説明

車体パネル強化構造

【課題】車体パネルを、強化度合いに方向性が存在しないような態様で強化し得るようにした、車体パネルの強化構造を提供する。
【解決手段】円形エンボス部11と、その直径よりも小さな幅の長円形エンボス部12との組み合わせになる鍵穴型エンボス13を、後席足下フロアパネル8Lの板厚方向下側(路面側)から上側(車室内側)へ膨突させて形成し、これにより、足下フロアパネル8Lを強化する。円形エンボス部11が、その中心を通るあらゆる方向において足下フロアパネル8Lを等しく強化し得ることから、足下フロアパネル8Lがあらゆる方向の曲げ荷重に対して所定の強度を付与され、足下フロアパネル8Lの強化度合いに方向性が存在しないものとなし得る。円形エンボス部11は、その円形底面が板厚方向に変位するバックリング変形を生じやすいが、これを、円形エンボス部11の外周から径方向外方へ延在する長円形エンボス部12により防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体を造形する車体パネルを強化するための車体パネル強化構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体を造形する車体パネルは、これに比較的大きな荷重がかかる場合、その強化が不可欠である。
このような時における車体パネルの強化に際しては従来、例えば特許文献1に記載のような手法を用いるのが一般的である。
【0003】
特許文献1に記載の車体パネル強化構造は、比較的大きな荷重がかかる後席乗員の足下フロアパネルの強化に際し、該フロアパネルに、その略車両前後方向全長に亘って延在する前後ビードを設け、該フロアパネルを断面で見て波形にすることによりその強化を図るというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−232237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のものに代表される一般的な車体パネル強化構造では、車体パネルの波形方向の曲げ強度を十分に確保するのが困難で、同方向の曲げ荷重が作用したときに車体パネルが変形し易い。
つまり、或る方向に対する抗力は大きいが、別な方向に対する抗力が小さいというように、車体パネルの強化度合いに方向性が存在する。
【0006】
そのため車体パネルの板厚を決定するに際しては、強化度合いが低い方向の曲げ荷重に対しても所定のパネル強度が得られるよう当該パネル板厚を厚くする必要があり、重量増を招いたり、コスト高になるという問題があった。
【0007】
また、車体パネルの略全長に亘って延在するビードを設ける一般的な手法では、車体パネル用のパネル材として、ビードの配列方向における寸法が、ビード分の縮代だけ余分に大きなパネル材を用意し、ビードの形成時に車体パネルが所定の寸法となるようにする必要があり、車体パネルよりも大きなパネル材が必要なために、重量増を招いたり、コスト高になるという問題を免れない。
【0008】
なお車体パネルの強化に当たっては、車体前後方向に延在する前後方向メンバや、車幅方向に延在する横方向メンバを追加して、車体パネル単体の面積を小さくすることも考えられる。
しかし、前後方向メンバや横方向メンバの追加は、重量増やコスト高の問題を生ずるだけでなく、これらメンバが車体パネルの板厚方向一方側に張り出して、例えば以下に説明するような問題も生ずる。
【0009】
車体フロアが、比較的大きな荷重を受け止める必要のある後席乗員の足下フロアパネルである場合につき、上記の問題を詳述する。
【0010】
上記前後方向メンバや横方向メンバを足下フロアパネルの上側に追加する場合、これらメンバの高さ分だけ足をのせる足下レベル(ヒールポイント)が上昇して、後席乗員が乗降に際し不自然に感じたり、着席状態で足位置が高すぎる違和感を覚えるという問題を生ずる。
【0011】
逆に、上記前後方向メンバや横方向メンバを足下フロアパネルの下側に追加する場合、これらメンバがその高さ分だけ足下フロアパネルから下方へ張り出し、
電気自動車やハイブリッド車両などの電動車両のように足下フロアパネルの直下へ大型のバッテリパックを設置する場合において、上記メンバの張り出し分だけバッテリを小型化して容量を犠牲にせざるを得なくなるといった問題を生ずる。
【0012】
本発明は、従来の略車体パネル全長に亘って延在するビードに代え、特殊な形状のエンボスを車体パネルに設けてこれを強化することにより、上記諸々の問題を生ずることなく車体パネルの当該強化を実現し得るようにした車体パネルの強化構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のため本発明は、車体を造形する車体パネルの強化に際し、
円形エンボス部と、該円形エンボス部の外周から径方向外方へ延在する細長エンボス部との組み合わせになる鍵穴型エンボスを、上記車体パネルの板厚方向一方側から他方向側へ膨突させて形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
かかる本発明の車体パネル強化構造によれば、以下のような作用効果を奏し得る。
つまり鍵穴型エンボスの一部を構成する円形エンボス部が、その中心を通るあらゆる方向において車体パネルを等しく強化させ得ることから、車体パネルがあらゆる方向の曲げ荷重に対して所定の強度を確保することができ、車体パネルの強化度合いに方向性が存在しないものとなし得る。
【0015】
従って車体パネルの板厚決定に際し、強化度合いの低い方向を基準にして当該パネル板厚を厚くするようなことが必要でなくなり、前記した板厚増大による重量増やコスト高の問題を回避することができる。
【0016】
その反面上記の円形エンボス部は、その円形底面が板厚方向に変位するバックリングと称される変形を生じやすいという難点がある。
しかるに本発明においては、車体パネルの強化を司るエンボスを、この円形エンボス部だけで構成するのではなく、当該円形エンボス部と、その外周から径方向外方へ延在する細長エンボス部との組み合わせになる鍵穴型エンボスとしたため、
細長エンボス部が、円形エンボス部の上記バックリング変形を防止して上記の難点を解消することができる。
【0017】
また、上記の円形エンボス部および細長エンボス部の組み合わせになる鍵穴型エンボスは各々、車体パネルの全長に亘って延在するように設けずに、車体パネルの相互に対向する対向辺間に独立させて形成することで上記の作用を生起し得るものである。
このため、上記鍵穴型エンボスの形成時にパネル材が縮むことはなく、このパネル材が外寸を不変に保ち得る。
従ってパネル材としては、最終製品である車体パネルと同寸法のものを用意するだけでよく、前記したパネル材の寸法増による重量増やコスト高の問題も回避することができる。
【0018】
しかも、前記した前後方向メンバや横方向メンバを追加することなく車体パネルを所定通りに強化し得るため、
これらメンバの追加による重量増やコスト高の問題を回避し得ると共に、これらメンバが車体パネル(後席乗員用足下パネル)の板厚方向一方側に張り出して、例えば、後席乗員の足下レベル(ヒールポイント)が上昇するという問題や、車体パネル(後席乗員用足下パネル)の直下におけるバッテリパックの容量が犠牲になるという問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例になる車体パネル強化構造を具えた電気自動車の車体フロア部分を、車両の左側上方から見て示す斜視図である。
【図2】図1のII-II線上で断面とし、矢の方向に見て車体フロア部分を前後シートおよび電気自動車用バッテリパックと共に示す、縦断側面図である。
【図3】図1の実施例になる車体パネル強化構造が適用されている、車体フロア部分の後席足下フロアパネルを拡大して示す拡大平面図である。
【図4】図3の後席足下フロアパネルを、同図のIV-IV線上で断面とし、矢の方向に見て示す詳細断面図である。
【図5】図3の後席足下フロアパネルを、同図のV-V線上で断面とし、矢の方向に見て示す詳細断面図である。
【図6】本発明の他の実施例になる車体パネル強化構造の鍵穴型エンボスを示し、 (a)は、2個の長さが同じ長円形エンボス部を相互に平行に配置した鍵穴型エンボスを示す平面図、 (b)は、2個の長さが異なる長円形エンボス部を相互に平行に配置した鍵穴型エンボスを示す平面図、 (c)は、2個の長さが同じ長円形エンボス部を相互に直角をなすよう配置した鍵穴型エンボスを示す平面図である。
【図7】細長エンボス部を、図1〜6におけるような長円形エンボス部と異なり、二等辺三角形状とした鍵穴型エンボスを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<構成>
図1は、本発明の一実施例になる車体パネル強化構造を具えた電気自動車の車体フロア部分を、車両の左側上方から見て示す斜視図で、
1は、フロアトンネル、2L,2Rはそれぞれ、左右サイドシル、3L,3Rはそれぞれ、これらフロアトンネル1および左右サイドシル2L,2R間を塞ぐ左右フロアパネル(車体パネル)を示す。
【0021】
左右フロアパネル3L,3R上には、車幅方向へ延在するクロスメンバ4,5,6,7を設け、クロスメンバ4,5上には図2に示すようにフロントシート9を取り付け、クロスメンバ6,7上には同じく図2に示すようにリヤシート10を取り付ける。
【0022】
左右フロアパネル3L,3Rの一部を構成し、リヤシート10に座った後席乗員が足を置く左右後席足下フロアパネル(車体パネル)8L,8Rは、比較的大きな荷重がかかることから強化する必要があり、
本実施例においては、これら足下フロアパネル8L,8Rをそれぞれ、特に以下のようにして強化する。
【0023】
足下フロアパネル8L,8Rの強化要領は同じであるため、左側の足下フロアパネル8Lについて図3〜5を参照しつつ、その強化要領を説明する。
足下フロアパネル8Lには、円形エンボス部11と、長円形とした細長エンボス部12との組み合わせになるエンボス13を設ける。
長円形エンボス部12の幅Aを円形エンボス部11の直径Bよりも小さくし、この長円形エンボス部12を、円形エンボス部11の外周に連なって、この円形エンボス部外周から径方向外方へ延在するようなものとすることで、これらエンボス部11,12の組み合わせになるエンボス13を鍵穴形状となす。
【0024】
かかる鍵穴型エンボス13は、長円形エンボス部12が足下フロアパネル8Lの短辺(車両前後方向に延在する辺)に対し略平行になるよう配置し、足下フロアパネル8Lの板厚方向下側(路面側)から上側(車室内側)へ膨突させて形成する。
そして鍵穴型エンボス13は、長円形エンボス部12の延在方向(車両前後方向)に測った全長が、足下フロアパネル8Lの同方向寸法よりも短いものとし、足下フロアパネル8Lの同方向全長に亘って延在することなく個々に独立したものとなす。
【0025】
鍵穴型エンボス13は、足下フロアパネル8Lの要求強度を確保しつつ、パネル共振周波数を電気自動車で要求される周波数(100Hz程度)まで低下させるのに必要な個数(図示例では3個)とする。
なお、鍵穴型エンボス13の個数で足下フロアパネル8Lのパネル共振周波数を調整し切れなかった場合は、足下フロアパネル8Lに適宜、上方へ膨突する長円形エンボス14を付加することにより、パネル共振周波数を電気自動車で要求される周波数へと低下させるようにする。
【0026】
<作用効果>
本実施例によれば、円形エンボス部11と、その直径Bよりも小さな幅Aの長円形エンボス部12との組み合わせになる鍵穴型エンボス13を、足下フロアパネル(車体パネル)8L,8Rの板厚方向下側(路面側)から上側(車室内側)へ膨突させて形成し、これにより、足下フロアパネル(車体パネル)8L,8Rの強化を図ったため、以下のような作用効果が奏し得られ得る。
【0027】
つまり円形エンボス部11が、その中心を通るあらゆる方向において足下フロアパネル(車体パネル)8L,8Rを等しく強化し得ることから、足下フロアパネル8L,8Rがあらゆる方向の曲げ荷重に対して所定の強度を付与され、足下フロアパネル8L,8Rの強化度合いに方向性が存在しないものとなし得る。
【0028】
従って足下フロアパネル8L,8Rの板厚決定に際し、強化度合いの低い方向を基準にして当該パネル板厚を厚くするようなことが必要でなくなり、
かかる板厚増大による重量増やコスト高の問題を回避することができる。
【0029】
その反面、円形エンボス部11は、その円形底面が板厚方向に変位するバックリングと称される変形を生じやすいという難点を有する。
しかし本実施例においては、エンボス13をこの円形エンボス部11だけで構成するのではなく、円形エンボス部11と、その外周から径方向外方へ延在する長円形エンボス部12との組み合わせになる鍵穴型エンボスとしたため、
長円形エンボス部12が、円形エンボス部11の上記バックリング変形を防止して、上記の難点を解消することができる。
【0030】
また、鍵穴型エンボス13を、長円形エンボス部12が足下フロアパネル8L,8Rの短辺(車両前後方向に延在する辺)に対し略平行になるよう配置したため、
長円形エンボス部12が、上記円形エンボス部11のバックリング変形防止機能のほかに、足下フロアパネル8L,8Rの前後方向曲げ荷重に抗する機能をも果たし、足下フロアパネル8L,8Rの強度を更に高めることができて有利である。
【0031】
更に、長円形エンボス部12の延在方向(車両前後方向)に測った鍵穴型エンボス13の全長を、足下フロアパネル8L,8Rの同方向寸法よりも短いものとし、
鍵穴型エンボス13が、足下フロアパネル8L,8Rの同方向全長に亘って延在することなく、足下フロアパネル8L,8Rの相互に対向する対向辺間で、個々に独立したものであるため、以下の作用効果をも果たし得る。
つまり、かように個々に独立した鍵穴型エンボス13は、これらをパネル材に形成したときパネル材をどの方向にも縮ませることがなく、パネル材の外寸を不変に保ち得る。
このため、パネル材としては、最終製品である足下フロアパネル8L,8Rと同寸法のものを用意するだけでよく、パネル材の寸法増による重量増やコスト高の問題も回避することができる。
【0032】
しかも上記したところから明らかなごとく、足下フロアパネル8L,8Rを前後方向メンバや横方向メンバの追加なしに所望する通りに強化し得るため、
これらメンバの追加による重量増やコスト高の問題を回避し得ると共に、これらメンバが足下フロアパネル8L,8Rの板厚方向一方側に張り出すことがなくて、以下のような作用効果を奏し得る。
【0033】
つまり、足下フロアパネル8L,8Rの上側に上記の前後方向メンバや横方向メンバを追加した場合、
これらメンバの高さ分だけ足下レベル(ヒールポイント)が上昇して、後席乗員が乗降に際し不自然に感じたり、着席状態で足位置が高すぎる違和感を覚えるという問題を生ずるが、
本実施例では前後方向メンバや横方向メンバの追加なしに足下フロアパネル8L,8Rを所望する通りに強化し得るため、かかる問題を生ずることがない。
【0034】
逆に、足下フロアパネル8L,8Rの下側へ上記の前後方向メンバや横方向メンバを追加した場合、
これらメンバがその高さ分だけ足下フロアパネル8L,8Rから下方へ張り出して、足下フロアパネル8L,8Rの直下へ図2のごとくに配置する電気自動車用バッテリパック15(図2では、内部バッテリユニットの図示を省略した)を小型化してバッテリ容量を犠牲にせざるを得なくなるという問題を生ずるが、
本実施例では前後方向メンバや横方向メンバの追加なしに足下フロアパネル8L,8Rを所望する通りに強化し得るため、かかる問題を生ずることがない。
【0035】
しかも本実施例では、かかる足下フロアパネル8L,8Rの強化に際して設ける鍵穴型エンボス13を、足下フロアパネル8L,8Rの板厚方向下側(路面側)から上側(車室内側)へ膨突させて形成したため、
足下フロアパネル8L,8Rの板厚方向下側(路面側)への張り出し部が一切無く、足下フロアパネル8L,8Rの下方におけるバッテリ収納空間を最大に保ち得て、バッテリパック15の容量犠牲を皆無にすることができる。
【0036】
また鍵穴型エンボス13の個数は、足下フロアパネル8L,8Rの要求強度を確保しつつ、パネル共振周波数を電気自動車で要求される周波数(100Hz程度)まで低下させるのに必要な個数(図示例では3個)としたため、
足下フロアパネル8L,8Rの強度確保と、電気自動車で要求されるパネル共振周波数とを同時に実現することができる。
【0037】
<その他の実施例>
なお上記した実施例では、電気自動車の後席足下フロアパネル8L,8Rに対する強化構造について説明したが、
本発明の車体パネル強化構造は、電気自動車に限らず、ハイブリッド車両や、これら電動車両以外の通常の内燃機関搭載車にも適用可能であるし、後席足下フロアパネル8L,8Rのような車体フロアパネルに限られず、強化が要求される全ての車体パネルに適用可能であるのは言うまでもない。
【0038】
また、円形エンボス部11の外周から径方向外方へ延在する長円形エンボス部12の数は、図1〜5に示すような1個に限られず、複数個であってもよい。
但しこの場合、2個の長円形エンボス部12a,12bを設ける場合について図6(a),(b),(c)に例示するごとく、これら長円形エンボス部12a,12bは、円形エンボス部11の中心を挟んで正対することのないよう配置するのが良い。
更に長円形エンボス部12a,12bは、図6(b)に示すごとく相互に長さの異なるものであってもよい。
【0039】
なお上記ではいずれも、細長エンボス部を長円形エンボス部12,12a,12bとして構成したが、形状はこれに限られず、例えば図7に示すごとき二等辺三角形状など、任意の細長形状にすることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 フロアトンネル
2L,2R 左右サイドシル
3L,3R 左右フロアパネル
4,5,6,7 クロスメンバ
8L,8R 左右後席足下フロアパネル(車体パネル)
9 フロントシート
10 リヤシート
11 円形エンボス部
12,12a,12b 長円形エンボス部(細長エンボス部)
13 車体パネル強化用鍵穴型エンボス
14 共振周波数調整用エンボス
15 電気自動車用バッテリパック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体を造形する車体パネルを強化する構造において、
円形エンボス部と、該円形エンボス部の外周から径方向外方へ延在する細長エンボス部との組み合わせになる鍵穴型エンボスを、前記車体パネルの板厚方向一方側から他方向側へ膨突させて形成したことを特徴とする車体パネル強化構造。
【請求項2】
請求項1に記載された車体パネル強化構造において、
前記鍵穴型エンボスは、前記細長エンボス部の幅が前記円形エンボス部の直径未満であることをことを特徴とする車体パネル強化構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載された車体パネル強化構造において、
前記鍵穴型エンボスは、前記細長エンボス部が前記車体パネルの短辺に対し略平行になるよう配置したものであることをことを特徴とする車体パネル強化構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載された車体パネル強化構造において、
前記鍵穴型エンボスは、前記細長エンボス部の延在方向に測った全長が、前記車体パネルの同方向寸法よりも短いものであることをことを特徴とする車体パネル強化構造。
【請求項5】
前記車体パネルが後席乗員の足下床面を造形する車体フロアパネルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載された車体パネル強化構造において、
前記鍵穴型エンボスを、前記車体フロアパネルの板厚方向下側から上側へ膨突させて形成したことを特徴とする車体パネル強化構造。
【請求項6】
請求項5に記載された車体パネル強化構造において、
前記車体フロアパネルの下方にバッテリ収納空間を設けたことを特徴とする車体パネル強化構造。
【請求項7】
電気自動車に用いる、請求項5または6に記載された車体パネル強化構造において、
前記鍵穴型エンボスは、前記車体フロアパネルの要求強度を確保しつつ、パネル共振周波数を電気自動車で要求される周波数まで低下させるのに必要な個数であることを特徴とする車体パネル強化構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−255709(P2011−255709A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129532(P2010−129532)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】