車両用視認補助装置
【課題】曲線状のインストルメントパネルの上面に直線状の指標(マーカ)を設けるときに、乗員の視認位置によっては指標が曲がって見えてしまう点を解決することで、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、直線状に認識することを可能にする。
【解決手段】少なくとも上面23の一部に曲面を備えたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に車両10のコーナ部21の認識を補助する複数のマーカ手段31〜33と、を備えた車両用視認補助装置30であって、マーカ手段31〜33を、車両10前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段31〜33の先端部31a〜33aを、同一平面上に配置した。
【解決手段】少なくとも上面23の一部に曲面を備えたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に車両10のコーナ部21の認識を補助する複数のマーカ手段31〜33と、を備えた車両用視認補助装置30であって、マーカ手段31〜33を、車両10前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段31〜33の先端部31a〜33aを、同一平面上に配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前端コーナ部の認識を補助するために、複数のマーカ手段(指標)を配置した車両用視認補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用視認補助装置として、車両のフロントフェンダのデザイン処理を工夫したり、ボンネットに絞り加工のラインを設けたものなどが実用に供されている。
実用の車両用視認補助装置は、車両のバンパにコーナ認識用のポールを立てるようにすれば実用上十分であった。
【0003】
このような車両用視認補助装置として、インストルメントパネル上に車両の前端コーナ位置を連想させるラインを形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−82700公報(第12頁、図2)
【0004】
特許文献1の技術を説明する。
図13は従来の基本構成を説明する図であり、車両用視認補助装置200は、インストルメントパネル202上に設けた直線状のライン203,204と、車両201のコーナ部205に設けたポール206と、このポール206の先端に設けたプレート207と、このプレート207に設けた切り欠き208と、から構成したものである。
【0005】
しかし、インストルメントパネル202の上面は曲面状に形成されることが一般的であり、車両用視認補助装置200では、曲線状のインストルメントパネル202の上面に直線状のライン203,204を設けたので、乗員の視認位置によってはライン203,204が曲がって見えてしまうこともある。従って、この場合には、コーナ部205の視認性が低下することになる。
また、乗員209の視認位置によってライン203,204が曲がって見えることを是正するために、予めライン203,204を曲線に描こうとする場合には、乗員209の体格等の違いにより一律には描くことは困難である。
【0006】
すなわち、車両のコーナ部の認識を補助するラインなどの指標(マーカ)をインストルメントパネルに設ける場合に、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、直線状に認識することができるとともに、乗員の体格や乗車位置等の違いによる認識のばらつきを抑えることができる車両用視認補助装置が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、曲線状のインストルメントパネルの上面に直線状の指標(マーカ)を設けるときに、乗員の視認位置によっては指標が曲がって見えてしまう点を解決し、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、直線状に認識することができる車両用視認補助装置を提供することを課題とする。
また、乗員の体格や乗車位置等の違いにより認識のばらつきが発生する点を解決し、認識のばらつきを極力抑えることができる車両用視認補助装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、少なくとも上面の一部に曲面を備えたインストルメントパネルと、このインストルメントパネルの上面に車両のコーナ部の認識を補助する複数のマーカ手段と、を備えた車両用視認補助装置であって、マーカ手段を、車両前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段の先端部を、同一平面上に配置したことを特徴とする。
【0009】
例えば、車両のコーナ部の認識を補助するために、曲線状のインストルメントパネルの上面に直線状の指標(マーカ)を設けるときに、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、直線状に認識することができるとすれば、車両のコーナ部の視認性の向上を図ることができるので好ましいことである。
【0010】
請求項2に係る発明は、マーカ手段の表示面を、同一方向に指向させたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、表示面を、車両の運転席ヘッドレスト近傍に指向させたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、マーカ手段を、インストルメントパネルに一体的に形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、マーカ手段が、表示面の大きさを車両の前方のものほど小さく形成したものであることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、マーカ手段を、車両の前方のものほど低くなるように配置したことを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、マーカ手段に、単品で方向性の認識可能な部位を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、車両用視認補助装置に、複数のマーカ手段とは別の副マーカ手段を備え、この副マーカ手段が、車両のウインドシールド上へ写像を形成するものであり、この写像を、複数のマーカ手段に略直線状に連続させるよう投影したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、少なくとも一部に曲面を備えたインストルメントパネルの上面に車両のコーナ部の認識を補助する複数のマーカ手段を設け、マーカ手段を、車両前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段の先端部を、同一平面上に配置したので、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、複数のマーカ手段を直線状に認識することができる。この結果、車両のコーナ部の視認性の向上を図ることができるという利点がある。
さらに、上記構成により、乗員の体格や乗車位置等の違いによる認識のばらつきを極力抑えることができるという利点がある。
【0018】
請求項2に係る発明では、マーカ手段の表示面を、同一方向に指向させたので、それぞれのマーカ手段の見え方を均一にすることができるという利点がある。
【0019】
請求項3に係る発明では、表示面を、車両の運転席ヘッドレスト近傍に指向させたので、運転者がマーカ手段を認識しやすくすることができるという利点がある。
【0020】
請求項4に係る発明では、マーカ手段を、インストルメントパネルに一体的に形成したので、インストルメントパネルの意匠性を維持しつつ、マーカ手段の視認性の向上を図ることができるという利点がある。
【0021】
請求項5に係る発明では、表示面の大きさを車両の前方のものほど小さく形成したので、マーカ手段に奥行き感を付加することができる。この結果、運転者が奥行き感の認識を容易にすることができるという利点がある。
【0022】
請求項6に係る発明では、マーカ手段を、車両の前方のものほど低くなるように配置したので、例えば、ボンネットなどの構造部品との連続性を確保することができる。この結果、車両の下回り部品、例えば、フロントバンパ位置等の推定がしやすいという利点がある。
【0023】
請求項7に係る発明では、マーカ手段に、単品で方向性の認識可能な部位を備えたので、個々のマーカ手段に直線を連想させる効果を付与することができる。この結果、マーカ手段間の距離を長くしたり、マーカ手段の個数を削減することができるという利点があり、車両用視認補助装置のコストの低減を図ることができる。
【0024】
請求項8に係る発明では、副マーカ手段が、車両のウインドシールド上へ写像を形成するものであり、この写像を、複数のマーカ手段に略直線状に連続させたので、インストルメントパネルの前方にまでマーカ手段で形成する略直線を延長することができる。この結果、車両のコーナ部の視認性の向上を図ることができるとともに、運転者に対する視線の誘導効果を高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用視認補助装置の平面図であり、図2は図1の2−2線断面図であり、図3は図1の3−3線断面図である。
図1〜図3に示されている車両10は、車体11の操舵をするステアリング14と、車体11の前部を覆うボンネット15と、車室12の前方を透過可能に覆うウインドシールド(フロントウインドウ)16と、車体11の前部側面を覆うフロントフェンダ17と、運転者(乗員)18が車両10のコーナ部21の認識をしやすくするための車両用視認補助装置30と、を備えている。
【0026】
車両用視認補助装置30は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段31〜36と、で構成されている。
インストルメントパネル22は、少なくとも上面23の一部が曲面を備えている。
【0027】
図2に示すように、マーカ手段31は、先端部31aに単品で方向性の認識可能な部位を備えた指標であり、インストルメントパネル22に取付けるベース31cと、このベース31cの上面に形成される表示面31bと、インストルメントパネル22の上面23に倣わせた曲面に形成され、インストルメントパネル22に取付可能な下面31dと、を備えている。
【0028】
マーカ手段32,33は、マーカ手段31に同一構成の部材であり、先端部32a,33aに単品で方向性の認識可能な部位を備えた指標であり、インストルメントパネル22に取付けるベース32c,33cと、ベース32c,33cの上面に形成される表示面32b,33bと、インストルメントパネル22の上面23に倣わせた曲面に形成され、インストルメントパネル22に取付可能な下面32d,33dと、を備えている。
【0029】
また、マーカ手段31〜33は、車両10前方に向けて略直線状で且つインストルメントパネル22の上面23に配置されるとともに、マーカ手段31〜33の先端部31a〜33aが同一平面上に配置されている。
【0030】
図3に示すように、マーカ手段34〜36は、マーカ手段31に相似形であって同一構成の部材であり、先端部34a〜36aに単品で方向性の認識可能な部位を備えた指標であり、インストルメントパネル22に取付けるベース34c〜36cと、ベース34c〜36cの上面に形成される表示面34b〜36bと、インストルメントパネル22の上面23に倣わせた形状に形成され、インストルメントパネル22に取付可能な下面34d〜36dと、を備えている。
【0031】
また、マーカ手段34〜36は、車両10前方に向けて略直線状で且つインストルメントパネル22の上面23に配置されるとともに、マーカ手段34〜36の先端部34a〜36aが同一平面上に配置されている。
【0032】
マーカ手段31〜33は、第1の想像ライン37が構成され、マーカ手段34〜36は、第2の想像ライン38が構成され、これらの第1・第2の想像ライン37,38の交点が車両10のコーナ部21近傍として認識される。
【0033】
さらに、マーカ手段31〜33は、表示面31b〜33bの大きさを車両10の前方のものほど小さく形成されている(表示面31b>表示面32b>表示面33b)。同様に、マーカ手段34〜36は、表示面34b〜36bの大きさを車両10の前方のものほど小さく形成されている(表示面34b>表示面35b>表示面36b)。
【0034】
すなわち、車両用視認補助装置30は、少なくとも一部に曲面を備えたインストルメントパネル22の上面23に車両10のコーナ部21の認識を補助する複数のマーカ手段31〜33を設け、マーカ手段31〜33を、車両10前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段31〜33の先端部31a〜33aを、同一平面上に配置することで、インストルメントパネル22の曲面形状に依存することなく、複数のマーカ手段31〜33を直線状に認識することができる。この結果、車両10のコーナ部21の視認性の向上を図ることができる。
【0035】
また、車両用視認補助装置30は、表示面31b〜33bの大きさを車両10の前方のものほど小さく形成することで、マーカ手段31〜33に奥行き感を付加することができる。この結果、運転者18が奥行き感の認識を容易にすることができる。
【0036】
図4(a)〜(h)は図1に示されたマーカ手段及び別実施例のマーカ手段の平面図である。
(a)において、マーカ手段31は、底辺の長さよりも他の二辺長さを長く形成した二等辺三角形であり、先端部31aは、他の二辺で構成することで、方向性の認識を可能とした部位を有する指標である。
【0037】
マーカ手段31に、単品で方向性の認識可能な先端部(部位)31aを備えることで、個々のマーカ手段31に直線を連想させる効果を付与することができる。この結果、マーカ手段31〜33(図1参照)間の距離を長くしたり、マーカ手段31〜33の個数を削減することができ、車両用視認補助装置30のコストの低減を図ることができる。
【0038】
(b)において、別実施例のマーカ手段42は、単品で方向性の認識可能な先端部(部位)42aを備え、(a)に示されるマーカ手段31の二等辺三角形の底辺相当部分に曲線部を備えることで、方向性の認識効果を強くした形状である。
【0039】
(c)において、別実施例のマーカ手段43は、単品で方向性の認識可能な先端部(部位)43aを備え、(a)に示されるマーカ手段31の二等辺三角形の他の二辺を短く形成することで、狭いスペースに多くのマーカ手段43を配置できるようにした形状である。
【0040】
(d)において、別実施例のマーカ手段44は、単品で方向性の認識可能な曲線状の先端部(部位)44aを備える。
(e)において、別実施例のマーカ手段45は、円形の外形に直径を表す直線の組合せからなり、直径を表す直線が単品で方向性の認識可能な先端部(部位)45aに相当する。
【0041】
(f)において、別実施例のマーカ手段46は、長方形の外形に長手方向に形成された矢印の組合せからなり、矢印が単品で方向性の認識可能な先端部(部位)46aに相当する。
(g)において、別実施例のマーカ手段47は、矢羽根形状の指標であり、単品で方向性の認識可能な先端部(部位)47aを備える。
(h)において、別実施例のマーカ手段48は、楕円の外形を有する指標であり、長径部分が単品で方向性の認識可能な先端部(部位)48aに相当する。
【0042】
図5(a)〜(c)は図1に示された車両用視認補助装置の作用説明図であり、(a)は、運転者18(図1参照)のアイポイント19(図2参照)の左右位置のばらつきによるマーカ手段31〜33の見え方の違いを表し、(b)は、運転者18のアイポイント19の前後位置のばらつきによるマーカ手段31〜33の見え方の違いを表し、(c)は、運転者18のアイポイント19の上下位置のばらつきによるマーカ手段31〜33の見え方の違いを表す。
【0043】
(a)において、マーカ手段31〜33を、車両10(図1参照)前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段31〜33の先端部31a〜33aを、同一平面上に配置したので、運転者18のアイポイント19(図2参照)が矢印a1の如く左右に動いた場合は、マーカ手段31〜33が多少左右に寄る程度であり、マーカ手段31〜33で構成される第1の想像ライン(直線)37が曲がって見えることはない。
【0044】
(b)において、運転者18のアイポイント19(図2参照)が矢印a2の如く前後に動いた場合は、(a)と同様にマーカ手段31〜33が多少左右に寄る程度である。その程度は、(a)よりも少ないと考える。
【0045】
(c)において、運転者18のアイポイント19(図2参照)が矢印a3の如く上下に移動する場合は、マーカ手段31〜33の見え方にほとんど変化はない。
すなわち、(a)〜(c)において、車両用視認補助装置30は、運転者18(図1参照)の体格に影響されることが少ない視認補助装置であると言える。
【0046】
図6は本発明に係る第2実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
マーカ手段51〜53は、車両10前方に向けて略直線状にインストルメントパネル22の上面23に配置され、マーカ手段51〜53の先端部51a〜53aが同一平面上に配置され、且つマーカ手段51〜53の表示面51b〜53bが所定の方向に傾斜している。
【0047】
車両用視認補助装置50も、車両用視認補助装置30(図2参照)同様に、マーカ手段51〜53を、車両10前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段51〜53の先端部51a〜53aを、同一平面上に配置した一例であると言うことができる。
すなわち、インストルメントパネル22の曲面形状に依存することなく、複数のマーカ手段51〜53を直線状に認識することができる。この結果、車両10のコーナ部21(図1参照)の視認性の向上を図ることができる。
【0048】
図7は本発明に係る第3実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
車両用視認補助装置60は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、
このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段61〜66と、で構成され、マーカ手段61〜66の表示面61b〜66bを、同一方向に指向させたものである。
【0049】
マーカ手段61〜66の表示面61b〜66bを、同一方向に指向させることで、それぞれのマーカ手段61〜66の見え方を均一にすることができる。
【0050】
図8は本発明に係る第4実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
車両用視認補助装置70は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段71〜76と、で構成され、表示面71b〜76bを、車両10の運転席ヘッドレスト75近傍に指向させるものである。
【0051】
表示面71b〜76bを、車両10の運転席ヘッドレスト75近傍に指向させることで、運転者18がマーカ手段71〜76を認識しやすくすることができる。
【0052】
図9は本発明に係る第5実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
車両用視認補助装置80は、車体11側に設けられたインストルメントパネル85と、このインストルメントパネル85の上面86に配置した複数のマーカ手段81〜83と、で構成され、マーカ手段81〜83を、インストルメントパネル85に一体的に形成したものである。
【0053】
マーカ手段81〜83を、インストルメントパネル85に一体的に形成することで、インストルメントパネル85の意匠性を維持しつつ、マーカ手段81〜83の視認性の向上を図ることができる。
【0054】
図10は本発明に係る第6実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
車両用視認補助装置90は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段91〜93と、で構成され、マーカ手段91〜93を、車両10の前方のものほど低くなるように配置したものである。
【0055】
すなわち、マーカ手段91〜93を、車両10の前方のものほど低くなるように配置したので、例えば、ボンネット15などの構造部品との連続性を確保することができる。この結果、車両10の下回り部品、例えば、フロントバンパ(不図示)位置等の推定がしやすい。
【0056】
図11は本発明に係る第7実施例の車両用視認補助装置の平面図であり、図12は図11の12−12線断面図である。なお、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0057】
図11及び図12に示された車両用視認補助装置100は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段31〜36と、こられのマーカ手段31〜36とは別にインストルメントパネル22の上面23に配置した副マーカ手段101,102と、で構成される。
【0058】
副マーカ手段101は、インストルメントパネル22の上面23に配置したハウジング104と、このハウジング104の上面に取付けたレンズ105と、このレンズ105を照明する発光体106と、から構成される。なお、副マーカ手段は102は、副マーカ手段101に同一構成の部品であり、詳細な説明は省略する。
【0059】
さらに、副マーカ手段101,102は、車両10のウインドシールド16上へ写像107,108を形成するものであり、写像107を、複数のマーカ手段31〜33に略第1の想像ライン111で直線状に連続させるよう投影され、写像108を、複数のマーカ手段34〜36に第2の想像ライン112で略直線状に連続させるよう投影される。
【0060】
すなわち、副マーカ手段101が、車両10のウインドシールド16上へ写像107を形成するものであり、この写像107を、複数のマーカ手段31〜33に略直線状に連続させることで、インストルメントパネル22の前方にまでマーカ手段31〜33で形成する第1の想像ライン(略直線)111を延長することができる。この結果、車両10のコーナ部21の視認性の向上を図ることができるとともに、運転者19に対する視線の誘導効果を高めることができる。
なお、副マーカ手段101は前述のマーカ手段31〜33と同一平面上にある必要はなく、乗員側から直接見える必要もない。従って、意匠の制約を受けることなく、比較的自由に配置することが可能である。
【0061】
尚、本発明に係る車両用視認補助装置は、図1に示すように、3個のマーカ手段31〜33で第1の想像ライン37を構成したが、これに限るものではなく、2個若しくは4個以上のマーカ手段を配列したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る車両用視認補助装置は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る車両用視認補助装置の平面図である。
【図2】図2は図1の2−2線断面図である。
【図3】図3は図1の3−3線断面図である。
【図4】図1に示されたマーカ手段及び別実施例のマーカ手段の平面図である。
【図5】図1に示された車両用視認補助装置の作用説明図である。
【図6】本発明に係る第2実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図7】本発明に係る第3実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図8】本発明に係る第4実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図9】本発明に係る第5実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図10】本発明に係る第6実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図11】本発明に係る第7実施例の車両用視認補助装置の平面図である。
【図12】図12は図11の12−12線断面図である。
【図13】従来の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0064】
10…車両、16…ウインドシールド、21…コーナ部、22…インストルメントパネル、23…上面、30,50,60,70,80,90,100…車両用視認補助装置、31〜33…マーカ手段、31a〜33a…先端部、31b〜33b…表示面、75…運転席ヘッドレスト、85…インストルメントパネル、86…上面、101,102…副マーカ手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前端コーナ部の認識を補助するために、複数のマーカ手段(指標)を配置した車両用視認補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用視認補助装置として、車両のフロントフェンダのデザイン処理を工夫したり、ボンネットに絞り加工のラインを設けたものなどが実用に供されている。
実用の車両用視認補助装置は、車両のバンパにコーナ認識用のポールを立てるようにすれば実用上十分であった。
【0003】
このような車両用視認補助装置として、インストルメントパネル上に車両の前端コーナ位置を連想させるラインを形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−82700公報(第12頁、図2)
【0004】
特許文献1の技術を説明する。
図13は従来の基本構成を説明する図であり、車両用視認補助装置200は、インストルメントパネル202上に設けた直線状のライン203,204と、車両201のコーナ部205に設けたポール206と、このポール206の先端に設けたプレート207と、このプレート207に設けた切り欠き208と、から構成したものである。
【0005】
しかし、インストルメントパネル202の上面は曲面状に形成されることが一般的であり、車両用視認補助装置200では、曲線状のインストルメントパネル202の上面に直線状のライン203,204を設けたので、乗員の視認位置によってはライン203,204が曲がって見えてしまうこともある。従って、この場合には、コーナ部205の視認性が低下することになる。
また、乗員209の視認位置によってライン203,204が曲がって見えることを是正するために、予めライン203,204を曲線に描こうとする場合には、乗員209の体格等の違いにより一律には描くことは困難である。
【0006】
すなわち、車両のコーナ部の認識を補助するラインなどの指標(マーカ)をインストルメントパネルに設ける場合に、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、直線状に認識することができるとともに、乗員の体格や乗車位置等の違いによる認識のばらつきを抑えることができる車両用視認補助装置が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、曲線状のインストルメントパネルの上面に直線状の指標(マーカ)を設けるときに、乗員の視認位置によっては指標が曲がって見えてしまう点を解決し、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、直線状に認識することができる車両用視認補助装置を提供することを課題とする。
また、乗員の体格や乗車位置等の違いにより認識のばらつきが発生する点を解決し、認識のばらつきを極力抑えることができる車両用視認補助装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、少なくとも上面の一部に曲面を備えたインストルメントパネルと、このインストルメントパネルの上面に車両のコーナ部の認識を補助する複数のマーカ手段と、を備えた車両用視認補助装置であって、マーカ手段を、車両前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段の先端部を、同一平面上に配置したことを特徴とする。
【0009】
例えば、車両のコーナ部の認識を補助するために、曲線状のインストルメントパネルの上面に直線状の指標(マーカ)を設けるときに、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、直線状に認識することができるとすれば、車両のコーナ部の視認性の向上を図ることができるので好ましいことである。
【0010】
請求項2に係る発明は、マーカ手段の表示面を、同一方向に指向させたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、表示面を、車両の運転席ヘッドレスト近傍に指向させたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、マーカ手段を、インストルメントパネルに一体的に形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、マーカ手段が、表示面の大きさを車両の前方のものほど小さく形成したものであることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、マーカ手段を、車両の前方のものほど低くなるように配置したことを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、マーカ手段に、単品で方向性の認識可能な部位を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、車両用視認補助装置に、複数のマーカ手段とは別の副マーカ手段を備え、この副マーカ手段が、車両のウインドシールド上へ写像を形成するものであり、この写像を、複数のマーカ手段に略直線状に連続させるよう投影したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、少なくとも一部に曲面を備えたインストルメントパネルの上面に車両のコーナ部の認識を補助する複数のマーカ手段を設け、マーカ手段を、車両前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段の先端部を、同一平面上に配置したので、インストルメントパネルの曲面形状に依存することなく、複数のマーカ手段を直線状に認識することができる。この結果、車両のコーナ部の視認性の向上を図ることができるという利点がある。
さらに、上記構成により、乗員の体格や乗車位置等の違いによる認識のばらつきを極力抑えることができるという利点がある。
【0018】
請求項2に係る発明では、マーカ手段の表示面を、同一方向に指向させたので、それぞれのマーカ手段の見え方を均一にすることができるという利点がある。
【0019】
請求項3に係る発明では、表示面を、車両の運転席ヘッドレスト近傍に指向させたので、運転者がマーカ手段を認識しやすくすることができるという利点がある。
【0020】
請求項4に係る発明では、マーカ手段を、インストルメントパネルに一体的に形成したので、インストルメントパネルの意匠性を維持しつつ、マーカ手段の視認性の向上を図ることができるという利点がある。
【0021】
請求項5に係る発明では、表示面の大きさを車両の前方のものほど小さく形成したので、マーカ手段に奥行き感を付加することができる。この結果、運転者が奥行き感の認識を容易にすることができるという利点がある。
【0022】
請求項6に係る発明では、マーカ手段を、車両の前方のものほど低くなるように配置したので、例えば、ボンネットなどの構造部品との連続性を確保することができる。この結果、車両の下回り部品、例えば、フロントバンパ位置等の推定がしやすいという利点がある。
【0023】
請求項7に係る発明では、マーカ手段に、単品で方向性の認識可能な部位を備えたので、個々のマーカ手段に直線を連想させる効果を付与することができる。この結果、マーカ手段間の距離を長くしたり、マーカ手段の個数を削減することができるという利点があり、車両用視認補助装置のコストの低減を図ることができる。
【0024】
請求項8に係る発明では、副マーカ手段が、車両のウインドシールド上へ写像を形成するものであり、この写像を、複数のマーカ手段に略直線状に連続させたので、インストルメントパネルの前方にまでマーカ手段で形成する略直線を延長することができる。この結果、車両のコーナ部の視認性の向上を図ることができるとともに、運転者に対する視線の誘導効果を高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用視認補助装置の平面図であり、図2は図1の2−2線断面図であり、図3は図1の3−3線断面図である。
図1〜図3に示されている車両10は、車体11の操舵をするステアリング14と、車体11の前部を覆うボンネット15と、車室12の前方を透過可能に覆うウインドシールド(フロントウインドウ)16と、車体11の前部側面を覆うフロントフェンダ17と、運転者(乗員)18が車両10のコーナ部21の認識をしやすくするための車両用視認補助装置30と、を備えている。
【0026】
車両用視認補助装置30は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段31〜36と、で構成されている。
インストルメントパネル22は、少なくとも上面23の一部が曲面を備えている。
【0027】
図2に示すように、マーカ手段31は、先端部31aに単品で方向性の認識可能な部位を備えた指標であり、インストルメントパネル22に取付けるベース31cと、このベース31cの上面に形成される表示面31bと、インストルメントパネル22の上面23に倣わせた曲面に形成され、インストルメントパネル22に取付可能な下面31dと、を備えている。
【0028】
マーカ手段32,33は、マーカ手段31に同一構成の部材であり、先端部32a,33aに単品で方向性の認識可能な部位を備えた指標であり、インストルメントパネル22に取付けるベース32c,33cと、ベース32c,33cの上面に形成される表示面32b,33bと、インストルメントパネル22の上面23に倣わせた曲面に形成され、インストルメントパネル22に取付可能な下面32d,33dと、を備えている。
【0029】
また、マーカ手段31〜33は、車両10前方に向けて略直線状で且つインストルメントパネル22の上面23に配置されるとともに、マーカ手段31〜33の先端部31a〜33aが同一平面上に配置されている。
【0030】
図3に示すように、マーカ手段34〜36は、マーカ手段31に相似形であって同一構成の部材であり、先端部34a〜36aに単品で方向性の認識可能な部位を備えた指標であり、インストルメントパネル22に取付けるベース34c〜36cと、ベース34c〜36cの上面に形成される表示面34b〜36bと、インストルメントパネル22の上面23に倣わせた形状に形成され、インストルメントパネル22に取付可能な下面34d〜36dと、を備えている。
【0031】
また、マーカ手段34〜36は、車両10前方に向けて略直線状で且つインストルメントパネル22の上面23に配置されるとともに、マーカ手段34〜36の先端部34a〜36aが同一平面上に配置されている。
【0032】
マーカ手段31〜33は、第1の想像ライン37が構成され、マーカ手段34〜36は、第2の想像ライン38が構成され、これらの第1・第2の想像ライン37,38の交点が車両10のコーナ部21近傍として認識される。
【0033】
さらに、マーカ手段31〜33は、表示面31b〜33bの大きさを車両10の前方のものほど小さく形成されている(表示面31b>表示面32b>表示面33b)。同様に、マーカ手段34〜36は、表示面34b〜36bの大きさを車両10の前方のものほど小さく形成されている(表示面34b>表示面35b>表示面36b)。
【0034】
すなわち、車両用視認補助装置30は、少なくとも一部に曲面を備えたインストルメントパネル22の上面23に車両10のコーナ部21の認識を補助する複数のマーカ手段31〜33を設け、マーカ手段31〜33を、車両10前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段31〜33の先端部31a〜33aを、同一平面上に配置することで、インストルメントパネル22の曲面形状に依存することなく、複数のマーカ手段31〜33を直線状に認識することができる。この結果、車両10のコーナ部21の視認性の向上を図ることができる。
【0035】
また、車両用視認補助装置30は、表示面31b〜33bの大きさを車両10の前方のものほど小さく形成することで、マーカ手段31〜33に奥行き感を付加することができる。この結果、運転者18が奥行き感の認識を容易にすることができる。
【0036】
図4(a)〜(h)は図1に示されたマーカ手段及び別実施例のマーカ手段の平面図である。
(a)において、マーカ手段31は、底辺の長さよりも他の二辺長さを長く形成した二等辺三角形であり、先端部31aは、他の二辺で構成することで、方向性の認識を可能とした部位を有する指標である。
【0037】
マーカ手段31に、単品で方向性の認識可能な先端部(部位)31aを備えることで、個々のマーカ手段31に直線を連想させる効果を付与することができる。この結果、マーカ手段31〜33(図1参照)間の距離を長くしたり、マーカ手段31〜33の個数を削減することができ、車両用視認補助装置30のコストの低減を図ることができる。
【0038】
(b)において、別実施例のマーカ手段42は、単品で方向性の認識可能な先端部(部位)42aを備え、(a)に示されるマーカ手段31の二等辺三角形の底辺相当部分に曲線部を備えることで、方向性の認識効果を強くした形状である。
【0039】
(c)において、別実施例のマーカ手段43は、単品で方向性の認識可能な先端部(部位)43aを備え、(a)に示されるマーカ手段31の二等辺三角形の他の二辺を短く形成することで、狭いスペースに多くのマーカ手段43を配置できるようにした形状である。
【0040】
(d)において、別実施例のマーカ手段44は、単品で方向性の認識可能な曲線状の先端部(部位)44aを備える。
(e)において、別実施例のマーカ手段45は、円形の外形に直径を表す直線の組合せからなり、直径を表す直線が単品で方向性の認識可能な先端部(部位)45aに相当する。
【0041】
(f)において、別実施例のマーカ手段46は、長方形の外形に長手方向に形成された矢印の組合せからなり、矢印が単品で方向性の認識可能な先端部(部位)46aに相当する。
(g)において、別実施例のマーカ手段47は、矢羽根形状の指標であり、単品で方向性の認識可能な先端部(部位)47aを備える。
(h)において、別実施例のマーカ手段48は、楕円の外形を有する指標であり、長径部分が単品で方向性の認識可能な先端部(部位)48aに相当する。
【0042】
図5(a)〜(c)は図1に示された車両用視認補助装置の作用説明図であり、(a)は、運転者18(図1参照)のアイポイント19(図2参照)の左右位置のばらつきによるマーカ手段31〜33の見え方の違いを表し、(b)は、運転者18のアイポイント19の前後位置のばらつきによるマーカ手段31〜33の見え方の違いを表し、(c)は、運転者18のアイポイント19の上下位置のばらつきによるマーカ手段31〜33の見え方の違いを表す。
【0043】
(a)において、マーカ手段31〜33を、車両10(図1参照)前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段31〜33の先端部31a〜33aを、同一平面上に配置したので、運転者18のアイポイント19(図2参照)が矢印a1の如く左右に動いた場合は、マーカ手段31〜33が多少左右に寄る程度であり、マーカ手段31〜33で構成される第1の想像ライン(直線)37が曲がって見えることはない。
【0044】
(b)において、運転者18のアイポイント19(図2参照)が矢印a2の如く前後に動いた場合は、(a)と同様にマーカ手段31〜33が多少左右に寄る程度である。その程度は、(a)よりも少ないと考える。
【0045】
(c)において、運転者18のアイポイント19(図2参照)が矢印a3の如く上下に移動する場合は、マーカ手段31〜33の見え方にほとんど変化はない。
すなわち、(a)〜(c)において、車両用視認補助装置30は、運転者18(図1参照)の体格に影響されることが少ない視認補助装置であると言える。
【0046】
図6は本発明に係る第2実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
マーカ手段51〜53は、車両10前方に向けて略直線状にインストルメントパネル22の上面23に配置され、マーカ手段51〜53の先端部51a〜53aが同一平面上に配置され、且つマーカ手段51〜53の表示面51b〜53bが所定の方向に傾斜している。
【0047】
車両用視認補助装置50も、車両用視認補助装置30(図2参照)同様に、マーカ手段51〜53を、車両10前方に向けて略直線状に配置するとともに、マーカ手段51〜53の先端部51a〜53aを、同一平面上に配置した一例であると言うことができる。
すなわち、インストルメントパネル22の曲面形状に依存することなく、複数のマーカ手段51〜53を直線状に認識することができる。この結果、車両10のコーナ部21(図1参照)の視認性の向上を図ることができる。
【0048】
図7は本発明に係る第3実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
車両用視認補助装置60は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、
このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段61〜66と、で構成され、マーカ手段61〜66の表示面61b〜66bを、同一方向に指向させたものである。
【0049】
マーカ手段61〜66の表示面61b〜66bを、同一方向に指向させることで、それぞれのマーカ手段61〜66の見え方を均一にすることができる。
【0050】
図8は本発明に係る第4実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
車両用視認補助装置70は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段71〜76と、で構成され、表示面71b〜76bを、車両10の運転席ヘッドレスト75近傍に指向させるものである。
【0051】
表示面71b〜76bを、車両10の運転席ヘッドレスト75近傍に指向させることで、運転者18がマーカ手段71〜76を認識しやすくすることができる。
【0052】
図9は本発明に係る第5実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
車両用視認補助装置80は、車体11側に設けられたインストルメントパネル85と、このインストルメントパネル85の上面86に配置した複数のマーカ手段81〜83と、で構成され、マーカ手段81〜83を、インストルメントパネル85に一体的に形成したものである。
【0053】
マーカ手段81〜83を、インストルメントパネル85に一体的に形成することで、インストルメントパネル85の意匠性を維持しつつ、マーカ手段81〜83の視認性の向上を図ることができる。
【0054】
図10は本発明に係る第6実施例の車両用視認補助装置の側面図であり、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
車両用視認補助装置90は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段91〜93と、で構成され、マーカ手段91〜93を、車両10の前方のものほど低くなるように配置したものである。
【0055】
すなわち、マーカ手段91〜93を、車両10の前方のものほど低くなるように配置したので、例えば、ボンネット15などの構造部品との連続性を確保することができる。この結果、車両10の下回り部品、例えば、フロントバンパ(不図示)位置等の推定がしやすい。
【0056】
図11は本発明に係る第7実施例の車両用視認補助装置の平面図であり、図12は図11の12−12線断面図である。なお、車両用視認補助装置30(図1及び図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0057】
図11及び図12に示された車両用視認補助装置100は、車体11側に設けられたインストルメントパネル22と、このインストルメントパネル22の上面23に配置した複数のマーカ手段31〜36と、こられのマーカ手段31〜36とは別にインストルメントパネル22の上面23に配置した副マーカ手段101,102と、で構成される。
【0058】
副マーカ手段101は、インストルメントパネル22の上面23に配置したハウジング104と、このハウジング104の上面に取付けたレンズ105と、このレンズ105を照明する発光体106と、から構成される。なお、副マーカ手段は102は、副マーカ手段101に同一構成の部品であり、詳細な説明は省略する。
【0059】
さらに、副マーカ手段101,102は、車両10のウインドシールド16上へ写像107,108を形成するものであり、写像107を、複数のマーカ手段31〜33に略第1の想像ライン111で直線状に連続させるよう投影され、写像108を、複数のマーカ手段34〜36に第2の想像ライン112で略直線状に連続させるよう投影される。
【0060】
すなわち、副マーカ手段101が、車両10のウインドシールド16上へ写像107を形成するものであり、この写像107を、複数のマーカ手段31〜33に略直線状に連続させることで、インストルメントパネル22の前方にまでマーカ手段31〜33で形成する第1の想像ライン(略直線)111を延長することができる。この結果、車両10のコーナ部21の視認性の向上を図ることができるとともに、運転者19に対する視線の誘導効果を高めることができる。
なお、副マーカ手段101は前述のマーカ手段31〜33と同一平面上にある必要はなく、乗員側から直接見える必要もない。従って、意匠の制約を受けることなく、比較的自由に配置することが可能である。
【0061】
尚、本発明に係る車両用視認補助装置は、図1に示すように、3個のマーカ手段31〜33で第1の想像ライン37を構成したが、これに限るものではなく、2個若しくは4個以上のマーカ手段を配列したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る車両用視認補助装置は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る車両用視認補助装置の平面図である。
【図2】図2は図1の2−2線断面図である。
【図3】図3は図1の3−3線断面図である。
【図4】図1に示されたマーカ手段及び別実施例のマーカ手段の平面図である。
【図5】図1に示された車両用視認補助装置の作用説明図である。
【図6】本発明に係る第2実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図7】本発明に係る第3実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図8】本発明に係る第4実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図9】本発明に係る第5実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図10】本発明に係る第6実施例の車両用視認補助装置の側面図である。
【図11】本発明に係る第7実施例の車両用視認補助装置の平面図である。
【図12】図12は図11の12−12線断面図である。
【図13】従来の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0064】
10…車両、16…ウインドシールド、21…コーナ部、22…インストルメントパネル、23…上面、30,50,60,70,80,90,100…車両用視認補助装置、31〜33…マーカ手段、31a〜33a…先端部、31b〜33b…表示面、75…運転席ヘッドレスト、85…インストルメントパネル、86…上面、101,102…副マーカ手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上面の一部に曲面を備えたインストルメントパネルと、このインストルメントパネルの上面に車両のコーナ部の認識を補助する複数のマーカ手段と、を備えた車両用視認補助装置であって、
前記マーカ手段を、車両前方に向けて略直線状に配置するとともに、前記マーカ手段の先端部を、同一平面上に配置したことを特徴とする車両用視認補助装置。
【請求項2】
前記マーカ手段の表示面を、同一方向に指向させたことを特徴とする請求項1記載の車両用視認補助装置。
【請求項3】
前記表示面を、前記車両の運転席ヘッドレスト近傍に指向させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用視認補助装置。
【請求項4】
前記マーカ手段を、インストルメントパネルに一体的に形成したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の車両用視認補助装置。
【請求項5】
前記マーカ手段は、前記表示面の大きさを前記車両の前方のものほど小さく形成したものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の車両用視認補助装置。
【請求項6】
前記マーカ手段を、前記車両の前方のものほど低くなるように配置したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の車両用視認補助装置。
【請求項7】
前記マーカ手段は、単品で方向性の認識可能な部位を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用視認補助装置。
【請求項8】
前記複数のマーカ手段とは別の副マーカ手段を備え、この副マーカ手段は、前記車両のウインドシールド上へ写像を形成するものであり、この写像を、前記複数のマーカ手段に略直線状に連続させるよう投影することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の車両用視認補助装置。
【請求項1】
少なくとも上面の一部に曲面を備えたインストルメントパネルと、このインストルメントパネルの上面に車両のコーナ部の認識を補助する複数のマーカ手段と、を備えた車両用視認補助装置であって、
前記マーカ手段を、車両前方に向けて略直線状に配置するとともに、前記マーカ手段の先端部を、同一平面上に配置したことを特徴とする車両用視認補助装置。
【請求項2】
前記マーカ手段の表示面を、同一方向に指向させたことを特徴とする請求項1記載の車両用視認補助装置。
【請求項3】
前記表示面を、前記車両の運転席ヘッドレスト近傍に指向させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用視認補助装置。
【請求項4】
前記マーカ手段を、インストルメントパネルに一体的に形成したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の車両用視認補助装置。
【請求項5】
前記マーカ手段は、前記表示面の大きさを前記車両の前方のものほど小さく形成したものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の車両用視認補助装置。
【請求項6】
前記マーカ手段を、前記車両の前方のものほど低くなるように配置したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の車両用視認補助装置。
【請求項7】
前記マーカ手段は、単品で方向性の認識可能な部位を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用視認補助装置。
【請求項8】
前記複数のマーカ手段とは別の副マーカ手段を備え、この副マーカ手段は、前記車両のウインドシールド上へ写像を形成するものであり、この写像を、前記複数のマーカ手段に略直線状に連続させるよう投影することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の車両用視認補助装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−314141(P2007−314141A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148910(P2006−148910)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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