説明

車両誘導システム及び車両誘導方法

【課題】待機車両に対して効率的な誘導を行い、構内での車両待機時間を短縮する。
【解決手段】構内の所定位置に設置された複数の撮像装置と、前記構内の車両に対する所定エリアへの誘導を管理する構内車両誘導装置と、前記車両の誘導先を表示する表示装置とを含む車両誘導システムにおいて、前記構内車両誘導装置は、前記撮像装置により撮影された画像に含まれる前記車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段により得られる車両情報と、予め設定される前記構内における荷物の入出庫を仕分けする仕分け情報と、前記荷物を所定の地区へ配送する車両を管理する配車情報とに基づいて、前記車両を所定エリアへ誘導する誘導制御手段と、前記誘導制御手段により得られる前記車両に対する誘導先を前記表示装置に所定のタイミングで表示する表示制御手段とを有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両誘導システム及び車両誘導方法に係り、特に待機車両に対して効率的な誘導を行い、構内での車両待機時間を短縮するための車両誘導システム及び車両誘導方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、物流センター等の所定構内における車両誘導を行う場合に、構内に多数の監視カメラを配備すると共に、監視カメラで撮影された画像を誘導作業者が確認し、確認できた車両と、予め設定された車両入庫情報とに基づいて、無線機等を利用して車両のドライバーに指示を送って車両の誘導を行っていた。しかしながら、上述の車両誘導では、熟練された誘導作業者でなければ構内状況を把握した適切な誘導は不可能があった。
【0003】
なお、従来では、構内敷地の到着車両のドライバーに対して、受付場所で予め割り振られた構内携帯番号を貼り付けた携帯電話を渡し、受付端末が到着車両の運行番号、車番、発店、構内携帯番号の到着入力情報の入力し、構内待機所の各到着車両が入る待機場所エリア番号をサーバ側で管理し、到着入力情報が入力したとき、空いている待機場所エリアの番号を検索し、空き待機場所番号を、到着入力情報の構内携帯電話番号の携帯電話に送信する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述した特許文献1に示されている技術では、多数のバースをサーバ側で管理し、これらのバースの車両誘導エリアに空きがあるかどうかを検索し、検索した車両誘導エリア番号を携帯電話に送信する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−149771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示すような技術では、各車両のドライバーに携帯電話を割り当てる必要がありコスト面での負担が大きくなってしまう。また、特許文献1に示すような技術では、例えば構内への入庫車両に対して、積載された荷物にどこ行きの荷物が含まれるかを判断するための積載荷物情報や、構内で荷降ろしや積み込みを行う作業エリアの状況等を考慮して、待機車両に対して効率的な誘導を行う手法については存在していない。つまり、従来では、待機車両等から効率的に誘導車両を導出する手法は存在していない。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、待機車両に対して効率的な誘導を行い、構内での車両待機時間を短縮するための車両誘導システム及び車両誘導方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0009】
本発明の一態様における車両誘導システムは、構内の所定位置に設置された複数の撮像装置と、前記構内の車両に対する所定エリアへの誘導を管理する構内車両誘導装置と、前記車両の誘導先を表示する表示装置とを含む車両誘導システムにおいて、前記構内車両誘導装置は、前記撮像装置により撮影された画像に含まれる前記車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段により得られる車両情報と、予め設定される前記構内における荷物の入出庫を仕分けする仕分け情報と、前記荷物を所定の地区へ配送する車両を管理する配車情報とに基づいて、前記車両を所定エリアへ誘導する誘導制御手段と、前記誘導制御手段により得られる前記車両に対する誘導先を前記表示装置に所定のタイミングで表示する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また本発明の一態様における車両誘導方法は、上述した車両誘導システムにおける車両誘導方法であって、前記撮像装置により撮影された画像に含まれる前記車両の車両情報を取得し、取得した車両情報と、予め設定される前記構内における荷物の入出庫を仕分けする仕分け情報と、前記荷物を所定の地区へ配送する車両を管理する配車情報とに基づいて、前記車両を所定エリアへ誘導し、前記車両に対する誘導先を前記表示装置に所定のタイミングで表示する処理を有することを特徴とする。
【0011】
なお、本発明の構成要素、表現又は構成要素の任意の組み合わせを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造等に適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、待機車両に対して効率的な誘導を行い、構内での車両待機時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態における車両誘導システムの一構成例を示す図である。
【図2】配車管理装置の機能構成の一例を示す図である。
【図3】仕分け装置の機能構成の一例を示す図である。
【図4】構内車両誘導装置の機能構成の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における車両誘導処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】本実施形態において使用される各データの一例を示す図である。
【図7】本実施形態における車両誘導システム1における動作シーケンス例を示す図である。
【図8】配車管理装置からの受信データの登録例を説明するための図である。
【図9】仕分け装置からの受信データの登録例を説明するための図である。
【図10】誘導優先地区の登録及び設定例を説明するための図である。
【図11】車両到着時のデータ登録例について説明するための図である。
【図12】バース入出庫時のデータ登録例について説明するための図である。
【図13】本実施形態における構内車両データの変更、更新例を説明するための図である。
【図14】行先表における表示動作の具体例を説明するための図である。
【図15】誘導状況掲示板における表示動作の具体例を説明するための図である。
【図16】入口車両誘導先検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】待機車両誘導先検索処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本発明について>
本発明は、例えば、物流センター等の構内エリアへの入出庫車両に対して、カメラ等を用いて車両ナンバープレートを認識することで車両を特定する。更に、本発明は、積載荷物情報と作業エリア情報とに基づいて、車両ナンバープレートで識別された車両毎に最適な誘導先を導出する。
【0015】
以下に、本発明における車両誘導システム及び車両誘導方法を好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0016】
<車両誘導システム:システム構成例>
まず、本実施形態における車両誘導システムのシステム構成例について図を用いて説明する。図1は、本実施形態における車両誘導システムの一構成例を示す図である。図1に示す車両誘導システム1は、構内エリア10内に、入口ゲート11と、待機場12と、ドライバー休憩室13と、作業場14と、仕分け装置15と、構内車両誘導装置16と、出力ゲート17とを有する。
【0017】
入力ゲート11は、ゲート部21−1と、カメラ(撮像装置(撮像手段))22−1と、表示装置である行先表(行先表示手段(第1の誘導表示手段))23とを有する。また、待機場12は、待機場(荷降車両用)12−1と、待機場(積込車両用)12−2とを有する。
【0018】
待機場(荷降車両用)12−1は、表示装置である誘導状況掲示板(誘導状況掲示手段(第2の誘導表示手段))24−1を有する。また、待機場(積込車両用)12−2は、誘導状況掲示板24−2を有する。また、ドライバー休憩室13は、誘導状況掲示板24−3を有する。また、作業場14には、カメラ22−2〜22−7と、コンベア(荷物配送手段)25とを有する。また、作業場14には、荷降用バース領域26と、積込用バース領域27とを有する。また、出口ゲート17は、ゲート部21−2と、カメラ22−8とを有する。
【0019】
なお、図1の例では、仕分け装置15及び構内車両誘導装置16は、作業場14内に設けられているが、これに限定されるものではなく、構内エリア10内であれば、どこにあってもよい。また、図1の例では、車両誘導システム1は、配車(入出庫車両)を管理する配車管理装置30を有する。配車管理装置30は、構内車両誘導装置16とインターネット等の通信ネットワーク31を介してデータの送受信が可能な状態で接続されている。
【0020】
ここで、図1の例では、配車管理装置30により、構内エリア10内に配車40−1〜40−16を有している。また、配車40−1〜40−6は、荷降車両を示し、配車40−7〜40−15は、積込車両を示している。
【0021】
入力ゲート11は、構内エリア10内に進入する配車40を管理する。具体的には、入力ゲート11は、ゲート部21−1を通過する配車40−1について、カメラ22−1により配車40−1の車両ナンバープレートの画像を取得する。また、入力ゲート11は、カメラ22−1により撮影された画像に含まれる車両情報(例えば、陸運局、種別、事業種別、一連指定番号等)に基づいて、ゲート部21−1を通過した配車40−1が向かうべき場所(いわゆる行き先)を行先表23に表示する。行先表23が表示する行き先としては、例えば配車識別情報、向かい先情報(待機場(荷降車両用)12−1、待機場(積込車両用)12−2、作業場14)等である。
【0022】
待機場(荷降車両用)12−1は、荷降車両が待機する場所である。荷降車両のドライバーは、車両に乗ったまま待機していてもよく、また車両を降りてドライバー休憩室13等に行き、休憩等を行うことができる。また、待機場(荷降車両用)12−1は、誘導状況掲示板24−1に、待機している車両に対して行き先を表示する。なお、この表示は、作業場14において、その車両に対する作業(荷降ろし又は積み込み)が行える状態となったときに表示されるものである。
【0023】
また、待機場(積込車両用)12−2は、積込車両が待機する場所である。待機場(積込車両用)12−2には、待機場(荷降車両用)12−1と同様に誘導状況掲示板24−2が設けられおり、待機場(積込車両用)12−2に待機している車両に対して行き先を表示する。
【0024】
ドライバー休憩室13は、配車40を運転したドライバーが休憩する場所である。ドライバー休憩室13は、待機場(荷降車両用)12−1や待機場(積込車両用)12−2と同様に、誘導状況掲示板24−3が設けられており、誘導状況掲示板24−1,24−2と同様に休憩しているドライバーに対して誘導状況を表示する。
【0025】
なお、誘導状況掲示板24−1〜24−3は、それぞれ同一の表示内容であってもよく、各誘導状況掲示板24−1〜24−3毎に異なる表示であってもよい。すなわち、誘導状況掲示板24−1には、待機場(荷降車両用)12−1に待機している車両(図1に示す配車40−2〜40−5)に対する誘導状況を表示し、誘導状況掲示板24−2には、待機場(積込車両用)12−2に待機している車両(図1に示す配車40−7〜40−13)に対する誘導状況を表示し、誘導状況掲示板24−3は、待機場(荷降車両用)12−1及び待機場(積込車両用)12−2で待機している全車両の対する順番に誘導状況を表示するといった表示を行うこともできる。
【0026】
作業場14は、構内エリア10内に入ってきた配車40に対する荷降ろし及び積み込みを行う場所である。例えば、仕分け装置15において、予め設定された仕分けスケジュールに基づいて荷降ろし及び積み込みを行うバースを設定し、各車両を配置してコンベア25等により荷物を搬送して、所定のバースに移動して各バースに割り当てた積み込み等を行う。なお、本実施形態における構内エリア10内の配車の誘導については、例えば構内車両誘導装置16により行われる。
【0027】
なお、荷降用バース領域26と、積込用バース領域27とは、それぞれが少なくとも1つのバースを有する。また、各バースは、所定の時刻に所定の荷物の荷降ろしや積み込みが行われる場所である。
【0028】
仕分け装置15は、作業場14に設けられた構内エリア10内に存在する荷物若しくは運び込まれる荷物を作業場14のどの場所(バース)で行うかや、荷降ろし及び積み込み時の作業人員の確保、調整等を行う。また、仕分け装置15は、仕分け情報を構内車両誘導装置16に出力する。
【0029】
構内車両誘導装置16は、通信ネットワーク31を介して配車管理装置30から得られる配車情報や仕分け装置15から得られる仕分け情報等に基づいて、構内エリア10における各配車40に対して荷降ろし及び積み込みを行うための誘導情報を管理する。また、構内車両誘導装置16は、構内エリア10内にある各カメラ22からの画像を取得して、例えばOCR(Optical Character Reader)ソフト等を用いた画像認識や文字認識等により画像中に含まれる車両ナンバープレートからの車両情報を取得する。なお、本実施形態では、OCR等を用いた車両情報の取得は、各カメラ22が行い、その結果を構内車両誘導装置16に送信してもよい。また、構内車両誘導装置16は、行先表23、誘導状況掲示板24−1〜24−3に対して所定の車両の誘導を行うための表示を行う。
【0030】
ここで、図1を用いた具体的な動作について説明する。図1の車両誘導システム1では、配車管理装置30から、例えば配車情報(例えば、車両番号・積載荷物情報等)が送信される。次に、仕分け装置15から仕分けパターン情報(バースNo、行き先情報等)が構内車両誘導装置16に送信される。
【0031】
次に、車両誘導システム1は、到着車両のナンバープレート情報(車両情報)をカメラ22で読み取り、行き先(誘導先)を行先表23に表示する。なお、行き先は、例えば車両情報や配車情報、作業エリア状況、仕分けパターン状況等に基づいて最適な行き先を選定する。また、作業場14への誘導案内状況(例えば、車両番号・誘導先・想定待ち時間等)を表示する。また、車両誘導システム1は、例えば車両の存在をカメラで識別し、認識したタイミングで各処理のステータスを作業開始とし、車両の存在を失ったタイミングでステータスを作業終了とすることができる。
【0032】
なお、図1の例では、配車管理装置30と構内車両誘導装置16とは、1対1の関係で接続されているが、これに限定されるものではなく、例えばn対1(n>1)の関係で接続されていてもよい。つまり、構内車両誘導装置16は、複数の配車管理会社に設けられる各配車管理装置からの配車情報を取得し、構内エリア10内における車両誘導を実現することができる。
【0033】
次に、上述した実施形態における配車管理装置30、仕分け装置15、構内車両誘導装置16の各機能構成について図を用いて説明する。
【0034】
<配車管理装置30:機能構成例>
図2は、配車管理装置の機能構成の一例を示す図である。図2に示す配車管理装置30は、入力手段51と、出力手段52と、蓄積手段53と、配車割当手段54と、配車管理手段55と、送受信手段56と、制御手段57とを有するよう構成されている。
【0035】
入力手段51は、使用者等からの配車割り当て指示や配車管理指示、送受信指示等の各種指示の開始/終了等の入力を受け付ける。なお、入力手段51は、例えばキーボードや、マウス等のポインティングデバイス等からなる。
【0036】
出力手段52は、入力手段51により入力された内容や、入力内容に基づいて実行された内容等の表示・出力を行う。なお、出力手段52は、ディスプレイ等の表示手段やスピーカ等の音声出力手段等を含む。
【0037】
蓄積手段53は、配車割当手段54により得られる割当結果や、配車管理手段55により管理内容等による各種データを蓄積する。また、蓄積手段53は、必要に応じて蓄積されている各種データを読み出すことができる。
【0038】
配車割当手段54は、所有している1又は複数の車両40に対して、いつ、誰が、どの構内に、どのような荷物を、どの程度配送するか等の割り当てを行う。
【0039】
配車管理手段55は、所有する1又は複数の車両が各時間において、どこで、どのような作業を行っているか等の車両の作業状況を管理する。なお、各構内エリアにおいてどのような作業を行っているかについては、各構内エリア10に設置されている構内車両誘導装置16等から通信ネットワーク31等を介して取得することができる。
【0040】
送受信手段56は、通信ネットワーク31を介して構内エリア10内の構内車両誘導装置16等とデータの送受信等を行う。具体的には、送受信手段56は、配車割当情報(配車情報)等を構内車両誘導装置16に送信したり、構内車両誘導装置16から得られる配車の作業履歴等のデータを受信する。
【0041】
制御手段57は、配車管理装置30における各機能構成全体の制御を行う。具体的には、制御手段57は、例えば配車の割り当て制御や配車管理制御等を行う。
【0042】
<仕分け装置15:機能構成例>
図3は、仕分け装置の機能構成の一例を示す図である。図3に示す仕分け装置15は、入力手段61と、出力手段62と、蓄積手段63と、仕分け管理手段64と、送受信手段65と、制御手段66とを有するよう構成されている。
【0043】
入力手段61は、ユーザ等により指示された仕分け管理指示、送受信指示等の各種指示の開始/終了等の入力を受け付ける。なお、入力手段61は、例えばキーボードや、マウス等のポインティングデバイス等からなる。
【0044】
出力手段62は、入力手段61により入力された内容や、入力内容に基づいて実行された内容等の表示・出力を行う。なお、出力手段62は、ディスプレイ等の表示手段やスピーカ等の音声出力手段等を含む。
【0045】
蓄積手段63は、仕分け管理手段64により得られる仕分けスケジュールや仕分け作業結果等による各種データを蓄積する。また、蓄積手段63は、必要に応じて蓄積されている各種データを読み出すことができる。
【0046】
仕分け管理手段64は、設置された構内エリア10内における荷物を、いつ、だれが、どの車両から、どのバースで荷降ろしを行い、どのバースで積み込みを行うのか等の仕分け管理を行う。具体的には、仕分け管理手段64は、仕分けスケジュールや仕分け作業結果等を管理する。
【0047】
送受信手段65は、構内エリア10内の構内車両誘導装置16等とデータの送受信等を行う。具体的には、送受信手段65は、仕分けスケジュール等を構内車両誘導装置16に送信したり、構内車両誘導装置16から得られる仕分け結果等のデータ等を受信する。
【0048】
制御手段66は、仕分け装置15における各機能構成全体の制御を行う。具体的には、制御手段66は、例えば構内エリア10内における仕分け全般の制御等を行う。
【0049】
<構内車両誘導装置16:機能構成例>
図4は、構内車両誘導装置の機能構成の一例を示す図である。図4に示す構内車両誘導装置16は、入力手段71と、出力手段72と、蓄積手段73と、車両情報取得手段74と、状況管理手段75と、誘導制御手段76と、表示制御手段77と、送受信手段78と、制御手段79とを有するよう構成されている。
【0050】
入力手段71は、ユーザ等により指示された画像取得指示、状況管理指示、誘導制御指示、表示制御指示、送受信指示等の各種指示の開始/終了等の入力を受け付ける。なお、入力手段71は、例えばキーボードや、マウス等のポインティングデバイス等からなる。
【0051】
出力手段72は、入力手段71により入力された内容や、入力内容に基づいて実行された内容等の表示・出力を行う。なお、出力手段72は、ディスプレイ等の表示手段やスピーカ等の音声出力手段等を含む。
【0052】
蓄積手段73は、車両情報取得手段74により得られる画像データ(車両ナンバープレート等)や車両情報、状況管理手段75により得られる、荷降ろし作業状況、積み込み作業状況、誘導制御手段76により得られる誘導状況、表示制御手段77により得られる表示状況等による各種データを蓄積する。また、蓄積手段73は、必要に応じて蓄積されている各種データを読み出すことができる。
【0053】
車両情報取得手段74は、例えば、上述した図1に示す各カメラ22−1〜22−8等から撮影された画像、又は撮影された画像に対して画像解析等を行って得られた車両情報等を取得する。なお、カメラ22から得られる画像は、例えば各車両の車両ナンバープレートを含む画像等である。車両情報取得手段74は、カメラ22から得られる画像からOCRソフト等を用いた画像解析や文字認識等を行い、撮影した車両のナンバープレートに記述されている「陸運局」、「種別」、「事業種別」、「一連指定番号」等の車両情報を取得する。なお、車両情報取得手段74は、上述したようにして取得した車両情報を蓄積手段73に蓄積させることができる。なお、各カメラ22による撮影は、車両40が各カメラ22を通過したことをセンサ等により検知したときに、そこから一定時間撮影してもよく、各車両から常時送信されている信号をカメラ22で受信したときに自動的に一定時間撮影するようにしてもよい。
【0054】
状況管理手段75は、構内エリア10における荷降ろし作業状況、積み込み作業状況を取得し管理する。なお、状況管理手段75は、作業場14におけるバース(シュート)毎の作業状況、作業開始予定、作業終了予定等を管理する。
【0055】
誘導制御手段76は、構内エリア10における車両の誘導を行う。具体的には、誘導制御手段76は、車両情報取得手段74により得られる車両情報と、予め設定される構内エリア10における荷物の入出庫を仕分けする仕分け情報と、荷物を所定の地区へ配送する車両(配車)を管理する配車情報とに基づいて、車両を所定エリアへ誘導する。
【0056】
つまり、誘導制御手段76は、仕分け情報として得られる仕分けスケジュール情報と、配車管理装置30から得られる配車40が構内エリア10に到着する予定時間や行き先情報等を取得することで、それぞれの日時に対応したスケジュールを設定し、その設定した内容に基づいて配車40の各バースへの誘導制御を行う。なお、誘導制御手段76は、後述する入口誘導先検索や待機車両誘導先検索等を行うことで、車両の適切な誘導を行うことができる。
【0057】
なお、誘導制御手段76は、車両を誘導する際、その車両に積み込まれている荷物の行き先や荷物の量、待機時間、荷降用バース領域26や積込用バース領域27における相対バース間の距離の関係等に応じて誘導の順序に優先順位を設けることができる。これにより、全体の荷物を配送する際に迅速な配送を実現することができ、高精度や物流サービス等を実現することができる。
【0058】
表示制御手段77は、行先表23及び誘導状況掲示板24−1〜24−3に対する表示内容を制御する。具体的には、表示制御手段77は、上述した誘導制御手段76により得られる車両に対する誘導先を行先表23及び誘導状況掲示板24−1〜24−3に所定のタイミングで表示する。
【0059】
例えば、表示制御手段77は、行先表23に対して、例えば「荷降ろし」、「積み込み」、「待機場」等の行き先表示を行い、迅速且つ的確な車両の誘導を行う。なお、表示制御手段77は、例えば「荷降ろし」、「積み込み」の表示時には、具体的なバース番号も表示することができる。表示制御手段77は、誘導状況掲示板24−1〜24−3に対して、例えば「路線会社名」、「車両番号」、「誘導先」、「待機車両(待機状況)」等の表示を行う。
【0060】
また、表示制御手段77は、例えば車両が所定の作業場に設置されたカメラ22により撮影された場合には、行先表23や誘導状況掲示板24−1〜24−3における表示を消去する。また、表示制御手段77は、例えば行先表23や誘導状況掲示板24−1〜24−3に表示させてから所定時間が経過後に削除してもよい。
【0061】
送受信手段78は、構内エリア10内の仕分け装置15や配車管理装置30とのデータの送受信等を行う。具体的には、送受信手段78は、仕分け装置15から仕分けスケジュール等を受信し、仕分け装置15に仕分け結果を送信する。また、送受信手段78は、配車管理装置30から配車情報等を受信し、配車管理装置30に配車の作業結果を送信する。
【0062】
制御手段79は、車両誘導管理装置16における各機能構成全体の制御を行う。具体的には、制御手段79は、例えば画像取得や状況管理、誘導制御や表示制御等を行う。
【0063】
<ハードウェア構成例>
ここで、上述した配車管理装置30、仕分け装置15、車両誘導装置16においては、本実施形態における車両誘導に関する各機能をコンピュータに実行させることができる実行プログラム(車両誘導プログラム)を生成し、例えば汎用のパーソナルコンピュータ、サーバ等にその実行プログラムをインストールすることにより、本発明における車両誘導処理を容易に行うことができる。
【0064】
ここで、本実施形態における車両誘導処理が実現可能なコンピュータのハードウェア構成例について図を用いて説明する。
【0065】
図5は、本実施形態における車両誘導処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。図5におけるコンピュータ本体には、入力装置81と、出力装置82と、ドライブ装置83と、補助記憶装置84と、メモリ装置85と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)86と、ネットワーク接続装置87とを有するよう構成されており、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
【0066】
入力装置81は、ユーザ等が操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスを有しており、ユーザ等からのプログラムの実行等、各種操作信号を入力する。また、入力装置81は、ネットワーク接続装置87等に接続された外部装置から通信ネットワークを介して得られる各種データを入力することもできる。
【0067】
出力装置82は、本発明における処理を行うためのコンピュータ本体を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイを有し、CPU86が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。
【0068】
ここで、本発明においてコンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやCD−ROM、DVD等の可搬型の記録媒体88等により提供される。プログラムを記録した記録媒体88は、ドライブ装置83にセット可能であり、記録媒体88に含まれる実行プログラムが、記録媒体88からドライブ装置83を介して補助記憶装置84にインストールされる。
【0069】
補助記憶装置84は、ハードディスク等のストレージ手段であり、本発明における実行プログラムや、コンピュータに設けられた制御プログラム等を蓄積し必要に応じて入出力を行うことができる。
【0070】
メモリ装置85は、CPU86により補助記憶装置84から読み出された実行プログラム等を格納する。なお、メモリ装置85は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなる。
【0071】
CPU86は、OS(Operating System)等の制御プログラム、及びメモリ装置85に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して各処理を実現することができる。なお、プログラムの実行中に必要な各種情報等は、補助記憶装置84から取得することができ、また実行結果等を格納することもできる。
【0072】
ネットワーク接続装置87は、通信ネットワーク等と接続することにより、実行プログラムを通信ネットワークに接続されている他の端末等から取得したり、プログラムを実行することで得られた実行結果又は本発明における実行プログラム自体を他の端末等に提供することができる。
【0073】
上述したようなハードウェア構成により、本発明における車両誘導処理を実行することができる。また、プログラムをインストールすることにより、汎用のパーソナルコンピュータ等で本発明における車両誘導処理を容易に実現することができる。
【0074】
<データ例>
ここで、本実施形態において使用される各データ例について、図を用いて説明する。図6は、本実施形態において使用される各データの一例を示す図である。図6において、配車管理装置30は、車両情報(車両割当情報)として、例えば「運行管理データ」、「荷物データ」等を有する。「運行管理データ」の主な項目としては、例えば「車両番号(車両管理番号)」、「発店コード」、「着店コード」、「荷物個数」、「荷降区分」等を含む。また、「荷物データ」の主な項目としては、例えば「車両No」、「着店コード」、「荷物個数」、「送り状No」等を含む。これらの情報は、例えば運行予定決定時に配車管理装置30から通信ネットワーク31を介して構内車両誘導装置16に送信される。
【0075】
仕分け装置15は、例えば「シュート割付データ」を有する。「シュート割付データ」における主な項目としては、各シュート(バース)における「積込場バースNo」、「着店コード」等を含む。これらのデータは、例えば仕分けパターンを新規に設定した場合や仕分けパターン変更時に仕分け装置15から構内車両誘導装置16に送信される。
【0076】
入力ゲート11及び出力ゲート17は、カメラ22−1により撮影された車両ナンバープレートを文字認識することにより、例えば「陸運局」、「種別(車種)」、「事業種別」、「一連指定番号」等の項目を取得する。なお、上述した情報は、出力ゲート17に設置されたカメラ22−8からの取得することができる。これらの情報は、車両が入力ゲート11又は出力ゲート17の通過時に得られ、取得されたデータは構内車両誘導装置16に送信される。
【0077】
作業場14の荷降用バース領域26及び積込用バース領域27は、各バースに設置されているカメラ22−2〜22−7を有する。各バースのカメラ22からは、例えば例えば「陸運局」、「種別(車種)」、「事業種別」、「一連指定番号」、「バースNo」等の項目を取得する。これらの情報は、例えば降ろし場や積み込み場への入出庫時に取得され、取得されたデータは構内車両誘導装置16に送信される。
【0078】
構内車両誘導装置16は、入力ゲート11、出力ゲート17、荷降用バース領域26及び積込用バース領域27から取得した情報に基づいて車両ナンバーの識別を行い、車両管理マスタとして管理する。なお、車両管理マスタの主な項目としては、例えば「車両番号(車両情報)」として、上述した「陸運局」、「種別」、「事業種別」、「一連指定番号」等を含む。
【0079】
また、構内車両誘導装置16は、例えば「構内車両データ」、「荷物データ」、「シュート割付データ」、「バース間マスタ」、「バース・車両履歴データ」、「バース状況データ」、「誘導優先地区管理マスタ」等を有する。
【0080】
「構内車両データ」の主な項目としては、例えば「車両番号」、「ステータス(未着・待機・・・)」、「荷物個数」、「エリア」、「積降区分」、「発店」、「着店」、「到着時刻」、「出発時刻」等を含む。なお、このデータは、主に配車管理装置30から得られる情報等に基づいて生成される。また、「荷物データ」の主な項目としては、例えば「車両番号」、「荷物識別番号」、「着店コード」等を含む。
【0081】
また、「シュート割付データ」の主な項目としては、例えば「積込バースNo」、「着店コード」等を含む。また、「バース間マスタ」の主な項目としては、例えば「荷降バースNo」、「積込パースNo」、「相対バース間距離」等を含む。また、「バース・車両履歴データ」の主な項目としては、例えば「バースNo」、「発店コード」、「車両番号」、「荷物個数」、「着車時間」、「出車時間」等を含む。
【0082】
また、「バース状況データ」の主な項目としては、例えば「バースNo」、「区分(積込・荷降ろし)」、「車両番号」、「状況区分(着車中、空車)」等を含む。また、「誘導優先地区管理マスタ」の主な項目としては、例えば「優先管理No」、「エリア」等を含む。
【0083】
なお、上述の「構内車両データ」は、主に配車管理装置30から得られる情報等に基づいて生成され、「シュート割付データ」、「荷物データ」は、主に仕分け装置15から得られる情報等に基づいて生成される。また、「誘導優先地区管理マスタ」として蓄積されるデータは、ユーザにより画面を用いたメンテナンス等の設定により生成される。なお、これらのデータは、構内車両誘導装置16における蓄積手段73に蓄積され、必要に応じて読み出すことができる。また、上述した各データの項目の数や順序、内容についてはこれに限定されるものではない。
【0084】
<車両誘導システム1における動作シーケンス例>
次に、本実施形態における車両誘導システム1における動作シーケンス例について図を用いて説明する。図7は、本実施形態における車両誘導システム1における動作シーケンス例を示す図である。図7においては、入口、出口用カメラ22−1,22−8と、バース用カメラ22−2〜22−7、行先表23、構内車両管理装置16、仕分け装置15、配車管理装置30における動作シーケンスを示す。
【0085】
図7において、まず仕分け装置15は、例えば所定時間帯における仕分けスケジュール(シュート割付データ)を構内車両管理装置16に送信する(S01)。また、配車管理装置30は、例えば上述した配車毎の運行管理データを構内車両管理装置16に送信し(S02)、また上述した荷物データを構内車両管理装置16に送信する(S03)。なお、これらの情報(運行管理データ、荷物データ)は、上述した配車情報に相当する。
【0086】
ここで、配車40が入口ゲート11を通過すると、入口用のカメラ22−1によって車両ナンバープレートを撮影した画像が構内車両管理装置16に送信される(S04)。このとき、構内車両管理装置16は、送信された画像から画像解析や文字認識等を行って車両情報を取得する。なお、画像解析や文字認識は、例えば既存のOCRソフト等を適用することができる。
【0087】
次に、構内車両管理装置16は、取得した各種情報から入口ゲート11を通過した車両40の車両情報に対する誘導先(行き先)を行先表23に表示する(S05)。なお、図7の例では、車両の行き先として、積込用バース領域27の15番バースに行くように誘導する表示が行先表23に示されている(「積込−15」)。
【0088】
また、構内車両管理装置16は、配車40が構内エリア10に到着したことを示す旨の情報を配信管理装置30に送信する(S06)。
【0089】
次に、構内車両管理装置16は、配車40がバースでの入庫時にバース用のカメラ22−2〜22−7のうち何れかのカメラで撮影された画像を取得し、取得した画像から、上述と同様に車両情報を取得する(S07)。また、構内車両管理装置16は、配車40がバースから出庫する際にもバース用のカメラ22−2〜22−7のうち何れかのカメラで撮影された画像を取得し、取得した画像から上述と同様に車両情報を取得する(S08)。
【0090】
また、配車40が出口ゲート17を通過した場合には、出口ゲートにある出口用のカメラ22−8から撮影された画像を構内車両管理装置16に送信し、構内車両管理装置16は、取得した画像から、上述と同様に車両情報を取得する(S09)。また、構内車両管理装置16は、配車40が構内エリア10を出発したことを示す旨の情報を配車管理装置30に送信する(S10)。
【0091】
なお、図7の例では、車両ナンバー識別(画像解析)を構内車両管理装置16において行っていたが、これに限定されるものではなく、例えば各カメラ22で撮影された画像に対する画像解析や文字認識等を行い、得られた結果(車両情報)を構内車両管理装置16に送信するようにしてもよい。また、本実施形態では、例えば画像から車両ナンバーを解析するためのナンバー解析装置を別途設けておいてもよく、その場合には、各カメラ22から撮影された画像を、ナンバー解析装置に送信し、ナンバー解析装置で画像解析や文字認識されて得られた車両情報を構内車両管理装置16に送信するようにしてもよい。
【0092】
また、図7の例では、行先表23に表示された積込用バース領域27に移動したが、本実施形態においては、これに限定されるものでなく、例えば一旦待機場12で待機した後、誘導状況掲示板24−1〜24−3による誘導先の表示により移動してもよい。
【0093】
<配車管理装置30からの受信データの登録例>
次に、本実施形態における構内車両管理装置16において、配車管理装置30からの受信データを登録する登録例について図を用いて説明する。図8は、配車管理装置からの受信データの登録例を説明するための図である。図8の例では、他拠点で荷物の積み込みを行った配車に関する情報(配車情報)を、配車管理装置30よりデータ受信しデータベースとして蓄積手段73に登録する例を示している。
【0094】
図8に示す例では、上述した構内車両データと荷物データの具体例が示されている。図8に示す構内車両データの項目としては、例えば「車両番号」、「ステータス」、「発店」、「着店」、「エリア」、「到着時刻」、「出発時刻」、「個数」、「積降区分」等を含む。ここで、「ステータス」は、車両のステータス(状況)を示すものであり、例えば、まだ構内エリア10に到着していない状態である「未着」、待機場12にいる「待機」、荷降中である「荷降」、構内エリア10を出たことを示す「出発」等に分類される。また、「発店」及び「着店」は、例えばどこの地域や拠点(発店)で積み込まれた荷物を、どこの地域や拠点(着店)に配送するのかを示すものである。また、「エリア」は、例えば構内エリア10における作業バース番号等を示す。
【0095】
また、荷物データでは、この車両がどの荷物をどこの地域(着店)に配送するのかを示すデータが蓄積されている。なお、データは、図8に示すように車両番号毎にソート(並び替え)がなされているため、車両単位で荷物や着店の情報をより容易に把握することができる。
【0096】
なお、図8の例では、車両番号「0000000011」の番号がまだ構内エリア10に到着しておらず(ステータス「未着」)、構内エリア10で積み込む荷物データが「000000000001〜000000000008」であることを示している。なお、図8に示す「車両番号」は、カメラ22から撮影された車両ナンバープレートから得られる車両情報でもよく、車両情報に対応して予め設定された識別情報であってもよい。
【0097】
<仕分け装置15からの受信データの登録例>
次に、本実施形態における構内車両管理装置16において、仕分け装置15からの受信データの登録例について図を用いて説明する。図9は、仕分け装置からの受信データの登録例を説明するための図である。図9の例では、構内エリア10内の仕分けパターンを仕分け装置15よりデータ受信しデータベースとして蓄積手段73に登録する。また、本実施形態では、仕分けパターンデータは変更が発生する度に、その都度データに反映される。
【0098】
具体的には、図9に示すシュート割付データのように、例えばバースNo.1〜No.16の各バース毎に配送先である着店コードが割り当てられる。したがって、本実施形態では、割り当てられた着店コードに対応させて配送する荷物が搬送され、それと同時に、その地域や拠点に配送する配車が割り当てられ、荷物の積み込みが行われる。なお、荷降ろしの場合にも同様に、各バースの割り付けが行われて、各バースによる荷降ろしが行われる。
【0099】
<誘導優先地区の登録及び設定例>
次に、本実施形態における誘導優先地区の登録及び設定例について図を用いて説明する。図10は、誘導優先地区の登録及び設定例を説明するための図である。本実施形態では、例えば全国配達地区を所定のエリアでエリア分けし、各エリア単位にエリアコードを割り当てる。また、本実施形態では、各エリアに属する配達店(例えば、地域又は拠点等も含む)には、先頭1桁にエリアコードが付いた店コードが割り当てることができる。つまり、図10の例では、(01)〜(09)に対応する1〜9の数字を発店コードや着店コードの先頭1桁に割り当てることができる。なお、数字の割り当ては、発店コードや着店コードの先頭に限定されず、予め設定された発店コードや着店コードの一部に含めることができる。
【0100】
更に、本実施形態では、車両誘導システム1が導入される物流センターでの出荷優先順を、例えばシステム画面等を使用して登録することができる。
【0101】
ここで、本実施形態では、誘導優先地区を設定することで、例えば物流センターの構内エリア10内に多数の車両が待機している場合に、誘導優先順の高い荷物を積んでいる車両を優先してバースに誘導することができる。なお、誘導優先順の設定例としては、例えば物流センターから、より遠地の荷物を積んでいる車両を優先してバースに誘導することとするが、本実施形態においてはこれに限定されるものではない。
【0102】
例えば、図10の例では、例えば中部地区(エリア番号(05))に車両誘導システム1を導入した物流センターがある場合に、誘導優先地区管理マスタに、例えば中部地区から、より遠方にある地区(例えば、エリア番号(01)や(09))の荷物を配送する車両(配車)を優先するよう設定する。つまり、物流センターから遠地の荷物を積んでいる車両を優先して先に出荷する場合には、上述した誘導優先地区管理マスタの「優先管理No」の1から順に遠地のエリアを割り当てる設定とする。
【0103】
また、本実施形態において、例えば同一地区に向かう車両が複数ある場合には、先に構内エリア10に来た車両(すなわち、待機時間(現在時刻−到着時刻)が長い車両)を優先させてもよく、その遠方の荷物の量が多い車両を優先させてもよい。更に、本実施形態では、その車両が荷降ろしや積み込みを行う荷降用バース領域26及び積込用バース領域27における相対バース間の距離の関係等に応じて誘導の順序に優先順位を設けることができる。例えば、本実施形態において、相対バース間の距離が近いほど優先順位を高くするといった設定を行うことで降ろした荷物を迅速に他の車両に積み込むことができる。
【0104】
<車両到着時のデータ登録例>
次に、本実施形態における構内車両管理装置16において、構内エリア10への車両到着時のデータ登録例について図を用いて説明する。図11は、車両到着時のデータ登録例について説明するための図である。車両到着時のデータは、例えば入口ゲート11に設置したカメラにて撮影された画像から上述した車両情報の読み取りを実施し、読み取った車両情報を図11に示すように車両管理マスタとして蓄積手段73に登録して蓄積する。
【0105】
ここで、本実施形態における車両情報としては、例えば陸運局、種別、事業種別、一連指定番号等がある。本実施形態では、上述した車両情報から到着車両の車両番号を導出し、また車両番号に対する配車情報や作業エリア状況、仕分けパターン状況等に基づいて誘導先を決定する。また、本実施形態では、誘導先の決定後に、構内車両データの「ステータス」及び「到着時刻」に対する変更、更新等を行う。
【0106】
具体的には、図11に示すように、車両管理マスタに車両番号と車両情報とが予め関連付けられて蓄積されているため、車両情報として得られた陸運局「品川」、種別「11」、事業種別「あ」、一連指定番号「4649」等から車両番号「0000000011」を取得することができる。また、車両到着時には、図11に示すように、構内車両データにより車両番号「0000000011」に対するデータの「ステータス」及び「到着時刻」の変更、更新等が行われる。
【0107】
<バース入出庫時のデータ登録例>
次に、本実施形態における構内車両管理装置16において、バース入出庫時のデータ登録例について図を用いて説明する。図12は、バース入出庫時のデータ登録例について説明するための図である。バース入出庫時のデータは、例えば各バースに設置したカメラにより撮影された画像から上述した車両情報の読み取りを実施し、読み取った車両情報を図12に示す車両管理マスタとして登録して蓄積する。
【0108】
ここで、本実施形態における車両情報としては、上述したように陸運局、種別、事業種別、一連指定番号等を含む。本実施形態では、まず車両情報から上述した車両管理マスタを参照して、到着車両の車両番号を導出する。また、本実施形態では、上述したように誘導先の決定後には、構内車両データの「ステータス」及び「出発時刻」に対する変更、更新等を行う。
【0109】
<構内車両データの変更、更新例>
ここで、本実施形態における構内車両データの変更、更新例について図を用いて説明する。図13は、本実施形態における構内車両データの変更、更新例を説明するための図である。図13の例では、構内車両データの変更、更新のタイミングとして、例えば(1)車両到着前、(2)車両到着、(3)誘導先指示、(4)バース到着、(5)バース出発の各段階において、データの変更、更新が行われる。
【0110】
(1)車両到着前のデータは、配車管理装置30により得られる。また、(2)車両到着時のデータは、入口ゲート11により得られる。(3)誘導先指示のデータは、構内車両管理装置16により得られる。(4)バース到着のデータは、バース用カメラ22−2〜22−7により得られる。(5)バース出発のデータは、バース用カメラ22−2〜22−7、又は出口ゲート17によって得られる。
【0111】
また、図13における構内車両データにおいて、ステータスが「未着」の場合は、車両が未到着の状態を示し、「到着」の場合は、「車両」が構内エリア10に到着した状態を示し、「待機」の場合は、待機場に待機中の状態を示し、「バース移動中」の場合は、入口ゲート又は待機場から所定のバースに移動中の状態を示し、「積込中」の場合は、積込バースで作業中の状態を示し、「荷降中」の場合は、荷降バースで作業中の状態を示し、「出発」の場合は、車両が構内エリア10を出発した状態を示す。なお、本実施形態におけるステータスの種類については、上記の内容に限定されるものではない。
【0112】
また、本実施形態では、図13に示すように、所定のタイミングで構内車両管理装置16による入口車両誘導先検索及び待機車両誘導先検索等の処理を行うがこれらの処理の具体例については後述する。
【0113】
<行先表23における表示動作の具体例>
次に、行先表23における表示動作の具体例について図を用いて説明する。図14は、行先表における表示動作の具体例を説明するための図である。本実施形態では、例えば構内エリア10に到着して車両に対して構内の行き先情報を行先表23(第1の誘導表示手段)により表示する。
【0114】
行先表23における表示動作としては、まず車両情報の読み取りを行う。具体的には、構内エリア10の入口ゲート11に設置したカメラ22−1を用いてナンバープレート情報を撮影する。その後、撮影したナンバープレート情報を解析して得られる車両情報から上述した車両番号(車両管理番号)への変換を行う。その後、構内車両誘導装置16は、誘導先を検索する。具体的には、配車管理装置30及び仕分け装置15から事前に取得している上述した各種情報に基づいて、誘導先を検索する。その検索の結果、図14に示すように、例えば「荷降用作業場(荷降場)」、「積込用作業場(積込場)」、「待機場」のうちの何れかが選択される。その後、行先表23に選択されたデータが送信されて表示が行われる。
【0115】
例えば図14の例では、行先表23に「荷降−03」、「積込−15」、「待機場」の何れかが表示される。これにより、入口ゲートを通過した車両のドライバーは、即座に自分の行き先を把握することができる。「荷降」及び「積込」と共に表示される番号は、バース番号を示すが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、行き先を特定できる他の情報であってもよい。
【0116】
なお、本実施形態では、行先表23による表示と共に、行先表に予め設けられている音声出力手段により表示されている内容を音声出力してドライバーに通知してもよい。例えば、「荷降−03」である場合には、「荷降用バース領域の3番バースへ行ってください」等の音声表示を行うこともできる。
【0117】
<誘導状況掲示板24における表示動作の具体例>
次に、誘導状況掲示板24における表示動作の具体例について図を用いて説明する。図15は、誘導状況掲示板における表示動作の具体例を説明するための図である。本実施形態では、待機場に待機している車両に対して構内エリア10の行き先情報を誘導状況掲示板24により表示する。
【0118】
誘導状況掲示板24における表示動作は、まず誘導先検索として、配車管理装置30及び仕分け装置15から事前に取得している各種情報に基づいて、誘導車両の誘導先を検索し、検索された誘導先(行き先)が誘導状況掲示板24にデータ送信されて表示が行われる。
【0119】
なお、図15の例では、誘導状況掲示板24に「路線会社名」と「車両番号」と、「待機車両」が表示されており、例えば、「路線会社名」及び「車両番号」として、例えば「(1)○○○運送 品川○○あ4649」が表示され、「待機車両」として、例えば「品川 ○○ あ0001」が表示される。なお、本実施形態では、これらの情報が、誘導状況掲示板24−1〜24−3で表示される。したがって、待機場12−1,12−2及びドライバー休憩室13にいるドライバーに迅速に誘導状況を通知することができる。
【0120】
また、本実施形態によれば、待機している他の車両やドライバーの情報も取得することができるため、あとどのくらいで自分の順番になるのか等をより的確に把握することができる。
【0121】
更に、本実施形態では、誘導状況掲示板24−1〜24−3による表示と共に、誘導状況掲示板24−1〜24−3に予め設けられている音声出力手段により表示されている内容を音声出力してドライバーに通知してもよい。例えば、「荷降−03」である場合には、「〇○○運送、車両番号:品川○○あ4649の車両は、荷降用バース領域の3番バースへ行ってください」等の音声表示を行うこともできる。
【0122】
<入口車両誘導先検索処理>
次に、本実施形態における構内車両管理装置16における入口車両誘導先検索処理についてフローチャートを用いて説明する
図16は、入口車両誘導先検索処理の一例を示すフローチャートである。図16では、構内車両誘導装置16が到着データの受信待ちを行い(S21)、到着データを受信する(S22)。なお、上述した到着データとは、例えば上述した入口ゲート11のカメラ22−1により撮影された画像情報又は画像を解析して得られた車両情報等である。
【0123】
次に、構内車両誘導装置16の誘導制御手段76は、到着予定データがあるか否かを判断し(S23)、到着予定データがある場合(S23において、YES)、積み込み又は荷降ろしの自動判定が可能であるか否かを判断する(S24)。
【0124】
誘導制御手段76は、到着予定がない場合(S23において、NO)、又は、S24の処理において自動判定が可能でない場合(S24において、NO)、積み込み又は荷降ろしの判定を行う(S25)。なお、S25の処理では、到着予定データの確認や修正を行ってもよく、また到着予定データがない場合は、管理者やオペレータ等のユーザが手動により積み込み又は荷降ろしの選択をしてもよい。
【0125】
また、誘導制御手段76は、S25の処理において、積込車両と判定された場合には、積込車両の誘導先検索を行う(S26)。具体的には、車両の運行予定(着店)を検索し(S27)、車両番号と着店とで、バースNo検索を行って、作業場(積込場)のバースに割り当てがあるか否かを判断する(S28)。誘導制御手段76は、割り当てがある場合(S28において、YES)、該当バースに車両があるか否かを判断する(S29)。ここで、誘導制御手段76は、車両がある(着車中)場合(S29において、YES)又は上述したS28の処理において、割り当てがない場合(S28において、NO)誘導先情報を「待機場」に決定する(S30)。
【0126】
また、誘導制御手段76は、S29の処理によいて該当バースに車両がない(空車)場合(S29において、NO)、誘導先情報に該当バースに決定する(S31)。
【0127】
また、誘導制御手段76は、S25の処理において、荷降車両と判定された場合には、荷降車両の誘導先検索を行う(S32)。具体的には、積載荷物の着店情報と、積込バースに割り付いている着店情報をマッチングし(S33)、マッチングした結果、荷降ろし荷物があるか否かを判断する(S34)。
【0128】
ここで、誘導制御手段76は、荷降ろし荷物がある場合(S34において、YES)、荷降ろしバースに空きがあるか否かを判断する(S35)。誘導制御手段76は、荷降ろしバースに空きがない場合(S35において、NO)、又は、S34に処理において、荷降ろし荷物がない場合(S34において、NO)、誘導先情報を「待機場」に決定する(S36)。また、誘導制御手段76は、S35の処理において、荷降ろしバースに空きがある場合(S35において、YES)、誘導先情報を空きバースに決定する(S37)。
【0129】
次に、誘導制御手段76は、行先表23に上述したS30、S31、S36、S37の各処理により得られた誘導先情報を送信して表示させる(S38)。また、誘導制御手段76は、次の到着データの受信待ちを行うか否かを判断し(S39)、受信待ちを行う場合(S39において、YES)、上述したS21に戻り後続の処理を行う。また、受信待ちを行わない場合(S39において、NO)、処理を終了する。
【0130】
<入口車両誘導先検索処理の具体例>
ここで、入口車両誘導先検索処理の具体例について説明する。例えば上述したように到着データを受信すると、誘導制御手段76は、車両管理マスタを参照し、受信したナンバープレート情報(例えば、「品川11あ4649」)から車両番号を検索するなお、本実施形態では、検索の結果、例えば「車両番号=0000000001」を取得する。
【0131】
次に、誘導制御手段76は、抽出した車両番号0000000001をキーに構内車両データを検索する。なお、本実施形態では、検索の結果、例えば「積降区分=荷降」を取得する。このとき、誘導制御手段76は、構内車両データの到着時刻を更新する。
【0132】
次に、誘導制御手段76は、荷降バースで該当する空きバースがあるか検索するために、車両番号000000001をキーに荷物データを検索し、積載荷物の着店の中で一番多い件数の着店を検索する。なお、本実施形態では、検索の結果、例えば「一番多い着店=11」を取得する。
【0133】
次に、誘導制御手段76は、抽出した着店11をキーにシュート割付データを検索し、例えば7番バースに割り付きがある場合、「区分:荷降」をキーに状況区分が空きのデータがあるか検索する。ここで、誘導制御手段76は、例えば1番及び5番に空きバースがある場合、「荷積バース:7番バース」に対して、1番・5番のどちらのバースが、バース間距離が短いかを検索し、例えばバース間の距離が近い5番バースに決定する。
【0134】
本実施形態では、上述した検索処理により、行先表23に迅速且つ適切な誘導先(行き先)を表示することができる。
【0135】
<待機車両誘導先検索処理>
次に、本実施形態における構内車両管理装置16における待機車両誘導先検索処理についてフローチャートを用いて説明する
図17は、待機車両誘導先検索処理の一例を示すフローチャートである。図17では、構内車両誘導装置16がバース入出庫データの受信待ちを行い(S41)、バース入出庫データを受信する(S42)。なお、上述したバース入出庫データとは、例えば上述した各バースに設置されたカメラ22−2〜22−7の何れかのカメラにより撮影された画像情報又は画像を解析して得られた車両情報等である。また、S42の処理によりデータを受信した場合に、受信したデータに対応する項目を蓄積手段73に蓄積された各種データベースの所定のエリアに登録する。
【0136】
次に、構内車両誘導装置16の誘導制御手段76は、受信したバース入出庫データのバースが荷降バースのものか、積み込みバースのものかを判断する(S43)。
【0137】
誘導制御手段76は、S43の処理において、荷降バースと判定された場合、以下に示す誘導車検索を行う。まず、誘導制御手段76は、上述したシュート割り付けデータにより、積込バースに割り付いている着店コードを検索し(S44)、次に、誘導優先地区管理マスタよりS44の処理にて検索した着店コードのうち、優先度が高いエリアコードを抽出する(S45)。
【0138】
また、誘導制御手段76は、構内車両データと荷物データの紐付けを行い、待機中の車両でS45の処理で抽出したエリアの荷物を積んでいる車両を抽出する(S46)。また、誘導制御手段76は、S46の処理において、抽出された車両が複数存在する場合には、例えば待機時間(現在時刻−到着時刻)が長い車両を誘導車両として抽出する(S47)。なお、S47の処理については、これに限定されるものではなく、例えば上述した遠方への荷物の量等の条件等を用いて誘導車両を選択してもよい。
【0139】
また、誘導制御手段76は、上述した検索処理が終了後、誘導状況掲示板24−1〜24−3の少なくとも1つに誘導車両番号、誘導先情報等を送信する(S48)。なお、本実施形態では、上述した番号や情報を誘導状況掲示板24−1〜24−3の全てに送信して表示させてもよく、また車両が存在する場所がわかる場合には、その場所に設置された誘導状況掲示板のみに送信して表示させてもよい。
【0140】
また、誘導制御手段76は、S43の処理において、積込バースと判定された場合、以下に示す誘導車検索を行う。まず、誘導制御手段76は、上述したシュート割り付けデータにより、空いたバースに割り付いている着店コードを検索し(S49)、次に、構内車両データより待機中の車両の行き先が、S49の処理で検索した着店コードの車両を抽出する(S50)。次に、誘導制御手段76は、抽出された車両が複数存在する場合には、例えば待機時間(現在時刻−到着時刻)が長い車両を誘導車両として抽出する(S51)。なお、S51の処理については、これに限定されるものではなく、例えば上述した遠方への荷物の量等の条件等を用いて誘導車両を選択してもよい。
【0141】
また、誘導制御手段76は、上述した検索処理が終了後、誘導状況掲示板24−1〜24−3の少なくとも1つに誘導車両番号、誘導先情報等を送信する(S52)。なお、本実施形態では、上述した番号や情報を誘導状況掲示板24−1〜24−3の全てに送信して表示させてもよく、また車両が存在する場所がわかる場合には、その場所に設置された誘導状況掲示板のみに送信して表示させてもよい。
【0142】
次に、誘導制御手段76は、上述したS48、S52の処理が終了後、次のバース入出庫データの受信待ちを行うか否かを判断し(S53)、受信待ちを行う場合(S53において、YES)、上述したS41に戻り後続の処理を行う。また、受信待ちを行わない場合(S53において、NO)、処理を終了する。
【0143】
<待機車両誘導先検索処理の具体例>
ここで、入口車両誘導先検索処理の具体例について説明する。例えば上述したようにバース入出庫データを受信すると、誘導制御手段76は、車両管理マスタを参照し、受信したナンバープレート情報(例えば、「品川11あ4649」)から車両番号を検索する。なお、本実施形態では、検索の結果、例えば「車両番号=0000000001」を取得する。
【0144】
次に、誘導制御手段76は、バース状況データから車両番号0000000001をキーに検索し、区分を抽出すし、また該当バースのデータを更新する。なお、本実施形態では、例えば更新対象テーブルをバース状況データとし、更新内容として、「車両番号=空白」、「状況区分=空き」、「バースNo.=5」等を更新する。
【0145】
次に、誘導制御手段76は、シュート割付データより、割り付いている着店コード先頭1桁を抽出し、誘導優先地区管理マスタから優先管理Noがが一番小さいエリア(優先順位に高いエリア)を検索する。なお、本実施形態では、例えばシュート割付があり、一番優先度が高いエリアとして「1(北海道)」を取得する。
【0146】
次に、誘導制御手段76は、構内車両データと荷物データから、1番エリア(北海道)のの荷物を積んでいる車両を検索する。なお、検索条件としては、ステータスが「待機中」であり、積降区分が「荷降」であり、着店コードが先頭1桁目が1の荷物を積んでいる等を用いる。なお、上述の例では、着店コードの先頭1桁目が誘導優先地区管理マスタに設定されているエリア番号に相当するものとする。なお、処理結果として、例えば車両番号「0000000302」、「0000000303」を取得する。
【0147】
ここで、誘導制御手段76は、該当車両が複数ヒットしたため、例えば待機時間の長い車両を抽出する(例えば、車両番号0000000302の方が到着時刻が早いため、誘導車両を0000000302に決定する)。次に、構内車両データに対して車両番号0000000302をキーにしてデータ更新を行う。なお、更新内容としては、例えば「ステータス=バース移動中」等である。
【0148】
本実施形態では、上述した検索処理により、誘導状況掲示板24−1〜24−3の少なくとも1つに迅速且つ適切な誘導先(行き先)を表示することができる。
【0149】
上述したように本発明によれば、待機車両に対して効率的な誘導を行い、構内での車両待機時間を短縮することができる。具体的には、本発明によれば、構内エリアの所定の位置に設けられたカメラから得られる車両情報や作業エリア状況情報、車両積載荷物情報等を用いて最適な誘導先を導き出すシステムを構築することができる。
【0150】
したがって、本発明によれば、例えば作業員の省人化や構内での車両待機時間を短縮することにより、例えばアイドリング中の排出COを削減することができる。
【0151】
なお、上述した実施形態では、主に自動車における車両誘導について説明したが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば船やコンテナ等における配送業務全般に対して適用することができる。具体的には、船内やコンテナ内の荷物に対する荷降ろしや積み込み作業を行う場合に、船の船着場への誘導や、コンテナの倉庫への誘導等にも広く適用することができる。なお、上述した船やコンテナを識別する場合には、上述したナンバープレートの代わりに、船の側面やコンテナの側面に記述された識別情報(例えば、船名、コンテナ番号等)をカメラで撮影し、撮影した画像を解析して識別情報を取得することで、上述した車両情報と同様の情報を取得することができる。
【0152】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0153】
1 車両誘導システム
10 構内エリア
11 入口ゲート
12 待機場
13 ドライバー休憩室
14 作業場
15 仕分け装置
16 構内車両誘導装置
17 出力ゲート
21 ゲート部
22 カメラ(撮像装置(撮像手段))
23 行先表(行先表示手段(第1の誘導表示手段))
24 誘導状況掲示板(誘導状況掲示手段(第2の誘導表示手段))
25 コンベア(荷物配送手段)
26 荷降用バース領域
27 積込用バース領域
30 配車管理装置
31 通信ネットワーク
40 配車(車両)
51,61,71 入力手段
52,62,72 出力手段
53,63,73 蓄積手段
54 配車割当手段
55 配車管理手段
56,64,78 送受信手段
57,65,79 制御手段
64 仕分け管理手段
74 車両情報取得手段
75 状況管理手段
76 誘導制御手段
77 表示制御手段
81 入力装置
82 出力装置
83 ドライブ装置
84 補助記憶装置
85 メモリ装置
86 CPU(Central Processing Unit)
87 ネットワーク接続装置
88 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構内の所定位置に設置された複数の撮像装置と、前記構内の車両に対する所定エリアへの誘導を管理する構内車両誘導装置と、前記車両の誘導先を表示する表示装置とを含む車両誘導システムにおいて、
前記構内車両誘導装置は、
前記撮像装置により撮影された画像に含まれる前記車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報取得手段により得られる車両情報と、予め設定される前記構内における荷物の入出庫を仕分けする仕分け情報と、前記荷物を所定の地区へ配送する車両を管理する配車情報とに基づいて、前記車両を所定エリアへ誘導する誘導制御手段と、
前記誘導制御手段により得られる前記車両に対する誘導先を前記表示装置に所定のタイミングで表示する表示制御手段とを有することを特徴とする車両誘導システム。
【請求項2】
前記表示装置は、
前記構内への入口ゲートに設けられた前記車両の誘導場所を表示する第1の誘導表示手段と、
前記構内の車両待機場に設けられた前記車両の待機状況及び前記所定エリアへの誘導情報を表示する第2の誘導表示手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両誘導システム。
【請求項3】
前記車両情報取得手段は、
前記撮像装置により撮影された画像に含まれる前記車両のナンバープレートの文字を認識して前記車両情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両誘導システム。
【請求項4】
前記誘導制御手段は、
予め設定される前記荷物の配送先に応じて前記所定エリアに誘導する車両の優先順位を設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両誘導システム。
【請求項5】
前記誘導制御手段は、
前記配送先が前記構内の位置から遠いほど、前記優先順位を高くすることを特徴とする請求項4に記載の車両誘導システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両誘導システムにおける車両誘導方法であって、
前記撮像装置により撮影された画像に含まれる前記車両の車両情報を取得し、取得した車両情報と、予め設定される前記構内における荷物の入出庫を仕分けする仕分け情報と、前記荷物を所定の地区へ配送する車両を管理する配車情報とに基づいて、前記車両を所定エリアへ誘導し、前記車両に対する誘導先を前記表示装置に所定のタイミングで表示する処理を有することを特徴とする車両誘導方法。
【請求項7】
前記構内への入口ゲートに設けられた第1の誘導表示手段により前記車両の誘導場所を表示し、前記構内の車両待機場に設けられた第2の誘導表示手段により前記車両の待機状況及び前記所定エリアへの誘導情報を表示することを特徴とする請求項6に記載の車両誘導方法。
【請求項8】
前記撮像装置により撮影された画像に含まれる前記車両のナンバープレートの文字を認識して前記車両情報を取得することを特徴とする請求項6又は7に記載の車両誘導方法。
【請求項9】
前記車両を所定エリアへ誘導する場合に、予め設定される前記荷物の配送先に応じて前記所定エリアに誘導する車両の優先順位を設定することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の車両誘導方法。
【請求項10】
前記配送先が前記構内の位置から遠いほど、前記優先順位を高くすることを特徴とする請求項9に記載の車両誘導方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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