説明

車両用距離センサ

【課題】取付けが容易で、かつ車両のバンパに取り付けられた状態で確実に保持される車両用距離センサを提供することである。
【解決手段】センサ本体42、ケース体46、ベゼル43及びリテーナ44を備える超音波センサ3(距離センサ)において、リテーナ44の爪部55を構成する一対の爪部単体57にストッパ部62を設ける。ケース体46のコネクタ部65の側からバンパ2,4の取付孔54に挿入された超音波センサ3は、リテーナ44の部分が取付孔54を通過するときに一対の爪部単体57を弾性変形させる。そして、取付孔54を通過した状態で一対の爪部単体57が弾性復元するとともに、ストッパ部62が取付孔54の出口側の内周縁54bに引っ掛かる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両の障害物検出装置に使用される車両用距離センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本明細書では、距離センサの一例として、超音波によって車両から障害物までの距離を測定する超音波センサについて説明する。近時の車両(例えば自動車)には、例えば駐車時における運転を支援するために「クリアランスソナー」と称する障害物検出装置が設けられている。この装置は、車両の前後のバンパに所定数(例えば、前側のバンパに2個、後側のバンパに4個)の超音波センサを取り付け、各超音波センサから送信した超音波が障害物に当たって戻ってくるまでの時間を検出することにより、車両と障害物までの距離を計測する。そして、その距離が設定値よりも小さくなれば、音声等で運転者に報知する。超音波センサとして、特許文献1に開示される技術が存している。
【0003】
図13に示されるように、超音波センサ3’をバンパ2の取付孔54に取り付けるときにベゼル43’とケース体46’とを分離し、それらをバンパ2の外側と内側に配置してから両者を相対的に接近させて一体に組み付けている。
【0004】
従来の超音波センサ3’では、センサ本体41’を支持するベゼル43’の部分に複数本の金属ばね55’を取り付けていて、この金属ばね55’をバンパ2の取付孔54の周縁部に係止させることによって超音波センサ3’を固定している。この金属ばね55’は、例えばマルチフォーミング型によりベゼル43’とは別に製造し、後工程でベゼル43’と一体に組み付けている。このため、ベゼル43’に金属ばね55’を組み付けるための工程が必要となり、超音波センサ3’のコストアップの要因となっている。
【0005】
また、従来の超音波センサ3’では、バンパ2にベゼル43’を先に取り付け、後からケース体46’を組み付けるという2アクションの工程になっている。即ち、最初からベゼル43’とケース体46’とを組み付けてバンパ3の取付孔54に通す構造とした場合、金属ばね55’が取付孔54を通過したときにつぶれて塑性変形してしまい、バンパ3を挟み込むことができなくなってしまうおそれがある。そして、各種の厚みのバンパ2に対応することも困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2000−513296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の不具合に鑑み、取付けが容易で、かつ車両のバンパに組み付けられた状態で確実に保持される車両用距離センサを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための本発明は、
車両のバンパの取付孔に取り付けられ、車両から障害物までの距離を計測するための距離センサであって、
車両の外部に信号を送信し、障害物に当たって戻ってくる反射信号を受信するセンサ本体と、
前記センサ本体を保持して、前記車両のバンパの取付孔に取り付けられるケース体と、
前記ケース体に嵌合される筒部を有し、その軸方向の一端部に前記取付孔の内径よりも大径のフランジ部が設けられたベゼルと、
樹脂材よりなり、前記ベゼルの筒部に嵌合されるリテーナと、を備え、
前記リテーナは、リング状の基部と、該基部における軸方向の端面から軸方向に沿って同一の側に延設される複数本の腕部と、前記複数本の腕部の先端から軸方向と交差する方向に突出して設けられ、それら突出部分の頂部を通る円の直径が前記取付孔の内径よりも大きく、前記取付孔に挿入されるときに弾性変形し、前記頂部が前記取付孔を通過した状態で弾性復元して前記取付孔の出口側の内周縁と係止される各爪部と、前記各爪部が前記取付孔を通過して弾性復元したときに、前記取付孔の出口側の内周縁に引っ掛かるストッパ部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る車両用距離センサは、上記したように構成され、センサ本体とケース体とベゼルとリテーナとを備える。この距離センサがバンパの取付孔に取り付けられるとき、ケース体の側から取付孔に挿入され、リテーナに設けられた爪部が取付孔の内周縁によって弾性変形しながら挿入される。そして、バンパの取付孔に取り付けられた状態で、爪部が弾性復元力するとともに、ストッパ部が取付孔の出口側の内周縁に引っ掛かることにより、距離センサの抜止めが図られる。特に、本発明に係る距離センサでは、ストッパ部が設けられていることにより、それが設けられていない距離センサと比較して、より確実に抜止めが図られる。このため、例えばセンサ本体に車両側のハーネスを接続するために、距離センサを取付孔から抜き取る方向に力を作用した場合であっても、距離センサが外れたり、ずれたりするおそれが小さくなる。
【0010】
前記爪部は、前記バンパの取付孔に取り付けられた状態で前記取付孔の出口側の内周縁と係止する一対の爪部単体が、前記リテーナの軸方向視において所定の開き角度でV字状に配置されており、前記一対の爪部単体は、前記取付孔を通過するときにそれらの開き角度を大きくする方向に弾性変形し、
前記ストッパ部は、前記一対の爪部単体におけるそれらの対向面に、前記リテーナの軸方向と交差する方向の外方に突出する突起部として設けられている。
【0011】
このようにストッパ部を形成することにより、リテーナの製造が複雑になることはない。
【0012】
前記ストッパ部における前記一対の爪部単体の対向面からの突出量は、前記リテーナの基部に向かうに従って連続的に小さくなるように設けられている。
【0013】
これにより、ストッパ部が設けられていても、距離センサをバンパの取付孔に取り付けるときの爪部の弾性変形・弾性復元がスムーズに行われるため、距離センサの取付け作業が困難になることはない。
【0014】
そして、前記一対の爪部単体の外周縁は、前記リテーナの軸方向の先端部からそれらの頂部にかけて前記リテーナの軸方向と交差する方向の外方に向かって連続的に大きくなる傾斜面となっている。
【0015】
さらに、前記バンパの板厚は、取付け状態において前記ストッパ部が前記取付孔の出口側の内周縁に引っ掛かることを要件として各種のものが存しており、
前記板厚が所定値よりも薄いとき、前記一対の爪部単体は起立状態に近くなって、前記一対の爪部単体の外周縁が前記取付孔の出口側の内周縁に食い込むことにより前記取付孔から抜止め状態で保持されるとともに、
前記板厚が前記所定値よりも厚いとき、前記一対の爪部単体は寝かせ状態に近くなって、それらの弾性復元力が前記取付孔の出口側の内周縁に作用することにより前記取付孔から抜止め状態で保持される。
【0016】
前記バンパの取付孔の内径は、取付け状態において前記一対のストッパ部が前記取付孔の出口側の内周縁に引っ掛かることを要件として各種のものが存しており、
前記取付孔の内径が所定値よりも大きいとき、前記一対の爪部単体は起立状態に近くなって、前記一対の爪部単体の外周縁が前記取付孔の出口側の内周縁に食い込むことにより前記取付孔から抜止め状態で保持されるとともに、
前記取付孔の内径が前記所定値よりも小さいとき、前記一対の爪部単体は寝かせ状態に近くなって、それらの弾性復元力が前記取付孔の出口側の内周縁に作用することにより前記取付孔から抜止め状態で保持される。
【0017】
これにより、各種の板厚又は各種の内径のバンパに対しても距離センサのリテーナは1種類で済む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】超音波センサ3が取り付けられた車両1の平面図である。
【図2】障害物検出装置100のシステムブロック図である。
【図3】図2の要部の詳細図である。
【図4】超音波センサ3の斜視図である。
【図5】同じく分解斜視図である。
【図6】(A)はリテーナ44の爪部55の平面図、(B)は同じく側面図、(C)は同じく正面図、(D)は(A)のX−X矢視図である。
【図7】(A)は突起部51が設けられたベゼル3の側面断面図、(B)は2つの突起部51,51’が設けられたベゼル3の側面断面図である。
【図8】(A)は一対の爪部単体57が弾性変形する状態の模式図、(B)は突起部51が設けられていないベゼル3の側面断面図である。
【図9】(A),(B)は超音波センサ3をバンパ2の取付孔54に取り付けるときの作用説明図である。
【図10】(A),(B)は同じく作用説明図である。
【図11】(A)は超音波センサ3を板厚の薄いバンパ2に取り付けた状態の模式斜視図、(B)は(A)においてバンパ2の取付孔54の孔径が大きい場合の平面図であり、(C)は(A)においてバンパ2の取付孔54の孔径が小さい場合の平面図である。
【図12】(A)は超音センサ3を板厚の厚いバンパ2に取り付けた状態の模式斜視図、(B)は(A)においてバンパ2の取付孔54の孔径が大きい場合の平面図であり、(C)は(A)においてバンパ2の取付孔54の孔径が小さい場合の平面図である。
【図13】従来の超音波センサ3’をバンパ2の取付孔54に取り付ける状態の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は超音波センサ3が取り付けられた車両1の平面図、図2は障害物検出装置100のシステムブロック図、図3は図2の要部の詳細図、図4は超音波センサ3の斜視図、図5は同じく分解斜視図、図6の(A)はリテーナ44の爪部55の平面図、(B)は同じく側面図、(C)は同じく正面図、(D)はストッパ部62の拡大側面図である。
【実施例1】
【0020】
図1に示されるように、車両の障害物検出装置100(クリアランスソナー)は、車両1の前側のバンパ2における左右のコーナー部に取り付けられた各超音波センサ3(3a,3b)と、車両1の後側のバンパ4における左右のコーナー部と中央部に取り付けられた各超音波センサ3(3c,3d,3e,3f)とを備えている。所定の条件の下で、各超音波センサ3から車両1の外部に向かって超音波が送信される。そして、この超音波の送信方向にある障害物5に当たって戻ってくる超音波(反射波)を受信することによって車両1から障害物5までの距離を検出し、その距離に応じて運転者に音声等で報知する。
【0021】
障害物検出装置100のシステムブロック図について説明する。図2に示されるように、障害物検出装置100のメインスイッチ7がONになっている状態で運転者がイグニッションスイッチ6をONにすると、電源回路8を介してECU9の制御回路11にバッテリー12からの電源が供給され、ブザー駆動回路13,14を介して前側のバンパ2に取り付けられた各超音波センサ3(3a,3b)に対応するブザー15と、後側のバンパ4に取り付けられた各超音波センサ3(3c,3d,3e,3f)に対応するブザー16とが作動待機状態となる。そして、運転者が車両1のシフトポジションを「パーキング(P)以外」に入れることにより、スタートスイッチ17がONとなり、障害物検出装置100が作動を開始する。なお、バックアップランプ18は、運転者がシフトポジションを「リバース(R)」に入れることにより、後側の各超音波センサ3(3d,3e)を作動させる等の作動条件を変えるために使用する。また、左右のコーナー部に取り付けられた各超音波センサ3(3a,3b,3c,3f)は、車速が所定値(例えば10km/h)以下のときにのみ作動するため、車速センサ19で車速を検出している。また、パーキングブレーキが作動しているときには障害物検出装置100は作動しないため、パーキングブレーキスイッチ21によりその作動状況を検出する。パーキングブレーキが作動しているときは、パーキングブレーキランプ22を点灯させることにより、運転者に報知する。これらの装置は、各インターフェース回路23〜25を介して制御回路11に接続されている。また、障害物検出装置100に関連するオプション装置は、各インターフェース回路26〜28を介して制御回路11に接続される。
【0022】
図1及び図2に示されるように、ECU9に各超音波センサ3(3a〜3f)が接続される。前側のバンパ2に取り付けられる2個の超音波センサ3a,3bのうち、バンパ2の左側(助手席側)コーナー部に取り付けられる超音波センサ3aが、ハーネス29aを介してECU9のGND端子31a、前側シリアル通信端子32a、電源端子33aに接続されている。また、バンパ2の右側(運転席側)コーナー部に取り付けられる超音波センサ3bは、ハーネス29bを介して超音波センサ3aに直列的に接続されている。同様に、後側のバンパ4の左側(助手席側)コーナー部に取り付けられる超音波センサ3cが、ハーネス29cを介してECU9のGND端子31b、後側シリアル通信端子32b、電源端子33bに接続されている。また、バンパ4の中央部及び右側(運転席側)コーナー部に取り付けられる各超音波センサ3d,3e,3fは、それぞれハーネス29d,29e,29fを介して超音波センサ3cに直列的に接続されている。
【0023】
前側のバンパ2に取り付けられる超音波センサ3a,3bの接続形態について説明する。図3に示されるように、各超音波センサ3a,3bは、電源IN端子34a,34bと電源OUT端子35a,35bを有していて、ECU9の電源端子33aと超音波センサ3aの電源IN端子34aとが連結され、超音波センサ3aの電源OUT端子35aと超音波センサ3bの電源IN端子34bとが連結されている(デイジーチェーン接続)。超音波センサ3a,3bの電源は、ASIC36(Application Specific Integrated Circuit)の電源端子(Vdd)と電源IN端子34aとの間に介装されるレギュレータ37と、ASIC36のSW制御端子と電源IN端子34a及び電源OUT端子35aとの間に介装されるFET38(電界効果トランジスタ)とを備える。即ち、FET38のスイッチング作用によって各超音波センサ3a,3bへの電源供給が切り替えられる。
【0024】
超音波センサ3bにさらに別の超音波センサ3を接続するときは、上記と同様に接続される。そのときの接続状態を、図3において破線で示す。なお、後側のバンパ4に取り付けられる4個の超音波センサ3c〜3fは、前側の超音波センサ3a,3bと全く同様に接続されるため説明を省略する。また、前側の超音波センサ3a,3bと後側超音波センサ3c〜3fの構成は全く同一なので、以降においてはそれらを総称する1つの超音波センサ3についての説明をする。
【0025】
本実施例の超音波センサ3の構成について説明する。図4及び図5に示されるように、超音波センサ3は、車両1の外部に向かって超音波を送信するとともに、障害物5(図1参照)に当たって戻ってきた反射波を受信する円柱形状のセンサ本体42(マイクロホン)と、センサ本体42を覆うシリコーンゴム等からなるクッション材41と、これらクッション材41及びセンサ本体42を支持するケース体46と、ケース体46を覆うベゼル43と、ベゼル43に装着されるリテーナ44と、センサ本体42と接続され、センサ本体を制御する電子回路部分である基板部材45と、を備えている。
【0026】
上記の各部材について説明する。図4及び図5に示されるように、クッション材41は、段付き円筒形状に形成され、両端部に位置し、ほぼ同じ外径を有する第1及び第2円筒部41a,41cと、中間部に位置し、第1及び第2円筒部41a,41cよりも少しだけ外径が大きい第3円筒部41bとを一体に備えている。
【0027】
センサ本体42には、所定の固有振動数を有する圧電素子(図示せず)が内装されている。基板部材45を作動させて圧電素子に所定の電圧を付加するとこの圧電素子が振動し、超音波が発生する。この超音波が、センサ本体42の上面から外部に送信される。そして、障害物5に当たって反射した超音波をセンサ本体42が受信する。このとき、超音波がセンサ本体42から障害物5までの往復に要した時間が計測されることにより、車両1から障害物5までの距離が求められる。
【0028】
センサ本体42の底面から電線42aが延設されていて、センサ本体42は、電線42aを介して基板部材45と接続される。即ち、電線42aの先端に設けられたコネクタ47から突出する2本の端子47aが、基板部材45の対応する取付孔45aに挿入されることにより、センサ本体42と基板部材45とが接続される。
【0029】
次に、ベゼル43について説明する。図4及び図5に示されるように、ベゼル43は、薄いリング状のフランジ部48と、その下方に垂下するように延設された円筒形状の筒壁部49とを備える。筒壁部49の内径は、後述するケース体46におけるセンサ収容部63の外径よりも僅かに大きい。クッション材41で覆われたセンサ本体42は、クッション材41の第1及び第3円筒部41a,41bがベゼル43の内側部分に挿入されて収容された状態で、第2円筒部41cがケース体46のセンサ収容部63に挿入されて収容される。このため、フランジ部48の内径は、クッション材41の第1円筒部41aの外径よりも僅かに大きく、筒壁部49の内径は、クッション材41の第3円筒部41bの外径よりも僅かに大きい。そして、筒壁部49にクッション材41で覆われたセンサ本体42が収容されたとき、センサ本体42の上面は、ベゼル43のフランジ部48の上面と面一に配置される。
【0030】
ベゼル43の筒壁部49の外周面には、周方向に一定の角度をおいて複数本(本実施例の場合、4本)のリブ50が設けられている。各リブ50は、フランジ部48の下面からベゼル43の軸方向(以下、この方向を軸方向Pと記載する。)に沿って延設され、それらの下端部は、筒壁部49の高さ(軸方向Pの長さ)の約半分程度の部位に位置している。各リブ50は、ベゼル43の剛性を補強するとともに、ベゼル43に嵌合されたリテーナ44が周方向にずれることがないように、ずれ止めの機能を有している。
【0031】
そして、筒壁部49におけるフランジ部48の直下の部分で、各リブ50の側方には、略直方体形状の突起部51が設けられている。これらの突起部51の機能については後述する。
【0032】
また、筒壁部49の下端部には、周方向に一定の角度をおいて複数(本実施例の場合、4本)の係止爪52が設けられている。本実施例のベゼル43の場合、各係止爪52は、各リブ50の直下に配置されている。これらの係止爪52は、リテーナ44がベゼル43に嵌合されたとき、リテーナ44の基部53(後述)に引っ掛かる。このとき、リテーナ44の爪部55(後述)の上端面(即ち、後述する腕部56の先端部56a)は、フランジ部48の下面に当接する。これにより、ベゼル43に嵌合されたリテーナ44が上下方向(軸方向P)に拘束され、上下方向にずれることはない。
【0033】
また、筒壁部49には、周方向に一定の角度をおいて複数(本実施例の場合、4つ)の可動壁部49aが設けられている。各可動壁部49aは、基端側を支点として径方向外向きに独自に弾性変形可能とされている。すなわち、筒壁部49には、その下端部側で開口しベゼル43の軸方向P沿いに延び出して上端部に達する一対のスリット49b,49bが複数組設けられており、一組のスリット49b,49b間に位置する筒壁部49の部位が可動壁部49aとされている。そして、各可動壁部49aには、後述するケース体46におけるセンサ収容部63の開口部近傍に設けられた突起部63aに係合可能なタブ孔部49cが設けられている。
【0034】
次に、リテーナ44について説明する。図4ないし図6に示されるように、リテーナ44は、ベゼル43の筒壁部49の外径よりも僅かに大きい内径を有するリング状の基部53と、基部53の上面からリテーナ44の軸方向Pに沿って立ち上がり、バンパ2,4の取付孔54と係止する複数(本実施例の場合、4つ)の爪部55とを備える。各爪部55の形状は、いずれも同一である。爪部55は、基部53の上面からリテーナ44の軸方向に沿って延設される腕部56と、腕部56の外側面における幅方向の端部から、リテーナ44の軸方向Pと交差する方向で、かつ各腕部56の外側面に対して斜めになる方向に突出し、平面視(軸方向視)においてV字状を呈するように対称に設けられた一対の爪部単体57とを備える。そして、腕部56における幅方向のほぼ中央部には、腕部56の先端部56aの側で開口し、基部53の上面にまで達するスリット58が、リテーナ44の軸方向Pに沿って設けられている。このため、一対の爪部単体57は、それぞれ独自に弾性変形可能である。そして、一対の爪部単体57どうしの開き角度θ1(図6参照)は、105〜115度であることが望ましい。
【0035】
即ち、一対の爪部単体57は、それらの正面視(リテーナ44の側面視)において略三角形状で、腕部56の先端部56aから、リテーナ44の軸心から遠ざかる方向に斜めに立ち上がる第1稜線部57aと、爪部単体57の頂部57b(即ち、第1稜線部57aの終端部)から腕部56の表面(外側面)まで緩やかな傾斜角度で下る第2稜線部57cとを備える。そして、図6の(B),(C)に示されるように、爪部55の側面視において腕部56の内側面と一対の爪部単体57の第1稜線部57aとがなす角度θ2は、例えば20〜25度である。また、爪部55の正面視において腕部56の先端部56aと一対の爪部単体57の第1稜線部57aとがなす角度θ3は、例えば25〜30度である。
【0036】
図6の(A)に示されるように、リテーナ44の軸心を中心とし、一対の爪部単体57の頂部57bを通る円59の内径は、バンパ2,4の取付孔54の内径よりも大きい。このため、超音波センサ3におけるリテーナ44の部分がバンパ2,4の取付孔54に挿入されたとき、一対の爪部単体57は、図6の(A)に示す矢印61a,61bの方向に弾性変形する。
【0037】
また、図6の(C),(D)に示されるように、一対の爪部単体57における第1稜線部57aの終端付近の部分から頂部57bにかけての外側面57dには、それぞれストッパ部62が設けられている。これらのストッパ部62は、超音波センサ3がバンパ2,4の取付孔54に取り付けられたとき、出口側の内周縁54b(図10参照)に引っ掛かって、超音波センサ3の抜止めを図るという機能を有している(後述)。ストッパ部62は、爪部単体57の外側面57dからほぼ直角に切り立つ形で設けられ、最も外側に位置する端部が第2稜線部57cと連結して緩やかな角度で下る傾斜面となっている。本実施例の場合、ストッパ部62の外側面57dからの最大突出量tは、0.2〜0.4mmである。
【0038】
次に、ケース体46について説明する。図4及び図5に示されるように、ケース体46は、クッション材41の第2円筒部41cを収容するための円筒が形成されたセンサ収容部63と、センサ収容部63を支持するベース部64と、ベース部64の端部に斜めに取り付けられるコネクタ部65とを備える。ケース体46は、センサ収容部63にてクッション材41で覆われたセンサ本体42を支持するとともに、コネクタ部65にてハーネス29を接続するという機能を有する。また、ベース部64の下面は開放されていて、基板部材45が取り付けられることにより閉塞される。センサ収容部63の開口部近傍には、周方向に一定の角度で複数(本実施例の場合、4つ)の突起部63aが設けられている。そして、各突起部63aが、ベゼル43における各可動壁部49aのタブ穴部49cと係合することにより、ベゼル43とケース体46とが一体化されるようになっている。
【0039】
次に、ベゼル43の突起部51の機能について説明する。リテーナ44がベゼル43に嵌合されるとき、リテーナ44の腕部56の内周面がベゼル43の筒壁部49の外周面を滑りながら嵌合される。このとき、ベゼル43の筒壁部49の外周面に設けられた各リブ50が、腕部56のスリット58の部分に入り込む。当然のことながら、リブ50の幅は、スリット58の内幅よりも狭い。これにより、リテーナ44が周方向にずれることはない。そして、図7の(A)に示されるように、腕部56がベゼル43のフランジ部48に接近すると、腕部56の先端部56aが、ベゼル43の筒壁部49の外周面に設けられた突起部51に乗り上げる。この状態で、ベゼル43の係止爪52がリテーナ44の基部53に係止される。これにより、ベゼル43の筒壁部49の外周面とリテーナ44の腕部56の内周面との間には、隙間66が形成される。
【0040】
図8の(A)に示されるように、超音波センサ3が車両1のバンパ2,4の取付孔54に取り付けられるとき、一対の爪部単体57が、図6の(A)に示す開き角度θ1を大きくする方向(矢印の方向)に弾性変形する。このとき、一対の爪部単体57を介してリテーナ44の腕部56にも弾性変形力が作用する。ここで、図8の(B)に示されるように、ベゼル43に突起部51が設けられていない場合、ベゼル43の筒壁部49の外周面とリテーナ44の腕部56の内周面とが密着する。この状態で一対の爪部単体57が弾性変形すると、その力は腕部56を介してリテーナ44の基部53に及ぶ。すると、腕部56と基部53との接合部が損傷するおそれがある。
【0041】
ところが、図7の(A)に示される本実施例の超音波センサ3のように、ベゼル43の筒壁部49の外周面とリテーナ44の腕部56の内周面との間に隙間66が設けられていると、一対の爪部単体57を弾性変形させる力が腕部56に及んでも、腕部56が弾性変形することによって、その力が基部53に及びにくくなる。この結果、腕部56と基部53との接合部が損傷しにくくなる。
【0042】
本実施例の超音波センサ3の場合、図7の(A)に示されるように、ベゼル43の筒壁部49の外周面におけるフランジ部48の直下の部分に突起部51が設けられている。しかし、図7の(B)に示されるように、突起部51,51’が高さ方向(軸方向P)に所定の間隔をおいて2箇所に設けられていてもよい。なお、下側の突起部51’は、腕部56の弾性変形量を大きくするため、リテーナ44の基部53に接近して設けられていることが望ましい。
【0043】
次に、本実施例の超音波センサ3を、バンパ2の取付孔54に取り付けるときの作用について説明する。図9の(A)に示されるように、センサ本体41、ベゼル43、リテーナ44、ケース体46等を一体に組み付けた状態の超音波センサ3を、バンパ2の取付孔54に、ケース体46のコネクタ部65の側を先にして挿入する。
【0044】
図9の(B)に示されるように、ケース体46のコネクタ部65がバンパ2の取付孔54を通過し、ケース体46のベース部64が取付孔54に位置するようにする。そして、超音波センサ3全体を傾けながら、ケース体46のベース部64を取付孔54に挿通させる。
【0045】
図10の(A)に示されるように、超音波センサ3のケース体46のベース部64をバンパ2と略平行に配置し、リテーナ44の部分を取付孔54に挿通させる。この状態で、超音波センサ3を押し込む。リテーナ44の基部53が取付孔54を通過し、リテーナ44の一対の爪部単体57の第2稜線部57cが取付孔54の入口側の内周縁54aに当接する。さらに超音波センサ3を押し込むと、一対の爪部単体57がそれらの基端部(腕部56との接合部)を中心に、開き角度θ1を大きくする方向(図6の(A)において矢印61a,61bで示される方向)に回動する(弾性変形)。一対の爪部単体57どうしの間にスリット58が設けられているため、各爪部単体57の変形の自由度が高くなっている。
【0046】
一対の爪部単体57が弾性変形し、それらがベゼル43の筒壁部49の外周面に接近すると、一対の爪部単体57の頂部57bを結ぶ円59(図6の(A)参照)の直径がバンパ2の取付孔54の内径よりも小さくなり、リテーナ44(即ち、一対の爪部単体57の頂部57b)が取付孔54を通過可能となる。
【0047】
図10の(B)に示されるように、一対の爪部単体57の頂部57bがバンパ2の取付孔54を通過し、取付孔54の出口側の内周縁54bを通過すると、一対の爪部単体57の第1稜線部57aが取付孔54の内側の内周縁54bに当接する。そして、一対の爪部単体57がそれらの基端部を中心に、開き角度θ1を小さくする方向(図6の(A)において矢印61a,61bで示される方向と反対の方向)に回動する(弾性復元)。ベゼル43のフランジ部48がバンパ2の取付孔54の外側部分(バンパ2の表面)に当接したとき、取付孔54の内側の内周縁54bは、一対の爪部単体57の第1稜線部57aと当接する。この結果、バンパ2は、一対の爪部単体57の第1稜線部57aとベゼル43のフランジ部48とで挟まれる。このとき、超音波センサ3の一対の爪部単体57が、弾性復元力でもって取付孔54の内側の内周縁54bを押圧して係止するため、超音波センサ3が取付孔54から抜け出ることはない。
【0048】
しかも、この状態で、例えば超音波センサ3にワイヤハーネスのコネクタ(図示せず)を接続するため、ケース体46の長手方向(図10の(B)において、矢印67で示す方向)に力が作用して、超音波センサ3が傾いても、ストッパ部62が取付孔54の内側の内周縁54bと引っ掛かり、超音波センサ3は外れることがない。そして、作用している力が解放されたときに内周縁54bに爪部57の第1稜線部57aが接触して引き戻し力を発生させるため、超音波センサ3を力が作用する前の元の状態に戻す。
【0049】
作業者が、バンパ2の外側から超音波センサ3をリテーナ44の軸方向Pに引っ張ると、一対の爪部単体57を、図6の(A)に示す矢印61a,61bの方向に回動させる力が作用するため、超音波センサ3を取付孔54から抜き取ることができる。
【0050】
ここで、バンパ2,4には各種の厚み(例えば、1.8mm〜3.6mm)のものが存している。このため、厚みが薄いバンパ2,4と厚いバンパ2,4とでは、一対の爪部単体57と取付孔54の内周縁54bとの係止状態が異なっている。次に、これについて説明する。
【0051】
図11の(A)に示されるように、バンパ2,4の厚みが薄い場合、取付孔54の出口側の内周縁54bと一対の爪部単体57の第1稜線部57aとの係止位置は、腕部56の先端部56a寄りになる。このため、超音波センサ3がバンパ2,4の取付孔54に取り付けられた状態で一対の爪部単体57の開き角度θ1が小さくなる(換言すれば、一対の爪部単体57は起立状態に近くなる)。そのため、一対の爪部単体57の弾性復元力(図11の(B),(C)に矢印で示す。)はそれほど大きくない。このとき、一対の爪部単体57の第1稜線部57aは、取付孔54の内周縁54bに食い込んで係止される。
【0052】
この場合、図11の(B),(C)に示されるように、取付孔54の孔径が小さくなるほど、一対の爪部単体57の開き角度θ1は大きくなる(換言すれば、一対の爪部単体57は寝かせ状態になる)。バンパ2,4の厚みが薄い場合は、バンパ2,4の厚みが厚い場合に比べると、一対の爪部単体57の弾性復元力(図11、図12の(B),(C)に矢印で示す。)はそれほど大きくないが、開き角度θ1が大きくなればそれに応じた弾性復元力で一対の爪部単体57の外側面57dが取付孔54の内周縁54bを押圧するようになる。
【0053】
一方、図12の(A)に示されるように、バンパ2,4の厚みが厚い場合、取付孔54の出口側の内周縁54bと一対の爪部単体57の第1稜線部57aとの係止位置は、一対の爪部単体57の頂部57b寄りになる。このため、超音波センサ3がバンパ2,4の取付孔54に取り付けられた状態で一対の爪部単体57の開き角度θ1が大きくなる(換言すれば、一対の爪部単体57は寝かせ状態になる)。このとき、一対の爪部単体57は、それらの外側面57dが大きな弾性復元力(図12の(B),(C)に矢印で示す。)で取付孔54の内周縁54bを押圧することによって係止される。
【0054】
この場合、図12の(B),(C)に示されるように、取付孔54の孔径が小さくなるほど、一対の爪部単体57の開き角度θ1はより一層大きくなる。このため、より一層大きな弾性復元力で一対の爪部単体57の外側面57dが取付孔54の内周縁54bを押圧するようになる。
【0055】
一対の爪部単体55が起立状態に近くなるか、寝かせ状態になるかは、バンパ2,4の厚みや一対の爪部単体55の第1稜線部57aの傾斜角度等の要因によって異なる。ここでは、バンパ2,4の最薄値(例えば、1.8mm)と最厚値(例えば、3.6mm)の平均値である2.7mmを基準とし、それよりも薄ければ一対の爪部単体55を起立状態に近い状態とし、それよりも厚ければ寝かせ状態とすることができる。なお、バンパ2,4の厚みが厚い場合であっても、薄い場合であっても、一対の爪部単体57に設けられたストッパ部62が、取付孔54の出口側の内周縁54bに引っ掛かることは同様である。
【0056】
また、バンパ2,4の厚みが一定の場合であっても、取付孔54の孔径が大きい場合(例えば、23.6mm)と小さい場合(例えば、23.0mm)がある。図11の(B),(C)及び図12の(B),(C)にてそれぞれ示されるように、取付孔54の孔径が大きい場合は小さい場合に比べて、一対の爪部単体57と取付孔54の内周縁54bとの係止状態は、バンパ2,4の厚みが薄い場合と同様に、一対の爪部単体57の第1稜線部57aが内周縁54bに食い込んで係止される(換言すれば、一対の爪部単体57は、より起立した状態となる)。また、取付孔54の孔径が小さい場合は大きい場合に比べて、一対の爪部単体57と取付孔54の内周縁54bとの係止状態は、バンパ2,4の厚みが厚い場合と同様に、一対の爪部単体57の外側面57dが大きな弾性復元力で取付孔54の内周縁54bを押圧することによって係止される(換言すれば、一対の爪部単体57は、より寝かせた状態となる)。
【0057】
上記したように、本実施例の超音波センサ3をバンパ2の外側から取付孔54に挿通させることができるため、超音波センサ3の取付け作業が簡単になる。例えば、取付孔54を介してハーネス29a〜29fのコネクタ部をバンパ2の外側に出しておき、バンパ2の外側で超音波センサ3のコネクタ部65とハーネス29a〜29fのコネクタ部(図示せず)とを連結し、その状態で超音波センサ3をバンパ2の取付孔54に挿通させて取り付けることもできる。
【0058】
なお、本実施例の超音波センサ3では、ケース体46は、センサ保持部43とコネクタ部65とが一体に設けられているが、別体のものを連結させる構成としてもよい。
【0059】
本実施例の超音波センサ3の場合、ベゼル43とケース体46のコネクタ部65とは、所定角度で傾いて設けられている。しかし、両者が直交して設けられていてもよい。
【0060】
本明細書では、距離センサの一例である超音波センサについて説明したが、光、電磁波等を利用して距離を測定するセンサであってもよい。
【0061】
本明細書では、距離センサが取り付けられる部位は車両用のバンパであるが、それ以外の部位に取り付けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、車両(例えば、自動車)に搭載される障害物検出装置の距離センサとして利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 車両
2,4 バンパ
3 超音波センサ(距離センサ)
5 障害物
41 クッション材
42 センサ本体
43 ベゼル
44 リテーナ
46 ケース体
48 フランジ部
49 筒壁部(筒部)
53 基部
54 取付孔
54b 出口側の内周縁
56 腕部
55 爪部
57 爪部単体
57a 第1稜線部(外周縁)
57b 頂部
57c 第2稜線部(外周縁)
57d 外側面(対向面)
59 円
61a,61b 開き角度を大きくする方向
62 ストッパ部
66 隙間
P 軸方向
θ1 開き角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のバンパの取付孔に取り付けられ、車両から障害物までの距離を計測するための距離センサであって、
車両の外部に信号を送信し、障害物に当たって戻ってくる反射信号を受信するセンサ本体と、
前記センサ本体を保持して、前記車両のバンパの取付孔に取り付けられるケース体と、
前記ケース体に嵌合される筒部を有し、その軸方向の一端部に前記取付孔の内径よりも大径のフランジ部が設けられたベゼルと、
樹脂材よりなり、前記ベゼルの筒部に嵌合されるリテーナと、を備え、
前記リテーナは、リング状の基部と、該基部における軸方向の端面から軸方向に沿って同一の側に延設される複数本の腕部と、前記複数本の腕部の先端から軸方向と交差する方向に突出して設けられ、それら突出部分の頂部を通る円の直径が前記取付孔の内径よりも大きく、前記取付孔に挿入されるときに弾性変形し、前記頂部が前記取付孔を通過した状態で弾性復元して前記取付孔の出口側の内周縁と係止される各爪部と、前記各爪部が前記取付孔を通過して弾性復元したときに、前記取付孔の出口側の内周縁に引っ掛かるストッパ部とを有することを特徴とする車両用距離センサ。
【請求項2】
前記爪部は、前記バンパの取付孔に取り付けられた状態で前記取付孔の出口側の内周縁と係止する一対の爪部単体が、前記リテーナの軸方向視において所定の開き角度でV字状に配置されており、前記一対の爪部単体は、前記取付孔を通過するときにそれらの開き角度を大きくする方向に弾性変形し、
前記ストッパ部は、前記一対の爪部単体におけるそれらの対向面に、前記リテーナの軸方向と交差する方向の外方に突出する突起部として設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用距離センサ。
【請求項3】
前記ストッパ部における前記一対の爪部単体の対向面からの突出量は、前記リテーナの基部に向かうに従って連続的に小さくなるように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用距離センサ。
【請求項4】
前記一対の爪部単体の外周縁は、前記リテーナの軸方向の先端部からそれらの頂部にかけて前記リテーナの軸方向と交差する方向の外方に向かって連続的に大きくなる傾斜面となっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用距離センサ。
【請求項5】
前記バンパの板厚は、取付け状態において前記ストッパ部が前記取付孔の出口側の内周縁に引っ掛かることを要件として各種のものが存しており、
前記板厚が所定値よりも薄いとき、前記一対の爪部単体は起立状態に近くなって、前記一対の爪部単体の外周縁が前記取付孔の出口側の内周縁に食い込むことにより前記取付孔から抜止め状態で保持されるとともに、
前記板厚が前記所定値よりも厚いとき、前記一対の爪部単体は寝かせ状態に近くなって、それらの弾性復元力が前記取付孔の出口側の内周縁に作用することにより前記取付孔から抜止め状態で保持されることを特徴とする請求項4に記載の車両用距離センサ。
【請求項6】
前記バンパの取付孔の内径は、取付け状態において前記一対のストッパ部が前記取付孔の出口側の内周縁に引っ掛かることを要件として各種のものが存しており、
前記取付孔の内径が所定値よりも大きいとき、前記一対の爪部単体は起立状態に近くなって、前記一対の爪部単体の外周縁が前記取付孔の出口側の内周縁に食い込むことにより前記取付孔から抜止め状態で保持されるとともに、
前記取付孔の内径が前記所定値よりも小さいとき、前記一対の爪部単体は寝かせ状態に近くなって、それらの弾性復元力が前記取付孔の出口側の内周縁に作用することにより前記取付孔から抜止め状態で保持されることを特徴とする請求項4に記載の車両用距離センサ。
【請求項7】
車両の外部に信号を送信し、障害物に当たって戻ってくる反射信号を受信するセンサ本体と、
前記センサ本体を保持して、バンパの取付孔に取り付けられるケース体と、
前記ケース体に嵌合される筒部を有し、その軸方向の一端部に前記取付孔の内径よりも大径のフランジ部が設けられたベゼルと、
樹脂材よりなり、前記ベゼルの筒部に嵌合するリング状の基部と、該基部における軸方向の端面から軸方向に沿って同一の側に延設される複数本の腕部と、前記複数本の腕部の先端から軸方向と交差する方向に突出して設けられ、それら突出部分の頂部を通る円の直径が前記取付孔の内径よりも大きく、前記取付孔に挿入されるときに弾性変形し、前記頂部が前記取付孔を通過した状態で弾性復元して前記取付孔の出口側の内周縁と係止される各爪部と、を有するリテーナと、を備え、車両から障害物までの距離を計測するために、前記車両の取付孔に取り付けられる距離センサであって、
前記リテーナの基部が前記ベゼルの筒部に嵌合されたとき、前記リテーナの腕部の内周面と前記ベゼルの筒部の外周面との間に隙間を形成したことを特徴とする車両用距離センサ。
【請求項8】
前記ベゼルの筒部の外周面に突起部が設けられ、
前記隙間は、前記腕部の内周面が前記突起部に当接することによって形成されることを特徴とする請求項7に記載の車両用距離センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−53988(P2013−53988A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193621(P2011−193621)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】