説明

車両用走行計画生成システム

【課題】交通信号機の切替えタイミングのデータと関係なく、自車両が停止する可能性の高いショートトリップの停止地点を予測して走行計画を生成する。
【解決手段】本発明は、過去の車両のショートトリップの統計データを蓄積したデータベース13と、データベース13から、自車の現在のショートトリップにおける停止地点の候補を含む統計データを抽出する統計データ抽出部221と、抽出された統計データに含まれる停止地点の候補の中から、自車の現在のショートトリップの走行条件に基づいて、計画停止地点を予測する停止地点予測部222と、自車両が計画停止地点に停止するように、走行計画を生成する走行計画生成部223とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用走行計画生成システムに係り、より詳細には、統計データを利用して次の停止地点を予想し、自車両が発進してから停止するまでのショートトリップの走行計画を生成する車両用走行計画生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の走行計画生成装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示の技術によれば、交差点の交通信号の点灯サイクルに基づいた停止場面を考慮して、燃費の良い走行計画を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−70101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、実際に全ての交通信号機の青、黄、赤色の信号灯の正確な切替えタイミングのデータを得ることは容易ではない場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、交通信号機の切替えタイミングのデータと関係なく、自車両が停止する可能性の高いショートトリップの停止地点を予測して走行計画を生成することができる車両用走行計画生成システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の車両用走行計画生成システムは、車両のショートトリップの統計データを蓄積したデータベースと、前記データベースから、自車の現在のショートトリップにおける停止地点の候補を含む統計データを抽出する統計データ抽出手段と、抽出された統計データに含まれる停止地点の候補の中から、自車の現在のショートトリップの走行条件に基づいて、計画停止地点を予測する停止地点予測手段と、自車両が計画停止地点に停止するように、走行計画を生成する走行計画生成手段とを有することを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明は、過去の統計データと自車両の現在の走行条件とに基づいて、自車両が現在のショートトリップで次に停止する計画停止地点を予測する。これにより、本発明によれば、交通信号機の切替えタイミングのデータと関係なく、自車両が停止する可能性の高いショートトリップの停止地点を予測して走行計画を生成することができる。
【0008】
また、本発明において好ましくは、前記データベースは、ショートトリップの発進地点と停止地点との組合せと、各組合せの発進地点から発進した車両のうちその組合せの停止地点に停止する車両の割合を示す停止確率と、各組合せのショートトリップの走行条件の統計値とを対応付けた統計データを蓄積しており、前記統計データ抽出手段は、前記データベースから、自車両の現在のショートトリップの発進地点を含む組合せを含む統計データを抽出し、前記停止地点予測手段は、抽出された統計データに含まれる停止確率を事前確率とし、抽出された統計データに含まれる走行条件の統計値及び自車両の現在のショートトリップの走行条件の値に基づいて尤度を計算し、前記抽出統計データに含まれる各組合せの停止地点にそれぞれ停止する確率を事後確率として計算し、前記事後確率の最も高い停止地点を計画停止地点として予測する。
【0009】
このように、過去の統計データと自車両の現在の走行条件とに基づいて、自車両が現在のショートトリップで次に停止する確率の最も高い停止地点を求めて、これを計画停止地点として予測する。ここで、計画停止地点は、単に過去の統計データ上で車両が停止する停止確率の最も高い地点ではなく、過去の統計データと現在の自車両の走行条件とに基づいて求めた停止確率の最も高い地点である。このため、単に過去データだけを使用した場合よりも、自車両が停止する確率のより高い停止地点を求めることができる。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、前記データベースに蓄積された統計データは、プローブ情報から生成されたものである。
【0011】
プローブ情報とは、走行中の車両から無線通信を介して収集した、その車両の位置及び速度等の様々なデータをいう。プローブ情報を利用することにより、車両が発進してから停止するまでのショートトリップの発進地点と停止地点との組合せと、発進地点から発進した車両のうち各組合せの停止地点に停止する車両の割合を示す停止確率と、各組合せのショートトリップごとの走行条件の統計値とを対応付けた統計データを蓄積することができる。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、前記走行計画生成手段は、自車両の現在のショートトリップの発進地点から計画停止地点までの道程における自車両の計画速度及び計画加速度の少なくとも一方を設定する走行計画を生成する。
これにより、車両の速度及び加速度をパラメータとした走行計画を生成することができる。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、前記走行計画生成手段は、自車両の現在のショートトリップの発進地点から計画停止地点までの道程に沿って、加速区間、定速区間、惰行区間及び減速区間を順次に設定した走行計画であって、前記ショートトリップの全区間のうちの前記惰行区間の割合が所定値以上である走行計画を生成する。
【0014】
このように、惰行区間の割合を所定値以上とすることによって、車両の燃費の向上を図ることができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、前記加速区間及び前記定速区間において、自車両の実際の車速と走行計画による車速との差が所定値以上である場合に、前記停止地点予測手段は、前記自車両の実際の車速に基づいて新たな計画停止地点を予測する。
【0016】
このように、加速区間及び前記定速区間においては、運転者の意志を尊重して当初の走行計画を取り消して新た計画停止地点を予測し、一方、惰行区間に入った後は、車両の燃費が優先されて、当初の走行計画は取り消されない。これにより、運転者の意志と車両の燃費の向上との両立が図られる。
【0017】
また、本発明において好ましくは、前記惰行区間において、アクセルペダルが所定時間以上継続して操作された場合に、前記停止地点予測手段は、当初の計画停止地点よりも先に位置する新たな計画停止地点を予測する。
これにより、よい運転者の意図に沿った運転計画を生成することができる。
【0018】
また、本発明において好ましくは、前記走行計画生成手段は、計画停止地点までのショートトリップの道程上で自車両に先行する他車両の車速が、当初の走行計画の前記定速区間の計画速度よりも低い場合に、前記停止地点予測手段は、前記他車両の車速に基づいて新たな計画停止地点を予測する。
【0019】
このように、自車両の周囲の交通状況により、走行計画に従った走行が困難な場合に、新たな走行計画を生成することにより、実現の可能性の高い走行計画を生成することができる。
【0020】
なお、ここで先行する他車両とは、自車両の直前を走行する先行車両であってもよいし、自車両の何台も前を走行する車両であってもよい。また、他車両の車速は、自車両に搭載したレーダなどの機器で直接測定してもよいし、プローブ情報として取得してもよい。
【0021】
また、本発明において、好ましくは、前記データベースに蓄積された統計データは、加速して通過する場合と減速して停車する場合の両方の頻度の高いジレンマ地点のデータを含み、前記停止地点予測手段は、自車両の現在のショートトリップの発進地点と計画停止地点との間にジレンマ地点が存在する場合に、当該ジレンマ地点を計画停止地点とする。
【0022】
ジレンマ地点付近では、運転者が車両を停止させるべきか、通過させるべきか迷う頻度が高い。このような地点では、例えば、信号機付き交差点の手前で、車両が急加速したたり、またはその逆に、車両が急停止したりする頻度が高い。特に、車両が急加速した場合には、車両の燃費が悪化する。また、急加速して通過した直後の交差点で停止することもある。そこで、ジレンマ地点を計画停止地点とした走行計画を生成することによって、ジレンマ地点付近での急加速及び急停止の発生を回避することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の車両用走行計画生成システムによれば、交通信号機の切替えタイミングのデータと関係なく、自車両が停止する可能性の高いショートトリップの停止地点を予測して走行計画を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】車両用の走行計画の概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態による車両用走行計画生成システムの構成を示すブロック図である。
【図3】ショートトリップにおける発進交差点及び停止交差点の説明図である。
【図4】(a)は、交差点に停止する事前確率を示す棒グラフであり、図4(b)は、交差点に停止する事後確率を示す棒グラフである。
【図5】走行計画の走行パターンを示すグラフである。
【図6】プローブ情報センターの処理を説明するフローチャートである。
【図7】図6に続くフローチャートである。
【図8】車載システムの処理を説明するフローチャートである。
【図9】図8に続くフローチャートである。
【図10】計画停止交差点の予測ステップ及び走行計画の生成ステップの一例を説明するフローチャートである。
【図11】計画停止交差点の予測ステップの他の例を説明するフローチャートである。
【図12】計画停止交差点の予測ステップの更に他の例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両用走行計画生成システムの第1実施形態を説明する。
まず、図1を参照して、車両が発進してから停止するまでのショートトリップの走行計画について説明する。図1の上段には、道程に沿って順次に位置する信号機付き交差点(以下、交差点)A、B及びCが示されている。図1の中段には、走行計画のない走行パターンの一例が曲線Iで示されている。さらに、図1の下段には、走行計画に従った走行パターンの一例が曲線IIで示されている。図1の中段及び下段の横軸は道程を表し、縦軸は車速を表す。
【0026】
曲線Iで示すように、走行計画のない走行パターンでは、交差点Aと交差点Bとの間の破線aで囲んだ領域で不必要な加減速が繰り返されている。このような加減速は、燃費を悪化させる。さらに、この走行パターンでは、交差点B付近の破線bで囲んだ領域で、車両が急加速している。この急加速は、交差点Bの信号機の点灯が切り替わる前に、車両が交差点を通過しようとした結果である。このような急加速も燃費を悪化させる。そのうえ、車両は、急加速をして交差点Bを通過したものの、結局、交差点Bの直後の交差点Cで停止している。このため、交差点B付近での急加速は無駄な結果となっている。
【0027】
これに対して、曲線IIで示すように、走行計画に従った走行パターンでは、車両は不必要な加減速をすることなく、交差点Aから発進して交差点Bで停止している。このため、この走行計画に従って走行することによって、燃費の向上を図ることができる。さらに、ある車両が走行計画に従って燃費効率の良い走行パターンで走行すると、その車両の後続車も燃費効率の良い走行パターンで走行することになる。したがって、走行計画を生成することによって、道路交通全体の省燃費に貢献することが期待できる。
なお、走行計画の走行パターンは、燃料消費を抑制するものに限定されない。例えば、車両の加速性能を十分に発揮できるような走行パターンであってもよい。
【0028】
つぎに、図2を参照して、本発明の実施形態による車両用走行計画生成システムの構成について説明する。図2は、実施形態による車両用走行計画生成システムの構成を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、実施形態による車両用走行計画生成システムは、プローブ情報センター1と車載システム2とから構成されている。プローブ情報センター1は、車両との間でプローブ情報を通信する通信部11と、プローブ情報を処理して統計データを生成するサーバ12と、統計データを蓄積するデータベース13とを備えている。
【0030】
下記の表1に示すように、データベース13には、車両が発進してから停止するまでのショートトリップの発進交差点と停止交差点との組合せと、各組合せの発進交差点から発進した車両のうちその組合せの停止交差点に停止する車両の割合を示す停止確率と、各組合せのショートトリップの走行条件の統計値とを対応付けた統計データが蓄積されている。
【0031】
【表1】

【0032】
上記の表1では、発進交差点Aと停止交差点Bとの組合せに対して、発進交差点Aから発進した車両のうち交差点Bに停止する車両の割合を示す停止確率「0.04」と、その組合せのショートトリップの走行条件の統計値とが対応付けられている。走行条件の統計値(予測パラメータ)としては、車両が発進後、加速終了時の発進交差点からの距離の平均値、発進時から加速終了時迄の経過時間の平均値、及び加速終了時の車速の平均値が挙げられる。さらに、加速終了後の定速走行中の車速の平均値や、信号変化からの経過時間の平均値を加えてもよい。また、統計データには、各組合せごとの予測パラメータとして、平均、分散、共分散行列及び行列式を含めてもよい。
【0033】
また、車載システム2は、プローブセンター1との間でプローブ情報を通信する通信部21と、データベース13の蓄積データに基づいて走行計画を生成する計画生成ユニット22とを有する。計画生成ユニット22は、データベース13から、自車両の現在のショートトリップの発進地点を含む組合せを含む関連統計データを抽出する統計データ抽出部221と、関連統計データと、自車両の現在のショートトリップの走行条件の値とに基づいて、抽出統計データに含まれる各組合せの停止地点にそれぞれ停止する停止確率を計算し、停止確率の最も高い停止地点を計画停止地点として予測する停止地点予測部222と、自車両が計画停止地点に停止するように、走行計画を生成する走行計画生成部223とを有する。
【0034】
統計データ抽出部221は、通信部21を介して、データベース13から、自車両の現在のショートトリップの発進地点を含む組合せを含む関連統計データを抽出する。図3に示すように、自車両が交差点Aから発進する場合、データベース13から、上記表1の統計データのうち発進交差点Aを含む組合せ1〜4の統計データを抽出する。抽出された関連統計データでは、交差点B〜Eに停止する停止確率は、それぞれ「0.04」、「0.14」、「0.09」及び「0.4」である。これらの停止確率は、プローブ情報サーバ1が収集した多数の車両のプローブ情報を統計処理し、交差点Aから発進して、各交差点B〜Eにそれぞれ停止した車両の頻度に基づいて求めたものである。
【0035】
ここで、図4(a)に、交差点B〜Eに停止する停止確率を棒グラフで模式的に示す。図4(a)に示すように、停止確率では、交差点Cに停止する確率が最も高くなっている。
【0036】
停止地点予測部222は、関連統計データと、自車両の現在のショートトリップの走行条件の値とに基づいて、抽出統計データに含まれる各組合せの停止地点にそれぞれ停止する停止確率を計算し、停止確率の最も高い停止地点を計画停止地点として予測する。停止確率の計算に当たっては、ベイズの定理を利用する。
【0037】
ベイズの定理は、下記の式1で表される。
【0038】
【数1】

【0039】
上記の式1において、P(H1)は、H1が生じる確率(事前確率)を表し、P(D|H1)は、H1という事象が生じるときのDが生じる確率(尤度)を表し、また、P(H1|D)は、Dという事象が生じたときのH1が生じる確率(事後確率)を表す。
【0040】
尤度は、予測パラメータの正規分布を仮定すると、μを平均ベクトル、Sを共分散行列、xを走行時に得られるデータベクトルとして、下記の式で表される。
【0041】
【数2】

【0042】
そして、事前確率P(H1)は、抽出した関連統計データにおいて車両が交差点H1〜Hnに停止する停止確率に相当する。
【0043】
また、尤度P(D|H1)〜P(D|Hn)は、それぞれの交差点H1〜Hnに停車したときの、走行条件の平均値となる確率に相当する。走行条件の平均値(予測パラメータ)としては、例えば、加速終了時の発進交差点からの距離の平均値、発進時から加速終了時迄の経過時間の平均値、加速終了時の車速の平均値、及び、加速終了後の定速走行中の車速の平均値となる確率に相当する。
【0044】
そして、ベイズの定理を利用して事前確率及び尤度から求められる事後確率P(H1|D)〜P(Hn|D)は、抽出された統計データと、自車両の現在のショートトリップの走行条件の値とに基づいて、抽出された統計データに含まれる各組合せの停止地点にそれぞれ停止する停止確率に相当する。
【0045】
図4(b)に、交差点B〜Eに停止する停止確率を示す。図4(b)に示すように、停止確率では、交差点Bに停止する確率が最も高くなっている。したがって、交差点Bが、計画停止地点として予測される。
【0046】
走行計画生成部223は、交差点Aから発進した自車両が、交差点Bに停止するように、ショートトリップの走行計画を生成する。走行計画においては、自車両の現在のショートトリップの発進交差点Aから計画停止交差点Bまでの道程における自車両の計画速度及び計画加速度を設定することにより、走行パターンが設定される。
【0047】
図5に、走行計画の一例を示す。図5の横軸は道程を表し、縦軸は車速を表す。図5に曲線IIIで示す走行パターンは、自車両の現在のショートトリップの発進交差点Aから計画停止交差点Bまでの道程に沿って、加速区間L1、定速区間L2、惰行区間L3及び減速区間L4が順次に設定されている。加速区間L1では、所定の加速度で車両を加速し、定速区間L2では、所定の一定車速で走行する。また、惰行区間L3では、アクセルを踏み込んでいない状態で惰行走行する。そして、停止交差点Bの手前から所定の減速度で車両を減速して、停止交差点Bに停止する。
【0048】
例えば、加速終了地点に基づいて計画停止交差点が決定されると、(1)定速区間L2における巡航速度、(2)惰行区間L3の終了時の速度、(3)惰行区間L3における減速度、及び(4)減速区間L4におけるブレーキによる減速中の減速度を設定して、走行パターンを構成する速度プロファイルが生成される。
【0049】
ここで、(1)定速区間L2での巡航速度は、自車の現在のショートトリップと同じショートトリップ区間を走行した車両の蓄積データにおける巡航速度の平均値に設定されるとよい。このように、蓄積データにおける巡航速度の平均値に準じた巡航速度を設定すれば、計画各停止位置に停止し易くなると考えられる。
【0050】
また、(2)惰行区間L3の終了時の速度は、予め所定の速度(例えば、30km/h)を設定しておくとよい。また、(3)惰行区間L3での減速度も、予め所定の減速度(例えば、0.04G)を設定しておくとよい。さらに(4)減速区間L4で減速度も、予め所定の減速度(例えば、0.15G)を設定しておくとよい。
【0051】
そして、交差点Aから交差点B間のショートトリップの全区間のうちの惰行区間L3の割合が所定値(例えば、50%)以上である。このように、惰行区間L3の割合を高くすることによって、燃費の向上を図ることができる。
【0052】
さらに、車載システム2は、走行計画に沿った走行パターンを運転者に提供する情報提供部23と、走行計画に沿った走行パターンでの走行をするように運転者を誘導するために、アクセルペダルの反発力を調整するペダル制御部24と、反発力を調整可能なアクセルペダル25とを備えている。例えば、情報提供部23は、ショートトリップの走行パターンに合わせて、加速区間L1、定速区間L2、惰行区間L3及び減速区間Lの別を運転者対して表示したり、音声で報知したりするとよい。また、ペダル制御部24は、定速区間L2を走行中に、加速区間L1を走行中よりもアクセルペダル25の反発力を大きくする。さらに、ペダル制御部24は、惰行区間L3走行中に、定速区間L2を走行中よりも一段とアクセルペダル25の反発力を大きくする。これにより、運転者を走行計画の走行パターンに従って運転するように誘導することができる。
【0053】
また、車載システム2は、先行車両の速度を測定するためのレーダ26と、車両の位置を測定するGPS(全地球測位システム)27と、カーナビゲーションシステムの地図情報が格納された記憶部28とを備えている。
【0054】
次に、実施形態による車両用走行計画生成システムの動作例を説明する。
まず、図6及び図7のフローチャートを参照して、プローブ情報センター1の処理を説明する。プローブ情報センター1は、通信部11を介して、多数の車両からプローブ情報(プローブデータ)を収集してデータベース13に蓄積する(S601)。
プローブ情報センター1のサーバ12は、蓄積されたプローブ情報から、トリップごとのプローブデータを抽出する(S602)。
【0055】
さらに、サーバ12は、トリップのプローブデータを、車両が発進してから次に停止するまでのショートトリップごとに分割して、ショートトリップデータ(STデータ)を生成する(S603)。ここでは、車速Vが発進判定速度Vs以上(V≧Vs)になった時点から、車速Vが最低到達速度Vmin以上(V≧Vmin)になった後、車速が停止判定速度Ve以下(V≦Ve)になるまでを、1つのショートトリップとする。例えば、車速がV=0から再びV=0になるまでをショートトリップとして抽出してもよい。
【0056】
次に、サーバ12は、ショートトリップごとの発進交差点及び停止交差点を特定する(S604)。交差点の特定に当たっては、車両に搭載されたGPSから車両の位置を特定し、車両の位置を地図データベースと照合するとよい。
【0057】
サーバ12は、ショートトリップごとのデータについて以下の処理を行う。
ショートトリップデータの発進交差点と停止交差点とが異なる場合(S605で「Yes」の場合)、サーバ12は、発進時の時刻t0と、発進時の車両の走行距離l0と、発進交差点までの距離Dとを求める(S606)。
【0058】
次に、車両の加速終了時の時刻ta、走行距離la、及び車速Vaを求める(S607)。加速終了の判断条件は、V≧Vmin、かつ加速度<0とするとよい。
【0059】
次に、車両が発進交差点を通過した時点の走行距離lpを求める(S608)。
なお、ステップS606で求めた距離Dは、カーナビゲーションシステムを利用して求めても良いし、発進時の走行距離l0と交差点通過時の走行距離lpとの差(lp−l0)として求めてもよい。
【0060】
次に、車両の加速終了時の発進交差点からの走行距離La、及び加速終了時の信号変化からの経過時間Taを求める。発進交差点からの距離Laは、加速終了時の走行距離laと発進交差点を通過時の走行距離lpとの差(la−lp)として求めるとよい。また、加速終了時の信号変化からの経過時間Taは、発進時の時刻t0から加速終了時の時刻ta迄の経過時間(t0−ta)に、交差点までの距離Dを発進波伝播速度Wsで除したもの(D/Ws)を加えて求めるとよい。
【0061】
次に、停止交差点の手前の減速開始地点の走行距離le、及び減速開始地点を通過した時刻teを求める(S610)。減速開始の判定は、停止交差点から遡って、加速度>0となった地点として求めるとよい。
【0062】
次に、加速終了時点から減速開始時点までの平均車速Vlを求める(S701)。平均車速は、減速開始地点の距離leと加速終了時の距離laとの差(le−la)を、減速開始地点の通過時刻teと加速終了時の時刻taとの差(te−ta)で除したもの((le−la)/(te−ta))として求めるとよい。
【0063】
次に、蓄積されたショートトリップデータを、同一発進交差点ごとにまとめる(グルーピングする)(S702)。
【0064】
そして、所定数以上のショートトリップデータが蓄積されてから(S704で「Yes」の場合)、グルーピングされたショートトリップのデータの統計処理を行う(S705)。統計処理によって、上述した種々のパラメータの平均、分散、共分散行列及び逆行列を求めるとよい。
【0065】
次に、統計処理により求められた各種の統計データを、発信交差点と停止交差点の組合せ(ペア)ごとに整理する(S706)
このようにして、プローブ情報を利用して、上記の表1に示す統計データが得られる。
【0066】
次に、図8及び図9のフローチャートを参照して、車載システム2の処理を説明する。車載システム2は、自車両が停止中に(S801で「Yes」)、自車両の直前の交差点の識別子(ID)、距離D、現在の停止時の走行距離l0を求める(S802)。図4(a)に示す例では、自車両は交差点Aの直前に停止している。したがって、車載システム2は、GPS27により自車両の現在位置を求め、その現在位置を、記憶部28に記憶されている地図データと照合して、直前の交差点Aの識別子を求める。これにより、交差点Aが発進交差点となる。
なお、自車両の車速Vが、停止判定速度Ve以下(V≦Ve)であり、かつ、自車両のブレーキが掛けられている状態の場合に、自車両が停止であると判定するとよい。
【0067】
次に、統計データ抽出部221は、通信部21を介して、プローブ情報センター1に対して、データベース13に蓄積されている統計データのうち、自車両の現在のショートトリップの発進交差点Aを含む組合せを含む関連統計データを要求する(S803)。具体的には、表1に示した統計データのうち、発進交差点Aを含む関連データを要求する。
【0068】
次に、自車両が発進したとき(S804で「Yes」の場合)に、発進時の時刻t0を求める(S805)。
続いて、自車両が発進交差点Aを通過したとき(S805で「Yes」の場合)に、発進交差点Aを通過した時点の走行距離lpを求める(S806)。
【0069】
次に、自車両の加速が終了したとき(S808で「Yes」の場合)に、加速終了時の時刻ta、走行距離la及び車速Vaを求める(S809)。
さらに、加速終了時の発進交差点Aからの距離La、信号変化からの経過時間Taを求める(S810)。
【0070】
次に、通信部21を介して、プローブ情報センター1のデータベース13から、自車両の現在のショートトリップの発進交差点Aを含む組合せを含む関連統計データが抽出されて送信された場合(S811で「Yes」の場合)、停止地点予測部222は、関連統計データと、自車両の現在のショートトリップの走行条件の値とに基づいて、抽出統計データに含まれる各組合せの停止交差点にそれぞれ停止する停止確率を計算する。そして、停止確率の最も高い停止交差点を計画停止地点として予測する(S901)。
【0071】
本実施形態では、計画停止交差点の予測にあたって、これまでのステップで求めた自車両の種々の走行条件、即ち、加速終了時の発進交差点Aからの距離La、及び信号変化からの経過時間Ta、加速終了時の速度Vaを予測パラメータとして使用して、式1に示したベイズの定理を利用して、各停止交差点での停止確率(事後確率)を計算する。そして、交差点Bに停止する事後確率が最大となった場合、交差点Bを計画停止交差点として予測する。
【0072】
そして、走行計画生成部223は、自車両が計画停止交差点Bに停止するように、図5に示したように、加速区間L1、定速区間L2、惰行区間L3及び減速区間L4を順次に設定した走行パターンの走行計画を生成する(S902)。
また、情報提示部23は、運転者に走行計画の走行パターンを報知して、走行計画の走行パターンに従って車両を走行させるように運転者を誘導する。
【0073】
ところで、常に運転者が走行計画どおりの車両を運転するとは限らない。その結果、自車両の実際の車速と走行計画による車速とが異なることがある。そこで、加速区間L1及び定速区間L2において、すなわち、惰行区間L3の開始地点P2に到達するまで(S906で「No」の場合)、自車両の実際の車速と走行計画による車速との差が所定値以上である場合(S903で「Yes」の場合)に、停止地点予測部222は、自車両の実際の車速に基づいて新たな計画停止交差点を予測する(S904)。
【0074】
次に、走行計画生成部223は、当初の走行計画を取り消し、新たな計画停止交差点までのショートトリップの走行計画を生成する(S905)。
【0075】
次に、惰行区間L3の開始地点P2に到達した場合(S906で「Yes」の場合)において、後続車両が一定距離以上離れているとき(S907で「Yes」の場合)、計画生成ユニット22は、惰行開始を指示する(S908)。
【0076】
一方、惰行区間L3の開始地点P2に到達した場合(S906で「Yes」の場合)において、後続車両が一定距離以下のとき(S907で「No」の場合)、惰行開始地点が変更される(S909)。後続車が迫っている場合に惰行を開始すると、後続車が追突するおそれがある。このため、惰行開始を遅らせることによって、追突の防止を図ることができる。
【0077】
そして、変更後の惰行開始位置に到達した場合(S910)、計画生成ユニット22は、惰行開始を指示する(S908)。惰行開始の指示によって、情報提示部23は、運転者に惰行開始を指示する(S908)。さらに、ペダル制御部24は、アクセルペダル25の反発力を高くして、運転者にアクセルペダル25を踏み込まない惰行運転を促す。
【0078】
ところで、惰行開始指示後も、運転者がアクセルペダル25を所定時間以上継続して操作した場合(S912で「No」の場合)には、停止地点予測部222は、運転者の意志を尊重して、当初の計画停止地点よりも先に位置する新たな計画停止地点を予測する。
【0079】
そして、車両が停止することによって(S913で「Yes」の場合)、ショートトリップは終了する。
【0080】
次に、本発明の車両用走行計画生成システムの第2実施形態を説明する。
第2実施形態の車両用走行計画生成システムは、図9のステップS901〜S902の処理内容以外は、第1実施形態のものと基本的に同じである。第2実施形態では、先行車両の車速を考慮して、走行計画を生成する。
【0081】
以下、図10のフローチャートを参照して、第2実施形態における変更部分の処理を説明する。
図10に示すように、第2実施形態では、第1実施形態のステップS901と同様に、加速終了時の予測パラメータを利用して、計画停止交差点を予測する(S1001)。
【0082】
次に、予測パラメータから定速区間における計画速度(巡航速度)を設定する(S1002)。
【0083】
次に、計画停止地点までのショートトリップの道程上で、前方に先行車両が存在する場合(S1003で「Yes」の場合)、レーダ等で先行車両の車速を測定する(S1004)。
【0084】
次に、先行車両野車速が、自車両の当初の走行計画の定速区間の計画速度よりも低い場合(S1006で「Yes」の場合)、停止地点予測部221は、先行車両の車速を、自車両の定速区間の新たな計画速度(巡航速度)として設定する(S1007)。
【0085】
次に、停止地点予測部221は、新たに設定した計画速度に基づいて、新たな計画停止交差点を予測する(S1008)。
【0086】
次に、第1実施形態のステップS902と同様に、走行計画生成部223は、新たに設定した計画速度と、新たな計画停止交差点とに基づいて、走行計画を生成する(S1009)。
このように、自車両の周囲の交通状況により、走行計画に従った走行が困難な場合に、新たな走行計画を生成することにより、実現の可能性の高い走行計画を生成することができる。
【0087】
次に、本発明の車両用走行計画生成システムの第3実施形態を説明する。
第3実施形態の車両用走行計画生成システムは、図9のステップS901〜S902の処理内容以外は、第1実施形態のものと基本的に同じである。第3実施形態では、周囲の交通の流れを考慮して、走行計画を生成する。
【0088】
以下、図11のフローチャートを参照して、第3実施形態における変更部分の処理を説明する。
図11に示すように、第3実施形態では、第1実施形態のステップS901と同様に、計画停止交差点を予測した後、自車両に先行する他車両の車速を取得する(S1101)。ここでは、自車両の前方、計画停止交差点まで道程上の他車両の車速を、ビックス(VICS:Vehicle Information and Communication System)、リアルタイムのプローブ情報によって取得するのがよい。
【0089】
なお、ビックス(VICS:Vehicle Information and Communication System)とは、渋滞、交通規制、所要時間、交通障害及び駐車場といった道路交通情報をリアルタイムに送信し、カーナビゲーションなどの車載機器に文字・図形で表示する情報通信システムをいう。
【0090】
次に、先行する他車両の車速(リンク流速)が、当初の走行計画の定速区間の計画速度よりも低い場合に、停止地点予測部222は、その先行する他車両の車速(リンク流速)を、定速区間の計画速度として、新たな計画停止交差点を予測する(S1103)。
【0091】
次に、走行計画生成部223は、先行する他車両の車速(リンク流速)と、新たな計画停止交差点とに基づいて、新たな走行計画を生成する(S1104)。新たな走行計画も、加速区間、定速区間、惰行区間及び減速区間を順次に設定した走行パターンを有する。新たな走行計画では、定速区間の計画速度が、先行する他車両の車速であり、自車両は、新たな計画停止交差点で停止する。
【0092】
続いて、図9のS903のステップへ戻る。
このように、自車両の周囲の交通状況により、走行計画に従った走行が困難な場合に、新たな走行計画を生成することにより、実現の可能性の高い走行計画を生成することができる。
【0093】
次に、本発明の車両用走行計画生成システムの第4実施形態を説明する。
第4実施形態の車両用走行計画生成システムは、データベース13内の統計データの内容、及び図9のステップS901〜S902の処理内容以外は、第1実施形態のものと基本的に同じである。第4実施形態では、交差点通過時の信号の変わり目におけるジレンマをを考慮して、走行計画を生成する。
【0094】
下記の表2に示すように、第4実施形態では、データベース13に蓄積された統計データは、所定値以上の急加速をして通過する場合と所定値以上の急減速をして停車する場合の両方の頻度の高いジレンマ地点のデータを含む。
【0095】
【表2】

【0096】
さらに、データベース13は、ジレンマ交差点が示されている組合せについて、走行条件の特徴値を、上記表2とは別にジレンマデータとして蓄積する。ジレンマデータでは、ジレンマ(急加速又は急減速)が発生したショートトリップの特徴量を計算したものである。特徴量としては、例えば、加速終了時の発進交差点からの距離、経過時間、車速が挙げられる。
【0097】
以下、図12のフローチャートを参照して、第4実施形態における変更部分の処理を説明する。
【0098】
第4実施形態では、第1実施形態のステップS901と同様にして計画停止交差点を予測した後、自車両の現在のショートトリップの発進地点と計画停止地点との間にジレンマ地点が存在する場合(S1201で「Yes」の場合)に、データベース13に蓄積されたジレンマデータとの類似度を計算する(S1202)。ジレンマデータとの類似度の計算にあたっては、例えば、ジレンマデータに蓄積された1つ以上の特徴量と、自車両の現在の走行条件の値との差を計算する。
【0099】
次に、類似度が基準値以上である場合(S1203で「Yes」の場合)に、ジレンマ交差点を計画停止交差点に設定する(S1204)。例えば、前ステップで計算した差が、所定の基準値以下である場合に、類似度が基準値以上であると判定する。
【0100】
例えば、上記の表1の、発進交差点「A」と停止交差点「C」との組合せ「2」の場合、ジレンマ交差点「B」が登録されている。この場合、例えば、ジレンマデータとして蓄積された加速終了時の発進交差点からの距離と、自車両の現在の走行条件の加速終了時の発進交差点からの距離との差が、所定の基準値以下である場合に、ジレンマ交差点「B」を新たな計画停止交差点として設定する。
【0101】
続いて、図9のS903のステップへ戻る。
このように、ジレンマ交差点を計画停止交差点とした走行計画を生成することによって、ジレンマ交差点付近での急加速及び急停止の発生を回避することができる。
【0102】
上述の実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、発進地点及び停止地点が信号機付き交差点である例について説明したが、本発明では、発進地点及び停止地点はこれに限定されない。例えば、渋滞頻度の高い地点を発進地点又は停止地点としてもよい。
【0103】
また、上述の実施形態においては、加速区間、定速区間、惰行区間及び減速区間を順次に設定した走行パターンを有する走行計画を生成する例について説明したが、本発明の生成する走行計画の走行パターンはこれに限定されない。
【符号の説明】
【0104】
1 プローブ情報センター
2 車載システム
11 通信部
12 サーバ
13 データベース
21 通信部
22 計画生成ユニット
23 情報提示部
24 ペダル制御部
25 アクセルペダル
26 レーダ
27 GPS
28 記憶部
221 統計データ抽出部
222 停止地点予測部
223 走行計画生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の車両のショートトリップの統計データを蓄積したデータベースと、
前記データベースから、自車の現在のショートトリップにおける停止地点の候補を含む統計データを抽出する統計データ抽出手段と、
抽出された統計データに含まれる停止地点の候補の中から、自車の現在のショートトリップの走行条件に基づいて、計画停止地点を予測する停止地点予測手段と、
自車両が計画停止地点に停止するように、走行計画を生成する走行計画生成手段と、
を有する
ことを特徴とする、車両用走行計画生成システム。
【請求項2】
前記データベースは、ショートトリップの発進地点と停止地点との組合せと、各組合せの発進地点から発進した車両のうちその組合せの停止地点に停止する車両の割合を示す停止確率と、各組合せのショートトリップの走行条件の統計値とを対応付けた統計データを蓄積しており、
前記統計データ抽出手段は、前記データベースから、自車両の現在のショートトリップの発進地点を含む組合せを含む統計データを抽出し、
前記停止地点予測手段は、抽出された統計データに含まれる停止確率を事前確率とし、抽出された統計データに含まれる走行条件の統計値及び自車両の現在のショートトリップの走行条件の値に基づいて尤度を計算し、前記抽出統計データに含まれる各組合せの停止地点にそれぞれ停止する確率を事後確率として計算し、前記事後確率の最も高い停止地点を計画停止地点として予測する
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用走行計画生成システム。
【請求項3】
前記データベースに蓄積された統計データは、プローブ情報から生成されたものである、
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用走行計画生成システム。
【請求項4】
前記走行計画生成手段は、自車両の現在のショートトリップの発進地点から計画停止地点までの道程における自車両の計画速度及び計画加速度の少なくとも一方を設定する走行計画を生成する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用走行計画生成システム。
【請求項5】
前記走行計画生成手段は、自車両の現在のショートトリップの発進地点から計画停止地点までの道程に沿って、加速区間、定速区間、惰行区間及び減速区間を順次に設定した走行計画であって、前記ショートトリップの全区間のうちの前記惰行区間の割合が所定値以上である走行計画を生成する
ことを特徴とする、請求項4記載の車両用走行計画生成システム。
【請求項6】
前記加速区間及び前記定速区間において、自車両の実際の車速と走行計画による車速との差が所定値以上である場合に、前記停止地点予測手段は、前記自車両の実際の車速に基づいて新たな計画停止地点を予測する
ことを特徴とする、請求項5記載の車両用走行計画生成システム。
【請求項7】
前記惰行区間において、アクセルペダルが所定時間以上継続して操作された場合に、前記停止地点予測手段は、当初の計画停止地点よりも先に位置する新たな計画停止地点を予測する
ことを特徴とする、請求項5又は6記載の車両用走行計画生成システム。
【請求項8】
前記走行計画生成手段は、
計画停止地点までのショートトリップの道程上で自車両に先行する他車両の車速が、当初の走行計画の前記定速区間の計画速度よりも低い場合に、前記停止地点予測手段は、前記他車両の車速に基づいて新たな計画停止地点を予測する
ことを特徴とする、請求項5〜7の何れか一項に記載の車両用走行計画生成システム。
【請求項9】
前記データベースに蓄積された統計データは、加速して通過する場合と減速して停車する場合の両方の頻度の高いジレンマ地点のデータを含み、
前記停止地点予測手段は、自車両の現在のショートトリップの発進地点と計画停止地点との間にジレンマ地点が存在する場合に、当該ジレンマ地点を計画停止地点として予測する
ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の車両用走行計画生成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−208829(P2012−208829A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75153(P2011−75153)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
2.ビックス
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】