説明

車体の前突荷重支持体

【課題】隔壁(ダッシュボード)のブレーキ倍力装置取付部に補強部材が干渉せず、エンジンマウント後部取付部の後退を抑制した車体の前突荷重支持体を提供する。
【解決手段】前突荷重支持体56は、ダッシュボードクロスメンバーアッパ125の下方にダッシュボードクロスメンバーミドル126を配置している。ダッシュボードクロスメンバーミドル126は、その中央とサイドシルとの間に設けられ、左右のフロントサイドフレーム36、37の後端36a、37aを結合している中間部137、138と、中間部137、138に一端を結合し、ダッシュボードクロスメンバーアッパ125の中央部218に他端を結合したことで、ハの字に配置され、ダッシュボードクロスメンバーミドル126とで三角形を形成している左補強部材127、右補強部材128と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両前部に配置されたエンジンと車室の間に設けた車体の前突荷重支持体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体には、エンジンルームと車室を隔てる隔壁(ダッシュボード)が設けられている。このダッシュボードを補強するために、例えば、ダッシュボードに沿って補強部材を立て、補強部材の上部をダッシュボードの上のカウルに固定し、下部をダッシュボードの下のキックアップ部に固定している。キックアップ部は車室の床から立ち上がって、車両前方へ向かって延びるフロントサイドフレームの後部に結合している。
なお、補強部材には、ブレーキペダルの踏み込み力を補助する倍力装置が車室外側に取付けられている。
【0003】
この車体は、前面衝突時にフロントサイドフレームから伝わる荷重が、キックアップ部によって床のフロアフレームに伝達されるとともに、補強部材によってカウルにも伝達され、分散されるので、ダッシュボードの後退を抑制することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、従来技術(特許文献1)は、補強部材にブレーキの倍力装置を取付けているが、一般的に用いられているように、倍力装置をダッシュボードに取付けることができないという問題がある。
【0005】
また、従来技術は、補強部材でダッシュボードの後退を抑制するが、エンジンの後退によるダッシュボードの後退を抑制することができない。
例えば、エンジンをフロントサイドフレーム間に配置し、エンジンの後部を車幅方向の中央に設けたエンジン後部マウントに載せている場合、前面衝突すると、エンジン後部マウントに対しては、ダッシュボードの後退を抑制することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−299633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、隔壁(ダッシュボード)にブレーキ倍力装置を取付けるためのブレーキ倍力装置取付部を形成しても、ブレーキ倍力装置取付部に補強部材が干渉せずブレーキ倍力装置取付部を回避し、エンジンマウント後部取付部の後退を抑制し、ブレーキ倍力装置の配置やエアコンの配置を制限しない車体の前突荷重支持体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車室の前に立設した左右のフロントピラー間にフロントピラーの前のエンジンルームと車室を隔てる隔壁を設け、隔壁の上部にダッシュボードクロスメンバーアッパを設けて車両の左右方向に延設してフロントピラーに結合し、ダッシュボードクロスメンバーアッパの下方にダッシュボードクロスメンバーミドルを配置して車両の左右方向に延設して車室の床の左右に設けられたサイドシルに結合し、ダッシュボードクロスメンバーミドルは、その中央とサイドシルとの間に設けられ、エンジンルームから延びる左右のフロントサイドフレームの後端を結合している中間部と、中間部に一端を結合し、ダッシュボードクロスメンバーアッパの中央部に他端を結合したことで、車両の正面視、ハの字に配置され、ダッシュボードクロスメンバーミドルとで三角形を形成している補強部材と、を有し、補強部材より車両の外方へ、隔壁の一方にエンジンルームへ向け凸状にブレーキ倍力装置取付部を形成し、隔壁の他方にエンジンルームへ向け凸状にエアコン膨出部を形成していることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、補強部材とダッシュボードクロスメンバーミドルとで形成した三角形の内部にV字形の内部補強部材を、車両の正面視で、三角形の中央を通る垂直な線に内部補強部材の中央を通る垂直な中心線を一致させて設けていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、隔壁の下部にダッシュボードクロスメンバーロアをダッシュボードクロスメンバーミドルの中央から車両の左右方向、且つ車両の後方へ延設して、その後壁が車室の床の中央に設けられているトンネルの前部を形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、隔壁の上部にダッシュボードクロスメンバーアッパを設けてフロントピラーに結合し、ダッシュボードクロスメンバーアッパの下方にダッシュボードクロスメンバーミドルを配置して車室の床のサイドシルに結合し、ダッシュボードクロスメンバーミドルは、エンジンルームから延びるフロントサイドフレームの後端を結合している中間部と、中間部に一端を結合し、ダッシュボードクロスメンバーアッパの中央部に他端を結合したことで、ハの字に配置され、ダッシュボードクロスメンバーミドルとで三角形を形成している補強部材と、を有し、補強部材より車両の外方へ、隔壁の一方にエンジンルームへ向け凸状にブレーキ倍力装置取付部を形成し、隔壁の他方にエンジンルームへ向け凸状にエアコン膨出部を形成しているので、正面衝突で補強部材が後退すると、一方の補強部材は、エアコン膨出部を回避し、他方の補強部材は、ブレーキ倍力装置取付部に取付けたブレーキ倍力装置を回避するという利点がある。
【0012】
また、補強部材が直線状に形成され、補強部材のコンパクト化を図ることができ、結果的に、隔壁の強度をコンパクトに強化することができる。
【0013】
さらに、正面衝突の荷重で、エンジンルームの下に配置されたサブフレームが後退すると、補強部材及び隔壁に近接しているサブフレームのエンジンマウント後部取付部が補強部材に接触して荷重を伝達する。荷重を補強部材は分散することで、エンジンマウント後部取付部の後退を抑制することができる。
【0014】
加えて、補強部材より車両の外方へ、隔壁の一方にエンジンルームへ向け凸状にブレーキ倍力装置取付部を形成し、隔壁の他方にエンジンルームへ向け凸状にエアコン膨出部を形成しているので、補強部材が、ブレーキ倍力装置の配置やエアコンの配置を制限しないという利点がある。
【0015】
請求項2に係る発明では、三角形の内部にV字形の内部補強部材を、三角形の中央を通る垂直な線に内部補強部材の中央を通る垂直な中心線を一致させて設けているので、V字形の内部補強部材によって三角形の内部に3つの枠を形成することができ、補強強度を高めることができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、隔壁の下部にダッシュボードクロスメンバーロアをダッシュボードクロスメンバーミドルの中央から車両の左右方向、且つ車両の後方へ延設して、その後壁が車室の床の中央に設けられているトンネルの前部を形成しているので、ダッシュボードクロスメンバーロアは、左右をサイドシルで支持され、中央をトンネルで支持され、このように床(フロア)全体で支持され、ダッシュボードクロスメンバーロアの中央を補強することができ、正面衝突時のサブフレームの後退を一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例に係る車体の斜視図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】実施例に係る前突荷重支持体の斜視図である。
【図4】実施例に係る前突荷重支持体の断面図である。
【図5】前突荷重支持体の前方に配置されるサブフレームを下から見た底面図である。
【図6】前突荷重支持体のサブフレームを支持する機構を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
車両12は、図1に示すように、車体13と、車体13の前突荷重支持体56を備える。前突荷重支持体56は以降で具体的に説明していくが、正面衝突時の対策として車室26の前にダッシュボードクロスメンバーミドル126を設けている。
【0020】
車両12は、フロントのエンジンルーム21、エンジンルーム21の下に配置するサブフレーム(サブボデー)43、前輪24を備える。
【0021】
車体13は、車室26の床をなすアンダボデー27、車室26前のフロントボデー28、車室26の左のサイドボデー31、右のサイドボデー32、車室26後のリヤボデー33、ルーフ34を備えている。そして、車両12の中央の中心軸線Cを基準に左右がほぼ左右対称である。
【0022】
フロントボデー28は、エンジンルーム21を有し、エンジンルーム21の下部を形成している左のフロントサイドフレーム36と、右のフロントサイドフレーム37と、左右のアッパメンバー38と、を備えている。
【0023】
そして、フロントサイドフレーム36、37が車両12の正面41からアンダボデー27まで延びている。
フロントボデー28には、詳しくはフロントサイドフレーム36、37にフロントボデー28の下方からエンジン(図に示していない)などを載せたサブボデー43(図3、図4、図5も参照)が取付けられる。
【0024】
アンダボデー27は、左のサイドボデー31と右のサイドボデー32に取付けられたフロアパネル45と、中央に形成されたトンネル(トンネル部)46と、を備える。
【0025】
また、アンダボデー27は、車室26とエンジンルーム21を隔絶している隔壁(ダッシュボード)54と、ダッシュボード54より車両12前方に設けた前突荷重支持体56と、左のサイドボデー31に設けた左のサイドシル66、右のサイドボデー32に設けた右のサイドシル71、を備える。
【0026】
左のサイドボデー31と右のサイドボデー32は対称なので、左のサイドボデー31を説明する。
サイドボデー31は、フロントピラー78と、センタピラー81と、リヤピラー82と、サイドシル66と、これらの表面を形成するサイドアウタパネル83と、を備えている。フロントピラー78にはダッシュボード54の左端を接合している。
右のフロントピラー78にはダッシュボード54の右端を接合している。88はサイドシル66、71の前部である。
【0027】
前突荷重支持体56は、図1〜図3に示す通り、ダッシュボードクロスメンバーアッパ125と、ダッシュボードクロスメンバーミドル126と、左補強部材127と、右補強部材128と、内部補強部材131(左の内部補強部材131a、右の内部補強部材131b)と、ダッシュボードクロスメンバーアンダー132と、連結部材133と、からなる。車両の正面視(図2の視点)で、中心線Cfを基準に左右対称である。
【0028】
ダッシュボードクロスメンバーアッパ125の一端125a、他端125bがフロントピラー78の中央にそれぞれ固定されている。
ダッシュボードクロスメンバーミドル126の一端135、他端136がフロントピラー78の下端にそれぞれ固定されている。
【0029】
ダッシュボードクロスメンバーミドル126には、左の一端135から全長のほぼ4分の1の所に中間部(ハブ部)137が設定され、右の他端136から全長のほぼ4分の1の所に中間部(ハブ部)138が設定されている。
左のハブ部137に左のフロントサイドフレーム36の後端36aが結合され、ハブ部138に右のフロントサイドフレーム37の後端37aが結合されている。
【0030】
また、ダッシュボードクロスメンバーミドル126の左のハブ部137に左補強部材127の下端が結合し、左補強部材127の上端がダッシュボードクロスメンバーアッパ125の中央に結合している。
一方、右補強部材128が左補強部材127に対称に取付けられている。つまり、右のハブ部138とダッシュボードクロスメンバーアッパ125の中央に結合している。
【0031】
左補強部材127の上端からダッシュボードクロスメンバーミドル126の中央まで左の内部補強部材131aが延び、この内部補強部材131に対称に右の内部補強部材131bが延びている。
【0032】
ダッシュボードクロスメンバーミドル126の下方に、ハの字状にダッシュボードクロスメンバーアンダー132が配置され、左のダッシュボードクロスメンバーアンダー132aと、右のダッシュボードクロスメンバーアンダー132bと、からなる。
【0033】
ダッシュボードクロスメンバーアンダー132aの一端(上端)がダッシュボードクロスメンバーミドル126の中央に接合され、他端(下端)が左のサイドシル66の前端116にサイドシル補強フレーム111を介して接合されている。そして、ダッシュボードクロスメンバーアンダー132aの中央に連結部材133が接合しているとともに、ダッシュボードクロスメンバーミドル126の左のハブ部137に接合している。
【0034】
ダッシュボードクロスメンバーアンダー132bの一端(上端)がダッシュボードクロスメンバーミドル126の中央に接合され、他端(下端)が右のサイドシル71の前端116にサイドシル補強フレーム111を介して接合されている。そして、ダッシュボードクロスメンバーアンダー132bの中央に連結部材133が接合しているとともに、ダッシュボードクロスメンバーミドル126の右のハブ部138に接合している。
【0035】
また、ダッシュボードクロスメンバーアンダー132に沿ってフロアパネル45に連続してダッシュボードロアパネル141が設けられ、ダッシュボードロアパネル141にトンネル46の前部(トンネル前部)142がフロアパネル45のトンネル46に連続して形成されている。
ダッシュボードクロスメンバーアンダー132の前に、図4に示すようにサブフレーム43を配置している。
【0036】
サブフレーム43は、車両12の平面視(図5の視点)で、井桁状に形成されている。前フレーム211、後フレーム212、側部フレーム213、214を備える。後フレーム212の中央には、エンジンマウント後部取付部216(図3参照)が形成されている。
【0037】
サブフレーム43はまた、図1のように車体13の下方から左のフロントサイドフレーム36及び右のフロントサイドフレーム37に取付けられ、図6(a)の後フレーム212のエンジンマウント後部取付部216の地面からの高さとダッシュボードクロスメンバーミドル126の地面からの高さは一致している。
そして、エンジンマウント後部取付部216は、車両12の前方へ向かってダッシュボードクロスメンバーミドル126から所望の距離だけ離して配置されている。
【0038】
ここで、実施例に係る車体の前突荷重支持体56を主体に図1〜図4で説明する。
前突荷重支持体56は、車室26の前に立設した左右のフロントピラー78間にフロントピラー78の前のエンジンルーム21と車室26を隔てる隔壁54を設け、隔壁54の上部にダッシュボードクロスメンバーアッパ125を設けて車両12の左右方向に延設してフロントピラー78に結合し、ダッシュボードクロスメンバーアッパ125の下方にダッシュボードクロスメンバーミドル126を配置して車両12の左右方向に延設して車室26の床(アンダボデー)27の左右に設けられたサイドシル66、71に結合している。
【0039】
ダッシュボードクロスメンバーミドル126は、その中央とサイドシル66、71との間に設けられ、エンジンルーム21から延びる左右のフロントサイドフレーム36、37の後端36a、37aを結合している中間部137、138と、を有している。
【0040】
さらに中間部137、138に一端を結合し、ダッシュボードクロスメンバーアッパ125の中央部218に他端を結合したことで、車両12の正面視(図2の視点)、ハの字に配置され、ダッシュボードクロスメンバーミドル126とで三角形を形成している左補強部材127、右補強部材128と、を有し、左補強部材127より車両12の外方へ、隔壁54の一方にエンジンルーム21へ向け凸状にブレーキ倍力装置取付部221を形成している。
【0041】
その上、右補強部材128より車両12の外方へ、隔壁54の他方にエンジンルーム21へ向け凸状にエアコン膨出部222を形成している。
【0042】
左補強部材127、右補強部材128で2辺をなす三角形の内部にV字形の内部補強部材131を、車両12の正面視で、三角形の中央を通る垂直な線Cfに内部補強部材131の中央を通る垂直な中心線Cbを一致させて設けている。その結果、第1の枠223、第2の枠224、第3の枠225が形成されている。
【0043】
なお、第1の枠223を左補強部材127、左の内部補強部材131a、ダッシュボードクロスメンバーミドル126で形成している。
【0044】
第2の枠224を左の内部補強部材131a、ダッシュボードクロスメンバーアッパ125、右の内部補強部材131bで形成している。
【0045】
第3の枠225を右の内部補強部材131b、右補強部材128、ダッシュボードクロスメンバーミドル126で形成している。
【0046】
隔壁54の下部にダッシュボードクロスメンバーロア(ダッシュボードロアパネル)141をダッシュボードクロスメンバーミドル126の中央から車両12の左右方向、且つ車両12の後方へ延設して、その後壁226(図4参照)が車室26の床の中央に設けられているトンネル46の前部142を形成している。
【0047】
次に、実施例に係る車体の前突荷重支持体56の作用を主に図6で説明する。図6(a)は正面衝突前、図6(b)は正面衝突後を示す。
車両12が正面衝突すると、サブフレーム43は後に押されて前突荷重支持体56に矢印a1のように当接するので、サブフレーム43は前突荷重支持体56の位置で止まる。
【0048】
具体的には、正面衝突すると、左のフロントサイドフレーム36及び右のフロントサイドフレーム37が圧縮変形して、サブフレーム43を車室26に向け矢印a2のように移動させる。
【0049】
移動したサブフレーム43のエンジンマウント後部取付部216は前突荷重支持体56のダッシュボードクロスメンバーミドル126に矢印a1のように接触して荷重を伝える。
【0050】
その際、荷重によっては、補強部材(左補強部材127、右補強部材128)にも接触して荷重を伝える。加えて、ダッシュボードクロスメンバーロア141に接触してダッシュボードクロスメンバーロア141の後壁226からトンネル46の前部142に荷重を伝えるので、ダッシュボードクロスメンバーミドル126はエンジンマウント後部取付部216の移動を止める。
つまり、前突荷重支持体56はエンジンマウント後部取付部216の後退を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の車体の前突荷重支持体56は、エンジンを車体の前部に配置した車両12に好適である。
【符号の説明】
【0052】
12…車両、21…エンジンルーム、26…車室、27…車室の床(アンダボデー)、36…左のフロントサイドフレーム、36a…左のフロントサイドフレームの後端、37…右のフロントサイドフレーム、37a…右のフロントサイドフレーム、46…トンネル、54…隔壁、56…前突荷重支持体、66…左のサイドシル、71…右のサイドシル、78…フロントピラー、125…ダッシュボードクロスメンバーアッパ、126…ダッシュボードクロスメンバーミドル、127…左補強部材、128…右補強部材、131…内部補強部材、137…左の中間部(ハブ部)、138…右の中間部(ハブ部)、141…ダッシュボードクロスメンバーロア(ダッシュボードロアパネル)、142…トンネルの前部、221…ブレーキ倍力装置取付部、222…エアコン膨出部、226…ダッシュボードクロスメンバーロアの後壁、Cb…内部補強部材の中央を通る垂直な中心線、Cf…三角形の中央を通る垂直な線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の前に立設した左右のフロントピラー間に該フロントピラーの前のエンジンルームと前記車室を隔てる隔壁を設け、該隔壁の上部にダッシュボードクロスメンバーアッパを設けて車両の左右方向に延設して前記フロントピラーに結合し、前記ダッシュボードクロスメンバーアッパの下方にダッシュボードクロスメンバーミドルを配置して車両の左右方向に延設して前記車室の床の左右に設けられたサイドシルに結合し、
前記ダッシュボードクロスメンバーミドルは、その中央と前記サイドシルとの間に設けられ、前記エンジンルームから延びる左右のフロントサイドフレームの後端を結合している中間部と、該中間部に一端を結合し、前記ダッシュボードクロスメンバーアッパの中央部に他端を結合したことで、車両の正面視、ハの字に配置され、前記ダッシュボードクロスメンバーミドルとで三角形を形成している補強部材と、を有し、
前記補強部材より車両の外方へ、前記隔壁の一方にエンジンルームへ向け凸状にブレーキ倍力装置取付部を形成し、前記隔壁の他方にエンジンルームへ向け凸状にエアコン膨出部を形成していることを特徴とする車体の前突荷重支持体。
【請求項2】
前記補強部材と前記ダッシュボードクロスメンバーミドルとで形成した三角形の内部にV字形の内部補強部材を、前記車両の正面視で、前記三角形の中央を通る垂直な線に前記内部補強部材の中央を通る垂直な中心線を一致させて設けていることを特徴とする請求項1記載の車体の前突荷重支持体。
【請求項3】
前記隔壁の下部にダッシュボードクロスメンバーロアを前記ダッシュボードクロスメンバーミドルの中央から車両の左右方向、且つ車両の後方へ延設して、その後壁が前記車室の床の中央に設けられているトンネルの前部を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体の前突荷重支持体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−73495(P2011−73495A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224721(P2009−224721)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】