車両管理システム
【課題】ユーザに省燃費運転の意識を啓発することができる車両管理システムを提供する。
【解決手段】サーバ装置10は、ユーザが選択したOD区間を通過するように走行ルートを探索して車載機100に送信し、車載機100は、受信した走行ルートで案内するので、ユーザは、走行ルートを走行することによりランキング結果を確認することができる。これにより、ユーザは、車載機100による案内時に省燃費運転を意識しながら走行するようになるので、ユーザの省燃費運転の意識を高めることができる。
【解決手段】サーバ装置10は、ユーザが選択したOD区間を通過するように走行ルートを探索して車載機100に送信し、車載機100は、受信した走行ルートで案内するので、ユーザは、走行ルートを走行することによりランキング結果を確認することができる。これにより、ユーザは、車載機100による案内時に省燃費運転を意識しながら走行するようになるので、ユーザの省燃費運転の意識を高めることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車両用装置と、この車両用装置から収集した情報を管理するサーバ装置とからなる車両管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が日常走行する経路の例えば燃料消費量を知ることは、環境にやさしいエコライフを目指す運転者にとって興味があると共に必要な情報である。昨今、地球の温暖化の影響による異常気象などが多発・頻発しており、人類が多量の二酸化炭素を排出した結果が多くの生態系の生命を脅かす事態を引き起こしている。一人一人が自己の生活の中で省燃費運転の意識を持たなければならない時代となった。このような省燃費運転の意識を高めるための手段として、各道路(リンク)ごとの燃料消費量を保存してユーザに提供するサーバ装置や、燃料消費量が最小となる走行ルートを探索するナビシステムに関する技術が各種提案されている。例えば特許文献1には、リンクを走行する車両の速度及び加速度に基づいてエコ指数を求め、そのエコ指数に基づいてエネルギー効率の高い推奨ルートを提案することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−45992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、あるユーザが所定の経路(出発地から目的地)を走行した場合に、サーバ装置から提案された推奨ルートを単に走行するだけであり、ユーザに対して省燃費運転の意識を啓発することはできない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザに省燃費運転の意識を啓発することができる車両管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によれば、サーバ装置は車両用装置に対してランキング対象区間を送信するので、そのランキング対象区間を地図上に表示することで、ユーザに対してサーバ装置により管理されているランキング対象区間を走行する際に省燃費運転を意識させることができる。
請求項2の発明によれば、サーバ装置は、ランキング対象区間を走行する走行ルートを探索して車両用装置に送信し、車両用装置は、サーバ装置から受信した走行ルートを表示するので、ユーザは、案内された走行ルートを走行することで省燃費運転を意識するようになる。
請求項3の発明によれば、サーバ装置において、ユーザが選択したランキング対象区間を通過するように走行ルートが探索されるので、ユーザの省燃費運転の意識を一層高めることができる。
請求項4の発明によれば、車両用装置にて走行ルートを探索するので、サーバ装置の負担を軽減することができると共にサーバ装置との通信が不可能な場合であっても走行ルートで案内することができる。
【0006】
請求項5の発明によれば、車両用装置において、ユーザが選択したランキング対象区間を通過するように走行ルートが探索されるので、ユーザの省燃費運転の意識を一層高めることができる。
請求項6の発明によれば、ユーザに対してランキング対象区間を走行する際の予測値が提示されるので、ユーザは、予測値を意識することにより省燃費運転を一層意識するようになる。
請求項7の発明によれば、ユーザに対してランキング対象区間を走行する際の最優秀実績値が提示されるので、ユーザは、最優秀実績値を意識することにより省燃費運転を一層意識するようになる。
請求項8の発明によれば、探索したコストの積算値が最小となる推奨ルートにランキング対象区間が含まれる場合は、ランキング対象区間として最優秀実績値のリンクがユーザに提示されるので、ユーザは最優秀実績値を上回ろうと省燃費運転に励むようになる。
【0007】
請求項9の発明によれば、走行ルート全体にわたって省燃費ルートがユーザに提示されるので、省燃費運転に最大に貢献することができる。
請求項10の発明によれば、サーバ装置は、各車両の省燃費運転情報を定期的に管理することができる。
請求項11の発明によれば、ランキング対象区間を構成するリンク毎の省燃費運転情報を効果的に管理することができる。
請求項12の発明によれば、ユーザはランキング対象区間を走行する際にエネルギー消費量を意識するようになる。
請求項13の発明によれば、ランキング対象区間における走行時間を意識するようになる。
請求項14の発明によれば、サーバ装置が決定したランキング対象区間におけるランキングをユーザに提示するので、ユーザは、ランキングを確認することにより省燃費運転を一層意識するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態におけるナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図
【図2】説明のために例示した代表地点1〜5の位置関係を示す概略図
【図3】代表地点1から2に到達する場合の経路を示した図
【図4】チャンピオンデータを示す図
【図5】ランキングデータを示す図
【図6】更新状態を示す図4相当図
【図7】エコランキング対象車両情報のサーバ登録の通信シーケンスを示す図
【図8】エコランキングサービスに参加中の車載機とサーバ装置との間の通信シーケンスを示す図
【図9】車載機とサーバ装置の動作を概略的に示す図
【図10】リンクの燃料消費量をアップすることを説明する図
【図11】ランキング結果の表示を示す図
【図12】経路案内処理を示すフローチャート
【図13】車両が代表地点間を走行した場合のサーバ装置と車載機との間の通信シーケンスを示す図
【図14】ランキング処理を示すフローチャート
【図15】本発明の第2実施形態における経路探索処理に関する動作のみを抽出して示すフローチャート
【図16】本発明の第3実施形態における経路探索処理に関する動作を抽出して示すフローチャート
【図17】本発明の第4実施形態における車載機側のランキングサービスに関する動作を抽出して示すフローチャート
【図18】サーバ側のランキングサービスに関する動作を抽出して示すフローチャート
【図19】本発明のその他の実施形態を示す図6相当図
【図20】本発明のその他の実施形態を示す図4の一部相当図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明をナビゲーションシステムに適用した第1実施形態について図1ないし図14を参照して説明する。図1は、ナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図である。ナビゲーションシステムは、サーバ装置10と、車載機100(車両用装置に相当)とによって構成されている。
サーバ装置10の構成について説明する。サーバ装置10は、通信装置11、地図データ・経路データ記憶部12、走行情報データベース13、対象OD区間燃料消費量実績値14、エコランキング対象OD区間情報15、対象OD区間リンク番号ノード緯度経度対応テーブル16、ユーザ情報17、エコランキング対象車両情報18、及び制御部19(ランキング対象区間管理手段、省燃費運転情報管理手段、検索手段、ランキング対象区間送信手段、探索手段、走行ルート送信手段、ランキング決定手段、ランキング送信手段に相当)から構成されている。尚、OD区間とは所定の経路(OD:Origin(出発地)→Destination(目的地))を意味するもので、後述するエコランキングサービスを実施するランキング対象区間に相当する。
【0010】
通信装置11は、電波送受信器等で構成され、車載機100との間で情報の送受信を行う。尚、通信手段として、自動車電話、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)等の通信システムを利用してもよい。
地図データ・経路データ記憶部12には、最新の道路地図データが記憶されており、経路探索用の経路情報が格納されている。経路情報には、最新の道路地図データが、接続地点を示すノードと、このノード間を接続するリンクからなるネットワーク情報として記憶されている。各道路及び交差点に該当するリンク及びノードには、例えば、各リンクやノードに付与された識別番号や、高速道路、有料道路、主要幹線道路、細街路等の道路種別、右左折禁止、一方通行、制限速度等の交通規制、幅員の広狭、車線数の多寡数、勾配等の情報が付与されており、それら情報に基づき各リンク及びノードにはコストが設定されている。また、交通量の多い交差点、主要幹線道路同士が交わる交差点等に該当するノードを予め代表地点として記憶する。代表地点についての詳細な説明は後述する。
【0011】
走行情報データベース13には、後述するように地図データ・経路データ記憶部12に記憶されるOD区間を車両が走行する際の経路と、その燃料消費量が記憶される。
対象OD区間燃料消費量実績値14には、過去にOD区間を走行した車両から収集した情報が記憶されている。エコランキング対象OD区間情報15には、後述するように所定の代表地点を接続する経路の内、エコランキング対象区間として適切なリンクから構成されたOD区間に関する情報が記憶されている。対象OD区間リンク番号ノード緯度経度対応テーブル16には、OD区間のリンク番号と、ノードの緯度経度が対応して記憶されている。ユーザ情報17には、ユーザごとに過去のエコランキング結果や運転特性が記憶されている。エコランキング対象車両情報18には、車両形式、排気量、車重、CD値(空気抵抗係数)が記憶されており、ユーザの車両がどの車両グループに属するかを区別できるように情報が記憶されている。
【0012】
制御部19は、CPU、ROM、RAM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに従って、車載機100との間でデータを送受信する通信処理、車両の現在位置から目的地に至るまでの最適な経路を計算する経路探索処理、走行情報データベース13に記憶される各代表地点間の経路及び燃料消費量を更新する情報更新処理等を行うのに加えて、燃料消費量予測、OD区間省燃費ルート探索、エコランキングサービス、車載機HMI(Human Machine Interface)等を実行する。
【0013】
次に、車載機100の構成について説明する。車載機100は、通信装置110、地図データベース120、自車位置検出部130(取得手段に相当)、走行情報記録部140、表示装置150(表示手段に相当)、操作スイッチ群160(選択手段に相当)、音声出力装置170、制御部190から構成されている。
通信装置110は、電波送受信器等で構成され、サーバ装置10との間でデータの送受信を行う。
地図データベース120には、最新の道路地図データが記憶されており、経路探索用の経路情報が格納されている。経路情報には、最新の道路地図データが、接続地点を示すノードと、このノード間を接続するリンクからなるネットワーク情報として記憶されている。表示装置150に地図を描画するために地図データをユニット化した描画データ121、目的地に至る経路におけるノード及びリンクの識別番号を照合するために必要な経路データ122、及び図示しない案内用の画像や音声データが格納されている。描画データ121には、道路や線路、建造物、私有地等といった施設のポリゴンデータや、海や河川等の地形を描画するための背景データ、及び、地図上に存在する各種施設に対するそれぞれの位置情報等を記憶する施設データが記憶されている。また、経路データ122には、サーバ装置10の経路データと同様の情報が記憶されている。
【0014】
自車位置検出部130は、GPS(Global Positioning System)からの送信電波を、図示しないGPSアンテナを介して受信することで自車位置と現在時刻を検知するGPS受信機131と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロセンサ132と、車両の速度を検出するための速度センサ133とを備えている。自車位置検出部130は、これらの各検出信号に基づき位置座標及び進行方向の組として車両の現在の自車位置を算出する。検出された自車位置は、地図データベース120における地図上に位置決めされる。また、これらセンサ等131乃至133は、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら自車位置の検出を行うように構成されている。尚、自車位置検出部130は、上述した内の一部のセンサで構成してもよいし、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサや、ステアリングの回転角センサ等を加えて構成してもよい。
【0015】
走行情報記録部140には、自車位置検出部130にて検出された自車位置が走行した経路及び当該経路を走行中の時刻及び消費燃料量等が記録される。具体的には、車両が走行した道路及び交差点等に該当するリンク及びノードの識別番号を車両が走行した順に記憶することで走行した経路を記録する。また、各ノードを通過する度に、通過した時刻及び燃料消費量をノードの識別番号と共に記録する。これにより、各経路を走行した際の走行時間及び燃料消費量を算出することができる。尚、上述の走行時間及び燃料消費量算出処理は制御部190にて実行される。
【0016】
表示装置150は、カラー表示可能な液晶ディスプレイからなる。表示装置150の表示画面には、描画データ121に記憶されている道路や施設といった背景データ等から構成される地図と、車両の現在位置を示すマークや、目的地までの誘導経路等が地図に重ねて表示される。尚、各種施設の記号データや名称、目印、渋滞情報等を地図に重ねて表示させてもよい。表示装置150としては、液晶ディスプレイ以外にも、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等があるが、その何れを用いてもよい。
【0017】
操作スイッチ群160(選択手段に相当)は、表示装置150と一体に構成され、表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置150の周囲に設けられた釦スイッチ等が用いられる。尚、タッチパネルと表示装置150とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などがあるが、何れを用いてもよい。
音声出力装置170は、スピーカーから成り、地図データベース120に記憶されている案内用の音声データ等に基づいて各種案内の音声を出力する。
エコランキング対象OD区間スタート・エンド位置情報180には、後述するようにサーバ装置10から受信したOD区間のスタート位置とエンド位置の緯度経度が記憶される。
【0018】
制御部190(位置情報送信手段、省燃費運転情報送信手段、選択ランキング対象区間送信手段、予測手段、予測値送信手段に相当)は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。そして、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、サーバ装置10との間で情報を送受信する通信処理、操作スイッチ群160による操作によって指示された範囲の地図等を表示装置150に表示する地図表示処理、サーバ装置10から送信される経路データに基づいてユーザを目的地まで案内する案内処理等を行うと共に、後述するエコランキングサービスを実行する。
【0019】
ここで、上述した代表地点について詳細に説明する。図2は、説明のために例示した代表地点1〜5の位置関係を示す概略図である。代表地点は、後述するように規定された交通量の多い交差点、主要幹線道路同士が交わる交差点等であり、各代表地点間を結ぶ経路は1通りでないのが一般的である。例えば、代表地点1から2に到達するための経路は、図2に示すように経路1〜3の3通りある。図3は、代表地点1から2に到達する場合の経路1〜3を示した図であり、それぞれ経路1〜3は異なるリンク及びノードであることが分かる。例えば、経路2は、代表地点1⇒リンクc⇒ノードB⇒リンクd⇒代表地点2と走行する経路である。
【0020】
上述したように代表地点は交通量の多い交差点、或いは主要幹線道路同士が交わる交差点等であるが、エコランキングサービスのためには燃料消費量をユーザ間で比較できる妥当な5kmから15km程度の走行距離が得られるような代表地点を候補ノードに設定するのが望ましい。つまり、ユーザが稀にしか走行しないようなOD区間ではランキングの意味を持たないからである。また、比較的、交通量のある全国の主要交差点を候補ノードとする必要はあるが、常時渋滞が発生するOD区間は省燃費の観点から避けるのが望ましい。
【0021】
以上の観点から、次の条件の何れか、或いは所定の複数条件を満足するOD区間を選択対象とする。
(1)OD区間を直線で結んだ直線距離が5kmから15kmの範囲とする。(市街地で10〜30分の走行時間を見込んでいる。買い物や墓参り、家族の送り迎えなど日常での使用を想定。)
(2)OD区間の信号停止回数は5〜10回、道路規制・渋滞時は最大15回停止とする。
(3)OD区間のスタート・エンドポイントは政令指定都市市道以上の主要道交差点とする。
(4)OD区間経路は少なくともその方向に向かって複数の快速道が選択でき、バイパス路が存在する。
(5)OD区間は5ルート探索で3ルートはそのポイントを通る位置に設定する。
(6)OD区間経路に路線バス、または地下鉄が走っている経路が少なくとも1つ存在する。
(7)どのOD区間経路も必ず右左折コストが複数存在する。
(8)交通道路管理者(警察)のカメラ、車両感知器、光ビーコン、路上ディスプレーなどが設置されている路線が一部存在する。
(9)バス優先レーンまたは専用レーンのある経路が少なくとも1つ存在する。
(10)渋滞発生率全国ワースト50以外の交差点とする。
【0022】
対象OD区間燃料消費量実績値14には、図4に示すチャンピオンデータ(最優秀実績値に相当)と、図5に示すランキングデータとが記憶される。チャンピオンデータは各代表地点間の経路において最小となる燃料消費量を示すデータであり、ランキングデータは同一の各代表地点間の経路における燃料消費量の少ない順位を示すデータである。対象OD区間燃料消費量実績値14には、チャンピオンデータ及びランキングデータとして各代表地点間の経路及び燃料消費量が記憶されている。例えば、図4に基づくと、代表地点1から2へ走行する場合は、図3における経路1「代表地点1⇒リンクa⇒ノードA⇒リンクd⇒リンクd⇒代表地点2」を走行した車両の燃料消費量が2Lの場合がチャンピオンデータであることが分かる。また、対象OD区間燃料消費量実績値14に記憶される各代表地点間の経路及び燃料消費量は、その代表地点間を走行する際に要する燃料消費量、及びその経路であり、図6に示すように、車載機100から送信される情報に基づいて適宜更新される。
【0023】
さて、エコランキングサービスに参加して省燃費運転を競争する場合に、異なる車種で競争することに意味がないことから、図4及び図5に示すようにチャンピオンデータ及びランキングデータは同一グループ毎に管理されている。例えばA車とは、同一グループの車両(同一メーカ、同一車種、同一型式、同一車重、同一車形、同一排気量、同一CD値(空気抵抗係数))に分類された車両を指す。尚、グループとしては、同一メーカではなく他のメーカであってもよいし、同一車重、同一車形、同一排気量、同一CD値の何れか、或いは何れかの組み合わせであってもよい。尚、同一とは同レベルであれば同一グルーブとして分類する概念である。
【0024】
エコランキングサービスに参加するには、まず、車両情報をサーバ装置10に登録する必要がある。図7は、エコランキング対象車両情報のサーバ登録の通信シーケンスを示している。車載機100は、予めサーバ装置10に登録したユーザIDとパスワードが入力されたときは、それらをサーバ装置10に送信する(S701)。サーバ装置10は、ユーザIDとパスワードが予め登録されている正しいものかを判断し(S702)、正しくない場合は(S702:NO)、入力エラーであるとして(S704)、ユーザIDとパスワードの再入力を促す。ユーザIDとパスワードが正しい場合は(S704:YES)、車載機100に車台番号入力画面を送信する(S703)。
【0025】
車載機100は、表示した車台番号入力画面に車台番号が入力されたときは、入力された車台番号をサーバ装置10に送信する(S705)。サーバ装置10は、受信した車台番号が有るかを図示しない車両データベース(DB)を検索する(S706)。この車両DBは、エコランキングサービスに登録された車両の車両情報を記録したデータベースである。次に、対象車両が有るかを判断し(S707)、対象車両が無い場合は(S707:NO)、対象車両なしエラーを車載機100に送信する(S711)。対象車両が有る場合は(S707:YES)、車両DBからエコランキング対象車両情報を読込み(S708)、エコランキング対象車両情報18に登録し(S709)、エコランキング対象車両情報登録完了を車載機100に通知する(S710)。
車載機100は、エコランキング対象車両DB登録完了通知を受信したときは(S712)、登録処理を終了する。
以上のようにして、車両をエコランキングサービスに登録してエコランキングサービスに参加することができる。
【0026】
図8はエコランキングサービスに参加中の車載機100とサーバ装置10との間の通信シーケンスを示し、図9は車載機100とサーバ装置10の動作を概略的に示している。
車載機100は、ユーザにより操作スイッチ群160を介してエコランキングサービスにエントリーしてから(S901)、目的地が入力された場合は位置情報をアップする(S902)。この位置情報には、自車を識別する車両ID情報、自車位置検出部130にて検出された車両の現在位置、及び、目的地の経度・緯度情報が含まれる。サーバ装置10は、受信した位置情報に基づいて目的地方向の候補OD区間をリストアップする(S903)。例えば、現在地に最寄りの代表地点として、現在地から目的地に向かって左右60度方向の範囲内に存在する代表地点を抽出し、目的地に最寄りの代表地点として、目的地から現在位置に向かって左右60度方向の範囲内に存在する代表地点を抽出し、それらの代表地点間を候補OD区間とする。候補OD区間が複数存在する場合としては、各OD区間が並列に位置する場合、或いは直列に位置する場合等がある。
【0027】
次に、燃料消費量履歴からチャンピオン値(チャンピオンデータ)を読み出し(S904)、各OD区間に対して燃料消費量の予測値を算出する(S905)。この燃料消費量の予測値は、経路データに記憶されている制限速度等の交通規制、幅員の広狭、車線数の多寡数、勾配等の情報に基づいて所定の演算式により算出するものである。そして、各候補OD区間の情報と、これらのOD区間に対応する予測値及びチャンピオン値を車載機100に送信する(S906)。
【0028】
車載機100は、受信したOD区間の情報をエコランキング対象OD区間スタート・エンド位置情報180に記憶する。また、車載機100には、各候補OD区間と、これらのOD区間に対応する予測値及びチャンピオン値が表示されるので、ユーザは、エコランキングを行いたいと思う所望のOD区間を選択する。車載機100は、ユーザによりOD区間が選択された場合は(S907:YES)、選択OD区間をアップする(S908)。尚、図9には示していないが、ユーザが複数のOD区間を選択する毎に選択OD区間をアップするようになっている。サーバ装置10は、全てのOD区間の選択が終了したときは、選択された一つまたは複数の指定OD区間を通過する省燃費ルートを探索する(S909)。尚、現在地から最寄りの代表地点までの経路、及び、目的地に最寄りの代表地点から目的地までの経路は、コストの積和値が最小となるように周知のダイクストラ法等を用いて探索される。そして、以上のように探索した走行ルートを車載機100に送信する。
車載機100は、サーバ装置10が探索した走行ルートで案内を開始し(S911)、候補OD区間スタートポイント(代表地点1)となったかを判断する(S912)。尚、ユーザが候補OD区間を選択しなかった場合は(S907:NO)、直ちに候補OD区間スタートポイントとなったかを判断する(S912)。
【0029】
車載機100は、候補OD区間スタートポイント(代表地点1)に到達してから、候補OD区間エンドポイント(代表地点2)となるまで、走行リンクの実燃料消費量をサーバ装置にアップし(S913)、サーバ装置10は、受信した走行リンクの実燃料消費量(省燃費運転情報に相当)を対象OD区間燃料消費量実績値14に登録する。このように車載機100が走行リンクの実燃料消費量をサーバ装置10にアップする方法としては、車両用ネットワークである例えばCAN(Controller Area Network)を通じて燃料噴射ECU(Electronic Control Unit)から燃料噴射量を取得してアップするもので、計測する単位はリンク単位とし、例えば図10に示すリンクL2での燃料消費量はノードN1からノードN2までの燃料噴射量を積算して算出する。そして、図10に示すように車両がノードN2を通過した時点でプローブデータとしてリンクの燃料消費量をアップする。アップするプローブデータは、リンク番号、燃料消費量、リンク旅行時間、停止回数などである。
【0030】
車載機100は、候補OD区間エンドポイント(代表地点2)となると(S915:YES)、OD区間完走ステータスをアップする(S916)。すると、サーバ装置10は、同一のOD区間に対して燃料消費量の実績値を比較し(S917)、ランキング処理してから(S918)、ランキング結果、予測値、及びチャンピオン値を車載機100に送信する(S919)。そして、車載機100は、図11に示すようにランキング結果を表示する(S920)。尚、ランキング結果に応じてエコポイントが付与されるようになっており、図11には示していないが付与されるエコポイントも同時に表示される。このエコポイントはランキング結果に応じて車両の所有者に与えられる特典であり、エコポイントを貯めることにより例えばエコランキングサービスのスポンサーが提供する所望の商品に交換可能となっている。
【0031】
次に、車載機100による経路案内処理を図12に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、車載機100の動作の内、経路案内処理のみを抽出して示している。車載機100は、自車位置を検出しており(S1201)、目的地が入力されると(S1202:YES)、現在地及び目的地の位置情報をサーバ装置10に送信する(S1203)。サーバ装置10から目的地に至る経路情報を受信すると(S1204:YES)、経路情報におけるノード及びリンクの識別番号を検索し、その経路情報に基づいて案内を開始する(S1205)。そして、目的地へ到着したときは(S1206:YES)、案内を終了する(S1207)。
【0032】
次に、車両が代表地点間を走行した場合のサーバ装置10と車載機100との間の通信シーケンスについて図13を参照して説明する。
車載機100は、代表地点間(例えば、代表地点1から代表地点2まで)を車両が走行した際の走行情報を走行情報記録部140に記録している(S1301〜S1303)。車両が代表地点2に到達すると(S1303:YES)、記録した代表地点1から代表地点2まで走行した際の燃料消費量(省燃費運転情報に相当)をサーバ装置10に送信する(S1304)。このとき送信する走行情報には、2つの代表地点の位置情報と、その代表地点間を走行した際の燃料消費量と、その代表地点間を走行した際の詳細経路データが含まれる。詳細経路データは、車両が代表地点間を走行した際に走行情報記録部140に記録される経路のリンク・ノード情報及び実際の燃料消費量である。
【0033】
サーバ装置10は、代表地点間の走行情報を受信すると、その走行情報を記憶し、制御部19にてランキング処理を実行する(S1305)。このランキング処理は、走行情報データベース13にて記憶されている各代表地点間のチャンピオンデータ(最小燃料消費量)及びその経路を走行情報に基づいて更新する。
尚、チャンピオンデータの場合においてのみ車載機100に詳細経路情報を要求するようにしても良く、通信量を抑制することが可能となる。この場合、2位以下のランキングデータには詳細経路情報は無いことになる。
【0034】
図14は、サーバ装置10が実行するランキング処理を示すフローチャートである。サーバ装置10は、代表地点間の燃料消費量を受信したときは(S1401:YES)、まず、受信した走行情報に含まれる情報から、走行情報を送信した車両が走行した代表地点間を決定し、走行情報に含まれる実際に車両が走行した際の燃料消費量が対象OD区間燃料消費量実績値14にて記憶されているその代表地点間のチャンピオンデータよりも少ないかを判断する(S1402)。ここで、走行情報に含まれる実際の燃料消費量がチャンピオンデータよりも少ない場合には(S1402:YES)、対象OD区間燃料消費量実績値14のチャンピオンデータ及びランキングデータを更新する(S1403)。一方、走行情報に含まれる実際の燃料消費量がチャンピオンデータよりも多い場合は(S1402:NO)、ランキングデータのみを更新する(S1405)。そして、ランキング結果を車載機100に送信するので(S1404)、ユーザは、ランキング結果を確認することにより自分の成績を確認することができる。
【0035】
このような実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
サーバ装置10は、ユーザが選択したOD区間を通過するように走行ルートを探索して車載機100に送信し、車載機100は、受信した走行ルートで案内するので、ユーザは、走行ルートを走行することによりランキング結果を確認することができる。これにより、ユーザは、車載機100による案内時に省燃費運転を意識しながら走行するようになるので、ユーザの省燃費運転の意識を高めることができる。
ユーザが選択したOD区間を通過するように走行ルートが探索されるので、省燃費運転の興趣を高めることができる。この場合、各OD区間の燃料消費量の予測値とチャンピオンデータとを表示するようにしたので、ユーザは、予測値とチャンピオンデータとを目安にOD区間を選択するようになる。これにより、選択したOD区間のデータ、特にチャンピオンデータを更新しようと励むようになるので、ユーザの省燃費運転の意識を一層高めることができる。
【0036】
車載機100からサーバ装置10にOD区間を構成するリンクの終端となるノードに到達するタイミングで走行リンクの実燃料消費量をアップするようにしたので、サーバ装置10は、ランキング対象区間を構成するリンク毎の実燃料消費量を効果的に管理することができる。
サーバ装置10が決定したOD区間におけるランキング結果をユーザに提示するようにしたので、ユーザは、ランキングを確認することにより省燃費運転を一層意識するようになる。
尚、ガソリン等を燃料とした内燃機関ではなく、電動機を動力発生源として利用する電気自動車においては、燃料消費量の代わりに電力消費量(エネルギー消費量に相当)に基づいて対象OD区間燃料消費量実績値14を更新するとよい。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図15を参照して説明する。この第2実施形態は、サーバ装置10が推奨の走行ルートを探索する点に特徴を有する。図15は、サーバ装置10の動作の内、経路探索処理に関する動作のみを抽出して示すフローチャートである。
サーバ装置10は、車両の現在地及び目的地の位置情報を受信したときは(S1501:YES)、推奨経路(推奨ルート)を経路探索する(S1502)。この経路探索処理は、地図データ12に格納される経路データ及び走行情報データベース13に記憶される情報に基づいて実行され、現在位置に最寄りの代表地点1及び、目的地に最寄りの代表地点2のコストの積和値が最小となるように周知のダイクストラ法等を用いてそれぞれ探索する。具体的には、複数存在する代表地点の中から、現在位置及び目的地からそれぞれ最短距離に存在する代表地点1,2を選択する。
【0038】
現在位置に最寄りの代表地点1から目的地に最寄りの代表地点2との間の経路においては、次に、経路探索結果はOD区間を通過する経路かを判断し(S1503)、OD区間を通過する経路の場合は(S1503:YES)、OD区間の経路には上述したチャンピオンデータ経路を採用し(S1504)、マージした経路情報を送信する(S1505)。例えば、図2における代表地点1から代表地点5に到達する場合の経路には、1−2−5、1−4−5、1−3−5、1−3−2−5等が考えられるが、その中からコストの積算値が最小値で代表地点5に到達可能な推奨経路を選択する。この場合の推奨経路が「1−2−5」の経路の場合は、「1−2」及び「2−5」の代表地点間の経路は、対象OD区間燃料消費量実績値14に記憶される経路が参照される。例えば、図4によると、「1−2」の代表地点間の経路は「代表地点1⇒リンクa⇒ノードA⇒リンクb⇒代表地点2」である。そして、制御部19にて探索された現在位置から目的地に至る経路は、車両が走行する順に各リンク及びノードの識別番号が羅列された経路情報として車載機100に送信される。一方、経路探索結果はOD区間を通過する経路でない場合は(S1503:NO)、経路情報を送信して(S1506)、終了する。
【0039】
このような実施形態によれば、サーバ装置10側で探索した推奨経路がOD区間を通過する経路の場合は、OD区間を構成する経路(リンク)にはチャンピオンデータ経路を採用するようにしたので、サーバ装置10が探索した走行ルートに含まれるOD区間を走行する際において省燃費運転の意識を一層高めることができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図16を参照して説明する。この第3実施形態は、サーバ装置10がOD区間を含む走行ルートして省燃費となる走行ルートを探索する点に特徴を有する。図16は、サーバ装置10の動作の内、経路探索処理に関する動作のみを抽出して示すフローチャートであり、第2実施形態を示す図16のフローチャートと異なる点は、サーバ装置が出発地から目的地までの経路探索する場合にコストの低い推奨経路に代えて燃料消費量の少ない省燃費経路を探索し、経路探索した走行ルートにOD区間を通過する経路がある場合に、OD区間の経路にチャンピオンデータ経路を採用する点にある。
【0041】
具体的には、現在位置に最寄りの代表地点1から目的地に最寄りの代表地点2との間の経路においては、走行情報データベース13に記憶される燃料消費量の積和が最も短くなるように省燃費経路が選択される(S1602)。例えば、図2における代表地点1から代表地点5に到達する場合の経路には、1−2−5、1−4−5、1−3−5、1−3−2−5等が考えられるが、その中からチャンピオンデータで代表地点5に到達可能な経路を選択する。図4によると、「1−2−5」の経路は、「1−2」のチャンピオンデータが2L、「2−5」のチャンピオンデータが1.8Lであるので、合計3.8Lの燃料消費量であることが分かる。このように代表地点1から5に到達する場合の経路において、「1−2−5」の経路がチャンピオンデータである経路の場合、「1−2−5」の経路が選択される。そして、「1−2」及び「2−5」の代表地点間の経路は、対象OD区間燃料消費量実績値14に記憶される経路が参照される。例えば、図4によると、「1−2」の代表地点間の経路は「代表地点1⇒リンクa⇒ノードA⇒リンクb⇒代表地点2」である。
【0042】
このような実施形態によれば、サーバ装置10が探索した省燃費経路がOD区間を通過する経路の場合は、OD区間を構成する経路(リンク)にはチャンピオンデータ経路を採用するようにしたので、サーバ装置10が探索した走行ルートに含まれるOD区間を走行する際において省燃費運転の意識を一層高めることができる。
【0043】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図17及び図18を参照して説明する。この第4実施形態は、ユーザが目的地を設定していない場合においてもエコランキングサービスを受けることが可能なことを特徴とする。
図17は車載機100の動作の内、ランキングサービスに関する動作を抽出して示すフローチャート、図18はサーバ装置10の動作の内、ランキングサービスに関する動作を抽出して示すフローチャートである。車載機100は、IGキーのON状態では(S1701:YES)、位置情報及び燃料消費量を定期的にサーバ装置10にアップする(S1702)。サーバ装置10は、情報を受信したときは(S1801)、登録されている代表地点を通過したかを判断し(S1802)、通過したときは(S1802:YES)、情報を受信し(S1803)、通過した代表地点の付近の代表地点を通過したかを判断する(S1804)。代表地点を通過したときは(S1802:YES)、情報から代表地点間の燃料消費量を算出する(S1805)。つまり、各代表地点間がOD区間に設定されるので各OD区間における燃料消費量情報として自動的に蓄積されることになる。そして、OD区間におけるランキング処理を実行する(S1806)。このランキング処理では、各OD区間における燃料消費量情報に基づいて車両が所属するグループにおける現在のチャンピオンデータよりも燃料消費量が少ないデータをチャンピオンデータとして更新すると共に燃料消費量の順位を更新する。次に、このようなランキング処理により求めたランキング結果を記憶してから(S1807)、ランキング結果を車載機100に送信する(S1808)。そして、車載機100は、ランキング結果を受信したときは(S1703:YES)、ランキング結果を表示し(S1704)、IGキーがOFFしたときは(S1705:YES)、終了する。
【0044】
このような実施形態によれば、ユーザは、OD区間或いは走行ルートにかかわらず代表地点を通過する毎にランキング結果を知ることができるので、常に省燃費運転の意識を持って運転するようになる。
【0045】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
サーバ装置10は、走行情報データベース13に記憶する省燃費運転情報として、燃料消費量に代えて走行時間を記憶するようにしてもよい。即ち、代表地点間を走行する際に要する燃料消費量に基づいてサーバ装置10の走行情報データベース13を更新するのではなく、図19に示すように、代表地点間を走行する際の走行時間に基づいてチャンピオンデータ或いはランキングデータを更新するのである。つまり、車載機100は、走行情報記録部140に、走行時間を、各代表地点間を走行した際に記憶してサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、実際に車両が各代表地点間を走行した際に走行時間が短かった場合に、走行情報データベース13に記憶されるその代表地点間の経路及び走行時間を更新する。これによれば、OD区間の燃料消費量に代えて走行時間でチャンピオンデータ或いはランキングデータが決定されるので、ユーザは、信号による停止を回避した走行、或いは渋滞を避けた走行により省燃費運転に励むようになる。
【0046】
チャンピオンデータは1日に1度更新されるようにしてもよいし、古いデータから削除していってもよいし、図20に示すように、時間帯や曜日ごとに情報を保持するようにしてもよい。
車載機100側で走行ルートを探索し、サーバ装置10から受信したOD区間を通過するように走行ルートを修正するようにしてもよい。このような構成によれば、サーバ装置の負担を軽減することができると共にサーバ装置との通信が不可能な場合であっても走行ルートで案内することができる。この場合、複数のOD区間が提示された場合は、所望のOD区間を選択可能としてもよいし、サーバ装置10から受信したチャンピオンデータが示すOD区間を通過するように走行ルートを修正するようにしてもよい。
車載機100から燃料消費量或いは走行時間をサーバ装置10に定期的に送信し、サーバ装置10は、車両の走行状態を管理することによりOD区間を通過した車両のランキング情報を決定して車載機100に送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
図面中、10はサーバ装置、19は制御部(ランキング対象区間管理手段、省燃費運転情報管理手段、検索手段、ランキング対象区間送信手段、探索手段、走行ルート送信手段、ランキング決定手段、ランキング送信手段)、100は車載機(車両用装置)、150は表示装置(表示手段)、160は操作スイッチ群(選択手段)、190は制御部(位置情報送信手段、省燃費運転情報送信手段、選択ランキング対象区間送信手段、予測手段、予測値送信手段)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車両用装置と、この車両用装置から収集した情報を管理するサーバ装置とからなる車両管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が日常走行する経路の例えば燃料消費量を知ることは、環境にやさしいエコライフを目指す運転者にとって興味があると共に必要な情報である。昨今、地球の温暖化の影響による異常気象などが多発・頻発しており、人類が多量の二酸化炭素を排出した結果が多くの生態系の生命を脅かす事態を引き起こしている。一人一人が自己の生活の中で省燃費運転の意識を持たなければならない時代となった。このような省燃費運転の意識を高めるための手段として、各道路(リンク)ごとの燃料消費量を保存してユーザに提供するサーバ装置や、燃料消費量が最小となる走行ルートを探索するナビシステムに関する技術が各種提案されている。例えば特許文献1には、リンクを走行する車両の速度及び加速度に基づいてエコ指数を求め、そのエコ指数に基づいてエネルギー効率の高い推奨ルートを提案することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−45992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、あるユーザが所定の経路(出発地から目的地)を走行した場合に、サーバ装置から提案された推奨ルートを単に走行するだけであり、ユーザに対して省燃費運転の意識を啓発することはできない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザに省燃費運転の意識を啓発することができる車両管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によれば、サーバ装置は車両用装置に対してランキング対象区間を送信するので、そのランキング対象区間を地図上に表示することで、ユーザに対してサーバ装置により管理されているランキング対象区間を走行する際に省燃費運転を意識させることができる。
請求項2の発明によれば、サーバ装置は、ランキング対象区間を走行する走行ルートを探索して車両用装置に送信し、車両用装置は、サーバ装置から受信した走行ルートを表示するので、ユーザは、案内された走行ルートを走行することで省燃費運転を意識するようになる。
請求項3の発明によれば、サーバ装置において、ユーザが選択したランキング対象区間を通過するように走行ルートが探索されるので、ユーザの省燃費運転の意識を一層高めることができる。
請求項4の発明によれば、車両用装置にて走行ルートを探索するので、サーバ装置の負担を軽減することができると共にサーバ装置との通信が不可能な場合であっても走行ルートで案内することができる。
【0006】
請求項5の発明によれば、車両用装置において、ユーザが選択したランキング対象区間を通過するように走行ルートが探索されるので、ユーザの省燃費運転の意識を一層高めることができる。
請求項6の発明によれば、ユーザに対してランキング対象区間を走行する際の予測値が提示されるので、ユーザは、予測値を意識することにより省燃費運転を一層意識するようになる。
請求項7の発明によれば、ユーザに対してランキング対象区間を走行する際の最優秀実績値が提示されるので、ユーザは、最優秀実績値を意識することにより省燃費運転を一層意識するようになる。
請求項8の発明によれば、探索したコストの積算値が最小となる推奨ルートにランキング対象区間が含まれる場合は、ランキング対象区間として最優秀実績値のリンクがユーザに提示されるので、ユーザは最優秀実績値を上回ろうと省燃費運転に励むようになる。
【0007】
請求項9の発明によれば、走行ルート全体にわたって省燃費ルートがユーザに提示されるので、省燃費運転に最大に貢献することができる。
請求項10の発明によれば、サーバ装置は、各車両の省燃費運転情報を定期的に管理することができる。
請求項11の発明によれば、ランキング対象区間を構成するリンク毎の省燃費運転情報を効果的に管理することができる。
請求項12の発明によれば、ユーザはランキング対象区間を走行する際にエネルギー消費量を意識するようになる。
請求項13の発明によれば、ランキング対象区間における走行時間を意識するようになる。
請求項14の発明によれば、サーバ装置が決定したランキング対象区間におけるランキングをユーザに提示するので、ユーザは、ランキングを確認することにより省燃費運転を一層意識するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態におけるナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図
【図2】説明のために例示した代表地点1〜5の位置関係を示す概略図
【図3】代表地点1から2に到達する場合の経路を示した図
【図4】チャンピオンデータを示す図
【図5】ランキングデータを示す図
【図6】更新状態を示す図4相当図
【図7】エコランキング対象車両情報のサーバ登録の通信シーケンスを示す図
【図8】エコランキングサービスに参加中の車載機とサーバ装置との間の通信シーケンスを示す図
【図9】車載機とサーバ装置の動作を概略的に示す図
【図10】リンクの燃料消費量をアップすることを説明する図
【図11】ランキング結果の表示を示す図
【図12】経路案内処理を示すフローチャート
【図13】車両が代表地点間を走行した場合のサーバ装置と車載機との間の通信シーケンスを示す図
【図14】ランキング処理を示すフローチャート
【図15】本発明の第2実施形態における経路探索処理に関する動作のみを抽出して示すフローチャート
【図16】本発明の第3実施形態における経路探索処理に関する動作を抽出して示すフローチャート
【図17】本発明の第4実施形態における車載機側のランキングサービスに関する動作を抽出して示すフローチャート
【図18】サーバ側のランキングサービスに関する動作を抽出して示すフローチャート
【図19】本発明のその他の実施形態を示す図6相当図
【図20】本発明のその他の実施形態を示す図4の一部相当図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明をナビゲーションシステムに適用した第1実施形態について図1ないし図14を参照して説明する。図1は、ナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図である。ナビゲーションシステムは、サーバ装置10と、車載機100(車両用装置に相当)とによって構成されている。
サーバ装置10の構成について説明する。サーバ装置10は、通信装置11、地図データ・経路データ記憶部12、走行情報データベース13、対象OD区間燃料消費量実績値14、エコランキング対象OD区間情報15、対象OD区間リンク番号ノード緯度経度対応テーブル16、ユーザ情報17、エコランキング対象車両情報18、及び制御部19(ランキング対象区間管理手段、省燃費運転情報管理手段、検索手段、ランキング対象区間送信手段、探索手段、走行ルート送信手段、ランキング決定手段、ランキング送信手段に相当)から構成されている。尚、OD区間とは所定の経路(OD:Origin(出発地)→Destination(目的地))を意味するもので、後述するエコランキングサービスを実施するランキング対象区間に相当する。
【0010】
通信装置11は、電波送受信器等で構成され、車載機100との間で情報の送受信を行う。尚、通信手段として、自動車電話、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)等の通信システムを利用してもよい。
地図データ・経路データ記憶部12には、最新の道路地図データが記憶されており、経路探索用の経路情報が格納されている。経路情報には、最新の道路地図データが、接続地点を示すノードと、このノード間を接続するリンクからなるネットワーク情報として記憶されている。各道路及び交差点に該当するリンク及びノードには、例えば、各リンクやノードに付与された識別番号や、高速道路、有料道路、主要幹線道路、細街路等の道路種別、右左折禁止、一方通行、制限速度等の交通規制、幅員の広狭、車線数の多寡数、勾配等の情報が付与されており、それら情報に基づき各リンク及びノードにはコストが設定されている。また、交通量の多い交差点、主要幹線道路同士が交わる交差点等に該当するノードを予め代表地点として記憶する。代表地点についての詳細な説明は後述する。
【0011】
走行情報データベース13には、後述するように地図データ・経路データ記憶部12に記憶されるOD区間を車両が走行する際の経路と、その燃料消費量が記憶される。
対象OD区間燃料消費量実績値14には、過去にOD区間を走行した車両から収集した情報が記憶されている。エコランキング対象OD区間情報15には、後述するように所定の代表地点を接続する経路の内、エコランキング対象区間として適切なリンクから構成されたOD区間に関する情報が記憶されている。対象OD区間リンク番号ノード緯度経度対応テーブル16には、OD区間のリンク番号と、ノードの緯度経度が対応して記憶されている。ユーザ情報17には、ユーザごとに過去のエコランキング結果や運転特性が記憶されている。エコランキング対象車両情報18には、車両形式、排気量、車重、CD値(空気抵抗係数)が記憶されており、ユーザの車両がどの車両グループに属するかを区別できるように情報が記憶されている。
【0012】
制御部19は、CPU、ROM、RAM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに従って、車載機100との間でデータを送受信する通信処理、車両の現在位置から目的地に至るまでの最適な経路を計算する経路探索処理、走行情報データベース13に記憶される各代表地点間の経路及び燃料消費量を更新する情報更新処理等を行うのに加えて、燃料消費量予測、OD区間省燃費ルート探索、エコランキングサービス、車載機HMI(Human Machine Interface)等を実行する。
【0013】
次に、車載機100の構成について説明する。車載機100は、通信装置110、地図データベース120、自車位置検出部130(取得手段に相当)、走行情報記録部140、表示装置150(表示手段に相当)、操作スイッチ群160(選択手段に相当)、音声出力装置170、制御部190から構成されている。
通信装置110は、電波送受信器等で構成され、サーバ装置10との間でデータの送受信を行う。
地図データベース120には、最新の道路地図データが記憶されており、経路探索用の経路情報が格納されている。経路情報には、最新の道路地図データが、接続地点を示すノードと、このノード間を接続するリンクからなるネットワーク情報として記憶されている。表示装置150に地図を描画するために地図データをユニット化した描画データ121、目的地に至る経路におけるノード及びリンクの識別番号を照合するために必要な経路データ122、及び図示しない案内用の画像や音声データが格納されている。描画データ121には、道路や線路、建造物、私有地等といった施設のポリゴンデータや、海や河川等の地形を描画するための背景データ、及び、地図上に存在する各種施設に対するそれぞれの位置情報等を記憶する施設データが記憶されている。また、経路データ122には、サーバ装置10の経路データと同様の情報が記憶されている。
【0014】
自車位置検出部130は、GPS(Global Positioning System)からの送信電波を、図示しないGPSアンテナを介して受信することで自車位置と現在時刻を検知するGPS受信機131と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロセンサ132と、車両の速度を検出するための速度センサ133とを備えている。自車位置検出部130は、これらの各検出信号に基づき位置座標及び進行方向の組として車両の現在の自車位置を算出する。検出された自車位置は、地図データベース120における地図上に位置決めされる。また、これらセンサ等131乃至133は、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら自車位置の検出を行うように構成されている。尚、自車位置検出部130は、上述した内の一部のセンサで構成してもよいし、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサや、ステアリングの回転角センサ等を加えて構成してもよい。
【0015】
走行情報記録部140には、自車位置検出部130にて検出された自車位置が走行した経路及び当該経路を走行中の時刻及び消費燃料量等が記録される。具体的には、車両が走行した道路及び交差点等に該当するリンク及びノードの識別番号を車両が走行した順に記憶することで走行した経路を記録する。また、各ノードを通過する度に、通過した時刻及び燃料消費量をノードの識別番号と共に記録する。これにより、各経路を走行した際の走行時間及び燃料消費量を算出することができる。尚、上述の走行時間及び燃料消費量算出処理は制御部190にて実行される。
【0016】
表示装置150は、カラー表示可能な液晶ディスプレイからなる。表示装置150の表示画面には、描画データ121に記憶されている道路や施設といった背景データ等から構成される地図と、車両の現在位置を示すマークや、目的地までの誘導経路等が地図に重ねて表示される。尚、各種施設の記号データや名称、目印、渋滞情報等を地図に重ねて表示させてもよい。表示装置150としては、液晶ディスプレイ以外にも、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等があるが、その何れを用いてもよい。
【0017】
操作スイッチ群160(選択手段に相当)は、表示装置150と一体に構成され、表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置150の周囲に設けられた釦スイッチ等が用いられる。尚、タッチパネルと表示装置150とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などがあるが、何れを用いてもよい。
音声出力装置170は、スピーカーから成り、地図データベース120に記憶されている案内用の音声データ等に基づいて各種案内の音声を出力する。
エコランキング対象OD区間スタート・エンド位置情報180には、後述するようにサーバ装置10から受信したOD区間のスタート位置とエンド位置の緯度経度が記憶される。
【0018】
制御部190(位置情報送信手段、省燃費運転情報送信手段、選択ランキング対象区間送信手段、予測手段、予測値送信手段に相当)は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。そして、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、サーバ装置10との間で情報を送受信する通信処理、操作スイッチ群160による操作によって指示された範囲の地図等を表示装置150に表示する地図表示処理、サーバ装置10から送信される経路データに基づいてユーザを目的地まで案内する案内処理等を行うと共に、後述するエコランキングサービスを実行する。
【0019】
ここで、上述した代表地点について詳細に説明する。図2は、説明のために例示した代表地点1〜5の位置関係を示す概略図である。代表地点は、後述するように規定された交通量の多い交差点、主要幹線道路同士が交わる交差点等であり、各代表地点間を結ぶ経路は1通りでないのが一般的である。例えば、代表地点1から2に到達するための経路は、図2に示すように経路1〜3の3通りある。図3は、代表地点1から2に到達する場合の経路1〜3を示した図であり、それぞれ経路1〜3は異なるリンク及びノードであることが分かる。例えば、経路2は、代表地点1⇒リンクc⇒ノードB⇒リンクd⇒代表地点2と走行する経路である。
【0020】
上述したように代表地点は交通量の多い交差点、或いは主要幹線道路同士が交わる交差点等であるが、エコランキングサービスのためには燃料消費量をユーザ間で比較できる妥当な5kmから15km程度の走行距離が得られるような代表地点を候補ノードに設定するのが望ましい。つまり、ユーザが稀にしか走行しないようなOD区間ではランキングの意味を持たないからである。また、比較的、交通量のある全国の主要交差点を候補ノードとする必要はあるが、常時渋滞が発生するOD区間は省燃費の観点から避けるのが望ましい。
【0021】
以上の観点から、次の条件の何れか、或いは所定の複数条件を満足するOD区間を選択対象とする。
(1)OD区間を直線で結んだ直線距離が5kmから15kmの範囲とする。(市街地で10〜30分の走行時間を見込んでいる。買い物や墓参り、家族の送り迎えなど日常での使用を想定。)
(2)OD区間の信号停止回数は5〜10回、道路規制・渋滞時は最大15回停止とする。
(3)OD区間のスタート・エンドポイントは政令指定都市市道以上の主要道交差点とする。
(4)OD区間経路は少なくともその方向に向かって複数の快速道が選択でき、バイパス路が存在する。
(5)OD区間は5ルート探索で3ルートはそのポイントを通る位置に設定する。
(6)OD区間経路に路線バス、または地下鉄が走っている経路が少なくとも1つ存在する。
(7)どのOD区間経路も必ず右左折コストが複数存在する。
(8)交通道路管理者(警察)のカメラ、車両感知器、光ビーコン、路上ディスプレーなどが設置されている路線が一部存在する。
(9)バス優先レーンまたは専用レーンのある経路が少なくとも1つ存在する。
(10)渋滞発生率全国ワースト50以外の交差点とする。
【0022】
対象OD区間燃料消費量実績値14には、図4に示すチャンピオンデータ(最優秀実績値に相当)と、図5に示すランキングデータとが記憶される。チャンピオンデータは各代表地点間の経路において最小となる燃料消費量を示すデータであり、ランキングデータは同一の各代表地点間の経路における燃料消費量の少ない順位を示すデータである。対象OD区間燃料消費量実績値14には、チャンピオンデータ及びランキングデータとして各代表地点間の経路及び燃料消費量が記憶されている。例えば、図4に基づくと、代表地点1から2へ走行する場合は、図3における経路1「代表地点1⇒リンクa⇒ノードA⇒リンクd⇒リンクd⇒代表地点2」を走行した車両の燃料消費量が2Lの場合がチャンピオンデータであることが分かる。また、対象OD区間燃料消費量実績値14に記憶される各代表地点間の経路及び燃料消費量は、その代表地点間を走行する際に要する燃料消費量、及びその経路であり、図6に示すように、車載機100から送信される情報に基づいて適宜更新される。
【0023】
さて、エコランキングサービスに参加して省燃費運転を競争する場合に、異なる車種で競争することに意味がないことから、図4及び図5に示すようにチャンピオンデータ及びランキングデータは同一グループ毎に管理されている。例えばA車とは、同一グループの車両(同一メーカ、同一車種、同一型式、同一車重、同一車形、同一排気量、同一CD値(空気抵抗係数))に分類された車両を指す。尚、グループとしては、同一メーカではなく他のメーカであってもよいし、同一車重、同一車形、同一排気量、同一CD値の何れか、或いは何れかの組み合わせであってもよい。尚、同一とは同レベルであれば同一グルーブとして分類する概念である。
【0024】
エコランキングサービスに参加するには、まず、車両情報をサーバ装置10に登録する必要がある。図7は、エコランキング対象車両情報のサーバ登録の通信シーケンスを示している。車載機100は、予めサーバ装置10に登録したユーザIDとパスワードが入力されたときは、それらをサーバ装置10に送信する(S701)。サーバ装置10は、ユーザIDとパスワードが予め登録されている正しいものかを判断し(S702)、正しくない場合は(S702:NO)、入力エラーであるとして(S704)、ユーザIDとパスワードの再入力を促す。ユーザIDとパスワードが正しい場合は(S704:YES)、車載機100に車台番号入力画面を送信する(S703)。
【0025】
車載機100は、表示した車台番号入力画面に車台番号が入力されたときは、入力された車台番号をサーバ装置10に送信する(S705)。サーバ装置10は、受信した車台番号が有るかを図示しない車両データベース(DB)を検索する(S706)。この車両DBは、エコランキングサービスに登録された車両の車両情報を記録したデータベースである。次に、対象車両が有るかを判断し(S707)、対象車両が無い場合は(S707:NO)、対象車両なしエラーを車載機100に送信する(S711)。対象車両が有る場合は(S707:YES)、車両DBからエコランキング対象車両情報を読込み(S708)、エコランキング対象車両情報18に登録し(S709)、エコランキング対象車両情報登録完了を車載機100に通知する(S710)。
車載機100は、エコランキング対象車両DB登録完了通知を受信したときは(S712)、登録処理を終了する。
以上のようにして、車両をエコランキングサービスに登録してエコランキングサービスに参加することができる。
【0026】
図8はエコランキングサービスに参加中の車載機100とサーバ装置10との間の通信シーケンスを示し、図9は車載機100とサーバ装置10の動作を概略的に示している。
車載機100は、ユーザにより操作スイッチ群160を介してエコランキングサービスにエントリーしてから(S901)、目的地が入力された場合は位置情報をアップする(S902)。この位置情報には、自車を識別する車両ID情報、自車位置検出部130にて検出された車両の現在位置、及び、目的地の経度・緯度情報が含まれる。サーバ装置10は、受信した位置情報に基づいて目的地方向の候補OD区間をリストアップする(S903)。例えば、現在地に最寄りの代表地点として、現在地から目的地に向かって左右60度方向の範囲内に存在する代表地点を抽出し、目的地に最寄りの代表地点として、目的地から現在位置に向かって左右60度方向の範囲内に存在する代表地点を抽出し、それらの代表地点間を候補OD区間とする。候補OD区間が複数存在する場合としては、各OD区間が並列に位置する場合、或いは直列に位置する場合等がある。
【0027】
次に、燃料消費量履歴からチャンピオン値(チャンピオンデータ)を読み出し(S904)、各OD区間に対して燃料消費量の予測値を算出する(S905)。この燃料消費量の予測値は、経路データに記憶されている制限速度等の交通規制、幅員の広狭、車線数の多寡数、勾配等の情報に基づいて所定の演算式により算出するものである。そして、各候補OD区間の情報と、これらのOD区間に対応する予測値及びチャンピオン値を車載機100に送信する(S906)。
【0028】
車載機100は、受信したOD区間の情報をエコランキング対象OD区間スタート・エンド位置情報180に記憶する。また、車載機100には、各候補OD区間と、これらのOD区間に対応する予測値及びチャンピオン値が表示されるので、ユーザは、エコランキングを行いたいと思う所望のOD区間を選択する。車載機100は、ユーザによりOD区間が選択された場合は(S907:YES)、選択OD区間をアップする(S908)。尚、図9には示していないが、ユーザが複数のOD区間を選択する毎に選択OD区間をアップするようになっている。サーバ装置10は、全てのOD区間の選択が終了したときは、選択された一つまたは複数の指定OD区間を通過する省燃費ルートを探索する(S909)。尚、現在地から最寄りの代表地点までの経路、及び、目的地に最寄りの代表地点から目的地までの経路は、コストの積和値が最小となるように周知のダイクストラ法等を用いて探索される。そして、以上のように探索した走行ルートを車載機100に送信する。
車載機100は、サーバ装置10が探索した走行ルートで案内を開始し(S911)、候補OD区間スタートポイント(代表地点1)となったかを判断する(S912)。尚、ユーザが候補OD区間を選択しなかった場合は(S907:NO)、直ちに候補OD区間スタートポイントとなったかを判断する(S912)。
【0029】
車載機100は、候補OD区間スタートポイント(代表地点1)に到達してから、候補OD区間エンドポイント(代表地点2)となるまで、走行リンクの実燃料消費量をサーバ装置にアップし(S913)、サーバ装置10は、受信した走行リンクの実燃料消費量(省燃費運転情報に相当)を対象OD区間燃料消費量実績値14に登録する。このように車載機100が走行リンクの実燃料消費量をサーバ装置10にアップする方法としては、車両用ネットワークである例えばCAN(Controller Area Network)を通じて燃料噴射ECU(Electronic Control Unit)から燃料噴射量を取得してアップするもので、計測する単位はリンク単位とし、例えば図10に示すリンクL2での燃料消費量はノードN1からノードN2までの燃料噴射量を積算して算出する。そして、図10に示すように車両がノードN2を通過した時点でプローブデータとしてリンクの燃料消費量をアップする。アップするプローブデータは、リンク番号、燃料消費量、リンク旅行時間、停止回数などである。
【0030】
車載機100は、候補OD区間エンドポイント(代表地点2)となると(S915:YES)、OD区間完走ステータスをアップする(S916)。すると、サーバ装置10は、同一のOD区間に対して燃料消費量の実績値を比較し(S917)、ランキング処理してから(S918)、ランキング結果、予測値、及びチャンピオン値を車載機100に送信する(S919)。そして、車載機100は、図11に示すようにランキング結果を表示する(S920)。尚、ランキング結果に応じてエコポイントが付与されるようになっており、図11には示していないが付与されるエコポイントも同時に表示される。このエコポイントはランキング結果に応じて車両の所有者に与えられる特典であり、エコポイントを貯めることにより例えばエコランキングサービスのスポンサーが提供する所望の商品に交換可能となっている。
【0031】
次に、車載機100による経路案内処理を図12に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、車載機100の動作の内、経路案内処理のみを抽出して示している。車載機100は、自車位置を検出しており(S1201)、目的地が入力されると(S1202:YES)、現在地及び目的地の位置情報をサーバ装置10に送信する(S1203)。サーバ装置10から目的地に至る経路情報を受信すると(S1204:YES)、経路情報におけるノード及びリンクの識別番号を検索し、その経路情報に基づいて案内を開始する(S1205)。そして、目的地へ到着したときは(S1206:YES)、案内を終了する(S1207)。
【0032】
次に、車両が代表地点間を走行した場合のサーバ装置10と車載機100との間の通信シーケンスについて図13を参照して説明する。
車載機100は、代表地点間(例えば、代表地点1から代表地点2まで)を車両が走行した際の走行情報を走行情報記録部140に記録している(S1301〜S1303)。車両が代表地点2に到達すると(S1303:YES)、記録した代表地点1から代表地点2まで走行した際の燃料消費量(省燃費運転情報に相当)をサーバ装置10に送信する(S1304)。このとき送信する走行情報には、2つの代表地点の位置情報と、その代表地点間を走行した際の燃料消費量と、その代表地点間を走行した際の詳細経路データが含まれる。詳細経路データは、車両が代表地点間を走行した際に走行情報記録部140に記録される経路のリンク・ノード情報及び実際の燃料消費量である。
【0033】
サーバ装置10は、代表地点間の走行情報を受信すると、その走行情報を記憶し、制御部19にてランキング処理を実行する(S1305)。このランキング処理は、走行情報データベース13にて記憶されている各代表地点間のチャンピオンデータ(最小燃料消費量)及びその経路を走行情報に基づいて更新する。
尚、チャンピオンデータの場合においてのみ車載機100に詳細経路情報を要求するようにしても良く、通信量を抑制することが可能となる。この場合、2位以下のランキングデータには詳細経路情報は無いことになる。
【0034】
図14は、サーバ装置10が実行するランキング処理を示すフローチャートである。サーバ装置10は、代表地点間の燃料消費量を受信したときは(S1401:YES)、まず、受信した走行情報に含まれる情報から、走行情報を送信した車両が走行した代表地点間を決定し、走行情報に含まれる実際に車両が走行した際の燃料消費量が対象OD区間燃料消費量実績値14にて記憶されているその代表地点間のチャンピオンデータよりも少ないかを判断する(S1402)。ここで、走行情報に含まれる実際の燃料消費量がチャンピオンデータよりも少ない場合には(S1402:YES)、対象OD区間燃料消費量実績値14のチャンピオンデータ及びランキングデータを更新する(S1403)。一方、走行情報に含まれる実際の燃料消費量がチャンピオンデータよりも多い場合は(S1402:NO)、ランキングデータのみを更新する(S1405)。そして、ランキング結果を車載機100に送信するので(S1404)、ユーザは、ランキング結果を確認することにより自分の成績を確認することができる。
【0035】
このような実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
サーバ装置10は、ユーザが選択したOD区間を通過するように走行ルートを探索して車載機100に送信し、車載機100は、受信した走行ルートで案内するので、ユーザは、走行ルートを走行することによりランキング結果を確認することができる。これにより、ユーザは、車載機100による案内時に省燃費運転を意識しながら走行するようになるので、ユーザの省燃費運転の意識を高めることができる。
ユーザが選択したOD区間を通過するように走行ルートが探索されるので、省燃費運転の興趣を高めることができる。この場合、各OD区間の燃料消費量の予測値とチャンピオンデータとを表示するようにしたので、ユーザは、予測値とチャンピオンデータとを目安にOD区間を選択するようになる。これにより、選択したOD区間のデータ、特にチャンピオンデータを更新しようと励むようになるので、ユーザの省燃費運転の意識を一層高めることができる。
【0036】
車載機100からサーバ装置10にOD区間を構成するリンクの終端となるノードに到達するタイミングで走行リンクの実燃料消費量をアップするようにしたので、サーバ装置10は、ランキング対象区間を構成するリンク毎の実燃料消費量を効果的に管理することができる。
サーバ装置10が決定したOD区間におけるランキング結果をユーザに提示するようにしたので、ユーザは、ランキングを確認することにより省燃費運転を一層意識するようになる。
尚、ガソリン等を燃料とした内燃機関ではなく、電動機を動力発生源として利用する電気自動車においては、燃料消費量の代わりに電力消費量(エネルギー消費量に相当)に基づいて対象OD区間燃料消費量実績値14を更新するとよい。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図15を参照して説明する。この第2実施形態は、サーバ装置10が推奨の走行ルートを探索する点に特徴を有する。図15は、サーバ装置10の動作の内、経路探索処理に関する動作のみを抽出して示すフローチャートである。
サーバ装置10は、車両の現在地及び目的地の位置情報を受信したときは(S1501:YES)、推奨経路(推奨ルート)を経路探索する(S1502)。この経路探索処理は、地図データ12に格納される経路データ及び走行情報データベース13に記憶される情報に基づいて実行され、現在位置に最寄りの代表地点1及び、目的地に最寄りの代表地点2のコストの積和値が最小となるように周知のダイクストラ法等を用いてそれぞれ探索する。具体的には、複数存在する代表地点の中から、現在位置及び目的地からそれぞれ最短距離に存在する代表地点1,2を選択する。
【0038】
現在位置に最寄りの代表地点1から目的地に最寄りの代表地点2との間の経路においては、次に、経路探索結果はOD区間を通過する経路かを判断し(S1503)、OD区間を通過する経路の場合は(S1503:YES)、OD区間の経路には上述したチャンピオンデータ経路を採用し(S1504)、マージした経路情報を送信する(S1505)。例えば、図2における代表地点1から代表地点5に到達する場合の経路には、1−2−5、1−4−5、1−3−5、1−3−2−5等が考えられるが、その中からコストの積算値が最小値で代表地点5に到達可能な推奨経路を選択する。この場合の推奨経路が「1−2−5」の経路の場合は、「1−2」及び「2−5」の代表地点間の経路は、対象OD区間燃料消費量実績値14に記憶される経路が参照される。例えば、図4によると、「1−2」の代表地点間の経路は「代表地点1⇒リンクa⇒ノードA⇒リンクb⇒代表地点2」である。そして、制御部19にて探索された現在位置から目的地に至る経路は、車両が走行する順に各リンク及びノードの識別番号が羅列された経路情報として車載機100に送信される。一方、経路探索結果はOD区間を通過する経路でない場合は(S1503:NO)、経路情報を送信して(S1506)、終了する。
【0039】
このような実施形態によれば、サーバ装置10側で探索した推奨経路がOD区間を通過する経路の場合は、OD区間を構成する経路(リンク)にはチャンピオンデータ経路を採用するようにしたので、サーバ装置10が探索した走行ルートに含まれるOD区間を走行する際において省燃費運転の意識を一層高めることができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図16を参照して説明する。この第3実施形態は、サーバ装置10がOD区間を含む走行ルートして省燃費となる走行ルートを探索する点に特徴を有する。図16は、サーバ装置10の動作の内、経路探索処理に関する動作のみを抽出して示すフローチャートであり、第2実施形態を示す図16のフローチャートと異なる点は、サーバ装置が出発地から目的地までの経路探索する場合にコストの低い推奨経路に代えて燃料消費量の少ない省燃費経路を探索し、経路探索した走行ルートにOD区間を通過する経路がある場合に、OD区間の経路にチャンピオンデータ経路を採用する点にある。
【0041】
具体的には、現在位置に最寄りの代表地点1から目的地に最寄りの代表地点2との間の経路においては、走行情報データベース13に記憶される燃料消費量の積和が最も短くなるように省燃費経路が選択される(S1602)。例えば、図2における代表地点1から代表地点5に到達する場合の経路には、1−2−5、1−4−5、1−3−5、1−3−2−5等が考えられるが、その中からチャンピオンデータで代表地点5に到達可能な経路を選択する。図4によると、「1−2−5」の経路は、「1−2」のチャンピオンデータが2L、「2−5」のチャンピオンデータが1.8Lであるので、合計3.8Lの燃料消費量であることが分かる。このように代表地点1から5に到達する場合の経路において、「1−2−5」の経路がチャンピオンデータである経路の場合、「1−2−5」の経路が選択される。そして、「1−2」及び「2−5」の代表地点間の経路は、対象OD区間燃料消費量実績値14に記憶される経路が参照される。例えば、図4によると、「1−2」の代表地点間の経路は「代表地点1⇒リンクa⇒ノードA⇒リンクb⇒代表地点2」である。
【0042】
このような実施形態によれば、サーバ装置10が探索した省燃費経路がOD区間を通過する経路の場合は、OD区間を構成する経路(リンク)にはチャンピオンデータ経路を採用するようにしたので、サーバ装置10が探索した走行ルートに含まれるOD区間を走行する際において省燃費運転の意識を一層高めることができる。
【0043】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図17及び図18を参照して説明する。この第4実施形態は、ユーザが目的地を設定していない場合においてもエコランキングサービスを受けることが可能なことを特徴とする。
図17は車載機100の動作の内、ランキングサービスに関する動作を抽出して示すフローチャート、図18はサーバ装置10の動作の内、ランキングサービスに関する動作を抽出して示すフローチャートである。車載機100は、IGキーのON状態では(S1701:YES)、位置情報及び燃料消費量を定期的にサーバ装置10にアップする(S1702)。サーバ装置10は、情報を受信したときは(S1801)、登録されている代表地点を通過したかを判断し(S1802)、通過したときは(S1802:YES)、情報を受信し(S1803)、通過した代表地点の付近の代表地点を通過したかを判断する(S1804)。代表地点を通過したときは(S1802:YES)、情報から代表地点間の燃料消費量を算出する(S1805)。つまり、各代表地点間がOD区間に設定されるので各OD区間における燃料消費量情報として自動的に蓄積されることになる。そして、OD区間におけるランキング処理を実行する(S1806)。このランキング処理では、各OD区間における燃料消費量情報に基づいて車両が所属するグループにおける現在のチャンピオンデータよりも燃料消費量が少ないデータをチャンピオンデータとして更新すると共に燃料消費量の順位を更新する。次に、このようなランキング処理により求めたランキング結果を記憶してから(S1807)、ランキング結果を車載機100に送信する(S1808)。そして、車載機100は、ランキング結果を受信したときは(S1703:YES)、ランキング結果を表示し(S1704)、IGキーがOFFしたときは(S1705:YES)、終了する。
【0044】
このような実施形態によれば、ユーザは、OD区間或いは走行ルートにかかわらず代表地点を通過する毎にランキング結果を知ることができるので、常に省燃費運転の意識を持って運転するようになる。
【0045】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
サーバ装置10は、走行情報データベース13に記憶する省燃費運転情報として、燃料消費量に代えて走行時間を記憶するようにしてもよい。即ち、代表地点間を走行する際に要する燃料消費量に基づいてサーバ装置10の走行情報データベース13を更新するのではなく、図19に示すように、代表地点間を走行する際の走行時間に基づいてチャンピオンデータ或いはランキングデータを更新するのである。つまり、車載機100は、走行情報記録部140に、走行時間を、各代表地点間を走行した際に記憶してサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、実際に車両が各代表地点間を走行した際に走行時間が短かった場合に、走行情報データベース13に記憶されるその代表地点間の経路及び走行時間を更新する。これによれば、OD区間の燃料消費量に代えて走行時間でチャンピオンデータ或いはランキングデータが決定されるので、ユーザは、信号による停止を回避した走行、或いは渋滞を避けた走行により省燃費運転に励むようになる。
【0046】
チャンピオンデータは1日に1度更新されるようにしてもよいし、古いデータから削除していってもよいし、図20に示すように、時間帯や曜日ごとに情報を保持するようにしてもよい。
車載機100側で走行ルートを探索し、サーバ装置10から受信したOD区間を通過するように走行ルートを修正するようにしてもよい。このような構成によれば、サーバ装置の負担を軽減することができると共にサーバ装置との通信が不可能な場合であっても走行ルートで案内することができる。この場合、複数のOD区間が提示された場合は、所望のOD区間を選択可能としてもよいし、サーバ装置10から受信したチャンピオンデータが示すOD区間を通過するように走行ルートを修正するようにしてもよい。
車載機100から燃料消費量或いは走行時間をサーバ装置10に定期的に送信し、サーバ装置10は、車両の走行状態を管理することによりOD区間を通過した車両のランキング情報を決定して車載機100に送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
図面中、10はサーバ装置、19は制御部(ランキング対象区間管理手段、省燃費運転情報管理手段、検索手段、ランキング対象区間送信手段、探索手段、走行ルート送信手段、ランキング決定手段、ランキング送信手段)、100は車載機(車両用装置)、150は表示装置(表示手段)、160は操作スイッチ群(選択手段)、190は制御部(位置情報送信手段、省燃費運転情報送信手段、選択ランキング対象区間送信手段、予測手段、予測値送信手段)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車両用装置と、この車両用装置から収集した情報を管理するサーバ装置とからなる車両管理システムにおいて、
前記車両用装置は、
目的地が設定されたときは現在地及び目的地を示す位置情報を前記サーバ装置に送信する位置情報送信手段と、
地図データのリンク毎における省燃費運転の貢献度を示す省燃費運転情報を前記サーバ装置に送信する省燃費運転情報送信手段と、
前記サーバ装置からランキング対象区間を受信したときは、当該ランキング対象区間を地図上に表示する表示手段と、を備え
前記サーバ装置は、
地図データの所定のノード間を接続するリンクから構成されるランキング対象区間を管理するランキング対象区間管理手段と、
前記車両用装置から省燃費運転情報を受信したときは、当該省燃費運転情報を前記ランキング対象区間を構成するリンクに対応して管理する省燃費運転情報管理手段と、
前記車両用装置から前記位置情報を受信したときは、当該位置情報が示す現在地から目的地に向かう方向に位置する前記ランキング対象区間を検索する検索手段と、
前記検索手段が検索した前記ランキング対象区間を前記車両用装置へ送信するランキング対象区間送信手段と、を備えたことを特徴とする車両管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記車両用装置から位置情報を受信したときは前記ランキング対象区間を通過するように現在地から目的地までの走行ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段が探索した走行ルートを前記車両用装置に送信する走行ルート送信手段と、を備え
前記車両用装置の前記表示手段は、前記サーバ装置から走行ルートを受信したときは、当該走行ルートを地図上に表示することを特徴とする請求項1記載の車両管理システム。
【請求項3】
前記車両用装置は、
前記サーバ装置から複数のランキング対象区間を受信したときは、それらのランキング対象区間の中からユーザが任意のランキング対象区間を選択するための選択手段と、
前記選択手段により選択されたランキング対象区間を前記サーバ装置に送信する選択ランキング対象区間送信手段と、を備え、
前記サーバ装置の前記探索手段は、前記車両用装置から受信したランキング対象区間を通過するように前記走行ルートを探索することを特徴とする請求項2記載の車両管理システム。
【請求項4】
前記車両用装置は、
目的地が設定されたときは前記ランキング対象区間を通過するように現在地から目的地までの走行ルートを探索する探索手段を備え、
前記表示手段は、前記探索手段が探索した走行ルートを地図上に表示することを特徴とする請求項1記載の車両管理システム。
【請求項5】
前記車両用装置は、
前記サーバ装置から複数のランキング対象区間を受信したときは、それらのランキング対象区間の中からユーザが任意のランキング対象区間を選択するための選択手段を備え、
前記探索手段は、前記選択手段により選択されたランキング対象区間を通過するように前記走行ルートを探索することを特徴とする請求項4記載の車両管理システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、
前記ランキング対象区間におけるリンク毎の省燃費運転情報に相当する予測値を算出する予測手段と、
前記検索手段が検索した前記ランキング対象区間を構成するリンク毎の前記予測値を前記車両用装置に送信する予測値送信手段と、を備え、
前記車両用装置の前記表示手段は、前記サーバ装置から前記予測値を受信したときは、当該予測値を表示することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項7】
前記サーバ装置のランキング対象区間管理手段は、前記ランキング対象区間を構成するリンク毎の最優秀の省燃費運転情報である最優秀実績値を管理し、
前記サーバ装置のランキング対象区間送信手段は、前記検索手段が検索した前記ランキング対象区間を構成するリンク毎の前記最優秀実績値を前記車両用装置に送信し、
前記車両用装置の前記表示手段は、前記サーバ装置から前記最優秀実績値を受信したときは、当該最優秀実績値を表示することを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項8】
前記探索手段は、前記走行ルートを探索する場合はコストの積算値が最小値となる推奨ルートを探索し、探索した走行ルートが前記ランキング対象区間を通過する場合は当該ランキング対象区間を構成するリンクとして前記最優秀実績値のリンクを採用することを特徴とする請求項2ないし7の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項9】
前記探索手段は、走行ルートを探索する場合は省燃費運転情報が示す省燃費運転の貢献度が高い省燃費ルートを探索し、探索した走行ルートが前記ランキング対象区間を通過する場合は当該ランキング対象区間を構成するリンクとして前記最優秀実績値のリンクを採用することを特徴とする請求項2ないし7の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項10】
前記車両用装置の前記省燃費運転情報送信手段は、前記省燃費運転情報を定期的に送信することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項11】
前記車両用装置の前記省燃費運転情報送信手段は、前記ランキング対象区間を構成するリンクの終端となるノードの位置となったタイミングで当該リンクの省燃費運転情報を送信することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項12】
前記省燃費運転情報には少なくともエネルギー消費量が含まれることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項13】
前記省燃費運転情報には少なくとも走行時間が含まれることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項14】
前記サーバ装置は、
前記ランキング対象区間管理手段が管理するランキング対象区間の省燃費運転情報が示す省燃費運転の貢献度の順位を決定するランキング決定手段と、
前記ランキング決定手段が決定したランキング結果を示すランキング情報を前記車両用装置に送信するランキング送信手段と、を備え、
前記車両用装置の前記表示手段は、前記サーバ装置からランキング情報を受信したときは、当該ランキング情報が示すランキング結果を表示することを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項1】
車両に搭載された車両用装置と、この車両用装置から収集した情報を管理するサーバ装置とからなる車両管理システムにおいて、
前記車両用装置は、
目的地が設定されたときは現在地及び目的地を示す位置情報を前記サーバ装置に送信する位置情報送信手段と、
地図データのリンク毎における省燃費運転の貢献度を示す省燃費運転情報を前記サーバ装置に送信する省燃費運転情報送信手段と、
前記サーバ装置からランキング対象区間を受信したときは、当該ランキング対象区間を地図上に表示する表示手段と、を備え
前記サーバ装置は、
地図データの所定のノード間を接続するリンクから構成されるランキング対象区間を管理するランキング対象区間管理手段と、
前記車両用装置から省燃費運転情報を受信したときは、当該省燃費運転情報を前記ランキング対象区間を構成するリンクに対応して管理する省燃費運転情報管理手段と、
前記車両用装置から前記位置情報を受信したときは、当該位置情報が示す現在地から目的地に向かう方向に位置する前記ランキング対象区間を検索する検索手段と、
前記検索手段が検索した前記ランキング対象区間を前記車両用装置へ送信するランキング対象区間送信手段と、を備えたことを特徴とする車両管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記車両用装置から位置情報を受信したときは前記ランキング対象区間を通過するように現在地から目的地までの走行ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段が探索した走行ルートを前記車両用装置に送信する走行ルート送信手段と、を備え
前記車両用装置の前記表示手段は、前記サーバ装置から走行ルートを受信したときは、当該走行ルートを地図上に表示することを特徴とする請求項1記載の車両管理システム。
【請求項3】
前記車両用装置は、
前記サーバ装置から複数のランキング対象区間を受信したときは、それらのランキング対象区間の中からユーザが任意のランキング対象区間を選択するための選択手段と、
前記選択手段により選択されたランキング対象区間を前記サーバ装置に送信する選択ランキング対象区間送信手段と、を備え、
前記サーバ装置の前記探索手段は、前記車両用装置から受信したランキング対象区間を通過するように前記走行ルートを探索することを特徴とする請求項2記載の車両管理システム。
【請求項4】
前記車両用装置は、
目的地が設定されたときは前記ランキング対象区間を通過するように現在地から目的地までの走行ルートを探索する探索手段を備え、
前記表示手段は、前記探索手段が探索した走行ルートを地図上に表示することを特徴とする請求項1記載の車両管理システム。
【請求項5】
前記車両用装置は、
前記サーバ装置から複数のランキング対象区間を受信したときは、それらのランキング対象区間の中からユーザが任意のランキング対象区間を選択するための選択手段を備え、
前記探索手段は、前記選択手段により選択されたランキング対象区間を通過するように前記走行ルートを探索することを特徴とする請求項4記載の車両管理システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、
前記ランキング対象区間におけるリンク毎の省燃費運転情報に相当する予測値を算出する予測手段と、
前記検索手段が検索した前記ランキング対象区間を構成するリンク毎の前記予測値を前記車両用装置に送信する予測値送信手段と、を備え、
前記車両用装置の前記表示手段は、前記サーバ装置から前記予測値を受信したときは、当該予測値を表示することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項7】
前記サーバ装置のランキング対象区間管理手段は、前記ランキング対象区間を構成するリンク毎の最優秀の省燃費運転情報である最優秀実績値を管理し、
前記サーバ装置のランキング対象区間送信手段は、前記検索手段が検索した前記ランキング対象区間を構成するリンク毎の前記最優秀実績値を前記車両用装置に送信し、
前記車両用装置の前記表示手段は、前記サーバ装置から前記最優秀実績値を受信したときは、当該最優秀実績値を表示することを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項8】
前記探索手段は、前記走行ルートを探索する場合はコストの積算値が最小値となる推奨ルートを探索し、探索した走行ルートが前記ランキング対象区間を通過する場合は当該ランキング対象区間を構成するリンクとして前記最優秀実績値のリンクを採用することを特徴とする請求項2ないし7の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項9】
前記探索手段は、走行ルートを探索する場合は省燃費運転情報が示す省燃費運転の貢献度が高い省燃費ルートを探索し、探索した走行ルートが前記ランキング対象区間を通過する場合は当該ランキング対象区間を構成するリンクとして前記最優秀実績値のリンクを採用することを特徴とする請求項2ないし7の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項10】
前記車両用装置の前記省燃費運転情報送信手段は、前記省燃費運転情報を定期的に送信することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項11】
前記車両用装置の前記省燃費運転情報送信手段は、前記ランキング対象区間を構成するリンクの終端となるノードの位置となったタイミングで当該リンクの省燃費運転情報を送信することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項12】
前記省燃費運転情報には少なくともエネルギー消費量が含まれることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項13】
前記省燃費運転情報には少なくとも走行時間が含まれることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項14】
前記サーバ装置は、
前記ランキング対象区間管理手段が管理するランキング対象区間の省燃費運転情報が示す省燃費運転の貢献度の順位を決定するランキング決定手段と、
前記ランキング決定手段が決定したランキング結果を示すランキング情報を前記車両用装置に送信するランキング送信手段と、を備え、
前記車両用装置の前記表示手段は、前記サーバ装置からランキング情報を受信したときは、当該ランキング情報が示すランキング結果を表示することを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の車両管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−2873(P2013−2873A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132234(P2011−132234)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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