説明

車体フレーム連結部材、及び車体フレーム構造

【課題】低床化された荷台の積載容量を拡大することが可能な車体フレーム連結部材、及び車体フレーム構造を提供する。
【解決手段】車体フレーム10は、前側フレーム15と、後側フレーム16と、前側フレーム15と後側フレーム16とを連結する連結部材20とを有して車両の前後方向に沿って延びるサイドフレーム11を備えている。連結部材20は、アクスル18の上方に配置されて、前側フレーム15の上面15aと後側フレーム16の上面16aとが連続する平坦面となるように当該上面15a,16aを連絡して、荷台が載置される載置面23と、載置面23に向けて上方へ凹む凹面25とを有しており、この凹面25によって囲まれる空間にアクスル18の可動範囲が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームを構成する車体フレーム連結部材、特に荷台が架装される貨物自動車の車体フレームを構成する車体フレーム連結部材、及び該車体フレーム連結部材を有する車体フレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、路線バスの車体フレームには、昇降口のステップを無くして昇降時の利便性を高めることを目的とした構造が提案されている。例えば、特許文献1の車体フレームにおけるサイドフレームは、後輪の上方に配置されるリア側フレームと後輪よりも前方に配置されるフロント側フレームとに分割されている。そして、フロント側フレームがリア側フレームよりも低い位置に配置された状態でこれらのフレームが連結部材によって互いに連結されることにより、昇降口のステップを無くすことが実現されている。
【0003】
ところで、近年では、荷台が架装される貨物自動車においても、規格内の大きさでより多くの荷物が積載されるように荷台の低床化が図られている。こうした貨物自動車の車体フレームにおけるサイドフレームには、例えは、車軸の周辺部にて該車軸の可動範囲を避けるように湾曲した一体成形型のフレームが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−56445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上述したように荷台側に突出する湾曲部を有したサイドフレームでは、荷台に形成されるホイールハウスにおいて、車輪のみならず、こうしたサイドフレームの湾曲部を収容する大きさが必要とされる。そして、荷台の構造は、サイドフレームの湾曲部の大きさの分だけ、ホイールハウスが荷台の内側へ広がることになっている。その結果、確かに、低床化により荷台の積載容量が大きくなるものの、車輪のみが収容されるホイールハウスに比べれば、荷台の積載容量が小さく、それゆえに、積載容量の拡大を図る観点にて依然として改善の余地が残されている。
【0006】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、低床化された荷台の積載容量を拡大することが可能な車体フレーム連結部材、及び車体フレーム構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車体フレーム連結部材は、互いに平行な一対のサイドフレームの各々にて、該サイドフレームを構成する第1サイドフレームと第2サイドフレームとを前記サイドフレームの延びる方向に連結する車体フレーム連結部材であって、荷台が載置される載置面と、該載置面と互いに向かい合う対向面とを有し、前記対向面が、前記載置面に向けて凹んだ凹面であり、一方の前記サイドフレームには、前記載置面の縁のうちで他方の前記サイドフレームとは反対側となる縁に、補強リブが立設されている。
【0008】
また、本発明の車体フレーム構造は、互いに平行な一対のサイドフレームの各々にて、第1サイドフレームと第2サイドフレームとが該サイドフレームの延びる方向に車体フレーム連結部材で連結される車体フレーム構造であって、前記車体フレーム連結部材が、荷台が載置される載置面と、該載置面と互いに向かい合う対向面とを有し、前記対向面が、前記載置面に向けて凹んだ凹面であり、一方の前記サイドフレームには、前記載置面の縁のうちで他方の前記サイドフレームとは反対側となる縁に、補強リブが立設されている。
【0009】
本発明の態様の一つによれば、荷台が載置される載置面と互いに向かい合う対向面が載置面に向けて凹んだ凹面であって、こうした対向面と車軸とが互い向い合う配置の態様で車体フレームを配置することが可能である。このような配置の態様によれば、対向面のうちで載置面に向けて凹む部位で、該部位と互いに向かい合う車軸が載置面に向けて移動することが可能になる。そのため、対向面が凹面である分だけ、載置面に近い位置まで車軸の移動が可能であるから、載置面に載置される荷台の低床化を実現することができる。
【0010】
そして、対向面に向かい合う載置面に荷台が載置されることから、荷台に形成されるホイールハウスは、車輪のみが収容される大きさであればよい。その結果、車輪とサイドフレームとを収容するホイールハウスが形成された荷台に比べて、サイドフレームを収容しなくてよい分だけ積載容量を拡大することができる。
【0011】
ここで、車体フレーム連結部材では、載置面に向けて対向面が凹んでいるため、この凹面が形成されることによって車体フレーム連結部材の機械的な強度が低下する虞がある。この点、上述した本発明の態様の一つによれば、載置面の縁に補強リブが立設されていることから、こうした補強リブが無い構成に比べて、車体フレーム連結部材の機械的強度を高めることができる。そのうえ、一方のサイドフレームでは、載置面の縁のうちで他方のサイドフレームとは反対側となる縁に補強リブが立設されていることから、載置面上の略全体を荷台の載置部分として利用することが可能である。また、例えば車体フレームに荷台を架装する際に該荷台を補強リブで位置決めすることが可能であるとともに、架装後の荷台が車両の側方にずれることを抑えることもできる。
【0012】
この発明の態様の一つは、前記補強リブが立設された前記載置面の縁のうち、前記載置面と前記対向面との距離が最も小さい部位では、前記補強リブにおける前記載置面からの高さが、前記補強リブのうちで最も大きい。
【0013】
載置面に向けて凹んだ凹面として対向面が形成されるため、載置面と対向面とが互いに平行である構成と比べ、上述した車体フレーム連結部材では、対向面と載置面との距離が小さくなる。そして、補強リブが立設された載置面の縁のうち、載置面と対向面との距離が最も小さくなる部位では、車体フレーム連結部材における機械的な強度が他の部位と比べて小さくなる傾向にある。
【0014】
この点、上述した態様によれば、載置面と対向面との距離が最も小さい部位で、補強リブの載置面からの高さが大きくなるため、補強リブによる機械的な補強を得るうえで、補強リブにおける載置面からの高さが不要に大きくなることを抑えることが可能である。
【0015】
この発明の態様の一つは、前記対向面が、前記載置面に向けて凹んだ凹曲面であり、前記補強リブが立設された前記載置面の縁のうち、前記載置面と前記対向面との距離が小さい部位ほど、該部位における前記補強リブの前記載置面からの高さが大きい。
【0016】
上述した態様によれば、載置面と対向面との距離が小さい部位ほど、該部位における補強リブの載置面からの高さが大きくなることから、補強リブによる機械的な補強を得るうえで、補強リブにおける載置面からの高さをこうした補強に適したものとすることが可能である。
【0017】
この発明の態様の一つは、前記車体フレーム連結部材が、鋳造品であって、前記第1サイドフレームに締結部材で締結される第1締結部と前記第2サイドフレームに締結部材で締結される第2締結部とを有する。
【0018】
鋳造品は、一般に、他の部材に対して良好な溶接を行なううえで含有成分に関する制限が多いことが知られている。上述した態様によれば、車体フレーム連結部材が、第1及び第2サイドフレームに対して締結部材によって締結される第1及び第2締結部を有している。そのため、鋳造品である車体フレーム連結部材が第1及び第2サイドフレームに連結されるうえで、該車体フレーム連結部材の含有成分に関する自由度が制限されることもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態における車体フレーム構造の斜視構造を示す斜視図。
【図2】本実施形態における連結部材の斜視構造を示す斜視図であって、車両の内側に臨む部分の斜視構造を示す図。
【図3】本実施形態における連結部材の斜視構造を示す斜視図であって、車両の外側に臨む部分の斜視構造を示す図。
【図4】本実施形態において、サイドフレームの内側における連結部材周辺の車両構造を示す図。
【図5】本実施形態において、車体フレームに荷台を架装した状態を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の車体フレーム連結部材、及び車体フレーム構造を具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0021】
図1に示されるように、荷台が架装される車両の車体フレーム10は、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドフレーム11と、該一対のサイドフレーム11を車両の幅方向で連結する四角筒状の複数のクロスメンバ12とを有している。上記荷台は、一対のサイドフレーム11の上面に載置されて位置決めが行なわれたのち、車体フレーム10に対して固定される。
【0022】
サイドフレーム11は、車両の後輪13に対して車両の前方に配置される第1サイドフレームである四角筒状の前側フレーム15と該後輪13に対して車両の後方に配置される第2サイドフレームである四角筒状の後側フレーム16とを有している。また、サイドフレーム11は、左右一対の後輪13を互いに連結する車軸であるアクスル18の上方に配置されて上記前側フレーム15と後側フレーム16とを連結する連結部材20を有している。
【0023】
連結部材20は、前側フレーム15の上面15aと後側フレーム16の上面16aとが同じ平面上に配置されるように前側フレーム15及び後側フレーム16に連結される。また、連結部材20は、前側フレーム15の上面15aと後側フレーム16の上面16aとが連続する平坦面となるようにこれらの上面15a,16aを連絡するとともに荷台が載置される載置面23を有している。
【0024】
図2及び図3に示されるように、連結部材20は、車両の前後方向における中央面で鏡映対称となる鋳造品であって、前側フレーム15と後側フレーム16との間に配設される介在部21と、介在部21の両側に前側フレーム15あるいは後側フレーム16に対してボルトやナット等の締結部材によって締結される一対の締結部41とが一体的に形成されている。なお、この一対の締結部41のうち、前側フレーム15に締結される締結部41が第1締結部であり、後側フレーム16に締結される締結部41が第2締結部である。
【0025】
介在部21を構成する介在基板22は、車両の前後方向に延びる平板状をなしており、その内面22aが車両の内側に臨むように、また、その外面22bが車両の外側に臨むように配置される。介在基板22は、その上縁が車両の前後方向に沿う直線状をなしており、その下縁が車両の前後方向における中央部分を上縁に向けて湾曲させた湾曲状をなしている。
【0026】
介在基板22の内面22aには、上記上縁に沿って載置面23を有する上壁24が立設されており、また、上記下縁に沿って、載置面23の対向面である凹曲面状の凹面25を有する下壁26が立設されている。この湾曲状をなす下壁26の頂部には、バンプストッパー60が取り付けられるねじ部26Aが貫通形成されている。また、介在基板22の内面22aには、上壁24の端部と下壁26の端部とを互いに繋いで、上壁24と下壁26との間における中央部分が介在基板22に向かって湾曲した一対の側壁27が立設されており、また、この一対の側壁27の内側に上壁24と下壁26とを繋ぐ一対の縦リブ28が立設されている。
【0027】
介在基板22における締結部41側にて、上壁24、下壁26、側壁27、縦リブ28に囲まれる部位には、ショックアブソーバー57を支持するアッパーブラケット58を連結部材20に固定するための一対のねじ部31がそれぞれ形成されている。
【0028】
載置面23において、介在基板22の外面22b側における縁には、上方に向かって延びる平板状をなした補強リブ35が立設されている。補強リブ35の上縁は、車両の前後方向における中央部分に近い部位ほど載置面23からの高さが高くなるように湾曲している。すなわち、補強リブ35の上縁は、上下方向における載置面23と凹面25との距離が小さい部位ほど、載置面23からの高さが高くなるように湾曲している。
【0029】
また、補強リブ35は、該補強リブ35の内面35aが上壁24の載置面23に直交するように、また、連結部材20に前側フレーム15及び後側フレーム16が連結されたときに、補強リブ35の内面35aが当該フレーム15,16よりも車両の外側に配置されるように形成されている。
【0030】
補強リブ35の外面35bには、該補強リブ35の上縁及び側縁に沿って周壁36が立設されている。この周壁36は、補強リブ35の側縁において、補強リブ35の外面35bと介在基板22の外面22bとの段差を埋めるように介在基板22の外面22bまで延長形成されている。また、補強リブ35の外面35bには、介在基板22の内面22aに立設された縦リブ28に対応する位置に、周壁36から下方に向かって延びる一対の縦リブ37が立設されている。縦リブ37は、補強リブ35の外面35bと介在基板22の外面22bとの段差を埋めるように介在基板22の外面22bまで延長形成されている。
【0031】
一方、介在部21の両側に一体的に形成される締結部41を構成する締結基板42は、介在基板22に連続する基板であって、該締結基板42の上縁が介在基板22から離間するほど下縁に近づくように傾斜した略矩形平板状をなしている。
【0032】
締結基板42の内面42aには、介在部21の上壁24に連続する上壁44が該締結基板42の上縁に沿って立設されており、また介在部21の下壁26に連続する下壁46が該締結基板42の下縁に沿って立設されている。また、締結基板42の内面42aにおける各隅部には、各フレーム15,16に対して連結部材20を締結するためのボルトが挿通される挿通孔47が形成されたボルト挿通部48が立設されている。また、略矩形平板状の締結基板42における中心部分には、円形状の貫通孔49が形成されている。
【0033】
次に、上述した構成の連結部材20を有する車体フレーム10の作用について図4及び図5を参照して説明する。
図4に示されるように、上述した構成の連結部材20は、前側フレーム15に一方の締結部41が内挿された状態で図示されない締結部材によって該前側フレーム15に対して締結される。また、連結部材20は、後側フレーム16に他方の締結部41が内挿された状態で図示されない締結部材によって該後側フレーム16に対して締結される。そして、連結部材20は、車両の幅方向に延びて左右一対の後輪13に連結されるアクスル18の上方に配設される。
【0034】
アクスル18は、前側フレーム15に固定されるスプリングブラケット51と後側フレーム16に対して車両の前後方向に揺動自在に取り付けられたシャックル52との間に架け渡されたリーフスプリング53をUボルトシート54との間に挟んだ状態で、該Uボルトシート54に対してUボルト55によって取り付けられる。
【0035】
また、サイドフレーム11と後輪13との間の空間には、ショックアブソーバー57が配設される。ショックアブソーバー57は、連結部材20において後側フレーム16側に配置される一対のねじ部31に固定されるアッパーブラケット58と、アクスル18に固定されたロアブラケット59とに支持されている。すなわち、アクスル18は、車両が走行する路面に応じた後輪13の振動をリーフスプリング53、ショックアブソーバー57で吸収しながら、サイドフレーム11に対して上下動する。
【0036】
アクスル18の上方に配置される連結部材20には、サイドフレーム11の上面に向かって湾曲する凹面25が形成されていることから、この凹面25によって囲まれる空間をアクスル18の可動範囲の一部とすることができる。そのため、アクスル18に対して、前側フレーム15の上面15a、後側フレーム16の上面16a、連結部材20の載置面23によって形成される平坦面であるサイドフレーム11の上面をより近い位置に配置することが可能である。なお、連結部材20の下壁26に形成されたねじ部26Aには、バンプストッパー60が取り付けられている。
【0037】
また、図5に示されるように、サイドフレーム11の上面が平坦であるため、車体フレーム10に搭載される荷台61には、後輪13が収容される大きさのホイールハウス62が形成されることとなる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の車体フレーム10によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)前側フレーム15と後側フレーム16とを連結する連結部材20は、左右一対の後輪13が連結されるアクスル18の上方に配置されており、載置面23に向かってアクスル18から離間するように凹んだ凹面25を有している。また、連結部材20は、前側フレーム15の上面15aと後側フレーム16の上面16aとが連続する平坦面となるように当該上面15a,16aを連絡する載置面23を有している。
【0039】
そのため、凹面25によって囲まれる空間をアクスル18の可動範囲の一部とすることが可能であることから、アクスル18に対してサイドフレーム11の上面をより近い位置に配置することが可能である。これにより、車体フレーム10に架装される荷台61を低床化させることができる。また、前側フレーム15、後側フレーム16、連結部材20によって構成されるサイドフレーム11の上面が平坦であることから、車体フレーム10に架装される荷台61には、後輪13が収容される大きさのホイールハウス62が形成されていればよい。すなわち、後輪13に加えてサイドフレーム11の一部がホイールハウスに収容される場合に比べて、ホイールハウス62間における荷台61の積載容量を大きくすることができる。それゆえに、低床化された荷台61の積載容量をさらに拡大させることができる。
【0040】
(2)アクスル18の上方に配置される連結部材20を基準として、前側フレーム15及び後側フレーム16の長さを自由に設定することが可能である。そのため、一体成形型のサイドフレームに比べて、サイドフレームの長さに関する自由度を向上させることができる。
【0041】
(3)連結部材20の介在部21には、前側フレーム15及び後側フレーム16よりも車両の外側に配置されて、載置面23の縁から上方に向かって立設された補強リブ35が設けられている。そのため、介在部21における機械的な強度が高められることに加えて、車体フレーム10に架装される荷台61の位置決め部材として補強リブ35を利用すること、車体フレーム10に架装された荷台61が車両の幅方向にずれることを抑えること、これらも可能となる。
【0042】
(4)補強リブ35が設けられていない連結部材においては、載置面23と凹面25との距離が小さい部位ほど機械的強度が低下しやすい。この点、補強リブ35は、上下方向における介在基板22の長さが短い部位ほど、すなわち載置面23と凹面25との距離が小さい部位ほど載置面23からの高さが高くなる。その結果、連結部材20に凹面25を形成することによって機械的強度が低下しやすい部位に対し、効果的に機械的強度を補うことができる。
【0043】
(5)鋳造品は、一般に、他の部材に対して良好が溶接を行なううえで含有成分に関する制限が多い。これに対し、本実施形態では、鋳造品である連結部材20は、前側フレーム15及び後側フレーム16に対してボルトやナット等の締結部材によって締結される締結部41を有している。そのため、前側フレーム15及び後側フレーム16に鋳造品である連結部材20を連結するうえで、該連結部材20の含有成分に関する自由度が制限されることもない。
【0044】
(6)締結部材を用いてフレーム15,16に締結部41が締結される際、締結基板42には締結部材の締め付けに基づく応力が生じるが、締結基板42の中心部分に形成された貫通孔49によって該応力を分散させることができる。
【0045】
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・連結部材は、鋳造品に限らず、例えば複数の鋼材を溶接することによって作製されるものであってもよい。すなわち、連結部材20には、前側フレーム15の上面15aと後側フレーム16の上面16aとが連続する平坦面となるように当該上面15a,16aを連絡する載置面23と、アクスル18の可動範囲を含む空間を形成する凹面とが形成されていればよく、その製造方法は、鋳造法に限られるものではない。
【0046】
・また、前側フレーム15及び後側フレーム16に対する連結部材の連結方法も、締結部材によって締結する方法に限らず、溶接等によって連結する方法であってもよい。
【0047】
・補強リブ35は、例えば載置面23からの高さが一定であってもよい。すなわち、補強リブ35は、載置面23と凹面25との距離に関わらず、載置面23からの高さが規定されていてもよい。
【0048】
・介在基板22の下縁は、車両の前後方向における中央部分が上縁に向かって凹んでいればよく、湾曲しているものに限られない。すなわち、凹面は、凹曲面に限られるものではなく、載置面23に向かって凹んでいるものであればよく、例えば複数の平面で構成される凹面であってもよい。
【0049】
・ショックアブソーバー57を支持するアッパーブラケット58は、連結部材20ではなく、前側フレーム15あるいは後側フレーム16に固定されていてもよい。こうした構成であれば、連結部材20においてねじ部31を省くことができる。
【符号の説明】
【0050】
10…車体フレーム、11…サイドフレーム、12…クロスメンバ、13…後輪、15…前側フレーム、15a…上面、16…後側フレーム、16a…上面、18…アクスル、20…連結部材、21…介在部、22…介在基板、22a…内面、22b…外面、23…載置面、24…上壁、25…凹面、26…下壁、26A…ねじ部、27…側壁、28…縦リブ、31…ねじ部、35…補強リブ、35a…内面、35b…外面、36…周壁、37…縦リブ、41…締結部、42…締結基板、42a…内面、44…上壁、46…下壁、47…挿通孔、48…ボルト挿通部、49…貫通孔、51…スプリングブラケット、52…シャックル、53…リーフスプリング、54…Uボルトシート、55…Uボルト、57…ショックアブソーバー、58…アッパーブラケット、59…ロアブラケット、60…バンプストッパー、61…荷台、62…ホイールハウス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な一対のサイドフレームの各々にて、該サイドフレームを構成する第1サイドフレームと第2サイドフレームとを前記サイドフレームの延びる方向に連結する車体フレーム連結部材であって、
荷台が載置される載置面と、
該載置面と互いに向かい合う対向面と
を有し、
前記対向面が、前記載置面に向けて凹んだ凹面であり、
一方の前記サイドフレームには、前記載置面の縁のうちで他方の前記サイドフレームとは反対側となる縁に、補強リブが立設されている
ことを特徴とする車体フレーム連結部材。
【請求項2】
前記補強リブが立設された前記載置面の縁のうち、前記載置面と前記対向面との距離が最も小さい部位では、前記補強リブにおける前記載置面からの高さが、前記補強リブのうちで最も大きい
請求項1に記載の車体フレーム連結部材。
【請求項3】
前記対向面が、前記載置面に向けて凹んだ凹曲面であり、
前記補強リブが立設された前記載置面の縁のうち、前記載置面と前記対向面との距離が小さい部位ほど、該部位における前記補強リブの前記載置面からの高さが大きい
請求項2に記載の車体フレーム連結部材。
【請求項4】
前記車体フレーム連結部材が、
鋳造品であって、前記第1サイドフレームに締結部材で締結される第1締結部と前記第2サイドフレームに締結部材で締結される第2締結部とを有する
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車体フレーム連結部材。
【請求項5】
互いに平行な一対のサイドフレームの各々にて、第1サイドフレームと第2サイドフレームとが該サイドフレームの延びる方向に車体フレーム連結部材で連結される車体フレーム構造であって、
前記車体フレーム連結部材が、
荷台が載置される載置面と、
該載置面と互いに向かい合う対向面と
を有し、
前記対向面が、前記載置面に向けて凹んだ凹面であり、
一方の前記サイドフレームには、前記載置面の縁のうちで他方の前記サイドフレームとは反対側となる縁に、補強リブが立設されている
ことを特徴とする車体フレーム構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−79033(P2013−79033A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220964(P2011−220964)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】