説明

車両用通信システム

【課題】 車載機器の制御手段の処理能力を簡便に向上することができ、作業負担を低減でき利便性を高めることができる車両用通信システムを提供する。
【解決手段】 物体検知装置3と通信装置4とを有する車両用通信システム1である。そして、車両2に搭載された車載機器の制御を行う車載機器制御手段33と、車載機器制御手段33の制御方法を記憶する車載機器記憶手段32とを備えた車載機器制御装置5をさらに有する。車載制御装置5は、通信装置4により送信された内容に基づいて車載機器記憶手段32に記憶されている制御方法を更新する記憶内容更新手段31を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両外部の物体を検知する車両に搭載された物体検知装置と、電磁波を用いて前記車両と通信を行う通信装置と、を有する車両用通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁波を送受信する電波送受信手段を車両内に搭載して、該電波送受信手段を複数の装置で共有する車両用通信システムが開発されつつある。
例えば、特許文献1には、レーダシステムと車々間通信システムとでアンテナを共有する技術が提案されている。
また、特許文献2には、IDコードの照合を行うことによりドアをアンロックするスマートエントリ機能と、車両周囲の物体を検知する近接センサとで、電波ユニットを共有する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2002−151934号公報
【特許文献2】特開平10−227161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、車両には様々な車載機器が搭載されており、これらの制御に用いられる制御手段の処理能力向上等のために制御手段のソフトウエアを更新する処理が車載機器のメンテナンス等とともに行われることが多い。しかしながら、従来の技術においては、作業者が車内LANから制御手段を取り外し、コネクタを介して外部の更新機器に前記制御手段を接続して、上述のソフトウエアの更新を行っている。このため、コネクタケーブルの準備、車種毎に異なるコネクタ挿入部の確認やコネクタの差し込み作業が必要で、作業者の作業負担が大きいという問題がある。
【0004】
従って、本発明は、車載機器の制御手段の処理能力を簡便に向上することができ、作業負担を低減でき利便性を高めることができる車両用通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、車両に搭載され車両の周囲に電磁波を送信するとともに物体によって反射された反射波を受信する第1の送受信手段と、反射波を信号処理することにより少なくとも物体との距離または相対速度を算出する物体検知手段と、第1の送受信手段により送受信される電磁波を用いて車両外部との通信を行う通信手段(例えば、実施の形態における通信手段12)と、を備えた物体検知装置と、車両外部に設けられ第1の送受信手段との間で電磁波を送受信可能な第2の送受信手段と、第2の送受信手段からの信号に基づいて車両との通信を行う通信手段(例えば、実施の形態における通信手段22)と、を備えた通信装置と、を有する車両用通信システムであり、車載機器の制御を行う車載機器制御手段と、車載機器制御手段の制御方法を記憶する車載機器記憶手段と、通信装置により送信された内容に基づいて車載機器記憶手段に記憶されている制御方法を更新する記憶内容更新手段と、を備えた車載機器制御装置を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、車両に搭載され車両の周囲に電磁波を送信するとともに物体によって反射された反射波を受信する第1の送受信手段と、反射波の信号処理方法を記憶する物体検知装置記憶手段と、物体検知装置記憶手段に記憶されている信号処理方法に基づいて反射波を信号処理することにより物体との距離や相対速度を含む物体情報を算出する物体検知手段と、第1の送受信手段により送受信される電磁波を用いて車両外部との通信を行う通信手段と、を備えた物体検知装置と、車両外部に設けられ第1の送受信手段との間で電磁波を送受信可能な第2の送受信手段と、第2の送受信手段からの信号に基づいて車両との通信を行う通信手段と、を備えた通信装置と、を有する車両用通信システムであり、前記物体検知装置は、通信装置により送信された内容に基づいて物体検知装置記憶手段に記憶されている信号処理方法を更新する記憶内容更新手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のものであって、前記車載機器制御装置または前記物体検知装置は、車両が停止状態のときに、前記第1の送受信手段を用いた更新処理を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のものであって、前記物体検知装置は車両外部との通信時には第1の送受信手段の送信出力を減少させることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のものであって、前記第1の送受信手段は複数の送受信器を備えたマルチアンテナレーダであり、車両外部との通信時には前記複数の送受信器をそれぞれ1つだけ使用することを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のものであって、前記記憶内容更新手段は前記車載機器記憶手段または物体検知装置記憶手段に記憶されているソフトウエアのバージョン情報を確認することにより更新の要否を判断することを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のものであって、前記物体検知装置は車両外部との通信を開始する前にリファレンス信号を外部に送信し、前記通信装置は前記物体検知装置から送信されたリファレンス信号と同一の周波数信号により通信を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、前記物体検知装置の前記第1の送受信手段を用いて、前記車両外部の通信装置の前記第2の送受信手段との間で電磁波を送受信させ、この電磁波に前記制御方法を更新する信号を乗せて伝搬させることで、車載機器記憶手段に記憶されている制御方法を前記記憶内容更新手段により容易に更新することができる。従って、コネクタケーブルの準備、車種毎に異なるコネクタ挿入部の確認やコネクタを差し込む等の作業が不要となるため、作業者の作業負担を低減することができ、利便性を向上することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、前記物体検知装置の前記第1の送受信手段を用いて、前記車両外部の通信装置の前記第2の送受信手段との間で電磁波を送受信させ、この電磁波に前記信号処理方法を更新する信号を乗せて伝搬させることで、物体検知装置記憶手段に記憶されている信号処理方法を前記記憶内容更新手段により容易に更新することができる。従って、コネクタケーブルの準備、車種毎に異なるコネクタ挿入部の確認やコネクタを差し込む等の作業が不要となるため、作業者の作業負担を低減することができ、利便性を向上することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、外部通信装置からの信号と車速信号の両方を用いて更新処理開始判断を行うことにより、車両の走行中などに更新処理が行われることを防止できる。
請求項4に係る発明によれば、物体を検知したり物体情報を算出するときの送信出力よりも送信出力を減少させることで、更新に不要な電力消費を避けることが可能であり、また、送信出力を減少させることで車両外部の通信装置に対するノイズ発生を抑制することができる。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、車両外部の物体の形状や個数を精度よく判別するためには複数の送受信器を備えたマルチアンテナレーダが好適であるが、前記車載機器記憶手段または物体検知装置記憶手段に記憶されている方法を更新する情報を送受信するためには車両内と車両外とでそれぞれ送受信器を1つずつ使用すれば必要かつ十分であるため、それぞれ1つだけ使用することで更新に不要な電力消費を避けることが可能である。また、送信出力を低減できるため車両外部の通信装置に対するノイズ発生を抑制することができる。
【0016】
請求項6に係る発明によれば、前記ソフトウエアのバージョン情報に基づいて更新の要否判定を行うため、不要な更新または古いバージョンに更新してしまうことを避けることができる。
【0017】
請求項7に係る発明によれば、車載レーダ装置から送信されているリファレンス信号に基づいて通信装置は通信を開始するため、車載レーダ装置からの送信周波数が温度特性などによりばらついても確実に通信を開始することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態における車両用通信システムを図面と共に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における車両用通信システムを示す模式図であり、図2は、本実施の形態における車両用通信システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両用通信システム1は、物体検知装置3を備えた車両2と、車両2の物体検知装置3と通信可能な通信装置4とを備えている。
【0019】
車両2には、そのボディのノーズ部に物体検知装置(例えばミリ波レーダ)3が搭載されており、該物体検知装置3の第1の送受信手段11(図2参照)からレーダ波を矢印Pのように車両2の外部に配設された物体(この場合は通信装置4)に送信する。そして、物体検知装置3は物体から矢印Qのように反射した反射波を第1の送受信手段11で受信して、この反射波に基づいて物体までの距離や相対速度等を算出する。
【0020】
以下、より具体的に説明する。車両2外部に設けられた通信装置4は、信号処理方法や制御方法を記憶した通信装置記憶手段(例えばEPROM)21と、車両2に搭載された第1の送受信手段11と電磁波(この場合はレーダ波)を送受信可能な第2の送受信手段23と、通信装置記憶手段21からデータを読み出して第2の送受信手段23に通信信号を送信する通信手段22とを備えている。
【0021】
また、物体検知装置3は、第1の送受信手段11と、物体検知装置記憶手段14と、物体検知手段15と、通信手段12とを備えている。第1の送受信手段11は、車両2に搭載され該車両2の周囲に電磁波を送信するとともに物体によって反射された前記電磁波の反射波を受信する。物体検知装置記憶手段(例えばEPROM)14は、前記受信された反射波の信号処理方法を記憶する。物体検知手段15は、前記物体検知装置記憶手段14に記憶されている信号処理方法に基づいて前記反射波を信号処理することにより前記物体を検知するとともに前記物体との距離や相対速度を含む物体情報を算出する。通信手段12は、前記第1の送受信手段11により送受信された電磁波に基づいて車両2外部との通信を行う。
【0022】
この物体検知装置3により得られた物体情報は、車載機器6(6a,6b,…)を制御する車載機器制御装置5(5a,5b,…)に送信される。車載機器制御装置5は、送信された物体情報に基づいて、それぞれ制御対象の車載機器(例えばエンジン、モータ)6に制御信号を送信する。
【0023】
また、物体検知装置3は、物体検知装置記憶手段14に記憶されている信号処理方法を更新する記憶内容更新手段13を備えている。この信号処理方法は、前記通信装置4により送信された内容に基づいて更新される。
この信号処理方法の更新について、具体的に説明する。まず、物体検知装置3の第1の送受信手段11から、車両外部の通信装置4の前記第2の送受信手段23に向けて電磁波を送信する。通信装置4では、第2の送受信手段23で電磁波を受信し、このときに、通信装置記憶手段21に記憶されている信号処理方法を通信手段22により第2の送受信手段23に通信する。そして、第2の送受信手段23から送信する電磁波に信号処理方法を更新する信号を乗せて第1の送受信手段11に向けて伝搬させる。物体検知装置3では、第1の送受信手段11で前記信号の乗った電磁波を受信して、前記信号を通信信号として通信手段12に通信する。通信手段12では、通信信号から更新データを抽出して記憶内容更新手段13に入力する。そして、この更新データに基づいて物体検知装置記憶手段14に記憶されている信号処理方法を記憶内容更新手段13により更新する。このように、物体検知装置記憶手段14に記憶されている信号処理方法を前記記憶内容更新手段13により容易に更新することができる。
また、第1の送受信手段11で物体からの反射波を受信したときには、物体検知のための送受信信号が物体検知手段15に送信される。
【0024】
また、本実施の形態における車載機器制御装置5(5a,5b,…)は、車両2に搭載された車載機器6(6a,6b,…)の制御を行う車載機器制御手段33と、前記車載機器制御手段33の制御方法を記憶する車載機器記憶手段32とに加え、前記通信装置4により送信された内容に基づいて車載機器記憶手段32に記憶されている制御方法を更新する記憶内容更新手段31を備えている。この制御方法は、前記通信装置4により送信された内容に基づいて更新される。
【0025】
この制御方法の更新について、具体的に説明する。まず、物体検知装置3の第1の送受信手段11から、車両外部の通信装置4の前記第2の送受信手段23に向けて電磁波を送信する。通信装置4では、第2の送受信手段23で電磁波を受信し、このときに、通信装置記憶手段21に記憶されている制御方法を通信手段22により第2の送受信手段23に通信する。そして、第2の送受信手段23から送信する電磁波に制御方法を更新する信号を乗せて第1の送受信手段11に向けて伝搬させる。物体検知装置3では、第1の送受信手段11で前記信号の乗った電磁波を受信して、前記信号を通信信号として通信手段12に通信する。通信手段12では、通信信号から更新データを抽出して記憶内容更新手段31に入力する。そして、この更新データに基づいて車載機器記憶手段32に記憶されている制御方法を記憶内容更新手段31により更新する。このように、車載機器記憶手段32に記憶されている制御方法を前記記憶内容更新手段31により容易に更新することができる。
【0026】
このように、本実施の形態の車両用通信システム1は、このレーダ波等の電磁波や反射波を用いて、物体検知のみならず、車両2に搭載したソフトウエアの更新を行うことができる。従って、コネクタケーブルの準備、車種毎に異なるコネクタ挿入部の確認やコネクタを差し込む等の作業が不要となるため、作業者の作業負担を低減することができ、利便性を向上することができる。
【0027】
また、本実施の形態においては、記憶内容更新手段13、31には、車両2に搭載された車速センサ(図示せず)からの信号が送信される。そして、第2の送受信手段23から第1の送受信手段11に対して通信開始信号が送信され、かつ、車両2が停止状態であると判定されたときに、第1の送受信手段11を用いた更新処理を行う。通信装置4からの信号と車速信号の両方を用いて更新処理開始判断を行うことにより、車両2の走行中などに更新処理が行われることを防止できる。
【0028】
また、物体検知装置3の物体検知装置記憶手段14や車載機器制御装置5の車載機器記憶手段32を更新する際には、通信手段12から第1の送受信手段11へ出力制御信号を出力することにより出力を制御して、車両外部との通信時には物体検知を行う場合よりも送信出力を減少させる。このように、物体を検知したり物体情報を算出するときの送信出力よりもソフトウエアの更新における送信出力を減少させることで、ソフトウエアの更新に不要な電力消費を避けることが可能であり、また、送信出力を減少させることで車両外部の通信装置4に対するノイズ発生を抑制することができる。
【0029】
また、本実施の形態における第1の送受信手段11は、複数の送受信器を備えたマルチアンテナレーダである。そして、車両外部との通信時には、前記複数の送受信器をそれぞれ1つだけ使用する。車両外部の物体の形状や個数を精度よく判別するためには複数の送受信器を備えたマルチアンテナレーダが好適であるが、前記物体検知装置記憶手段14に記憶されている方法を更新する情報を送受信するためには車両内と車両外とでそれぞれ送受信器を1つずつ使用すれば必要かつ十分であるため、それぞれ1つだけ使用することで更新に不要な電力消費を避けることが可能である。また、送信出力を低減できるため車両外部の通信装置4に対するノイズ発生を抑制することができる。
【0030】
前記記憶内容更新手段13は前記物体検知装置記憶手段14に記憶されているソフトウエアのバージョン情報を確認することにより更新の要否を判断する。前記ソフトウエアのバージョン情報に基づいて更新の要否判定を行うため、不要な更新または古いバージョンに更新してしまうことを避けることができる。なお、このバージョン判定は、通信装置4で行ってもよい。すなわち、第1の送受信手段11から送信された電磁波に乗せられた物体検知装置記憶手段14や車載機器記憶手段32の情報から、物体検知手段15や車載機器制御手段33で用いられるソフトウエアのバージョン判定を通信装置記憶手段21に記憶された信号処理方法や制御方法に基づいて通信装置4内において行い、更新が不要と判断した場合には第2の送受信手段23から送信する電磁波に更新情報を乗せずに第1の送受信手段11に送信してもよい。
【0031】
また、前記物体検知装置3は車両外部との通信を開始する前にリファレンス信号を外部の通信装置4に送信し、前記通信装置4は前記物体検知装置3から送信されたリファレンス信号と同一の周波数信号により通信を行うようにしてもよい。
このようにすると、前記物体検知装置3から送信されているリファレンス信号に基づいて通信装置4は通信を開始するため、前記物体検知装置3からの送信周波数が温度特性などによりばらついても確実に通信を開始することができる。従って、周波数が特定されなければ信号のやりとりができない通信(例えば、スペクトラム拡散方式)であっても確実に通信を開始することができる。
以上、本発明の内容を実施の形態により説明したが、本発明の内容は実施の形態のみに限定されるものでないことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態における車両用通信システムの概略模式図である。
【図2】図1に示す車両用通信システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0033】
1…車両用通信システム
2…車両
3…物体検知装置
4…通信装置
5(5a,5b,…)…車載機器制御装置
6(6a,6b,…)…車載機器制御
11…第1の送受信手段
12…通信手段
14…物体検知装置記憶手段
15…物体検知手段
21…通信装置記憶手段
22…通信手段
23…第2の送受信手段
31…記憶内容更新手段
32…車載機器記憶手段
33…車載機器制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され車両の周囲に電磁波を送信するとともに物体によって反射された反射波を受信する第1の送受信手段と、
反射波を信号処理することにより少なくとも物体との距離または相対速度を算出する物体検知手段と、
第1の送受信手段により送受信される電磁波を用いて車両外部との通信を行う通信手段と、
を備えた物体検知装置と、
車両外部に設けられ第1の送受信手段との間で電磁波を送受信可能な第2の送受信手段と、
第2の送受信手段からの信号に基づいて車両との通信を行う通信手段と、
を備えた通信装置と、
を有する車両用通信システムであり、
車載機器の制御を行う車載機器制御手段と、
車載機器制御手段の制御方法を記憶する車載機器記憶手段と、
通信装置により送信された内容に基づいて車載機器記憶手段に記憶されている制御方法を更新する記憶内容更新手段と、
を備えた車載機器制御装置を有することを特徴とする車両用通信システム。
【請求項2】
車両に搭載され車両の周囲に電磁波を送信するとともに物体によって反射された反射波を受信する第1の送受信手段と、
反射波の信号処理方法を記憶する物体検知装置記憶手段と、
物体検知装置記憶手段に記憶されている信号処理方法に基づいて反射波を信号処理することにより物体との距離や相対速度を含む物体情報を算出する物体検知手段と、
第1の送受信手段により送受信される電磁波を用いて車両外部との通信を行う通信手段と、
を備えた物体検知装置と、
車両外部に設けられ第1の送受信手段との間で電磁波を送受信可能な第2の送受信手段と、
第2の送受信手段からの信号に基づいて車両との通信を行う通信手段と、
を備えた通信装置と、
を有する車両用通信システムであり、
前記物体検知装置は、
通信装置により送信された内容に基づいて物体検知装置記憶手段に記憶されている信号処理方法を更新する記憶内容更新手段を備えたことを特徴とする車両用通信システム。
【請求項3】
前記車載機器制御装置または前記物体検知装置は、車両が停止状態のときに、
前記第1の送受信手段を用いた更新処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用通信システム。
【請求項4】
前記物体検知装置は車両外部との通信時には第1の送受信手段の送信出力を減少させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用通信システム。
【請求項5】
前記第1の送受信手段は複数の送受信器を備えたマルチアンテナレーダであり、
車両外部との通信時には前記複数の送受信器をそれぞれ1つだけ使用することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用通信システム。
【請求項6】
前記記憶内容更新手段は前記車載機器記憶手段または物体検知装置記憶手段に記憶されているソフトウエアのバージョン情報を確認することにより更新の要否を判断することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用通信システム。
【請求項7】
前記物体検知装置は車両外部との通信を開始する前にリファレンス信号を外部に送信し、
前記通信装置は前記物体検知装置から送信されたリファレンス信号と同一の周波数信号により通信を行うことを特徴とする請求項1から請求項6に記載の車両用通信システム。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−131035(P2006−131035A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320751(P2004−320751)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】