説明

車両用電源装置

【課題】車両の燃費を向上させて電気負荷を安定的に作動させることができ、かつ、電気負荷の性能を改善することができる車両用電源装置の提供。
【解決手段】発電制御部15は、バッテリ12の残容量、又は、バッテリ12に収容される電解液の温度等のバッテリ12に関する値を推定し、推定した値が所定範囲内にある場合にオルタネータ10の発電電圧を電圧Vpに制御する。発電制御部15は、推定した値が所定範囲外である場合、オルタネータ10の発電電圧を車両の減速又加速に応じて発電電圧の昇降を行う。電圧制御部は、発電制御部が発電電圧を電圧Vpに制御している間、FET16及び/又は17をオンにし、電圧Vpに制御していない間、FET16及び/又は17をオン/オフしてモータ20及び/又はランプ21に印加する実効電圧を電圧Vpよりも低い一定の電圧Vbに制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の加速又は減速に応じてオルタネータの発電電圧を制御する車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両にはエンジンに連動して発電するオルタネータが搭載されている。オルタネータはエンジンの動力を用いて発電するため、オルタネータの発電によって燃料が消費される。
【0003】
このため、従来の車両用電源装置では、車両が加速している場合、発電電圧を降圧させてエンジンの負荷を低減し、車両が減速している場合、発電電圧を昇圧させることで車両の走行に係る運動エネルギーを電力に変換する。このような充電制御を行うことにより、オルタネータは効率的に発電するので、車両の燃費が向上する。
【0004】
しかし、発電電圧が変動するため、オルタネータが電気負荷に印加する電圧も変動する。モータの回転数又はランプの照度はモータ又はランプに印加される電圧に依存するため、モータ及びランプ等の電気負荷の動作は発電電圧の変動によって不安定になり、使用者に違和感を与え、故障を疑わせる虞がある。
【0005】
特許文献1又は2に記載の車両用電源装置は、車両の減速/加速に応じてオルタネータの発電電圧を昇圧/降圧すると共に、バッテリ及びオルタネータが電気負荷に給電する経路に設けられたスイッチを、バッテリ及びオルタネータの出力電圧に応じたデューティ比でオン/オフすることによって、電気負荷に印加する実効電圧を一定にしている。これにより、電気負荷を安定的に作動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−120515号公報
【特許文献2】特開2010−172176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1又は2に記載の車両用電源装置では、電気負荷に印加する実効電圧を一定にするため、電気負荷に印加する実効電圧を、変動する発電電圧の最低電圧以下である低い電圧に設定しなければならない。
【0008】
また、車両の加速又は減速に応じてオルタネータの発電電圧を制御する通常の車両用電源装置は、例えば、バッテリの残容量が所定値以下に低下した場合、車両の減速/加速に応じた発電電圧の昇圧/降圧を停止すると共に、発電電圧を高くしてバッテリが過度に放電して劣化することを防止する。特許文献1又は2には、発電電圧の昇降を停止した期間に電気負荷に印加する電圧の制御について記載されていない。しかしながら、特許文献1又は2に記載の車両用電源装置は、発電電圧の昇降を制御している期間と同様に、変動する発電電圧の最低電圧以下である実効電圧を電気負荷に印加していると考えられる。
【0009】
従って、特許文献1又は2に記載の車両用電源装置では、ランプ及びモータ等の電気負荷について、印加される電圧が低く維持されるため、電気負荷の性能が常に低いという問題がある。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の燃費を向上させて電気負荷を安定的に作動させることができ、かつ、電気負荷の性能を改善することができる車両用電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る車両用電源装置は、電気負荷に給電するバッテリに関する値を推定する推定手段と、車両の減速又は加速に応じて、前記バッテリ及び電気負荷に給電する発電機の発電電圧を昇降し、前記推定手段が推定した値が所定範囲内にある場合に前記発電電圧を所定電圧に制御する発電制御部と、前記バッテリ及び発電機が前記電気負荷に給電する経路に設けられたスイッチをオン/オフすることによって前記電気負荷に印加する実効電圧を前記所定電圧よりも低い一定の電圧に制御する電圧制御部とを備える車両用電源装置において、前記電圧制御部は、前記発電制御部が前記発電電圧を前記所定電圧に制御している間、前記スイッチをオンにするように構成してあることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、発電制御部は、車両の減速又は加速に応じて、バッテリ及び電気負荷に給電する発電機の発電電圧を昇降するため、発電機が効率的に発電し、車両の燃費が向上する。
【0013】
また、電圧制御部は、バッテリ及び発電機が電気負荷に給電する経路に設けられたスイッチをオン/オフすることにより、バッテリ及び発電機が電気負荷に印加する実効電圧を一定の電圧に制御するため、電気負荷が安定的に作動し、使用者に違和感を与えない。
【0014】
更に、推定手段が推定したバッテリに関する値が所定範囲内にあり、発電制御部が発電電圧を所定電圧に制御している間、電圧制御部はスイッチをオンにする。これにより、発電電圧を所定電圧に制御している間、電気負荷に実効電圧よりも高い所定電圧が印加され、電気負荷の性能が改善される。
【0015】
本発明に係る車両用電源装置は、前記バッテリの充放電電流値を検出する電流検出部と、該電流検出部が検出した充放電電流値を積算する積算手段とを更に備え、前記推定手段は積算手段が積算した積算電流値から前記バッテリの残容量を推定し、前記発電制御部は、前記推定手段が推定した残容量が所定値以下である場合に前記発電電圧を前記所定電圧に制御するように構成してあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、電流検出部はバッテリの充放電電流値を検出し、積算手段は、電流検出部が検出した充放電電流値を積算する。推定手段は、積算手段が積算した積算電流値からバッテリの残容量を推定し、発電制御部は、推定手段が推定した残容量が所定値以下となった場合に発電電圧を所定電圧に制御する。
【0017】
これにより、バッテリの残容量が低下し所定値以下となった場合に発電電圧を高い所定電圧に制御するため、バッテリが過度に放電して劣化することが防止される。
【0018】
本発明に係る車両用電源装置は、前記発電制御部は、前記電流検出部が検出した充放電電流値が第2範囲外である場合に前記発電電圧を前記所定電圧に制御するように構成してあることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、発電制御部は、電流検出部が検出した充放電電流値が第2範囲外にある場合に発電電圧を所定電圧に制御する。これにより、バッテリは常に給電され、バッテリ上がり等が引き起こされる確率が小さくなる。
【0020】
本発明に係る車両用電源装置は、前記バッテリの周囲温度を検出する温度検出部を更に備え、前記推定手段は前記温度検出部が検出した周囲温度から前記バッテリ内に収容される電解液の温度を推定し、前記発電制御部は、前記推定手段が推定した温度が第1温度よりも低い場合、又は、第1温度よりも高温の第2温度よりも高い場合に前記発電電圧を前記所定電圧に制御するように構成してあることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、温度検出部がバッテリの周囲温度を検出する。推定手段は、温度検出部が検出した周囲温度から、バッテリ内に収容される電解液の温度を推定する。発電制御部は、推定手段が推定した温度が第1温度よりも低い場合、第1温度よりも高温の第2温度よりも高い場合に発電電圧を所定電圧に制御する。
【0022】
電解液の温度が高い場合又は低い場合における放電はバッテリを劣化させる。このため、発電制御部が、前述のように、電解液の温度が第1温度よりも低い場合、又は、第2温度よりも高い場合に発電電圧を高い所定電圧に制御するので、バッテリが過度に放電して劣化することが防止される。
【0023】
本発明に係る車両用電源装置は、前記発電制御部は、前記温度検出部が検出した周囲温度が第3範囲外である場合に前記発電電圧を前記所定電圧に制御するように構成してあることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、発電制御部は、温度検出部が検出した周囲温度が第3範囲外にある場合に発電電圧を所定電圧に制御する。これにより、バッテリは常に給電され、バッテリの劣化等の問題が引き起こされる確率が小さくなる。
【0025】
本発明に係る車両用電源装置は、前記電気負荷はランプであり、前記電圧制御部は20msよりも短い周期で前記スイッチのオン/オフを繰り返すように構成してあることを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、電気負荷はランプであり、電圧制御部は20msよりも短い周期でスイッチをオン/オフする。この場合、人間はスイッチのオン/オフによるランプのちらつきを認識しないため、使用者に違和感を与える虞がない。
【0027】
本発明に係る車両用電源装置は、前記電気負荷はモータであり、前記電圧制御部は50μsよりも短い周期で前記スイッチのオン/オフを繰り返すように構成してあることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、電気負荷はモータであり、電圧制御部は、50μsよりも短い周期でスイッチのオン/オフを繰り返す。スイッチのオン/オフの繰り返しによってモータに電圧が断続的に印加された場合、モータ内の磁性体が磁歪により振動して騒音を発生する。
【0029】
ここで、スイッチのオン/オフの周期が50μsよりも短い場合、磁歪によって発生する騒音の周波数が人間の可聴域から外れるので、該騒音が使用者に不快感を与えることはない。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、車両の燃費を向上させて電気負荷を安定的に作動させることができ、かつ、電気負荷の性能を改善することができる車両用電源装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る車両用電源装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車両用電源装置の実施の形態の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】モータ及びランプ夫々に印加される電圧を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明に係る車両用電源装置の実施の形態における発電制御部が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る車両用電源装置の実施の形態における電圧制御部が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る車両用電源装置の実施の形態における発電制御部が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る車両用電源装置の実施の形態における発電制御部が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る車両用電源装置の実施の形態1の要部構成を示すブロック図である。車両用電源装置1は、オルタネータ10、レギュレータ11、バッテリ12、電流検出部13、温度検出部14、発電制御部15、FET16,17及び電圧制御部18を備えている。
【0033】
レギュレータ11はオルタネータ10に付設している。オルタネータ10の正極端子はヒューズF0を介してバッテリ12の正極端子に、ヒューズF1,F3及びFET16を介してモータ20の正極端子に、ヒューズF1,F4及びFET17を介してランプ21の一方の端子に、ヒューズF1を介して電圧制御部18に接続している。更に、オルタネータ10の正極端子は、ヒューズF0,F2を介して図示しない他の電気負荷にも接続している。
【0034】
ここで、FET16,17夫々は、Nチャネル型の電界効果トランジスタであり、FET16,17夫々のドレインはヒューズF3及びF4に、FET16,17夫々のソースはモータ20の正極端子、及び、ランプ21の一方の端子に接続している。
【0035】
オルタネータ10及びモータ20夫々の負極端子、並びに、ランプ21の他方の端子は接地している。バッテリ12の負極端子は電流検出部13を介して接地している。発電制御部15はレギュレータ11、電流検出部13、温度検出部14、電圧制御部18及び車速検出器3に各別に接続している。電圧制御部18はFET16,17夫々のゲートに接続している。
ヒューズF0,F1,・・・,F4、FET16,17、電圧制御部18及び図示しないリレーはリレーボックス19内に収納される。
【0036】
オルタネータ10は、レギュレータ11によって流される界磁電流に応じた電力を発生させ、発生させた電力を整流し、整流した電力をバッテリ12、モータ20、ランプ21及び図示しない電気負荷夫々に供給する。オルタネータ10は特許請求の範囲における発電機に該当する。
レギュレータ11は、オルタネータ10に流す界磁電流を、発電制御部15が指示する電流に調整することによって、オルタネータ10が出力する発電電圧を制御する。
【0037】
バッテリ12は、オルタネータ10によって充電され、モータ20、ランプ21及び図示しない電気負荷夫々に給電する。モータ20、ランプ21及び図示しない電気負荷夫々は、FET16,17及び図示しないリレーを介してオルタネータ10及びバッテリ12によって給電される。
【0038】
電流検出部13は、例えば電流センサであり、充放電電流値、即ち、バッテリ12に蓄えられる電流の値、及び、バッテリ12から放出される電流の値を検出し、検出した充放電電流値を発電制御部15に与える。ここで、電流検出部13は、バッテリ12に電流が蓄えられている場合に正の充放電電流値を、バッテリ12から電流が放出されている場合に負の充放電電流値を与えるとする。
なお、電流検出部13は、バッテリ12に電流が蓄えられている場合に負の充放電電流値を、バッテリ12から電流が放出されている場合に正の充放電電流値を与えてもよい。
【0039】
温度検出部14は、例えば温度センサであり、バッテリ12の周囲に設けられており、バッテリ12の周囲温度を検出し、検出した周囲温度を発電制御部15に与える。
【0040】
発電制御部15は、電流検出部13及び温度検出部14夫々から電流検出部13及び温度検出部14夫々が検出した充放電電流値及び周囲温度を読込み、読込んだ充放電電流値及び周囲温度が正常範囲外にあるか否かを判定する。ここで、正常範囲は、電流検出部13及び温度検出部14夫々が正常に作動していることを示す充放電電流値及び周囲温度の範囲であり、発電制御部15に記憶されている。電流検出部13及び温度検出部14夫々の正常範囲は特許請求の範囲における第2範囲及び第3範囲に該当する。
【0041】
発電制御部15は、これまでに電流検出部13から読込んだ充放電電流値を積算した積算電流値を記憶しており、記憶している積算電流値に電流検出部13から読込んだ充放電電流値を加算することによって、充放電電流値を積算する。発電制御部15は、積算電流値からバッテリ12の残容量を推定し、推定した残容量が所定値以下であるか否かを判定する。
【0042】
発電制御部15は温度検出部14から読込んだ周囲温度からバッテリ12内に収容される電解液の温度を推定する。発電制御部15は、推定した温度が、下限温度未満であるか否か、及び、上限温度以上であるか否かを判定する。
【0043】
ここで、下限温度及び上限温度夫々は、バッテリ12が劣化せずに給電することが可能な温度範囲の下限及び上限を示す温度であり、特許請求の範囲において第1温度及び第2温度に該当する。また、バッテリ12の充放電電流値及び電解液の温度夫々は特許請求の範囲におけるバッテリに関する値に該当する。
【0044】
また、発電制御部15は、例えば、積算電流値に対応するバッテリ12の残容量と、バッテリ12の周囲温度に対応する電解液の温度とを記憶しており、記憶内容に従って、残容量、及び、電解液の温度を推定する。
【0045】
発電制御部15は、電流検出部13から読込んだ充放電電流値、若しくは、温度検出部14から読込んだ周囲温度が正常範囲外である場合、推定した残容量が所定値以下である場合、又は、推定した電解液の温度が下限温度未満若しくは上限温度以上である場合、オルタネータ10の発電電圧を一定の電圧Vpに制御する。
【0046】
具体的には、発電制御部15は、電圧Vpに対応する界磁電流の値を記憶しており、記憶している値の界磁電流をオルタネータ10に流すようにレギュレータ11に指示することによって、発電電圧を電圧Vpに制御する。
発電制御部15は、発電電圧を電圧Vpに制御すると共に、電圧制御部18に、FET16,17夫々をオンに維持するように指示するオン信号を出力する。
【0047】
発電制御部15は、電流検出部13から読込んだ充放電電流値、若しくは、温度検出部14から読込んだ周囲温度が正常範囲内である場合、推定した残容量が所定値を超えている場合、又は、推定した電解液の温度が下限温度以上若しくは上限温度未満である場合、オルタネータ10の発電電圧を車両用電源装置1が搭載される車両の減速/加速に応じて発電電圧を昇圧/降圧する。
【0048】
具体的には、発電制御部15は、車速検出器3から車速を示す車速情報を取得し、取得した車速情報が示す車速から車両の走行状態が加速状態、減速状態、及び定速状態中のいずれであるかを判定する。ここで、車速が一定である車両の走行状態を定速状態とする。
【0049】
発電制御部15は、オルタネータ10の発電電圧を、走行状態が加速状態である場合には電圧Vlに、走行状態が減速状態である場合には電圧Vhに、走行状態が定速状態である場合には電圧Vnに制御する。
【0050】
発電制御部15は、電圧Vh,Vn,Vl夫々に対応する界磁電流の値を記憶しており、記憶している値の界磁電流をレギュレータ11に指示して、オルタネータ10に流させることによって、発電電圧を昇降する。電圧Vp,Vh,Vn,Vlの高低の関係については、電圧Vlが最も低く、電圧Vn,Vp,Vhになるにつれて高い。
発電制御部15は、特許請求の範囲において、発電制御部に該当すると共に、推定手段及び積算手段にも該当する。
【0051】
FET16,17夫々は、スイッチとして機能し、ゲートに、オン/オフの基準となる基準電圧以上の電圧が印加された場合にオンとなり、基準電圧未満の電圧が印加された場合にオフとなる。FET16,17夫々は特許請求の範囲におけるスイッチに該当する。
【0052】
電圧制御部18は、モータ20及びランプ21の中で作動中の電気負荷を示す負荷情報を外部、例えば車載ネットワークから取得する。電圧制御部18は、負荷情報によってモータ20及びランプ21の中で作動している負荷があるか否かを判定する。
【0053】
また、電圧制御部18は発電制御部15からオン信号を受け付ける。電圧制御部18は、作動している負荷があると判定し、かつ、オン信号を受け付けた場合、作動中の負荷に接続されているFET16及び/又は17のゲートに基準電圧以上の電圧を印加し続ける。これにより、FET16及び/又は17はオンを維持してモータ20及び/又はランプ21には電圧Vpが印加される。
【0054】
更に、電圧制御部18は、作動している負荷があると判定し、かつ、オン信号を受け付けていない場合、オルタネータ10及びバッテリ12の出力電圧をアナログ/デジタル変換(以下A/D変換と記載する)することによって検出し、検出した出力電圧と電圧Vbとからデューティ比を算出する。デューティ比はモータ20及び/又はランプ21に印加する実効電圧が電圧Vbとなるように算出される。
ここで、オルタネータ10について、出力電圧は発電電圧を意味する。
【0055】
電圧制御部18は、算出したデューティ比に従ってFET16及び/又は17のオン/オフを繰り返すことによってモータ20及び/又はランプ21に印加する実効電圧を電圧Vbに制御する。
ここで、電圧Vbは電圧Vl以下である。
【0056】
モータ20は、ワイパー又はブロア等を駆動するためのモータであり、オルタネータ10及びバッテリ12からFET16を介して給電される。
ランプ21は、例えばヘッドランプであり、オルタネータ10及びバッテリ12からFET17を介して給電される。
車速検出器3は、車両用電源装置1が搭載されている車両の速度を検出し、検出した車速を発電制御部15に通知する。
【0057】
図2は本発明に係る車両用電源装置1の実施の形態1の動作を示すタイミングチャートである。図2には、横軸を時間として、車速、オルタネータ10の発電電圧、モータ20又はランプ21への印加電圧、並びに、該印加電圧の実効電圧が示されている。
【0058】
ここで、モータ20及びランプ21のいずれかが作動しているとする。一点鎖線で挟まれた期間は、発電制御部15がオルタネータ10の発電電圧の昇降を停止して発電電圧を一定の電圧Vpに制御する昇降停止期間である。また、昇降停止期間を除く他の期間は、発電制御部15が車両の減速/加速に応じてオルタネータ10の発電電圧を昇圧/降圧する昇降期間である。
【0059】
車速は、定速、加速、定速及び減速を繰り返している。
発電制御部15は、昇降期間中、車両の走行状態に応じてオルタネータ10の発電電圧を昇降する。これにより、昇降期間中、発電電圧は、走行状態が加速状態である場合に電圧Vlであり、走行状態が減速状態である場合に電圧Vhであり、走行状態が定速状態である場合に電圧Vnとなっている。
【0060】
よって、車両が加速して図示しないエンジンに負荷がかかっている場合に発電電圧を降圧させ、車両が減速している場合に発電電圧を昇圧させて車両の走行に係る運動エネルギーを電力に変換させることで、オルタネータ10による効率的な発電と、車両の燃費向上とを実現している。
【0061】
発電制御部15は、昇降停止期間中、車両の走行状態に関わらず、オルタネータ10の発電電圧を電圧Vpに制御する。従って、発電電圧は、昇降停止期間中、電圧Vpで一定である。
【0062】
電圧制御部18は、昇降期間中、オルタネータ10及びバッテリ12の出力電圧に応じたデューティ比でFET16及び/又は17のオン/オフを繰り返して、モータ20及び/又はランプ21への印加電圧の実効電圧を電圧Vbに制御する。
【0063】
従って、電圧制御部18は、発電電圧が電圧Vh、Vn及びVlと低くなるにつれて、デューティ比が大きく、FET16及び/又は17のオン期間が長い。
【0064】
電圧制御部18は、昇降停止期間中、FET16及び/又は17をオンにし続けるため、モータ20及び/又はランプ21への印加電圧は電圧Vpに維持される。
【0065】
モータ20又はランプ21への印加電圧の実効電圧は、昇降期間中、電圧Vbで一定であり、昇降停止期間中、電圧Vpで一定となっている。従って、モータ20及び/ランプ21は、常に一定の実効電圧が印加されるため、安定的に作動し、使用者に違和感を与えない。
【0066】
更に、オルタネータ10が電圧Vbよりも高い電圧Vpで発電している昇降停止期間中、電圧Vpがモータ20又はランプ21に印加される。モータの回転数又はランプの照度はモータ又はランプに印加される電圧が高いほど大きいため、昇降停止期間中、モータ20は高速で回転し、ランプ21は周囲をより明るく照らし、モータ20又はランプ21の性能が改善される。
【0067】
図3は、モータ20及びランプ21夫々に印加される電圧を示すタイミングチャートである。図3には、横軸を時間として、モータ20及びランプ21夫々への印加電圧が示されている。
【0068】
図3に示すように、電圧制御部18は、モータ20に接続されているFET16のオン/オフ周期を50μs以下に、ランプ21に接続されているFET17のオン/オフ周期を20ms以下に制御する。ここで、オン/オフ周期は、FET16又は17がオフからオン(又はオフからオン)になる時点の間隔である。
【0069】
FET16におけるオン/オフの繰り返しによってモータ20に電圧が断続的に印加された場合、モータ20内の磁性体が磁歪により発生し騒音を発生する。磁歪によって発生する騒音の周波数はオン/オフ周期に依存する。
【0070】
そこで、FET16のオン/オフ周期を50μs以下とすることにより、モータ20から発生する騒音の周波数は人間の可聴域から外れ、該騒音が使用者に不快感を与えることはない。
【0071】
また、ランプ21に接続されるFET17のオン/オフ周期を20ms以下とすることにより、人間はFET17におけるオン/オフの繰り返しによって発生するランプ21のちらつきを認識しないため、使用者に違和感を与える虞がない。
【0072】
図4は、本発明に係る車両用電源装置1の実施の形態1における発電制御部15が実行する動作の手順を示すフローチャートである。最初に、発電制御部15は、電流検出部13が検出したバッテリ12の充放電電流値を読込み(S1)、読込んだ充放電電流値が正常範囲外であるか否かを判定する(S2)。これにより、発電制御部15は、電流検出部13が故障しているか否かを判断する。
【0073】
発電制御部15は、電流検出部13から読込んだ充放電電流値が正常範囲内にある場合(S2:NO)、ステップS1で読込んだ充放電電流値を、記憶しているこれまでの積算電流値に加算することによって、充放電電流値を積算する(S3)。
【0074】
発電制御部15は、ステップS3で充放電電流値を積算した後の積算電流値からバッテリ12の残容量を推定し(S4)、推定した残容量が所定値以下であるか否かを判定する(S5)。
【0075】
発電制御部15は、残容量が所定値を超えていると判定した場合(S5:NO)、温度検出部14が検出したバッテリ12の周囲温度を読込み(S6)、読込んだ周囲温度が正常範囲外であるか否かを判定する(S7)。これにより、温度検出部14が故障しているか否かを判断する。
【0076】
発電制御部15は、ステップS7で温度検出部14から読込んだ周囲温度が正常範囲内であると判定した場合(S7:NO)、ステップS6で読込んだ周囲温度からバッテリ12内に収容される電解液の温度を推定する(S8)。次に、発電制御部15は、ステップS8で推定した電解液の温度が下限温度未満であるか否かを判定する(S9)。
【0077】
発電制御部15は、電解液の温度が下限温度以上であると判定した場合(S9:NO)、ステップS8で推定した電解液の温度が上限温度を超えるか否かを判定する(S10)。発電制御部15は、電解液の温度が上限温度以下であると判定した場合(S10:NO)、車速検出器3から車速情報を取得する(S11)。
【0078】
発電制御部15は、ステップS11で取得した車速情報が示す車速から走行状態が加速状態、減速状態又は定速状態であるかを判断することによって、電圧Vh,Vn,Vlの中からオルタネータ10が発電すべき電圧を決定する(S12)。そして、発電制御部15は、オルタネータ10の発電電圧をステップS12で決定した電圧に制御し(S13)、動作を終了する。
【0079】
発電制御部15は、充放電電流値が正常範囲外であると判定した場合(S2:YES)、残容量が所定値以下であると判定した場合(S5:YES)、周囲温度が正常範囲外であると判定した場合(S7:YES)、電解液の温度が下限温度未満であると判定した場合(S9:YES)、又は、電解液の温度が上限温度を超えていると判定した場合(S10:YES)、オルタネータ10の発電電圧を電圧Vpに制御する(S14)。
【0080】
これにより、バッテリ12が継続してオルタネータ10から充電される。従って、残容量が少なく所定値以下である状態、又は、電解液の温度が下限温度未満である若しくは上限温度を超えている状態でバッテリ12が過度に放電して劣化することが防止される。
【0081】
更に、電流検出部13から読込んだ充放電電流値、又は、温度検出部14から読込んだ周囲温度が正常範囲外であり、電流検出部13又は温度検出部14が故障している場合には、発電電圧は電圧Vpに制御されるので、バッテリ12には常に給電される。これにより、バッテリ上がり又はバッテリ12の劣化等が引き起こされる確率が小さくなる。
発電制御部15は、ステップS14を実行した後、オン信号を電圧制御部18に出力し(S15)、動作を終了する。
【0082】
図5は、本発明に係る車両用電源装置1の実施の形態1における電圧制御部18が実行する動作の手順を示すフローチャートである。最初に、電圧制御部18は、外部から負荷情報を取得し(S21)、負荷情報から、モータ20及びランプ21の中で作動している電気負荷があるか否かを判定する(S22)。
【0083】
電圧制御部18は、作動している電気負荷はないと判定した場合(S22:NO)、ステップS21を実行して、モータ20又はランプ21が作動するまでステップS22の判定を繰り返す。電圧制御部18は、作動している電気負荷があると判定した場合(S22:YES)、発電制御部15からオン信号を受け付けたか否かを判定する(S23)。
【0084】
電圧制御部18は、オン信号を受け付けていないと判定した場合(S23:NO)、オルタネータ10及びバッテリ12の出力電圧をA/D変換することによって検出し(S24)、検出した出力電圧と、記憶している電圧Vbとからデューティ比を算出する(S25)。電圧制御部18は、ステップS25で算出したデューティ比に従ってFET16及び/又は17のオン/オフを繰り返すことによってモータ20及び/又はランプ21に印加する実効電圧を電圧Vbに制御し(S26)、動作を終了する。
【0085】
電圧制御部18は、オン信号を受け付けたと判定した場合(S23:YES)、ゲートに基準電圧以上の電圧を印加し続けることによって、モータ20及びランプ21の中で作動中の電気負荷に接続されているFET16及び/又はFET17をオンに維持する(S27)。電圧制御部18はステップS27を実行した後に動作を終了する。
【0086】
発電制御部15及び電圧制御部18夫々0は、動作を終了した後、再び、図4及び図5に示す動作を繰り返す。
ステップS22で作動している電気負荷があると判定し、かつ、ステップS23でオン信号を受け付けたと判定した場合に、電圧制御部18がスタートからエンドまでを実行する期間は、発電制御部15がスタートからエンドまでを実行する期間以上となるように設定されている。これは、昇降停止期間中に、電圧制御部18が、誤ってオン信号を発電制御部15から受け付けていないと判定し、FET16及び/又は17のオン/オフを繰り返すことを防止するためである。
【0087】
(実施の形態2)
実施の形態1において、車両用電源装置1は電流検出部13及び温度検出部14のいずれかを備えていればよい。実施の形態2では、車両用電源装置1が、実施の形態1における車両用電源装置1が備える構成部の中で温度検出部14を除く他の構成部を備える場合に発電制御部15が実行する動作の手順を説明する。
【0088】
実施の形態2における電圧制御部18が実行する動作の手順は、実施の形態1における電圧制御部18が実行する動作の手順(図5参照)と同様であるため、説明を省略する。また、実施の形態2における車両用電源装置1が備える構成部についても、実施の形態1における車両用電源装置1が備える構成部(図1参照)と同様であるため、説明を省略する。
【0089】
図6は本発明に係る車両用電源装置1の実施の形態2における発電制御部15が実行する動作の手順を示すフローチャートである。発電制御部15が実行するステップS31からS35、及び、S36からS40夫々は、実施の形態1において発電制御部15が実行するステップS1からS5、及び、S11からS15(図4参照)と同様である
ので、説明を省略する。
【0090】
発電制御部15は、ステップS34でバッテリ12の残容量を推定し、推定した残容量が所定値を超えている場合(S35:NO)、ステップS36に処理を移して車速検出器3から車速情報を取得する。また、発電制御部15は、電流検出部13から読込んだ充放電電流値が正常範囲外である場合(S32:YES)、又は、残容量が所定値以下である場合(S35:YES)、処理をステップS39に移してオルタネータ10の発電電圧を電圧Vpに制御する。
【0091】
(実施の形態3)
実施の形態3では、車両用電源装置1が、実施の形態1における車両用電源装置1が備える構成部の中で電流検出部13を除く他の構成部を備える場合に発電制御部15が実行する動作の手順を説明する。
【0092】
実施の形態3における電圧制御部18が実行する動作の手順は、実施の形態1における電圧制御部18が実行する動作の手順(図5参照)と同様であるため、説明を省略する。また、実施の形態3における車両用電源装置1が備える構成部についても、実施の形態1における車両用電源装置1が備える構成部(図1参照)と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
図7は本発明に係る車両用電源装置1の実施の形態3における発電制御部15が実行する動作の手順を示すフローチャートである。発電制御部15が実行するステップS51からS60は、実施の形態1において発電制御部15が実行するステップS6からS15(図4参照)と同様であるので、説明を省略する。
【0094】
発電制御部15は、温度検出部14から読込んだ周囲温度が正常範囲外である場合(S52:YES)、電解液の温度が下限温度未満である場合(S54:YES)、又は、電解液の温度が上限温度を超えている場合(S55:YES)、ステップS59に処理を移してオルタネータ10の発電電圧を電圧Vpに制御する。
【0095】
なお、実施の形態1、2及び3において、電気負荷がランプ21である場合に、電圧制御部18が繰り返すFET17のオン/オフ周期は20msよりも短くなくてもよい。同様に、電気負荷がモータ20である場合に、電圧制御部18が繰り返すFET16のオン/オフ周期は50μsよりも短くなくてもよい。
【0096】
また、FET16,17夫々は、Nチャネル型に限定されず、Pチャネル型でもよい。この場合、FET16,17夫々のソースはヒューズF3及びF4に、FET16,17夫々のソースはモータ20の正極端子、及び、ランプ21の一方の端子に接続する。このように接続されたPチャネル型のFET16,17夫々は、ゲートに、基準電圧未満の電圧を印加された場合にオンとなり、基準電圧以上の電圧を印加された場合にオフとなる。
【0097】
また、電圧制御部18はFET16及び/又は17を一定の周期でオン/オフにしなくてもよく、不規則にオン/オフしてもよい。加えて、電圧制御部18が印加電圧を制御する電気負荷は、モータ20又はランプ21に限定されない。更に、電圧制御部18が印加電圧を制御する電気負荷の数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0098】
また、発電制御部15は、電流検出部13から読込んだ充放電電流値、及び/又は、温度検出部14から読込んだ周囲温度が正常範囲内にあるか否かを判定しなくてもよい。発電制御部15が推定するバッテリ12に関する値は、残容量及び電解液の温度に限定されない。発電制御部15は、残容量及び電解液の温度以外の値を推定して、推定した値に基づいて発電電圧を電圧Vpに制御するか否かを判定してもよい。
【0099】
開示された実施の形態1、2及び3は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
1 車両用電源装置
10 オルタネータ(発電機)
12 バッテリ
13 電流検出部
14 温度検出部
15 発電制御部(発電制御部、推定手段、積算手段)
16,17 FET(スイッチ)
18 電圧制御部
20 モータ(電気負荷)
21 ランプ(電気負荷)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気負荷に給電するバッテリに関する値を推定する推定手段と、車両の減速又は加速に応じて、前記バッテリ及び電気負荷に給電する発電機の発電電圧を昇降し、前記推定手段が推定した値が所定範囲内にある場合に前記発電電圧を所定電圧に制御する発電制御部と、前記バッテリ及び発電機が前記電気負荷に給電する経路に設けられたスイッチをオン/オフすることによって前記電気負荷に印加する実効電圧を前記所定電圧よりも低い一定の電圧に制御する電圧制御部とを備える車両用電源装置において、
前記電圧制御部は、前記発電制御部が前記発電電圧を前記所定電圧に制御している間、前記スイッチをオンにするように構成してあること
を特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】
前記バッテリの充放電電流値を検出する電流検出部と、
該電流検出部が検出した充放電電流値を積算する積算手段と
を更に備え、
前記推定手段は積算手段が積算した積算電流値から前記バッテリの残容量を推定し、
前記発電制御部は、前記推定手段が推定した残容量が所定値以下である場合に前記発電電圧を前記所定電圧に制御するように構成してあること
を特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記発電制御部は、前記電流検出部が検出した充放電電流値が第2範囲外である場合に前記発電電圧を前記所定電圧に制御するように構成してあること
を特徴とする請求項2に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記バッテリの周囲温度を検出する温度検出部を更に備え、
前記推定手段は前記温度検出部が検出した周囲温度から前記バッテリ内に収容される電解液の温度を推定し、
前記発電制御部は、前記推定手段が推定した温度が第1温度よりも低い場合、又は、第1温度よりも高温の第2温度よりも高い場合に前記発電電圧を前記所定電圧に制御するように構成してあること
を特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記発電制御部は、前記温度検出部が検出した周囲温度が第3範囲外である場合に前記発電電圧を前記所定電圧に制御するように構成してあること
を特徴とする請求項4に記載の車両用電源装置。
【請求項6】
前記電気負荷はランプであり、
前記電圧制御部は20msよりも短い周期で前記スイッチのオン/オフを繰り返すように構成してあること
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の車両用電源装置。
【請求項7】
前記電気負荷はモータであり、
前記電圧制御部は50μsよりも短い周期で前記スイッチのオン/オフを繰り返すように構成してあること
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の車両用電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−95248(P2013−95248A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239257(P2011−239257)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】