説明

車両用飲酒検知装置及び車両用飲酒検知方法

【課題】肺からの肺呼気に基づいて運転者の飲酒状態をより確実に検知することが可能な車両用飲酒検知装置及び車両用飲酒検知方法を提供する。
【解決手段】車両用飲酒検知装置10の呼気推定ECU60は、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定する。一般に、運転者が肺から肺呼気を吹きつける前に深呼吸する場合は運転者の胴体の動きを伴うため、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをより確実に判定することができる。また、呼気推定ECU60は、肺呼気検知手段が呼気中に肺呼気が含まれていると判定したときに、呼気中に含まれるアルコールに基づいて運転者の飲酒状態を検知するため、肺からの肺呼気に基づいてより確実に運転者の飲酒状態を検知することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用飲酒検知装置及び車両用飲酒検知方法に関し、特に、車両の運転者の呼気中に含まれるアルコールに基づいて運転者の飲酒状態を検知する車両用飲酒検知装置及び車両用飲酒検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、飲酒運転を防止する意識の高まりから、車両の運転者の呼気中に含まれるアルコールに基づいて運転者の飲酒状態を検知する装置が提案されている。例えば特許文献1には、飲酒者の車両の運転を禁止するインターロック装置であって、運転者の肺の深い部位からの深肺呼気サンプルに含まれるアルコール濃度に基づいて運転者の飲酒状態を検知する装置が開示されている。特許文献1の装置では、肺胞内のガスのアルコール濃度が血中アルコール濃度に比例することに基づいて、深肺呼気サンプルにより検査を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−125240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなセンサに呼気を入力して運転者の飲酒状態を検知する技術では、大気によって呼気中のアルコール濃度が希釈されてしまうことが問題となる。そのため、例えば、呼気中の酸素濃度や二酸化炭素濃度の変化に基づいて、大気による呼気中のアルコール濃度の希釈に対して補正を行なうことが行われる。また、呼気中の酸素濃度や呼気の風量を検出して呼気中の酸素量の検出精度を高め、アルコール濃度の希釈に対する補正や、アルコール濃度の検出精度を高めることが行われる。
【0005】
しかし、原理上、センサに呼気を吹きかける行為自体は、肺から呼気を吹かなくても、口先の息だけで吹くことができる。そのため、口先だけでセンサに呼気を吹きかけ、飲酒検査を誤魔化そうとしたか否かを判断することが難しい。特に、口先の息だけで吹いた場合、呼気中の酸素量はほとんど肺の奥からセンサに入力されないため、肺の奥からの呼気の酸素濃度が例えば15%であると想定して、上記のように大気による呼気中のアルコール濃度の希釈に対して補正をかけている場合、このような補正自体が大きな誤差要因となる。特に、インターロック装置のようにエンジン始動に関わる制御では誤作動に繋がる。
【0006】
肺から呼気が出されたことを確認する手段として、呼気中の二酸化炭素や窒素の濃度を検出するセンサを用いたとしても、口先の息だけで吹いた場合と完全に判別することは困難である。一方、カメラを用いて運転者の顔を撮像し、口先だけの呼気の入力を認識する方法も考えられるが、顔の画像上で口先だけの呼気か肺の奥からの呼気かを認識することは困難である。
【0007】
本発明は、このような実情に考慮してなされたものであり、その目的は、肺からの肺呼気に基づいて運転者の飲酒状態をより確実に検知することが可能な車両用飲酒検知装置及び車両用飲酒検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両の運転者の呼気中に含まれるアルコールに基づいて運転者の飲酒状態を検知する呼気中アルコール検知手段と、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定する肺呼気判定手段とを備え、呼気中アルコール検知手段は、肺呼気検知手段が呼気中に肺呼気が含まれていると判定したときに、呼気中に含まれるアルコールに基づいて運転者の飲酒状態を検知する車両用飲酒検知装置である。
【0009】
この構成によれば、肺呼気判定手段は、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定する。一般に、運転者が肺から肺呼気を吹きつける前に深呼吸する場合は運転者の胴体の動きを伴うため、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをより確実に判定することができる。また、呼気中アルコール検知手段は、肺呼気検知手段が呼気中に肺呼気が含まれていると判定したときに、呼気中に含まれるアルコールに基づいて運転者の飲酒状態を検知するため、肺からの肺呼気に基づいて運転者の飲酒状態をより確実に検知することが可能となる。
【0010】
この場合、肺呼気判定手段は、車両の運転者席に設けられた圧力センサの検出値の変動が所定の閾値以上であるときに、呼気中に肺呼気が含まれていると判定することが好適である。
【0011】
この構成によれば、肺呼気判定手段は、車両の運転者席に設けられた圧力センサの検出値の変動が所定の閾値以上であるときに、呼気中に肺呼気が含まれていると判定する。一般に、運転者が肺から肺呼気を吹きつける前に深呼吸する場合は、車両の運転者席に設けられた圧力センサの検出値の変動を伴うため、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをより確実に判定することができる。
【0012】
また、肺呼気判定手段は、呼気中の酸素濃度が所定の閾値以下である場合及び呼気中の二酸化炭素濃度が所定の閾値以上である場合のいずれかの場合に、呼気中に肺呼気が含まれていると判定することが好適である。
【0013】
この構成によれば、肺呼気判定手段は、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定することに加えて、呼気中の酸素濃度が所定の閾値以下である場合及び呼気中の二酸化炭素濃度が所定の閾値以上である場合のいずれかの場合に、呼気中に肺呼気が含まれていると判定する。これにより、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをさらに確実に判定することができる。
【0014】
また、肺呼気判定手段は、運転者の顔面の撮影画像に基づいて呼気中に肺呼気が含まれているか否かを判定することが好適である。
【0015】
この構成によれば、肺呼気判定手段は、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定することに加えて、運転者の顔面の撮影画像に基づいて呼気中に肺呼気が含まれているか否かを判定する。これにより、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをさらに確実に判定することができる。
【0016】
一方、本発明は、車両の運転者の呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定する肺呼気判定工程と、肺呼気検知工程で呼気中に肺呼気が含まれていると判定したときに、呼気中に含まれるアルコールに基づいて運転者の飲酒状態を検知する呼気中アルコール検知工程とを含む車両用飲酒検知方法である。
【0017】
この場合、肺呼気判定工程は、車両の運転者席に設けられた圧力センサの検出値の変動が所定の閾値以上であるときに、呼気中に肺呼気が含まれていると判定することが好適である。
【0018】
また、肺呼気判定工程は、呼気中の酸素濃度が所定の閾値以下である場合及び呼気中の二酸化炭素濃度が所定の閾値以上である場合のいずれかの場合に、呼気中に肺呼気が含まれていると判定することが好適である。
【0019】
また、肺呼気判定工程は、運転者の顔面の撮影画像に基づいて呼気中に肺呼気が含まれているか否かを判定することが好適である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の車両用飲酒検知装置及び車両用飲酒検知方法によれば、肺からの肺呼気に基づいて運転者の飲酒状態をより確実に検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係る車両用飲酒検知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】飲酒検知の基本的な原理を示す図である。
【図3】装置本体部の正面図である。
【図4】実施形態に係る車両用飲酒検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】ドライバーが呼気を吹きかける様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る車両用飲酒検知装置について説明する。本実施形態の車両用飲酒検知装置は車両に搭載され、ドライバーの飲酒状態を検知することにより、飲酒運転を防止するための装置である。図1に示すように、本実施形態の車両用飲酒検知装置10は、装置本体部20、ドアセンサ70及びドライバー席シートセンサ80を備えている。装置本体部20は、カメラ30、顔画像処理ECU31、吹きかけ口41、ファン42、ファン制御回路43、アルコールセンサ51、妨害ガスセンサ52、湿度センサ53及び酸素センサ(COセンサ)54を有している。
【0023】
カメラ30は被験者であるドライバーの顔面を撮影するためのものである。顔画像処理ECU(Electronic Control Unit)31は、カメラ30により撮影されたドライバーの顔面の撮影画像をパターン認識することにより、特にドライバーが呼気を吐くときの口の形状から、ドライバーが肺からの肺呼気を吐いているか、口先だけで呼気を吐いているかを判定するためのものである。
【0024】
ドライバーが呼気を吐きかける吹きかけ口41にファン42とファン42の回転を制御するファン制御回路43が設けられている。図1及び図2に示すように、ファン制御回路43は、入力呼気Binをファン42で攪拌して攪拌呼気Bsとし、アルコールセンサ51等に入力される呼気量を一定に制御する。
【0025】
図1及び図2に示すように、ファン42で攪拌された攪拌呼気Bsは、アルコールセンサ51により呼気中のアルコール濃度を検出される。妨害ガスセンサ52は、ドライバーが風船から吹き出させた空気等の呼気以外の気体を吹きかけ口41に吹きつけて飲酒検査を逃れることを防止するために、攪拌呼気Bs中の実際の呼気以外の妨害ガスを検出するためのものである。湿度センサ53は、攪拌呼気Bsの湿度を検出することにより、ドライバーが風船から吹き出させた空気等の呼気以外の気体を吹きかけ口41に吹きつけたり、肺呼気ではなく口先だけで呼気を吹きつけることにより、飲酒検査を逃れることを防止するためのものである。酸素センサ(COセンサ)54は、攪拌呼気Bs中の酸素濃度あるいはCO濃度を検出することにより、ドライバーが肺からの肺呼気を吐いているか、口先だけで呼気を吐いているかを判定するためのものである。
【0026】
図3に示すように、上記のカメラ30及び吹きかけ口41は装置本体部20に配置されている。カメラ30及びアルコールセンサ51等の各センサにより取得された情報は、呼気推定ECU(Electronic Control Unit)60に送られ、後述のようにドライバーが肺からの肺呼気を吐いているか、口先だけで呼気を吐いているかの判定が行われる。
【0027】
ドアセンサ70は、ドライバーによるドアの開閉を検知するためのセンサであり、ドライバーが運転席に着座したかを検知するために用いられる。ドライバー席シートセンサ80は、運転席に設けられた圧力センサであり、運転席のシートへの圧力の変化や振動を検知するためのものである。ドライバー席シートセンサ80は、運転席のシートの表面に設けられた圧力センサでも良いし、運転席の基部に設けられた荷重センサでも良い。また、運転席のシートのみならず、背もたれやヘッドレストに設けられた圧力センサでも良い。
【0028】
以下、本実施形態の車両用飲酒検知装置10の動作について説明する。呼気推定ECU60は、ドアセンサ70及びドライバー席シートセンサ80の検出信号からドライバーであるユーザが乗車し、運転席に着座したことを検知する(S11)。ユーザは検査操作を開始する(S12)。この場合、図5に示すように、ドライバーDは装置本体部20に向かって呼気を吹きかける準備をする。呼気推定ECU60は、ファン42が所定の回転数で回転し、カメラ30やアルコールセンサ51等のセンサ類が検査の準備が完了したことを検知すると、ランプ類、ディスプレイ類、ブザー類あるいはスピーカ類により、ユーザへ吹きかけ口41への呼気入力を要求する(S13)。
【0029】
ドライバー席シートセンサ80が、ドライバーが吹きかけ口41に呼気を吹きかけるときに、ドライバーDによる運転席のシートへの圧力の変化、あるいは振動を検知したとき(S14)、すなわち、ドライバーDが深呼吸をし、肺呼気を吹きかけた可能性が高いときは、呼気推定ECU60はS15以降の処理を実行する。この場合、圧力の変化あるいは振動の強度に所定の閾値を設け、外乱による誤検出を防ぐようにしても良い。
【0030】
酸素センサ54が検出した呼気中の酸素濃度が所定の閾値以下であるとき(S15)、すなわち、ドライバーDの呼気が肺から出された酸素濃度の少ないものであるときは、呼気推定ECU60はS16以降の処理を実行する。この場合、COセンサを用いる場合は、COセンサが検出した呼気中のCO濃度が所定の閾値以上であるとき、すなわち、ドライバーDの呼気が肺から出されたCO濃度の多いものであるときは、呼気推定ECU60はS16以降の処理を実行する。
【0031】
顔画像処理ECU31が、カメラ30により撮影されたドライバーDの顔面の撮影画像をパターン認識し、ドライバーDが呼気を吐くときの口の形状から、ドライバーDが肺からの呼気を吐いていると判定したときは(S16)、呼気推定ECU60はドライバーDが肺呼気を吹き付けていると推定する。呼気推定ECU60は、アルコールセンサ51等のセンサ類の検出結果からドライバーDの血中アルコール濃度を計算し(S17)、当該アルコール濃度に応じて、ドライバーの運転を禁止するインターロック判定を行う(S18)。
【0032】
一方、ドライバー席シートセンサ80が、ドライバーDが吹きかけ口41に呼気を吹きかけるときに、ドライバーDによる運転席のシートへの圧力の変化、あるいは振動を検知していないとき(S14)、すなわち、ドライバーDが口先だけで呼気を吹きかけた可能性が高いときは、呼気推定ECU60は、ドライバーDが口先だけで呼気を吹きかけたと判定する(S19)。
【0033】
酸素センサ54が検出した呼気中の酸素濃度が所定の閾値を超えているとき(S15)、すなわち、ドライバーDの呼気が口先から出された酸素濃度の多いものであるときは、呼気推定ECU60は、ドライバーDが口先だけで呼気を吹きかけたと判定する(S19)。COセンサを用いる場合は、COセンサが検出した呼気中のCO濃度が所定の閾値未満であるとき、すなわち、ドライバーDの呼気が口先から出されたCO濃度の少ないものであるときは、呼気推定ECU60は、ドライバーDが口先だけで呼気を吹きかけたと判定する(S19)。
【0034】
顔画像処理ECU31が、カメラ30により撮影されたドライバーDの顔面の撮影画像をパターン認識し、ドライバーDが呼気を吐くときの口の形状から、ドライバーDが口先だけで呼気を吐いていると判定したときは(S16)、呼気推定ECU60はドライバーDが口先だけで呼気を吹きかけたと判定する(S19)。ドライバーDが口先だけで呼気を吹きかけたと判定される場合は(S19)、呼気推定ECU60は、ランプ類、ディスプレイ類、ブザー類あるいはスピーカ類により、ユーザにアルコール検査のための再測定を要求する(S20)。
【0035】
本実施形態では、呼気推定ECU60は、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定する。一般に、運転者が肺から肺呼気を吹きつける前に深呼吸する場合は運転者の胴体の動きを伴うため、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをより確実に判定することができる。また、呼気推定ECU60は、肺呼気検知手段が呼気中に肺呼気が含まれていると判定したときに、呼気中に含まれるアルコールに基づいて運転者の飲酒状態を検知するため、肺からの肺呼気に基づいて運転者の飲酒状態をより確実に検知することが可能となる。
【0036】
また、呼気推定ECU60は、車両の運転者席に設けられた圧力センサであるドライバー席シートセンサ80の検出値の変動が所定の閾値以上であるときに、呼気中に肺呼気が含まれていると判定する。一般に、運転者が肺から肺呼気を吹きつける前に深呼吸する場合は、車両の運転者席に設けられた圧力センサの検出値の変動を伴うため、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをより確実に判定することができる。特に、本実施形態では、既存の車載センサであるドライバー席シートセンサ80等を用いたシステムで、肺呼気により飲酒状態を確実に検知でき、新規で特殊なセンサによる費用の増加を避けることができる。
【0037】
また、呼気推定ECU60は、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定することに加えて、呼気中の酸素濃度が所定の閾値以下である場合及び呼気中の二酸化炭素濃度が所定の閾値以上である場合のいずれかの場合に、呼気中に肺呼気が含まれていると判定する。これにより、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをさらに確実に判定することができる。
【0038】
さらに、呼気推定ECU60は、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを運転者の胴体の動きから判定することに加えて、運転者の顔面の撮影画像に基づいて呼気中に肺呼気が含まれているか否かを判定する。これにより、呼気中に運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かをさらに確実に判定することができる。
【0039】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
10…車両用飲酒検知装置、20…装置本体部、30…カメラ、31…顔画像処理ECU、41…吹きかけ口、42…ファン、43…ファン制御回路、51…アルコールセンサ、52…妨害ガスセンサ、53…湿度センサ、54…酸素センサ(COセンサ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者の呼気中に含まれるアルコールに基づいて前記運転者の飲酒状態を検知する呼気中アルコール検知手段と、
前記呼気中に前記運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを前記運転者の胴体の動きから判定する肺呼気判定手段と、
を備え、
前記呼気中アルコール検知手段は、前記肺呼気検知手段が前記呼気中に前記肺呼気が含まれていると判定したときに、前記呼気中に含まれるアルコールに基づいて前記運転者の飲酒状態を検知する、車両用飲酒検知装置。
【請求項2】
前記肺呼気判定手段は、前記車両の運転者席に設けられた圧力センサの検出値の変動が所定の閾値以上であるときに、前記呼気中に前記肺呼気が含まれていると判定する、請求項1に記載の車両用飲酒検知装置。
【請求項3】
前記肺呼気判定手段は、前記呼気中の酸素濃度が所定の閾値以下である場合及び前記呼気中の二酸化炭素濃度が所定の閾値以上である場合のいずれかの場合に、前記呼気中に前記肺呼気が含まれていると判定する、請求項1又は2に記載の車両用飲酒検知装置。
【請求項4】
前記肺呼気判定手段は、前記運転者の顔面の撮影画像に基づいて前記呼気中に前記肺呼気が含まれているか否かを判定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用飲酒検知装置。
【請求項5】
車両の運転者の呼気中に前記運転者の肺からの肺呼気が含まれているか否かを前記運転者の胴体の動きから判定する肺呼気判定工程と、
前記肺呼気検知工程で前記呼気中に前記肺呼気が含まれていると判定したときに、前記呼気中に含まれるアルコールに基づいて前記運転者の飲酒状態を検知する呼気中アルコール検知工程と、
を含む車両用飲酒検知方法。
【請求項6】
前記肺呼気判定工程は、前記車両の運転者席に設けられた圧力センサの検出値の変動が所定の閾値以上であるときに、前記呼気中に前記肺呼気が含まれていると判定する、請求項5に記載の車両用飲酒検知方法。
【請求項7】
前記肺呼気判定工程は、前記呼気中の酸素濃度が所定の閾値以下である場合及び前記呼気中の二酸化炭素濃度が所定の閾値以上である場合のいずれかの場合に、前記呼気中に前記肺呼気が含まれていると判定する、請求項5又は6に記載の車両用飲酒検知方法。
【請求項8】
前記肺呼気判定工程は、前記運転者の顔面の撮影画像に基づいて前記呼気中に前記肺呼気が含まれているか否かを判定する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の車両用飲酒検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−220759(P2011−220759A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88572(P2010−88572)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】