説明

車体フレームの製造・改造方法

【課題】 既存車体フレームをユニット化して組合せることによるフレームの製造・改造方法。
【解決手段】 二輪、三輪、四輪車等の車体フレームを分割し、ユニットとして組合せる。車体フレームユニットの接続方法や位置、数量を自由に設定することにより、二輪の前部ユニットと四輪の後部ユニットを組合せて三輪車を構築するなど、ユニークなコミューターの構築が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームを組合せ接合させた製造・改造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、二輪車、三輪、四輪車等の車体フレームは、ヘッドパイプとピポット部を備え、ヘッドパイプには操縦装置が、ピポット部にはスイングアーム及び懸架装置がそれぞれ取り付けられる。形状や強度は搭載するエンジン、変速機、クラッチ、駆動伝達装置等の駆動機構の大きさや重量や形状、配置により決定される。このため種類ごとに車体フレームの形状が異なっている訳だが、消費者の好みに合わせたフレーム改造法として開示されているものに「自動二輪車の車体フレームとその製造方法」がある。
【特許文献1】特開2003−54471
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この車体フレームとその製造方法は同一自動二輪車フレームよりカットしたものを接合する方法であり、完成するフレームも自動二輪車の車体フレームであった。
本発明では自動二輪車フレームに限らず用途に合わせて車体フレームを組み合わせることにより、三輪車、四輪車として車体フレームを構築するという発明手法であり、いわゆるユニット化されたフレームの組合わせによる車体フレームの製造・改造方法である。また自動二輪車のフレームは新品である必要はなく、所有者の嗜好に合わなくなった、或いは製品モデルが古くなり販売機会の見込みを失い不要とされた等の理由により、性能上問題が無いのに廃棄処分として処理されようとする自動二輪車フレームをリサイクルとして活用し環境問題への貢献も見込む。
【0004】
さらに、この発明は用途に応じた柔軟な車輌生産を実現するものである。
近年の個別荷物の集配業務は利便性が向上し、その発展は納期時間短縮、使用車輌の増加が課題となっている。しかし、市街地での道路事情や駐車事情はこの車輌増加に適した整備された状態ではなく他の車輌も含め問題となっている。今回の発明を利用し各業務内容に適したコンパクト専用シティコミュータの開発を行なった場合、1台分の駐車スペースに対し2台〜4台の駐車が可能になるような車輌開発も望むことができる。
これにより、渋滞の緩和及び解消や駐車スペース不足の軽減、集配や巡回サービス等の業務効率向上をも見込むものである。
【発明が解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車体フレームは、組合せる一方が既成の自動二輪車のものであった場合には所定プランに基づきカットして分離、或いは分離しないで1ユニットとしたもの、他方のユニットは三輪または四輪車等の車体フレームを所定プランに基づきカットして1ユニットとしたもの、さらには汎用キットや新規のフレームユニットとして用意したものを組合せ、新たな車体フレームを構築して課題解決を計るものである。
【0006】
ユニット化された車体フレームは、その組合せにより、二輪車が三輪車又は四輪車に、三輪車が四輪車に、三輪車の場合はその前後の組合せを相違させることにより新たな三輪車に、四輪車が三輪車にといったパターンを実現可能とするものであり、双方の車体フレームの接続方法や接続位置、接続数に限りは無い。
【0007】
また汎用キットとしてユニットを用意することにより、車体フレーム構築の工期短縮も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を実施例により説明する。これは二輪車を三輪車等へと改造するものである。
【0009】
自動二輪車の車体フレームをフロント足回り部分でカットし、残り部分を車体本体の1ユニットとする。もう一方のフレームユニットを、ここでは四輪バギーの車体フレームをフロント足回り部分でカットして操舵部の1ユニットとする。これら2つのユニットをボルトオン又は溶接により組合せ三輪車の車体フレームとする。この組合せにより前二輪、後一輪の三輪車フレームが構築される。
【0010】
或いは 自動二輪車の車体フレームをフロント足回り部分でカットして1ユニットとし、もう一方のフレームユニットを、四輪バギー車体フレームをフロント足回り部分でカットして残り部分を1ユニットとする。これら2つのユニットをボルトオン又は溶接により組合せ三輪車の車体フレームとする。この組合せにより前一輪、後二輪の三輪車フレームが構築される。
【0011】
図面では、幾つかの組合せ例としてイメージを挙げているが、他にも操舵ユニットの後部への設置や、組合せを変えることによりユニークなコミューターを作成することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 本来二輪の車体フレーム、その分割イメージ図である。
【図2】 本来三輪の車体フレーム、その分割イメージ図である。
【図3】 本来四輪の車体フレーム、その分割イメージ図である。
【図4】 前部に四輪、後部に二輪のユニットフレームを組合せて三輪車を構築するイメージ図。
【図5】 前部に四輪、後部に三輪のユニットフレームを組合せて四輪車を構築するイメージ図。
【図6】 前部に二輪、後部に四輪のユニットフレームを組合せて三輪車を構築するイメージ図。
【図7】 前部に二輪、後部に三輪のユニットフレームを組合せて三輪車を構築するイメージ図。
【図8】 前部に二輪、後部に四輪のユニットフレームを組合せて三輪車を構築するイメージ図。
【符号の説明】
【0013】
1 二輪車車体フレームをカットした操舵部ユニット
2 二輪車車体フレームをカットした本体部ユニット
3 二輪車車体フレームの分割イメージライン
4 三輪車車体フレームをカットした操舵部ユニット
5 三輪車車体フレームをカットした本体部ユニット
6 三輪車体フレームの分割イメージライン
7 四輪車車体フレームをカットした操舵部ユニット
8 四輪車車体フレームをカットした本体部ユニット
9 四輪車車体フレームの分割イメージライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気量を問わず、三輪、四輪の前輪部または後輪部、或いは二輪の前輪部または後輪部若しくは全体のフレームを1ユニット化、または新規のフレームユニットを組合せることにより、前輪部が一輪の場合は二輪に、或いは二輪の場合は一輪に、後輪部が一輪の場合は二輪に、或いは二輪の場合は一輪に変更し、既存操舵装置は取外し異なる車体の操舵装置を取付ける、フレームユニットの接続方法や位置、接続数を自由に設定できるフレーム製造・改造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−18915(P2008−18915A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−215007(P2006−215007)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(505467281)
【Fターム(参考)】