説明

車両通行管理装置

【課題】車両が停止することなくゲートを通過させて、混雑時の車両の渋滞を解消することができる車両通行管理装置を提供する。
【解決手段】通路8を通過する車両に搭載されたICカードに記録されたID情報を読取るリーダ5と、通路8への車両の進入の有無を最初に検知するセンサL1と、 センサL1の車両通過方向下流側に配置されて通路8を開閉するゲート1と、ゲート1の車両通過方向下流側に配置されてゲート1を通過した車両を検知するセンサL2と、ゲート1を駆動するゲート駆動装置2と、センサL1並びにセンサL2の検知状態、及びリーダ5により読取られたID情報に基づいてゲート駆動装置2を駆動制御する制御装置6と、リーダ5によりID情報を読み取った結果が認証されたID情報であるか否かを表示する認証結果ランプ4と、制御装置6から送信される管理情報を管理する管理センタ7と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両通行管理装置に関し、さらに詳しくは、ゲートを設けた通路を通行する車両を管理する車両通行管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無人の駐車場等では、発券装置とゲートとを備え、駐車場への進入車両には駐車券を発券し且つゲートを開放して進入を許容する一方で、退出時にも駐車券の投入をゲート開放の条件とするゲート式進入退出管理装置が実用化されている。
図7は、従来のゲート式進入退出管理装置の構成の一例を示す図である。このゲート式進入退出管理装置100は、駐車場への進入車両20の運転者がボタンを押すことにより駐車券を発行する駐車券発行機24と、通路25への車両20の進入の有無を最初に検知するセンサL1と、センサL1の車両通行方向下流側に配置されて通路25を開閉するゲート21と、ゲート21の車両通過方向下流側に配置されてゲート21を通過した車両を検知するセンサL2と、ゲート21を駆動するゲート駆動手段22と、を備えて構成されている。この場合、車両20は駐車券を受け取るために駐車券発行機24の前で一旦停止する。その状態はセンサL1で検知され、駐車券発行機24から駐車券が発行される。その駐車券を抜取ることで、ゲート21が開放して、車両20がゲート21を通過してセンサL2上を通過する。センサL2は車両20が通過したことを検知すると、図示しない制御装置によりゲート21を閉止する。
【0003】
尚、このほかに、通路脇にID情報を非接触で読み取るリーダを設置し、ID情報を記録したICカードを搭載した車両がリーダに接近すると自動的にゲートを開閉する車両通行管理装置がある。しかし、この場合でも、リーダとゲート間の距離が近いために、車両は停止或いは減速して通過する必要があった。このように、従来のゲート式進入退出管理装置、或いは車両通行管理装置は、車両が1台ずつ駐車券発行機24やリーダの前で停止又は減速するため、ゲート21を通過するために多くの時間を要し、混雑時に車両が渋滞するといった問題がある。
尚、従来技術として特許文献1には、車両に無線タグを搭載し、ゲート手前に車両の進入を検知するセンサaとゲートを通過したことを検知するセンサbを設け、センサaで車両が停止または通過したことを検知すると、アンテナにより無線タグに記憶されている識別コードを読み取って、許可されたものであればゲートを開放するゲート開閉装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−117799公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されている従来技術は、車両がゲートの手前で停止することを前提としているため、混雑時に車両が渋滞することは避けられないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、車両検知手段とゲートとの離間距離を、リーダがID情報を確認可能な車両の最高通過速度と、この速度で通路を通過するときにゲートを開放完了するまでに要する時間とに基づいて設定することにより、車両が停止することなくゲートを通過させて、混雑時の車両の渋滞を解消することができる車両通行管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、ID情報を記録した非接触情報記録媒体を搭載した車両の通路に沿って配置されて該車両の通行を管理する車両通行管理装置であって、前記通路を通行する前記車両に搭載された非接触情報記録媒体に記録されたID情報を読取るリーダと、前記通路への前記車両の進入の有無を最初に検知する第1の車両検知手段と、前記第1の車両検知手段の車両通行方向下流側に配置されて前記通路を開閉するゲートと、前記ゲートの車両通行方向下流側に配置されて該ゲートを通過した車両を検知する第2の車両検知手段と、前記ゲートを駆動するゲート駆動手段と、前記第1の車両検知手段並びに前記第2の車両検知手段の検知状態、及び前記リーダにより読取られたID情報に基づいて前記ゲート駆動手段を駆動制御する制御手段と、を備え、前記第1の車両検知手段と前記ゲートとの離間距離Lgを、前記リーダが前記ID情報を確認可能な前記車両の最高通行速度をVmとし、該車両が通過速度Vmで前記通路を通過するときに前記ゲート駆動手段により前記ゲートを開放完了するまでに要する時間をtとした時に、Lg=Vm×t以上に設定したことを特徴とする。
リーダにより車両のID情報を確認する位置とゲートとの距離が短いほど、装置を小さく構成することができる。しかしその半面、車両はリーダの位置で一旦停止しなければ、ゲートが開放する前にゲートに接触する可能性がある。この結果、車両が一旦停止せざるを得ないため、従来の課題を解決することができない。そこで本発明では、従来の構成において、第1の車両検知手段とゲートとの離間距離Lgを、リーダがID情報を確認可能な車両の最高通過速度をVmとし、車両が通過速度Vmで通路を通過するときにゲート駆動手段によりゲートを開放完了するまでに要する時間をtとした時に、Lg=Vm×t以上に設定した。これにより、ID情報を確認可能な最高通過速度で車両が通過しても、ゲートに接触することなく通過することができる。
【0007】
請求項2は、前記制御手段は、前記第1の車両検知手段により前記車両を検知し、且つ前記第2の車両検知手段により前記車両を検知しない状態の場合、前記リーダから前記非接触情報記録媒体を活性化するための電波を放射して前記ID情報を読み取り、該読み取り結果が認証されたID情報であると確認すると、前記ゲート駆動手段により前記ゲートを開放することを特徴とする。
第1の車両検知手段により車両を検知し、且つ第2の車両検知手段により車両を検知しない状態は、リーダにより車両に搭載された非接触情報記録媒体に記録されたID情報を読取る最適な位置にいることを表している。そこで、例えばUHF帯域による通信方式の場合に、リーダからUHF帯域の電波を放射して非接触情報記録媒体を活性化して、ID情報を読み取った結果が認証されたID情報であることが確認すると、ゲートを開放する。これにより、リーダから電波を最適なタイミングで放射することができる。
【0008】
請求項3は、前記制御手段は、前記ゲートが開放した後、前記第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段の双方が前記車両を検知しない状態と、前記第2の車両検知手段のみが前記車両を検知する状態と、前記第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段の双方が前記車両を検知しない状態と、を順次検知した場合、前記車両がゲートを通過完了したと見做して前記ゲート駆動手段により前記ゲートを閉止することを特徴とする。
ゲートを開放した後は、車両は第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段を順次通過する。従って、同じ検知状態でも通過手順が正しく行われた結果であるか否かを見なければならない。本発明では、通過手順が正しく行われて、ゲートを閉止するタイミングを第1の車両検知手段及び第2の車両検知手段の双方が車両を検知しない状態の時とする。これにより、ゲートを閉止するタイミングを正確に設定することができる。
【0009】
請求項4は、前記制御手段は、前記ゲートが開放した後、前記第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段の双方が前記車両を検知しない状態を検知した後に、前記第1の車両検知手段が車両を検知した場合は、先行する車両が前記第1の車両検知手段と前記第2の車両検知手段の間に存在し、且つ後続の車両が前記第1の車両検知手段に到達したと見做すことを特徴とする。
本発明では、第1の車両検知手段及び第2の車両検知手段の距離は比較的大きく離間しているため、先行する車両が第1の車両検知手段と第2の車両検知手段の間に存在して、あたかも車両が1台も存在しない状態を検知する場合がある。このとき、第1の車両検知手段により車両を検知した場合は、2台目の車両が進入していることになる。これにより、車両を1台も検知しない状態であっても、2台目として正確に検知することができる。
【0010】
請求項5は、前記リーダにより前記ID情報を読み取った結果が認証されたID情報であるか否かを表示する認証結果表示手段を備えたことを特徴とする。
車両の運転者は、リーダを通過した時にID情報が正しく読み取られ、それによりゲートが開放するか否かを予め知りたい筈である。そこで本発明では、認証されたID情報であるか否かを表示する認証結果表示手段を備える。これにより、ゲートが開放する前に事前に目視で確認することができる。
【0011】
請求項6は、前記第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段は、地表面に埋設したループコイルにより構成されていることを特徴とする。
車両は一般的に金属により構成されている。金属は磁界を受けると、金属内でジュール熱に変換されて磁界を吸収する働きがある。また、金属がない場合は、磁界のループが形成される。このようにループコイルに電流を流すことにより磁界を発生させて、磁界の変化を検出することにより、車両の有無を検知することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来の構成において、第1の車両検知手段とゲートとの離間距離Lgを、リーダがID情報を確認可能な車両の最高通過速度をVmとし、車両が通過速度Vmで通路を通過するときにゲート駆動手段によりゲートを開放完了するまでに要する時間をtとした時に、Lg=Vm×t以上に設定したので、ID情報を確認可能な最高通過速度で車両が通過しても、ゲートに接触することなく通過することができる。
また、例えばUHF帯域による通信方式の場合に、リーダからUHF帯域の電波を放射して非接触情報記録媒体を活性化して、ID情報を読み取った結果が認証されたID情報であることが確認すると、ゲートを開放するので、リーダから電波を最適なタイミングで放射することができる。
また、通過手順が正しく行われて、ゲートを閉止するタイミングを第1の車両検知手段及び第2の車両検知手段の双方が車両を検知しない状態の時とするので、ゲートを閉止するタイミングを正確に設定することができる。
また、ゲートが開放した後、第1の車両検知手段により車両を検知した場合は、2台目の車両が進入していることになるので、車両を1台も検知しない状態であっても、2台目として正確に検知することができる。
また、認証されたID情報であるか否かを表示する認証結果表示手段を備えるので、ゲートが開放する前に事前に目視で確認することができる。
また、ループコイルに電流を流すことにより磁界を発生させて、磁界の変化を検出することにより、車両の有無を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る車両通行管理装置の構成を示す図である。
【図2】縦軸にリーダとゲートまでの距離、横軸に時間をとった図である。
【図3】1台の車両が車両通行管理装置を通過するときに各部が動作する様子を説明する図である。
【図4】2台の車両が車両通行管理装置を通過するときに各部が動作する様子を説明する図である。
【図5】車両が車両通行管理装置を通過するときの各部の状態を表にした図である。
【図6】本発明の車両通行管理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】従来のゲート式進入退出管理装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る車両通行管理装置の構成を示す図である。この車両通行管理装置50は、ID情報を記録したICカード(タグ)(非接触情報記録媒体)を搭載した車両(図示せず)の通路8に沿って配置されて車両の通行を管理する車両通行管理装置50であって、通路8を通行する車両に搭載されたICカードに記録されたID情報を読取るリーダ5と、通路8への車両の進入の有無を最初に検知するループコイルセンサL1(以下、単にセンサL1と呼ぶ)(第1の車両検知手段)と、センサL1の車両通行方向下流側に配置されて通路8を開閉するゲート1と、ゲート1の車両通行方向下流側に配置されてゲート1を通過した車両を検知するループコイルセンサL2(以下、単にセンサL2と呼ぶ)(第2の車両検知手段)と、ゲート1を駆動するゲート駆動装置(ゲート駆動手段)2と、センサL1並びにセンサL2の検知状態、及びリーダ5により読取られたID情報に基づいてゲート駆動装置2を駆動制御する制御装置(制御手段)6と、リーダ5によりID情報を読み取った結果が認証されたID情報であるか否かを表示する認証結果ランプ(認証結果表示手段)4と、制御装置6から送信される管理情報を管理する管理センタ7と、を備えて構成されている。
【0016】
この車両通行管理装置50は、センサL1とゲート1との離間距離Lgを、リーダ5がID情報を確認可能な車両の最高通行速度をVmとし、車両が通過速度Vmで通路8を通過するときにゲート駆動装置2によりゲート1を開放完了するまでに要する時間をtとした時に、Lg=Vm×t以上に設定した。例えば、車両の最高通行速度をVm=20Km/h、ゲート駆動装置2によりゲート1を開放完了するまでに要する時間t=2secとすると、Lg=Vm×t=(20Km/h)×2sec≒11mとなる。従って、センサL1とゲート1との離間距離を11m以上に設定すればよい。尚、車両の最高通行速度は、ICカードが理想的な位置と方向(即ち、リーダと同じ高さで、且つリーダから放射される電波に対して直交する向き)に搭載された場合は、更に速く設定できるが、実際には全ての車両が理想的な位置と方向にICカードを搭載するとは限らないので、20Km/h〜10Km/hが現実的な値となる。仮に10Km/hであれば、離間距離Lgを1/2の約5mにすることができる。
【0017】
また、車両の運転者は、リーダ5を通過した時にID情報が正しく読み取られ、それによりゲート1が開放するか否かを予め知りたい筈である。そこで本実施形態では、認証されたID情報であるか否かを表示する認証結果ランプ4を備える。これにより、ゲート1が開放する前に事前に目視で結果を確認することができる。
また、車両は一般的に金属により構成されている。金属は磁界を受けると、金属内でジュール熱に変換されて磁界を吸収する働きがある。また、金属がない場合は、磁界のループが形成される。このようにループコイルに電流を流すことにより磁界を発生させて、磁界の変化を検出することにより、車両の有無を検知することができる。
【0018】
図2は縦軸にリーダとゲートまでの距離、横軸に時間をとった図である。この図では、従来の構成と比較するために、リーダからゲートまでの距離Lg2が短い場合と、本発明のように、リーダからゲートまでの距離Lg1が長い場合を併記する。まず、従来の場合は、A1台目は、リーダの位置まで図のように進入して、リーダに近づくと速度を低下させて、リーダの位置で一旦twの間停止する。そしてID情報が認証されると、ゲートをオープンして、加速して通過する。A2台目は、A1台目と同様に時間t1後にリーダに近づくと速度を低下させて、リーダの位置で一旦twの間停止する。そしてID情報が認証されると、ゲートをオープンして、加速して通過する。
【0019】
一方、本発明では、B1台目はリーダの位置まで図のように進入して、リーダに近づいても停止することなく通過して、ID情報が認証されると、ゲートをオープンして、加速して通過する。B2台目は、B1台目と同様に時間t2後に、リーダの位置まで図のように進入して、リーダに近づいても停止することなく通過して、ID情報が認証されると、ゲートをオープンして、加速して通過する。
以上の通り、本発明はゲートの位置で車両を停止させないので、2台目の待ち時間がt1>t2となり、従来より待ち時間を短くしてゲートを通過することができる。
【0020】
図3は1台の車両が車両通行管理装置を通行するときに各部が動作する様子を説明する図である。夫々を状態1〜7として説明する。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。また、図5(a)はこのときの各部の状態を表にした図である。まず図3(a)では状態1として、車両10が矢印の方向に進入する。この状態では、センサL1、L2は車両を検知せず、リーダ5は不動作である。従って、ゲート1は閉止されたままであり、認証結果ランプ4は消灯している。つぎに、図3(b)では状態2として、車両10がセンサL1の上にいるので、センサL1により車両10を検知しているが、リーダ5からは電波は発射されていない。つぎに、図3(c)では状態3として、リーダ5が動作して電波を発射して、車両10のICカード11と交信を開始する。図3(d)では状態4として、車両10がセンサL1の上にいるので、この状態では、センサL1は車両を検知し、L2は車両を検知せず、リーダ5が動作してICカード11のID情報を読み取って認証されているので、認証結果ランプ4のOKを点灯して、ゲート1を開放する。即ち、センサL1により車両10を検知し、且つセンサL2により車両を検知しない状態は、リーダ5により車両に搭載されたICタグ11に記録されたID情報を読取る最適な位置にいることを表している。そこで、例えばUHF帯域による通信方式の場合に、リーダ5からUHF帯域の電波を放射してICタグ11を活性化して、ID情報を読み取った結果が認証されたID情報であることが確認すると、ゲート1を開放する。これにより、リーダ5から電波を最適なタイミングで放射することができる。
【0021】
つぎに、図3(e)では状態5として、車両10がセンサL1とL2の間にいるので、この状態では、センサL1とL2は共に車両を検知せず、リーダ5が不動作となり、認証結果ランプ4を消灯して、ゲート1を開放のままである。つぎに、図3(f)では状態6として、車両10がセンサL2の上にいるので、この状態では、センサL2のみが車両を検知して、リーダ5が不動作のままで、認証結果ランプ4も消灯のままで、且つゲート1も開放のままである。つぎに、図3(g)では状態7として、車両10がセンサL2を通過するので、この状態では、センサL1とL2の双方が車両を検知せず、リーダ5が不動作のままで、認証結果ランプ4も消灯のままで、ゲート1を閉止する。即ち、ゲート1を開放した後は、車両10はセンサL1及びL2を順次通過する。従って、同じ検知状態でも通過手順が正しく行われた結果であるか否かを見なければならない。本実施形態では、通過手順が正しく行われて、ゲート1を閉止するタイミングをセンサL1及びL2の双方が車両10を検知しない状態の時とする。これにより、ゲート1を閉止するタイミングを正確に設定することができる。
以上の動作が、1台の車両が正常に車両通行管理装置50を通過した時の動作の経過である。尚、図3(d)の状態4において、リーダ5が動作してICカード11のID情報を読み取って認証されない場合は、認証結果ランプ4のNGを点灯してゲートを開放しない。
【0022】
図4は2台の車両が車両通行管理装置50を通過するときに各部が動作する様子を説明する図である。夫々を状態8〜10として説明する。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。また、図5(b)はこのときの各部の状態を表にした図である。まず図4(a)では状態8として、A車両10が矢印の方向に通過してセンサL1とL2の中間にいるときに、B車両12がセンサL1の上にいる。この状態では、センサL2は車両を検知せず、センサL1が車両を検知して、そしてリーダ5はまだ不動作状態であり、ゲート1は開放のままであり、認証過程であるので認証結果ランプ4はまだ消灯している。即ち、本実施形態では、センサL1及びL2の距離は比較的大きく離間しているため、先行する車両10がセンサL1とL2の間に存在して、あたかも車両が1台も存在しない状態を検知する場合がある。このとき、センサL1により車両12を検知した場合は、2台目の車両が進入していることになる。これにより、車両を1台も検知しない状態であっても、2台目として正確に検知することができる。
【0023】
つぎに、図4(b)では状態9として、A車両がセンサL2の上にいて、B車両がセンサL1の上にいるので、この状態では、センサL1、L2共車両を検知するが、リーダ5が不動作で、認証結果ランプ4は消灯して、ゲート1を開放のままとする。ぎに、図4(c)では状態10として、A車両10がセンサL2を通過し、B車両12がセンサL1の上にいるので、この状態では、センサL1が車両を検知し、L2は車両を検知せず、リーダ5が動作となり、ICカード13と交信中となり、ゲート1を閉止する。
【0024】
図6は本発明の車両通行管理装置の動作を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートでは、図5の状態1〜状態10に対応させて説明し、各状態の説明は図3及び図4で説明したので、説明を省略する。
まず、ステップ1として状態1、ステップ2として状態2、ステップ3として状態3、ステップ4として状態4、ステップ5として状態5が順次行われる。ステップ5では、車両がL1とL2の間にあり、ICカード11とリーダ5とは交信範囲外にある。ここで、次の車両が連続してゲートに進入したか否かをチェックするために、L1検知有りか否かを見る(S6)。ここで、車両が1台の場合は、ステップS6でNであるので、図3で説明したように、ステップ7として状態6、ステップ8として状態7と進み、ステップ1の状態1から繰り返す。
ステップ6でL1が次の車両(車両B)を検知すると(S6でY)、ステップ9として図4の状態8に進む。ここで、先行車両(車両A)がL2まで到達したか否かをチェックし(S10)、検知しなければ(S10でN)状態8を継続し、検知すると(S10でY)、ステップ11として図4の状態9に進む。こで、先行車両(車両A)がL2を通過したか否かをチェックし(S12)、通過しなければ(S12でY)状態9を継続し、通過すると(S12でN)、ステップ13して図4の状態10に進み、ステップ3の状態3から継続する。
【符号の説明】
【0025】
1 ゲート、2 ゲート駆動装置、3 アイランド、4 認証結果ランプ、5 リーダ、6 制御装置、7 管理センタ、8 通路、50 車両通行管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ID情報を記録した非接触情報記録媒体を搭載した車両の通路に沿って配置されて該車両の通行を管理する車両通行管理装置であって、
前記通路を通行する前記車両に搭載された非接触情報記録媒体に記録されたID情報を読取るリーダと、
前記通路への前記車両の進入の有無を最初に検知する第1の車両検知手段と、
前記第1の車両検知手段の車両通行方向下流側に配置されて前記通路を開閉するゲートと、
前記ゲートの車両通行方向下流側に配置されて該ゲートを通過した車両を検知する第2の車両検知手段と、
前記ゲートを駆動するゲート駆動手段と、
前記第1の車両検知手段並びに前記第2の車両検知手段の検知状態、及び前記リーダにより読取られたID情報に基づいて前記ゲート駆動手段を駆動制御する制御手段と、を備え、
前記第1の車両検知手段と前記ゲートとの離間距離Lgを、前記リーダが前記ID情報を確認可能な前記車両の最高通行速度をVmとし、該車両が通過速度Vmで前記通路を通過するときに前記ゲート駆動手段により前記ゲートを開放完了するまでに要する時間をtとした時に、Lg=Vm×t以上に設定したことを特徴とする車両通行管理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の車両検知手段により前記車両を検知し、且つ前記第2の車両検知手段により前記車両を検知しない状態の場合、前記リーダから前記非接触情報記録媒体を活性化するための電波を放射して前記ID情報を読み取り、該読み取り結果が認証されたID情報であると確認すると、前記ゲート駆動手段により前記ゲートを開放することを特徴とする請求項1に記載の車両通行管理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ゲートが開放した後、前記第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段の双方が前記車両を検知しない状態と、前記第2の車両検知手段のみが前記車両を検知する状態と、前記第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段の双方が前記車両を検知しない状態と、を順次検知した場合、前記車両がゲートを通過完了したと見做して前記ゲート駆動手段により前記ゲートを閉止することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両通行管理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記ゲートが開放した後、前記第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段の双方が前記車両を検知しない状態を検知した後に、前記第1の車両検知手段が車両を検知した場合は、先行する車両が前記第1の車両検知手段と前記第2の車両検知手段の間に存在し、且つ後続の車両が前記第1の車両検知手段に到達したと見做すことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両通行管理装置。
【請求項5】
前記リーダにより前記ID情報を読み取った結果が認証されたID情報であるか否かを表示する認証結果表示手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の車両通行管理装置。
【請求項6】
前記第1の車両検知手段及び前記第2の車両検知手段は、地表面に埋設したループコイルにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の車両通行管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−118828(P2012−118828A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268906(P2010−268906)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】