説明

車体フロア構造

【課題】収納凹部の収納性能を確保しつつ、収納凹部を被覆するフロアリッドの支持剛性を高めることが可能な車体フロア構造を提供する。
【解決手段】車体フロア構造10は、左右方向に互いに離間して配置された一対のリアフレーム20と、一対のリアフレーム20の間に配置され、下方に窪んだ収納凹部32を有するフロアパネル30と、収納凹部32を開閉可能に被覆し、リアフレーム20の上面よりも隆起する隆起部42を有するフロアリッド40と、隆起部42の下面に一体に結合され、両端部が一対のリアフレーム20の上面にそれぞれ固定されたリッドクロスメンバ50と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フロア構造に関し、より詳しくは、フロアパネルに設けた収納凹部を被覆するフロアリッドを備える車体フロア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のフロアパネルに収納凹部を形成し、当該収納凹部にバッテリモジュールなどの車両部品を収納することが行われている。
例えば、特許文献1には、リアシートの後方のラゲッジスペースの下部に、下方に凹んだ電源ユニット収容部とこの電源ユニット収容部の上面開口部を覆う後部フロア(フロアリッド)とを設け、この中にバッテリモジュールやモータ制御装置などを収容することが記載されている。また、特許文献1では、上下に配置したバッテリモジュールとモータ制御装置の間にバッテリ支持フレームを設け、このバッテリ支持フレームの両端部を左右のサイドフレームに結合することで、バッテリ支持フレームにクロスメンバの機能を発揮させている。なお、後部フロアの前側には、冷却空気を導入するための開口部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−22350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構造では、バッテリ支持フレームが凹字状に形成されており、後部フロアとバッテリ支持フレームとの間に制御装置収納ボックスなどの車両部品が配置されているため、後部フロアの上に重量物を載置する場合に、後部フロアの支持剛性が不足し、後部フロアや車両部品が変形するおそれがある。
また、ハイブリッド車や電気自動車の普及に伴って、バッテリモジュールの上部にもシートや荷物を載置するようなレイアウトの自由度が必要となる。そのため、収納性能を確保しつつ上部ケースの支持剛性を高めることが求められている。
【0005】
本発明は、これらの問題に鑑みて成されたものであり、収納凹部の収納性能を確保しつつ、収納凹部を被覆するフロアリッド(後部フロアに相当する)の支持剛性を高めることが可能な車体フロア構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車体フロア構造は、左右方向に互いに離間して配置された一対のフレーム部材と、前記一対のフレーム部材の間に配置され、下方に窪んだ収納凹部を有するフロアパネルと、前記収納凹部を開閉可能に被覆し、前記フレーム部材の上面よりも隆起する隆起部を有するフロアリッドと、前記隆起部の下面に一体に結合され、両端部が前記一対のフレーム部材の上面にそれぞれ固定されたリッドクロスメンバと、を備えることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、リッドクロスメンバが隆起部の下面に一体に結合されているので、フロアリッドの支持剛性が向上する。そのため、フロアリッドの上に例えば車両用シートなどの重量物を載置した場合でも、重量物を安定して支持することができる。
また、フロアリッドが隆起部を有しているので、隆起部の下側の空間を収納空間として利用することができる。そのため、例えばフロアパネルの高さを下げたとしても収納凹部の容量を維持することができる。また、収納凹部に大型の車両部品を収納することができるとともに、車両部品を落下物から保護することができる。
【0008】
また、前記フロアリッドは、前記リッドクロスメンバの上側に、車両用シートの脚部を着脱自在に固定するシート固定部を有する構成とするのが好ましい。
【0009】
かかる構成によれば、シート固定部に車両用シートの脚部を固定した際に、リッドクロスメンバで補強されたフロアリッドによって、シート荷重を好適に支持することができる。また、シート固定部から車両用シートの脚部を取り外して車両用シートを折り畳むことで、フロアリッドの上部を荷室として利用できるとともに、フロアリッドを取り外して収納凹部を容易に開放することができる。
【0010】
また、前記フロアリッドは、下側が開口する箱形状に形成されているのが好ましい。
【0011】
かかる構成によれば、フロアリッドが下方が開口する箱形状に形成されているので、フロアリッドの剛性が向上するとともに、車体剛性も向上する。
【0012】
また、本発明の車体フロア構造は、前記収納凹部の前側及び後側の少なくとも一方で前記一対のフレーム部材間に架設された少なくとも一本のクロスメンバを備え、前記フロアリッドの前端部及び後端部の少なくとも一方は、前記クロスメンバに固定されていることを特徴とする
【0013】
かかる構成によれば、フロアリッドの前端部又は後端部が、収納凹部の前方又は後方に架設されたクロスメンバに固定されているので、フロアリッドの支持剛性が高まり、重量物を搭載することが可能になる。
【0014】
また、前記フロアリッドの前端部及び後端部の少なくとも一方は、前記クロスメンバに複数の締結部材で固定されており、前記フロアリッドの前端部及び後端部の少なくとも一方のうち隣り合う前記締結部材同士の間には、前記フロアパネルから浮き上がって隙間を形成する浮き上がり部が設けられる構成とするのが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、フロアリッドの前端部及び後端部の少なくとも一方のうち隣り合う前記締結部材同士の間には、前記フロアパネルから浮き上がって隙間を形成する浮き上がり部が設けられているので、フロアリッドや車両用シートに伝達される振動を抑制することができる。
【0016】
また、前記フロアリッドは、前記隆起部と前記リッドクロスメンバと前記フレーム部材とを貫通して配置された締結部材によって前記フレーム部材に締結固定されており、中空に形成された前記フレーム部材の内部、及び、前記リッドクロスメンバの内部には、前記締結部材に外嵌するカラー部材が配置されている構成とするのが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、中空に形成された前記フレーム部材の内部及びリッドクロスメンバの内部に、締結部材に外嵌するカラー部材が配置されているので、カラー部材によってフレーム部材とリッドクロスメンバの各断面変形を抑制し、締結部材の締結力を支持して各部材を強固に結合することができ、ひいては車体剛性を向上させることができる。
【0018】
また、前記カラー部材は、前記リッドクロスメンバと前記フロアリッドの間に配置された第1カラー部材と、中空に形成された前記フレーム部材の内部及び前記フレーム部材と前記リッドクロスメンバの間に配置された第2カラー部材と、を有し、前記第2カラー部材は、前記フレーム部材の上面開口部から突出する突出部を有し、前記突出部に、前記上面開口部との隙間をシールするリング状のホットメルトシール部材を設置した構成とするのが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、リッドクロスメンバとフロアリッドの間に第1カラー部材が配置されているので、リッドクロスメンバ及びフロアリッドの端部の断面剛性が向上する。そのため、フロアリッドの上面を平坦に構成することができ、かつ、車体剛性も向上できる。また、かかる構成によれば、第2カラー部材の上端がフレーム部材の上面開口部から突出し、この突出部にリング状のホットメルトシール部材が設置されているので、塗装乾燥炉で塗装を乾燥させると同時にホットメルトシール部材を溶かして突出部と上面開口部との隙間をシールすることができ、フレーム部材の内部から収納凹部への水浸入を抑制するとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0020】
また、本発明の車体フロア構造は、前記フロアリッドの隆起部と車体側面とを結合するガセットをさらに備え、前記リッドクロスメンバの両端部は、前記フレーム部材と前記ガセットに狭持されている構成とするのが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、リッドクロスメンバの両端部が、フレーム部材とガセットに狭持されるので、車体側面の倒れを抑制するとともに、リッドクロスメンバにタワーバーとしての機能を与え、車体剛性を向上することができる。
【0022】
また、前記ガセットは、車体側面のダンパハウジングに締結されている構成とするのが好ましい。
【0023】
かかる構成によれば、ガセットが車体側面のダンパハウジングに締結されているので、ダンパ支持強度を高め操作性を向上させることができる。なお、ガセットは、ダンパハウジング周縁に結合するスチフナを介してダンパハウジングに間接的に結合していてもよい。
【0024】
また、前記フロアリッドは、左右方向に延設された折れビードを有する構成とするのが好ましい。
【0025】
かかる構成によれば、フロアリッドが左右方向に延設された折れビードを有するので、車両の前後方向の衝突時に折れビードが折れ曲がることで衝突エネルギーを吸収することができる。
【0026】
また、前記リッドクロスメンバは、前記フレーム部材の上面に突設された位置決めピンに嵌合する貫通孔を有し、前記フロアリッドは、前記フレーム部材の下側から貫通配置された締結部材によって前記フレーム部材に締結固定されている構成とするのが好ましい。
【0027】
かかる構成によれば、リッドクロスメンバが位置決めピンで保持されているので、フレーム部材に上方からセットしたフロアリッドをフレーム部材に下方から締結する際に、フレーム部材とリッドクロスメンバとがずれることがないので、車体の下方の広い空間を利用して締結作業を行うことができる。そのため、締結作業の作業性が向上し、締結作業の自動化やトルク管理が容易となる。
【0028】
また、本発明の車体フロア構造は、前記フロアリッドと前記リッドクロスメンバとの間に配置された補強板をさらに備え、前記フロアリッドの上側には、車両用シートの脚部を着脱自在に固定するシート固定部が互いに前後に離間して少なくとも2つ配置され、少なくとも後方側の前記シート固定部は、前記フロアリッドと前記リッドクロスメンバと前記補強板とが重ね合わされた部分に固定されている構成とするのが好ましい。
【0029】
かかる構成によれば、少なくとも後方側の前記シート固定部が、フロアリッドとリッドクロスメンバと補強板とが重ね合わされた部分に固定されているので、急制動時や前突時に、車両用シートにかかる荷重を強固に支持することができる。そのため、例えばシートベルトのストライカとしてシート固定部を利用することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、収納凹部の収納性能を確保しつつ、収納凹部を被覆するフロアリッドの支持剛性を高めることが可能な車体フロア構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態に係る車体フロア構造を備える車両の概略側面図である。
【図2】車体フロア構造を左後方から見下ろした状態を示す斜視図である。
【図3】車体フロア構造の分解斜視図である。
【図4】車体フロア構造の上面図である。
【図5】(a)は、図4のI−I線断面図であり、(b)は(a)のリッドクロスメンバ付近を拡大して示した断面図である。
【図6】リッドクロスメンバの右側付近の拡大斜視図である。
【図7】図4のII−II線断面図である。
【図8】車体フロア構造及び車両用シートの前面図である。
【図9】車両用シートの脚部を右前方から見上げた状態を示す斜視図である。
【図10】車両用シートの回転支持部を左前方から見下ろした状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態について、図1乃至図10を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。また、方向を説明する場合は、図2に示す車両の前後左右上下に基づいて説明する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る車体フロア構造を備える車両の概略側面図である。
図1に示すように、車両Cは、例えば、エンジン及びモータ(図示省略)を駆動源とする3列シート形式のハイブリッド自動車等である。本実施形態に係る車体フロア構造10は、車両Cの3列目の車両用シート70の下方に配置されている。車体フロア構造10は、フロアパネル30を下方に窪ませて形成した収納凹部32を有している。この収納凹部32には、例えばモータを駆動するためのバッテリモジュールなどの車両部品Bが収納されている。収納凹部32は左右一対のリアフレーム20(図1では左側のみ図示)の間に配置されている。また、収納凹部32は、フロアリッド40によって開閉可能に被覆されている。
【0034】
図2は、車体フロア構造を左後方から見下ろした状態を示す斜視図である。図3は、車体フロア構造の分解斜視図である。図4は、車体フロア構造の上面図である。
図2、図3、図4に示すように、車体フロア構造10は、車両Cの後部床面を構成するものである。
車体フロア構造10は、左右方向に互いに離間して配置された一対のリアフレーム20,20と、一対のリアフレーム20,20の間に配置されたフロアパネル30と、フロアパネル30の収納凹部32(図3参照)を開閉可能に被覆するフロアリッド40と、フロアリッド40の下面に一体に結合されたリッドクロスメンバ50(図3参照)と、を備えている。
【0035】
一対のリアフレーム20,20は、車体骨格を構成する金属製の中空部材であり、左右方向に互いに間隔を隔てて配置されている。各リアフレーム20は、車体後方の両側部に前後方向に沿って延設されている。リアフレーム20は、断面視で上向きに開口する溝形状に形成された厚肉のリアフレーム本体21と、このリアフレーム本体21の上側の開口部を閉塞して矩形状閉断面を構成する同じく厚肉のアッパスチフナ22と、から構成されている(図3、図7参照)。
リアフレーム20の前端部同士の間には、前側クロスメンバであるフロアクロスメンバ23が架設されている。また、リアフレーム20の後端部同士の間には、後側クロスメンバであるリアクロスメンバ24が架設されている。本実施形態では、リアクロスメンバ24が、請求項4に記載の「クロスメンバ」に相当する。また、各リアフレーム20の車外側の側部には、ダンパ装置(図7参照)を支持するための車体側壁の一部を構成するダンパハウジング26がそれぞれ結合されている。
【0036】
フロアクロスメンバ23及びリアクロスメンバ24は、車体骨格を構成する金属製の中空部材であり、車両の左右方向に沿って延設されている。
ダンパハウジング26は、車両Cの後輪とダンパ装置D(図7参照)等のサスペンション機構を収納し支持する部分である。ダンパハウジング26は、ダンパ装置Dの上端部を取り付けるためのダンパ取付部26aと、ダンパ取付部26aを囲うように溶接固定された補強部材であるスチフナ28とを有している。
また、ダンパハウジング26の車内側には、スチフナ28とフロアリッド40とを連結するガセット60が設置されている。
【0037】
フロアパネル30は、車両Cの床面を構成する金属製の板状部材であり、一対のリアフレーム20の間に張り渡されている。フロアパネル30の前側はフロアクロスメンバ23に支持されており、フロアパネル30の後側はリアクロスメンバ24に支持されている。フロアパネル30は、その一部を下方に窪ませて形成した収納凹部32(図3参照)を有している。収納凹部32は、平面視で略矩形状に形成されており、その内部には、バッテリモジュール等の車両部品B(図1参照)が収納されている。
【0038】
フロアリッド40は、車体Cの後部フロアを構成するとともに収納凹部32を開閉可能に被覆する蓋状の部材である。フロアリッド40は、前後方向の断面視で略ハット状(図1、図5参照)に形成されており、その中央部にフロアパネル30の上面30aよりも隆起する隆起部42を有している。また、フロアリッド40の前端部である前フランジ部44はフロアパネル30の上面30aに締結固定されており、フロアリッド40の後端部である後フランジ部46は、リアクロスメンバ24(より詳しくはリアクロスメンバ24のフランジ部24a(図5参照))に締結固定されている。また、フロアリッド40の隆起部42の左右端部は、リアフレーム20に締結固定されている。これにより、フロアリッド40は、締結固定を解除することにより、フロアリッド40を取り外して収納凹部32を開放することができる。
なお、図示は省略するが、収納凹部32の前方のフロアパネル30の下面にクロスメンバを追加し、このクロスメンバに前フランジ部44を締結固定してもよい。
【0039】
隆起部42は、下側が開口した箱形状に形成されており、上壁42aと、前壁42bと、後壁42cと、左右の側壁42d,42e(図3参照)とを有している。上壁42aの後寄りの部位には、前後方向の衝突荷重によって折れ曲がる折れビード42fが左右方向に延設されている。また、隆起部42は、前後方向に延設された複数の剛性ビード42gを各所に有している。
【0040】
隆起部42の前寄りの部位には、一対の凹溝42h,42hが前後方向に延設されている。一対の凹溝42h,42hは、互いに左右に離間して配置されている。各凹溝42hの上部には、車両用シート70の脚部76(図8参照)を着脱自在に支持するシート固定部である一対のストライカ48,48が跨設されている。一対のストライカ48,48は、互いに前後に離間して配置されている。ストライカ48は、前後方向から見て略ハット状に形成されており、中央の跨設部48aと、両端の締結部48b,48bと、を有している(図6参照)。ストライカ48の取付構造については、後に詳しく説明する。
【0041】
前フランジ部44及び後フランジ部46は、締結部材であるボルト・ナットで締結される部分だけがフロアパネル30の上面30a及びリアクロスメンバ24のフランジ部24aに接触しており、隣り合うボルト・ナットの間には、フロアパネル30から浮き上がって隙間を形成する浮き上がり部44a,46aが設けられている(図2、図5、図8参照)。これにより、フロアリッド40への、ひいては車両用シート70への振動の伝達が抑制される。
【0042】
リッドクロスメンバ50は、図3に示すように、フロアリッド40の支持剛性を強化するための部材であり、隆起部42の下面に一体に溶接結合されている。リッドクロスメンバ50は、左右方向に水平に延設されており、その左右両端部50a,50bは、フロアリッド40と共にリアフレーム20の上面に締結固定されている。
リッドクロスメンバ50は、上向きに開口する凹溝形状に構成されており、左右両端部50a,50bの溝深さが中央部50cの溝深さに比較して浅くなっている。リッドクロスメンバ50の前壁52及び後壁54には、フロアリッド40の凹溝42hに対応する位置に、切り欠き部52a、54aが設けられている。また、前壁52の上端部には、前方に延出するフランジ部52bが設けられており、後壁54の上端部には、後方に延出するフランジ部54bが設けられている。前側のフランジ部52b及び後側のフランジ部54bは、隆起部42の下面に例えばスポット溶接によって溶接固定されている。また、フランジ部54bには、ストライカ48の締結部材(ボルト)を挿通するためのボルト孔が設けられている。
【0043】
補強板56は、図3に示すように、前後方向に沿って延設された溝形状の部材であり、リッドクロスメンバ50の切り欠き部52a、54aとフロアリッド40の凹溝42hとの間に介設されている。補強板56の左右縁部にはフランジ部56a、56bが設けられている。フランジ部56a,56bには、ストライカ48の締結部材(ボルト)を挿通するためのボルト孔が設けられている。
【0044】
ガセット60は、図2、図4、図7に示すように、ダンパハウジング26の車内側の側面を補強する金属製の部材であり、ダンパハウジング26のスチフナ28とフロアリッド40の隆起部42との間に斜めに架設されている。ガセット60の上端部62はスチフナ28に締結固定されており、ガセット60の下端部64は隆起部42の上壁42aに締結固定されている。ガセット60は、上面視で略三角形状に形成されており、上端部62から下端部64に向かうほど前後方向の幅寸法が大きくなっている。ガセット60の中央には、フロアリッド40を固定するためのボルトBT及びナットNを確認するための開口部66が形成されている。また、ガセット60は、左右方向に延在するとともに上方に向かって膨出する複数の膨出部68を有している。ダンパハウジング26からの上下荷重は、この膨出部68の縦壁を介してリッドクロスメンバ50に伝達される。
【0045】
次に、図5、図6を参照してストライカ48の取付構造について説明する。なお、ストライカ48の取付構造は左右同一であるので、本説明では右側のストライカ48を例にとって説明し、左側のストライカ48については説明を省略する。
図5の(a)は、図4のI−I線断面図であり、(b)は(a)のリッドクロスメンバ50付近を拡大して示した断面図である。図6は、リッドクロスメンバの右側付近の拡大斜視図である。なお、図6では、説明の便宜のため、フロアリッド40とガセット60とを省略して描いている。
【0046】
図5、図6に示すように、後側のストライカ48は、フロアリッド40(より詳しくは隆起部42の上壁42a)と、リッドクロスメンバ50の後側のフランジ部54bと、補強板56の左右のフランジ部56a、56bと、が3枚重ね合わされた部位にボルト・ナットで締結固定されている。
一方、前側のストライカ48は、フロアリッド40(より詳しくは隆起部42の上壁42a)と、補強板56の左右のフランジ部56a、56bと、が2枚重ね合わされた部位にボルト・ナットで締結固定されている。
【0047】
つまり、後側のストライカ48には、車両Cの急制動時や衝突時に、前側のストライカ48よりも大きな引張荷重(引き抜き荷重)が作用するが、後側のストライカ48は、フロアリッド40とリッドクロスメンバ50と補強板56とが3枚重ね合わされた部位に締結固定されているので、車両用シート70を強固に支持することができる。そのため、後側のストライカ48をシートベルトの固定部等に利用することができる。
【0048】
次に、図6、図7を参照して、フロアリッド40及びリッドクロスメンバ50と、リアフレーム20との取付構造について説明する。図7は、図4のII−II線断面図である。なお、当該取付構造は、左右同一であるので、右側のみを説明し、左側の説明は省略する。
【0049】
図6、図7(主に図7)に示すように、互いに一体に溶接結合されたフロアリッド40及びリッドクロスメンバ50は、ボルトBT及びナットNによって、リアフレーム20の上面に締結固定されている。
具体的には、図7に示すように、隆起部42の上壁42a、リッドクロスメンバ50の右端部50b、並びに、リアフレーム20の下壁21a及び上壁22aには、ボルトBTを挿通するための挿通孔42i,50d,21b,22bがそれぞれ貫通形成されている。また、隆起部42の上壁42aの挿通孔42iの周囲には、補強のためのパッチPが溶接固定されており、さらにその上部には、ナットNが溶接固定されている。ボルトBTは、リアフレーム20の下方から上方に向かって挿入されてナットNに螺合している。
なお、これらのボルトBT及びナットN、並びに、挿通孔42i,50d,21b,22bは、前後方向に離間して2箇所に設けられている(図3、図6参照)。
【0050】
前記したボルトBT及びナットNによる締結部位において、中空に形成されたリアフレーム20の内部及びリッドクロスメンバ50の内部(より詳しくは中空に形成されたリアフレーム20の内部、リアフレーム20とリッドクロスメンバ50の間、及び、リッドクロスメンバ50とフロアリッド40の間)には、ボルトBTの軸部に外嵌するカラー部材80が配置されている。カラー部材80は、第1カラー部材81と第2カラー部材82の2部材で構成されている。
【0051】
第1カラー部材81は、リッドクロスメンバ50とフロアリッド40との間(より詳しくは右端部50bと上壁42aの間)に配置される中空の筒状部材である。第1カラー部材81は、筒状の本体部81aと、本体部81aの下端部に設けられた環状のフランジ部81bと、ボルトBTを挿通するための孔部81cと、を有している。本体部81aの上端部はフロアリッド40の下面に当接し、本体部81aの下端部(フランジ部81b)はリッドクロスメンバ50に当接している。
【0052】
第2カラー部材82は、リアフレーム20の内部及びリアフレーム20とリッドクロスメンバ50との間に配置される中空の筒状部材である。第2カラー部材82は、筒状の本体部82aと、本体部82aの上端側の部位であってリアフレーム20の上壁22aから突出する突出部82bと、本体部82aの下端部に設けられた環状の下フランジ部82cと、本体部82aの上端寄りの部位に設けられた環状の上フランジ部82dと、ボルトBTを挿通するための孔部82eと、を有している。
【0053】
突出部82bは、リアフレーム20の上壁22aに形成された挿通孔22bから突出してリッドクロスメンバ50の下面に当接している。また、本体部82aの下端部(下フランジ部82c)は、リアフレーム20の下壁21aに当接している。
なお、挿通孔22bは、突出部82bを挿通可能な程度に、他の挿通孔42i,50d,21bよりも大径に形成されている。突出部82bには、挿通孔22bとの隙間をシールするリング状のホットメルトシール部材83が外嵌されている。また、上壁22aと上フランジ部82dとの間には、バルクヘッド84が配設されている。
【0054】
ホットメルトシール部材83は、熱可塑性樹脂で構成されており、加熱されることで溶融するようになっている。ホットメルトシール部材83は、例えば塗装を乾燥させる工程で加熱されて溶融することにより、突出部82bと挿通孔22bの間をシールする。
【0055】
図6に示すように、リッドクロスメンバ50の右端部50bは、右側のリアフレーム20の上面に載置されている。ここで、リアフレーム20の上面には位置決めピン25が突設されており、リッドクロスメンバ50の右端部50bには、位置決めピン25を挿入するための位置決め孔50dが貫通形成されている。位置決め孔50dは、前後方向よりも左右方向が長い長孔形状に形成されている。これにより、フロアリッド40及びリッドクロスメンバ50をリアフレーム20に締結固定する際に、両者の前後位置がずれることがないので、リアフレーム20の下方からボルトBTを挿通して締結する作業が容易になる。
【0056】
図7に戻って、ガセット60の上端部62は、ダンパハウジング26を補強するスチフナ28に締結固定されている。また、ガセット60の下端部64は、フロアリッド40の隆起部42の上壁42aに締結固定されている。これにより、車体側面を構成するダンパハウジング26の支持剛性が向上し、車体剛性が一層向上する。
【0057】
また、リッドクロスメンバ50の右端部50bは、図7に示すように、リアフレーム20とガセット60に挟持されている。また、図示は省略するが、リッドクロスメンバ50の左端部50a(図3参照)も、リアフレーム20とガセット60に挟持されている。これにより、リッドクロスメンバ50は、左右方向を回転軸とする捩れを元に戻すタワーバーとしての機能を有するので、車体剛性が向上する。
【0058】
次に、図8、図9、図10を参照して、車両用シート70の取付構造について説明する。
図8は、車体フロア構造及び車両用シートの前面図である。図9は、車両用シートの脚部を右前方から見上げた状態を示す斜視図である。図10は、車両用シートの回転支持部を左前方から見下ろした状態を示す斜視図である。
【0059】
車両用シート70は、車両Cの3列目の後部座席であり(図1参照)、車体フロア構造10の上方に設置されている。
車両用シート70は、図8に示すように、シートクッション72と、シートクッション72の後端部に傾動可能に取り付けられたシートバック74と、シートクッション72の下面72aに回動可能に設けられた脚部76と、シートクッション72の車外側の側部72bとダンパハウジング26とを連結する回動支持部78と、を有している。
車両用シート70は、図8の右側(車両Cの左側)に示すように、シートバック74を前傾させた状態で、脚部76をストライカ48から取り外し、回動支持部78を中心としてシートクッション72を車体側部に向かって跳ね上げることで、折り畳むことができる。このように、車両用シート70を折り畳むことにより、車体フロア構造10の上部をラゲッジスペースとして利用できる。
【0060】
脚部76は、図9に示すように、隆起部42に設けられたストライカ48に着脱自在に係合する部材である。脚部76は、シートクッション72の下面72aに設けられた脚部収容部72c内に回動自在に軸支されている。
脚部76は、側面視で略台形状の脚部本体76aと、脚部本体76aの下端部に設けられた一対のロック部76b,76bと、脚部本体76aの上端部に設けられた回動軸部76cと、を備えている。
ロック部76bは、図示しない操作手段によって、ストライカ48との係合状態を解除できるようになっている。この操作手段を操作することにより、脚部76をストライカ48から取り外すことができる。
回動軸部76cは、脚部収容部72cの内部に回動自在に取り付けられている。これにより、車両用シート70を折り畳んだときに、脚部76を脚部収容部72cに収容することができる。
【0061】
回動支持部78は、図10に示すように、回転軸78aと、回転軸78aを被覆するカバー部材78bと、回転軸78aの両端部を支持する一対の支持体78c,78cと、を有している。
カバー部材78bは、カバー内部で回転軸78aに回転可能に係合するとともに、その下端でシートクッション72の側部72bに連結している。
支持体78cは、いわゆる金属製のステーであり、その基端側はダンパハウジング26に固定されており、先端側は回転軸78aを回動不能に支持している。
回転軸78aは、カバー部材78bを上方に向かって付勢する付勢手段(図示省略)を備えている。これにより、車両用シート70を持ち上げる力を軽減することができる。
【0062】
本実施形態に係る車体フロア構造10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、車体フロア構造10の作用効果について、適宜図1乃至図10を参照して説明する。
【0063】
本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、リッドクロスメンバ50が隆起部42の下面に一体に溶接結合されているので、フロアリッド40の支持剛性が向上する。そのため、フロアリッド40の上に重量物である車両用シート70を載置した場合でも、車両用シート70を安定して支持することができる。
また、フロアリッド40が隆起部42を有しているので、隆起部42の下側の空間を収納空間として利用することができる。そのため、例えばフロアパネル30の高さを従来よりも下げたとしても収納凹部32の容量を維持することができる。また、収納凹部32に大型の車両部品Bを収納することができるとともに、車両部品Bを落下物から保護することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、シート固定部であるストライカ48に車両用シート70の脚部76を固定した際に、リッドクロスメンバ50で補強されたフロアリッド40によって、シート荷重を好適に支持することができる。また、ストライカ48から車両用シート70の脚部76を取り外して折り畳むことで、フロアリッド40の上部を荷室として利用できるとともに、フロアリッド40を取り外して収納凹部32を容易に開放することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、フロアリッド40(より詳しくは隆起部42)が、下方が開口する箱形状に形成されているので、フロアリッド40の剛性が向上するとともに、車体剛性も向上する。
【0066】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、フロアリッド40の後フランジ部46が、リアクロスメンバ24に締結固定されているので、フロアリッド40の支持剛性が高まり、車両用シート70などの重量物を搭載することが可能になる。
【0067】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、フロアリッド40の前フランジ部44及び後フランジ部46のうち隣り合う締結部材同士の間に、フロアパネル30から浮き上がって隙間を形成する浮き上がり部44a,46aが設けられているので、フロアリッド40や車両用シート70に伝達される振動を抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、中空に形成されたリアフレーム20の内部、リアフレーム20とリッドクロスメンバ50の間、及び、リッドクロスメンバ50とフロアリッド40の間に、ボルトBTに外嵌するカラー部材80が配置されているので、カラー部材80によってリアフレーム20とリッドクロスメンバ50の各断面の変形を抑制し、ボルトBTの締結力を支持して各部材を強固に結合することができ、ひいては車体剛性を向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、リッドクロスメンバ50とフロアリッド40の間に第1カラー部材81が配置されているので、リッドクロスメンバ50及びフロアリッド40の端部の断面剛性が向上する。そのため、リッドクロスメンバ50の両端部50b,50bの深さ寸法を中央部50cよりも小さくできるので、フロアリッド40の上面を平坦に構成することができ、かつ、車体剛性も向上できる。
【0070】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、第2カラー部材82の上端がリアフレーム20の上壁22aの挿通孔22bから突出し、この突出部82bにリング状のホットメルトシール部材83が設置されているので、例えば塗装乾燥工程において、塗装乾燥炉で塗装を乾燥させると同時にホットメルトシール部材83を溶融させて突出部82bと挿通孔22bとの隙間をシールすることができ、フレーム部材の内部から収納凹部への水浸入を抑制するとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0071】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、リッドクロスメンバ50の左右両端部50a,50bが、リアフレーム20とガセット60とに狭持されるので、ダンパハウジング26の倒れを抑制するとともに、リッドクロスメンバ50にタワーバーとしての機能を与え、車体剛性を向上することができる。
【0072】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、ガセット60がダンパハウジング26に結合するスチフナ28に締結されているので、ダンパ支持強度を高め操作性を向上させることができる。
【0073】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、フロアリッド40が左右方向に延設された折れビード42fを有するので、例えばフロアリッド40を厚肉の鋼板で構成した場合でも、車両Cの前後方向の衝突時に折れビード42fが折れ曲がることで衝突エネルギーを好適に吸収することができる。
【0074】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、リッドクロスメンバ50の左右両端部50a,50bが位置決めピン25で保持されているので、リアフレーム20に上方からセットしたリッドクロスメンバ50をリアフレーム20に下方から締結する際に、リアフレーム20とリッドクロスメンバ50とがずれることがないので、車両Cの下方の広い空間を利用して締結作業を行うことができる。そのため、締結作業の作業性が向上し、締結作業の自動化やトルク管理が容易となる。
【0075】
また、本実施形態に係る車体フロア構造10によれば、後側のストライカ48が、フロアリッド40とリッドクロスメンバ50と補強板56とが重ね合わされた部分に固定されているので、急制動時や前突時に、車両用シート70にかかる荷重を強固に支持することができる。そのため、例えばストライカ48をシートベルトの固定部として利用することができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0077】
例えば、本実施形態では、車体フロア構造10を車両Cの後方部位に設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両Cの前方部位や中間部位に設置してもよい。例えば、一対のリアフレーム20,20の間ではなく、車両Cの中間部位に配置された一対のフロアフレーム(図示省略)の間に収納凹部32を設けるようにしてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、サードシートの下部に収納凹部32とフロアリッド40とを設けたが、フロントシートやセカンドシートの下部に設けるようにしてもよい。
【0079】
また、本実施形態では、フロアリッド40の後フランジ部46をリアクロスメンバ24に締結固定し、前フランジ部44をフロアパネル30に締結固定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前フランジ部44をフロアクロスメンバ23に締結固定する構造としてもよい。かかる構成によれば、フロアリッド40の前端部の支持剛性が高まり、重量物を搭載することが可能になる。
【0080】
また、本実施形態では、後側のストライカ48のみを3枚重ね部分に締結固定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前側のストライカ48の設置位置を変更したり、リッドクロスメンバ50の前側のフランジ部52bを延伸したりして、フロアリッド40とリッドクロスメンバ50(の前側のフランジ部52b)と補強板56とが3枚重ね合わされた部位に前側のストライカ48を締結固定してもよい。かかる構成によれば、前後両方のストライカ48が3枚重ね部分に締結固定されるので、ストライカ48の支持剛性を一層向上させることができる。
【符号の説明】
【0081】
10 車体フロア構造
20 リアフレーム(フレーム部材)
23 フロアクロスメンバ
24 リアクロスメンバ(クロスメンバ)
30 フロアパネル
32 収納凹部
40 フロアリッド
42 隆起部
48 ストライカ(シート固定部)
50 リッドクロスメンバ
56 補強板
60 ガセット
70 車両用シート
76 脚部
80 カラー部材
81 第1カラー部材
82 第2カラー部材
83 ホットメルトシール部材
C 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に互いに離間して配置された一対のフレーム部材と、
前記一対のフレーム部材の間に配置され、下方に窪んだ収納凹部を有するフロアパネルと、
前記収納凹部を開閉可能に被覆し、前記フレーム部材の上面よりも隆起する隆起部を有するフロアリッドと、
前記隆起部の下面に一体に結合され、両端部が前記一対のフレーム部材の上面にそれぞれ固定されたリッドクロスメンバと、を備えることを特徴とする車体フロア構造。
【請求項2】
前記フロアリッドは、前記リッドクロスメンバの上側に、車両用シートの脚部を着脱自在に固定するシート固定部を有することを特徴とする請求項1に記載の車体フロア構造。
【請求項3】
前記フロアリッドは、下側が開口する箱形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体フロア構造。
【請求項4】
前記収納凹部の前側及び後側の少なくとも一方で前記一対のフレーム部材間に架設された少なくとも一本のクロスメンバを備え、
前記フロアリッドの前端部及び後端部の少なくとも一方は、前記クロスメンバに固定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車体フロア構造。
【請求項5】
前記フロアリッドの前端部及び後端部の少なくとも一方は、前記クロスメンバに複数の締結部材で固定されており、
前記フロアリッドの前端部及び後端部の少なくとも一方のうち隣り合う前記締結部材同士の間には、前記フロアパネルから浮き上がって隙間を形成する浮き上がり部が設けられることを特徴とする請求項4に記載の車体フロア構造。
【請求項6】
前記フロアリッドは、前記隆起部と前記リッドクロスメンバと前記フレーム部材とを貫通して配置された締結部材によって前記フレーム部材に締結固定されており、
中空に形成された前記フレーム部材の内部及び前記リッドクロスメンバの内部には、前記締結部材に外嵌するカラー部材が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車体フロア構造。
【請求項7】
前記カラー部材は、前記リッドクロスメンバと前記フロアリッドの間に配置された第1カラー部材と、中空に形成された前記フレーム部材の内部及び前記フレーム部材と前記リッドクロスメンバの間に配置された第2カラー部材と、を有し、
前記第2カラー部材は、前記フレーム部材の上面開口部から突出する突出部を有し、
前記突出部に、前記上面開口部との隙間をシールするリング状のホットメルトシール部材を設置したことを特徴とする請求項6に記載の車体フロア構造。
【請求項8】
前記フロアリッドの隆起部と車体側面とを結合するガセットをさらに備え、
前記リッドクロスメンバの両端部は、前記フレーム部材と前記ガセットに狭持されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車体フロア構造。
【請求項9】
前記ガセットは、車体側面のダンパハウジングに締結されていることを特徴とする請求項8に記載の車体フロア構造。
【請求項10】
前記フロアリッドは、左右方向に延設された折れビードを有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車体フロア構造。
【請求項11】
前記リッドクロスメンバは、前記フレーム部材の上面に突設された位置決めピンに嵌合する貫通孔を有し、
前記フロアリッドは、前記フレーム部材の下側から貫通配置された締結部材によって前記フレーム部材に締結固定されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の車体フロア構造。
【請求項12】
前記フロアリッドと前記リッドクロスメンバとの間に配置された補強板をさらに備え、
前記フロアリッドの上側には、車両用シートの脚部を着脱自在に固定するシート固定部が互いに前後に離間して少なくとも2つ配置され、
少なくとも後方側の前記シート固定部は、前記フロアリッドと前記リッドクロスメンバと前記補強板とが重ね合わされた部分に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の車体フロア構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−214172(P2012−214172A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82030(P2011−82030)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】