両で用いられる車両用装置であって、携帯機器と通信可能に接続する接続手段と、前記接続手段が前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0021】
また、請求項14の発明は、請求項13に記載の車両用装置において、前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を記憶する記憶手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記記憶手段に前記名称情報が記憶されている場合は、前記接続手段が前記携帯機器と接続するときに、前記記憶手段に記憶された前記名称情報を前記表示手段に表示させる。
【0022】
また、請求項15の発明は、車両で用いられる情報表示方法であって、(a)携帯機器と通信可能に接続する工程と、(b)前記工程(a)で前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する工程と、(c)前記工程(b)で受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる工程と、を備える。
【0023】
また、請求項16の発明は、車両で用いられる車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、(a)携帯機器と通信可能に接続する工程と、(b)前記工程(a)で前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する工程と、(c)前記工程(b)で受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1、11及び12の発明によれば、所定の条件の成立が検出されたときは、接続中よりも広い範囲の地図データを携帯機器に送信するので、携帯機器のユーザは、所定の条件の成立時に広い範囲の地図を参照することができる。
【0025】
また、特に請求項2の発明によれば、第2地図情報の送信を要求する信号に基づいて広い範囲の地図情報の送信を行うので、広い範囲の地図情報の送信を確実に行うことができる。
【0026】
また、特に請求項3の発明によれば、接続の解除を指示する信号に基づいて広い範囲の地図情報の送信を行うので、広い範囲の地図情報の送信を確実に行うことができる。
【0027】
また、特に請求項4の発明によれば、車両用装置の駆動停止状態への移行を示す信号に基づいて所定の条件の成立を検出するので、広い範囲の地図情報の送信を確実に完了させることができる。
【0028】
また、特に請求項5の発明によれば、車両の停車の予測結果に基づいて広い範囲の地図情報の送信を行うので、広い範囲の地図情報の送信を確実に行うことができる。
【0029】
また、請求項6の発明によれば、広い範囲の地図情報が携帯機器に送信されてから接続を解除するので、広い範囲の地図情報の送信を確実に完了させることができる。
【0030】
また、特に請求項7の発明によれば、詳細な地図情報が携帯機器に送信されるので、ユーザは、車両の降車後に詳細な地図を参照して移動することができる。
【0031】
また、特に請求項8の発明によれば、第2地図情報は自車両周辺の地図情報であるので、ユーザは、車両の降車後に自車両周辺の地図を参照して移動することができる。
【0032】
また、特に請求項9の発明によれば、ユーザが指定した範囲の地図情報が携帯機器に送信されるので、ユーザは、車両の降車後に任意の範囲の地図を参照して移動することができる。
【0033】
また、特に請求項10、及び13ないし16の発明によれば、携帯機器で実行されるアプリケーションの名称を表示手段に表示させるので、ユーザは、携帯機器で実行されるアプリケーションの名称を表示手段で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、携帯機器に地図情報を送信する車両用システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、車両用装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、携帯機器の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、地図情報の構成を示す図である。
【図5】図5は、車両用装置における携帯機器に地図情報を送信する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、携帯機器における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、携帯機器におけるユーザへの問い合わせ表示を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施形態における車両用装置での処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、第3の実施形態における車両用装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、第3の実施形態における携帯機器の構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、第3の実施形態における車両用装置での処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、第3の実施形態における携帯機器での処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システム構成>
図1は、本実施の形態に係る携帯機器に地図情報を送信する車両用システム100の概要を示す図である。車両用システム100は、車両1内に車両用装置2及び携帯機器3を含み、車両用装置2から携帯機器3へ地図情報を送信するシステムである。各部の詳細は後に説明する。なお、以下においては、車両1の運転者を含む乗員や、車両用装置2及び携帯機器3を操作する者を「ユーザ」という場合がある。
【0037】
車両1内に設けられた車両用装置2は、車両1の周辺の地図を表示して運転者を目的地まで誘導するナビゲーション装置である。また、車両用装置2は、車両1の周辺の地図情報を近距離無線により車両1内の携帯機器3へ送信している。これにより、助手席や後部座席に座るユーザは、車両用装置2を操作せずとも手元の携帯機器3を用いて、車両1の周辺の地図を参照しつつ現在地や経由地、目的地に関する情報を閲覧することができる。
【0038】
また、車両用装置2は、車両1が停車する際やユーザが要求する際には、周辺の広範囲の地図情報を携帯機器3へ送信する。これにより、ユーザは、目的地が車両1の駐車地から遠隔にあっても、携帯機器3に送信された地図情報を参照して目的地へ到達することができる。
【0039】
このように、車両用システム100は、携帯機器3のユーザが車両1内部にあっては、車両用装置2の地図情報を受信して、周辺地図を参照し、ユーザが車両1の外部にあっては、広範囲の周辺地図により携帯機器3で目的地へ到達できるものである。
【0040】
<1−2.車両用装置の構成>
図2は、車両用装置2の構成を示す図である。車両用装置2は、制御部4、近距離通信部5、メモリ6、車速取得部7、IGスイッチ検出部8、GPSアンテナ9、操作部10、ディスプレイ11、及びスピーカ12を備える電子制御装置である。具体的な例としては、車両用装置2は、メモリ6に記憶した地図情報を用いて運転者を目的地へ誘導するナビゲーション装置である。なお、車両用装置2は、車両1に設置されたものでもよいし、ネットワークに接続した携帯機器でもよく、車両1の運転操作のために用いられる装置であればよい。
【0041】
制御部4は、判定部4a、地図送信部4b、解除部4c、位置取得部4d、及びナビゲーション部4eを備え、また図示しないCPU、RAM、及びROMを備えるコンピュータである。また、制御部4は、車両用装置2が備える近距離通信部5やメモリ6等と接続されたうえ、メモリ6に記憶されたプログラム6aに基づき、情報の送受信を行い、車両用装置2の全体を制御する。メモリ6に記憶されたプログラム6aに従ってCPUが演算処理を実行することにより、図中に示す判定部4a、地図送信部4b、解除部4c、位置取得部4d、及びナビゲーション部4e等の制御部4の機能が実現される。
【0042】
判定部4aは、予め設定された所定の条件が成立したか否かを判定する。そして、かかる条件が成立したと判定する場合は、条件成立を判定した旨の信号(判定信号S1)を出力する。なお、判定部4aは、所定の条件が複数設定された場合には、いずれの条件が成立を判定したかを判別する情報を判定信号S1に付加する。
【0043】
判定部4aは、携帯機器3から送信される広範囲の地図情報の送信を要求する信号(ダウンロード要求信号S2)が入力される。判定部4aは、ダウンロード要求信号S2を受信した場合に、所定の条件が成立したと判定する。
【0044】
また、判定部4aは、車両用装置2のユーザによる携帯機器3との接続の解除を指示する信号が入力され、かかる信号を受信した場合に、所定の条件が成立したと判定する。
【0045】
また、判定部4aは、携帯機器3から送信される接続の解除を指示する信号(解除指示信号S3)が入力され、かかる解除指示信号S3を受信した場合に、所定の条件が成立したと判定する。ユーザにより車両用装置2と携帯機器3との接続の解除が指示される場合には、携帯機器3のユーザが、車両の外部に出て、広範囲の地図を参照して移動することを希望していると考えられるためである。
【0046】
また、判定部4aは、車両用装置2の駆動停止状態への移行を示す信号を受信した場合に、所定の条件が成立したと判定する。車両用装置2が駆動停止状態へ移行する場合は、例えば、イグニッション(IG)スイッチがオフとされる場合である。この場合、IGスイッチのオフを検出するIGスイッチ検出部8から車両1のIGスイッチがオフとされたオフ信号が判定部4aへ入力される。
【0047】
なお、後述するように、車両用装置2への電源の供給は、IGスイッチがオフとされても、制御データの保存処理のため、数秒の間は遮断されないよう制御される。このため、判定部4aは、IGスイッチがオフとされた後であっても、電源の供給を得て、同スイッチがオフとなったことを検出することができる。
【0048】
地図送信部4bは、メモリ6に記憶された地図情報を、携帯機器3と通信を行う近距離通信部5を介して携帯機器3へ送信する。また、地図送信部4bは、携帯機器3から地図情報を要求する信号が入力されると、メモリ6に記憶された地図情報6bに基づき、要求された地図情報を携帯機器3へ送信する。なお、地図情報6b及び携帯機器3が要求する地図情報の詳細は図4において説明する。また、地図送信部4bは、判定部4aから所定条件の成立を示す判定信号S1が入力されると、メモリ6に記憶された広範囲地図情報6cを取得し、携帯機器3へ送信する。その際、携帯機器3のユーザにより地図範囲が指定されている場合には、地図送信部4bは、指定された大きさの広範囲地図情報6cを送信する。広範囲地図情報6cの送信が完了すると、地図送信部4bは、送信が完了した旨の信号(送信完了信号S4)を車両用装置2と携帯機器3との接続を解除する解除部4cへ送信する。広範囲地図情報6cの詳細は図4にて説明する。
【0049】
なお、地図送信部4bは、広範囲地図情報6cを送信中は、運転者によりIGスイッチがオフとされても、車両用装置2への電源が供給されるよう、図示しない電源ICを制御する。これにより、IGスイッチがオフとなっても、広範囲地図情報6cの送信が完了するまでは、車両用装置2への電源は遮断されることがない。また、判定部4aから送信完了信号S4を送信後、車両用装置2と携帯機器3との通信が解除され得る所定時間の経過後に、車両用装置2への電源が遮断されるよう電源ICを制御してもよい。すなわち、地図送信部4bは、電源ICを制御し、運転者によりイグニッションスイッチがオフとされても携帯機器3との接続解除が完了するまで車両用装置2への電源が供給されるよう制御する。この場合、車両用装置2と携帯機器3との通信の解除が完了するまで、確実に車両用装置2へ電源の供給を維持することができる。
【0050】
解除部4cは、車両用装置2から携帯機器3へ接続の解除を要求する場合に、接続の解除を指示する信号(接続解除信号S5)を、車両用装置2と携帯機器3との通信を行う近距離通信部5へ送信する。解除部4cが、接続解除信号S5を送信する場合は、車両用装置2のユーザが操作部10を操作して、接続の解除を要求する場合であり、また、地図送信部4bが広範囲地図情報6cの送信を完了した場合である。なお、近距離通信部5は、解除部4cからの接続解除信号S5を受信すると、車両用装置2と携帯機器3との接続の解除を行う。
【0051】
位置取得部4dは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用し、車両1の位置情報を取得する。位置取得部4dは、GPS衛星からの信号を受信するGPSアンテナ9と接続され、GPSアンテナ9から送信されるGPSデータを受信する。かかるGPSデータは、GPSアンテナ9が受信した時刻データ及び衛星の軌道情報等が含まれている。位置取得部4dは、受信したGPSデータに演算処理を施し、車両1の空間上の位置を緯度及び経度として算出する。位置取得部4dは、算出した緯度及び経度情報をナビゲーション部4e及び近距離通信部5へ送信する。なお、位置取得部4dによる緯度及び経度の算出には、GPSのほか、ガリレオ測位システム等の人工衛星を利用した位置特定のシステムを利用してもよい。
【0052】
ナビゲーション部4eは、車両1の運転者へ現在位置の表示や目的地までの誘導を行う。ナビゲーション部4eは、地図送信部4bから地図情報を取得し、位置取得部4dから車両1の現在の位置情報を取得する。取得した各情報に基づき、ナビゲーション部4eは、ディスプレイ11に車両1の周辺地図及び現在位置を表示し、ユーザが操作部10へ設定した目的地までの経路を探索してかかる周辺地図に走行経路を重畳して表示する。また、ナビゲーション部4eは、位置取得部4dから取得した位置情報を地図送信部4bへ送信する。なお、地図送信部4bは、ナビゲーション部4eから送信された車両1の現在の位置情報に基づき、車両1の周辺地図を地図情報6bから取得し、近距離通信部5を介して携帯機器3へ送信する。
【0053】
近距離通信部5は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)による近距離無線通信によって携帯機器3と通信可能に接続され、かかる携帯機器3との間で情報の送受信を行う。また、近距離通信部5は、位置取得部4dから車両1の位置情報、及び地図送信部4bから地図情報を受信し、各々の情報を携帯機器3へ送信する。また、近距離通信部5は、解除部4cが携帯機器3との接続を解除すべき旨を指示する解除指示信号S3を受信すると、携帯機器3との接続を解除する。
【0054】
また、近距離通信部5は、携帯機器3から送信された差分地図を要求する信号(差分地図要求信号S6)及びユーザが地図の範囲を指定する信号(地図範囲指定信号S7)を受信すると、各々の信号を地図送信部4bへ送信する。また、近距離通信部5は、携帯機器3から送信されたユーザが接続の解除を指示する信号(解除指示信号S3)を受信すると、かかる信号を判定部4aへ送信する。なお、近距離通信部5は、ブルートゥース(登録商標)の他、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、ZigBee(ジグビー:登録商標)といった他の無線通信規格を用いてもよいし、有線により接続されて通信を行ってもよい。すなわち、近距離通信部5は、車両1内において、携帯機器3との間で情報の送受信を行うことができればよい。
【0055】
メモリ6は、プログラム6a、地図情報6b、及び広範囲地図情報6cを記憶し、制御部4の地図送信部4bと接続されている。メモリ6は、電気的にデータの読み書きが可能であり、電源を遮断されてもデータが消去されない不揮発性の半導体メモリである。たとえば、メモリ6は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)やフラッシュメモリにより構成される。なお、メモリ6は、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブで構成することもできる。
【0056】
プログラム6aは、制御部4により読み出され、制御部4が車両用装置2を制御するために実行される、いわゆるシステムソフトウェアである。
【0057】
地図情報6bは、車両1が走行可能な日本全国の道路情報や交通情報を含み、運転者に対する現在地の表示や目的地へ誘導するナビゲーションに利用される情報である。また、地図情報6bは、たとえば1km等の所定間隔で格子状に区切られた多数の単位地図を含んでいる。したがって、地図情報6bが地図送信部4bへ送信される際は、たとえば1km四方の単位地図の単位で送信される。
【0058】
広範囲地図情報6cは、地図情報6bと同様に日本全国の道路情報や交通情報を含む地図情報である。また、広範囲地図情報6cは、地図情報6bの単位地図より大きい所定間隔で格子状に区切られた単位地図を含んでいる。かかる所定間隔は、たとえば5km四方等である。さらに、広範囲地図情報6cは、歩行者用ナビゲーションの情報及び地図内に存在する施設情報を含んでいる。歩行者用ナビゲーションの情報とは、歩道の位置情報や鉄道、バス、タクシー等の交通機関の乗り換え情報である。施設情報とは、観光地やショッピングセンター、レストラン等の情報である。広範囲地図情報6cが携帯機器3に送信されると、携帯機器3のユーザは、車両1の降車後に広範囲地図情報6cを参照し、徒歩や他の交通機関への乗り換えにより遠隔の目的地へ到達できる。また、携帯機器3のユーザは、車両1の降車後の観光を円滑に行うことができる。
【0059】
地図情報6bと広範囲地図情報6cとは、一体の地図情報としてもよい。すなわち、地図情報6bと広範囲地図情報6cとは、同一の道路情報等を含み、大きさを区切る間隔のみを異ならせた地図情報としてもよい。この場合、メモリ6の記憶容量を低減させることができる。
【0060】
車速取得部7は、車両1の車輪軸に設けられたローターの回転をパルス信号として送信する図示しない磁気センサ又は光センサと接続されている。車速取得部7は、受信したパルス信号に基づき、単位時間当たりの車輪回転数を求め、車両1の速度を算出して判定部4aに送信する。
【0061】
IGスイッチ検出部8は、図示しないIGスイッチの切り替わりを検出する。IGスイッチ検出部8は、IGスイッチが運転者によりオンからオフへの切り替わりを検出すると、オフ信号を判定部4aへ送信する。なお、IGスイッチは、金属製の鍵により回転制御される機械式の他、いわゆるスマートキー等の電子式のものでもよい。すなわち、IGスイッチ検出部8は、運転者が車両1の制御装置の主電源を遮断したことを検出できるものであればよい。
【0062】
GPSアンテナ9は、車両1上空の軌道上を周回する複数のGPS衛星から送信される信号を受信するアンテナである。GPS衛星からの信号には、時刻データ及び衛星の軌道情報等が含まれる。GPSアンテナ9は、受信した信号であるGPSデータを位置取得部4dへ送信する。
【0063】
操作部10は、押下式のボタンやタッチパネルを備えた情報の入力装置である。ユーザは操作部10を操作することにより、ナビゲーション部の操作や、携帯機器3との接続の解除を要求する信号(入力信号)を車両用装置2へ入力することができる。なお、操作部10は、ディスプレイ11と一体として構成してもよい。
【0064】
ディスプレイ11は、画像等を表示する表示装置であり、例えば液晶ディスプレイである。
【0065】
スピーカ12は、ナビゲーション部4eから送信された信号を音声出力し、またチャイムやブザー等の警告音を出力する。なお、スピーカ12は、ディスプレイ11と一体として構成してもよい。
【0066】
<1−3.携帯機器の構成>
図3は、携帯機器3の構成を示す図である。携帯機器3は、例えば、携帯電話やスマートフォン、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assist)、又はゲーム機である。携帯機器3は、制御部31、メモリ32、ディスプレイ33、スピーカ34、操作部35、近距離通信部36を備える機器である。
【0067】
制御部31は、図示しないCPU、RAM、及びROMを備えるコンピュータであり、メモリ6に記憶されたプログラム6aに基づき、携帯機器3の全体を制御する。
【0068】
メモリ32は、プログラム32aを記憶し、制御部31と接続されている。メモリ32は、電気的にデータの読み書きが可能であり、電源を遮断されてもデータが消去されない不揮発性の半導体メモリである。たとえば、メモリ32は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)やフラッシュメモリにより構成される。なお、メモリ32は、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブで構成することもできる。プログラム32aは、制御部31により読み出され、制御部31が携帯機器3を制御するために実行される、いわゆるシステムソフトウェアである。アプリケーション32bは、携帯機器3のユーザが、携帯機器3で実行したいアプリケーションソフトウェアであり、例えば歩行者用ナビゲーションや観光案内、ゲームである。アプリケーション32bが実行されると、予めプログラムされた様々なグラフィックスやアニメーション、音声がディスプレイ33及びスピーカ34を介してユーザへ提供される。
【0069】
ディスプレイ33は、画像等を表示する表示装置である。例えば、ディスプレイ33は、液晶ディスプレイである。
【0070】
スピーカ34は、制御部31から送信された信号を音声出力する。また、スピーカ34は、チャイムやブザー等の警告音を出力する。
【0071】
操作部35は、押下式のボタンやタッチパネルを備えた情報の入力装置である。ユーザは、操作部35を操作することにより、携帯機器3の操作を行うことができる。また、ユーザは、車両用装置2との接続の解除を要求する信号を携帯機器3へ入力することができる。操作部35をタッチパネルとして構成する場合は、ディスプレイ33に設けてもよい。
【0072】
近距離通信部36は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)による近距離無線通信によって車両用装置2と通信可能に接続され、かかる車両用装置2との間で情報の送受信を行う。また、近距離通信部5は、操作部35から入力されたユーザが接続の解除を指示する信号(解除指示信号S3)を受信すると、かかる信号を車両用装置2へ送信する。なお、近距離通信部36は、ブルートゥース(登録商標)の他、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、ZigBee(ジグビー:登録商標)といった他の無線通信規格を用いてもよいし、有線により接続されて通信を行ってもよい。すなわち、近距離通信部36は、車両1内において、車両用装置2との間で情報の送受信を行うことができればよい。
【0073】
<1−4.地図情報の構成>
図4は、地図情報6b及び広範囲地図情報6cの一部の構成を示す図である。
【0074】
破線で囲まれた格子状の地図は、地図送信部4bにより読み出された地図情報6bの一部である。かかる地図のうち、ディスプレイ11又は33の表示領域に応じた領域6bDが、ディスプレイ11又は33に表示される。また、破線で囲まれた格子状の地図は、所定範囲で区切られた9つの単位地図6bAから構成され、車両位置MVの位置する単位地図6bAの周囲に8つの単位地図6bAが配置される。一つの単位地図6bAに示される範囲は、たとえば1km四方である。したがって、車両位置MVの周辺の9つの単位地図6bAに示される範囲は、例えば、3km四方となる。ナビゲーション部4eが、車両位置MVが隣接する単位地図6bAへ移動したと判断すると、地図送信部4bは車両位置MVの位置する単位地図6bAの周囲に8つの単位地図6bAが配置されるよう、新たな単位地図6bAを地図情報6bから読み出す。地図送信部4bにより読み出された単位地図6bAは、ナビゲーション部4eへ送信され、車両位置MVの位置する単位地図6bAに隣接してディスプレイ11に表示される。また、携帯機器3のディスプレイ33に車両位置MVの周辺地図を表示する際にも、車両位置MV及び9つの単位地図6bAが用いられる。この制御の際に、車両位置MVの移動に伴って、車両位置MVの周辺の9つの単位地図6bAとして新たに必要となる単位地図6bAは「差分地図」と呼ばれる。この制御の詳細は図5及び図6の説明とともに述べる。
【0075】
広範囲地図6cL,6cO,6cSは、車両位置MVの周辺の9つの単位地図6bAの範囲より広い範囲の地図である。各広範囲地図6cL,6cO,6cSの範囲は、例えば各々5km四方、4.5km四方、4km四方である。また、各広範囲地図は、車両位置MVの周辺を示す地図の他、車両1の目的地の周辺又は車両1の目的地に至る経由地の周辺を示す地図である場合もある。各広範囲地図は、携帯機器3のユーザによる地図範囲の指示により、広範囲地図6cL、6cO又は6cSのいずれかが車両用装置2から携帯機器3へ送信される。なお、広範囲地図の情報が送信される制御の詳細は、図5及び図6の説明とともに述べる。
【0076】
<1−5.車両用装置の処理>
次に、車両用装置2の処理について説明する。
【0077】
図5は、車両用装置2の処理の流れを示す図である。かかる処理は、車両1のIGスイッチがオンとされることにより、開始される。
【0078】
まず、近距離通信部5が、携帯機器3の近距離通信部36と通信可能に無線接続を行う(ステップS21)。近距離通信部5は定期的に電波を発信し、携帯機器3の近距離通信部36が、かかる電波を受信すると無線接続の制御が開始される。すなわち、車両用装置2側は接続待機し、携帯機器3側が接続を要求する。近距離通信部5が発信する電波は、半径5m程度まで到達し、携帯機器3が車両1内に搬入された場合に、無線接続の制御が開始される。なお、近距離通信にブルートゥースを用いた場合には、両近距離通信部により、いわゆるペアリングが行われると、無線接続される。
【0079】
なお、近距離通信部5が、携帯機器3の近距離通信部36と通信可能に無線接続されるのは、車両用装置の制御モードが携帯機器との無線接続を受け付ける携帯機器モードに設定されている場合である。車両用装置は、複数の制御モードを備え、携帯機器モードのほか、運転者へ目的地誘導を行うナビゲーションモード、スピーカ12で音楽やラジオ等を聴くオーディオモードがある。なお、車両用装置が携帯機器モードでないオーディオモードに設定されている場合には、近距離通信部5は携帯機器3の近距離通信部36と無線接続されない。オーディオモードでは、スピーカ12から音楽等が出力されるため、携帯機器3からの音声情報を重ねて出力されないようにするためである。
【0080】
次に、位置取得部4dが、GPSアンテナ9から送信されたGPS情報に基づき、車両1の現在位置の情報を取得する(ステップS22)。位置取得部4dは、位置情報を取得すると、ナビゲーション部4e及び近距離通信部5へ位置情報を送信する。
【0081】
ナビゲーション部4eは、位置取得部4dから位置情報を取得すると、地図送信部4bへ位置情報を転送する。地図送信部4bは、取得した位置情報に基づき、車両1の現在位置周辺の9つの単位地図6bAを地図情報6bから読み出し、読み出した単位地図6bAを近距離通信部5へ送信する。これにより、車両1の現在位置の周辺の所定範囲の地図情報(9つの単位地図6bA)は、近距離通信部5により携帯機器3へ送信される(ステップS23)。また、近距離通信部5は、位置取得部4dから送信された位置情報を携帯機器3へ送信する(ステップS24)。
【0082】
なお、ステップS23の説明において、地図送信部4bから携帯機器へ単位地図6bAが9つ送信されるとしたが、携帯機器へ送信される単位地図6bAは車両位置MVの含まれる単位地図のみでもよい。携帯機器3のディスプレイは、車両用装置のディスプレイより一般的に小さい。このため、携帯機器3は、単一の単位地図6bAのみを用いて地図表示ができる場合があるためである。
【0083】
次に、判定部4aは、ダウンロード要求信号S2を受信したか判断する(ステップS25)。これは、携帯機器3のユーザが広範囲地図の送信を要求し、その旨を携帯機器3へ入力した場合である。判定部4aは、ダウンロード要求信号S2を受信したと判断すると、地図送信部4bへ判定信号S1をダウンロード要求信号S2に基づく旨を付加して送信する。
【0084】
判定部4aがダウンロード要求信号S2を受信したと判断した場合(ステップS25でYes)、地図送信部4bは、地図の範囲を指定する地図範囲指定信号S7を受信したか判断する(ステップS26)。
【0085】
なお、携帯機器3のユーザに指示される地図の範囲とは、地図の大きさをいい、地図の四方の距離により決定される範囲である。また、かかる範囲は、地図の縮尺でもよい。本実施例では、携帯機器3のユーザは、広範囲地図の範囲について、「大きい」、「ふつう」、「小さい」のいずれかを指示する。携帯機器3のユーザにより指示される範囲の「大きい」地図は、図4における広範囲地図6cLが該当し、「ふつう」の地図は広範囲地図6cOが該当し、「小さい」地図は広範囲地図6cSが該当する。これにより、携帯機器3のユーザは、車両1の降車後の行動範囲に合わせた地図の情報を受信することができる。また、携帯機器3のユーザは、広範囲地図の範囲を任意に指示してもよい。この場合、携帯機器3のユーザから操作部35へ広範囲地図の範囲の入力を受け付け、受け付けた広範囲地図の範囲を車両用装置2へ送信するよう構成すればよい。携帯機器3のユーザが入力する広範囲地図の範囲は、例えば、10km四方等の数値である。
【0086】
地図送信部4bが地図範囲指定信号S7を受信したと判断する場合(ステップS26でYes)、地図送信部4bは指示された範囲の広範囲地図6c、すなわち広範囲地図6cL、6cO、6cSのいずれかを広範囲地図情報6cから取得して近距離通信部5へ送信する。近距離通信部5は受信した広範囲地図情報を近距離通信部5へ送信し、近距離通信部5はかかる地図情報を携帯機器へ無線送信する(ステップS28)。
【0087】
なお、地図送信部4bが広範囲地図情報の送信を完了したと判断する方法は、所定の時間経過を判断すればよい。すなわち、最も地図範囲の大きい広範囲地図6cLの送信を完了するのに十分な送信時間を予め設定し、送信の開始からかかる時間が経過したか否かを判断すればよい。また、広範囲地図情報のうち最後に送信する情報に対して、最後の情報送信である旨を示す関数を付与し、かかる関数を受信した携帯機器3が、情報の送信が完了した旨を車両用装置2に返信するよう構成してもよい。
【0088】
地図送信部4bは、広範囲地図情報の送信が完了したか判断し(ステップS29)、完了していないと判断する場合はステップS28に戻る。この場合、地図送信部4bは携帯機器3への地図情報の送信を継続する。一方、地図送信部4bが、広範囲地図情報の送信が完了したと判断する場合はステップS38へ進む。なお、ステップS26において、地図送信部4bが携帯機器3のユーザから地図範囲指定信号S7を受信していないと判断する場合は、ステップS33へ進む(ステップS26にてNo)。
【0089】
また、ステップS25において判定部4aがダウンロード要求信号S2を受信しなかったと判断した場合は、判定部4aは、無線接続の解除を指示する解除指示信号S3を受信したか判断する(ステップS30)。これは、携帯機器3のユーザが無線接続の解除を希望し、その旨を携帯機器3へ入力した場合である。また、ステップS30においては、判定部4aは、操作部10から送信される無線接続の解除を指示する入力信号を受信したかを併せて判断する。これは、車両用装置2のユーザが無線接続の解除を希望し、その旨を車両用装置2の操作部10へ入力した場合である。
【0090】
判定部4aが解除指示信号S3及び操作部10からの入力信号のいずれかを受信したと判断した場合(ステップS30でYes)、地図送信部4bが、地図の範囲を指定する地図範囲指定信号S7を受信したか判断するステップS26へ処理を進める。ステップS26における処理内容は既述の通りである。
【0091】
なお、地図送信部4bが、地図範囲指定信号S7を受信したと判断した場合であって、かつ解除指示信号S3又はユーザの入力信号に基づいて出力された判定信号S1を受信していた場合には、地図送信部4bは車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないよう電源ICを制御する。ユーザが接続の解除を指示する場合は、ユーザが車両1を停車し、IGスイッチをオフとする恐れがあるからである。地図送信部4bは、車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないよう電源ICを制御することで、後に実行する広範囲地図情報6cの送信を確実に完了することができる。
【0092】
一方、ステップS30でNoの場合、すなわち、判定部4aが解除指示信号S3及び操作部10からの入力信号のいずれも受信しないと判断した場合は、判定部4aが、IGスイッチ検出部8からのオフ信号を受信したか判断する(ステップS31)。運転者によりイグニッションスイッチがオフされると、短時間の後に車両用装置2への電源供給が遮断されるため、車両用装置2と携帯機器3との接続が解除されることとなる。また、IGスイッチがオフされると、車両1から乗員の降車が予想されるため、携帯機器3へ広範囲地図情報の送信の必要が生じ得る。携帯機器3のユーザは、降車後に徒歩等により目的地へ移動する可能性があるためである。
【0093】
判定部4aによりIGスイッチのオフが検出されると(ステップS31でYes)、判定部4aは、オフ信号を受信した旨を付加した判定信号S1を地図送信部4bへ送信し、処理はステップS33へ進む。
【0094】
地図送信部4bは、広範囲地図情報6cから予め定めた範囲、例えば「ふつう」の範囲の広範囲地図6cOを取得し、近距離通信部5へ送信する。広範囲地図6cOを受信した近距離通信部5は、携帯機器3へ広範囲地図6cOを送信する(ステップS33)。
【0095】
なお、IGスイッチのオフの検出による広範囲地図情報の送信においては、「ふつう」の範囲の広範囲地図6cOを送信すればよい。携帯機器3のユーザが接続の解除を要求した場合でないため、ユーザが地図の範囲を指示することを希望していないと考えられるためである。なお、ステップS25、ステップS30及び後に説明する図6に示す通り、ユーザは、接続の解除を指示等することにより、地図の範囲を指示することができる。
【0096】
なお、地図送信部4bが、地図範囲指定信号S7を受信したと判断した場合であって、かつオフ信号を受信した旨が付加された判定信号S1を受信していた場合には、地図送信部4bは車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないよう電源ICを制御する。この場合は、ユーザが車両1を停車し、IGスイッチをオフとした場合だからである。地図送信部4bは、車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないよう電源ICを制御することで、広範囲地図情報6cの送信を確実に完了することができる。なお、車両用装置2への電源の供給は、IGスイッチがオフとされても、制御データの保存処理のため数秒の間は遮断されないよう制御される。このため、地図送信部4bは、オフ信号を受信した旨が付加された判定信号S1を受信後、制御データの保存処理が行われる数秒の間に、車両用装置2へ電源の供給が遮断されないよう電源ICを制御すればよい。
【0097】
次に、地図送信部4bは、広範囲地図6cOの送信が完了したか判断し(ステップS34)、完了していないと判断する場合はステップS33に戻る。この場合、地図送信部4bは、地図情報の送信を継続する。一方、近距離通信部5が、広範囲地図6cOの送信が完了したと判断する場合はステップS38へ進む。
【0098】
一方、ステップS31において、判定部4aがIGスイッチのオフ信号を受信したと判断しない場合(ステップS31でNo)、ステップS35の処理が実行される。ステップS35では、近距離通信部5が、携帯機器3から差分地図の送信が要求されているか判断する。差分地図の送信が要求されるのは、車両位置MVが、隣接する単位地図6bの範囲へ移動した場合、及び携帯機器3のユーザが操作部35を操作して地図の表示を移動、いわゆるスクロールさせた場合である。近距離通信部5が、携帯機器3から差分地図の送信が要求されていると判断する場合は(ステップS35でYes)、地図送信部4bへ差分地図要求信号S6を送信する。差分地図要求信号S6には、要求される差分地図の範囲に関する情報が含まれる。地図送信部4bは、差分地図要求信号S6を受信すると、地図情報6bから要求された差分地図に相当する単位地図6bAを取得し、近距離通信部5へ送信する。近距離通信部5は、送信された単位地図6bAを携帯機器3へ送信する(ステップS36)。
【0099】
一方、近距離通信部5が、携帯機器3から差分地図の送信が要求されていないと判断する場合(ステップS35でNo)、処理はステップS37へ進む。
【0100】
ステップS37では、位置取得部4dが、GPSアンテナ9から送信されたGPS情報に基づき、車両1の現在位置の情報を取得する。位置取得部4dは、位置情報を取得すると、ナビゲーション部4e及び近距離通信部5へ位置情報を送信する。ステップS35の処理が実行されると、ステップS24に戻り、近距離通信部5が、位置取得部4dから送信された位置情報を携帯機器3へ送信する処理が再度実行される。
【0101】
ステップS38の処理は、ステップS29において指定された範囲の地図情報の送信が完了した場合、及びステップS38において広範囲の地図情報の送信が完了した場合に実行される。ステップS38では、地図送信部4bが、ユーザから地図の送信要求がなされたか否か、すなわち判定部4aから送信された判定信号S1がダウンロード要求信号S2に基づくものか否かを判定する。これにより、地図送信部4bは、車両用装置2と携帯機器3との接続の解除が必要か否か判定できる。すなわち、ユーザから地図の送信要求がなされた場合は、ユーザが接続の解除を希望した場合でなく、またIGスイッチがオフとされた場合でもないため、接続の解除を行う必要がない。この場合は、上位のステップに戻り各処理を再度実行することが好ましい。したがって、ステップS38において、地図送信部4bにより、判定部4aから送信された判定信号S1がダウンロード要求信号S2に基づくものと判定された場合は、ステップS35に移行する(ステップS38でYes)。ステップS35以降の処理内容は、既述の通りである。
【0102】
一方、ステップS38において、地図送信部4bにより、判定部4aから送信された判定信号S1がダウンロード要求信号S2に基づかないものと判定された場合、すなわち判定信号S1がユーザからの解除を指示する信号又はIGスイッチのオフ信号に基づくものである場合は、ステップS39に進む(ステップS38でNo)。この際、地図送信部4bは、解除部4cへ送信完了信号S4を送信する。
【0103】
解除部4cは、地図送信部4bから送信された送信完了信号S4を受信すると、携帯機器3との接続の解除を指示する接続解除信号S5を近距離通信部5へ送信する。近距離通信部5は、解除部4cから送信された接続解除信号S5を受信すると、携帯機器3の近距離通信部36と所定の通信を行い、携帯機器3との接続の解除処理を実行する(ステップS39)。ステップS39における接続の解除処理が実行されると、車両用装置2の処理は終了する。なお、車両用装置2と携帯機器3との無線接続が解除される他の条件は、携帯機器の登録の解除やオーディオモードへのモード移動である。
【0104】
<1−5.携帯機器の処理>
次に、図5で説明した車両用装置2の処理の応答した携帯機器3の処理について説明する。図6は、携帯機器3の処理の流れを示す図である。
【0105】
携帯機器3は、ユーザにより電源が投入され、制御部31が起動すると、メモリ32からプログラム32aを読み出して起動処理を実行する。起動処理が完了すると、制御部31はメモリ32からアプリケーション32bを読み出し、アプリケーション32bを実行する(ステップS51)。なお、制御部31は、起動処理の完了後、直ちにアプリケーション32bを実行しない場合は、実行準備の処理を行う。この場合、制御部31は、所定時間経過後又は所定処理の実行後にアプリケーション32bを実行すればよい。
【0106】
次に、近距離通信部36が、車両用装置2の近距離通信部5と通信可能に無線接続を行う(ステップS52)。近距離通信部36は電波の受信待機状態を維持し、車両用装置2の近距離通信部5が、所定の電波を発信すると無線接続の制御が開始される。
【0107】
近距離通信部36が、車両用装置2の近距離通信部5と通信可能に無線接続を行うと、近距離通信部5から送信される車両1の現在位置の周辺の単位地図6bAを9つ受信する(ステップS53)。制御部31は、近距離通信部36が車両1の現在位置の周辺の9つの単位地図6bAを受信したと判断すると、ディスプレイ33に受信した地図を表示する。なお、表示される地図の範囲は、9つの単位地図6bAのうち、車両位置MVを含めたディスプレイ33の解像度に応じた表示領域である。すなわち、制御部31は、9つの単位地図6bAからディスプレイ33の表示領域をいわゆるトリミング処理することで、かかる表示領域について地図の表示を行う。なお、制御部31は、車両用装置2から単一の単位地図6bAのみを受信して地図の表示を行ってもよい。この際には、表示領域の形状に地図をトリミング処理する必要がない。
【0108】
近距離通信部36は、近距離通信部5から送信される車両1の位置情報を受信する(ステップS54)。制御部31は、近距離通信部36が車両1の位置情報を受信したと判断すると、ディスプレイ33に車両1の位置を地図に重畳して表示する。
【0109】
次に、制御部31は、差分地図が必要か否か判断する(ステップS55)。差分地図が必要となる場合は、地図上の車両1が隣接する単位地図6bAの範囲へ移動した場合、及び携帯機器3のユーザが操作部35を操作して地図の表示を移動、いわゆるスクロールさせた場合である。ディスプレイ33の表示領域6bDが取得済みの単位地図6bAの範囲から逸脱することにより、表示領域6bD内に地図が表示されない領域が発生するからである。
【0110】
制御部31は、差分地図を必要と判断した場合(ステップS55でYes)、近距離通信部36を介して、差分地図を要求する信号である差分地図要求信号S6を車両用装置2へ送信する(ステップS56)。差分地図要求信号S6は、要求する差分地図の範囲を特定する情報が付与される。差分地図を特定する情報は、例えば、緯度・経度や住所、差分地図を他の地図と識別する符号、又は差分地図が必要な方角である。
【0111】
なお、ステップS55でNoの場合、すなわち制御部31が、差分地図を必要と判断しない場合は、ステップS58に進む。
【0112】
制御部31による差分地図要求信号S6を送信後、近距離通信部36は車両用装置2から送信される差分地図としての単位地図6bAを受信する(ステップS57)。単位地図6bAが受信されると、制御部31は、受信した単位地図6bAを含む9つの単位地図6bAのうちディスプレイ33の表示領域に該当する領域6bDをディスプレイ33に表示する(ステップS58)。なお、制御部31が差分地図を必要と判断せずに、ステップS58に進んだ場合には、既に受信した単位地図6bAを含む9つの単位地図6bAのうち、ディスプレイ33の表示領域に該当する領域6bDを、車両1の位置に応じてディスプレイ33に表示する。
【0113】
次に、制御部31は、携帯機器3のユーザによる、広範囲の地図情報の送信要求、すなわち広範囲地図のダウンロード要求があるか判断する(ステップS59)。携帯機器3のユーザは、操作部35を操作することにより、ダウンロード要求を行うことができる。この場合、操作部35にダウンロードを要求する旨のタッチパネル用ボタンを表示しておけばよく、携帯機器3のユーザがダウンロード要求を行う場合には、操作部35を操作してかかる要求を入力すればよい。したがって、制御部31は、ダウンロード要求があるか判断する際には、操作部35へのユーザによる入力操作があったかを判断すればよい。なお、携帯機器3のユーザが、かかる広範囲の地図情報のダウンロード要求を行うのは、例えば、車両1を降車して携帯機器3を車外へ持ち出そうとする場合である。これにより、携帯機器3のユーザは、携帯機器3にて広範囲の地図を参照することができるためである。
【0114】
制御部31は、携帯機器3のユーザによるダウンロード要求があると判断する場合(ステップS59でYes)、近距離通信部36を介して、広範囲の地図情報の送信を要求する信号であるダウンロード要求信号S2を車両用装置2へ送信する(ステップS60)。ダウンロード要求信号S2が車両用装置2へ送信されると、処理はステップS64へ進む。
【0115】
一方、制御部31が携帯機器3のユーザによるダウンロード要求がないと判断した場合(ステップS59でNo)、制御部31は、携帯機器3のユーザによる、携帯機器3と車両用装置2との無線接続の解除の指示があるか判断する(ステップS61)。携帯機器3のユーザが、かかる無線接続の解除の要求を行うのは、例えば、車両1を降車して携帯機器3を車外へ持ち出そうとする場合である。携帯機器3が車外へ持ち出される際には、もはや車両用装置2との無線接続を継続する必要はないからである。
【0116】
携帯機器3のユーザは、操作部35を操作することにより、接続の解除の指示を行うことができる。この場合、ディスプレイ33に接続を解除する旨のタッチパネル用ボタンを表示しておけばよい。
【0117】
制御部31が携帯機器3のユーザによる接続の解除の指示があると判断すると(ステップS61でYes)、制御部31は、近距離通信部36を介して、無線接続の解除を指示する旨の解除指示信号S3を車両用装置2へ送信する(ステップS62)。
【0118】
一方、制御部31が携帯機器3のユーザによる無線接続の解除の指示がないと判断すると(ステップS61でNo)、制御部31は、近距離通信部36が車両用装置2から送信される広範囲地図6cOの情報を受信したか判断する(ステップS63)。なお、ステップS63でかかる判断を行うのは、携帯機器3のユーザによる無線接続の解除の指示がない場合であっても、車両用装置2から携帯機器3へ広範囲地図が送信される場合があるからである。例えば、図5におけるステップS33の処理に示すように、車両1のIGスイッチがオフとされた際、広範囲地図情報が携帯機器3へ送信される場合がある。
【0119】
制御部31は、広範囲地図6cOの情報を受信したと判断すると(ステップS63でYes)、ステップ70へ進む。また、制御部31は、かかる情報を受信しないと判断すると(ステップS63でNo)、ステップS54へ戻り、車両用装置2から送信される位置情報の受信の処理及び当該処理に続く各処理を再度実行する。
【0120】
一方、制御部31は、ステップS62において解除指示信号S3を車両用装置2へ送信すると、携帯機器3のユーザによる広範囲地図6cの大きさの指定があるか判断する(ステップS64)。携帯機器3のユーザは、操作部35を操作することにより、広範囲地図6cの大きさの指定を行うことができる。この場合は、ディスプレイ33に地図の大きさを示すタッチパネル用ボタンを表示しておけばよい。
【0121】
制御部31は、広範囲地図6cの範囲の大きさの指定があると判断すると(ステップS64でYes)、かかる指定された範囲の大きさを示す地図範囲指定信号S7を車両用装置2へ送信する(ステップS65)。地図範囲指定信号S7は、地図の範囲の大きさを示す情報として、例えば、「大きい」、「ふつう」、「小さい」の範囲を識別する情報を含む。また、携帯機器3のユーザは、広範囲地図の範囲を任意に指示してもよい。この場合、携帯機器3のユーザから操作部35へ広範囲地図の範囲の入力を受け付け、受け付けた広範囲地図の範囲を車両用装置2へ送信するよう構成すればよい。携帯機器3のユーザが入力する広範囲地図の範囲は、例えば、10km四方等の数値である。
【0122】
制御部31が地図範囲指定信号S7を車両用装置2へ送信すると、近距離通信部36が、車両用装置2から返信されたユーザの指定した範囲の広範囲地図6cを受信する(ステップS66)。なお、かかる広範囲地図6cは、車両用装置2から送信される広範囲地図6cL、6cO又は6cSのいずれかである。また、ユーザが地図の範囲を任意に指定した場合は、任意の範囲の地図情報である。
【0123】
一方、制御部31は、広範囲地図6cの範囲の大きさの指定がないと判断すると(ステップS64でNo)、近距離通信部36が、車両用装置2から返信された広範囲地図6cを受信する(ステップS67)。この場合、車両用装置2からは予め設定された範囲の広範囲地図6cが送信される。携帯機器3のユーザによる、地図範囲の指定がないためである。近距離通信部36が広範囲地図6cを受信すると、処理はステップS68に進む。
【0124】
ステップS68の処理は、ステップS66において指定された範囲の地図情報を受信した場合、及びステップS67において広範囲の地図情報を受信した場合に実行される。ステップS68では、制御部31が、指定範囲地図又は広範囲地図の受信が携帯機器3のユーザによるダウンロード要求に基づくものか否かを判定する。これにより、制御部31は、携帯機器3と車両用装置2との接続の解除が必要か否か判定できる。すなわち、ユーザから地図のダウンロード要求がなされた場合は、ユーザが接続の解除を希望した場合でないため、接続の解除の処理を実行する必要がない。この場合、上位のステップに戻り各処理を再度実行することが好ましい。したがって、ステップS68において、指定範囲地図又は広範囲地図の受信が携帯機器3のユーザによるダウンロード要求に基づくものと判定した場合は、ステップSに54に戻る(ステップS68でYes)。ステップS54以降の処理内容は、既述の通りである。
【0125】
一方、ステップS68において、指定範囲地図又は広範囲地図の受信が携帯機器3のユーザによるダウンロード要求に基づかないものと判定された場合、すなわち、ユーザからの接続解除の指示に基づく場合は、ステップS69に進む(ステップS68でNo)。
【0126】
ステップS68でNoと判断された場合、制御部31は、近距離通信部36を制御して、車両用装置2と接続の解除処理を実行する(ステップS69)。
【0127】
次に、制御部31は、ステップS63、S65、S67で受信した地図情報をディスプレイ33に表示する(ステップS70)。これにより、車両1に乗車していた携帯機器3のユーザは、降車後に広範囲の地図を参照して、観光地内の移動やさらに遠方の目的地へ向けた移動を行うことができる。
【0128】
制御部31により広範囲地図がディスプレイ33に表示されると、携帯機器における処理は終了する。
【0129】
図7は、携帯機器3におけるユーザへの問い合わせ表示33aを示す図である。問い合わせ表示33aは、図6のステップS52において、携帯機器3のユーザが地図範囲を指定する際に、操作部35へ所定の操作等を行うことでディスプレイ33に表示される。ディスプレイ33がタッチパネルにて構成される場合は、携帯機器3のユーザは、各問い合わせに対する回答箇所をタッチペンや指で接触(タッチ)することで、回答を入力することができる。かかる回答の入力を受け付けた制御部31は、回答の内容に応じて、図6におけるステップS55又はステップS53の処理を実行する。例えば、問い合わせ表示33aにおいて、「地図の範囲を選択しますか?」の問い合わせに対し、「いいえ」との回答が入力された場合は、制御部31は、図6におけるステップS67の処理を実行する。同様に「はい」との回答が入力された場合は、さらに、地図の場所及び地図の範囲を問い合わせたうえ、制御部31は、図6におけるステップS65の処理を実行する。
【0130】
なお、携帯機器3のユーザは操作部35を操作することで、図示しないカーソルを移動させることにより、回答を入力させてもよい。また、問い合わせ内容を音声により、スピーカ34から出力し、携帯機器3のユーザが操作部35を操作して、音声による問い合わせに対して回答を入力してもよい。
【0131】
以上説明したように、本実施の形態に係る車両用装置2においては、車両用装置2は、通信可能に接続した携帯機器3に車両周辺の所定範囲の地図情報(9つの単位地図)を送信し、所定の条件の成立が検出されたときには、かかる所定範囲より広い範囲の地図情報(広範囲地図)を携帯機器3に送信する。これにより、車両に乗車していた携帯機器3のユーザは、所定の条件の成立後に広い範囲の地図を参照して、観光地内の移動やさらに遠方の目的地へ向けた移動を行うことができる。
【0132】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態は、車両用装置において車両1の停車を予測し、予測結果に基づいて広範囲の地図情報を携帯機器3へ送信するものである。すなわち、第2の実施の形態の判定部4aは、車両1の停車を予測した場合に、所定の条件が成立したと判定する。車両1の停車を予測する場合とは、例えば、車速が10km/h以下に低下した場合、あるいは、車両1が駐車場に入場した場合である。これにより、車両に乗車していた携帯機器3のユーザは、降車後に広い範囲の地図を参照して、観光地内の移動やさらに遠方の目的地へ向けた移動を行うことができる。
【0133】
第2の実施の形態の車両用装置2及び携帯機器3の構成及び処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0134】
図8は、第2の実施の形態における車両用装置2での処理の流れを示すフローチャートである。第2の実施の形態における車両用装置2での処理の流れは、図5に示す第1の実施の形態の車両用装置2と一部で構成を相違している。具体的には、車両用装置2は、車両1の車速が10km/h以下となったか及び車両1が駐車場に入場したかを判定する処理を新たに備えている。
【0135】
図8のステップS21〜ステップS24までは、図5における処理と同様のため、説明を省略する。
【0136】
ステップ24において位置情報の送信を実行すると、判定部4aは車速取得部7からの信号に基づいて、車両1の速度が時速10km以下となったか判断する(ステップS71)。車両1の速度が時速10km以下となると、車両1が停車し、乗員の降車が予想されるため、携帯機器3へ広範囲地図情報の送信の必要が生じ得る。携帯機器3のユーザは、降車後に徒歩等により目的地へ移動する可能性があるためである。
【0137】
判定部4aにより車両1の速度が時速10km以下となったことを検出すると(ステップS71でYes)、判定部4aは、判定信号S1を地図送信部4bへ送信する。この際、判定部4aは、判定信号S1に速度が時速10km以下となった旨の情報を付加しておく。判定信号S1を受信した地図送信部4bが、判定信号S1を送信する複数の条件のうち、いずれの条件が成立したかを判別できるようにするためである。
【0138】
さらに、地図送信部4bは、広範囲地図情報6cから「ふつう」の範囲の広範囲地図6cOを取得し、近距離通信部5へ送信する。なお、車両1の速度が時速10km以下を検出したことによる広範囲地図情報の送信においては、「ふつう」の範囲の広範囲地図6cOを送信すればよい。携帯機器3のユーザが接続の解除を要求しておらず、判定部4aが車両1の停車を予測したのみだからである。
【0139】
広範囲地図6cOを受信した近距離通信部5は、携帯機器3へ広範囲地図6cOを送信する(ステップS73)。次に、地図送信部4bは、広範囲地図6cOの送信が完了したか判断し(ステップS74)、完了していないと判断する場合はステップS73に戻る。この場合、地図送信部4bは地図情報の送信を継続する。一方、地図送信部4bが、広範囲地図6cOの送信が完了したと判断する場合(ステップS74でYes)は、ステップS35へ進む。ステップS35及びそれに続く各ステップの処理は、図5における処理と同様のため、説明を省略する。
【0140】
なお、交通規則に基づく単なる一時停止や、いわゆる赤信号による停車の場合は、速度が時速10km/h以下となってもユーザが降車することはない。このため、ステップS71でYesとなっても、ユーザが降車しない場合も生じ得る。この場合、携帯機器3に送信された広範囲地図情報は、後に他の地図情報等が送信されることにより、いわゆる上書き記録されて消去される。したがって、近距離通信部5は、ユーザが降車しない場合に広範囲地図情報を送信しても、車両用装置2及び携帯機器3ともに何ら問題を生じさせることがないうえ、車両1の停車による無線接続の解除を事前に予測して、確実な広範囲地図情報の送信を完了できる。
【0141】
一方、ステップS71において、判定部4aが車両1の速度が時速10km/h以下となったことを検出しない場合(ステップS71でNo)、判定部4aはナビゲーション部4eから、車両1が駐車場に入場した旨を示す信号(入場信号S8)を受信したか判断する(ステップS72)。車両1が駐車場に入場すると、車両1から乗員の降車が予想されるため、携帯機器3へ広範囲地図情報の送信の必要が生じ得る。携帯機器3のユーザは、降車後に徒歩等により目的地へ移動する可能性があるためである。
【0142】
判定部4aにより車両1が駐車場へ入場したことを検出すると(ステップS72でYes)、判定部4aは、車両1が駐車場へ入場した旨の情報を付加した判定信号S1を地図送信部4bへ送信する。なお、ナビゲーション部4eは、位置取得部4dから送信される位置情報及び地図送信部4bから送信される地図情報6bに基づき、車両1が駐車場へ入場したか否かを定期的に監視する。ナビゲーション部4eは、車両1が駐車場へ入場したと判断すると、判定部4aへ入場信号S8を送信する。したがって、判定部4aは、ナビゲーション部4eから送信される入場信号S8を受信した場合に、車両1が駐車場へ入場したと判断すればよい。
【0143】
ステップS72でYesとなった場合は、前述のステップS73へ進む。なお、ステップS71及びステップS72のいずれかでYesとなる場合は、判定部4aが車両1の停車を予測した場合である。
【0144】
一方、ステップS72において車両1が駐車場に入場しないと判断した場合(ステップS72でNo)、ステップS35の処理が実行される。ステップS35及びそれに続く各ステップの処理は、図5における処理と同様のため、説明を省略する。
【0145】
なお、第2の実施の形態においては、ステップS74にて広範囲地図情報の送信が完了したと判断された場合であっても、上位のステップへ戻り、処理を繰り返すこととなる。ステップS74における広範囲地図情報の送信は、車両1の停車を予測した場合であって、必ずしも車両1が停車されるものでないためである。したがって、本実施の形態においては、広範囲地図情報の送信が完了した場合であっても、差分地図情報の送信や位置情報の取得等の処理を繰り返し実行することが好ましい。したがって、本実施の形態における処理が終了するのは、車両用装置への電源の供給が断たれた場合、すなわちIGスイッチがオフとされる場合である。
【0146】
このように第2の実施の形態においては、車両1の停車を予測した場合に、所定の条件が成立したと判定され、携帯機器3へ広範囲地図が送信される。このため、IGスイッチがオンの間に携帯機器3へ広範囲地図を送信することができる。したがって、車両用装置2へ電源の供給が直ちに遮断されないように制御するなどの複雑な制御が不要となる。
【0147】
なお、本実施の形態でも、携帯機器3からダウンロード要求信号S2を受信した場合にも、判定部4aが所定の条件が成立したと判定し、携帯機器3へ広範囲地図が送信されるようになっていてもよい。
【0148】
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態は、車両1で用いられる車両用装置2が携帯機器3と無線接続したときに、携帯機器3が実行中または実行予定のアプリケーションの名称をディスプレイ11に表示させるものである。これにより、ユーザは、車両用装置2と携帯機器3との無線接続の際に、携帯機器で実行されるアプリケーションの名称を車両用装置2のディスプレイ11で確認することができる。
【0149】
第3の実施の形態の車両用装置2及び携帯機器3の構成及び処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0150】
<3−1.車両用装置の構成>
図9は、第3の実施の形態における車両用装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態における車両用装置2の構成は、図2に示す第1の実施の形態の車両用装置2とほぼ同様であるが、一部で構成を相違している。具体的には、車両用装置2は、メモリ6に名称情報NA及び識別情報IDを記憶している。また、車両用装置2は、制御部4に登録部4f及び表示制御部4gを備えている。
【0151】
名称情報NAは、携帯機器3のメモリ32に記憶されたアプリケーション32bの名称に関する情報である。名称情報NAは、例えば、「歩行者用ナビゲーション」や「車内で観光地案内」といったアプリケーションの名称である。
【0152】
識別情報IDは、携帯機器3のメモリ32に記憶された携帯機器3の識別に関する情報である。識別情報IDは、携帯機器3に固有の番号であり、シリアルナンバー等により構成される。なお、名称情報NA及び識別情報IDは、メモリ6に記憶される際、相互に関連付けられる。
【0153】
登録部4fは、車両用装置2が携帯機器3と接続されたと判断すると、近距離通信部5を介して、携帯機器3にて実行中又は実行予定のアプリケーションの名称情報NA、及び携帯機器3の識別情報IDを送信するよう携帯機器3に要求する。登録部4fは、携帯機器から名称情報NA及び識別情報IDが送信されると、名称情報NAを制御部4に備えた表示制御部4gへ送信し、名称情報NA及び識別情報IDをメモリ6へ登録する。なお、登録部4fは、携帯機器3の識別情報IDのみを送信するよう携帯機器3に要求してもよい。この場合、登録部4fは、携帯機器3から受信した識別情報IDに関連付けられた名称情報NAをメモリ6から読み出し、表示制御部4gへ送信してもよい。
【0154】
表示制御部4gは、文字や画像をディスプレイ11に表示させ、また音声をスピーカ12から出力させる。表示制御部4gは、登録部4fから名称情報NAが送信された場合に、かかる名称情報NAをディスプレイ11に表示する。なお、表示制御部4gは、登録部4fから名称情報NAが送信された場合に、かかる名称情報NAを示す音声をスピーカ12から出力してもよい。また、近距離通信部5から、携帯機器3との無線接続の成功又は失敗を示す接続信号S9が送信された場合、成功又は失敗を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる。
【0155】
<3−2.携帯機器の構成>
図10は、第3の実施の形態における携帯機器3の構成を示す図である。第3の実施の形態における携帯機器3の構成は、図3に示す第1の実施の形態の携帯機器3とほぼ同様であるが、一部で構成を相違している。具体的には、携帯機器3は、メモリ32に名称情報NA及び識別情報IDを記憶している。
【0156】
名称情報NAは、メモリ32に記憶されたアプリケーション32bの名称に関する情報であり、図9おける名称情報NAと同一の情報である。なお、アプリケーション32bが他のアプリケーションに変更されると、かかる変更に応じた名称が名称情報NAとなる。なお、図9においては、携帯機器がアプリケーション32bとして単一のアプリケーションの名称を記憶する例を示すが、複数のアプリケーションを記憶できる場合は、現在実行中のアプリケーションの名称に関する情報が記憶される。
【0157】
識別情報IDは、メモリ32に記憶された携帯機器3の識別に関する情報であり、図9おける識別情報IDと同一の情報である。
【0158】
名称情報NA及び識別情報IDは、携帯機器3と車両用装置2との接続の際に、車両用装置2への送信が要求されると、制御部31により近距離通信部36を介して、車両用装置2へ送信される。
【0159】
<2−3.車両用装置の処理>
次に、第3の実施形態における車両用装置2の処理について説明する。
【0160】
図11は、車両用装置2での処理の流れを示す図である。かかる処理は、車両1のIGスイッチがオンとされることにより、開始される。
【0161】
まず、登録部4fが、車両用装置2に登録された携帯機器3があるか否か判断する(ステップS81)。登録された携帯機器3がある場合は、メモリ6に識別情報IDが登録されている場合であり、登録された携帯機器3がない場合は、メモリ6に識別情報IDが登録されていない場合である。すなわち、車両用装置2が携帯機器3と接続されたことがない場合には、登録された携帯機器3がない場合となる。登録部4fが車両用装置2に登録された携帯機器3がないと判断すると(ステップS81でNo)、近距離通信部5は、携帯機器3との無線接続の処理を行う(ステップS82)。なお、登録部4fは、車両用装置2に登録された携帯機器3があるか否か判断する代わりに、車両用装置2に登録されたアプリケーション名称があるか否か判断してもよい。この場合は、無線接続される携帯機器3が常に同一の機器となる場合であり、識別情報IDを参照する必要がないためである。登録されたアプリケーション名称がある場合は、メモリ6に名称情報6dが登録されている場合である。
【0162】
次に、近距離通信部5は、携帯機器3との無線接続が成功したか否か判断し(ステップS83)、接続に失敗したと判断した場合は(ステップS83でNo)、接続の失敗を示す接続信号S9を表示制御部4gへ送信する。なお、近距離通信部5が携帯機器3との無線接続に失敗する場合とは、近距離通可能な範囲内に携帯機器3が存在しなかった場合や携帯機器3のユーザが無線接続を欲せず、無線接続を行わないよう携帯機器3を操作した場合である。
【0163】
接続の失敗を示す接続信号S9を受信した表示制御部4gは、接続の失敗を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS84)。ステップS84を実行すると、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。
【0164】
一方、ステップS83において、近距離通信部5が、携帯機器3との無線接続が成功したと判断した場合は(ステップS83でYes)、接続の成功を示す接続信号S9を表示制御部4gへ送信する。
【0165】
接続の成功を示す接続信号S9を受信した表示制御部4gは、接続の成功を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS85)。
【0166】
ステップS85が実行されると、登録部4fは、携帯機器3で実行中又は実行予定のアプリケーションの名称情報NA、及び携帯機器3の識別情報IDを送信するよう、携帯機器3に要求する(ステップS86)。次に、登録部4fは、名称情報NAを受信したか否か判断し(ステップS87)、受信しないと判断する場合は、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。登録部4fは、所定時間内に名称情報NAを受信したか否か判断すればよい。登録部4fが、名称情報NAを受信しない場合とは、名称情報NAを要求後、携帯機器3により無線接続が解除された場合や無線通信の不具合により名称情報NAの全てが送信されなかった場合である。無線通信の不具合が発生したと考えられる場合は、車両用装置2の処理の終了後、ステップS81の処理から再度実行することが望ましい。無線通信の不具合が解消している場合があるからである。
【0167】
一方、ステップS87において、登録部4fが、名称情報NAを受信したと判断した場合は(ステップS87でYes)、登録部4fは名称情報NAを表示制御部4gへ送信する。登録部4fから名称情報NAを受信した表示制御部4gは、名称情報NA示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS88)。名称情報NAを表示制御部4gへ送信した登録部4fは、名称情報NAをメモリ6へ登録し(ステップS89)、識別情報IDを同時に受信している場合は、識別情報IDをメモリ6へ登録する(ステップS90)。ステップS90を実行すると、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。
【0168】
次に、ステップS81に戻り、登録部4fが車両用装置2に登録された携帯機器3があると判断した場合(ステップS81でYes)について説明する。この場合、ナビゲーション部4eが、直近のイグニッションスイッチがオフされた時の、車両用装置2の制御モードが携帯機器モードであったか否かを判断する(ステップS81)。なお、車両用装置2の制御モードは、携帯機器モードの他、オーディオモードやナビゲーションモードがあり、車両用装置2のユーザが操作部10を操作し、モード変更信号S10を入力することでモードの変更が行われる。
【0169】
車両用装置2が、ナビゲーション部4eによりナビゲーションのみを実行する場合は、制御モードはナビゲーションモードとなる。また、車両用装置2が、近距離通信部5により携帯機器3と情報及び信号の送受信を実行する場合は、制御モードは携帯機器モードである。なお、携帯機器モードでは、ナビゲーション部4eによるナビゲーションが同時に実行される場合もある。なお、ナビゲーション部4eは、IGスイッチがオフされた時の、車両用装置2の制御モードを記憶している。また、車両用装置2は、ナビゲーションモード及び携帯機器モードに加えて他の制御モードを備えてもよい。
【0170】
ナビゲーション部4eが、直近のIGスイッチがオフされた時の、車両用装置2の制御モードがオーディオモードであると判断した場合は(ステップS91でYes)、ディスプレイ11にオーディオ用画面を表示する(ステップS92)。一方、ナビゲーション部4eが、同様に制御モードがオーディオモードでないと判断した場合、すなわち携帯機器モード又はナビゲーションモード等であると判断した場合は(ステップS91でNo)、ステップS94に進む。
【0171】
ディスプレイ11にオーディオ用画面を表示すると、ナビゲーション部4eは、車両用装置2のユーザにより、携帯機器モードへ移行させる制御がなされたか判断する(ステップS93)。すなわち、ナビゲーション部4eがディスプレイ11にオーディオ用画面を表示した後、車両用装置2のユーザが携帯機器モードへの移行を希望し、操作部10を操作してナビゲーション部4eへモード変更信号S10を入力する場合があるからである。
【0172】
ナビゲーション部4eが、携帯機器モードへ移行させる制御がなされない、すなわち車両用装置2のユーザがオーディオモードを希望したと判断すると(ステップS93でNo)、ナビゲーション部4eは、継続してディスプレイ11にオーディオ用画面を表示し、モード変更信号S10の入力待機状態となる。車両用装置2は、オーディオモードを継続して実行すればよく、携帯機器との無線接続を行う必要がないからである。
【0173】
一方、ナビゲーション部4eが、携帯機器モードへ移行させる制御がなされた、すなわち車両用装置2のユーザが操作部10を操作してナビゲーション部4eへモード変更信号S10を入力したと判断すると(ステップS93でYes)、ステップS94へ進む。
【0174】
ステップS94では、登録部4fが、メモリ6に登録してある名称情報NAを読み出し、読み出した名称情報NAを表示制御部4gへ送信する。ステップS94が実行されるのはステップS91において登録された携帯機器3があると判断された場合、すなわちメモリ6に名称情報NAが登録されている場合であるため、ステップS94で登録部4fは、名称情報NAを読み出すことができる。
【0175】
名称情報NAを受信した表示制御部4gは、名称情報NAを示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS95)。
【0176】
表示制御部4gにより名称情報NAがディスプレイ11に表示されると、近距離通信部5は、携帯機器3との無線接続を行う(ステップS96)。
【0177】
次に、近距離通信部5は、携帯機器3との無線接続が成功したか否か判断し(ステップS97)、接続に失敗したと判断した場合は(ステップS97でNo)、接続の失敗を示す接続信号S9を表示制御部4gへ送信する。なお、近距離通信部5が携帯機器3との無線接続に失敗する場合とは、近距離通可能な範囲内に携帯機器3が存在しなかった場合や携帯機器3のユーザが無線接続を欲せず、無線接続を行わないよう携帯機器3を操作した場合である。
【0178】
接続の失敗を示す接続信号S9を受信した表示制御部4gは、接続の失敗を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS98)。ステップS98が実行されると、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。
【0179】
一方、ステップS97において、近距離通信部5が、携帯機器3との無線接続が成功したと判断した場合は(ステップS97でYes)、接続の成功を示す接続信号S9を表示制御部4gへ送信する。
【0180】
接続の成功を示す接続信号S9を受信した表示制御部4gは、接続の成功を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる(ステップS99)。ステップS99が実行されると、本実施の形態における車両用装置2の処理は終了する。
【0181】
なお、ステップS95の表示制御部4gによる名称情報NAのディスプレイ11への表示制御は、近距離通信部5が携帯機器3と無線接続を成功した後に実行してもよい。この場合、表示制御部4gは、接続の成功を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させる前又は後に名称情報NAをディスプレイ11に表示させてもよい。また、表示制御部4gは、接続の成功を示す文字や画像をディスプレイ11に表示させると同時に、名称情報NAをディスプレイ11に表示させてもよい。名称情報NAのディスプレイ11への表示制御が、無線接続の成功後に実行されることで、名称情報NAにより示されたアプリケーションが必ず実行されるため、ユーザは名称情報NAの表示を安心して参照できる。無線接続が成功していれば、ディスプレイ11に示された名称情報NAのアプリケーションが必ず実行されるためである。
【0182】
<3−4.携帯機器の処理>
図12は、第3の実施の形態における携帯機器3での処理の流れを示す図である。
【0183】
第3の実施の形態における携帯機器3の処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0184】
ステップS51及びステップS52が実行されると、携帯機器3の制御部31は、車両用装置2からアプリケーション名称の送信の要求を近距離通信部36が受信したか判断する(ステップS101)。制御部31がアプリケーション名称の送信の要求を近距離通信部36が受信したと判断すると(ステップS101でYes)、制御部31はメモリ32から名称情報NA及び識別情報IDを読み出し、近距離通信部36を介して車両用装置2へ送信する(ステップS102)。
【0185】
制御部31が名称情報NA及び識別情報IDを車両用装置2へ送信すると、処理はステップS53へ進む。また、制御部31がアプリケーション名称の送信の要求を近距離通信部36が受信しないと判断した場合も(ステップS101でNo)処理はステップS53へ進む。
【0186】
なお、ステップS53以降の処理は、図6における携帯機器3の処理の流れと同様のため、説明を省略する。
【0187】
以上説明したように、本実施の形態における車両用装置2では、車両1で用いられる車両用装置2が携帯機器3と無線接続したときに、携帯機器3が実行中または実行予定のアプリケーションの名称をディスプレイ11に表示させる。これにより、ユーザは、車両用装置2と携帯機器3との無線接続の際に、携帯機器で実行されるアプリケーションの名称を車両用装置2のディスプレイ11で確認することができる。
【0188】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0189】
上記第1ないし第3の実施の形態では、車両用装置2は、ユーザへのナビゲーション機能を備えると説明したが、ナビゲーション機能を備えなくともよい。また、車両用装置2は、地図情報を予め記憶していると説明したが、地図情報を予め記憶しなくともよい。この場合、車両用装置2は、地図情報を備えた情報センターと無線接続し、ネットワークを介して地図情報を取得すればよい。すなわち、車両用装置2は、地図情報を携帯機器3へ送信できる装置であればよい。
【0190】
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、操作部、ディスプレイ、及びスピーカは別装置であると説明したが、これらは一体化されていてもよい。
【0191】
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、車両用装置2と携帯機器3とは近距離通信部により無線通信すると説明したが、有線で通信するようにしてもよい。
【0192】
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、広範囲地図6cL、6cP、6cSは、車両位置MVの周辺、車両1の目的地の周辺又は車両1の目的地に至る経由地の周辺と説明したが、携帯機器3のユーザの指定する任意の位置周辺の地図でもよい。この場合、携帯機器3のディスプレイ33に住所や地図を表示し、ユーザが任意の位置を指定すればよい。
【0193】
また、車両用装置2の近距離通信部5と携帯機器3の近距離通信部36とが通信可能に無線接続を行う際は、いずれかの近距離通信部が定期的に電波を発信し、他方の近距離通信部が、かかる電波を受信して無線接続の制御を開始するよう構成してもよい。すなわち、いずれかの近距離通信部が接続待機し、他方の近距離通信部が接続を要求するよう構成してもよい。
【0194】
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理により、各種機能がソフトウェアにより実現されると説明したが、これら機能のうちの一部はハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0195】
1 車両
2 車両用装置
3 携帯機器
4 制御部
5 近距離通信部
6 メモリ
7 車速取得部
8 スイッチ検出部
9 アンテナ
10 操作部
11 ディスプレイ
12 スピーカ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する車両用装置であって、
所定の条件が成立したか否かを判定する判定手段と、
前記携帯機器と通信可能に接続する接続手段と、
前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する第1送信手段と、
前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する第2送信手段と、
を備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記判定手段は、前記携帯機器から送信される前記第2地図情報の送信を要求する信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする車両用装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記判定手段は、前記接続の解除を指示する信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする車両用装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記判定手段は、前記車両用装置の駆動停止状態への移行を示す信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする車両用装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記判定手段は、前記車両の停車を予測した場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする車両用装置。
【請求項6】
請求項3または4に記載の車両用装置において、
前記第2地図情報の前記携帯機器への送信が完了してから、前記接続を解除する解除手段、
をさらに備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の車両用装置において、
前記第2地図情報は、前記第1地図情報より詳細な地図情報であることを特徴とする車両用装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用装置において、
前記第2地図情報は、前記車両の周辺の地図情報であることを特徴とする車両用装置。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装置において、
前記第2地図情報は、ユーザが指定した範囲の地図情報であることを特徴とする車両用装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の車両用装置において、
前記接続手段が前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる表示制御手段、
をさらに備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項11】
車両で用いられる車両用装置から携帯機器に地図情報を送信する情報送信方法であって、
所定の条件が成立したか否かを判定する工程と、
前記携帯機器と通信可能に接続する工程と、
前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、
前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、
を備えることを特徴とする情報送信方法。
【請求項12】
車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、
所定の条件が成立したか否かを判定する工程と、
前記携帯機器と通信可能に接続する工程と、
前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、
前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
車両で用いられる車両用装置であって、
携帯機器と通信可能に接続する接続手段と、
前記接続手段が前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項14】
請求項13に記載の車両用装置において、
前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に前記名称情報が記憶されている場合は、前記接続手段が前記携帯機器と接続するときに、前記記憶手段に記憶された前記名称情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする車両用装置。
【請求項15】
車両で用いられる情報表示方法であって、
(a)携帯機器と通信可能に接続する工程と、
(b)前記工程(a)で前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する工程と、
(c)前記工程(b)で受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる工程と、
を備えることを特徴とする情報表示方法。
【請求項16】
車両で用いられる車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、
(a)携帯機器と通信可能に接続する工程と、
(b)前記工程(a)で前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する工程と、
(c)前記工程(b)で受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する車両用装置であって、
所定の条件が成立したか否かを判定する判定手段と、
前記携帯機器と通信可能に接続する接続手段と、
前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する第1送信手段と、
前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する第2送信手段と、
を備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記判定手段は、前記携帯機器から送信される前記第2地図情報の送信を要求する信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする車両用装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記判定手段は、前記接続の解除を指示する信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする車両用装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記判定手段は、前記車両用装置の駆動停止状態への移行を示す信号がある場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする車両用装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記判定手段は、前記車両の停車を予測した場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする車両用装置。
【請求項6】
請求項3または4に記載の車両用装置において、
前記第2地図情報の前記携帯機器への送信が完了してから、前記接続を解除する解除手段、
をさらに備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の車両用装置において、
前記第2地図情報は、前記第1地図情報より詳細な地図情報であることを特徴とする車両用装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用装置において、
前記第2地図情報は、前記車両の周辺の地図情報であることを特徴とする車両用装置。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装置において、
前記第2地図情報は、ユーザが指定した範囲の地図情報であることを特徴とする車両用装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の車両用装置において、
前記接続手段が前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる表示制御手段、
をさらに備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項11】
車両で用いられる車両用装置から携帯機器に地図情報を送信する情報送信方法であって、
所定の条件が成立したか否かを判定する工程と、
前記携帯機器と通信可能に接続する工程と、
前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、
前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、
を備えることを特徴とする情報送信方法。
【請求項12】
車両で用いられ、携帯機器に地図情報を送信する車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、
所定の条件が成立したか否かを判定する工程と、
前記携帯機器と通信可能に接続する工程と、
前記接続中に、前記車両の周辺の所定範囲の第1地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、
前記所定の条件が成立したときに、前記所定範囲より広い範囲の第2地図情報を前記携帯機器に送信する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
車両で用いられる車両用装置であって、
携帯機器と通信可能に接続する接続手段と、
前記接続手段が前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項14】
請求項13に記載の車両用装置において、
前記受信手段が受信したアプリケーションの名称情報を記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に前記名称情報が記憶されている場合は、前記接続手段が前記携帯機器と接続するときに、前記記憶手段に記憶された前記名称情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする車両用装置。
【請求項15】
車両で用いられる情報表示方法であって、
(a)携帯機器と通信可能に接続する工程と、
(b)前記工程(a)で前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する工程と、
(c)前記工程(b)で受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる工程と、
を備えることを特徴とする情報表示方法。
【請求項16】
車両で用いられる車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、
(a)携帯機器と通信可能に接続する工程と、
(b)前記工程(a)で前記携帯機器と接続したときに、前記携帯機器が実行中または実行予定のアプリケーションの名称情報を受信する工程と、
(c)前記工程(b)で受信したアプリケーションの名称情報を表示手段に表示させる工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−44554(P2013−44554A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180532(P2011−180532)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]