説明

車両

【課題】電力供給量の少ない機器により発電された電力を用いて、効率よく電子機器を冷却する。
【解決手段】車両に搭載される電子機器と、電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部から供給される電力により動作し、それぞれがペルチェ素子を含む複数の冷却部と、前記複数の冷却部の吸熱側に配置される管であり、前記冷却部の吸熱によって冷却される空気を、前記電子機器に向かわせる第1の管と、前記電力供給部から供給される電力に応じて、動作させる冷却部の数を決め冷却部を制御する制御部と、を有する車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリなどの温度を調節する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、車両には、バッテリ等の温度を調節するための冷却機構が搭載されている。この冷却機構は、通常、車両のイグニッションスイッチがオフされた車両停車状態では作動しないため、車両停車後にバッテリ内の温度が徐々に上昇する。これは、バッテリの劣化を促進させる要因となる。また、車両には、バッテリの制御に関わるインバータ、コンバータなどの電子機器が搭載されており、これらの電子機器も冷媒により冷却される場合がある。
【0003】
温度調整に関しての技術として、駆動用の電池を備える車両に搭載される電池の温度調節装置であって、車両のキャビンから取り込まれた空気の流路において電池の上流側に配置されており、温度が相互に異なるように制御可能な第1部分及び第2部分を有し、第1部分又は第2部分により取り込まれた空気を選択的に加熱可能又は冷却するペルチェ素子と、電池の温度を検出する温度検出手段と、検出された温度に応じて、取り込まれた空気を加熱又は冷却するようにペルチェ素子を制御する制御手段とを備えた温度調節装置が開示されている(例えば特許文献1)。
【0004】
また、自動車に取り付けられる冷暖房システムであって、冷暖房手段としてのペルチェ素子と、これを作動させる太陽電池と、車室内の温度を検出する温度検出手段を備え、エンジン停止中に、太陽電池により発電した電力で、上記温度検出手段の検出信号にもとづきペルチェ素子を冷房または暖房作動させるようにしたことを特徴とするシステムが開示されている(例えば特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−110829号公報
【特許文献2】特開平11−34647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ペルチェ素子は、投入される電力に応じてCOP(Coefficient of Performance)が変動するところ、特許文献1及び2ではこの点が考慮されていない。
【0007】
本願発明は、ペルチェ素子の特性を踏まえて、車両に搭載される電子機器または車室内を適切に効率よく冷却することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明に係る車両は、(1)車両に搭載される電子機器と、電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部から供給される電力により動作し、それぞれがペルチェ素子を含む複数の冷却部と、前記複数の冷却部の吸熱側に配置される管であり、前記冷却部の吸熱によって冷却される空気を、前記電子機器に向かわせる第1の管と、前記電力供給部から供給される電力に応じて、動作させる冷却部の数を決め冷却部を制御する制御部と、を有する。
【0009】
(2)上記(1)の構成において、前記制御部は、さらに、前記冷却部を複数動作させるように制御する場合、前記冷却部の使用頻度を示す値に基づき、動作させる冷却部の順番を異ならせるように制御する。またこの場合、(3)前記制御部は、前記冷却部を複数動作させるように制御する場合、第1の順番で動作させたときの使用頻度を示す値と、前記第1の順番とは逆順となる第2の順番で動作させたときの使用頻度を示す値とを比較し、該比較結果に基づき前記冷却部の動作順が前記第1の順番または前記第2の順番のいずれかとなるように制御する。このようにすることで、冷却部間での使用頻度のバラツキを低減させることができる。
【0010】
(4)上記(1)の構成において、さらに、さらに、前記複数の冷却部の排熱側に配置される管であり、外気を吸気し、前記冷却部の排熱を外気に向けて排出する第2の管を有する。このように、冷却部の排熱を外気へ排気させることで、冷却部の冷却性能がより向上する。
【0011】
(5)上記(1)の構成において、前記冷却部の吸熱によって冷却される前記第1の管内の空気を、前記第1のバッテリに向かわせる送風機を有し、前記制御部は、前記電力供給部からの電力供給が規定を満たさない場合、前記動作させる冷却部の数をゼロとし、前記送風機のみの稼働となるように制御する。このようにすることで、送風機を用いた冷却が可能となるとともに、供給電力が不足している場合は冷却部の動作を停止させることができる。
【0012】
(6)上記(1)の構成において、前記電子機器の温度の情報を取得するセンサを有し、前記制御部は、さらに、前記センサから前記電子機器の温度の情報を取得し、該温度情報の値が規定値を上回っている場合に、前記冷却部の数を決め、該決めた数の冷却部が動作するように制御する。このようにすることで、動作不要な場合はその動作を禁止させることができ、不必要な冷却制御を抑制できる。
【0013】
(7)上記(1)の構成において、前記制御部は、前記車両のエンジンが停止しているか否かを判定し、停止している場合、前記冷却部の数を決め、該決めた数の冷却部が動作するように制御する。このようにすることで、上記冷却制御をエンジンが停止している場合のみに制限させることができ、エンジンが駆動している場合は他の冷却機構等を用いることを可能とする。
【0014】
(8)上記(1)の構成において、前記制御部は、前記冷却部の成績係数に基づき、前記数を決める。このようにすることで、より高効率で冷却制御が可能となる。
【0015】
(9)前記電子機器は、前記車両を走行させるモータに供給される電力を蓄電するバッテリ、電圧を昇圧または降圧するコンバータ、電力を直流から交流へ変換するインバータのうちのいずれか1つまたは複数であることを特徴とし、また(10)前記電力供給部は、ソーラパネルで変換された電力を蓄電するバッテリ、または補機バッテリのいずれかであることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために、本願発明に係る車両は、(11)電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部から供給される電力により動作し、それぞれがペルチェ素子を含む複数の冷却部と、前記複数の冷却部の吸熱側に配置される管であり、前記冷却部の吸熱によって冷却される空気を、車室内に向かわせる第1の管と、前記電力供給部から供給される電力に応じて、動作させる冷却部の数を決め冷却部を制御する制御部と、を有する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
上記構成によれば、ペルチェ素子の特性を踏まえて、車両に搭載される電子機器または車室内を適切に効率よく冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両の斜視図である。
【図2】実施形態1のバッテリを冷却する冷却システムの概略図である。
【図3】ペルチェユニットの斜視図である。
【図4】ペルチェユニットの断面図である。
【図5】1モジュール当たりの供給電力と成績係数との関係を示す図である。
【図6】実施形態1の冷却システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施形態2の冷却システムの概略図である(モジュール83A、83B動作)。
【図8】実施形態2の冷却システムの概略図である(モジュール83D、83E動作)。
【図9】実施形態2のペルチェユニットの拡大構成図である。
【図10】実施形態2の冷却システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
図1を参照しながら、本実施形態に係る車両の概略構成について説明する。図1は、車両の斜視図であり、一部の要素を透視して図示する。Frは車両の前進方向(前側方向)を示しており、Rrは車両の後進方向(後側方向)を示しており、Rhは車両の進行方向(Fr方向)に向かって右側の方向を示しており、Lhは車両の進行方向(Fr方向)に向かって左側の方向を示している。
【0020】
図2は、車両200が有する、バッテリを冷却する冷却システムの概略図である。車両200は、バッテリ12(第1のバッテリに相当する)の出力を用いてモータを駆動する第1の駆動経路とエンジン2による第2の駆動経路とを有するハイブリッド車両である。ただし、車両200は、第1及び第2の駆動経路のうち第1の駆動経路のみを有する電気車両であってもよい。また、車両200は、第1及び第2の駆動経路を有すると共に、車両外部の外部電源を用いてバッテリ12を充電可能なプラグインハイブリッド車両であってもよい。
【0021】
バッテリパック1は、バッテリケース11と、バッテリケース11の内部に収容されたバッテリ12(図2参照)とを含む。バッテリ12は、複数の単電池を直列に接続したり、或いは複数の単電池を並列に接続した電池ブロックを直列に接続することにより構成してもよい。単電池は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの二次電池、或いはキャパシタであってもよい。バッテリ12は、例えば、車両200のリアシートのRr側に形成されたラゲージルームに設置される。
【0022】
バッテリパック1のバッテリケース11には、車両Lh側に循環ダクト26(第1の管に相当する)が接続されており、車両Rh側に循環ブロワ27(送風機に相当する)が設けられている。循環ブロワ27が作動すると、循環ダクト26を介して、バッテリケース11の内外において空気を循環させることができる。循環ダクト26は、ペルチェユニット25の吸熱側に接続されている。循環ダクト26の内部を循環する空気は、ペルチェユニット25の吸熱側を通過することにより冷却される。これにより、冷却された空気を用いてバッテリ12を冷却できるため、バッテリ12の劣化を抑制できる。
【0023】
吸気管20(第2の管に相当する)の内部には、換気ファン28が設けられている。吸気管20の終端部には、車両外に向かって突出する排気口23が形成されている。吸気管20は、ペルチェユニット25の排熱側を通過するようになっている。換気ファン28が作動すると、吸気口21から取り込まれた外気は、排熱側を通過した際に温度上昇し、換気口23から車両外に放出される。
【0024】
車両停車状態で車両200が炎天下に放置されている場合には、エアコン3の作動が停止しているため、車室内及びバッテリケース11の内部の温度が徐々に上昇して、車外の温度よりも高くなる。例えば、車外の温度が40℃である場合、車室内の温度は50〜60℃になる。実施形態1では、循環ブロワ27を作動させることにより、循環ダクト26内部を空気が循環する。循環ダクト26の内部を循環する空気は、ペルチェユニット25における熱交換作用により、冷却される。したがって、冷却された空気を用いてバッテリ12を冷却することができる。これにより、バッテリ12の温度が下がり、バッテリ12の温度上昇による劣化を抑制できる。
【0025】
次に、図1及び図2を参照しながら、車両の構成について更に詳細に説明する。図2において、点線の矢印は信号が流れる方向を示しており、実線の矢印は電力が供給される方向を示している。また、太い黒色の矢印は空気が流れる方向を示している。
【0026】
車両200は、上記構成に加えて、さらに、コントローラ10、ペルチェユニット25、ソーラパネル40、ソーラ用バッテリ50、補機バッテリ60、電源切替スイッチ70、車外温度センサ71、バッテリ温度センサ74、スイッチ75、76を備える。
【0027】
車外温度センサ71は、車両200の外部の温度に関する情報を取得し、この取得した情報をコントローラ10に出力する。温度に関する情報は、サーミスタの抵抗値であってもよい。この場合、コントローラ10は、サーミスタの抵抗値の変化から、車室外の温度を算出する。ここで、車外温度センサ71は、図1に図示するように、車両200のFr方向の端部に配置することができる。
【0028】
バッテリ温度センサ74は、バッテリ12の温度に関する情報を取得し、この取得した情報をコントローラ10に出力する。温度に関する情報は、サーミスタの抵抗値であってもよい。また、温度に関する情報は、バッテリ12を構成する個々の単電池から取得してもよいし、或いは複数の単電池を纏めた電池ブロックから取得してもよい。ここで、コントローラ10は、バッテリ温度センサ74から取得した情報を用いて、バッテリ12の蓄電量を推定したり、バッテリ12の冷却制御を行ったりする。
【0029】
ここで、バッテリ12の冷却制御とは、充放電により発熱したバッテリ12を適正な温度に維持するために、循環ブロワ27、換気ファン28及びペルチェユニット25を作動させる制御のことである。車両が駆動している状態の場合、電源切替スイッチ70は補機バッテリ60に接続され、循環ブロワ27、換気ファン28及びペルチェユニット25は、補機バッテリ60から電力の供給を受けることにより作動する。一方車両停止状態時では、電源切替スイッチ70はソーラ用バッテリ50に接続され、冷却制御はソーラ用バッテリ50から供給される電力により行われる。
【0030】
コントローラ10は、車両200の種々の制御を行う。コントローラ10は、CPU、MPUであってもよいし、或いはこれらのCPUなどにおいて行われる少なくとも一部の処理を回路的に実行するASIC回路を含んでいてもよい。また、CPUなどの個数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。したがって、例えば、バッテリ12の充放電を制御するCPUと、換気ファン28、循環ブロワ27等の駆動を制御するCPUとが、異なっていても良い。
【0031】
ソーラパネル40は、図1に図示するように、車両200の屋根を構成するムーンルーフガラスに内蔵されている。ソーラパネル40は、複数のソーラセルを含む。ソーラセルは、多結晶シリコンからなる半導体の1種で、光エネルギを直接電気に変換する。N型半導体及びP型半導体の2種の材料から構成されているソーラセルに太陽光が照射されると、ソーラセルからマイナス電荷(電子)とプラス電荷(孔)が生成される。マイナス電荷はN型半導体に集まり、プラス電荷はP型半導体に集められる。ソーラパネル40で得られた電力は、ソーラ用バッテリ50に蓄電される。ソーラ用バッテリ50は、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池、或いはキャパシタであってもよい。
【0032】
補機バッテリ60は、車室内のオーディオ機器に電力を供給したり、或いは上述したバッテリ12の冷却制御を行う際に、循環ブロワ27等に対して作動電力を供給する。補機バッテリ60は、バッテリ12から電力を供給することにより蓄電される。
【0033】
ソーラ用バッテリ50及び補機バッテリ60は、電源切替スイッチ70を介して換気ファン28、循環ブロワ27及びペルチェユニット25に接続されている。コントローラ10は、電源切替スイッチ70に対して駆動信号(例えば、High/Low信号)を出力することにより、ソーラ用バッテリ50から換気ファン28、循環ブロワ27及びペルチェユニット25に対する電力の供給を許容する位置と、補機バッテリ60から換気ファン28、循環ブロワ27及びペルチェユニット25に対する電力の供給を許容する位置との間で動作する。
【0034】
スイッチ75は、コントローラ10からの駆動信号に基づき、オンとオフとの間で切り替わる。スイッチ75がオンになると、ソーラ用バッテリ50又は補機バッテリ60から循環ブロワ27に対する電力の供給が許容される。スイッチ75がオフになると、ソーラ用バッテリ50及び補機バッテリ60から循環ブロワ27に対する電力の供給が禁止される。
【0035】
スイッチ76は、コントローラ10からの駆動信号に基づき、オンとオフとの間で切り替わる。スイッチ76がオンになると、ソーラ用バッテリ50又は補機バッテリ60から換気ファン28に対する電力の供給が許容される。スイッチ76がオフになると、ソーラ用バッテリ50及び補機バッテリ60から換気ファン28に対する電力の供給が禁止される。
【0036】
ペルチェユニット25には、コントローラ10からの駆動信号に基づき、オンとオフとの間で切り替わるペルチェ用スイッチ77が設けられている。ペルチェ用スイッチ77がオンになると、ソーラ用バッテリ50又は補機バッテリ60からペルチェユニット25に対する電力の供給が許容される。ペルチェ用スイッチ77がオフになると、ソーラ用バッテリ50及び補機バッテリ60からペルチェユニット25に対する電力の供給が禁止される。
【0037】
ペルチェユニット25は、5つのペルチェモジュール83A〜83E(複数の冷却部)を有する。ペルチェモジュール83A〜83Eは、直列接続可能なように整列して配置されている。また、ペルチェユニット25は、稼動させるペルチェモジュールの数を切替えることが可能な各スイッチを有する。図2の例では、ペルチェモジュール83A、83Bの2つが駆動している状態である(図中、黒色のペルチェモジュールは駆動状態、白色のペルチェモジュールは停止状態を意味する。)。このようにペルチェモジュール83A、83Bの2つを駆動させる場合、接点P1、P2、P3Aが接する状態(オン状態)となるように各スイッチを制御する。
【0038】
同様に、1つのペルチェモジュールのみを駆動させる場合は、接点P1、P2Aが接する状態となるように各スイッチが制御され、3つのペルチェモジュールを駆動させる場合は、接点P1、P2、P3、P4Aが接するように各スイッチが制御される。4つの場合は、接点P1、P2、P3、P4、P5Aが接するように各スイッチが制御され、5つの場合は、接点P1、P2、P3、P4、P5が接するように各スイッチが制御される。これらペルチェユニット25内の各スイッチの制御も、コントローラ10の駆動信号に基づき行われる。尚、本実施形態ではペルチェモジュールの個数は5つとしているが、適宜変更することができる。
【0039】
次に、図3、図4を参照しながら、ペルチェユニット25の上記スイッチ以外の構成について詳細に説明する。図3は、ペルチェユニットの斜視図であり、図4は、図3のX1−X2面でペルチェユニット25を切断した断面図である。ペルチェユニット25は、吸熱ケース81、排熱ケース82及びペルチェモジュール83A〜83Eを含む。ペルチェモジュール83A〜83Eは、吸熱ケース81及び排熱ケース82に挟まれており、吸熱ケース81の長手方向に沿って所定間隔で配列されている。ペルチェモジュール83A〜83Eは、全て同じ構成であり、モジュール本体83X、複数の吸熱側フィン83Y及び複数の排熱側フィン83Zを含んでいる。
【0040】
モジュール本体83Xは、X−Y面を含む面内に配列される複数のP型熱電半導体及びN型熱電半導体と、これらの熱電半導体のZ軸方向の両端部にそれぞれ接合される銅電極とを含む。吸熱側フィン83Yは、吸熱ケース81と向き合う一方の銅電極に形成されており、排熱側フィン83Zは、排熱ケース82と向き合う他方の銅電極に形成されている。
【0041】
モジュール本体83Xと吸熱ケース81との間に吸熱側フィン83Yが介在することにより、循環ダクト26の一部が形成される。モジュール本体83Xと排熱ケース82との間に排熱側フィン83Zが介在することにより、吸気管20の一部が形成される。
【0042】
N型熱電半導体からP型熱電半導体に向かって直流電流を流すと、吸熱ケース81に対向する一方の銅電極から、排熱ケース82に対向する他方の銅電極に向かって放熱が行われる。したがって、ソーラ用バッテリ50、もしくは補機バッテリ60からモジュール本体83Xの銅電極に対して電流を流すことにより、循環ダクト26の内部を流れる空気を冷却することができる。また、モジュール本体83Xに対して複数の吸熱側フィン83Yが設けられることにより、循環ダクト26の内部を流れる空気に対する受熱面積が増大するため、冷却効果を高めることができる。同様に、モジュール本体83Xに対して複数の排熱側フィン83Zが設けられることにより、吸気管20の内部を流れる外気に対する放熱面積が増大するため、放熱効果を高めることができる。
【0043】
次に、ペルチェ素子の冷却効率について説明する。ペルチェ素子の冷却側での吸熱量は、
Qc=αeTeI − ReI^2/2 − KeΔT ・・・ (式1)
(Qc:吸熱量[W]、Te:冷却側絶対温度[K]、I:電流値[A]、
ΔT:素子の温度差[K]、αe:素子のゼーベック係数[V/K]、
Re:素子の抵抗値[Ω]、Ke:素子の熱コンダクタンス[W/K])
で与えられる。尚、上記式1の第1項は電流によるペルチェ効果であり、第2項は素子に発生するジュール熱であり、片面(冷却側)のみであるため1/2となる。また第3項は、素子の放熱側から冷却側に戻る熱量である。
また、冷却機器などのエネルギ消費効率の指標として使われる係数である成績係数COP(Coefficient of Performance)は、
COP=Qc / (Re×I^2) ・・・ (式2)
により算出される。
【0044】
式1、式2から、ペルチェモジュールは図5に示す曲線の特性を有する(図5の数値は一例)。例えば供給電力量が10Wの場合で、5モジュール稼動させると、1モジュール当りの電力は2W(10/5)となる。これを図5に照らし合わせると、COPは1となる。よって、供給電力量が10Wの場合において、5モジュール稼動させると、冷却能力は10W(5×2×1)相当となる。また一方、供給電力量が10Wの場合において1モジュール稼動させる場合、1モジュール当り10W(10/1)であるため、COPは3となる。よって供給電力量が10Wとする場合において、1モジュール稼動させると、冷却能力は30W(1×10×3)相当となる。このように、供給電力量が10Wの場合は5モジュール稼動よりも1モジュールで稼動させた方が効率がよい。
【0045】
また、供給電力量が30Wとする場合、5モジュール稼動させると、1モジュール当りで6W(30/5)となる。これを図5に照らし合わせると、COPは2.2となる。よって、供給電力量が30Wとする場合において5モジュール稼動させると、冷却能力は66W(5×6×2.2)相当となる。また一方、供給電力量が30Wの場合で、3モジュール稼動の場合、1モジュール当り10W(30/3)であるため、COPは3となる(図5参照)。よって供給電力量が30Wの場合において3モジュール稼動させると、冷却能力は90W(3×10×3)相当となる。このことから、供給電力量が30Wの場合は、5モジュール稼動させるよりも3モジュール稼動させる方が高効率となる。
【0046】
このように、1つ当りのペルチェモジュールへの供給電力(付与電流)によって、COPで示される効率が異なるため、使用するモジュール数を変えることで、より最適な効率とすることができる。本実施形態では、ソーラ用バッテリ50もしくは補機バッテリ60からの付与電流値もしくは供給電力値と、最適なモジュール数(COPの値が高くなるモジュール数)とを対応付けて記憶装置(不図示)に記憶させておき、コントローラ10が測定電流値もしくは供給電力値から最適なモジュール数を導出する。
【0047】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、コントローラ10が行う制御について説明する。尚、本例ではソーラ用バッテリ50から電力が供給されるものとするが、補機バッテリ60からでも構わない。
【0048】
コントローラ10は、イグニッションスイッチのオン/オフを判定することで、エンジン2が停止しているかを判定する(S101)。エンジンが停止している場合(S101、YES)、コントローラ10は、電池温度の値をバッテリ温度センサ74より取得し、取得された電池温度の値と予め定義されている所定値とを比較する(S102)。電池温度の値が所定値未満である場合(S102、NO)、処理は終了する。電池温度の値が所定値以上である場合(S102、YES)、コントローラ10は、電流計91、92の読取信号を取得する(S103)。この際、電流値を計測するため、コントローラ10は、スイッチ75、76およびスイッチ77をオンとし、またペルチェモジュールを駆動させるようにペルチェユニット25内の各スイッチを制御してもよい。
【0049】
次にコントローラ10は、測定される電流値が第1閾値以上であるかを判定する(S104)。尚、第1閾値は、循環ブロワ27、換気ファン28、およびペルチェユニット25が駆動可能な値であるとする。電流値が第1閾値以上である場合(S104、YES)、コントローラ10は、循環ブロワ27、換気ファン28が共に駆動するように、スイッチ75、76を制御する(S105)。
【0050】
コントローラ10は、使用するペルチェモジュールの数を、測定される電流値に基づき導出て決定し(S106)、導出した数となるように、ペルチェユニット25内の各スイッチに対し制御信号を出力する(S107)。これにより、ペルチェユニット25内の各スイッチが切り替わる。駆動状態となったペルチェモジュールにより、循環ダクト26内の空気が冷却され、循環ブロワ27により冷却された空気がバッテリ12に送風される(S108)。その後処理はS102に戻る。
【0051】
S104の判定に説明を戻す。取得される電流値が第1閾値未満である場合(S104、NO)、コントローラ10は、取得される電流値と第2閾値とを比較する(S109)。ここでの第2閾値は、循環ブロワ27が駆動可能な値であるとし、第1閾値よりも小さい値とする。第2閾値以上である場合(S109、YES)、コントローラ10は、循環ブロワ27のみが駆動するように、スイッチ75、76を制御して(S110)、処理はS108に進む。尚、S110が行われるときに、ペルチェユニット25が駆動している場合、コントローラ10は、ペルチェユニット25のスイッチ77をオフにして、換気ファン28のみによるバッテリ冷却となるように制御する。
【0052】
一方、取得される電流値が第2閾値未満である場合(S109、NO)、処理は終了するが、この際、コントローラ10は、循環ブロワ27、換気ファン28、ペルチェユニット25が駆動している場合はペルチェユニット25のスイッチ77、およびスイッチ75、76を全てオフにする。
【0053】
尚、S110では、循環ブロワ27のみを駆動させるとしているが、ペルチェユニット25のみを停止させ、循環ブロワ27、換気ファン28を駆動させる実装でもよい。この場合第2閾値は、循環ブロワ27、換気ファン28の両方が駆動可能な値となる。
【0054】
このように、炎天下に車両200を駐車する際に、循環ブロワ27及びペルチェユニット25を作動して、循環ダクト26の内部を循環する空気を冷却することによりバッテリ温度を冷却することができる。したがって、バッテリ12の劣化を抑制することができる。
【0055】
また、冷却制御において、ペルチェユニット25、換気ファン28及び循環ブロワ27を動作させるために必要なエネルギは十分に小さいため、車両200の屋根に設置できるような小サイズのソーラパネル40であっても、ペルチェユニット25、換気ファン28及び循環ブロワ27を冷却制御において駆動するのに十分なエネルギを得ることができる。また十分に必要なエネルギが得られない場合でも、ペルチェモジュールの数を調整し、且つ高効率とすることが可能である。
【0056】
(変形例1)
上述のフローチャートでは、ステップS102において、バッテリ12の温度と所定値とを対比したが、これに限られるものではなく、バッテリ温度と外気温度とを比較してもよい。この場合、コントローラ10は、車外温度センサ71から車外の温度値を取得し、バッテリ12の温度と比較する。
【0057】
(変形例2)
上述の実施形態では、電流値と閾値とを比較することで車両停車状態における冷却制御を行ったが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、車両停車状態でのソーラパネル40の発電量をモニタし、この発電量が閾値を超えたときに、ペルチェユニット25、換気ファン28及び循環ブロワ27を作動させることにより、冷却制御を行ってもよい。
【0058】
(変形例3)
上述の実施形態では、ソーラパネル40が車両200に搭載されているが、本願発明はこれに限られるものではなく、車両外部に設けられたソーラパネルから供給される電力によりペルチェユニット25、換気ファン28及び循環ブロワ27を駆動してもよい。例えば、充電スタンドでバッテリ12を充電する場合、通常、車両200は停止しているため、充電スタンドに設けられた太陽光パネルから供給される電力を用いてペルチェユニット25、換気ファン28及び循環ブロワ27を作動させ、車両停車状態におけるバッテリ12の温度上昇を抑制してもよい。つまり、本願発明は、ソーラパネル40を有しない車両に対しても適用することができる。
【0059】
(変形例4)
上述の実施形態では、バッテリ12の温度上昇を抑制する実装について記したが、車室内の温度上昇を抑制する実装であってもよい。この場合、循環ダクト26を車室内と連通するように配管することで、循環ブロワ27に相当する室内送風ブロワにより、車室内の空気を吸気して、ペルチェユニット25で冷却された空気を車室内に送風する循環流が形成される。またこの場合、図6のフローチャートにおいて、S102では、不図示の車室内温度センサによって計測される車室内温度と所定値とが比較される。
【0060】
(変形例5)
また、上述の実施形態では、バッテリ12の温度上昇を抑制する実装について記したが、これに限られず、車両に搭載され、冷却が必要となる他の電子機器に対しても適用することができる。当該他の電子機器は、コンバータ、インバータであってもよい。ここで、コンバータは、バッテリ12などから負荷(例えば、走行用モータ)に供給される電圧を昇圧したり、或いはジェネレータで得られた回生エネルギを蓄電する際に、電圧を降圧したりする。インバータは、バッテリ12等から供給される電力を直流から三相交流に変換して、負荷(例えば走行用モータ)に供給する。したがって、本発明は、例えばバッテリ12およびインバータを交互に冷却する場合、或いはインバータおよびコンバータを交互に冷却する場合にも適用することができる。
【0061】
(変形例6)
上述の実施形態では、コントローラ10は、成績係数(COP)に基づきペルチェモジュールの動作数を判定するものとしたが、成績係数を考慮せず、単純に、供給される電力が少ない場合は、ペルチェモジュールの動作数が少なくなるように制御し(最低ゼロとする)、一方供給される電力が多い場合は、ペルチェモジュールの動作数が多くなるように制御する(本実施形態では最高で5)、との実装であってもよい。
【0062】
(実施形態2)
実施形態1では、ペルチェモジュールの数を、冷却効率の良くなる数になるように制御する例を示したが、実施形態1の態様でペルチェモジュールを駆動させる場合、ペルチェモジュール83Aの使用頻度が最も高くなり、次いで、使用頻度の順位はペルチェモジュール83B、83C、83Dの順となり、最も使用頻度が低いペルチェモジュールは83Eとなる。このように、実施形態1ではペルチェモジュール間での使用頻度にバラツキが生じ、使用頻度が高いペルチェモジュールは、その分劣化が進む。実施形態2では、この使用頻度のバラツキを低減させる実装例について説明する。
【0063】
実施形態2では、ペルチェモジュールを動作させる場合に一意に規定された順番で動作させるのみならず、当該順番の逆順となるようにも動作を制御することで、ペルチェモジュールの使用頻度のバラツキを低減させる。実施形態2の構成例を図7、図8に示す。実施形態2の態様は、図7、図8に示すように、各スイッチや配線が実施形態1とは異なるペルチェユニット25Aを有する構成となる。図7、図8は、2つのペルチェモジュールを駆動させるときの各スイッチのオン/オフの状態を示している。図7は、ペルチェモジュール83Aを優先的に使用する場合のスイッチの状態であり、一方、図8は、ペルチェモジュール83Eを優先的に使用する場合のスイッチの状態を示している。
【0064】
また実施形態2では、使用頻度を示す値として、電流の積算値を用いる。すなわち、実施形態2のコントローラ10は、ペルチェモジュール83Aを優先的に使用したときの電流積算値、およびペルチェモジュール83Eを優先的に使用したときの電流積算値をそれぞれ個別に計上して記憶装置に記憶させる。コントローラ10は、この2つの電流積算値を比較して、数値の小さい方のモジュールを優先的に使用するように制御する。
【0065】
また、ペルチェモジュールの駆動数を増加させる場合、コントローラ10は、ペルチェモジュール83Aを優先的に駆動させる場合とペルチェモジュール83Eを優先的に駆動させる場合とで、駆動優先順序が逆転するように各スイッチを制御する。すなわち、ペルチェモジュール83Aを優先的に駆動させる場合、コントローラ10は、まずペルチェモジュール83Aを駆動させ、駆動数を増加させる場合は83B、83C、83D、83Eの順に駆動させる。一方ペルチェモジュール83Eを優先的に駆動させる場合、コントローラ10は、まずペルチェモジュール83Eを駆動させ、駆動数を増加させる場合は83D、83C、83B、83Aの順に駆動させる。
【0066】
このように本実施形態では、整列配置されるペルチェモジュールのうち、両端に配置されるペルチェモジュールのいずれを優先して駆動させるかを判定する。また駆動数が増加する場合、次に駆動するペルチェモジュールは、既に駆動しているペルチェモジュールの隣のモジュールとなる。コントローラ10は、このような動作となるようにペルチェユニット25A内の各スイッチを制御する。
【0067】
図9にペルチェユニット25Aの拡大構成図を示し、駆動数に応じた各スイッチの状態について具体的に説明する。尚、図9の破線矢印は電流の向きを示す。
【0068】
ペルチェモジュール83Aを優先的に駆動させる場合において、モジュールの駆動数を1つとする場合、P10、P12、P24がオンとなるように各スイッチが制御される。同様に、
・モジュールの駆動数を2つとする場合、P10、P13、P15、P24がオンとなるように各スイッチが制御される。
・モジュールの駆動数を3つとする場合、P10、P13、P16、P18、P24がオンとなるように各スイッチが制御される。
・モジュールの駆動数を4つとする場合、P10、P13、P16、P19、P21、P24がオンとなるように各スイッチが制御される。
・モジュールの駆動数を5つとする場合、P10、P13、P16、P19、P22がオンとなるように各スイッチが制御される。このとき、P24はオフとなる。
【0069】
一方、ペルチェモジュール83Eを優先的に駆動させる場合において、モジュールの駆動数を1つとする場合、P11、P23がオンとなるように各スイッチが制御される(P24はオフとなる)。同様に、
・モジュールの駆動数を2つとする場合、P11、P20、P22がオンとなるように各スイッチが制御される。
・モジュールの駆動数を3つとする場合、P11、P17、P19、P22がオンとなるように各スイッチが制御される。
・モジュールの駆動数を4つとする場合、P11、P14、P16、P19、P22がオンとなるように各スイッチが制御される。
・モジュールの駆動数を5つとする場合、P10、P13、P16、P19、P22がオンとなるように各スイッチが制御される。
コントローラ10は、上記でオンとなる接点以外はオフ状態となるように制御する。
【0070】
このようにペルチェユニット25A内の各スイッチがコントローラ10からの駆動信号に基づき制御されることで、数や優先順位に応じて各ペルチェモジュールが直列接続となり、且つ、各ペルチェモジュール間の使用頻度のバラツキを低減させることができる。
【0071】
実施形態2のコントローラ10の動作を、図9のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、図6と同一符号は同一処理であるため、説明を割愛する。S105の後、コントローラ10は、現時点の電流積算値を比較し(S201)、電流積算値の小さい方を選定する(S202)。その後、コントローラ10は、実施形態1と同様処理で駆動させるペルチェモジュールの数を判定し(S106)、S202での選定、およびS106の判定に基づき、上記の通りペルチェモジュール25A内の各スイッチを切り替える(S107A)。
【0072】
実施形態2についても、上記実施形態1で説明した各変形例を適用させることができる。
【0073】
制御部は、コントローラ10を含む。また制御部は、コントローラ10とペルチェユニット25(25A)内の各スイッチとによって構成されてもよい。
【0074】
冷却部は、実施形態1、実施形態2では、ペルチェモジュール83A〜83Eに対応する。尚、冷却部をペルチェモジュール83A〜83Eとしたのはあくまで一例であり、単体のペルチェ素子を冷却部としてもよい。このように、冷却部は、少なくとも1つのペルチェ素子を含むものであればよい。
【0075】
以上詳説したように、各実施形態によって、駆動させるペルチェモジュールを可変とすることができ、また効率良くペルチェモジュールを駆動させることができる。
【符号の説明】
【0076】
1 バッテリパック 2 エンジン 3 エアコン 10 コントローラ
11 バッテリケース 12 バッテリ 20 吸気管 21 吸気口
23 排気口 25 ペルチェユニット 26 循環ダクト、27 循環ブロワ
28 換気ファン 40 ソーラパネル、50 ソーラ用バッテリ
60 補機バッテリ 70 電源切替スイッチ 71 車外温度センサ
74 バッテリ温度センサ 75、76、77 スイッチ 81 吸熱ケース
82 排熱ケース 83A〜83E ペルチェモジュール
83X モジュール本体 83Y 吸熱側フィン 83Z 排熱側フィン
91、92 電流計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される電子機器と、
電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部から供給される電力により動作し、それぞれがペルチェ素子を含む複数の冷却部と、
前記複数の冷却部の吸熱側に配置される管であり、前記冷却部の吸熱によって冷却される空気を、前記電子機器に向かわせる第1の管と、
前記電力供給部から供給される電力に応じて、動作させる冷却部の数を決め冷却部を制御する制御部と、
を有する車両。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、前記冷却部を複数動作させるように制御する場合、前記冷却部の使用頻度を示す値に基づき、動作させる冷却部の順番を異ならせるように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御部は、前記冷却部を複数動作させるように制御する場合、第1の順番で動作させたときの使用頻度を示す値と、前記第1の順番とは逆順となる第2の順番で動作させたときの使用頻度を示す値とを比較し、該比較結果に基づき前記冷却部の動作順が前記第1の順番または前記第2の順番のいずれかとなるように制御する請求項2に記載の車両。
【請求項4】
さらに、前記複数の冷却部の排熱側に配置される管であり、外気を吸気し、前記冷却部の排熱を外気に向けて排出する第2の管を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両。
【請求項5】
前記冷却部の吸熱によって冷却される前記第1の管内の空気を、前記第1のバッテリに向かわせる送風機を有し、
前記制御部は、前記電力供給部からの電力供給が規定を満たさない場合、前記動作させる冷却部の数をゼロとし、前記送風機のみの稼働となるように制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両。
【請求項6】
前記電子機器の温度の情報を取得するセンサを有し、
前記制御部は、さらに、前記センサから前記電子機器の温度の情報を取得し、該温度情報の値が規定値を上回っている場合に、前記冷却部の数を決め、該決めた数の冷却部が動作するように制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両。
【請求項7】
前記制御部は、前記車両のエンジンが停止しているか否かを判定し、停止している場合、前記冷却部の数を決め、該決めた数の冷却部が動作するように制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車両。
【請求項8】
前記制御部は、前記冷却部の成績係数に基づき、前記数を決めることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の車両。
【請求項9】
前記電子機器は、前記車両を走行させるモータに供給される電力を蓄電するバッテリ、電圧を昇圧または降圧するコンバータ、電力を直流から交流へ変換するインバータのうちのいずれか1つまたは複数であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の車両。
【請求項10】
前記電力供給部は、ソーラパネルで変換された電力を蓄電するバッテリ、または補機バッテリのいずれかであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の車両。
【請求項11】
電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部から供給される電力により動作し、それぞれがペルチェ素子を含む複数の冷却部と、
前記複数の冷却部の吸熱側に配置される管であり、前記冷却部の吸熱によって冷却される空気を、車室内に向かわせる第1の管と、
前記電力供給部から供給される電力に応じて、動作させる冷却部の数を決め冷却部を制御する制御部と、
を有する車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−110897(P2013−110897A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255528(P2011−255528)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】