説明

車両用電源装置

【課題】キャパシタからスタータへの電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチの劣化を適切に判定する車両用電源装置を提供する。
【解決手段】キャパシタ1からスタータ21への電力供給中の所定時点におけるスイッチ2の両端電圧値を取得するスイッチ電圧取得手段(制御部9)と、キャパシタ電圧を検出するキャパシタ電圧検出手段11と、所定時点を含む期間にキャパシタ電圧検出手段11が検出したキャパシタ電圧の下降速度を算出する下降速度算出手段(制御部9)と、キャパシタ1の静電容量、及び、算出したキャパシタ電圧の下降速度に基づいて、スイッチを通流する電流値を算出する電流算出手段(制御部9)と、取得した両端電圧値、及び、算出した電流値に基づき、スイッチのオン抵抗を算出する抵抗算出手段(制御部9)と、算出したオン抵抗が、所定値を超えるか否かを判定する判定手段(制御部9)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大電流の通流のオン/オフを切り替えるスイッチの劣化を判定する車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が備えるスタータは、エンジンを始動する都度用いられるが、特にアイドルストップ機能を備える車両では、アイドルストップからエンジンを始動するので、スタータが頻繁に用いられる。したがって、鉛蓄電池によりスタータへの電力供給を行うと、充放電の繰り返しにより鉛蓄電池の劣化が進む。
【0003】
そこで、特許文献1に記載の車両用電源装置では、鉛蓄電池(主電源)とキャパシタ(蓄電部)とを併用している。特許文献1では、車両の使用開始時にのみ、鉛蓄電池からスタータに電力を供給する。エンジンが回転している間は、車両の減速時に発電機で発生する電力をキャパシタに蓄電し、車両がアイドルストップからエンジンを始動する際には、キャパシタに蓄電されている電力を、スタータに供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−63330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の車両用電源装置では、少なくとも、アイドルストップからエンジンを始動する都度、キャパシタとスタータとの間に設けられたスイッチに大電流が通流するため、スイッチの劣化が著しい。スイッチが劣化した状態で大電流を通流させると、スイッチが故障して導通状態から切断できない、又は、接触不良により導通ができない、等の不具合が発生することがある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、キャパシタからスタータへの電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチの劣化を適切に判定することのできる車両用電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両用電源装置は、車両に備えられた発電機からの電力を蓄電するキャパシタ、及び、該キャパシタと該キャパシタから電力を供給されるスタータとの間に設けられたスイッチを備える車両用電源装置において、前記キャパシタから前記スタータへの電力供給中の所定時点における前記スイッチの両端電圧値を取得するスイッチ電圧取得手段と、前記キャパシタのキャパシタ電圧を検出するキャパシタ電圧検出手段と、前記所定時点を含む期間に前記キャパシタ電圧検出手段が検出したキャパシタ電圧の下降速度を算出する下降速度算出手段と、前記キャパシタの静電容量、及び、前記下降速度算出手段が算出したキャパシタ電圧の下降速度に基づいて、前記スイッチを通流する電流値を算出する電流算出手段と、前記スイッチ電圧取得手段が取得した両端電圧値、及び、前記電流算出手段が算出した電流値に基づき、前記スイッチのオン抵抗を算出する抵抗算出手段と、該抵抗算出手段が算出したオン抵抗が、所定値を超えるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、スイッチの両端電圧値、及び、キャパシタの静電容量とキャパシタ電圧の下降速度とに基づくスイッチに通流する電流値により、スイッチのオン抵抗を算出し、算出したオン抵抗により、スイッチの劣化を判定するので、キャパシタからスタータへの電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチの劣化を適切に判定することができる。
【0009】
また、本発明に係る車両用電源装置は、前記スイッチ電圧取得手段は、前記キャパシタから前記スタータへの電力供給中の複数の時点における前記スイッチの両端電圧値を取得するように構成してあり、前記スイッチ電圧取得手段が検出した複数の両端電圧値の平均を算出する平均算出手段をさらに備え、前記抵抗算出手段は、前記平均算出手段が算出した両端電圧値の平均を用いて、前記スイッチのオン抵抗を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、複数の時点におけるスイッチの両端電圧値の平均を算出し、算出した両端電圧値の平均をオン抵抗の算出に用いる。これにより、オン抵抗をより精度良く算出することができる。
【0011】
また、本発明に係る車両用電源装置は、前記発電機及びキャパシタの間に接続され、定電流値により前記キャパシタを充電するDC/DCコンバータと、前記キャパシタの充電中におけるキャパシタ電圧の上昇速度を算出する上昇速度算出手段と、前記定電流値、及び、前記上昇速度算出手段が測定した前記キャパシタ電圧の上昇速度に基づいて、前記キャパシタの静電容量を算出する静電容量算出手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、キャパシタの充電にDC/DCコンバータを用い、キャパシタを定電流値で充電する際の充電電圧の上昇速度を算出し、算出した上昇速度に基づいて、キャパシタの静電容量を算出する。これにより、キャパシタの劣化により静電容量が変化している場合でも、変化した静電容量によりスイッチのオン抵抗を算出するので、オン抵抗を精度良く算出することができる。
【0013】
また、本発明に係る車両用電源装置は、前記抵抗算出手段が算出したオン抵抗が所定値を超えたと、前記判定手段が判定した場合に、所定の信号を出力する信号出力手段を、さらに備えることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、オン抵抗が所定値を超えたと判定手段が判定した場合に、所定の信号を出力する。これにより、スイッチが劣化している場合に、ユーザ又は関連装置に、スイッチが劣化していることを通知することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、キャパシタからスタータへの電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチの劣化を適切に判定することのできる車両用電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る車両用電源装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】スイッチの劣化を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【図3】スイッチの劣化を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る車両用電源装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0018】
図1は、本発明に係る車両用電源装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。図1に示す各部は、車両に搭載されている。図1には、車両用電源装置10、スイッチ3、バッテリ5、負荷群6、車両制御部8、スタータ21、発電機22、及び、エンジン23を示す。車両用電源装置10は、キャパシタ1、スイッチ2、DC/DCコンバータ4、及び、制御部9を有する。
【0019】
キャパシタ1の負極端子は接地され、正極端子は、スイッチ2を通じてスタータ21の正極端子に接続されている。キャパシタ1の正極端子は、さらに、DC/DCコンバータ4の一方の端子に接続され、DC/DCコンバータ4の他方の端子は、バッテリ5の正極に接続されている。
【0020】
バッテリ5の正極は、スイッチ3を通じてスタータ21の正極端子に接続されている。バッテリ5の正極は、さらに、発電機22の正極端子、及び、負荷群6が有するそれぞれの負荷61の正極端子に接続されている。バッテリ5の負極、発電機22の負極端子、及び、負荷61の負極端子は、接地されている。発電機22及びスタータ21は、エンジン23と連動する。
【0021】
電圧計11は、キャパシタ1の充電電圧値(又は、放電電圧値)V1を検出する。電圧計12は、スイッチ2の両端電圧値V2を検出する。
【0022】
制御部9は、電圧計11及び電圧計12から、それぞれ、充電電圧値V1及び両端電圧値V2が与えられる。制御部9は、また、イグニッションキー信号、エンジンECU信号、ブレーキ操作信号、及び、車速信号が与えられる。イグニッションキー信号は、イグニッションキーのオン及びオフを示す。エンジンECU信号は、エンジンの始動開始、及び、エンジンが回転中であるか否かを示す。ブレーキ操作信号は、運転者によりブレーキが操作されたことを示す。これらの信号は、図示しないECUから与えられる。車速信号は、図示しないセンサから与えられ、車両が走行中である場合に、車速値を示す。
【0023】
図2及び図3は、スイッチ2の劣化を判定する処理の例を示すフローチャートである。図2及び図3の処理は、制御部9が実行する。図2の処理は、車両が駐車しており、イグニッションキーがオフになっている状態から開始する。先ず、制御部9が、イグニッションキーオンによるエンジン23の始動が開始されたか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、イグニッションキー信号の値がオンであり、かつ、エンジンECU信号の値がエンジン23の始動開始であるか否かを判定する。イグニッションキーオンによるエンジン23の始動が開始されていない場合(ステップS11:NO)は、ステップS11を繰り返す。
【0024】
一方、イグニッションキーオンによるエンジン23の始動が開始された場合(ステップS11:YES)は、制御部9は、スイッチ3をオンにし、バッテリ5からスタータ21への電力供給を開始する(ステップS12)。
【0025】
続いて、制御部9は、エンジン23の始動が終了したか否かを判定する(ステップS13)。すなわち、エンジンECU信号の値が、エンジン23が回転中であることを示すか否かを判定する。エンジン23の始動が終了していない場合(ステップS13:NO)は、ステップS13を繰り返す。エンジン23の始動が終了した場合(ステップS13:YES)は、スイッチ3をオフにし、バッテリ5からスタータ21への電力供給を停止する(ステップS14)。
【0026】
車両が走行している間に、運転者がブレーキを操作することにより、回生電力が、発電機22からDC/DCコンバータ4に供給される。制御部9は、DC/DCコンバータ4に対し、発電機22から供給される電力を、電流値I1で、キャパシタ1に対して出力する指示を与え、時刻tを0にリセットして計時を開始する(ステップS21)。これにより、車両が走行している間にブレーキが作動して、発電機22が発生させる回生電力を、キャパシタ1に蓄電することができる。
【0027】
続いて、制御部9は、所定の時点t1を含む期間のキャパシタ1の充電電圧値V1の上昇速度(dV1/dt1)を算出する(ステップS22)。所定の時点t1とは、キャパシタ1に対し、DC/DCコンバータ4が継続して電力を供給している期間内のある時点である。上昇速度は、例えば、2つの時点の充電電圧値V1の差を、2つの時点の間の時間で除することにより算出する。
【0028】
続いて、次式(1)により、キャパシタ1の静電容量Cを算出する(ステップS23)。
【0029】
C=I1/(dV1/dt1) ・・・(1)
但し、Cは、キャパシタ1の静電容量、
I1は、DC/DCコンバータ4からキャパシタ1へ供給する電力の電流値、
V1は、キャパシタ1の充電電圧値
である。
【0030】
続いて、制御部9は、V1が所定値を超えているか否かを判定する(ステップS24)。所定値は、キャパシタ1が蓄電を終了する際の充電電圧値である。V1が所定値を超えていない場合(ステップS24:NO)は、ステップS22に戻って処理を繰り返す。一方、V1が所定値を超えている場合(ステップS24:YES)は、イグニッションキーがオフになったか否かを判定する(ステップS25)。すなわち、イグニッションキー信号の値がオフか否かを判定する。
【0031】
制御部9は、イグニッションキーがオフになった場合(ステップS25:YES)は、処理を終了する。一方、イグニッションキーがオフになっていない場合(ステップS25:NO)は、アイドルストップからエンジン23の始動が開始されたか否かを判定する(ステップS26)。すなわち、イグニッションキー信号の値がオンを継続している場合に、エンジンECU信号の値が、エンジン23の始動を開始する値であるか否かを判定する。エンジン23の始動を開始されていない場合(ステップS26:NO)はステップS26を繰り返す。
【0032】
制御部9は、アイドルストップからエンジン23の始動が開始された場合(ステップS26:YES)は、スイッチ2をオンにし、キャパシタ1からスタータ21への電力供給を開始し、時刻tを0にリセットして計時を開始する(ステップS27)。
【0033】
続いて、所定の時点t2における、スイッチ2の両端電圧値V2を取得する(ステップS28)。所定の時点t2は、スタータ21の始動時の突入電流による両端電圧値V2の急激な変化が収束した期間に含まれるとよい。また、複数の時点t2において、両端電圧値V2を取得し、それらの平均を求め、後述するオン抵抗Rを算出する際に求めた平均を用いることにより、精度を高めることができる。続いて、両端電圧値V2が第2所定値を超えているか否かを判定する(ステップS29)。第2所定値は、スイッチ2のオン抵抗が所定値を超えていると推測される場合に、スイッチ2の両端に生じる電位差を推定して定められる。
【0034】
両端電圧値V2が第2所定値を超えている場合(ステップS29:YES)は、両端電圧値V2が第2所定値を超えていると判定した際の所定の時点t2を含む期間におけるキャパシタ1の放電電圧値V1の下降速度(dV1/dt2)を算出する(ステップS30)。より詳細には、例えば、図示しない記憶部に、所定の時点t2毎のV1値を記憶しておき、ステップS29で第2所定値を超えていると判定された両端電圧値V2を取得した時点を含む期間に取得した複数の放電電圧値V1から、下降速度(dV1/dt2)を算出する。下降速度は、取得した複数の放電電圧値V1の平均値にするとよい。
【0035】
続いて、スイッチ2のオン抵抗Rを、次式(2)及び式(3)により、算出する(ステップS31)。
【0036】
I2=C×(dV1/dt2) ・・・(2)
R=V2/I2 ・・・(3)
但し、V1は、キャパシタ1の放電電圧値、
(dV1/dt2)は、所定の時点t2を含む期間におけるキャパシタ1の放電電圧値の下降速度、
Cは、キャパシタ1の静電容量、
I2は、所定の時点t2においてスイッチ2を通流する電流値、
V2は、所定の時点t2におけるスイッチ2の両端電圧、
Rは、オン抵抗
である。
【0037】
続いて、オン抵抗Rが、第3所定値を超えているか否かを判定する(ステップS32)。オン抵抗Rが、第3所定値を超えている場合(ステップS32:YES)は、車両制御部8に対し、スイッチ2が劣化している旨の信号を出力する(ステップS33)。
【0038】
この信号に基づいて、車両制御部8は、例えば、図示しないインストルメント・パネル等に設けられている表示装置にスイッチが劣化している旨の通知を表示する、又は、図示しないLEDを点灯させる等の処理を行う。車両制御部8は、また例えば、図示しないアイドルストップECUに対し、アイドルストップを禁止する信号を出力する。車両制御部8は、また例えば、制御部9に対し、アイドルストップからのエンジン23の始動の際に、スイッチ2をオフにし、スイッチ3をオンにすることにより、スタータ21への電力供給をバッテリ5から行う指示を出力する。
【0039】
両端電圧値V2が第2所定値を超えていない場合(ステップS29:NO)、ステップS31で算出したオン抵抗Rが第3所定値を超えていない場合(ステップS32:NO)、又は、ステップS33の後に、ステップS34に進む。制御部9は、アイドルストップからのエンジンの始動が終了したか否かを判定する(ステップS34)。すなわち、エンジンECU信号の値が、エンジンが回転中であるか否かを判定する。
【0040】
エンジンの始動が終了している場合(ステップS34:YES)は、ステップS21に戻って処理を繰り返す。一方、エンジンの始動が終了していない場合(ステップS34:NO)は、ステップS28に戻って処理を繰り返す。
【0041】
図4は、本発明に係る車両用電源装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。図4の構成は、図1の車両用電源装置10に代えて車両用電源装置10aが設けられ、、電圧計12に代えて、電圧計32が設けられている。車両用電源装置10aは、制御部9に代えて制御部9aが設けられている。その他は、図1の構成と同一である。ここでは、主に、制御部9a、及び、電圧計32について説明する。
【0042】
電圧計11は、キャパシタ1の充電電圧値(又は、放電電圧値)V1を測定し、電圧計32は、スイッチ2のスタータ側端子の電圧値V4を測定する。充電電圧値V1及び電圧値V4は、制御部9aに与えられる。制御部9aは、また、イグニッションキー信号、エンジンECU信号、ブレーキ操作信号、及び、車速信号が与えられる。イグニッションキー信号は、イグニッションキーのオン及びオフを示す。エンジンECU信号は、エンジンの始動開始、及び、エンジンが回転中であるか否かを示す。ブレーキ操作信号は、運転者によりブレーキが操作されたことを示す。これらの信号は、図示しないECUから与えられる。車速信号は、図示しないセンサから与えられ、車両が走行中である場合に、車速値を示す。
【0043】
制御部9aが実行するスイッチ2の劣化を判定する処理は、図2及び図3とほぼ同一である。より詳細には、スイッチ2の両端電圧値V2として、電圧値V4と放電電圧値V1との差の値を用いる。このため、制御部9aは、V2=(V4−V1)の計算を行う。
【0044】
以上、発明を実施するための形態について説明を行ったが、本発明は、この発明を実施するための形態で述べた実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 キャパシタ
2、3 スイッチ
4 DC/DCコンバータ
5 バッテリ
6 負荷群
8 車両制御部
9、9a 制御部(スイッチ電圧取得手段、下降速度算出手段、電流算出手段、抵抗算出手段、判定手段、平均算出手段、上昇速度算出手段、静電容量算出手段、信号出力手段)
11 電圧計(キャパシタ電圧検出手段)
12 電圧計
21 スタータ
22 発電機
23 エンジン
32 電圧計
61 負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられた発電機からの電力を蓄電するキャパシタ、及び、該キャパシタと該キャパシタから電力を供給されるスタータとの間に設けられたスイッチを備える車両用電源装置において、
前記キャパシタから前記スタータへの電力供給中の所定時点における前記スイッチの両端電圧値を取得するスイッチ電圧取得手段と、
前記キャパシタのキャパシタ電圧を検出するキャパシタ電圧検出手段と、
前記所定時点を含む期間に前記キャパシタ電圧検出手段が検出したキャパシタ電圧の下降速度を算出する下降速度算出手段と、
前記キャパシタの静電容量、及び、前記下降速度算出手段が算出したキャパシタ電圧の下降速度に基づいて、前記スイッチを通流する電流値を算出する電流算出手段と、
前記スイッチ電圧取得手段が取得した両端電圧値、及び、前記電流算出手段が算出した電流値に基づき、前記スイッチのオン抵抗を算出する抵抗算出手段と、
該抵抗算出手段が算出したオン抵抗が、所定値を超えるか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】
前記スイッチ電圧取得手段は、前記キャパシタから前記スタータへの電力供給中の複数の時点における前記スイッチの両端電圧値を取得するように構成してあり、
前記スイッチ電圧取得手段が検出した複数の両端電圧値の平均を算出する平均算出手段をさらに備え、
前記抵抗算出手段は、前記平均算出手段が算出した両端電圧値の平均を用いて、前記スイッチのオン抵抗を算出するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記発電機及びキャパシタの間に接続され、定電流値により前記キャパシタを充電するDC/DCコンバータと、
前記キャパシタの充電中におけるキャパシタ電圧の上昇速度を算出する上昇速度算出手段と、
前記定電流値、及び、前記上昇速度算出手段が測定した前記キャパシタ電圧の上昇速度に基づいて、前記キャパシタの静電容量を算出する静電容量算出手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記抵抗算出手段が算出したオン抵抗が所定値を超えたと、前記判定手段が判定した場合に、所定の信号を出力する信号出力手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両用電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−91477(P2013−91477A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236280(P2011−236280)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)