説明

車両用遅延証明システム、サーバ装置、車両用遅延証明方法およびコンピュータプログラム

【課題】自家用車による移動に対して客観的に遅延証明を行う技術を提供する。
【解決手段】遅延証明システム10のサーバ装置200は、自家用車内に配置された携帯電話100から逐次位置データを取得して位置データベース241に記録する。サーバ装置200は、更に、予め定められた自家用車の移動経路を表す経路データや、この移動経路を含む地域の道路交通情報データを記憶している。サーバ装置200は、自家用車による目的地までの移動が遅延した場合に、位置データと経路データと道路交通情報データとに基づいて遅延の態様を判定し、この判定結果を表す遅延証明データを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両による移動の遅延証明を行う技術に関する。なお、本願において、車両とは、自家用の乗用車、自動二輪車、原動機付自転車などのことをいい、公共交通機関以外の乗り物を意図している。
【背景技術】
【0002】
従来、事故や天候不順等によって公共交通機関に遅延が生じた場合には、その公共交通機関の事業者から通勤者あるいは通学者に対して遅延証明書が発行されている。遅延証明書の発行を受けた者は、この遅延証明書を勤務先や通学先に提出することで、不可抗力による遅刻であることを証明することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−34820号公報
【特許文献2】特開2004−171230号公報
【特許文献3】特開2007−164306号公報
【0004】
しかし、通勤や通学の移動手段は、公共交通機関に限られない。特に、地方では、公共交通機関が未発達の場合があり、車両が移動手段の大半を占める場合がある。このような移動手段によって移動している者は、事故や渋滞、悪天候等によって遅刻した場合でも、その遅刻の原因が不可抗力によるものであるかを客観的に証明することは困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような問題を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、車両による移動に対して客観的に遅延証明を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]端末装置とサーバ装置とを備え、車両による移動の際に生じた遅延の証明を行う車両用遅延証明システムであって、前記端末装置は、前記車両の現在位置を逐次測位する測位部と、前記測位された現在位置を表す位置データを前記サーバ装置に送信するデータ送信部とを備え、前記サーバ装置は、前記端末装置から送信された前記位置データを受信するデータ受信部と、受信した前記位置データを時系列的に記憶する位置データ記憶部と、出発地と目的地とを含み、前記車両の移動経路を表す経路データを記憶する経路データ記憶部と、前記移動経路の交通に影響を与える現象を表す道路交通情報データを取得する道路交通情報取得部と、取得された前記道路交通情報データを記憶する道路交通情報データ記憶部と、前記車両による前記目的地への到達が遅延したか否かを判断し、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合に、前記位置データと前記経路データとを対比しつつ、前記道路交通情報データを参照して、前記遅延の態様を判定する遅延判定部と、前記判定の結果を表す遅延証明データを出力する遅延証明データ出力部とを備える車両用遅延証明システム。
【0008】
上記構成の車両用遅延証明システムであれば、サーバ装置は、端末装置から送信された位置データを時系列的に記憶するとともに、あわせて、移動経路データや、道路交通情報データを記憶する。上記構成の車両用遅延証明システムは、これらのデータを参照することで、例えば、ユーザが予め定められた移動経路の移動途中に、事故や渋滞、天候不順等に遭遇したかを特定することができる。そのため、出発地から目的地への車両による移動が遅延したとしても、その要因が、ユーザの不可抗力によるものなのかを正確に判断することができる。この結果、車両による移動に対して、客観的に遅延証明を行うことが可能になる。
【0009】
なお、上記構成において、道路交通情報データが表す現象としては、自然現象や人為的要因による現象があり、これらは、例えば、気象情報や災害情報、事故情報、工事情報、渋滞情報等によって表される。また、サーバ装置の遅延証明データ出力部は、遅延証明データを、例えば、ワールドワイドウェブ、電子メール、FAX等によって出力することができる。
【0010】
[適用例2]適用例1に記載の車両用遅延証明システムであって、前記遅延判定部は、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合において、前記位置データ記憶部を参照し、前記車両の実際の移動経路を求め、該実際の移動経路と、前記経路データ記憶部に記憶された移動経路とを比較し、これらの移動経路が一致しない場合において、前記道路交通情報データ記憶部に、前記予め定められた移動経路において前記現象が生じたことが記録されていない場合には、前記遅延の態様として、前記遅延は正当な理由によるものではないと判定する車両用遅延証明システム。このような構成であれば、例えば、何の理由もなく移動途中に寄り道をした場合等に、遅延は正当な理由によるものではないと判定することができる。
【0011】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の車両用遅延証明システムであって、前記遅延判定部は、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合において、前記車両による前記目的地への到達が遅延した場合における標準的な到着時間を、前記経路データと前記道路交通情報データとに応じて算出し、前記位置データ記憶部に記録された前記目的地への実際の到着時間が、前記標準的な到着時間を経過していなければ、前記遅延の態様として、前記遅延は正当な理由によるものであると判定する車両用遅延証明システム。このような構成であれば、経路データと道路交通情報データに記録された現象とに応じて、遅延時における標準的な到着時間を求めることができる。そのため、この標準的な到着時間に基づいて遅延の正当性を判定することができる。この結果、例えば、事故や渋滞等の発生に便乗して寄り道をするような不正な行動を抑制することが可能になる。
【0012】
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の車両用遅延証明システムであって、前記遅延判定部は、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合において、前記位置データ記憶部を参照し、前記車両が前記出発地から出発した時間を求め、該出発時間が、予め定められた時刻を経過している場合には、前記経路データおよび前記道路交通情報データにかかわらず、前記遅延の態様として、前記遅延は正当な理由によるものではないと判定する車両用遅延証明システム。このような構成であれば、出発地からの出発が予め定められた時刻よりも遅れた場合には、一律に、遅延は正当な理由によるものではないと判定することができる。
【0013】
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の車両用遅延証明システムであって、前記遅延判定部は、前記位置データ記憶部を参照して、前記車両が前記目的地に到着した時間を求め、該到着時間が、予め定められた時刻を経過している場合に、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断する車両用遅延証明システム。このような構成であれば、サーバ装置に記憶された位置データに基づいて、車両による移動が遅延したかを判断することが可能になる。
【0014】
なお、本発明は、上述した車両用遅延証明システムとしての構成のほか、車両による移動の際に生じた遅延の証明を行うサーバ装置や、車両による移動の際に生じた遅延の証明をサーバ装置が行う方法、車両による移動の際に生じた遅延の証明を行うためのコンピュータプログラムとしても構成することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、メモリカード、ハードディスク等の種々の媒体を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき次の順序で説明する。
A.車両用遅延証明システムの構成:
B.各種データベース
C.遅延証明書発行処理:
D.変形例:
【0016】
A.車両用遅延証明システムの構成:
図1は、本発明の実施例としての車両用遅延証明システム(以下、単に、「遅延証明システム」という)の構成を示す説明図である。図1に示すように、本実施例の遅延証明システム10は、自家用車FC内に配置されて自家用車FCの現在位置を測位する端末装置としての携帯電話100と、自家用車FCによる通勤の遅延の正当性を証明するサーバ装置200と、サーバ装置200によって発行された遅延証明書データを出力する出力装置としてのコンピュータ300とを備えている。遅延証明システム10を構成するこれらの装置は、インターネットや携帯電話網等からなる通信ネットワークNTによって相互に接続されている。
【0017】
携帯電話100は、GPS回路110と無線通信回路120とを備えている。GPS回路110は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星SLから電波を受信して携帯電話100の存在する現在位置を逐次測位する。無線通信回路120は、GPS回路110によって測位された現在位置を表す位置データを定期的(本実施例では1分おき)にサーバ装置200に送信する。この位置データには、現在位置を表す経緯度データと、現在位置を測位した時間を表す時間情報と、携帯電話100の電話番号とが含まれる。もちろん、携帯電話100は、これらの回路以外にも、音声通話やデータ通信を行うための回路を備えている。
【0018】
サーバ装置200は、CPU210と、RAM220と、通信ネットワークNTに対する通信を制御する通信インターフェース230と、各種制御プログラムやデータベースを記憶するハードディスク240とを備えている。サーバ装置200は、ハードディスク240にインストールされた所定のプログラム(HTTPプログラムおよびCGIプログラム)をCPU210がRAM220にロードして実行することにより、WWW(ワールドワイドウェブ)システム上で遅延証明書発行サービスを提供するWebサーバとして機能する。ハードディスク240には、遅延証明書発行サービスを提供するために、位置データベース241と、ユーザ情報データベース242と、道路交通情報データベース243と、道路ネットワークデータベース244とが記憶されている。これらのデータベースに記録されたデータの詳細については後述する。
【0019】
コンピュータ300は、CPU310やRAM320、通信インターフェース330、ハードディスク340を備えている。コンピュータ300には、プリンタ400が接続されている。コンピュータ300にはWebブラウザがインストールされており、このWebブラウザを介して、サーバ装置200からの遅延証明書データの受信や、サーバ装置200に対するユーザ情報(詳細は後述)の送信を行う。
【0020】
B.各種データベース
図2は、サーバ装置200が有する位置データベース241のデータ構造を示す図である。図示するように、位置データベース241には、携帯電話の電話番号ごとに、その携帯電話の現在位置を示す経緯度データが記録されている。サーバ装置200のCPU210は、通信インターフェース230を介して携帯電話100から位置データを受信すると、受信した位置データに含まれる経緯度データを、同じく位置データに含まれる時間情報に対応づけて、電話番号ごとに時系列的(本実施例では、一分おき)に位置データベース241に記録する。なお、本実施例では、経緯度データを、受信した位置データに含まれる時間情報に対応づけて位置データベース241に記録しているが、サーバ装置200が位置データを受信した時刻に対応付けて記録することとしてもよい。また、位置データベース241に記録したデータは、記録から一定期間(例えば、1年)経過したものから消去していくこととしてもよい。
【0021】
図3は、ユーザ情報データベース242のデータ構造を示す図である。図示するように、ユーザ情報データベース242には、ユーザ情報として、ユーザごとに、携帯電話番号、社員番号、パスワード、遅延証明データの発行方法(印刷、電子メール、FAX)、自宅住所およびその経緯度、勤務先住所およびその経緯度、自家用車種別(四輪車、二輪車、原動機付き自転車)、通勤経路、通勤にかかる時間(通勤時間)、始業時間、標準出発時間、が記録されている。これらの情報は、コンピュータ300が実行するWebブラウザに、サーバ装置200が提供する所定のユーザ情報登録画面を表示させて、この画面に必要な項目を入力することで登録される。なお、図3に示したユーザ情報のうち、「通勤時間」や「始業時間」、「標準出発時間」は、勤務先の勤務体系に従って、曜日別や季節別に登録可能としてもよい。
【0022】
サーバ装置200は、コンピュータ300から自宅住所や勤務先住所の登録を受けた場合に、これらの住所を、予め全国の住所と経緯度とが対応付けられたテーブルを参照して、経緯度データに変換する機能を備えている。サーバ装置200は、この機能によって、自宅と勤務先の住所を経緯度データに変換すると、変換された経緯度データをユーザ情報データベース242に登録する。サーバ装置200は、更に、道路のつながり状態がリンクデータやノードデータとして記録された道路ネットワークデータベース244を参照して、自宅(出発地)の経緯度と勤務先(目的地)の経緯度とを結ぶ推奨経路を探索する機能を備える。推奨経路の探索アルゴリズムとしては、例えば、ダイクストラ法を用いることができる。こうして探索された推奨経路は、「通勤経路」としてユーザ情報データベース242に登録される。なお、ユーザ情報データベース242に登録される通勤経路は、複数の推奨経路の中からユーザによって選択された経路であってもよいし、ユーザが、自ら入力した経路であってもよい。
【0023】
図4は、道路交通情報データベース243のデータ構造を示す図である。図示するように、道路交通情報データベース243には、すべてのユーザの通勤経路をカバーする地域について、渋滞の発生した日時,場所,原因を示す渋滞情報や、各地の毎日の天候や災害の状況を示す気象災害情報、事故や道路工事が行われている場所や日時を示す事故工事情報が、時系列的に記録されている。サーバ装置200のCPU210は、これらの情報を、所定のWebサイト(図1中の、気象情報提供サイト500、渋滞情報提供サイト600、事故工事情報提供サイト700)から通信ネットワークNTを介して定期的に取得し、道路交通情報データベース243に記録する。なお、渋滞情報や気象災害情報、事故工事情報は、前述の地域をメッシュに区切って、各メッシュごとに時系列的に記録することとしてもよい。
【0024】
C.遅延証明書発行処理:
続いて、遅延証明システム10による遅延証明書の発行処理の詳細について説明する。以下では、ユーザ情報データベース242に、「証明書発行方法」として、「印刷」と登録されている場合の処理の例を説明する。
【0025】
図5は、遅延証明書発行処理ルーチンのフローチャートである。図5には、コンピュータ300による処理とサーバ装置200による処理とを併記している。この遅延証明書発行処理ルーチンでは、まず、ユーザが、コンピュータ300にインストールされたWebブラウザを起動し、サーバ装置200のURLを入力する。すると、コンピュータ300からサーバ装置200に対して、遅延証明書を発行するための画面(以下、遅延証明書発行画面という)を表示するための要求メッセージが送信される(ステップS100)。サーバ装置200は、この要求メッセージを受信すると(ステップS200)、ハードディスク240に記憶されているHTML形式の遅延証明書発行画面をコンピュータ300に送信する(ステップS202)。コンピュータ300は、こうしてサーバ装置200から送信された遅延証明書発行画面を受信し、Webブラウザ上に表示する(ステップS102)。
【0026】
図6は、遅延証明書発行画面の一例を示す説明図である。図6に示すように、本実施例の遅延証明書発行画面には、携帯電話番号と社員番号とパスワードと(以下、まとめて「認証情報」という)、遅延を証明する日(以下、「遅延証明日」という)とを入力する項目が用意されている。コンピュータ300は、これらの項目に対する情報の入力をユーザから受け付け(ステップS104)、遅延証明書発行画面中の「送信ボタン」が押されたかを判断する(ステップS106)。送信ボタンが押された場合には、コンピュータ300は、サーバ装置200に対して、ユーザから入力された認証情報と遅延証明日とを送信する(ステップS108)。
【0027】
サーバ装置200は、コンピュータ300から認証情報と遅延証明日とを受信すると(ステップS204)、受信した認証情報(携帯電話番号、社員番号およびパスワード)と、ユーザ情報データベース242に登録された情報とが一致するユーザを検索する(ステップS206)。この検索の結果、受信した認証情報とユーザ情報データベース242に登録された情報とが一致するユーザが検索されなければ、サーバ装置200は、認証が失敗したと判断し(ステップS208:No)、認証情報に誤りがある旨の情報を含む証明不可書データをコンピュータ300に送信する(ステップS216)。一方、受信した認証情報とユーザ情報データベース242に登録された情報とが一致するユーザが検索されれば、サーバ装置200は、認証が成功したと判断し(ステップS208:Yes)、コンピュータ300から受信した遅延証明日におけるユーザの遅延の態様を判定する遅延判定処理ルーチンを実行する(ステップS210)。遅延の態様とは、勤務先へのユーザの到達が遅延した場合において、その遅延が正当な理由によるものであるか否かのことをいう。なお、本実施例では、認証情報と遅延証明日とを同一の画面で入力することとしたが、認証情報のみを最初に入力して、認証が成功した場合にのみ遅延証明日を入力することとしてもよい。
【0028】
図7は、遅延判定処理ルーチンの詳細なフローチャートである。この遅延判定処理ルーチンでは、まず、サーバ装置200は、遅延証明日において、ユーザの位置データ(経緯度データ)が位置データベース241に記録されているかを判断する(ステップS300)。遅延証明日における位置データが記録されていなければ、遅延証明日において携帯電話100から位置データが取得できていないことになるので、サーバ装置200は、判定結果を「証明対象外」として(ステップS320)、当該遅延判定処理ルーチンを終了する。
【0029】
遅延証明日において、ユーザの位置データ(経緯度データ)が、位置データベース241に記録されていれば、サーバ装置200は、続いて、位置データベース241を参照して、遅延証明日における勤務先到着時間を取得する(ステップS302)。具体的には、ユーザ情報データベース242に登録された「自宅出発時間」から位置データベース241に記録された経緯度データを遅延証明日において時系列的に辿って、はじめてユーザの経緯度が勤務先の経緯度に一致する時間を勤務先到着時間として取得する。
【0030】
勤務先到着時間を取得すると、サーバ装置200は、その勤務先到着時間がユーザ情報データベース242に登録された「始業時間」を経過しているかを判断する(ステップS304)。始業時間を経過していなければ、遅刻していることにはならないので、サーバ装置200は、判定結果を「非遅延」として(ステップS322)、当該遅延判定処理ルーチンを終了する。
【0031】
一方、勤務先到着時間が始業時間を経過していれば、サーバ装置200は、ユーザ情報データベース242を参照して、遅延証明日における自宅出発時間を取得する(ステップS306)。具体的には、位置データベース241を参照して、遅延証明日に記録された経緯度が、自宅から通勤経路に沿って移動を開始した時間を、自宅出発時間として取得する。
【0032】
自宅出発時間を取得すると、サーバ装置200は、その自宅出発時間が、ユーザ情報データベース242に登録された「標準出発時間」以前の時間であるかを判断する(ステップS308)。自宅出発時間が標準出発時間を経過している場合には、自宅からの出発が遅れた結果、遅刻したと判断できるので、サーバ装置200は、判定結果を「非正当な遅延」として(ステップS326)、当該遅延判定処理ルーチンを終了する。
【0033】
一方、自宅出発時間が標準出発時間以前の時間であれば、サーバ装置200は、ユーザ情報データベース242に登録された「通勤経路」と、遅延証明日において位置データベース241に記録された自宅から勤務先までの実際の移動経路とを比較し(ステップS310)、ユーザが、移動途中に通勤経路から離脱したかを判断する(ステップS312)。ユーザが、通勤経路から離脱していれば、サーバ装置200は、道路交通情報データベース243を参照して、ユーザ情報データベース242に登録された通勤経路中に、その通勤時間帯において事故や渋滞、天候不順、災害が発生しているかを検索する(ステップS314)。この結果、事故や渋滞、天候不順、災害の発生が検索されなければ、通勤途中に寄り道をしたと判断できるので、判定結果を「非正当な遅延」として(ステップS326)、当該遅延判定処理ルーチンを終了する。なお、上記ステップS312では、予め登録された通勤経路と実際の移動経路とが完全に一致しない場合であっても、例えば、通勤経路に沿って平行に走る道路を移動しているような場合、つまり、通勤経路から著しく離脱しているわけではなく、通勤経路と等価な経路を移動している場合には、通勤経路から離脱していないと判断してもよい。
【0034】
上記ステップS312において通勤経路を離脱してないと判断された場合、または、ステップS314において通勤経路中に事故等が発生したと判断された場合には、サーバ装置200は、通勤経路上の事故や渋滞、災害、天候等の条件を加味して、標準到着時間を計算する(ステップS316)。具体的には、自宅から勤務先までの実際の移動距離を、ユーザ情報データベース242に登録された「自家用車種別」に応じた平均時速(例えば、四輪車なら30km/h、二輪なら、35km/h、原付なら、20km/h)で除算して、平均的な通勤時間を算出し、その通勤時間に対して、事故や渋滞、天候等の事象に応じて予め定められた係数を乗算することで標準到着時間を算出する。
【0035】
図8は、標準到着時間の計算例を示す説明図である。図8(a),(b)には、30kmの直線上の同一の通勤経路をそれぞれ示している。図8(a)には、事故や渋滞、悪天候等が生じていない場合における四輪乗用車(平均時速30km/h)による所要時間を示している。図示するように、30kmの通勤経路を四輪乗用車で移動した場合の所要時間は60分である。これに対して、図8(b)には、30kmの通勤経路のうち、最初の10kmで渋滞が発生し、中間の10kmで路面の凍結が発生し、最後の10kmで暴風雨が生じている例を示している。図示するように、本実施例では、標準到着時間の計算で用いる係数Kが、渋滞、凍結、暴風雨、のそれぞれについて、「1.5」、「2.0」、「1.2」と設定されている。これらの係数は、例えば、事故や渋滞、悪天候等の事象に応じてどの程度移動が遅延するかを実験し、その実験結果に基づき設定することができる。これらの係数を用いれば、上述した各区間の所要時間は、それぞれ、30分(=20分×1.5)、40分(=20分×2.0)、24分(=20分×1.2)となる。よって、通勤経路全体では、所要時間は、94分となる。ここで、例えば、10分未満の時間を切り上げることとすると、所要時間は100分となり、標準到着時間としては、出発時間に100分を加算した時間ということになる(出発時間が8時であれば、9時40分)。なお、本実施例では、係数を各区間の所要時間に対して乗算することとしたが、平均時速に対して係数を乗算することとしてもよい。ただし、この場合には、係数を乗算することで、本来の平均時速よりも乗算後の平均時速が遅くなる係数を予め設定しておく。また、本実施例では、標準到着時間の算出にあたり、ユーザ情報データベース242に登録された「自家用車種別」に応じて平均的な通勤時間を算出したが、ユーザ情報データベース242に登録された「通勤時間」をそのまま用いてもよい。
【0036】
上述のように標準到着時間を計算すると、サーバ装置200は、位置データベース241に記録された勤務先への実際の到着時間と、ステップS314で算出された標準到着時間とを比較し、実際の到着時間が標準到着時間以内であるかを判断する(ステップS318)。実際の到着時間が標準到着時間以内であれば、サーバ装置200は、判定結果を「正当な遅延」として(ステップS324)、当該遅延判定処理ルーチンを終了する。一方、実際の到着時間が標準到着時間を超えていれば、事故等の発生に便乗して寄り道したと判断できるので、サーバ装置200は、判定結果を「非正当な遅延」として(ステップS326)、当該遅延判定処理ルーチンを終了する。
【0037】
以上で説明した遅延判定処理ルーチンが終了すると、処理は、図5に示した遅延証明書発行処理ルーチンのステップS212に戻る。このステップS212では、サーバ装置200は、遅延判定処理ルーチンによる判定結果が、「正当な遅延」であるかを判断する(ステップS212)。遅延判定処理ルーチンによる判定結果が、「正当な遅延」であれば、サーバ装置200は、ユーザの携帯電話番号や遅延証明日、出発時間、到着時間、通勤経路等を含む遅延証明書データをコンピュータ300に送信する(ステップS214)。これに対して、遅延判定処理ルーチンによる判定結果が、「証明対象外」、「非遅延」、「非正当な遅延」のいずれかであれば、サーバ装置200は、これらの判定結果を含む証明不可書データをコンピュータ300に送信する(ステップS216)。
【0038】
コンピュータ300は、サーバ装置200から遅延証明書データあるいは証明不可書データを受信すると(ステップS110)、受信したデータに基づいて、遅延証明書あるいは証明不可書をWebブラウザ上に表示する。そして、ユーザからの印刷指示に基づき、表示された書面を印刷する(ステップS112)。
【0039】
図9は、Webブラウザ上に表示された遅延証明書の一例を示す図である。図示するように、本実施例では、遅延証明書には、遅延を証明する対象者の携帯電話番号および社員番号が含まれ、また、遅延証明の根拠を示す情報として、遅延証明日、始業時間、実際の自宅出発時間、実際の勤務先到着時間、上記ステップS316で算出された標準到着時間、遅延の原因、および通勤経路と実際の移動経路とが含まれる。図9に示した遅延証明書には、印刷ボタンが含まれている。ユーザは、この印刷ボタンを押すことにより、Webブラウザ上に表示された遅延証明書の印刷を行うことができる。
【0040】
図10〜図12は、証明不可書の例を示す図である。図10には、遅延判定処理ルーチンによる判定結果が、「非正当な遅延」の場合の証明不可書を示している。図示するように、この場合には、正当な理由無く遅刻した旨が表示される。図11には、遅延判定処理ルーチンによる判定結果が、「非遅延」の場合の証明不可書を示している。図示するように、この場合には、そもそもユーザは遅刻していない旨が表示される。また、図12には、遅延判定処理ルーチンによる判定結果が、「証明対象外」の場合の証明不可書を示している。図示するにように、この場合には、遅延証明書発行画面に入力された認証情報(携帯電話番号、社員番号、パスワード)のいずれかが誤っているか、該当するユーザが存在しないため、遅延証明することができない旨が表示される。
【0041】
なお、上述した遅延証明書発行処理ルーチンは、印刷によって遅延証明書を発行する場合の例であるが、遅延証明書の発行は、FAXや電子メールでも可能である。この場合、図5のステップS214やステップS216では、サーバ装置200は、予め指定された送信先に、遅延証明書や証明不可書をFAXあるいは電子メールによって送信し、送信が正常に行われたかをコンピュータ300に通知する。このとき、送信が正常に行われなければ、ユーザからの指示に応じて、別の送信先への送信や発行方法の変更(例えば、「FAX」から「印刷」への変更)を行うこととしてもよい。
【0042】
以上、本実施例の遅延証明システム10の構成および処理内容について説明した。本実施例の遅延証明システム10によれば、携帯電話100から送信される位置データがサーバ装置200に時系列的に記録されるとともに、あわせて、事故や渋滞、天候等を表す道路交通情報も時系列的に記録される。そのため、ユーザが通勤途中に、事故や渋滞、天候不順等に遭遇したかを特定することができるので、自家用車による通勤において勤務先に遅刻したとしても、その要因が、ユーザの不可抗力によるものなのかを正確に判断することができる。この結果、従来、予め路線の定められた電車やバスなどの公共交通機関を利用する通勤者に対して発行される遅延証明書と同様に、自家用車による通勤者に対しても、正当な理由による遅刻であることを客観的に証明可能な遅延証明書を提供することが可能になる。更に、本実施例では、予め定められたユーザの通勤経路がサーバ装置200に記憶されているため、ユーザの実際の移動経路と、標準的な通勤経路とを比較することができる。そのため、ユーザによる通勤経路の離脱が、不可抗力によるものなのか、寄り道によるものなのかを特定することができる。よって、より正確に、遅刻の正当性を証明することができる。なお、上記実施例では、遅延証明書が発行されない場合において、証明不可書が発行されることとしたが、この証明不可書の発行は任意であり、発行しないこととしてもよい。
【0043】
D.変形例:
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、ソフトウェアによって実現した機能は、ハードウェアによって実現するものとしてもよい。また、上記実施例では、通勤時における遅延証明について説明したが、通学時の遅延証明についても全く同様に行うことができる。そのほか、以下のような変形が可能である。
【0044】
D1.変形例1:
上述した実施例のサーバ装置200は、ハードディスク240内に道路交通情報データベース243を記憶している。この道路交通情報データベース243には、渋滞情報や気象災害情報、事故工事情報など、様々な情報が記録されている。そのため、遅延証明システム10のユーザは、サーバ装置200が提供するWebサイトを閲覧することで、これらの情報を適宜取得可能としても良い。例えば、携帯電話100を用いてこれらの情報を閲覧すれば、渋滞や事故、路面の凍結、積雪、災害などが発生している地点を避けて通勤を行うことが可能になる。また、サーバ装置200は、降雪や台風、集中豪雨、地震、津波などの気象・災害の予報や、工事の場所・時間の予定を事前にユーザに通知したり、道路ネットワークデータベース244に基づいて、災害が発生するおそれのある場所や工事予定場所を迂回するルートを事前にユーザに案内することが可能である。さらに、この迂回ルートを移動する移動時間が、標準的な通勤時間を超えるようであれば、出発時間の変更をユーザに示唆することが可能である。
【0045】
D2.変形例2:
上述した実施例のサーバ装置200が備える位置データベース241には、ユーザ毎の経緯度データが記録されている。つまり、サーバ装置200は、従業員の通勤状況をすべて管理していることになる。そのため、サーバ装置200は、企業の人事部門等に対して、すべての従業員の通勤状況(移動の様子)を地図上にリアルタイム表示するWebサイトを提供することが可能である。このとき、例えば、遅延のおそれのある通勤者の色を変えたり、そのような通勤者のみを地図上に表示することが可能である。更に、携帯電話100からの位置データの送信が途絶えている通勤者を特定し、そのような通勤者を画面上にリストアップして表示することも可能である。
【0046】
D3.変形例3:
上記実施例では、ユーザ1人1人が個別に遅延証明書の発行を受けている(図6参照)。これに対して、勤怠管理をおこなう部署が、所定の締め日に一括して遅延者の情報(認証情報+遅延証明日)をサーバ装置200に送信することとしてもよい。このように、一括して遅延者の情報がサーバ装置200に送信されると、サーバ装置200は、一括して、正当な遅延かどうかを判定し、その結果を、例えば、人事部門等に送信する。こうすることで、人事部門は、効率的に、給与計算処理に遅延状況を反映させることが可能になる。
【0047】
D4.変形例4:
上記実施例では、位置データを送信する端末装置として、携帯電話100を適用した。しかし、現在位置を測位可能な装置であれば、端末装置は携帯電話に限られない。例えば、通信機能を備えたPND(Personal Navigation Device)やカーナビゲーションシステムを端末装置として利用することが可能である。また、GPS受信機を備えた小型のパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)を端末装置として適用することも可能である。更に、上記実施例では、遅延証明書を出力する装置として、コンピュータ300を用いることとした。しかし、遅延証明書の出力は、携帯電話100で行うこととしてもよい。例えば、携帯電話100とプリンタ400とをBluetooth(商標)通信によって接続することで、携帯電話100に表示された遅延証明書をプリンタ400によって印刷することが可能である。また、上記実施例では、サーバ装置200に対するユーザ情報の登録をコンピュータ300によって行うこととしたが、その全部または一部を携帯電話100から行うこととしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施例としての自家用車用遅延証明システムの構成を示す説明図である。
【図2】位置データベース241のデータ構造を示す図である。
【図3】ユーザ情報データベース242のデータ構造を示す図である。
【図4】道路交通情報データベース243のデータ構造を示す図である。
【図5】遅延証明書発行処理ルーチンのフローチャートである。
【図6】遅延証明書発行画面の一例を示す説明図である。
【図7】遅延判定処理ルーチンの詳細なフローチャートである。
【図8】標準到着時間の計算例を示す説明図である。
【図9】遅延証明書の一例を示す図である。
【図10】証明不可書の例を示す図である。
【図11】証明不可書の例を示す図である。
【図12】証明不可書の例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10…遅延証明システム
100…携帯電話
110…GPS回路
120…無線通信回路
200…サーバ装置
210…CPU
220…RAM
230…通信インターフェース
240…ハードディスク
241…位置データベース
242…ユーザ情報データベース
243…道路交通情報データベース
244…道路ネットワークデータベース
300…コンピュータ
310…CPU
320…RAM
330…通信インターフェース
340…ハードディスク
400…プリンタ
500…気象情報提供サイト
600…渋滞情報提供サイト
700…事故工事情報提供サイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置とサーバ装置とを備え、車両による移動の際に生じた遅延の証明を行う車両用遅延証明システムであって、
前記端末装置は、
前記車両の現在位置を逐次測位する測位部と、
前記測位された現在位置を表す位置データを前記サーバ装置に送信するデータ送信部とを備え、
前記サーバ装置は、
前記端末装置から送信された前記位置データを受信するデータ受信部と、
受信した前記位置データを時系列的に記憶する位置データ記憶部と、
出発地と目的地とを含み、前記車両の移動経路を表す経路データを記憶する経路データ記憶部と、
前記移動経路の交通に影響を与える現象を表す道路交通情報データを取得する道路交通情報取得部と、
取得された前記道路交通情報データを記憶する道路交通情報データ記憶部と、
前記車両による前記目的地への到達が遅延したか否かを判断し、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合に、前記位置データと前記経路データとを対比しつつ、前記道路交通情報データを参照して、前記遅延の態様を判定する遅延判定部と、
前記判定の結果を表す遅延証明データを出力する遅延証明データ出力部とを備える
車両用遅延証明システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用遅延証明システムであって、
前記遅延判定部は、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合において、前記位置データ記憶部を参照し、前記車両の実際の移動経路を求め、該実際の移動経路と、前記経路データ記憶部に記憶された移動経路とを比較し、これらの移動経路が一致しない場合において、前記道路交通情報データ記憶部に、前記予め定められた移動経路において前記現象が生じたことが記録されていない場合には、前記遅延の態様として、前記遅延は正当な理由によるものではないと判定する車両用遅延証明システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車両用遅延証明システムであって、
前記遅延判定部は、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合において、前記車両による前記目的地への到達が遅延した場合における標準的な到着時間を、前記経路データと前記道路交通情報データとに応じて算出し、前記位置データ記憶部に記録された前記目的地への実際の到着時間が、前記標準的な到着時間を経過していなければ、前記遅延の態様として、前記遅延は正当な理由によるものであると判定する車両用遅延証明システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用遅延証明システムであって、
前記遅延判定部は、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合において、前記位置データ記憶部を参照し、前記車両が前記出発地から出発した時間を求め、該出発時間が、予め定められた時刻を経過している場合には、前記経路データおよび前記道路交通情報データにかかわらず、前記遅延の態様として、前記遅延は正当な理由によるものではないと判定する車両用遅延証明システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用遅延証明システムであって、
前記遅延判定部は、前記位置データ記憶部を参照して、前記車両が前記目的地に到着した時間を求め、該到着時間が、予め定められた時刻を経過している場合に、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断する車両用遅延証明システム。
【請求項6】
車両による移動の際に生じた遅延の証明を行うサーバ装置であって、
前記車両の現在位置を逐次測位し、該測位された現在位置を表す位置データを送信する端末装置から前記位置データを受信するデータ受信部と、
受信した前記位置データを時系列的に記憶する位置データ記憶部と、
出発地と目的地とを含み、前記車両の移動経路を表す経路データを記憶する経路データ記憶部と、
前記移動経路の交通に影響を与える現象を表す道路交通情報データを取得する道路交通情報取得部と、
取得された前記道路交通情報データを記憶する道路交通情報データ記憶部と、
前記車両による前記目的地への到達が遅延したか否かを判断し、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合に、前記位置データと前記経路データとを対比しつつ、前記道路交通情報データを参照して、前記遅延の態様を判定する遅延判定部と、
前記判定の結果を表す遅延証明データを出力する遅延証明データ出力部と
を備えるサーバ装置。
【請求項7】
車両による移動の際に生じた遅延の証明をサーバ装置が行う車両用遅延証明方法であって、
経路データ記憶部に、出発地と目的地とを含み、前記車両の移動経路を表す経路データを記憶し、
前記移動経路の交通に影響を与える現象を表す道路交通情報データを取得して道路交通情報データ記憶部に記憶し、
前記車両の現在位置を逐次測位し、該測位された現在位置を表す位置データを送信する端末装置から前記位置データを受信し、
位置データ記憶部に、受信した前記位置データを時系列的に記憶し、
前記車両による前記目的地への到達が遅延したか否かを判断し、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合に、前記位置データと前記経路データとを対比しつつ、前記道路交通情報データを参照して、前記遅延の態様を判定し、
前記判定の結果を表す遅延証明データを出力する
車両用遅延証明方法。
【請求項8】
車両による移動の際に生じた遅延の証明を行うためのコンピュータプログラムであって、
経路データ記憶部に、出発地と目的地とを含み、前記車両の移動経路を表す経路データを記憶する機能と、
前記移動経路を含む地域の交通に影響を与える現象を表す道路交通情報データを取得して道路交通情報データ記憶部に記憶する機能と、
前記車両の現在位置を逐次測位し、該測位された現在位置を表す位置データを送信する端末装置から前記位置データを受信する機能と、
位置データ記憶部に、受信した前記位置データを時系列的に記憶する機能と、
前記車両による前記目的地への到達が遅延したか否かを判断し、前記車両による前記目的地への到達が遅延したと判断した場合に、前記位置データと前記経路データとを対比しつつ、前記道路交通情報データを参照して、前記遅延の態様を判定する機能と、
前記判定の結果を表す遅延証明データを出力する機能と
をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−176456(P2010−176456A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19244(P2009−19244)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)