説明

車両用電気回路遮断装置

【課題】大電流の開閉に好適で、作業安全性が高く、かつ安価な車両用電気回路遮断装置を提供する。
【解決手段】サービスプラグ装置5は、端子台1と、バスバー端子12と、モールドバスバー2と、樹脂ボルト3と、を備える。バスバー端子12は、端子台1に1対以上で配置され、それぞれに差込孔16が形成される。モールドバスバー2は、対をなすバスバー端子12を覆うように配置され、絶縁体のモールド部22で表面が覆われた導電バスバー21として構成される。モールドバスバー2において、バスバー端子12に対面する部分では、導電バスバー21が露出する露出部26が形成される。また、モールドバスバー2においては、バスバー端子12の差込孔16に対応する位置に貫通状の通過孔25が形成されている。樹脂ボルト3は絶縁体で構成されており、通過孔25と差込孔16とに差し込まれて、当該モールドバスバー2と前記バスバー端子12とを固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の電気回路を遮断/接続することができる電気回路遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータ駆動用の大容量バッテリーを搭載する車両(例えば電気自動車)においては、高電圧の電気回路をメンテナンスする場合における安全性を確保するため、電源回路を開放する回路遮断装置(サービスプラグ装置)が備えられることがある。特許文献1及び2は、この種の回路遮断装置を開示する。
【0003】
また、上記のサービスプラグ装置に関するものではないが、特許文献3には、電気自動車に適用される高圧大電流分電装置において、ねじを用いて限流ヒューズを取り付ける構成が開示されている。なお、特許文献3では、ねじの材質については開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−287348号公報
【特許文献2】特開2002−343169号公報
【特許文献3】実開平7−41947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2の構成においては、メス端子側に、R状に折り曲げられて板バネ形状とされた構造のものが用いられている。これは構成の複雑化を招き、低コスト化の観点から改善の余地があった。
【0006】
一方で、このようなサービスプラグ装置では大電流の開閉を行うことから、作業者が感電しないような対策を徹底することが強く望まれる。この点、特許文献3の構成は、ヒューズの取付け/取外しにおいて作業者が活電部に触れてしまう危険を確実に排除できなかった。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、大電流の開閉に好適で、かつ安価な車両用電気回路遮断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の観点によれば、以下の構成の車両用電気回路遮断装置が提供される。即ち、この車両用電気回路遮断装置は、端子台と、バスバー端子と、モールドバスバーと、絶縁ボルトと、を備える。前記バスバー端子は、前記端子台に1対以上で配置され、それぞれに差込孔が形成される。前記モールドバスバーは、対をなす前記バスバー端子を覆うように配置され、絶縁体の樹脂でモールドされたモールド部をその表面に有する導電体のバスバーである。また、前記モールドバスバーは、少なくとも前記バスバー端子に対面する部分において導電体が露出されている。また、前記モールドバスバーにおいては、前記バスバー端子の前記差込孔に対応する位置に貫通状の通過孔が形成されている。前記絶縁ボルトは、少なくともその頭部が絶縁体で構成されている。前記絶縁ボルトは、前記モールドバスバーの前記通過孔と前記バスバー端子の前記差込孔とに差し込まれて、当該モールドバスバーと前記バスバー端子とを固定する。
【0010】
これにより、大電流の開閉に好適で、低コスト化及び小型化が容易な車両用電気回路遮断装置の構成を実現できる。また、絶縁ボルトを用いることにより、作業安全性を高めることができる。
【0011】
前記の車両用電気回路遮断装置においては、前記絶縁ボルトは、レンチ状又はスパナ状の工具によって回転可能であることが好ましい。
【0012】
これにより、車両用電気回路遮断装置の一層単純かつコンパクトな構成を実現できる。
【0013】
前記の車両用電気回路遮断装置においては、前記絶縁ボルトとして、導電性を有するボルト本体の頭部に絶縁体のツマミ部が設けられたノブボルトが用いられることが好ましい。
【0014】
これにより、特別な工具を用いずに簡便に取付け/取外しができるので、作業性が一層向上する。また、汎用品のノブボルトを用いることで、車両用電気回路遮断装置の一層の低コスト化を実現できる。
【0015】
前記の車両用電気回路遮断装置においては、複数の前記絶縁ボルトのうち1つを回転させると、他の絶縁ボルトもそれに連動して回転することが好ましい。
【0016】
これにより、複数の絶縁ボルトを同時に緩めることができるので、作業性を向上させることができる。また、絶縁ボルトを緩める方向の回転に連動してモールドバスバーへの通電を遮断できる構成を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るサービスプラグ装置の全体的な構成を示す分解斜視図。
【図2】通電状態としたサービスプラグ装置を示す断面図。
【図3】ツマミ部付きのノブボルトを示す斜視図。
【図4】変形例のサービスプラグ装置を示す断面図。
【図5】第2変形例のサービスプラグ装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るサービスプラグ装置5の全体的な構成を示す分解斜視図である。図2は、通電状態としたサービスプラグ装置5を示す断面図である。
【0019】
図1に示すサービスプラグ装置(車両用電気回路遮断装置)5は、端子台1と、モールドバスバー2と、樹脂ボルト(絶縁ボルト)3と、カバー4と、を備える。端子台1は車両側の適宜の位置に取り付けられ、モールドバスバー2は端子台1に対して樹脂ボルト3により着脱可能に構成されている。
【0020】
なお、以下の説明では、図面に示すように端子台1が下、モールドバスバー2が上となるように配置した状態を前提にして、各構成部品の位置関係や動作の向きを説明することがある。この位置関係では、モールドバスバー2の端子台1に対する取付け/取外しは上下方向に行われることになる(以下、この方向を単に「着脱方向」と称することがある)。しかしながら、サービスプラグ装置5の車両に対する取付け向きは任意であって、本明細書で開示される向きに限定されるものではない。
【0021】
端子台1は、ハウジング11と、2対(4つ)のバスバー端子12と、を備えている。
【0022】
ハウジング11は、絶縁性を有する合成樹脂で略ブロック状に形成されている。このハウジング11は中空状に形成されており、この内部空間にモールドバスバー2を収容することができる。また、このハウジング11の内底部には、導電性を有する板状の金属を折り曲げて形成したバスバー端子12が、2対(4つ)配置されている。
【0023】
バスバー端子12は、車両側の図示しない電気回路(例えば、バッテリー)に電気的に接続されている。そして、車両の通常の使用時においては、端子台1にモールドバスバー2を装着することにより、対をなすバスバー端子12同士が(モールドバスバー2が有する後述の導電バスバー21によって)電気的に接続され、電気回路が閉じられて通電するようになっている。一方、車両をメンテナンスする場合等においては、端子台1からモールドバスバー2を取り外すことにより、車両の電気回路が開かれて遮断状態が実現される。
【0024】
それぞれのバスバー端子12はL字状に折り曲げた形状とされており、前述の着脱方向と垂直な面が、モールドバスバー2と対面するように配置されている。この面(以下、接触面と称する)15のほぼ中央には、貫通状の差込孔16が形成されている。
【0025】
また、バスバー端子12においてモールドバスバー2と反対側を向く面には、差込孔16と対応する位置にナット17が固定されている。このナット17には、上記の樹脂ボルト3を差し込んで固定することができる。
【0026】
モールドバスバー2は、所定の厚みを有する矩形平板状に形成されている。このモールドバスバー2は、2つの導電バスバー(導電体)21と、その外側を覆うモールド部22と、を備えている。
【0027】
それぞれの導電バスバー21は細長く形成されており、端子台1において対をなしているバスバー端子12に跨るように配置される。この導電バスバー21には、バスバー端子12の差込孔16と対応する位置に、樹脂ボルト3を差し込むことができる通過孔25が形成されている。
【0028】
モールド部22は絶縁性を有する合成樹脂からなり、2つの導電バスバー21を覆うように一体成形される。ただし、バスバー端子12の前記接触面15に対面する箇所(通過孔25の開口の近傍)においては、モールド部22で覆われていない矩形状の露出部26が構成される。また、当該露出部26と反対側の面においても、樹脂ボルト3の頭部に相当する大きさで、モールド部22で覆われていない円状の第2露出部27が構成される。
【0029】
樹脂ボルト3は、その全体が、絶縁体である合成樹脂により形成されている。この樹脂ボルト3は、その軸部を通過孔25及び差込孔16に差し込んだ後にナット17にネジ止めできるように構成されている。
【0030】
カバー4は、絶縁性を有する合成樹脂からなり、端子台1に収容されたモールドバスバー2及び樹脂ボルト3を覆って当該端子台1に固定できるように構成されている。カバー4にはリング状の図示しないがシール体が取り付けられており、このシール体は、カバー4を端子台1に取り付けたときに当該カバー4及び端子台1の両者に密着して、埃等の異物の侵入を防止する。
【0031】
この構成で、車両を通電状態にするには、作業者はモールドバスバー2をハウジング11の内部に差し込み、4つのバスバー端子12に跨るように配置する。その上で、作業者は、4つの樹脂ボルト3をそれぞれ通過孔25及び差込孔16に挿入し、レンチ又はスパナ等の適宜の工具(例えば、インパクトレンチ)を用いて樹脂ボルト3を回転させ、ナット17との間で締め付ける。これにより、モールドバスバー2の露出部26がバスバー端子12の接触面15に接触し、樹脂ボルト3のネジ送り作用によって強く押し付けられるので、バスバー端子12同士が導電バスバー21を介して電気的に接続され、電気回路が閉じられる。その後、カバー4を端子台1に取り付けることで作業は完了する。図2には、上記の作業が完了した状態のサービスプラグ装置5の様子が断面図として示されている。
【0032】
一方、サービスプラグ装置5を遮断状態にするには、カバー4を端子台1から取り外した後、上記と同様にレンチ又はスパナ等の適宜の工具を用いて4つの樹脂ボルト3を緩めて取り外し、モールドバスバー2を取り外せば良い。
【0033】
このように、本実施形態では、バスバー端子12、モールドバスバー2、樹脂ボルト3といった極めて単純な部品の組み合わせで、大電流を開閉する電気自動車等での用途に好適なサービスプラグ装置5を実現することができる。また、取付け/取外しに樹脂ボルト3が用いられるので、バスバー端子12と、モールドバスバー2の導電バスバー21とを互いに強く圧接することができ、確実な電気的接続を実現できる。更には、絶縁体からなる樹脂ボルト3がモールドバスバー2の取付けに用いられるので、作業者が活電部に触れる危険を確実に減らし、作業安全性を高めることができる。
【0034】
なお、図1で示す樹脂ボルト3に代えて、図3で示すように、導電体からなるボルト本体31の頭部に、絶縁性合成樹脂からなるツマミ部32を一体形成したノブボルト3aを用いても良い。この場合、レンチやスパナ等の工具を用いずに簡便に取付け/取外しができるので、作業性が一層向上する。
【0035】
以上に説明したように、本実施形態のサービスプラグ装置5は、端子台1と、バスバー端子12と、モールドバスバー2と、樹脂ボルト3と、を備える。バスバー端子12は、端子台1に1対以上で配置され、それぞれに差込孔16が形成されている。モールドバスバー2は、対をなすバスバー端子12を覆うように配置され、その表面が絶縁体の樹脂(モールド部22)でモールドされた導電バスバー21として構成されている。モールドバスバー2においては、少なくとも前記バスバー端子12に対面する部分において導電バスバー21が露出されており(露出部26)、また、バスバー端子12の差込孔16に対応する位置に貫通状の通過孔25が形成されている。樹脂ボルト3は、絶縁体で構成され、モールドバスバー2の通過孔25とバスバー端子12の差込孔16とに差し込まれて当該モールドバスバー2と前記バスバー端子12とを固定する。
【0036】
これにより、大電流を開閉する電気自動車等での用途に好適なサービスプラグ装置5を、安価かつ小型に構成することができる。また、絶縁体からなる樹脂ボルト3がモールドバスバー2の取付けに用いられるので、作業安全性を高めることができる。
【0037】
また、本実施形態のサービスプラグ装置5において、樹脂ボルト3は、レンチ状又はスパナ状の工具によって回転可能である。
【0038】
これにより、サービスプラグ装置5の一層単純かつコンパクトな構成を実現できる。
【0039】
一方、図2で示す変形例においては、モールドバスバー2の取付けに、金属製のボルト本体31の頭部に絶縁体のツマミ部32が設けられたノブボルト3aが用いられる。
【0040】
この場合、特別な工具を用いずに簡便に取付け/取外しができるので、作業性に優れる。また、広く流通している汎用品のノブボルト3aを用いることで、サービスプラグ装置5の一層の低コスト化を実現できる。
【0041】
次に、上記実施形態の変形例を説明する。図4は変形例のサービスプラグ装置5xを示す断面図である。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0042】
変形例のサービスプラグ装置5xにおいては、図4に示すように、4つの樹脂ボルト3bは、その頭部にピニオン36を固定した構成となっている。また、モールドバスバー2の上面には、回転可能な大きな連動ギア37が装着されている。
【0043】
また、ハウジング11の内部には突出部材38がスライド可能に設置されている。この突出部材38は、弾性体としての付勢バネ39のバネ力を受けて、その突出部でモールドバスバー2を下から押すことができる。
【0044】
連動ギア37はモールドバスバー2に対して着脱可能とされている。この構成で、モールドバスバー2を端子台1に装着して通電状態とする作業においては、当初は連動ギア37をモールドバスバー2から取り外しておく。そして、上記実施形態と同様に、作業者は4つの樹脂ボルト3bをモールドバスバー2の通過孔25及びバスバー端子12の差込孔16に差し込んで十分に締め付け、これにより通電状態とする。その後、作業者は、4つの樹脂ボルト3bの何れにも噛み合わせるようにして、連動ギア37をモールドバスバー2に装着する。その後、カバー4を端子台1に被せることで作業が完了する。
【0045】
一方、車両を遮断状態とするときは、作業者はカバー4を端子台1から取り外して、4つの樹脂ボルト3bの何れか1つについて工具を使って回転させ、当該樹脂ボルト3bを緩める。すると、連動ギア37が1つの樹脂ボルト3bの回転を残りの樹脂ボルト3bに伝達するので、4つの樹脂ボルト3bが同時に回転して緩められる。また、上記した樹脂ボルト3bの緩みに伴って、モールドバスバー2が突出部材38によって押し上げられるので、バスバー端子12と導電バスバー21との接触が解除され、電気回路が自動的に遮断される。その後、作業者は、樹脂ボルト3b、連動ギア37、及びモールドバスバー2を取り外す。
【0046】
以上に説明したように、上記変形例のサービスプラグ装置5xにおいては、複数の樹脂ボルト3bのうち1つを回転させると、他の樹脂ボルト3bもそれに連動して回転する。
【0047】
これにより、4つの樹脂ボルト3bを同時に緩めることができるので、作業性を向上させることができる。また、樹脂ボルト3bを緩める方向の回転に連動してモールドバスバー2への通電を遮断できる構成を容易に実現できる。
【0048】
次に、上記実施形態の第2変形例を説明する。図5は第2変形例のサービスプラグ装置5yを示す断面図である。
【0049】
本変形例のサービスプラグ装置5yにおいては、図5に示すように、4つの樹脂ボルト3cはいわゆるフランジ付きボルトとして構成されている。また、本変形例のサービスプラグ装置5yは、モールドバスバー2の上面を覆う合成樹脂製の伝達カバー(引張部材)41を備えている。
【0050】
伝達カバー41には、それぞれの樹脂ボルト3cの頭部に相当する位置において貫通孔42が形成されている。この貫通孔42の大きさは、樹脂ボルト3cの頭部を通過させることはできるが、フランジ部43を通過させることができないように設定されている。樹脂ボルト3cの頭部は、貫通孔42から上方に突出している。また、伝達カバー41の縁部は折り返されて、その折り返された端部が、モールドバスバー2の端部のすぐ下方に位置している。
【0051】
この構成で、図5に示される通電状態から遮断状態に切り換えるときは、作業者はカバー4を端子台1から取り外し、4つの樹脂ボルト3cのそれぞれについて工具を使って少しずつ回転させ、当該樹脂ボルト3cを緩める。すると、上昇する樹脂ボルト3cのフランジ部43が伝達カバー41を押し上げるので、浮き上がる伝達カバー41の端部によってモールドバスバー2が押し上げられ、その結果、バスバー端子12と導電バスバー21との接触が解除され、電気回路が自動的に遮断される。その後、作業者は、樹脂ボルト3c、伝達カバー41、及びモールドバスバー2を取り外す。
【0052】
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0053】
モールドバスバー2の上面に形成された第2露出部27を省略し、導電バスバー21の上面がすべてモールド部22で覆われる構成としても良い。この場合、活電部である導電バスバー21に作業者が直接手を触れてしまう可能性を少なくできる点で有利である。また、上記に加えて、通過孔25の内壁をモールド部22で覆う構成であっても良い。
【0054】
図3に示すツマミ部32付きのノブボルト3aは、本体部分(ボルト本体31)が金属製になっている。これに代えて、本体部分とツマミを含めたノブボルトの全体を絶縁性の樹脂で形成しても良い。
【0055】
バスバー端子12は2対備えることに限らず、1対、又は3対以上を備えるように変更しても良い。なお、これに対応してモールドバスバー2は、導電バスバー21を1つ、又は3つ以上備えることになる。
【0056】
樹脂ボルトやノブボルトは、上記実施形態及び変形例では4本備えられているが、3本以下、あるいは5本以上備えるように構成することができる。特に樹脂ボルトを例えば中央に1本だけ備える構成にすると、通電状態/遮断状態を切り換えるときに当該樹脂ボルトだけを回転させれば済み、作業性が向上するので好ましい(図4に示すように複数の樹脂ボルト3bを連動して回転させる必要もなくなる)。
【0057】
上記実施形態及び変形例において、モールドバスバー2の端子台1に対する取付け/取外しを検出する機構が備えられても良い。この機構は例えば、端子台1側の適宜の位置に設けられ、モールドバスバー2の着脱に応じて導通/非導通の状態が切り換わるスルー回路と、この導通/非導通の状態を調べる取付検知回路と、により構成することが考えられる。あるいは、例えばリミットスイッチや光センサ等の公知のセンサを端子台1側に設置し、このセンサの状態を取付検知回路が調べることで、モールドバスバー2の取付け/取外しを検出するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 端子台
2 モールドバスバー
3,3b 樹脂ボルト(絶縁ボルト)
3a ノブボルト(絶縁ボルト)
4 カバー
12 バスバー端子
15 接触面
16 差込孔
21 導電バスバー
22 モールド部
25 通過孔
26 露出部
31 ボルト本体
32 ツマミ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子台と、
前記端子台に配置され、それぞれに差込孔が形成された1対以上のバスバー端子と、
対をなす前記バスバー端子を覆うように配置され、絶縁体の樹脂でモールドされたモールド部をその表面に有する導電体のバスバーであって、少なくとも前記バスバー端子に対面する部分において導電体が露出されており、前記バスバー端子の前記差込孔に対応する位置に貫通状の通過孔が形成されているモールドバスバーと、
少なくともその頭部が絶縁体で構成され、前記モールドバスバーの前記通過孔と前記バスバー端子の前記差込孔とに差し込まれて当該モールドバスバーと前記バスバー端子とを固定する絶縁ボルトと、
を備えることを特徴とする車両用電気回路遮断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用電気回路遮断装置であって、
前記絶縁ボルトは、レンチ状又はスパナ状の工具によって回転可能であることを特徴とする車両用電気回路遮断装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用電気回路遮断装置であって、
前記絶縁ボルトとして、導電性を有するボルト本体の頭部に絶縁体のツマミ部が設けられたノブボルトが用いられることを特徴とする車両用電気回路遮断装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の車両用電気回路遮断装置であって、
複数の前記絶縁ボルトのうち1つを回転させると、他の絶縁ボルトもそれに連動して回転することを特徴とする車両用電気回路遮断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−58445(P2013−58445A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197243(P2011−197243)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)